BJPの 政治戦略 とヒンドゥー ・ナショ
ナリスト運動のグローバルな連 関
―BJPの 在 外組 織OFBJPの 動態 を中心 に―中津雅昭
1 は じ め に 近 年 の 国 際 社 会 に お い て イ ン ドの 存 在 感 が 急 速 に 高 ま る 中 、 政 治 、 経 済 、 文 化 等 の 多 くの 分 野 で 活 躍 す る イ ン ド系 移 民 、 あ る い は 「イ ンデ ィ ア ン ・ デ ィ ア ス ポ ラ(Indian diaspora)1」 の 動 向 は 彼 ら の 居 住 国 の み な ら ず 、 イ ン ド本 国 で も注 目 さ れ る よ う に な っ た 。 早 くよ り彼 ら の存 在 は 知 ら れ て い た が 、 そ の 動 向 が 本 格 的 に注 目 さ れ る よ う に な っ た の は1991年 の イ ン ド に お け る 経 済 自 由 化 政 策 以 降 の こ と で あ る 。 特 に イ ン ド人 民 党 (Bharatiya Janata Party、 以 下BJP)率 い る 国 民 民 主 連 合(National Democratic Alliance、 以 下NDA)政 権 時 代 に お い て は 、 ハ イ レベ ル 委 員 会 が 発 足 し、2001年 に 提 出 さ れ た 報 告 書(Report of the High Level Committee on the Indian Diaspora、 以 下 「報 告 書 」)の 中 で 、2000万 人 以 上 と推 計 され る イ ン デ ィ ア ン ・デ ィ ア ス ポ ラ に 関 す る 実 態 報 告 や 政 策 提 言 が な さ れ た 。 「報 告 書 」 に 基 づ き、 デ ィ ア ス ポ ラ に 関 す る 諸 政 策 が 実 現 した が ・ そ の 際 に 主 導 的 な 役 割 を 果 た した の がBJPで あ っ た 。 BJPは ヒ ン ド ゥー ・ナ シ ョナ リ ズ ム(Hindu Nationalism、 以 下HN) 2 を 推 進 す る 組 織 集 団 「サ ン グ ・パ リ ヴ ァー ル(Sangh Parivar)3」 の 一 員 で あ る が 、 そ の 構 成 組 織 で あ る 民 族 奉 仕 団(Rashtriya Swayamsevak Sangh、 以 下RSS)や 世 界 ヒ ン ドゥ ー 協 会(Vishva Hindu Parishad、 以 下VHP)は 在 外 組 織 を験 成 し、 デ ィ ア ス ポ ラ を対 象 と した 活 動 を展 開 し 執筆者紹介 な か つ ま さ あ き ● 専 修 大 学 大 学 院法 学研 究 科 任 期 制 助 手 イ ン ド現 代 政 治 ・2005 、 「イ ン ド民 主 主 義体 制 に お け る ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス トの 政 治 戦 略 の 変 容 」、 『創 価 大 学 大 学 院 紀 要 」、26。 [email protected]BJPの 政 治戦 略 と ヒン ドゥー ナシ ョナ リス ト運 動 のグ ロー バ ル な連 関―BJPの 存 外組 織OFBJPの 動態 を中心 に― て きた 。80年 代 以 降 よ りイ ン ド国 内 で 台 頭 し て きたHNに 対 し、 在 外 の デ ィ ア ス ポ ラ社 会 で も そ の 強 力 な 支 持 者が 見 出 さ れ る よ う に な っ た 。 こ う した 現 象 は 「デ ィ ア ス ポ ラ ・ヒ ン ド ゥー ・ナ シ ョナ リ ズ ム 」 の 出 現 と して 認 識 さ れ る よ う に な っ た 。 デ ィ ア ス ポ ラ ・ヒ ン ド ゥー ・ナ シ ョナ リズ ム に 関 す る先 行 研 究 で は 、 イ ン ドで のHNの 台 頭 と 関 連 付 け な が ら、 欧 米 の 多 文 化 社 会 に お け るRSSや VHPの 在 外 組織 の 発 展 過 程 や 運 動 形 態 、 そ れ らの 運 動 が デ ィ ア ス ポ ラ社 会 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ形 成 に 与 え る 影 響 等 に つ い て 検 討 され て い る[Bhatt and Mukta 2000, Bhatt 2000, Rajagopal 2000, Katju 2003, Mazumdar 2003, Kurien 2007]。 ま た 、 在 外 に お け る ヒ ン ド ゥー ・ナ シ ョナ リ ス ト 運 動 が 居 住 国 の 政 治 ・社 会 へ の 関 与 を深 め な が ら、 資 金 面 で イ ン ド国 内 の サ ン グ ・パ リ ヴ ァー ル を後 援 す る とい う国 内 外 の サ ン グ ・パ リ ヴ ァー ル の ネ ッ トワ ー ク 関 係 に 着 目す る研 究 も な さ れ て い る[Mathew and Prashad 2000, Therwath 2005]。 つ ま り、 先 行 研 究 の 主 な 関 心 は 、 グ ロ ー バ ル 化 時 代 にお い て 見 出 さ れ る よ う に な っ た デ ィ ア ス ポ ラ に よ る 宗 教 ナ シ ョナ リ ズ ム が 欧 米 諸 国 で い か な る 意 味 を有 し、イ ン ドに お け る ヒ ン ド ゥー ・ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 進 展 と どの よ う な 関係 に あ る の か とい う点 で あ る 。 しか しな が ら、 先 行 研 究 で は 主 と して 在 外 の デ ィ ア ス ポ ラ社 会 か ら の視 点 で デ ィ ア ス ポ ラ ・ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リ ズ ム に 関 す る分 析 が な さ れ て お り、 本 稿 が 着 目 す る イ ン ド本 国 の 視 点 に 立 脚 し た 分 析 は 限 定 的 で あ る 。 特 に イ ン ド政 治 に お け るBJPの デ ィ ア ス ポ ラ 政 策 の 展 開 過 程 や 同 党 の 政 治 戦 略 に 関 し て 、 在 外 の サ ン グ ・パ リ ヴ ァ ー ル 、 特 にBJPの 在 外 支 援 組 織OFBJP(Overseas Friends of BJP)と の 力 学 に 焦 点 を定 め た 分 析 は 断 片 的 で あ っ た 。 以 上 の 点 を 踏 ま え 、 本 稿 で は 、BJPの デ ィ ア ス ポ ラ 政 策 と ヒ ン ド ゥ ー ・ ナ シ ョナ リス ト運 動 の グ ロ ー バ ル な展 開 過 程 を考 察 し、BJPの 政 治 路 線 や 戦 略 が そ の 在 外 組 織 の 動 態 に 連 関 す る構 造 を明 らか に す る 。 ま た 、 「報 告 書 」 の 定 義 に 従 い 、 本 稿 に お け る 「イ ン デ ィ ア ン ・デ ィ ア ス ポ ラ 」 と は 、 「世 界 各 地 に 移 住 し、 イ ン ド人 と し て の ア イ デ ン テ ィ テ ィ (Indian identity)を 保 持 し て い る 者 」 とす る。 イ ン デ ィ ア ン ・デ ィ ア ス ポ ラ に は 、(1)非居 住 イ ン ド人(Non Resident Indian、 以 下NRI)と 、(2) イ ン ド出 自者(Persons of Indian Origin、 以 下PIO)の 両 者 が 包 含 さ れ る 。 NRIと は イ ン ドの パ ス ポ ー トを所 持 し、 雇 用 、 事 業 経 営 等 の 目 的 で 不 特
