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混播草地の草種割合におけるチモシ一品種系統間差異

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北海道草地研究会報25:143 -146 (1991)

混播草地の草種割合におけるチモシ一品種系統間差異

下 小 路 英 男 ・ 古 谷 政 道 ・ 中 住 晴 彦 ・ 藤 井 弘 毅 ( 北 見 農 試 )

緒 E 牧草は混播栽培が多いが、その中でもチモシーとアカクローパの組合せが最も多く利用されているo.チ モシーとアカクローパの混播草地で、主な問題点としてあげられるのは、チモシーがアカクローパに抑制 されて表退し、目的とする植生が維持できないことや、収量が低下することである。その解決方法として、 施肥等の維持管理方法とともに、品種の競合力などを考慮した品種の組合せによって植生を維持すること が考えられる。 本試験では、チモシーとアカクローパ混播草地において、競合力の一つの指標と考えられる草種割合に おけるチモシーの品種系統間差異を検討するとともに、チモシーの単播草地と個体植による収量および特 性調査から、その差異がどのような特性によるかについて検討した。 材料及び方法 試験は、いずれも 1988年から 1990年の3か年、北見農試圃場で行った。 1. 混播試験 供試材料は、チモシ-10品種系統(表1:単播及び個体植試験も同じ)とアカクローパ「サッポロ」で ある。試験区は乱塊法4反復、 1区6.0ばである。播種時期は1989年5月27日(単播試験も・同じ〉、播 種量はチモシー1.0 kg 110 a、アカクローパ0.3kg

110

a、播種法は散播である。施肥量(N -P2

0

5 -: -K20 kg/10a /年)は、初年目が6

10.3-6、2

3年前が6

7.5 ..,-6で、造成時または早春と 1 番草刈取後に分肥した。刈取りは、初年目が7月29日と 9月7日、 2年目が7月3日と 9月20日、 3年目 が6月21日と 9月3日の 2回刈りである。

2

.

単播試験 試験区は乱塊法4反復、 1区3.0ばである。播種量は1.0 kg

110

a 、播種法は3伽れの条橋で‘ある。施肥 量(N-P205 - K20k

g/10a

1

年)は、初年目が9-10:-9、2• 3年目が13.5-15 - 13.5で、造 成時または早春と 1番草刈取後に分肥した。刈取りは、初年目が7月19日と 9月17日、 2年目が7月7 日と 9月14日、 3年目が6月27日と 9月4日の2回である。

3

.

個体植による特性調査 描種時期は 1989年3月28日も移植時期は 1989年5月27日、栽植法は

6

0

c

m

x

9島民供試個体数はそれ ぞれ60個体である。施肥量(N -P2 05 -K2 0 kg

1

1

0

a

1

年)は、初年目が7.9-4.1

7.9、2

3年 目が15- 16 - 15である。刈取りは、 7月中旬と 9月中旬の2回である。 結果及び考察 1. 混播における収量および車種割合 チモシーとアカクローパの合計乾物収量は表

1

に、草種割合は表

2

に示した。合計乾物収量では、品種 系統聞に有意差が認められたのは、

3

年目の

1

番草のみで、その他の年次及び番草では明らかな差異はみ -143ー

(2)

J.Hokkaido Grassl.Sci. 25:143 - 146(1991) 表1.各番草の合計乾物収量 (kg!10a)

2

年目 の

2

番草以降に有意な差が認められた。 みられなかった。草種割合では、 初 年 目 2 年 目 3 年 目 l番草 2番 草 合 計 1番草 2番 草 合 計 l番草 2番 草 合 計 品 種 名 1087 1100 932 1026 1108 1056 1000 979 953 1136 398 440 303 336 428 380 339 434 399 479 689 660 629 690 679 676 660 545 554 657 1214 1099 1186 980 1139 1035 1115 1121 1118 1240 403 338 360 326 357 367 348 398 367 417 811 760 827 654 783 668 766 722 751 824 566 539 515 576 499 559 526 511 562 565 394 350 310 396 286 368 326 302 371 325 172 188 205 180 213 191 199 210 192 240 北見13号 北見14号 北見 15号 北見 16号 北見17号 北見18号 北見19号 ホ ク セ ン ホクシユウ ノ サ ッ プ 草種割合における各番草間の相関係数 (表

