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都市間高速道路における情報提供とその効果

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Academic year: 2021

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都市間高速道路における情報提供とその効果

2003MT053 眞島佑輔 指導教員 長谷川利治

1. はじめに

本研究では都市間高速道路である名神高速道路,京 滋バイパスを取り上げる.その中でも,瀬田東IC/JCT~大山 崎IC/JCT 区間の 2 ルート化された部分での上り線に着目し, 交通情報提供が利用者のルート選択の分岐率に及ぼす効 果を予測する[1].分岐率予測には,シミュレーション用ソフト ウェアであるSTELLA を用いてモデルを作成し[2],所要時 間表示板の情報の変化による交通の動きをシミュレーショ ンする.そして,シミュレーション結果を実測値と比較する事 で作成したモデルの適合性を検証する.

2. モデリング

2.1. モデル作成にあたって 名神高速道路,京滋バイパスの瀬田東 IC/JCT~大山 崎IC/JCT 区間の所要時間を図形時間情報板によって利用 者に提供する要素が,利用者のルート選択に大きく影響す る.また,名神高速道路と京滋バイパスの交通量のデータ から両ルートへの分岐率傾向を考え,要素として加えてモ デルを作成した[3]. 2.2. フローダイアグラム 京滋バイパス利用率 選択車率 非選択車率 時間差 ~ 名神高速道路 所要時間表示 ~ 京滋バイパス 所要時間表示 ~ 京滋バイパス 分岐率傾向 京滋バイパス 促進指数 選択乗数 車線による 選択 名神高速 促進指数 時間差抵抗指数2 時間差抵抗指数1 利用区間内IC による選択 ~ 名神高速 分岐率傾向 非選択乗数 図1 フローダイアグラム

3. レベルレイト方程式

a) 京滋バイパス利用率(t) = 京滋バイパス利用率(t - dt) + (選択車率 - 非選択車率) * dt INIT 京滋バイパス利用率 = 17 京滋バイパス利用率はインフローの選択車率から非選択 車率を引いたものである.初期値を17%に設定する. b) 選択車率 = (選択乗数+車線による_選択+利用区間内 IC_による選択*8)*0.3 c) 非選択車率 = (車線による_選択*2+利用区間内 IC_に よる選択*4+非選択乗数)*0.325 選択車率,非選択車率は要素の和に係数をかけて設定 する. d) 京滋バイパス_促進指数 = 京滋バイパス_分岐率傾向 *0.35 京滋バイパス促進指数は,TIME 関数によって表した京 滋バイパス分岐率傾向に係数をかけて設定する. e) 時間差 = 名神高速道路_所要時間表示-京滋バイパス_ 所要時間表示 時間差はそれぞれの各時間の所要時間差を表す. f) 時間差抵抗指数 1 = IF(時間差>=5)THEN 0.55*時間差 ELSE 0 時間差抵抗指数1は,京滋バイパスへの5分以上の時間 差を利用者の選択意欲に反映させるために時間差に係 数をかけて設定する. g) 時間差抵抗指数2 = IF(時間差<=-5)THEN 0.65*ABS(時 間差)ELSE 0 時間差抵抗指数2 は,名神高速道路への 5 分以上の時 間差を利用者の選択意欲に反映させるために時間差に 係数をかけて設定する. h) 車線による_選択 = 1/3 分岐点において,3 車線の路線が京滋バイパスへ 1 車線, 名神高速道路へ2 車線に分岐することから設定する. i) 選択乗数 = (京滋バイパス_促進指数*1.845)+時間差抵 抗指数1*0.25 j) 非選択乗数 = (時間差抵抗指数 2*0.25)+(名神高速_促 進指数*0.5) 選択乗数,非選択乗数は要素の和によって設定する. k) 名神高速_促進指数 = 名神高速_分岐率傾向*0.925 名神高速促進指数は,TIME 関数で表した名神高速分 岐率傾向に係数をかけて設定する. l) 利用区間内 IC_による選択 = 1/12 利用区間内IC による選択は,両ルート区間内の IC 利用 者がある程度の固定数であると考え定数を設定する. m) 京滋バイパス_所要時間表示 = GRAPH(TIME) n) 京滋バイパス_分岐率傾向 = GRAPH(TIME)

(2)

o) 名神高速_分岐率傾向 = GRAPH(TIME) p) 名神高速道路_所要時間表示 = GRAPH(TIME) 名神高速道路,京滋バイパスの所要時間表示と分岐率 傾向の4 つの要素は,TIME 関数で設定する.

