《論 説》
カナダ大企業の特徴:再論
*榎 本 悟
(岡山大学名誉教授)はじめに
カナダの大企業の特徴については既に論じたことがある(榎本,1999年;2004年)。そこでは,1957年 から2002年までのカナダ大企業の特徴として次のようなことを指摘した。(1)カナダの大企業は,世界 の上位500社に入る企業数が減少傾向にあること,(2)カナダでは外資系企業の比重が高く,上位500社 のうち,25%程度を占めていること,(3)カナダ人所有企業は特定の業種,特にカナダの持つ豊富な天 然資源を基盤とする大企業が多いということ,この3つである。 本稿は,およそ20年後の今日においてもこれまで指摘した特徴が持続しているのか,あるいはカナダ大 企業の特徴として新たな特徴が指摘できるのかどうかを探るものである。結論を先取りしていうと,これ までカナダ大企業の特徴として述べてこなかったいくつかの特徴が新たに浮かび上がってくる。またそれ 表1 カナダ大企業の史的変遷 年 1 100順位 101 200 201 300 301 400 401 500 合計 最大企業 1994 1 1 3 5 BCE 1995 1 1 4 6 BCE 1996 1 1 4 6 BCE 1997 1 3 4 8 BCE 1998 2 4 6 12 BCE 1999 1 4 7 12 Nortel Networks 2000 1 8 6 15 Nortel Networks 2001 2 7 7 16 Nortel Networks 2002 1 6 7 14 George Weston 2003 1 5 7 13 George Weston 2004 4 4 5 13 Alcan 2005 5 3 6 14 Manulife International 2006 6 3 7 16 Royal Bank of Canada 2007 1 3 5 5 14 Royal Bank of Canada 2008 5 7 2 14 Royal Bank of Canada 2009 4 2 5 11 Manulife Financial 2010 4 2 5 11 Manulife Financial 2011 1 2 3 5 11 Manulife Financial 2012 2 5 2 9 Suncor Energy 2013 2 5 3 10 Suncor Energy 2014 4 5 2 11 Manulife International 2015 2 5 4 11 George Weston 2016 4 3 4 11 Manulife Financial 2017 6 3 3 12 Manulife Financial2018 1 4 4 4 13 Brookfi eld Asset Management 2019 3 2 5 3 13 Brookfi eld Asset Management 出所)Fortune,各号より作成
*本稿作成にあたり,Canadian Business 1999年の資料収集については小樽商科大学教授,高田聡氏のご協力を得た。ここに深 く感謝する次第である。
がどのような理由によるものであるのかということについても,仮説的な考察を加えることにしよう。
カナダ大企業の特徴
初めに,これまでに指摘したカナダ大企業の特徴が今日に至ってもなお,その特徴を保持しているのか どうかを見てみることにする。 (1)カナダ大企業の地位の低下 表1は1994年から2019年まで,Fortune Global 500ランキングに載ったカナダ大企業の数と,その地位 を見たものである。周知のように,1994年以降のFortune誌のGlobal 500ランキングは製造企業に加えて サービス企業もランキングされるようになって,文字通り世界私企業ランキングとして比較が容易になっ た。また,1989年から多国籍企業子会社の売り上げが親会社の売り上げとみなされるようになったため, カナダ大企業の数は二桁の数から一桁台に激減し,その影響は1997年まで持続して,1998年になってよう やく二桁に復帰する。その後2000年代半ばまでには十数社と増加したが,2000年代半ば以降2010年代の半 ばまではリーマンショックの影響もあってか,若干,数が減少した。だが,ここ数年は再び,やや持ち直 しつつあるようにみえる。 同時に,カナダ大企業は上位500社の中で200番台以降の大企業がほとんどで,1∼ 200位にランクイン する企業はごく少数であった。もっとも新しいデータでは101位から200位までにランクインした企業が3 社となっており,カナダの大企業は徐々にその成長の勢いが高まっているようにみえる。 要は,カナダの大企業は世界的に見て,その地位が最近は低下しているとはいえず,むしろ500社ラン キングに入る企業数はやや増加しつあるということと,相対的なランキングについても上位ランキングに 入る企業が増えつつあるといえる。したがって,1999年当時,カナダ大企業の地位の低下がみられるとし た前稿での考察は修正する必要があるといえよう。カナダ復調の理由は,1994年に締結した北米自由貿易 協定(NAFTA)の全般的な好影響があると考えられる。ちなみに,締結以降,カナダ,アメリカ,メキ シコ3か国のお互いの国からの輸入量の合計額は2017年におよそ1.1兆ドルに達しており,カナダ・アメ リカ間の貿易額やカナダ・メキシコ間の貿易額は1993年と比べて,それぞれおよそ2倍と9倍に達してい る(Government of Canada, 2020)。これを反映した好景気がカナダ大企業を活性化させていると考えられる。 また最近10年間(2010年∼19年)の実質経済成長率も年率平均2.1%(ジェトロ HPより作成,2020.10.27 アクセス)と好調を維持していることからも自由貿易の恩恵を受けているものと考えられる。 