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初級スペイン語単語集の構成を考える

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Academic year: 2021

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実践論文

初級スペイン語単語集の構成を考える

齋藤 華子

日本でスペイン語を学ぶには、意図的な語彙学習が必須である。日常的にスペイン語と触れる時間 の限られる環境において、単語集の利用は語彙を増やす有効な一つの手段となるだろう。筆者の担当 するスペイン語授業でも、単語集を利用した単語テストを実施し、語彙学習を授業に取り入れてきた。

また、学習者が使用しやすいオリジナル語彙リストの作成も現在開始しているが、語彙の提示順、品 詞・用例・関連語の掲載など、検討するべき事項が多々ある。

そこで本稿では、市販されている日本のスペイン語単語集の構成を確認、各書の特徴を分析し、あ らためて初級レベルのスペイン語学習者に適した語彙リストにはどのような構成がふさわしいのかを 考えた。単語テストに見られる学生たちの誤答傾向も考慮に入れて、文法学習と並行して語彙を着実 に増やしていけるような、初級スペイン語学習者向け単語集の構成を検討した。

Una propuesta sobre un libro de vocabulario de nivel elemental para los estudiantes japoneses de ELE

SAITO Hanako

Los estudiantes japoneses de español como lengua extranjera apenas tienen oportunidades de practicar este idioma y, por tanto, necesitan desarrollar recursos didácticos especiales para aprender el vocabulario intencionadamente dentro y/o fuera de las clases. Considerando esta situación, es una manera eficaz utilizar un libro de vocabulario para facilitar el autoaprendizaje. En nuestra clase de gramática del Departamento de Español, casi todas las semanas hacemos exámenes de vocabulario usando un libro de léxico para que las estudiantes adquieran y amplíen su capacidad léxica. Desde el año pasado hemos empezado a preparar una lista original de vocabulario para las estudiantes del primer y segundo curso, en lugar del libro que hemos usado desde hace unos años, y hemos encontrado algunos problemas para reflexionar: ¿cómo agrupamos las palabras, por temas o por categoría gramatical?, ¿presentamos frases de ejemplo con cada palabra?, ¿y las palabras derivadas, los sinónimos y los antónimos, los introducimos también?

En el presente estudio, analizando la composición de varios libros de vocabulario español publicados en Japón, haremos una propuesta de los elementos necesarios que deben ser incluidos en un libro de vocabulario para el nivel elemental. Teniendo en cuenta los errores típicos de los aprendientes japoneses en la escritura de las palabras en español, pensamos también cómo debe ser una lista de léxico adecuada a los estudiantes japoneses.

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1. はじめに

スペイン語圏に留学した学生からたびたび、「(留学先の)文法の授業にはついていけるが、とにか く語彙力が足りなくて…」といった嘆きをよく耳にする。言語間の距離の近いヨーロッパの言語を 母語とする学習者と一緒にスペイン語を学ぶ場において、日本語母語話者がとりわけ語彙知識の圧 倒的な不足を感じるのは当然のことだろう。それでも、常にスペイン語と接する生活を送ることが できれば、無意識のうちに単語を覚えるということもあるかもしれないが、日本の環境では、単語 を自然と覚えてしまうくらい未知語と出会う回数を十分に増やす、という状況はなかなか期待でき ない。そのため日本の大学でスペイン語を学ぶには、学習初期からある程度の詰め込みともいえる 意図的な語彙学習がどうしても必要となる。

語彙を増やす一つの方法に単語集の利用がある。日常的にスペイン語に触れる機会を得にくい環 境にあっても、単語集を開き、こつこつと覚えていくことは、語彙学習の有効な手段の一つになる。

清泉女子大学(以下、本学)のスペイン語スペイン文学科の必修スペイン語科目においても、単語 集を利用した単語テストを毎週行うことで、語彙学習を取り入れてきた。また2016年度からは、1 年次生向けのオリジナル語彙リストも作り始めた。しかしながら、スペイン語の学習開始とともに 導入できる語彙リストを作るためには、語彙の提示順をどうするか、品詞をどのように扱うか、用 例は必要か、派生語の情報も掲載するべきか等、検討が必要なポイントが次々と出てくる。どのよ うな語を教えるべきかについては、たとえば上野(2000)1による、第二外国語としてスペイン語を学 ぶ大学生用の語彙選定案もあるが、こうした覚える必要性の高い語彙を、具体的にどのような体裁 でリストにまとめ授業に導入するべきかについては、十分な検討がなされていない。