定 期 間海 外 に居 住 す るイ ン ド市 民 を指 し、PIOと は イ ン ド出 自の外 国市 民 、 また はその 子孫 を意 味す る[Government of India 2001: viii]4。
2 BJPの イ ン デ ィ ア ン ・デ ィ ア ス ポ ラ 政 策 の 変 遷 BJPは イ ンデ ィア ン ・デ ィア スポ ラ政策 を外 交政 策 の一環 と して位 置付 けて い る。そ の外 交政 策 におい て、 デ ィアス ポ ラに対 す る基 本 認識 は主 に 以下 の2点 に集 約 され る。 第一 に、BJPは 文化 的 ル ー ツや母 国 イ ン ドとの 繋 が りを求め る デ ィアス ポ ラとの緊密 な連 携 を重視 し、 イ ン ドは可 能 な限 り彼 らへ の支援 を拡 大 すべ きで あ る と捉 えて い る。第 二の 点 として、欧 米 諸 国等 の イ ン ド人 コ ミュニ テ ィが有 す る政 治 的、 経済 的 影響 力 に注 目 し、 イ ン ドへ の援助 を行 うデ ィアス ポ ラ を国益 追 求及 び 国威 発揚 のた めの手段 とみ な して いる。 そ して、 デ ィア スポ ラが在外 での イ ン ドの イメ ー ジを肯 定的 に変 え、 イ ン ドの国際 的地 位 を向上 させ る存在 であ る と も認識 してい る[BJP2006 Vol.9:281-283, 304-305]。
BJPに よれば、 イ ン ド国民会 議派(Indian National congress、 以下 会 議派)政 権 のデ ィアスポ ラ政策 は不 十分 な もの であ り、 これ まで の会議 派 政 権 は デ ィア ス ポ ラに 対 し冷 淡 か つ 無 関心 で あ っ た[BJP2005Vbl.1: 209,BJP 2005 vo1.4:108]。 実 際 、独 立後 の イ ン ド政府 はデ イアス ポ ラ が居 住 す る国家 との外 交 関係 を考慮 し、 デ ィアス ポ ラに関す る 問題へ の 関 与 に対 し消極 的で あっ た。 イ ン ド政府 が デ ィアス ポ ラへ の 関与 を本格 的 に 志 向す るよ うにな った のは1991年 の経 済 自由化 以 降の こ とで あ る。 BJPは 会 議派 等 の主要 政党 と比 較 して も、早 くか らデ ィアス ポ ラへ の 関 与 に強 い 関心 を有 してい た。1980年 代 中頃 に はす で にデ ィアス ポ ラ に関 す る問題 を政 策課 題 に掲 げ[BJP 2005vbl-1:417]、80年 代 後半 か らは イ ン ド投 資の 奨励 や頭 脳還流 の促 進 等[BJP 2005vbl.1:352,BJP 2005 Vol.4:165]、 デ ィアス ポ ラの 高 い潜 在力 に着 目 し、 国家 開発 の ため に彼 らの効 果 的 な活 用 を主 張 した。 政権 奪 取 が現 実 的 とな った1998年 連 邦 下 院選挙 で は、 イ ン ド国 内の 経 済 開発 の促進 といっ た実用 的 な 目的 だ けで な く、 イ ン ド本 国 とデ ィ アスポ ラ との精神 的、文化 的な 関係 を強化 し、彼 らを新 た な外 交 資源 と して活 用 してい くこ とをBJPは 本 格 的 に志 向す る ように な った[BJP 2005 vol.1: 209]。 そ して、 同年 に政 権 を掌握 したBJPは デ ィアス ポ ラ政 策 を積 極 的
BJPの 政 治 戦略 とヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス ト運 動 の グ ローバ ル な連 関―BJPの 在 外組 織OFBJPの 動 態 を中 心 に― に展 開 し、 デ ィアス ポ ラ との 関係 強化 を推進 した。NDA政 権 期 のBJPの デ ィアス ポ ラ政策 は彼 らの アイデ ンテ ィテ ィに 関す る問題 に も踏み 込 んで い く点 に特 徴 が あ り、特 に この 時期 のBJPは イ ン ド本 国 とデ ィアス ポ ラ の精神 的 かつ 文化 的 な一体 性を強調 した[BJP 2005 vol.4:58-59]。 BJPが デ ィアス ポ ラ政 策 を積 極 化 させ てい く過程 で 、多様 な歴 史 的、社 会 的背 景 を持 つデ ィアスポ ラに対 し、 なぜ イ ン ド人 と して の結束 や ア イデ ンテ ィテ ィの保 持 を強調 す る よ うにな ったの であ ろ うか。元 よ り、政 権党 のBJPが 国 家 戦 略上 にデ ィア ス ポ ラ を位 置 付 け 、彼 らに対 しイ ン ド人 と して のア イデ ンテ ィテ ィ を強 調す る こ とで、 イ ン ドの 国家 開発 のた め に彼 らの資 源 と能力 の活用 を試み たの は 当然 とい える。他 方 、 この アプ ローチ を ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス ト運 動 の グ ローバ ル展 開 の文脈 で捉 え れ ば、 サ ング ・パ リヴ ァー ルの一 員 であ るBJPの デ ィアス ポ ラ政 策 は国家 戦 略 と しての デ ィアス ポ ラ政 策 とは異 なる も う一つ の側 面 を映 し出す 。す なわ ち、 デ ィアスポ ラ政 策の名 の 下 に、BJPが ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス ト運動 の グロ ーバ ル 展 開 を政 治 的 に支 援 す る とい う側 面 で あ り、 それ はBJP政 権 が発足 して以 降 に顕著 に確 認 され る よ うになっ た。 3 サ ン グ ・パ リ ヴ ァLル の 在 外 活 動 とBJPに よ る 政 治 支 援 3-1 在 外 組織 の活 動展 開 と本 国 との 連携 サ ング ・パ リヴ ァー ルの在 外組 織 は、独 立後 に長 い年 月 をか けて組 織拡 大 を図 り、 イ ンデ ィア ン ・デ ィアス ポ ラの組 織 化 を試 み て きた 。1947年 ケニ ア に初 のRSS海 外 支部(Shakha)が 設 立 され5、70年 代 に はVHPA (Vishva Hindu Parishad of America)等 のサ ング ・パ リヴ ァール の在外 組織 が 米 国や英 国 に験成 された。 しか しなが ら、サ ング ・パ リヴ ァール の 在 外活 動 が本 格 的 に強 化 され るの は80年 代 後 半 以 降か らであ る。 この時 期 にRSSの 在 外 組 織HSS(Hindu Swayamsevak Sangh、1989年)や BJPの 在 外 支援組 織OFBJP(1991年)が 欧米 諸 国 を中心 に設 立 され た。