ただし,後述するが,カナダの製造業については,付加価値額でみると,毎年それほど大幅に増加して いるわけではなく,むしろ製造業の付加価値額は停滞気味であるといえる。代わって第3次産業部門であ るサービス産業部門の付加価値額が伸びており,とりわけ情報技術産業の企業成長が著しい。 表2 カナダ企業上位500社(売上高,1999年) ランキング 国内企業カナダ 外資系企業 (内訳)米国 英国 日本 スイス オランダ その他 1 100 75 25 19 1 4 1 101 200 67 33 21 5 0 1 2 4 201 300 70 30 20 1 4 1 0 4 301 400 72 28 19 1 1 2 0 5 401 500 68 32 18 4 2 1 2 5 計 352(70.4%) 148(29.6%) 97(19.4%) 12 11 5 4 19 出所)Canadian Business, June 26, 1999より作成(2)外資系企業の重要性 カナダ経済に占める外資系企業,とりわけアメリカ多国籍企業の役割が大きいという特徴については, 前稿で指摘した通りである。そのことを示すデータを再び示すと,表2のようになっている。 この表から,1999年にはカナダ上位500社中,外資系企業は全部で148社あり,全体の29.6%を占めてい ることがわかる。カナダの大企業のおよそ3割が外資系企業であり,そのうちアメリカ系企業が97社で全 体の2割(19.4%)を占める。同様の傾向が観察できるかどうかを最新のデータ(2018年)で見てみよう。 表3は2018年におけるカナダ企業上位500社のデータである。 1999年から20年後の2018年のデータでは,カナダ企業上位500社に外資系企業が183社,36.6%を占めて, 前回のデータより上昇していることがわかる。またアメリカ系企業は118社で,その比率も,19.4%から 23.6%へと上昇している。これもまた,NAFTA発効以降,カナダ経済はアメリカ経済への一層の依存傾向 が深まっていることを示すものと考えられる。いずれにしてもカナダ経済においては,依然として外資系 企業,とりわけアメリカ系企業子会社の役割が大きいということである。 上記の議論と直接関連するとは言えないが,上位500社に占める家族企業の割合も95社,19.0%と高い 比率であることが今回の新たな特徴の一つとしてあげられる1。ちなみに,家族系企業の分布を見てみる と,上位500社におおよそ偏りなく分布していることもわかる。 表4は2018年の家族系大企業の業種別・地位別分布をあらわしている。この表からわかることは,家族 系大企業は金融(8社),食品製造(7社),一般製造(7社),卸(7社),さらにはエネルギー(6社), エンジニアリング(5社),林業(5社),メディア(5社)が続いている。基本的にメーカーというより も,販売あるいは金融,さらにはエネルギーや林業といった分野に業種が集中する傾向が強いといえよう。 つまり伝統的産業に家族系企業はかかわる傾向が強いように見えるし,伝統的産業の中でも製造業に関与 するよりもバリュー・チェーンの消費者側,すなわち卸,流通部門に関与するサービス関連企業が多いと いうことである。逆にバイオ技術(0社)やハイテク技術(2社)や情報技術(4社)といったこれから の業種には家族系企業が積極的に参入しているようには一見したところ見えない。しかしながら,後述す るように,実際は情報技術企業がカナダの経済で徐々に大きな役割を担ってきているのである。したがっ て,今後,こうした分野のカナダ企業の活躍が大いに期待されるように思われる。 さらに,家族系企業95社中,ランキング1位から100位の中に25社あり,最多の数を誇っており,家族 系企業とはいえ,規模的に小さい企業を想像すると,誤った判断をしてしまうかもしれない。 ところで,家族企業の割合が高いということは,何を意味しているのであろうか。仮説的には,カナダ という国が新規企業の成長可能性を秘めたダイナミックな国であるということを示しているのかもしれな 1 ここでの家族系企業とは,スタートアップ企業にみられるような少人数の株主で構成される企業と文字通り家族で株式の 大部分を所有している企業の両方をあらわしている。 表3 カナダ企業上位500社(売上高,2018年) ランキング カナダ国内企業 外資系企業 (内訳)米国 英国 日本 その他 非家族企業 家族企業 1 100 42 25 33 21 5 2 5 101 200 49 14 37 20 5 1 11 201 300 48 16 36 25 4 1 6 301 400 42 22 36 23 4 1 8 401 500 41 18 41 29 2 1 9 計 222(44.4%) 95(19.0%) 183(36.6%) 118(23.6%) 20 6 39 注)外資系企業とは株式の10%以上が外国企業等によって所有されている場合をさしている。
いし,あるいは公開企業とすることで株主の意向にさらされることを嫌がる性向や,家族企業として存続 することを是とする,保守性をあらわしているのかもしれない。 さらにもう一つの特徴として,カナダ連邦政府や州政府が所管し,郵便,通貨鋳造,宝くじ,酒類販売, 水力発電,石油関連といった公共性の高い事業にクラウン・コーポレーション(Crown corporation)が設 立されており,それが44社(8.8%)にのぼっているということである2。この点を考慮に入れて,カナダ 人所有企業で家族系企業を除いた非家族系企業からさらにクラウン・コーポレーションの数を差し引くと, 178社(35.6%)となる。カナダにある外資系企業は183社(36.6%)であるから,数の上ではカナダ人所