4. 実行結果

作成したモデルの2004 年8 月9 日のシミュレーション結 果及び,京滋バイパス分岐率の実測値を図2 に示す. 実測値と実行結果 0 10 20 30 40 50 0:00 2:00 4:00 6:00 8:0010:0012:0014:0016:0018:0020:0022:00 時刻 京滋 バ イ パス 分 岐率 (%) 実測値 実行結果 図2 実行結果

5. 考察

5.1. 相違点 本研究は,以前に本研究室で発表された論文と研究 内容が類似している部分があるため,その研究との相違点 を示す[4].作成したモデルに取り込む要素の違い,要素の 条件の設定の違いがある.また,両ルートの交通量のデー タより利用者が選択する分岐率傾向をモデルに取り込み, 日常の一定量の利用度を見込めると考えている. 5.2. 考察 2004 年 8 月 9 日はお盆の時期の渋滞日を扱ったので 京滋バイパスへの50%の分岐率が生じている.普段は利用 者にとってバイパスなのでそれ程の分岐率は生じない. 実行結果より,京滋バイパスへの分岐率のピーク時の 誤差が小さい点は良いが,ピーク時の値が実測値より遅れ ている点,2つの山が1つの山となっており分岐率に変化を 示せなかった点があるためモデルの精度に欠ける部分が あると考える.新たな要素を考慮する必要もあるだろう. 図形時間情報板による情報提供が,所要時間の場合 は要素としてモデルに取り入れやすい点もあり,利用者に とっても認識しやすくルート選択の決定に反映しやすいと 考えられる.一方,渋滞が起きた場合は所要時間表示から 渋滞距離による情報提供となる.渋滞表示は所要時間表示 より利用者にとって認識しにくいと考えられる.また,渋滞距 離を所要時間に変換する事も正確さに欠けると考えられる. 本研究のモデルには、渋滞距離表示前後の時間での所要 時間を考慮して数値化を行った.

6. 予測

6.1. 予測モデルについて 所要時間表示による情報提供に加え,名神高速道路, 京滋バイパスそれぞれの時間占有率の情報提供を行った. 期待する効果は,時間占有率の低いルートを選択すること で利用者の分散を図ることである. 予測モデ ル結果 0 10 20 30 40 50 60 70 0 :00 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 6:00 7:00 8:00 9:00 10 :00 11 :00 12 :00 13 :00 14 :00 15 :00 16 :00 17 :00 18 :00 19 :00 20 :00 21 :00 22 :00 23 :00 時刻 京滋 バ イ パス 分 岐率 (%) 実行結果 予測結果 図3 予測モデル実行結果 6.2. 考察 時間占有率の低い京滋バイパスの利用率が伸びている 点は良いが,20%もの増加を考えると効果が働き過ぎてい る.この点では,利用者の分散が図れていないであろう.

7. おわりに

本研究では,交通情報提供が利用者のルート選択に 影響を与え,1 日の交通の動きへの効果を検証するモデル を作成してシミュレーションを行った.現状のモデルでは, シミュレーションの精度が欠けている部分もあるが,2004 年 8 月 9 日の京滋バイパスに分岐する交通の動きを表すこと ができた.しかし,特定の日に限って利用できるモデルに 止まっているため,別の日の渋滞状況にも利用できるモデ ルを作成できれば情報提供が利用者に与える効果の傾向 を導けるであろうと考える.

参考文献

[1] 国土交通省京都国道事務所 日本道路公団関西支社, “第2京阪道路,京滋バイパス及び国道478 号の開通 の効果について”, 2003.4.23 http://www.kyoto.kkr.mlit.go.jp/contents/pdf [2] Barry M.Richmond:“システム思考入門I 教育編“ 株 式会社カットシステム,2004 [3] 西日本高速道路株式会社:ホームページ http://www.w-nexco.co.jp/ [4] 小泉弘一:“都市間高速道路における情報提供に対す る運転者の反応”,南山大学数理情報学部情報通信 学科2004 年度卒業論文

参照

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