そこで本稿では、今一度、これまで本学のスペイン語授業で用いてきた単語集の利点や問題点を 振り返り、現在市販されているその他のスペイン語単語集の内容もあわせて確認しながら、あらた めて、日本の大学生が授業と並行して使用しやすい語彙リストにはどのような構成がふさわしいの かを考えてみたい。学習者自身の意見や、単語テストに見られる誤答傾向も考慮に入れて、初級レ ベルの学習者に適した単語集の作り方を検討していく。

2. スペイン語授業における語彙学習

2.1 語彙学習の実践

大学からスペイン語を学び始めた学生たちが、スペイン語の語彙を意識的に増やせるよう、本学 のスペイン語スペイン文学科1, 2年次対象スペイン語文法の授業では、ほぼ毎週単語テストを実施 している。従来は、文法の授業で使用する、本学オリジナル教材の中に出てくる語彙を取り出して リスト化し、それらの語をテストする形式をとっていたが、2010年度からは『リスニング問題付ス ペイン語語彙練習帳-¡スペ単!ライト-』(2008)(以下、『語彙練習帳』)を、文法教材とは別に購入 してもらい、単語テスト用の語彙リストとして使用してきた。

すでに出版されていた『¡スペ単!-頻度で選んだスペイン語単語集-』(2006)に続き、授業の補 助教材としても使用できるよう簡略に改訂された『語彙練習帳』は、それまでのスペイン語単語集

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には見られなかった斬新なアイデアが詰まった語彙集であった。授業での使用開始時に考えた『語 彙練習帳』の利点は、次のとおりである。

・文法項目と関連づけて語彙がリスト化されているため、文法の授業に導入しやすい。

・各課、まずその課の文法項目と結びついた課題が提示され、さらにその課題に適したテーマ 別語彙が紹介される。たとえば文法項目が「未来形」であれば「将来の展望を述べる」とい う課題が示され、「将来見込まれる出来事」と「時を表す表現」という2つのテーマに関連す る語彙がリストアップされている。様々なテーマに沿って語彙が紹介されるため、単語によ っては複数回登場するものもあり、結果、同じ語が繰り返し学べる2

・動詞の多くが「動詞+目的語」のように句として掲載されるため、使用される表現の中で動 詞を覚えることができる。

・各課の課題に対応した例文が、語彙リストの上に提示され、例文の中の一部の語をリストに ある語と置き換えることで、別の表現を練習できるようになっている。たとえば「未来形」

の課題「将来の展望を述べる」では、

Dentro de veinte años hará falta una nueva fuente de energía.

20年後には新しいエネルギー源が必要になるでしょう。

が例文として示され、“Dentro de veinte años” の部分は「時を表す表現」リストから、“hará falta una nueva fuente de energía” の部分は「将来見込まれる出来事」リストから、他の 表現を選んで入れ替えながら練習ができる。

・「特に重要な語」(最重要語)と「覚えておくと役立つ語」(重要語)が、濃いグレー、薄いグ レーの囲みで区別されているので、1年次には最重要語、2年次になったら重要語も含めすべ て、というように、学習の進度に合わせて覚えるべき語彙を指定できる。

・各課、左ページに語彙リスト、右ページにはリストの語を使って学ぶことのできる練習問題 が掲載されているので、授業外での自習にも適している。

上記のような特徴から、文法の授業の中に語彙学習を組み込むことができると考え、本書の使用 を開始した。授業では、各課左ページに掲載される語彙リスト2ページ分を毎回の単語テストの範 囲として指定した。テスト範囲については、前期・後期各初回の授業で配布する授業予定表に記し ておくことで、十分な準備時間がとれるよう配慮した。1年次生にはリストのうち「特に重要な語」

として紹介される語彙から、2年次生には「覚えておくと役立つ語」も加えてリスト内すべての語 から、スペイン語から日本語、日本語からスペイン語に一語一語対訳を書かせる形式で 20 語ずつ 出題するテストを実施してきた。

2.2 単語集の使用-見えてきた課題

毎週の授業で単語テストを実施することで、文法学習と同時に習慣的に語彙を覚えていくことの 大切さが、学生たちにも理解されているように思う。一方で、『語彙練習帳』の使用から数年が経 過し、学生たちから聞かれる意見や、テスト作成者の立場3からも、特に学習を開始したばかりの1 年次生向けの語彙リストとして本書を使用することの問題点が、いくつか蓄積されてきた。以下に それらをまとめてみる。