サ ング ・パ リヴ ァール の在外 組織 は、 イ ン ド国内 での急 進 的 な活 動展 開 とは異 な る形 で 、 イ ン ドとの繋 が りを求 め るイ ンデ ィア ン ・デ ィアス ポ ラ の組織 化 に取 り組 ん で きた。具体 的な活 動 として、(1)ヒン ドゥー文化 の普 及 ・護持 及 び国 内外 の ヒ ン ドゥー の連帯 を 目的 とす る文化 ・教 育活 動、(2)
イ ン ドへ の慈 善 ・募 金事 業が挙 げ られ るが 、 これ らの活 動 はデ ィア スポ ラ に対 しヒ ン ドゥー としての験 束 を唱 える本 国組織 特 にサ ング ・パ リヴ ァー ル の 親 組 織RSSの イ デ オ ロ ギ ー を反 映 した もの と考 え られ る。 なお 、 RSSは 在外 の サ ング ・パ リヴ ァー ル を対 象 に1990年 か ら5年 毎 に イ ン ド で 「世 界RSS会 議(Vishwa Sangh Shibir)」 を開催 して お り、 こ う した 会 議 を通 じて、 「ヒ ン ドゥ トゥヴ ァ(Hindutva)6」 を拠 り所 とす る 強力 か つ組織 整 備され たデ ィアス ポ ラ社 会 を形 成すべ きとの ヴ ィ ジ ョンを提 示 し て き た[Rajguru and Katdare 1995,Bajpai et a1.2000,Yardi et a1. 2005]7。 サ ング ・パ リヴ ァー ル の在 外組 織 は、 デ ィアス ポ ラ社 会 へ のHNの 流 布 を展 開 し、 デ ィアス ポ ラの組 織化 に取 り組 み なが ら、 近年 で は本 国及 び 各 国組織 との連携 を強化 し、 ヒン ドゥー ・ナ シ ョナ リス トの グ ローバ ル な ネ ッ トワー ク を形 成 して きた 。一方 で 、そ う した ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リ ス ト運 動 の グ ロ ー バ ル展 開 に対 し、 政 治 的 側 面 か ら支 援 して きた の が NDA政 権 下 のBJPで あっ た と考 え られ る。 当時 のBJPは 国 内 の サ ング ・パ リ ヴ ァー ル との 関係 に敏 感 に な らざ る を得 な い政治 環 境 に置 か れ て いた。BJPが80年 代 後 半 か ら台頭 して い く 過程 で 強硬 に主張 して きた、(1)アヨー デ ィヤ にお ける ラーマ寺 院建 設 、(2) ジ ャンムー ・カ シ ミー ル州 に特 別 な地 位 を保 障す る憲 法370条 の撤 廃 、(3) ム ス リム家族 法 の抜本 的 な改正 へ とつ なが る統一 民法 典 の制定 、 とい っ た 政 策課題 の実現 は、HNに 与 しない 同盟政 党 との 連合 の ため に、NDA政 権 で は棚 上 げ され た。 ゆ え にBJPは 、HNの 追求 に消 極 的 な 同党 の姿 勢 に不 満 を抱 くRSSやVHPと の軋轢 に直 面 して いた ので あ る。 そ こで、BJPは 最 大 の支持 母体 で あ るサ ング ・パ リヴ ァー ル との関係 を 調 整す る上 で、 デ ィア ス ポ ラ社 会 でのHNの 浸 透 を試 み るサ ング ・パ リ ヴ ァー ルの在 外活 動 を政治 的 に支援 す る こ とで事 態 を乗 り切 ろ う とした と 考 え られ る。 こ うした政治 戦略 は、 デ ィア スポ ラ社 会 と密接 な関係 にない 同盟 政党 との過度 な政 策調 整 を必 要 と しない意 味で も、BJPに とって有 用 で あ った。 3-2 イ ンデ ィア ン ・デ ィアスポ ラ担 当大 使の 任命 とそ の活 動 2001年 、 イ ン ド政府 は米 国の 南部 大学 法 律 セ ンター長 で 同国 の永 住権 を持 つ イ ンデ ィア ン・デ ィアス ポ ラ、B・K・アグニ ホ トリー を在 ニ ュー ヨー
BJPの 政 治 戦略 と ヒ ン ドゥ― ・ナ シ ョナ リス ト運 動 の グロ ーバ ル な連 関―BJPの 在 外組 織OFBJPの 動 態 を中 心 に―
クのNRI及 びPIO担 当移 動大使(Ambassador−at−1arge for NRIs/PIOs) に任命 した。 しか し、 この大 使任 命 は イ ン ド国内外 で多 くの批 判 を噴 出 さ せ た 。 なぜ な らば、 この任命 が大 使 の信任 をめ ぐる米 国 との外交 的 な問題 を含 むば か りで な く、アグ ニホ トリーがRSS出 身者 で あ り、在米 の サ ング ・ パ リヴ ァール と関係 す る人物 で あ ったた めで あ る。 野党 側 は国会 審議 におい て、 ヴ ァジペ イー政 権が この任 命 を通 じて ヒ ン ドゥ トゥヴ ァの喧伝 を試 み てい る と非 難 し、任 命 の見直 しを要求 した。 ま た、在 米 の会 議 派支援 組織 もこの 大使任 命 に対 し抗 議 を表明 した。 しか し なが ら、政 府 は ア グニ ホ トリーがRSS出 身で あ る こ とは 問題 な い と し、 野党 側 の要 求 を拒 否 した。 ア グニ ホ トリー は全 米 に止 まらず 世界 各地 に赴 き、 イ ン ドとデ ィアスポ ラの 関係 強化 とい う大使 と しての 職務 に従 事 す る傍 らで、2004年 総選 挙 後 に辞 任 す る まで の問 、 デ ィア ス ポ ラ社 会 との 関 わ りの 中 でHNの 流 布 に努 め た。 ア グニホ トリー はデ ィアス ポ ラに対 し、 イ ン ドの社 会 ・文 明 に つ いて言 及す る際 に、 イ ン ドとは ヴ ェー ダ、 ウパ ニ シ ャ ッ ド、 ラーマ ーヤ ナ、 バ ガ ヴ ァッ ド ・ギー ター の土地 で あ り、 これ らが イ ン ドの価 値体 系 を 形 成 して きた と主 張 した8。 また彼 はデ ィアス ポ ラ を前 に、 イ ン ドを ヒ ン ドゥー女神 ドゥルガ に投 影 し尊 崇す る詩歌 バ ンデ ・マ ー タ ラム を賛 嘆 した が9、 この 詩歌 は国 内外 の サ ング ・パ リヴ ァー ル に よって イ ン ド国家 よ り も愛 唱 され てい る もの であ った 。 他 方、 ア グニホ トリー はサ ング ・パ リヴ ァール の在外 活動 の促 進 に も関 与 した。彼 はヴ ァジペ イー首 相訪 米 の際 に、数 あ る在米 イ ン ド人 コ ミュニ テ ィの 中 か らその 代 表 団 の一 員 にOFBJPを 選 出 し、2001年 に は訪 米 中 の同首 相 の歓 迎会 をOFBJPと 共 同 して開催 す る こ とで、彼 らが デ ィア ス ポ ラ社会 で影響 力 を拡 大 してい くこ とを後援 した。 4 BJPの 政 治 戦 略 と 在 外 組 織OFBJP BJPは イ ン ド国 内で 困 難 で あ ったHNの 追 求 をデ ィアス ポ ラ社 会 に転 嫁す る とい う政治 戦略 を遂 行す る際 に、 サ ング ・パ リヴ ァー ルの在 外活 動 を政 治 的 に支援 した。 しか しなが ら、 こ う した 支援 に もか か わ らず 、BJP は次 第 に在外 組 織OFBJPか らHNへ の コ ミッ トメ ン トをめ ぐる政 治姿勢 や 戦 略 が 問 わ れ る事 態 に直 面 す る よ う にな っ た。 特 に2004年 総 選挙 で