2 ちなみに1999年のカナダ上位企業500社に入るクラウン・コーポレーションの数は29社である。Canadian Business, June 26, 1999.参照 表4 カナダ大企業(家族系企業)の業種別分布(2018年) 業種分類 1 100 101 200 201 300 301 400 401 500 小計 Account 会計事務所 0 Amuse 娯楽 1 1 Bank 銀行 1 1 Biotech バイオ技術 0 Chemical 化学 0 Credit クレジット 0 Drink 飲料 0 Energy エネルギー 2 1 3 6 Engineer エンジニアリン 2 1 2 5 Environ 環境 0 Farm 農場 1 1 2 Finance 金融 4 2 2 8 Food Dis 食品流通 3 3 Food Man 食品製造 3 1 1 1 1 7 Food Sell 食品販売 3 3 Forest 林業 1 2 1 1 5 Gold 金 1 1 Health 健康 0 High-Tech ハイテク 1 1 2 Holding 持ち株会社 2 2 Info-Tech 情報技術 1 2 1 4 Insure 保険 0 Life 生保 0 Manuf 一般製造 2 1 1 3 7 Market 市場 0 Media メディア 3 1 1 5 Merchant 商業 1 1 Mining 採鉱 1 1 2 Oil Field 油田 1 1 Prop Ins 損害保険 1 1 Real Est 不動産 2 1 3 Reit リート 1 1 2 Service サービス 1 1 2 Steel 鉄鋼 0 Store 店舗 2 2 4 Telecom テレコム 1 1 2 Transport 運輸 1 3 4 Trust 信託 0 Utility 公益事業 1 1 2 Vehicle 車両 1 1 Whole 卸 1 3 2 1 7 others その他 1 1 Total 25 14 16 22 18 95
有の民間企業は外資系企業の数より少ないということがわかる。ここでもカナダの経済を評して,国内基 盤の企業の弱さと外資系企業の強さを指摘されることがあるが,まさにそのことをあらわしているといえ よう3。 続いて,上位500社に入るクラウン・コーポレーションについて,カナダの連邦・州政府機関の所有者と, どういった業種に設立されているかを見たものが表5である。 この表からわかることは,クラウン・コーポレーションの最大所有者はカナダ連邦政府であり,10社を 所有し,次いでケベック州(7社),ブリティッシュ・コロンビア(BC)州(6社),アルバータ州(6社) と続いている。BC州を除く西部諸州や,大西洋湾岸諸州にはクラウン・コーポレーションが少ない。こ うした州では,クラウン・コーポレーションを設立する資金的な余裕が十分ではないということがその理 由になるのかもしれない。また,オンタリオ,ケベック両州のようにカナダを代表する二つの州や1867年 のカナダ連邦結成以降に参加した州とはいえ,太平洋につながるBC州や石油資源の豊富なアルバータ州 に比べて,それ以外の州は魅力が劣るため連邦政府や州政府の支援が遅れたというのがその理由になるの かもしれない。 また業種的には,金融業が最大で12社,次いで酒類販売やたばこ,宝くじ等を含む特製品小売(8社), 公益事業(6社),運輸(5社),娯楽(4社)と続いている。これらは公益性の高い事業や専売品あるい はインフラ整備といった事業に政府が力を注いでいることを示すものであるといえよう。 ちなみに,1999年のクラウン・コーポレーションの数は29社で,連邦政府が11社,BC州が5社,ケベッ ク州が4社,オンタリオ州が3社と続いている。また業種的には公益事業6社,金融サービス5社,宝く じ5社となっている。2018年と比較してみると,クラウン・コーポレーションの数に差があることは確か であるが,業種あるいは所有別に見たときには,それほど大きな差異が生じているとはいえないであろう。 (3)特定の業種に集中する傾向 前稿で指摘した3番目の特徴である,カナダ大企業の特定産業への集中化傾向はどのようになったであ ろうか。表6は1999年時点でのカナダ大企業500社(国内企業,外資系企業を含む)の産業別分布表である。 前稿では,1957年から1997年までの歴史的な推移の中で,鉱業,紙・パルプ,一次金属,石油,食品, 3 とはいえ,家族系企業と,クラウン・コーポレーションを除く非家族系企業の数を合わせると,当然のことながらカナダ 人所有企業の数は273社で外資系企業の数を上回る。 表5 クラウン・コーポレーションの業種,所有別分布(2018年) 所有者 会社数 業種 会社数 連邦政府 10 金融 12 ケベック州 7 特製品小売 8 BC州 6 公益事業 6 アルバ州 6 運輸 5 オンタ州 4 娯楽 4 マニトバ州 3 サービス 3 NB州 2 損害保険 2 サスカ州 2 銀行 1 NF州 1 メディア 1 大西洋州 1 不動産 1 NS州 1 一般製造 1 トロント市 1 計 44 44 BC州はブリティッシュ・コロンビア州,NB州はニューブランズ ウィック州,そしてNS州はノヴァスコシア州を示している。 出所)Financial Post magazine, June 2019より作成
