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日本結核病学会東北支部学会 第137回総会演説抄録 13-14

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Academic year: 2021

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13   1 .質量分析法にて同定しえたM. lentifl avum の 1 例  ゜遠藤明志・杉坂 淳・鶴見恭士・麻生マリ・鈴木香菜・ 清水 恒・小野紘貴・相羽智生・百目木豊・川名祥子・ 齊藤亮平・寺山敬介・川嶋庸介・戸井之裕・中村 敦・ 矢満田慎介・木村雄一郎・菅原俊一・本田芳宏(仙台 厚生病呼吸器内) 〔背景〕非結核性抗酸菌症は増加傾向である。PCR 法や DNA-DNA ハイブリダイゼーション法(DDH)等で同定 できる菌種は限られていたが,質量分析法によって非常 に多くの菌種を網羅的に同定できるようになった。今回, DDH 法では同定できず,質量分析によって M. lentiflavum を同定できた症例を経験したため,報告する。〔症例〕70 歳代女性。10 歳代に結核の内服治療歴あり,X−4 年に 一度喀痰抗酸菌培養陽性で PCR 法にて M. intracellulare 陽性となったことあり。X 年 4 月血痰を主訴に当科を紹 介受診となった。精査にて 3 回喀痰抗酸菌塗抹検査陽性 (Gaffky 2 号)・培養陽性となった。DDH 法では,同定不 能となったため,質量分析法を追加し,M. lentiflavum 陽性 となった。〔結論〕質量分析法にて M. lentiflavum と同定 しえた症例を経験した。文献的考察を加えて報告する。   2 .局所麻酔下胸腔鏡での胸膜生検により確定診断に 至った結核性胸膜炎の 1 例 ゜高田潤一・石田雅嗣・ 小野祥直・小野 学・佐藤ひかり・花 正和・小林誠 一・矢内 勝(石巻赤十字病呼吸器内) 〔症例〕78 歳男性。喫煙歴なし。結核感染の既往なし。〔現 病歴〕X 年 Y 月上旬より全身 怠感と右胸痛を自覚。前 医受診し右下葉肺炎の診断で CTRX にて抗菌治療開始 するも,発熱が持続。CT で右膿胸あり,Y 月下旬に当科 紹介。胸腔ドレナージ後,1 週間 TAZ/PIPC で加療継続 したが炎症は遷延。胸水 ADA が高値で,結核性胸膜炎 を鑑別に胸腔鏡補助下胸膜生検を施行。胸腔内はフィブ リンで充満していたが,明らかな結節なし。炎症改善し 入院 14 日目に抗菌治療終了。入院 21 日目にドレーン抜 去。その後は解熱維持し,入院 32 日目にリハビリ継続目 的に転院。退院後,胸膜生検検体の結核菌培養が陽性と 判明。4 剤併用療法を開始。その後再燃なく経過。〔考察〕 治療に難渋する膿胸では,結核性胸膜炎を鑑別するため, 胸膜生検を検討すべきである。当院における結核性胸膜 炎の胸腔鏡所見に関して文献的考察を交えて報告する。   3 .続発性気胸と胸膜炎をきたした非結核性抗酸菌症 の 1 例 ゜堀井洋祐・宮本伸也(岩手県立宮古病呼吸器) 〔症例〕70 歳女性。〔現病歴〕X 年胸部異常陰影で当科受 診し,喀痰検査にて非結核性抗酸菌症(Mycobacterium

avium complex,以下 MAC)の診断,血痰を認めていた

ため抗結核薬治療を提案するも,エタンブトール視神経 症への不安から導入できず,外来で経過観察されてい た。X+ 2 年 4 月に発熱,呼吸困難認め,右肺に中等度 の気胸と胸水貯留,気管支拡張を伴う浸潤影,右下葉胸 膜下に粒状影を認めた。胸腔ドレーン留置のうえ入院と なった。喀痰でガフキー 9 号,胸水でガフキー 4 号陽 性となり,後日 PCR 検査でいずれも MAC が検出され た。〔臨床経過〕外来経過でエタンブトールに対する忌 避感あり,クラリスロマイシン 400 mg ⁄日内服,ストレ プトマイシン 0.6 g ⁄日筋注から開始,3 日後にリファン ピシン 150 mg ⁄日開始,入院 15 日目よりエタンブトール 150 mg ⁄日開始,入院 25 日目に胸腔ドレーン抜去し入院 53日目に軽快退院した。〔結語〕比較的稀なMAC による 気胸,胸膜炎の 1 例を経験したので文献的考察を加えて 報告する。   4 .気管気管支ステント留置と肉芽焼 で呼吸状態が 安定した結核性気管気管支狭窄の 1 例 ゜鈴木俊郎・ 畠山哲八・小野寺克洋・森 信芳・大内 譲・勝又宇 一郎(岩手県立胆沢病呼吸器内) 症例は 76 歳女性。201X 年 11 月塗抹陽性気管気管支肺結 核のため当科入院,標準治療で塗抹陰性化し 201X+ 1 年 1 月中旬退院。しかし 1 月下旬呼吸困難と喘鳴が増強

── 第 137 回総会演説抄録 ──

日本結核病学会東北支部学会

平成 30 年 9 月 8 日 於 フォレスト仙台(仙台市) (第 107 回日本呼吸器学会東北地方会と合同開催) 会 長  山 田 充 啓(東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座) ── 一 般 演 題 ── Kekkaku Vol. 94, No. 1 : 13_14, 2019

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14 結核 第 94 巻 第 1 号 2019 年 1 月 し当科救急入院。胸部 CT 写真で著明な気管狭窄を認め たため,緊急的に気管狭窄部に Ultraflex Stent 留置した。 呼吸困難と喘鳴は改善し 2 月退院したが,7 月喘鳴と呼 吸困難が再び悪化し,ステント両端に肉芽による狭窄を 認め APC 焼 したが効果不十分であった。他院に紹介 , 硬性鏡下に Ultraflex Stent を抜去,虚脱した右中間幹と 狭窄した気管にそれぞれ Dumonstent を留置された。中 間幹ステント両端の肉芽狭窄による呼吸困難を認め,高 周波と APC で焼 された。気管ステントは 201X+ 3 年 に抜去された。201X+ 5 年当科で経過観察と肉芽焼 を実施している。呼吸状態は安定しラージボール選手と して全国大会で活躍している。

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