BJPが 敗北 して以 降、 そ う した状 況 は鮮 明 とな った。 元 よ り、OFBJPはBJP有 力指 導 者L・K・ ア ドヴ ァー こ の発 案 に よっ て米 国 で創 設 され10、現 在 で は全 米 に10数 支 部 を有 す る在 外 のBJP支 援 組 織 で あ る。BJPは 党 本 部 にOFBJP担 当役 を配 置 す る他 に、NDA政 権 期 に はOFBJPと の連 携 強化 や そ の役 割 の拡 大 の必 要性 を唱 える等[BJP 2005vo1.2:197]、OFBJPと の緊密 な 関係 を構築 して きた。他 方OFBJP はその活 動 目的 として、(1)居住 国 にお け るイ ン ドや デ ィアス ポ ラにつ いて の肯 定 的 なイ メー ジ と正 しい情 報 の提 供、(2)ディア スポ ラ問 での結 束 の促 進 等 を掲 げ、実 際 にはBJPの 政策 を喧伝 す る活 動 や カ シ ミー ル 問題 等 で の ロ ビー活動 、訪米 す るBJP指 導者 の受 け入 れ支 援等 を行 って きた。 また 、 2004年 総選 挙 の際 にはOFBJP幹 部20名 以上 が選 挙 支援 の た め に訪 印 し、 各 地 で精力 的 な支援 活 動 も行 っ てい る11。こ うした活動 を展 開す る一 方 で、 OFBJPは ヒ ン ドゥ トゥヴ ァの重 要性 を説 く等 、 明確 なイ デ オロ ギー性 を 保持 して い る。 注 目すべ きは、OFBJPが その特 性 と して2つ の側 面 を有 す る点 であ る。 それ は、BJPが 議 会政 党 としての側 面 とヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス ト組織 としての側 面 を備 え持つ こ と[広 瀬1994:15-21]と 類 似す る。す な わち、 OFBJPは イ ン ド本 国や イ ンデ ィア ン ・デ ィア スポ ラの利益 を代 表す る政 治組織 としての側 面 と、HNへ の コ ミ ッ トメ ン トを第 一 とす るサ ング ・パ リヴ ァー ルの 一員 と しての側 面 を有 して い る と指摘 で きる。 4-1 OFBJPの2つ の側 面 OFBJPの 政治組 織 と しての セ キ ュラー な性 格 を示 す事 例 と して 、二 重 国籍 制 導 入 に関す るBJPへ の 働 きか けが 挙 げ られ る。二 重 国 籍制 導 入 は 欧 米 の デ ィ アス ポ ラ問 でか ね て よ り要 望 され て い た。OFBJPに とって 、 二 重 国籍制 そ れ 自体 はHNに 基づ く政策 課題 を意味 す る もの で はな いが 、 デ ィアス ポ ラ社会 の 要望 に応 え る形 で その勢 力伸 張 を図 る上 で は戦 略 的 に 重 要 な課題 であ っ た とい え る。 2001年 の 「報 告 書 」 で 二 重 国籍 制 の 実 現 が提 言 され た が 、OFBJPは 以 前 よ りそ の実 現 をNDA政 権 に強 く求 め てい た。2000年7月 、oFBJp は同 政権 に対 し二 重 国籍 制 導入 を求 め る決 議 を採 択 し12、同年9月 の ヴ ァ ジペ イー首相 訪 米 の際 には、 デ ィアス ポ ラ組織 と して初 め て二重 国籍 制 の 実 現 を要 請す る覚 書 を提 出 した13。そ して、 イ ン ド国内 で反対 論 や法 整備
BJPの 政 治戦 略 と ヒン ドゥー ・ナシ ョナ リス ト運 動 のグ ロー バ ル な連 関一BJPの 在 外組 織OFBJPの 動態 を中心 に― の 困難 さが 指摘 され る 中、2003年 、 ヴ ァジペ イー 首相 に よって二 重 国籍 制 の 導入 が発 表 され た。 この よ うにOFBJPは 、政 治組 織 と して本 国や デ ィアス ポ ラの利 益 を代 弁 す る一方 で 、HNを 推 進す るサ ング ・パ リヴ ァール の一員 と して の一面 を有す る。 そ の ヒ ン ドゥー色 の強 い性格 を示 す事 例 と して、2002年 グ ジ ャ ラー ト州 議会 選挙 及 び2003年 マデ ィヤ ・プ ラデ シュ、 チ ャ ッテ ィー ス ガ ル、 ラ ジ ャス タ ンの3州 議会 選挙 にみ られ るBJPとOFBJPの 評 価 の相 違 が 挙 げ られ る。BJPは これ らの 選挙 に勝利 を収 め たが 、2004年 に総選 挙 を控 えて いた こ と等 か ら、党本 部 は これ らの選挙 結 果 につい て言 及す る際 に、HNを 想起 させ る主 張 を 自重 してい た。 そ う したBJPと は対 照 的 に、 各 選挙験 果 をHNの 観点 か ら評価 してい たのがOFBJPで あ った。 2002年12月 の グ ジャ ラー ト州 議会 選挙 では、 同年2月 の ヒ ン ドゥー と ムス リム 間の暴動(ゴ ドラ暴 動)で 激 化 した コ ミュナ ル な対 立 を背景 に、N・ モ デ ィ州首 相 がVHPと 協 同 し選 挙 民 の コ ミュナ ルな心 情 に訴 え掛 け動 員 を図 る とい う選挙 キ ャ ンペ ー ンが 展 開 さ れて い た。 最終 的 にBJPが 圧 勝 す る こ とにな ったが14、この選挙 結 果 に対 し、党本 部 の指導 者 は グジ ャラー ト州 のBJP政 権 のパ フ ォーマ ンス が認 め られ、 か つ他 党 が ネ ガ テ ィブ ・ キ ャ ンペ ー ンに終 始 した帰 結 であ る と験論 し、同 州首相 やVHPが 展 開 し た コ ミュナ ル な選 挙活 動 の成果 を表 向 きに は評価 しなか った15。 一 方、 グ ジャ ラー ト州 での 勝利 を祝 賀 す るOFBJPの 会合 で は、HNに 基 づ く言説 が 繰 り返 され た。OFBJP幹 部 らに よれ ば、BJPの 勝 利 とは、 州民 がBJPの セキ ュ ラ リズ ム を支持 した こ とに加 え、 ヒ ン ドゥー を非 難 しか つ宗教 マ イ ノ リテ ィ(ム ス リム及 びキ リス ト教 徒)に 譲歩 す る会議 派 の政 策 を拒 否 した結果 であ る とい う。そ して、会議 派 や共 産主 義者 等が ゴ ドラ暴動 に関 して ヒ ン ドゥー、RSS、VHPを 非難 した こ とに よっ て選挙 民 が 憤慨 し、そ れ が最 終 的 にBJPに 勝利 を もた らした と主張 した・ また、 選 挙 民 よ り州 首相 として の信任 を得 た モ デ ィがRSS出 身者 で あ る こ とが 強調 され た16。 2003年 の3州 議会 選 挙 で も同様 の事 象 が確 認 され る。BJP本 部 は選挙 キ ャ ンペ ー ンでHNに 関す る諸課 題 を取 り上 げ る こ とを控 え、 社 会経 済 開発 といっ た ロー カル な問題 に焦 点 を当 てた 。そ して、3州 にお け るBJP の 勝利 は反現 職要 因(anti-incumbency)が 作用 した だ けで は な く、 開発 を重 視 す る 同党 へ の 積 極 的 な 支 持 に よ る もの と総 括 し た[BJP 2005