3

)をみると、

2

年目の

1

番草以降 はいずれの番草聞にも高い正の相関がみ られ、品種系統聞における草種割合の差

2

年目の

1

番草以降ほぼ同じ傾向 異は、 であった。 125 8.3 o.S. 18.7 78 8.4 o.S. 14.2 o.S. 12.4 n. s. 18.7 o.S. . o.S. 16.6. (.9.8 o.S. 26.2 1. s.d.(5%) C. V. (%) 初年目の合計乾物収量の草種割合に対 する 2・3年目の合計乾物収量の草種割 ,_ I..._ 合の比率(表3)について検討した。 表2.各番草の草績割合(乾物収量のチモシ一割合) 初 年 目 l番草 2番 掌 合 計 の指数は、品種系統聞の競合力の差異を 1番1?-2番草 68% 70 74 62 75 66 59 33 52 85 合計 54%(77) 53 ( 68) 59 ( 85) 49 ( 78) 56 ( 72) 52 ( 74) 49 ( 71) 22 ( 29) 41 ( 55) 78 (102) 28% 27 29 23 24 27 29 7 24 68 年 自 1番草 2番草 57% 59 60 57 59 53 50 49 50 75 合計 47%( 67) 52 ( 67) 53 ( 76) 48 ( 75) 52 ( 67) 43 ( 61) 41 ( 60) 33 ( 45) 39 ( 53) 75 ( 98) 27% 36 38 32 36 24 19 8 18 74 年 70% 78 70 64 77 71 68 74 74 76 62% 71 60 53 72 62 60 65 69 69 84% 90 89 86 86 88 82 84 83 86 品 尊 重 名 北見13号 北見14号 北見15号 北見16号 北見17号 北見18号 北見19号 ホ ク セ ン ホクシユウ ノ サ ッ プ あらわし、高い値ほど競合力に優れてい ることを示している。 2年目の値は45'"'"' 3年目の値は29'"'"'102であった。

9

8

、 3年目でやや高い値を示した 全体的に、 のは、チモシーの収量は2年目と 3年目 アカクローパの収量が3 の差がないが、 20.0 26.9 22.5 54.1 19.6 20.9 19.0 27.0 23.0 51. 0 o.s. 21. 7 n.s. 16.0 n.s. 24.1 o.s. 4.9 l.s.d.(5%) C. v.(%) 年目でやや低下し、チモシ一割合がやや 注) ( )内の指数値は、初年目合計の草樋割合に対する2、3年目合計の掌種割合の百分比. 高くなったためである。 草種割合の指数と生育及び形態的

2

.

草 種 割 合 に お け る 各 番 草 聞 の 相 関 関 係 表 3. 特性との関係 一 草 目一番 -ワ 臼 年 一 一 萱 ヤ 3 一 番 -喝 , ム 2 年 目 1番草 2香 草 一 草 目一番 - n ρ 年 一 一 草 1 一 番 -14 0.108 0.986牢牢 0.241 0.240 品種系統聞の競台力の差異がどのよう な生育及び形態的特性と関係があるかを、 競合力の差異をあらわすと考えられる草 種割合の指数と単播及び個体植における 特性との相関関係(表

4

)から検討した。 0.472 0.462 指数値と高い相関が得られたものは、 0.569 0.157 0.823*牢0.860牢 * 0.181 0.212 0.879ホ*0.917** 0.754*

2

1番草の出穂始、草型及び葉の長さ、 林 は

1%

水準で、牢は

5%

水単で有意であるととを示す。 番草の再生、草丈、収量、出穂茎及び伸

2

番草では、再生が良く、出穂及び 1番草では、早生で、直立型で、葉が比較的短かく、 長茎であった。 2 • 3年目でチモシ一割合を高く維持していた。すなわ 伸長茎が多く、草丈が高く、多収な品種系統は、 このような特性をもつものはアカクローパとの競合力に優れていると考えられる。 ち、 品種系統の早晩性は調査しやすい特性でかつ遺伝力が高く、他の特性との関係を明らかにすることは品

2

3年目の指数との関係は図2に示した。いずれもほぼ同じ回帰式が得られ - 144

種を有効に利用するうえで重要である。そこで、出穂始と草種割合の指数との関係をさらに検討した。 年目の指数との関係は図

1

に、

(3)

北海道草地研究会報 25:143 - 146 (1991) たが、 3年目は、 2年目より低い相関係 数を示した。それは、 「北見

18

号」 「北見 19号」が2年目よりやや高い指 数値を、 「ホクセン」が

2

年目より低い 指数値を示したためであり、草種割合が 競合力以外の永続性などにも影響されて いることを示唆していた。 本試験は同時期の刈取り条件で検討し たため、早生のものは、刈取時には生育 が進み、競合に有利であると考えられる。 したがって、競合力の品種系統間差異を より正確に評価するためには、同熟期の 品種群で検討するのが適当と考えられる。 しかし、図 1、2の回帰式からの残差が、 熟期を考慮した競合力をあらわすと考え られ、回帰直線より上のものは競合力に 優れ、下のものは劣っていると考えられ 1回 る。図

1

2

2

年間の傾向から、 「ノ

T

9

B

サップ

JI

'

北見15号」日ヒ見17号

J

I

?