輸送機器,木材・家具といった産業に大企業が集中していたことを指摘した。そしてこれらの産業は,輸 送機器は例外として,カナダの持つきわめて豊富な天然資源を基盤として成立している産業であった。い わば国家特殊的優位性あるいは立地特殊的優位性(location-specifi c advantage)の上に立脚した産業に大企 業が存在しているということである(榎本,1999,88 89頁)。 ところが表6を見ると,1999年の上位500社の中で,カナダ国内企業に限定して,その産業別分布を見 てみると,金融サービス・銀行・保険が51社と最大であり,次いで,消費財製造・流通・小売が28社,多 角化・持株会社が27社,食品・飲料加工・小売が25社,石油・ガスが22社,宇宙・産業製品製造が19社, そして木製品が18社と続いている。ここでは金融サービス・銀行・保険企業が突然トップに躍り出たわけ であるが,1999年調査が製造業のみならず金融サービス業もデータとして含めたことで,こうした結果が 出てきたわけである。これに対し,1957年から1997年のデータでは1994年以降,製造業にサービス業が初 めてデータとして含まれるようになったが,それ以前は製造業ランキングであったため,金融サービス業 は対象外であった。このためこうした突然変異的なことが生じたのである。 それでは2018年の大企業の産業別分布はどうであろうか。表7は2018年のカナダ大企業500社の業種別 分布と,それを細分して家族系企業と外資系企業についての業種別分布を見たものである。このうち,外 資系企業を除くカナダ国内企業317社の産業別分布に注目しよう。これによると,大企業が集中している 産業は,エネルギー 29社(46社−17社),金融28社,公益事業28社,運輸19社,小売17社,一般製造16社 と続いている。表6と表7は同じ機関の調査ではないため,厳密な比較はできないが,仮に,表6でトッ プであった金融サービス・銀行・保険業を表7の調査に適用してみると,銀行10社,金融28社,損害保険 表6 カナダ大企業の業種別分布(1999年) 国内企業 外資系企業 業種分類 (1999年) 1 100 101200 201300 301400 401500 小計 1 100 101200 201300 301400 401500 小計 manu 宇宙・産業製品製造 2 5 7 2 3 19 0 4 7 4 2 17 agri 農業・バイオビジネス 3 3 2 1 0 9 1 1 0 1 0 3 auto 自動車・部品製造 1 0 2 4 2 9 6 1 0 3 2 12 chem 化学・製薬 1 0 0 1 1 3 1 1 1 3 5 11 cons コンサルティング(含むIT) 1 0 2 3 2 8 0 1 0 1 0 2 cp 消費財製造・流通・小売 4 4 4 9 7 28 3 0 5 4 5 17 div 多角化・持株会社 11 3 4 4 5 27 2 1 0 1 3 7 eng エンジニアリング・建設 0 2 1 3 2 8 0 0 0 0 0 0 fs 金融サービス・銀行・保険 14 10 8 7 12 51 1 7 3 2 2 15 food 食品・飲料加工・小売 7 4 8 2 4 25 2 4 2 2 2 12 fp 木製品 1 6 3 7 1 18 1 2 3 2 1 9 fran フランチャイザー 2 1 1 0 1 5 0 1 1 0 0 2 hc 健康製品・サービス 0 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 high ハイテク・コンピュータ 2 2 2 4 5 15 1 4 1 2 6 14 im/ex 輸入・輸出 0 0 1 0 0 1 0 1 3 0 0 4 lott 宝くじ・ゲーム 1 1 2 1 1 6 0 0 0 0 0 0 media メディア・印刷・放送 4 1 4 4 4 17 0 0 0 0 0 0 mng 鉱業 1 7 1 2 2 13 1 1 1 1 2 6 o&g 石油・ガス 5 4 5 5 3 22 4 4 1 0 0 9 re 不動産 0 2 1 0 4 7 0 0 0 0 0 0 steel 鉄鋼製品 2 2 3 0 4 11 0 0 0 0 0 0 tele 通信 4 1 2 6 1 14 2 0 2 0 1 5 trans 輸送・船舶 3 0 0 3 2 8 0 0 0 0 0 0 trav 旅行・ホテル 2 1 1 2 1 7 0 0 0 1 0 1 util 公益事業 2 5 4 2 0 13 0 0 0 0 0 0 other その他 2 2 1 0 1 6 0 0 0 1 1 2 Total 計 75 67 70 72 68 352 25 33 30 28 32 148 出所)“Performance 2000”, Canadian Business, June 25, 1999より筆者作成
9社,生保8社の55社となる。ただし,石油・ガス関連の企業はエネルギー 29社,油田6社,それに公 益企業(ガス・電気事業を含む)28社,で全部で最多の63社となる。次いで,運輸企業19社,食品・飲料 加工・小売は食品流通3社,食品製造9社,食品販売6社で18社,特製品小売店舗17社,製造業一般16社 と続いている。いずれにしてもカナダ国内企業のうち,石油・ガス・電気関連の企業が最も多く,次いで, 金融関連の大企業,運輸企業,食品関連企業,特製品店舗(酒,たばこ類)と続いている。こうしたカナ ダ国内大企業の特徴は前稿の指摘同様,金融関連企業を中心としていること,そして製造業そのものに従 事するのではなく,バリュー・チェーンの下流活動に軸があるということ,そして石油・ガス関連という カナダの資源を起点とした産業に集中する傾向があるということである。