Vo1.2:29-30]。 他 方、OFBJPで はBJPの 勝利 は ヒン ドゥトゥヴ ァを選挙 民が承 認 した こ とで達成 され た と し、選 挙戦 にお け るイ デオ ロギ ーの役 割 が強 調 された17。 そ して、 統一 民法 典 の制定 、憲 法370条 の撤 廃 、 ラーマ寺 院 の建設 、バ ン デ ・マ ー タラム の斉唱 とい った具体 的 な政策 課題 に反 対す る者 が選 挙 に敗 北 した と断 じた18。 またOFBJPは 個 別 の州 につ い て も言及 した。 当時 のBJP強 硬 派 指導 者 で 、選挙 後 にマ デ ィヤ ・プ ラデ シュ州 の州首 相 に就任 した ウマ ・バ ラテ ィ を取 り上 げ、 同州 で のBJP勝 利 を通 じて、 ラ ーマ 寺 院建 設 運 動 に お け る 彼 女 の貢 献が 認 め られ た と言 明 した。 チ ャ ッテ ィー ス ガ ル州 に関 して は、 BJP政 治 家 が指 導 した 部 族民 に対 す る ヒ ン ドゥーへ の再 改 宗 運 動 や サ ン グ ・パ リヴ ァール系社 会福 祉 団体 に よる部族 民地域へ の奉 仕活 動 の成 果が 指摘 され た19。 この よ うなイ ン ドの州議 会 選挙 をめ ぐるBJPとOFBJPの 評価 の相 違 は、 HNへ の コ ミッ トメ ン トに対 す るイ ン ド本 国組織 とその在 外組織 との問 で の相 違 を浮 き彫 りに してい る。す な わち、 政治権 力 の獲 得 ・保 持 の ため に HNか ら距離 を置か ざるを得 な い本 国組織 とは対 照 的 に、在外 組織 は本 国 の政治 過程 に 関 して、 その イデ オ ロギー に基づ くプ ロパ ガ ンダ活 動 に専心 して い るので ある。 4-2 2004年 総選 挙以 降 のOFBJPの 動態 BJPは2004年 総 選挙 で敗北 して以 降、HNの 追 求 に消極 的 な 同党 の姿 勢 に 対 しRSSやVHPか らの激 し い批 判 に直 面 す る と同 時 に、 在 外 の OFBJPか らもそ の政 治 姿 勢 の在 り方 を問 わ れ る こ と にな っ た。 つ ま り、 OFBJPの サ ング ・パ リ ヴ ァー ル の一 員 と して の一 面が よ り顕 著 に表 れ る ように な り、 それ がBJPへ の圧 力 を意 味す る よ うに もなった ので あ る。 2005年6月 、二 民 族 論 を唱 えたパ キ ス タ ン建 国 の父M・A・ ジ ンナ ー を セキ ュ ラー で偉 大 な指 導者 で あ った と評 した ア ドヴ ァー 二総 裁 に対 し、 OFBJP指 導 部 は強 い遺 憾の意 とイ デオ ロ ギー の妥協 を認 め ない 旨 を表 明 し、 一 部 の 幹 部 に は総 裁 の 即 時 交 代 を 要 望 す る 者 も い た20。 当 時 の OFBJP総 裁S・ ヴェ ム リは ア ドヴ ァー ニの発 言 が 在 米 の ヒ ン ドゥー を失 望 させ てい る と し、そ の修正 を求め た21。 この 頃のOFBJPの 各 会合 で は、BJPの 政 治路 線 や戦 略 をめ ぐる議 論 が
BJPの 政治 戦 略 と ヒン ドゥー ・ナ シ ョナ リス ト運動 の グ ロー バル な 連 関―BJPの 在 外 組 織OFBJPの 動態 を 中心 に― 展 開 され てい る。2005年6月 のOFBJP全 国幹部 委員会 で は、BJPの 再生 と政 権 復帰 の ため の方 策 が 検 討 され、現 在 のBJPは そ の イ デ オ ロギ ー を 堅 持す る路 線 へ と回帰 す る こ とが 肝 要で あ る との指摘 が な され た22。また、 0FBJP総 裁C・ パ テル はBJP創 設25周 年 を記 念す る会合 にお いて、 近年 にお けるBJPの 急 成 長 を総括 し、 そ れ はBJPの イデ オ ロ ギー や ラー マ寺 院建設 運動 が有 権者 に支 持 され た こ とや党 員 の熱心 な働 きに よって成 し遂 げ られた のだ と主張 した23。 何 よ り、 こ う したOFBJPの 動 向 を その他 の サ ング ・パ リヴ ァール との 関係 か らみ れ ば 、OFBJpの 主 要 な会合 にはHSSやvHPA等 の サ ン グ ・ パ リ ヴ ァー ル幹 部 も出席 して お り、彼 らはHNに 基 づ く主張 を行 うだ け で はな く、OFBJPの 組織 上 の 問題 やBJP指 導部 との 関係 につ い ての提 案 、 指 導 も行 っ てい る24。また 、2007年 の パ ンジ ャ ブ及 び ウ ッ タラ カ ン ド州 議 会 選挙 で のBJP陣 営 の勝 利 を祝賀 す るOFBJPの 会合 にお いて は、 出席 したHSS幹 部 に よ りBJPが イ デ オ ロギー を堅 持 してい く重 要性 が 説 か れ てい る25。なお、HSS、VHPA、OFBJPと い った在 外 組織 の 問 で は、人 的交 流 を通 じた連携 が極 め て 緊密 で あ り、 実 際 に在 外組 織 の 問で の メ ン バ ー シ ップ は重複 してい る26。これ らの点 を踏 ま えれ ば、OFBJPが ヒ ン ドゥー色 を押 し出 し、BJPに 対 しイ デオ ロギ ーの堅 持や 追求 を声 高 に主張 してい る背 景 と して、 彼 らがHNに 共 鳴 してい る点 だ けで は な く、 そ の 他 の サ ング ・パ リヴ ァー ル との 人的 な繋が りが影響 してい る こ とも考 え ら れ る。 また、 イ ン ド国内 の選 挙 政 治 に着 目す れ ば、OFBJPはNDA政 権期 よ り も一 層BJPに 対 してサ ング ・パ リヴ ァール の一 員 と して の機 能 を果 た す よ う求 めて い る。NDA政 権期 のOFBJPは 選 挙 での勝 因 を ヒ ン ドゥ トゥ ヴ ァやそ れ に基 づ く政策 課題 へ の支持 に拠 る との見解 を示 す に止 まって い た。 しか しBJPが 下 野 して以 降 は選挙 分 析 を通 じて、 同党 に対 しイ デ オ ロギ ー を堅 持す べ きと も論及 す る よ うになっ た。2006年11月 の ウ ッタル ・ プ ラデ シュ州地 方選 挙 での勝 利 につ い て、BJPは そ の イデ オ ロギー の効果 に関 しての言 及 をせ ず、 党州 支部 の成 果 と党 員 の働 きを評 価 した27。そ の 一 方 で、OFBJPは この選挙 験 果 に 関 し、BJPの イ デオ ロ ギー が 同州 に お いて活 力 に満 ち、潜 在力 の あ る こと を示 す もの とみ な し、BJPの 強み や正 統 性 はそ のイ デオ ロギ ー に内在 して いる のだ と指摘 した。 そ して、 同党が イデ オ ロギー を弱体化 させ なけ れば、 次期 州議 会選挙 で の成 功 を楽観視 で