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・1ページに掲載される語数が一定ではない。そのため、指定するテスト範囲によって、テス ト各回に向けた学習負担がかなり異なってしまう。

・「スペイン語-日本語」の順に単語が横並びに次々と掲載される体裁がとられているため、

学習者自身、どのくらいの数の語を学んできたのかが一目でわからない。

・リストの各語に品詞情報が掲載されていない4

・「cocinar 料理する」のように、動詞単独で対訳がつくものもあるが、覚えた単語を使ってさ まざまな表現ができるようになることを目標として編まれた語彙集であるため、動詞の多く は、「descansar un rato 一休みする」「llamar a un amigo por teléfono 友達に電話をかける」

「pedirte un favor 君にお願いをする」のように、目的語等と一緒に句の形で紹介される。そ

のため、「descansar 休む」「pedir 頼む」といった、動詞そのものの中核となる意味を覚え る、という感覚が得られにくい恐れがある。

・動詞の不規則活用については、該当する動詞の右肩に番号をつけて、巻末に掲載される活用 形の情報で、その変化を確認できるようになっているが、学生からは「活用パターンが一目 でわからない」という意見が聞かれる。

『語彙練習帳』そのものの持つ特徴は、スペイン語学習に大いに役立つはずであるが、これを利 用して単語テストをおこなうには、考えなければならない点が目立ち始めた。

2.3 単語テストに見られる誤答傾向

また、学生たちの単語テストの解答を見ていくうちに、いくつか誤りの傾向があることがわかっ た。

1) 音とつづりの混同

sz、sc、rl、bv等のつづりの誤り

例) zumo × sumo estación × estasión

periódico × peliódico cerveza × cerbesa etc.

不要な母音の挿入または必要な母音の欠如

例) 〇 electrónico × electorónico aburrido × abrrido etc.

2) 意味の混同

例) 「目を覚ます」- despertarse × levantarse(=「起きる、立つ」)

「ワイシャツ」- camisa × camiseta(=「Tシャツ」)

「足」- pie × pierna(=「脚」) etc.

3) よく似たつづりの混同

例) sentir sentar poner poder pedir

estadio estudio pimiento pimienta etc.

4) 品詞の混同

例) (名詞)dolor - (動詞)doler (名詞)lluvia - (動詞)llover

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(名詞)nieve - (動詞)nevar (名詞)calor - (形容詞)caliente etc.

5) 英語との混同

例) 〇 increíble × incredible tenis × tennis etc.

日本語母語話者にとって注意を要するc, l, z等の子音や二重子音を持つ語、「起きる」や「足」等、

たとえ同じ日本語に訳すことができるとしても意味の違いを知る必要がある語など、日本人学習者 が特に注意して覚えるべき語があることがわかる。品詞の違いや英単語との違いも、できるだけ学 習の早い段階から意識させたい点である。

3. スペイン語単語集の特徴分析

前述のとおり、授業における語彙学習の一環として『語彙練習帳』を利用してきたが、他にも、

英語に比べれば当然その種類は限られるものの、それぞれに異なる特徴を持つスペイン語の単語集 が入手できる。そこで、日本の学習者向けに作られたスペイン語単語集のうち、学習1年目の学習 者でも利用できる、ということを念頭に、掲載語数が『語彙練習帳』を超えないものをとりあげて、

あらためて『語彙練習帳』、またその他の単語集について、その内容と構成を確認してみることに した。

3.1 分析対象とした単語集

2000年以降に出版された単語集のうち、『語彙練習帳』を含めて、掲載語数約500~2,300語まで、

と記載されている10冊を分析対象とした(表1参照)。

1 分析対象とした単語集

タイトル 出版年 総語数5 A わかるスペイン語単語 2003 2,100 B もっと使える 基本のスペイン単語 2006 2,000 C 話すスペイン語の単語力 2006 2,100 D ¡スペ単!-頻度で選んだスペイン語単語集- 2006 2,0006 E スペイン語語彙練習帳-¡スペ単!ライト- 2008 2,300 F これなら覚えられる!スペイン語単語帳 2009 1,500 G キクタン スペイン語 入門編 2011 496 H キクタン スペイン語 初級編 2013 536 I いちばんはじめのスペイン語単語 2016 1,600 J 書き込み式 スペイン語単語帳7 2017 1,700