こういうことから見て,1999年 から2018年という20年の時間が経過しても,カナダ大企業の業種別分布はあまり大きく変化しているとは 表7 2018年カナダの国内・海外企業(第1位~500位) 業種分類 会社数 (内)家族系 外資系 Account 会計事務所 7 0 Amuse 娯楽 10 1 3 Bank 銀行 12 1 2 Biotech バイオ 5 4 Chemical 化学 7 5 Credit 信販 6 0 Drink 飲料 5 4 Energy エネルギー 46 6 17 Engineer エンジニアリング 17 5 3 Environ 環境 2 1 Farm 農業 6 2 3 Finance 金融 33 8 5 Food Dis 食品流通 4 3 1 Food Man 食品製造 14 7 5 Food Sell 食品販売 9 3 3 Forest 林業 11 5 2 Gold 金鉱 20 1 16 Health 健康 4 0 1 High-Tech ハイテク 11 2 7 Holding 持株会社 2 2 0 Info-Tech 情報技術 13 4 4 Insure 保険 1 0 1 Life 生保 8 0 0 Manuf 一般製造 28 7 12 Market 市場 1 0 1 Media メディア 11 5 4 Merchant 商業 3 1 1 Mining 鉱業 16 2 13 Oil Field 油井 13 1 7 Prop Ins 損害保険 15 1 6 Real Estate 不動産 8 3 4 Reit リート 10 2 1 Service サービス 17 2 8 Steel 鉄鋼製品 2 0 2 Store 小売 29 4 12 Telecom 通信 6 2 2 Transport 運輸 22 4 3 Trust 信託 1 0 0 Utility 公益事業 30 2 2 Vehicle 輸送機器 8 1 5 Whole 卸売 25 7 11 Others その他 2 1 2 Total 計 500 95 183
いえないということがいえるだろう。だがもう一つの特徴としてあげておくべきこととして,これからの 産業,すなわちハイテク企業や情報技術企業についてはそれぞれ,3社と9社が大企業入りしているが, まだ大きな潮流になっているとは言えないように見える。この点についても後述するが,ハイテク企業や 情報技術企業については数はまだ少ないが,大きく成長する可能性を秘めた企業が輩出されてきているこ とを述べておきたい。 ついでに外資系企業の産業分布についても触れておきたい。カナダにいる外資系企業はエネルギー 17 社,金事業16社,鉱山業13社,一般製造業企業12社,特製品店舗12社となっている。この事業分布を見る 限り,やはりカナダの持つ天然資源に魅力を感じて,多くのアメリカ企業が進出していることがわかる。
新たな特徴
これまで,カナダ大企業の特徴を二つの時期にわたってみてきた。最初に述べたように,1999年調査で は,(1)カナダの大企業は,世界の上位500社に入る企業数が減少傾向にあること,(2)カナダでは外 資系企業の比重が高く,上位500社のうち,25%程度を占めていること,(3)カナダ人所有企業は特定 の業種,特にカナダの持つ豊富な天然資源を基盤とする大企業が多いということをその特徴として挙げ た。それから20年後の2018年調査では,上記の特徴を若干修正しなければならないことがらと,カナダ大 企業の新たな特徴を述べてきた。繰り返しになるが,(1)のカナダ大企業のGlobal 500の中での地位の 低下という特徴は,最近ではGlobal 500にランクインする企業数が漸増傾向にあることと,企業規模も 徐々に大きくなっていることが新たな特徴として出てきているということである。(2)のカナダ経済に おける外資系企業の比重が高いという特徴は,2018年に至ってもその特徴は変わらない。むしろ,外資系 企業の大企業比率は増加しており,アメリカ系子会社の重要性が増加し,カナダ経済がアメリカ経済との 一体化に更に進んでいるように見えるということである。(3)のカナダ大企業は特定の業種に偏る傾向 があるという特徴については,1999年当時,カナダ大企業としては金融サービス・銀行・保険企業が最も 多く,消費財製造・流通・小売,多角化・持株会社,食品・飲料加工・小売,石油・ガス,宇宙・産業製 品製造,そして木製品と続いていた。2018年の大企業は石油・ガス・電気関連の大企業が最も多く,次い で,金融関連企業,運輸企業,食品関連企業,特製品店舗(酒,たばこ類)と続いている。両者の間には 若干の相違は存在するものの,金融,石油・ガス,そして食品関連企業などは変わらず上位にあるため, それほど大きな変化が生じたようには見えない。 以上が,1999年に指摘したカナダ大企業の特徴がどのように推移したのかということについて2018年の 現状との比較で検討した結果である。 同時に1999年データでは述べることがなかった新たな特徴についてもまとめておこう。一つは,カナダ 大企業上位500社に入っている家族系企業の数が多いということである。上位500社中95社とおよそ2割に あたる企業が家族系企業である。この数は先進諸国の中では相当高い比率のように見える4。すでに指摘 したように,家族系企業の多さの理由が,スタートアップ企業が急速に成長できる業種(例えばハイテク 分野,情報技術分野)にあるためなのか,株式公開することによる危険性を回避したいのか,あるいは家 族系企業であることを是とする考え方があるためなのか,理由は定かではないが,急速に成長できるスター 4 ちなみに,日本企業の家族経営の割合はどの程度であろうか。上場企業で,特定の家族が上位株主であるのか,あるいは 取締役に名を連ねているのかといった基準を適用した場合,上場企業の52.9%が家族企業になるという。カナダの家族系企 業の比率よりはるかに高い比率であるが,これは,家族企業をどのように定義するかに依存するため,単純な比較はできない。 この点については,「上場企業の5割超 日本は『同族』大国」『日経ビジネス』2019.6.10日号参照トアップ企業であるという理由は家族系企業の業種別分布を見る限り妥当な理由とはならないようにみえ る。しかし注意しなければいけないことは,すでに指摘したが,家族系企業の中で,情報技術企業が急速 に成長しているということである(後述)。 次にクラウン・コーポレーションの存在についてである。2018年現在,クラウン・コーポレーションは カナダの上位500社の中には44社存在しているが,これらの企業は連邦政府や州政府が,例えば農業(農 民)に対する資金を提供する金融上の役割や,酒やたばこ,あるいは宝くじなどを専売する特製品小売企 業,そして電力供給を主たる目的とする公益事業に多くの企業が携わっている。