きる と も主張 した28。 この よう にNDA政 権 期 よ り政 治戦 略 や路 線 をめ ぐるBJPとOFBJPの 認 識 の 相 違 が 顕 著 と な る 中、BJP側 で は 内 部 対 立 が 顕 在 化 して い た OFBJP指 導 部 を問題 視 し、 そ の監 督 強化 に乗 り出す よ うに な った29。 し か しなが ら、そ もそ もOFBJPは 自主 的 な組 織 運営 を行 う在外 支援 組織 に す ぎず、 党機 構 の 一部 で は ない ため 、OFBJPに 対 す る介入 が 奏功 す るに は至 らなか った。 2006年2月 、OFBJP指 導 部 にお ける派 閥対 立 を深刻 な事 態 と して受 け 止 めたBJP本 部 は、OFBJP(USA)の 不適 切 な活 動 を理 由 に 同組織 との 関係 を断絶 し、BJPの 名 の 下 にOFBJP(USA)が 活 動す る こ とを承 認 し な い 旨 を宣言 した30。但 し、BJPは この 宣 言後 もOFBJPに 対 し組 織 的 な 関与 を行 って お り31、またOFBJPメ ンバ ー との 関係 も依 然 として継 続 し て い る こ とか ら32、OFBJPと は事 実上 断 絶 され た関係 に はな い とみ て よ いで あ ろ う。他 方 、OFBJPに お いて はBJPと の連携 を通 じて イ ン ド政 治 との接 点 を維 持 しな が ら、 デ ィアス ポ ラ社 会 にお い て政 治組 織 及 び ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス ト組織 と しての活 動 を引 き続 き展 開 してい るの で ある。 5 む す び に か え て 政党 の政 治路 線 や戦略 は 、(1)支持 団体 との 関係 を含 めた党 内力 学 、(2)政 党 間競 合 、(3)国内外 の 政 治 環 境 な どの様 々 な 要 因 に影 響 され る[広 瀬 1994:19]。 本稿 で は、BJPの 政 治路 線 や戦 略動 向 につ いて、 サ ング ・パ リヴ ァー ル 内部 、特 に これ まで本格 的 に検 討 され て こ なか っ た在 外組 織 OFBJPと の力 学 に着 目し考 察 した。 本稿 で 明 らか にな った こ とは、 サ ング ・パ リヴ ァー ルの一 員 であ り、 イ デ オ ロギ ー政 党 と してのBJPの 限 界 で あ る。 これ はHNの 追求 をデ ィア スポ ラ社 会 に転 嫁す る とい う政治 戦略 の頓挫 に単純 に起 因す る もの で はな い。つ ま り、 イ ン ド民主 政 治の枠 組 み にお いて、BJPは 広 範 な社 会 階層 か らの支 持 を得 る こ とで、 政治 権力 の獲 得 ・保 持 を 目指す 一方 、サ ング ・パ リヴ ァー ル との 関係 に よ り絶 えずHNへ の コ ミッ トメ ン トを余 儀 な くさ れ るので あ る。 こ うした視点 はす で に先行研 究 で指摘 され て きた。本 稿 で は この点 に加 え、 イ ン ド情勢 に 関す る情 報 が瞬 時 に行 き交 い、 そ う した情 報 に対 す るデ ィア スポ ラの即応 を可 能 とす る グ ローバ ル化 時代 にお い て、
BJPの 政 治 戦 略 と ヒン ドゥー ・ナ シ ョナ リス ト運動 の グ ロー バル な連 関 ―BJPの 在 外 組織OFBJPの 動 態 を 中心 に― BJPは 宗教 アイデ ンテ ィテ ィに基 づ き居 住 国の みな らず本 国 の政 治過程 に 関与す る在外 組織 の動 態 を軽視 で きない状 況 に置か れ てい る点 を議論 した。 本 来 で あ れば 、BJPを 在外 か ら支援 す る はず のOFBJPが ヒ ン ドゥー勢 力 と して の側 面 を 強調 す る こ とに よ り、 結 果 と してHNの 追 求 に専 心 す る こ とが 困難 で あ るBJPは 、 国 内外 のサ ング ・パ リヴ ァー ル問 で の孤 立 を深 め る こ とにな るの であ る。 そ して、在 外組織 の動 態 を契機 とす るBJP の孤 立 が際 立つ こ とに なれ ば、最大 の 支持母 体 であ る国 内の サ ング ・パ リ ヴ ァー ル に よる離 反 を招 く可 能性 が想 定 され、そ うした事態 はBJPに とっ て到 底容 認 で きる もので は ないの であ る。 また、NDA政 権 時代 のBJpがoFBJpを 軽視 で きなか った背景 と して 、 BJPの 対 米 関係 を重 視 す る姿 勢 も挙 げ られ るで あ ろ う。BJPが1998年 の 核 実験 以降 に対 米 関係 の 改善 、進展 を図 る上 で 、新 しい 政治勢 力 と して影 響力 を高め つつ あ った在 米 デ ィアスポ ラとの関係 強化 並 び に彼 らに よる ロ ビー活動 は不 可 欠で あ った。 その 際 に、 デ ィアスポ ラ社会 や米 政府 に対 し、 BJPの 政 策方 針 や対 米認 識 を流 布 す る こ とが で きるOFBJPの 存 在 は貴 重 で あ った とも考 え られ る33。 本稿 で論 じた ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス トの グ ローバ ル ・ネ ッ トワー ク を介 して行 わ れ る、BJPと 在外 組織 の 間で の双方 向 的 な政治現 象 とは、現 代 イ ン ドにお け るグ ローバ ルな政 治空 間 の形成 を想起 させ る もの と も考 え られ 、そ れ は イ ン ド政 治研 究 に新 た な視座 を提供 す る ものか も しれ ない 。 こ う した見 方 は遠隔 地 ナ シ ョナ リズ ム論や越 境 す る移民 ネ ッ トワー ク とそ れに 基づ く新 しい政 治的 空 間の形 成 とい う現 代移 民研 究 の議論 とも隣接 す る。但 し、 これ らの問題 をイ ン ド政治 の文脈 に照 らして明 らか にす るた め には、本 稿 で取 り扱 っ た欧米 先進 国の事 例 に 限 らず 、途上 国を も含 め た 国 内外 の ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス ト問の連携 を射 程 に入 れた 実証研 究 が さ らに必 要 とされ る。 註 1 「ディアスポラ」とは本拠地を離れた者を意味するギリシア語 に由来 し、主に故国を喪失し、 世界 中に離散 を余儀 なくされたユ ダヤ人の状況を指す語 として定着 した。近年における在外 のインド人やインド系全般の実態を考慮 した場合、インドとの繋がりを有 し、インドへの往来を 頻繁 に行い、トランス・ナショナルな活動 を展開する先進 国の在外者の存 在と「ディアスポラ」