3.2 分析結果

現在市販されているスペイン語単語集はどのように構成されているのか、その特徴をまとめるた め、次の4つの項目に沿ってまとめていくこととした8

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・語彙の提示順

・品詞の提示

・用例の有無

・関連語の取り扱い

なお以下では、各単語集を表1にあるアルファベットで表記していく。また適宜、単語集の実際 のページ構成を、一例として載せる9

1) 語彙の提示順

アルファベット順タイプ(A, B)

辞書と同様、アルファベット順に構成される。基本単語を集めた、簡易的なスペイン語の辞書と しての利用が可能である。

A: 610

abril 男 4月.

abrir 他・自 開ける,開く.

¿Quién abre la ventana? 誰が窓を開けるのか.

absoluto, ta 絶対的な.

poder absoluto 絶対的な権力.en absoluto 全く.

B: 6

abril 男 4月[無冠詞,小文字で書く.→mes]

Llegó el 20 de abril. 彼は420日に着いた.

abrir [過分 abierto]他 開く,開ける[⇔cerrar]

Ella abre los ojos. 彼女は目を開ける.

◇〜se 開く;開かれる

¿A qué hora se abren las tiendas? 店は何時に開きますか?

absolutamente 絶対的に,まったく,完全に[=por completo]

Estoy absolutamente de acuerdo contigo. 私は完全に君と同じ意見だ.

意味分野別タイプ(C)

まず全体を「人間」「日常生活」等の15のテーマにわけ、さらに各テーマを細分化、合計84の小 分類が目次となっている。品詞は各小分類の中に混在する。ただし、「大切な副詞など」「大切な前 置詞・接続詞など」の見出しで、同一品詞が小分類の一つとしてまとめられている箇所もある。

C: 62

テーマ「日常生活」、小分類「衣服」

medida 〔衣服の〕サイズ

◆¿Cuál es la medida de su traje?(服のサイズはおいくつですか)

probarse 試着する

◆¿Puedo probarme este vestido de una pieza?(このワンピースを試着してもいいですか)

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grande 〔靴・衣服が〕大きい

◆Esto es demasiado grande para mí.(これは私に大きすぎます)

➼apretado (きつい)

chaqueta 上着

◆ponerse la chaqueta sobre los hombros(上着をはおる)

品詞別タイプ(G, H)

Gは「動詞」「名詞」「形容詞」「副詞」「その他」、Hは「動詞」「名詞」「形容詞」「副詞ほか」が目次とな っている。同じ品詞の中で、ある程度関連のある語を並べて掲載しているようにも見えるが、明確 ではない。

H: 56 品詞「名詞」

habitación

F 部屋 Comparto la habitación con mi hermano.

私は弟と部屋をシェアしている。

bolso

M バッグ Ella llevaba un bolso de viaje.

彼女は旅行カバンを持っていた。

entrada

F 入場券、入口 Tengo dos entradas para el partido de fútbol del fin de semana.

私は週末のサッカーの試合のチケットが2枚ある。

salida

F 出口 Esta puerta es de salida, no es de entrada.

このドアは出口で、入り口ではない。

意味分野別→品詞別タイプ(I)

「人と五感」「物と状態」等、全体を6つのカテゴリーにわけ、続けて各カテゴリーを細分化、計36

のテーマに分類している。テーマごとにまとめられた語彙をさらに品詞別に提示しているところが Cとの違いである。

I: 30

カテゴリー「人と五感」、テーマ「動作を表す」

名詞

abrazo 抱擁、ハグ →abrazar〔抱く〕 Dio un abrazo al niño. 彼女はその子を抱きしめた。

「ハグを与えた」が直訳

ejercicio 運動 別訳:練習問題 Tiene que hacer más

ejercicio.

もっと運動をしなければいけ ません。

動詞

abrir 開ける ⇔cerrar〔閉める〕 Abre las ventanas. 窓を開けなさい。

cerrar 閉める →cierre〔閉店〕 Cierra bien las puertas. 戸をきちんと閉めなさい。

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品詞別→意味分野別タイプ(F)

主要な品詞が目次となり、さらに同じ品詞の語彙をいくつかの意味別グループに分類している。

F: 13

品詞「動詞」、テーマ「日常的な動作」

vivir

Vivimos cerca del parque.