間 80 見19号

JI

ホクシュウ」は、同熟期のなか合 では比較的競合力K優れており、日七見16 号

J

I

北見13、14号

J

I

ホクセン」 は、競合力に劣っていると考えられる。 出穂始と関連性はないが、品種系統聞 の競合力に影響している形質について検 討するため、出穂始とその他の形質との 相関関係について検討した(表4)。草 種割合の指数と高い相関がみられたが、 出穂始と高い相関がないものは、草型と

2

番草の再生であった。これらは、早晩 性と関連性はないが、競合力の品種系統 間差異を左右する重要な形質と考えられ る。再生は

1

番草刈取後

2"'3

週間目に 調査した形質であり、

2

番草の初期の再 生が競合力を左右していた。草型では、 直立型のものが伺旬型のものより競合力 表4.草 種 割 合 の 指 数 値 と 生 育 及 ぴ 形 態 的 特 性 と の 相 関 関 係 項 目 2年目指数 8年目指数 出穂始 (対l年目比) (対l年日比) <単播の形質> 出 稼 始 ( 早 晩 ) -0.782帥 -0.566 l番乾物重(少 多) o.323 o.259 -0.628 2番乾物重(少 多) o.836本意 o.671本 -o.882** 越 冬 性 ( 良 否 ) 軍 -0. 252 -0.426 -0. 084 早 春 再 生 ( 良 否 )II -0. 463 -0.516 o.1 88 2番 再 生 ( 良 否 ) i -0.887紳 -O. 908** O. 499 晩 秋 再 生 ( 良 否 )i -0.461 -0. 644 * -0.082 l番 茎 数 ( 少 多 ) -0: 278 -O. 192 O. 462 2番 茎 数 ( 少 多 ) O. 267 O. 38 1 -0. 037 <個体植の形質> 草 型(直 旬伺)惚 早 春 草 丈 ( 低 高 ) 春 草 丈 ( 低 高 ) 1番 草 丈 ( 低 高 ) 2喬 草 丈 ( 低 高 ) 第 1業長(短 長) 第 1 3義鰯(狭 広) 茎 太 さ ( 細 太 ) 耳 2番出総茎(少 多)U 2番伸長茎(少 多)滋 -0.728* O. 039 O.618 O.165 O.831本* -0. 828特 -0. 474 -0.188 0.864** O. 832紳 -O.822梓 O. 21日 O. 561 O.006 O.704

ーO.61 2 -0. 415 - O. 12 1 O. 66 6本 O. 751 * O. 460 O. 500 -0. 812帥 -0.599 -0.867** O. 854本本 O. 208 -0.012 -0.859** -0.795帥 注)iは 1~5 の評点、 u は 1~9 の評点。その他の形質は笑測値。 判は1%水準で、村立5%水単で有意であることを示す。 形質の催はいずれも 2年目と 3年目の平均値をもちいた。 110 ノザッ?

70 % ~ 60 50 r=ー0.782糊 y=-2.74x十130.3 19

号 ロ 官 J n o q A 1 ノ h y ﹄ o h j 牛 山 小 40 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 出 穏 期 (6月の日) 図

1

出穂始と草種割合の指数値(

2

年目)との関係 110 1O0 草 90 種 8白 書IJ 70 合 問 ノザり7 0 r =-0.566 y= -2.62 x+ 131.8 何 回 m U 円 U R J V 凋 U ﹃ つ J v d 胃 ) 15

ミ 慢

1

宇 崎

、、、、 v 0 O

一 、

17昼 14

-

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+ 11 ニ . 内 --- ホクヲュワ

-

-

ホク

t-

;

o 20 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 出 穏 期 (6月の日) 図2 出穂始と草種割合の指数値(3年目)との関係 F 3 4 且 τ 噌 ﹃ ム

(4)

J.Hokkaido Grassl. Sci. 25: 143 -146 (1991) に優れていることを示していた。再生が良く、直立型のものは、生育初期から上部への伸長性に優れてい るため、光競合などに有利となり、草種割合を高く維持するものと考えられる。一方、 1番草でも同様の 特性が競合力に影響していると考えられるが、表

2

に示すように、

1

番草では、

2

番草に比較しチモシ一 割合が高く、アカクローパとの競合関係で有利な条件にあると考えられ、そのため越冬性、早春の再生が 品種系統聞の競合力に影響しなかったと考えられる。 以上のことから、アカクローパとの混播条件で、草種割合におけるチモシーの品種系統聞の差異は明ら かに認められ、早生で、アカクローパが優先する

2

番草の再生が良好な直立型の品種系統は、草種割合を 高く維持しており、草種聞の競合力に優れていると考えられる。 -146ー

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