の 語 が 内 包 す る 「故 国 喪 失 」や 「離 散 」と い っ た 意 味 合 い との 間 に は 相 当 な 隔 た りが あ り、在 外 者 に 対 す る こ の 語 の 使 用 に は 注 意 を 要 す る 。以 上 の 点 を 念 頭 に置 き な が ら も 、イ ン ド側 の 視 点 か らBJPの 在 外 者 政 策 を 論 考 す る 本 稿 で は 、次 の2点 を 重 視 し、便 宜 的 に 「イ ンデ ィア ン ・ デ ィア ス ポ ラ」の 語 を 使 用 す る 。重 視 す る 点 と して 、(1)BJPが 在 外 者 に 対 す る 政 策 を 積 極 化 さ せ る 過 程 で 、次 第 に 「デ ィア ス ポ ラ」の 語 を主 に使 用 す る よ うに な っ た こ と、(2)近年 の 行 政 府 機 関 で は 、 「デ ィア ス ポ ラ」の 語 の 含 意 とは 別 に 、在 外 者 全 般 を 指 す 語 としての 「イ ンデ ィア ン ・デ ィ アスポ ラ」が 他 の 語(Overseas Indians等)と 併 用 され て お り、政 策 レベ ル で そ の 使 用 が 定 着 し つ つ あ る こ とが 挙 げ られ る 。 2 現 代 イ ン ドに お け るHNと は 、民 族 奉 仕 団(RSS)に 代 表 され る ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス トに よ って 「ヒ ン ドゥ ー」も くし は 「ヒ ン ドゥー 民 族(Hindu Rashtra、Hindu Nation)」 と称 され る 人 々 の 組 織 化 や 強 化 を 通 じて 、強 靭 で か つ 偉 大 な イ ン ド国 民 国 家 の 実 現 を 目標 とす る イデ オ ロ ギ ー で あ る[近 藤2002:191]。 生 活 様 式 と しての 「ヒ ン ドゥー イズ ム(Hinduism)」 や 「ヒ ン ド ゥー文 化(Hindu Sanskriti)」 の 至 高 性 を掲 げ る こ の イデ オ ロ ギ ー で は 、ヒ ン ドゥー 教 だ け で な く、イ ン ド亜 大 陸 を起 源 とす る文 化 や 宗 教(シ ク 教 、仏 教 、ジ ャイ ナ 教 、ア ニ ミズ ム等)も 「ヒ ン ド ゥー」の 一 部 と して受 容 さ れ る 。一 方 で 、イス ラー ム教 や キ リス ト教 とい っ た 外 来 宗 教 は 、「ヒ ン ドゥー 」の 団 結 を 阻 害 す る 存 在 と して 敵 対 視 され 、排 他 的 に 扱 わ れ る 傾 向 に あ る 。し た が っ て、HNは 、「ヒ ン ドゥー」を単 位 とす る ネ イ シ ョン形 成 を 志 向 す る こ とか ら ナ シ ョナ リス ト・イデ オ ロ ギ ー で あ る と同 時 に 、特 定 宗 教 の 優 位 性 を主 張 し、他 宗 教 を排 外 す る 「コ ミュ ナ リズ ム( 宗 派 主 義)」 の 要 素 を 内 包 して い る 。 3 最 大 の ヒ ン ドゥー 組 織RSSを 親 組 織 とし、イ ン ド社 会 の 各 分 野 にHNを 浸 透 させ る こ とを 目 的 とす る 組 織 集 団 の 総 称 。BJPはRSSよ り人 員 や イ デ オ ロギ ー だ け で な く、組 織 的 な 選 挙 支 援 も 提 供 され て い る た め 、実 質 的 に はRSSの 政 治 ウ ィング とみ な さ れ て い る 。 4 PIOは 以 下 の3つ の カ テ ゴ リー に分 類 され る 。外 国 籍 者 の 中 で 、(1)かつ て イ ン ド旅 券 を 保 持 し た こ との あ る者 、(2)父母 、祖 父 母 また は 曾 祖 父 母 の い ず れ か が1935年 イ ン ド統 治 法 で 定 め ら れ た イ ン ド及 び 後 に イ ン ド領 の 一 部 と な る地 域 に 出 生 し、定 住 した 者(た だ し 、パ キ ス タン、バ ング ラ デ シュ 及 び イ ン ド政 府 が 指 定 す る そ の 他 の 国 の 国 籍 を有 す る 者 は 除 か れ る)、(3)イ ン ド 市 民 や上 記 の2つ の カ テ ゴ リー を満 た す イ ン ド出 自者 の 配 偶 者 。 5 RSS公 式HP参 照(http:// www . rss. org / New -RSS / RSS-Abroad / RSS-Abroad.jsp )。 6 ヒ ン ドゥー ・ナ シ ョナ リス トはそ の イデ オ ロギ ー を 表 象 す る 標 語 として 「ヒ ン ドゥトゥヴ ァ(ヒ ン ド ゥー の 根 本 原 理)」 を 頻 繁 に使 用 して い る。 この 「ヒ ン ドゥ トゥヴ ァ」概 念 は 多 数 派 として の ヒ ン ドゥ ー に 関 す る 彼 ら 独 自の 歴 史 観 や 現 状 認 識 に 基 づ くもの で あ り、実 態 に 照 ら し検 討 さ れ る べ き内 容 を 含 ん で い る が[佐 藤2000:112]、 本 稿 で はBJPと そ の 在 外 組 織 の 関 係 性 を 彼 ら の 言 説 に従 って 考 察 す る見 地 か ら、 「ヒ ン ドゥ トゥヴ ァ」 とい う用 語 を彼 ら の 言 説 に 即 して 便 宜 的 に使 用 す る 。
7 世 界RSS会 議 で 配 布 され た 内 部 向 け 資 料[Rajguru and Katdare 1995
, Bajpai et al-2000, Yardi et al.2005]は 、国 内 外 の サ ング ・パ リ ヴ ァー ル 幹 部 が 在 外 で の 活 動 の 現 状 や 課 題 等 に
関 して 執 筆 した 評 論 集 で あ る。本 稿 で は 、こ れ ら の 資 料 がRSSの イ デ オ ロ ギ ー に 則 し編 集 さ れ て い る点 を 勘 案 し 、RSSの 在 外 戦 略 を示 す もの とみ な す。
8 OAALNP Press Releas
e, 2003, May.24.米 印 関 係 に 関 す るOFBJP主 催 の 会 合(2003年11月 30日)で の 発 言[OAALNP Press Release, N. D.(1)]。
9 OAALNP Press Rel
BJPの 政 治 戦 略 と ヒン ドゥ― ・ナ シ ョナ リス ト運 動 の グ ローバ ル な連 関 ―BJPの 在 外 組織OFBJPの 動 態 を 中心 に― 10 BJP Today ,2003,12-14,Ju1.16-31.OFBJPは 英 国 や カナ ダ に も拠 点 を有 す るが 、米 国 で の 活 動 が 最 も活 発 で あ る 。 11 BJP PressRelease , 2004, Apr.12. 12 OFBJP Press Release
, 2000, Ju1. 26. 13 OFBJP Press Release
, 2003, Dec. 25. 14 BJPの 勝 利 に 関 し、Y・ ヤ ー ダ ヴ は 、同 党 が 州 政 権2期10年 間 を か け て 構 築 して き た 支 持 層 の 票 を 着 実 に 確 保 し た 結 果 とみ な す 一 方 で 、サ ング ・パ リヴ ァー ル に よる 選 挙 キ ャ ンペ ー ンを 通 じ て 選 挙 の 中 心 的 な 議 題 と して 広 め ら れ た 、ゴ ドラ事 件 や そ の 後 の 暴 動 に 関 す る 問 題 が 、BJP 支 持 へ と つ な が る 一 つ の 役 割 を果 た し た と も指 摘 した[Yadav 2002]。 15 ナ イ ドゥー 総 裁 の 選 挙 分 析[BJP Today , 2003, 12-1, Jan-1-15]。 16 BJP Today , 2003, 12-5, Mar.1-15. 17 OFBJP Press Release
, 2003, Dec. 29. 18 BJP Today
, 2004, 13-1, Jan. 1-15.OFBJP Press Releaseか ら転 載 。 19 OFBIP
, 2003, Dec. 6.