これらはカナダの混合資 本主義体制を示すものといえるが,カナダの場合,そもそも民間資本が不足気味であったため,政府がな んらかの形で経済活動にかかわらなければならない必然性があったというのが,その真実の理由に近いと 考えられる。古くは旧宗主国イギリスに資金を頼って鉄道建設資金をまかなったり,その後はアメリカ企 業の直接投資によるカナダ子会社に頼りながら経済を発展させてきた歴史的な経緯を考えると,仮にカナ ダ人所有のカナダ企業の成長を考えるとすれば,政府がテコ入れすることによってカナダ企業の保護,成 長を図ることが必要になるであろう。こういう意味において,カナダはクラウン・コーポレーションの役 割が重要になるのである5。 ちなみに図1は1867年の連邦結成以来,およそ100年間の海外からカナダへの投資の様相を示している。 この図からわかるように,カナダは連邦結成当初からイギリス資本に大きく依存していたことがわかる だけでなく,その多くが間接投資の形態であること,そして,徐々にアメリカへの依存度が大きくなり, しかも直接投資という形態が主流になるということを示している。こうしてカナダは,アメリカ経済への 依存を深め今日に至るのである。
終わりに
カナダの大企業にはいくつかの特徴があるということが明らかになったが,本稿を締めくくるにあた り,これからのカナダ経済を占う一つの方向性についてみてみることにしよう。すでに何度も指摘したよ 5 カナダがいかにイギリスやアメリカに資金を依存していたかを知るには,木村和男編『カナダ史』山川出版社,1999年, 第5∼6章が有益である。 図1 カナダへの外国投資構成 出所)木村和男編『カナダ史』山川出版社,1999 年,231頁 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 01867年 連邦結成 小麦ブーム1900 第一次1913 世界大戦 1926 世界恐慌 第二次1939 世界大戦 1946 戦後 1964うに,カナダ人所有の企業はカナダの経済において大きな役割を担っているものの,今後,有望視される ハイテク,情報技術分野の産業の成長の見込みはどのような状況にあるのだろうか。表7にみられるよう に,2018年のカナダ企業上位500社中ハイテク企業が11社,そのうち外資系企業が7社であるから,カナ ダ人所有企業は4社ということになる。また情報技術企業は13社で,そのうち4社は外資系企業であるか らカナダ人所有企業は9社ということになる。これを1999年の表6のデータを見ると,先進技術を利用す る農業・バイオ関連のカナダ人所有企業が9社,そしてハイテク・コンピュータ企業が15社の合計24社が カナダ人所有企業ということになる。2018年データでは12社であるから,先進的な企業の数は減少してい るということになる。 ところが,このところ新聞等でカナダ企業の動向が伝えられることが少なくない6。とりわけ,人工知 能(AI),量子コンピュータをはじめとする最先端技術分野でのカナダ企業が注目を集めている。これら の企業はいずれも設立後,あまり時間を経過していないが,急速に成長する分野である。したがってこれ からのカナダを語る上で重要な産業領域となると考えられる。ちなみに,ハイテク分野ならびに情報技術 6 『日本経済新聞』の2020年1月12日,AI第一人者であるトロント大学名誉教授ジェフリー・ヒントン氏との会話記事,同 年10月20日AIと交通・移動技術をテーマとする会議に関する記事,また同年11月7日の村山恵一「ショピファイ旋風と雇用」 の記事,さらに『日経産業新聞』では,2019年11月19日,IT人材のカナダへの集合状況に関する記事,2020年10月23日特化 型AIに関する記事,また同年11月6日量子コンピュータを利用した応用研究に関する記事などがある。 表9 カナダ・情報・通信技術企業(上位500社,2018年) 会社名 ランク 所有 CGI Inc. 48 家族 IBM Canada Ltd. 97 アメリカ Constellation Software Inc. 125 株式分散 OpennText Corp. 136 株式分散 Softchoice Corp. 228 家族 Pivot Technlogy Solutions Inc. 231 株式分散 Oracle Corp. Canada Inc. 265 アメリカ Shopify Inc. 278 家族 SAP Canada Inc. 289 ドイツ Blackberry Ltd. 311 アメリカ Compugen Inc. 408 家族 Points International Ltd. 470 株式分散 Tucows Inc. 490 株式分散 注 )家族所有とは,文字通り家族で所有する場合もあるし,少数の 人たちによる株式所有の形態もさしている。 出所)Financial Post magazine, June 2019より作成
表8 カナダ・ハイテク企業(上位500社,2018年)
会社名 ランク 所有
Bombardier Inc. 24 家族 Celestica Inc. * Onex子会社 Canadian Solar Inc. 111 中国 Boeing Canada Inc. 148 アメリカ CAE Inc. 167 株式分散 Intel of Canada Ltd. 226 米国 Sierra Wireless Inc. 337 株式分散 Magellan Aerospace Corp. 350 イギリス Thales Canada Inc. 364 フランス Ericsson Canada Inc. 387 スウェーデン Rockwell Automation Canada Inc. 482 アメリカ 注 )*はカナダの大企業Onex社の子会社であるが,ランキングに入
