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芳賀赤十字病院 内科

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Academic year: 2021

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O-8-3

増大する感染性肝嚢胞による下大静脈圧迫から広 汎な深部静脈血栓に至った1例

芳賀赤十字病院 内科

◯小

こ ぼ り

堀 篤

あ つ や

也、大西  央、沼尾 規且、廣澤 拓也、佐藤 直人、

 前田 浩史、五十嵐祐介、河又 典文、村上 善昭、安田 是和

【症例】81歳,男性. 【主訴】発熱. 【現病歴】パーキンソン病,糖尿病にて治療中.10年前,

腹痛精査目的に当院で腹部CTを施行し,肝右葉の嚢胞を偶然指摘されていた.39℃

台の発熱を主訴に当院を受診.炎症反応高値(WBC 9,400/µL,CRP 24.4mg/dL),

肝酵素上昇に加え,腹部 CT にて肝嚢胞の増大(1027mL)・内部濃度上昇・辺縁境 界不明瞭を認め,感染性肝嚢胞の診断で緊急入院した.【臨床経過】抗生物質全身投 与を行ったが炎症反応は速やかに改善せず,第 14 病日の腹部 CT では肝嚢胞容積は 1913mLとさらに増大していた.肝嚢胞穿刺排液を施行し,炎症反応は改善傾向となっ た.一方,入院時は認められなかった両下腿浮腫が入院後徐々に出現・増強したため,

精査目的に第 22 病日造影 CT を施行したところ,肝嚢胞は十分縮小しておらず,下 大静脈を著明に圧迫しており,下大静脈から両大腿・下腿静脈に及ぶ広汎な血栓を 認めた.抗凝固療法を開始後,下腿浮腫は徐々に改善し,CT上も血栓の経時的縮小 が確認できた.第 52 病日 2 回目の肝嚢胞穿刺排液を行うとともに,肝嚢胞の再増大 防止目的にミノマイシン 500mgの嚢胞内注入を行った.リハビリテーション後,第 106病日自宅退院した.【考察】本症例においては,血液検査にて,静脈血栓症につな がりうる血栓性素因を検出しなかったことから,肝嚢胞に感染を合併したことによ る肝嚢胞の急速な増大,それに伴う下大静脈圧迫による静脈血流うっ滞が,広汎な 深部静脈血栓症に至った重要な原因と考えられた.感染性肝嚢胞に関連した深部静 脈血栓症の報告は稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.

O-8-4

原発不明腹膜癌に結核性腹膜炎、粟粒結核を合併 した一例

熊本赤十字病院 診療部

◯井

いのうえ

上 大

ひ ろ き

暉、楠本 周平、谷口 愛奈、藤井 巳加、押川 英仁、

 加島 雅之

【症例】78歳、女性。【主訴】腹水増加、発熱。【現病歴】2018年11月より原発不明の腹 膜癌に対してweekly TC療法を5クール施行。2019年4月に6クール目の施行目的に 入院となった。【臨床経過】入院時から 38℃台の発熱を認めており、熱源精査のため に血液培養、尿培養を提出した。院内感染(転院後)であったため緑膿菌をカバーす る目的でピペラシリン/タゾバクタムを開始した。血液培養は陰性であったが、尿 培養からは Corynebacterium が検出され、尿路感染症として抗菌薬をバンコマイシ ンに変更し、3週間の治療期間を終了した。しかし、夜間の発熱は持続したため、腫 瘍熱の判断でドキシル単剤療法を施行した。化学療法施行翌日に以前提出していた 腹水から抗酸菌が検出され、追加での結核 PCR は陽性であり、結核性腹膜炎の診断 となった。抗結核薬を開始し、その後のCT肺野条件でモザイクパターンの陰影を認 め、粟粒結核の診断となった。抗結核薬での加療後は速やかに解熱、腹水も減少した。

【考察】発熱および腹水増加は当初は尿路感染症および原発不明腹膜癌によるものと 予想されたが、腹水の結果から結核性腹膜炎、粟粒結核によるものと判断した。【結 語】原発不明の腹膜癌に結核性腹膜炎、粟粒結核を合併した一例を経験したため文献 的考察を加え報告する。