20 OFBJP副 総 裁C・ パ テ ル や 前 総 裁D・ ア ガ ル ワル は、ア ドヴ ァー こ の 発 言 がBJPの イデ オ ロ ギ ー に 関 わ る 問 題 で あ り、譲 歩 で き る も の で は な い と し 、 ア ド ヴ ァ ー 二 を 強 く批 判 し た
[Hinduslan Times, 2005, Jun. 8]。 21 The Times of India
, 2005, Jun. 9. 22 Hindustan Times
, 2005, Jun. 20. 23 OFBJP Press Release
, 2006, Feb. 25. 24 BJP Today
, 2003, 12-11, Jun. 1-15. 25 TheIndian Star. com, 2007, Ju1. 20.
26 Rssナ グ プー ル 本 部Joint Secretary V・ テ ラ ンへ の イ ン タビ ュ ー、2006年8月21日 、RSSナ グ プ ー ル 本 部 に て 。
27 BJP Press Release
, 2006, Nov. 7.
28 OLFBJP Press. Release, 2006, Nov. 14.ま た2007年 の マ ハ ラ シ ュ トラ 州 地 方 選 挙 でBJp・ シ ブ セ ナ 連 合 が 勝 利 した 際 に 、OFBJPは こ の 連 合 を ヒ ン ドゥ トゥヴ ァ連 合 と称 し、BJPの 業 績 とイデ オ ロ ギ ー が 州 民 に受 け入 れ られ て い る との 見 方 を 示 し た[OFBIP Press Release, 2007, Feb. 6]。 29 The Hindu
, 2003, Jan. 10. 30 BJP Press Release
, 2006, Ju1. 15. BJPがOFBJPと の 関 係 を 解 消 す る 際 に 、HSSやVHPA指 導 者 に そ の 経 緯 を 説 明 す る 手 紙 を 送 付 して い る[Organiser, 2006, Apr.16]。BJPが 国 内 でRSSや VHPと の 関 係 改 善 を模 索 す る 中 で の こ う した や り取 りは 、国 内 外 の サ ング ・パ リヴ ァ ー ル に 対 す るBJPの 配 慮 を 窺 わ せ る 。 31 2007年6月 、BJP本 部 はOFBJP担 当 のK・ サ ハ ニ を 米 国 に2ヶ 月 間 派 遣 し、OFBJPの 機 構 改 革 に 着 手 し た 。サ ハ ニ は2008年3月 末 ま で にOFBJPの 規 約 を修 正 し 、新 た な 指 導 部 を 選 出 す る た め の 暫 定 委 員 会 を 発 足 させ た 。各 改 革 に は 党 本 部 の 公 式 承 認 が 必 要 と され る こ と か ら、こ れ ら一 連 の 措 置 は 同 党 が 本 格 的 に在 外 組 織 の 管 理 監 督 に 乗 り出 し た も の と考 え られ る[BJP Press Release, 2007, Aug. 22]。
32 BJP本 部OFBJP担 当K・ サハ ニ へ の イ ンタ ビュー、2006年8月10日 、同 氏 の 司P本 部 執 務 室 に て 。 33 核 実 験 後、米 印 の 政 策 決 定 者 の 問 で 、戦 略 対 話 が 頻 繁 に 行 わ れ た が 、そ の 背 後 で の 在 米 デ ィ アス ポ ラ に よ る ロ ビー 活 動 は よく知 られ て い る 。そ う した 中 で 、OFBJPは 親 印 的 な 米 有 力 議 員
や在 米 デ ィアス ポ ラの有 識 者 とともにイ ンドの 安 全 保 障 に関 する会 議 を開 催 し、BJPの 立場 を 喧伝 す る等[OFBJP, 2000, May. 10]、BJPを 後 援 して きた。こうした活 動 がBJPとOFBJPの 力 関係 に変 化 を もた らした可 能 性 は否 定 で きず、検 討 に値 す るが、一方 でOFBJPの ロビー活 動 が 実 際 上 どの程 度の 影 響 力 を持 ち合 わせ て いた の か につい ては、詳 細 な考 察 が 必 要 で あ ると考 えられ る。この点 につ いては別 稿 で の考 察 に期 したい。
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BJPの 政 治戦 略 と ヒン ドゥー ・ナ シ ョナ リス ト運 動の グ ロ― バ ル な連 関―BJPの 在 外組 織OFBJPの 動態 を中心 に―
Summary
The Relationship between the Political Strategy of the BJP and the Hindu
Nationalist Movement across the National Border: A Study of the BJP and
the Overseas Friends of BJP
Masaaki Nakatsu
Keywords: Hindu Nationalism, Transnational Network,
Indian Diaspora, Indian Politics
Hindu nationalist organizations have pursued their activities not only in India but also overseas, and have established various networks across national borders. This article examines the political relationship between the Hindu nationalist party in India, the Bharatiya Janata Party (BJP), and its affiliated organization overseas, the Overseas Friends of BJP (OFBJP).
The article first analyzes the Indian diaspora policy of the BJP-led alliance government. It argues that the BJP supported the Hindu nationalist movement overseas through this policy. While in power, the BJP had to consider its relationship with its allied parties and the acquisition of extensive support from the constituency. Therefore, the BJP could not crystallize its ideology-oriented policies in India, such as the construction of the Ram temple in Ayodhya. On the other hand, the Hindu nationalist organizations in India, its strongest support base, severely blamed the BJP for its passive ideological stance. Under these circumstances, the BJP looked for a new political strategy overseas and incorporated various demands of the OFBJP into government policies, such as the dual citizenship and the appointment of the person involved with these organizations as ambassador in charge of Indian diaspora affairs. The OFBJP, on the other hand, strengthened its supporting activities for the BJP in Indian diaspora society.
Despite such political support, however, the BJP had to face strong criticisms on the ideological line of the BJP from the OFBJP after its debacle in the 2004 election. The OFBJP, as an organization more strongly committed to the Hindu nationalist movement, expressed its dissatisfaction with the ideological stance and the political strategy of the BJP and demanded that the party correct them. For instance, the BJP and the OFBJP have expressed different views on the significant role of the Hindu nationalism in national and state elections. According to the OFBJP, the victory of the BJP in elections was the result of the electorate supporting its ideology.
Thus the OFBJP imposes pressures on the BJP both directly and through Hindu nation-alist organizations in India which the BJP cannot afford to ignore. Otherwise the BJP will have to suffer isolation from Hindu nationalist organizations in India and overseas. Conse-quently, the BJP has no choice but to commit to its ideology.