れるとすれば72位に位置づけられる。 出所)Financial Post magazine, June 2019より作成
分野におけるカナダ大企業500社の所有別の一覧を示してみよう。表8は2018年のハイテク企業の所有者 別一覧であり,表9は同年の情報技術企業の所有者別一覧である。 表8を見ると,カナダのハイテク企業11社のうち,カナダ企業は4社で,外資系企業が7社と外国企業 が圧倒している。この分野でこれからカナダ人所有企業がどこまで伸びていくのか予想はできないが,外 資系企業が圧倒していることから,なかなか難しいのではないかと考えられる。 むしろ,今後成長が期待されるのは,情報技術企業であろう。すでに指摘したように,わが国の新聞等 でも取り上げられているカナダ企業はこうした分野の企業である。 表9にみられるように,カナダの上位500社に入る情報技術企業は13社ある。そのうちカナダ人所有企 業が9社,外資系企業は4社に過ぎない。またカナダ人所有企業9社のうちで,家族企業は4社ある。こ れらの企業は設立後まだあまり歴史を持たない企業としてスタートアップ企業が多いと思われるが,成長 が早いので,これからのカナダ経済において重要な役割を演じることが期待される。例えば,Shopifyと いう電子商取引の会社は2004年の創設であるにもかかわらず,2018年に売り上げが14億ドルで,278位に ランクインしている。またこうした事業分野を支える人材もカナダに流入しており,2018年調査によると, 過去5年間のカナダへの頭脳流入数は,アメリカのシリコンバレーを超えて,トロントが世界1になった といわれている(『日経産業新聞』2019.11.19日号)。これからますますこの分野の企業が族生し,カナダ 経済をけん引することになるのではないだろうか。 このことを予感させる,データを示して本稿を終えることにしたい。 表10は1997年から2019年までの財貨製造産業とサービス産業の付加価値額を見たものである。カナダ経 済は1970年代にサービス産業が中心の経済に移行したが,表10にみられるように,財貨製造産業の中で最 大の付加価値を創造している製造業の付加価値額はリーマンショック以前の状態には2019年に至っても復 帰していないということがわかる。つまりカナダの製造業は停滞気味に推移しているということである。 代わって,大きく成長している分野が情報・通信技術産業である(表11参照)。すでに見たように,情報・ 通信技術企業は2018年には13社あり,そのうちカナダ人所有企業が9社で,9社のうち4社が家族系企業 であった。これらの企業は,上位500社にランクインしており,急速に成長している企業である。今後ま すます多くの情報技術企業が登場し,そうした企業がカナダの経済を大きくけん引していくのではないか と考えられる。 事実,表11にみられるように,カナダ統計局のデータでは,2019年には製造業の付加価値額の半分近く まで情報・技術企業の付加価値額が接近していることがわかる。財貨製造産業で製造業が最大の付加価値 表10 カナダにおける産業別付加価値額 (2012年価格)(単位;100万加ドル) 年 財貨製造産業 (内訳)製造業 サービス製造業 1997 402,692 170,644 769,116 2000 468,313 211,108 878,840 2010 482,992 174,409 1,141,773 2015 547,349 188,979 1,271,585 2016 541,116 188,962 1,295,803 2017 564,364 195,927 1,332,155 2018 577,802 200,856 1,360,769 2019 574,549 201,143 1,394,075 注 )製造業の付加価値額は2019年でも2000年の付加価値額に追い付いていないとい うことが大きな特徴といえる。
出所 )Statistics Canada,Table 36 10 0434 03 Gross Domestic Product(GDP) at basic prices, by industry, annual average(x1,000,000),https://doi.org/10.25318/3610043401 eng accessed on Sept, 20, 2020
生産額であったから,情報・技術企業の勢いが止まらなければ早晩追いつき,追い越すこともあるのでは ないかと予想される。また,情報技術企業を支える人材もアメリカを抜き,カナダが最も有為な人材を集 めているということからすれば(注6参照),カナダを代表する産業になる可能性が高いといえるのでは ないだろうか。この産業のこれからの発展に注目したいと考える。 (岡山大学名誉教授,共立女子大学教授) 参 考 文 献 1 榎本悟稿(1999)「カナダ大企業の特徴−Fortune誌を参考にして−」『広島大学経済論叢』第22巻第2・3号 2 榎本悟(2004)『海外子会社研究序説−カナダにおける日・米企業−』お茶の水書房 3 木村和男編(1999)『カナダ史』山川出版社 4 ジェトロホームページ,概況・基本統計︱カナダ−北米−国・地域別に見る−ジェトロ(jetro.go.jp),2020年10月27日ア クセス 5 『日本経済新聞』2020年1月12日,同年10月20日,同年11月7日朝刊 6 『日経産業新聞』2019年11月19日,2020年10月23日,同年11月6日朝刊 7 『日経ビジネス』2019.6.10日号「上場企業の5割超 日本は『同族』大国」