O-8-5

EUS-FNAで扁平上皮癌と診断された膵腫瘍の1例

長岡赤十字病院 消化器内科

◯田

た な か

中  奨

すすむ

、河久 順志、北條 雄暉、小林 隆昌、小林 陽子、

 小林 雄司、吉川 成一、三浦  努、竹内  学

EUS-FNA で扁平上皮癌と診断された膵腫瘍の 1 例症例は 80 歳代の男性。受診 2 か 月前より心窩部痛出現。近医で CT 施行、膵尾部腫瘤を指摘され、精査加療目的に 当院紹介。当科初診時、血液検査で、CEA 10.3、CA19-9 157.5 と高値であり、膵 Dynamic CT では、膵尾部に膵実質から背側に突出する 48mm 大、辺縁主体に漸増 型に濃染する内部乏血性の腫瘤性病変を認めた。MRI では、T2WI 軽度低信号主体、

ADC 低下を認めた。組織学的検索目的に EUS-FNA 施行、腺癌領域のない扁平上皮 癌組織を得られた。同時に施行した上部消化管内視鏡検査(EGD)にて、胸部中部~

下部食道にやや丈の高い隆起を伴った全周性発赤陥凹性病変(0-Is+IIc病変)を指摘、

超音波内視鏡検査では、均一な低エコーを呈し、SM層は圧排菲薄化、深達度はSM2 と診断、生検で低分化型扁平上皮癌と診断された。以上の経過より、膵腫瘍は食道 癌の膵転移、もしくは重複癌としての膵原発腺扁平上皮癌と考えたが、確定診断は 得られなかった。しかし、いずれにしても年齢を考慮すると膵病変、食道病変の合 併切除は困難と判断、膵切除先行も合併症リスクが高く、化学放射線療法も、腎機 能が悪いこと、消化管への負担が大きくなることから困難と考え、放射線単独療法(食 道2Gy×30回=60Gy、膵1.8Gy×28回=50.4Gy)を施行した。治療後、効果判定目的 の EGD で隆起性病変は不明瞭化、CT で食道壁肥厚は不明瞭化したが、膵腫瘍は軽 度増大、肝腫瘤が複数出現、肝腫瘍生検で扁平上皮癌を得られ肝転移と診断、現在、

TS-1 による化学療法を行っている。膵腫瘍の EUS-FNA で扁平上皮癌を得られるこ とは稀であり、治療法も確立していない。本症例は、食道癌を併存しており、転移 性膵腫瘍も否定できず、診断、治療方針決定に苦慮したため、報告する。

O-8-6

多彩な神経・内分泌症状を呈し、診断に難渋した 視神経脊髄炎関連疾患の一例

高松赤十字病院 卒後臨床研修センター

1)

、高松赤十字病院 神経内科

2)

◯千

ち ば

葉 雄

ゆ う た

1)

、荒木みどり

2)

、峯  秀樹

2)

<はじめに>視神経脊髄炎関連疾患(以下 NMOSD)は、視神経炎や脊髄病変により 様々な症状を来す。今回、意識障害を主訴に来院し、内分泌異常を来した NMOSD 症例を経験したので報告する。

<症例> 30 代女性、入院 9 日前より頭痛と高熱、嘔気、めまいを自覚、入院当日に 意味不明の言動、失禁があり当院に救急搬送された。搬送時には徐脈、低体温、四 肢や顔面の不随意運動を認めた。画像検査、腰椎穿刺等を行った結果、CTでびまん 性の脳腫脹、髄圧上昇と髄液中の軽度の細胞増加と蛋白増加を認めた。痙攣重積を 認めたため人工呼吸管理下で鎮静し、無菌性髄膜脳炎として抗ウイルス薬、抗生剤、

ステロイドパルス療法、γグロブリン投与を開始した。第2病日のMRIで両視床下部、

脳幹の異常信号を認め NMOSD を疑った。髄液検査の結果、各種ウイルスは陰性で あり、第 9 病日から血漿浄化療法を開始した。第 22 病日からγグロブリン大量療法 を行ったところ、覚醒時には頷きや口頭指示での離握手ができるまでに意識は改善 した。MRIでは頚髄病変は認めず、抗AQP4抗体陰性、抗MOG抗体陰性だった。第 29 病日の MRI で視交叉の病変を認め、脳と視神経の 2 つの主要臨床症候と MRI 所見 よりNMOSDと診断した。内分泌異常について、入院時より多尿と血清浸透圧上昇、

高Na血症を認め、尿崩症と診断し合成バソプレシンの投与を開始したが、その後も Na値、血漿浸透圧が安定せず治療に難渋した。また、徐脈、低体温、低血糖を認め たが、その原因を下垂体機能不全によるホルモン分泌異常と考え各種ホルモンの補 充を行った。