8 Anastakis, D. (2017), “Industrialization in Canada” in the Canadian Encyclopedia, https://www.the canadianencyclopedia.ca/en/ article/industrialization, accessed Aug. 20, 2020
9 Canadian Business(1999), June 26 10 Financial Post magazine(2019), June 11 Fortune誌,各号
12 Government of Canada (2020), “A new Canada-United States-Mexico Agreement”, Accessed on October 20, 2020
13 Statistics Canada, Table36 10 0434 03 Gross Domestic Product (GDP) at basic price, by industry, annual average(x1,000,000), https://doi.org/10.25318/3610043401 eng accessed on Sept, 20, 2020
14 Voyer, R.D., & Anastakis, D. (2015), “Industry in Canada,” in the Canadian Encyclopedia, https://www.the canadianencyclopedia.ca/ en/article/industry, accessed Aug. 20, 2020
表11 カナダの情報・通信技術分野の付加価値額 (2012年価格,単位:百万加ドル) 年 付加価値額 2010 70,765 2015 78,809 2016 81,821 2017 85,684 2018 89,839 2019 93,743
出所 )Statistics Canada, Table36 10 0434 03 Gross Domestic Product (GDP) at basic pricest, by industry, annual average(x1,000,000)
Characteristics of Canadian big business: Revisited
Satoru Enomoto
AbstractCanadian big business comprises Canadian-owned business and foreign-owned business. Around the end of the twentieth century, there were three main characteristics in Canadian big business: namely (1) decreasing number of Canadian big business among the Fortune Global 500, (2)control of foreign-owned company in the Canadian economy, and (3)concentration of the specifi c industries by Canadian-owned big business.
20 years later since then, this article investigates characteristics of Canadian big business again. The focal points are if these above-mentioned characteristics still remain and if other characteristics are appearing.
As of now, these three characteristics as mentioned above can be summarized below, namely increasing number of Canadian big business among the top world 500 recently, but still tendency of control further by foreign-owned fi rms, especially the US ones and Canadian-owned big business concentrates in the specifi c industries as before. However, new phenomenon seems to be appearing in the Canadian Economy. New business in information technology which belongs to service sector, not to manufacturing sector, appeared at the turn of the century and grew rapidly comparable to almost a half of the manufacturing sector in terms of value added. This business will surpass the manufacturing sector in the years to come and the strong IT Canada could be seen near soon.
Keywords: Canadian business, Canadian-owned business, foreign-owned business, Information technology enterprise (Professor emeritus at Okayama University)