<結語> NMOSD による視床下部病変により、様々な神経・内分泌異常を呈し診断 に難渋したが、神経・内分泌異常に対し各種治療を行い救命し得た症例を経験した。

O-8-7

意識障害で発症し救命しえた肺炎球菌性髄膜炎の 高齢男性の2例

高松赤十字病院 卒後臨床研修センター

1)

、高松赤十字病院 神経内科

2)

、 高松赤十字病院 脳神経外科

3)

◯岡

お か だ

田 裕

ゆ う き

1)

、荒木みどり

2)

、峯  秀樹

2)

、武澤 正浩

3)

、  香川 昌弘

3)

【はじめに】抗菌薬が発達した現在も細菌性髄膜炎は致死率が高く、救命できても重 篤な後遺症を残すとされ、早期の治療介入が必要とされる。致死率が高い肺炎球菌 性髄膜炎を発症し、救命しえた 2 症例を経験したので報告する。【症例 1】73 歳男性。

X年1月に発熱、意識障害をきたし救急搬送。糖尿病で治療中であった。JCS100。項 部硬直は明らかでなかった。髄液検査などから細菌性髄膜炎とし、ステロイド、抗 菌薬を投与開始した。血液培養と髄液培養ともに肺炎球菌が検出された。意識レベ ルは改善傾向にあったが、再び意思疎通困難になった。脳室の拡大が確認され、髄 液ドレナージにより症状の改善を認め、二次性水頭症と診断しVPシャントを施行し た。術後より意識レベルと脳室拡大の改善がみられ、リハビリが進み車椅子での座 位保持および自力での食事摂取が可能になった。第135病日にリハビリ目的で転院し た。【症例2】70歳男性。X年3月に意識障害、発熱を認め救急搬送。慢性副鼻腔炎の 既往あり、糖尿病の治療中であった。JCS10。項部硬直を認めた。髄液検査などから 細菌性髄膜炎とし、ステロイド、抗菌薬を投与開始した。髄液塗抹でグラム陽性球 菌を認めた。血液培養で肺炎球菌が検出された。脳室の拡大や意識障害の再発、認 知機能の悪化は認めず、髄液検査の改善がみられ経過良好のため、第 45 病日に自宅 退院した。【考察】2例とも早期にステロイド、抗菌薬の投与を行い、意識レベルは改 善された。症例1において水頭症は認知機能を低下させ、リハビリテーションに支障 をきたし、ADL 回復に時間を要する一因となったと考えた。感染症治療のみならず 二次性水頭症への対応がADL改善に重要だと考えた。

O-8-8

低体温症による意識障害を呈した Lewy 小体型認 知症の1例

高松赤十字病院 卒後臨床研修センター

1)

、高松赤十字病院 神経内科

2)

◯川

か わ の

野桂

け い た ろ う

太郎

1)

、荒木みどり

2)

、峯  秀樹

2)

【はじめに】幻視、パーキンソニズム、レム睡眠行動障害等は Lewy 小体型認知症に 特徴的な所見とされているが、低体温症についての報告はなされていない。今回、我々 は意識障害を伴う低体温症を来したLewy小体型認知症の1例を報告する。【症例】86 歳男性。慢性心房細動と慢性心不全に対して近医外来通院中、20XX年2月から失神・

幻視・認知障害の進行が見られた。Lewy小体型認知症が疑われ、ドネペジル内服治

療で経過観察され、比較的病状は安定していた。同年4月5日に独歩が困難となり動

けなくなったため、当院紹介された。四肢・体幹が非常に冷たく、直腸温は32.5℃だっ

た。ECGは心拍数44/分程度の心房細動で、J波は認められなかった。低体温による

意識混濁と診断し、加療目的に同日入院した。電気毛布および加温輸液による復温

を開始し、数時間後には 38℃以上の高熱となった。入院後、肺炎と腎機能悪化、心

不全悪化が見られ、補液と利尿剤投与、抗菌薬投与を行った。脳ドパミントランスポー

ターシンチグラフィで両側線条体への RI 集積低下、MIBG 心筋シンチグラフィでは

心臓への集積低下と洗い出し率亢進とを認めた。パーキンソン症状と幻視、意識の

変容などの症状もありLewy小体型認知症と診断した。座位での著しい低血圧も見ら

れた。著しい低体温や高体温も見られなくなり、肺炎、腎機能障害、心不全も次第

に回復した。入院 39 日目に退院された。【考察】低体温を伴う Parkinson 病の報告は

散見される。Parkinson 病も Lewy 小体病の一病型であり、Lewy 小体型認知症でも

自律神経障害から低体温症を来す可能性があると考える。

参照

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