暮らす/生きる

私たちは公園の近くに住んでいます。

trabajar

Mi padre trabaja en un banco.

働く

父は銀行で働いています。

comer

¿Qué quieres comer?

- Una hamburguesa.

食べる

おまえは何が食べたいの?

-ハンバーガー。

文法項目別→意味分野別タイプ(D, E)

各課、まずその課の文法項目と、それに結びつく課題が提示され、さらにその課題に適したテー マ別語彙が紹介される。学んだ文法事項を確認しながら、さらに意味的に関連のある分野の語彙を まとめて覚えられるようになっている。

E: 28

文法項目「現在形」

課題「日々の活動を述べる」

テーマ「日々の活動」11

Uso el ordenador todos los días. 私は毎日コンピューターを使います。

usar el ordenador コンピューターを使う

●電気製品

teléfono 電話 televisión, televisor テレビ ordenador, computadora, computador コンピューター

leer el periódico 新聞を読む escuchar la radio ラジオを聴く esperar el autobús バスを待つ visitar un museo 美術館を訪ねる

文法項目別・意味分野別のミックスタイプ(J)

「疑問詞」「直説法現在・規則動詞」といった文法項目に沿った見出しと、「家具」「飲みもの」等の 意味分野別見出しが、大学の第二外国語の授業の進度を考慮に入れた順で登場する。たとえば「直 説法現在・規則動詞」の前後の目次を見てみると、「人物(1)(2)」「よく使う接続詞(1)」「街・地理(1)(2)」

「直説法現在・規則動詞(1)(2)(3)(4)」「言語(1)(2)」「よく使う接続詞(2)」のようなページ構成である。意 味分野別のリスト内には、複数の品詞が混在することもある。

J: 8

「病気(1)」

resfriado/-da 風邪を引いた 名 風邪 enfermo/-ma 病人 形 病気の hospital 病院

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J: 19

「直説法現在 規則動詞(1)」

hablar 話す

comer 食べる、昼食をとる

vivir 住む、生きる

2) 品詞の提示

各語に記載(A, B, C, J)

辞書的性格を持つ単語集では、当然ながら各語に品詞記号が記載される。10 冊のうちA、Bには 他動詞、自動詞の区別もなされていた。意味のまとまりで細かく小分類されるC、授業での補助的 教材として使用可能なJも、リスト内で異なる品詞が並ぶこともあり、一語一語に品詞記号がつい ている。

② 品詞を見出しとして記載(F, G, H, I)

一語一語には品詞記号をつけず、品詞を見出しとしてあげて、同一品詞の語彙をまとめてリスト 化するタイプである。名詞、動詞、形容詞、副詞は4冊に共通する見出しとなっている。Fは疑問詞、

前置詞、接続詞もリスト化している。Gも「その他」の中に、疑問詞、前置詞、接続詞をまとめて 載せている。またⅠには、本編に入る前の「プロローグ」ページに、人称代名詞、指示語、所有形 容詞、数詞、前置詞(句)、接続詞(句)、疑問詞、時の副詞(句)が掲載されている。

品詞記号の記載なし(D, E)

D、Eは前述のとおり、動詞の多くが句として掲載されていることもあり、一語一語に品詞の区別

がされていない。ただ巻末のアルファベット順「さくいん」には品詞を各語に記載、また本編のあ との「品詞別語彙集」(D)、「機能別語彙一覧」(E)の中に、間投詞、疑問詞、前置詞、接続詞等をま とめてリスト化している。

3) 用例の有無

見出し語すべてに用例あり(B, C, F, G, H, I)

見出し語に立項している語のみを例文で使用しているもの(B)、また「どのような語と組み合わ せて使われるかがすぐにわかるように(C:8)」、簡潔な句の形の用例を多数用いているものもある。

いずれも各語の下、または同ページ内の右側に、あるいは見開きの右ページに、日本語訳ともに掲 載されている。

一部の見出し語に用例あり(A, D, E12, J)

Aには、そのすべてではないが、句、または文としての用例が紹介され、「中級者の学習にも役立 つよう(A:3)」意識的に、見出し語にはない語も用例に使用される。D、Eでは各リストの冒頭にモ デル文が記載され、モデル文の中の一部の語をリスト内の他の語に置き換えて練習することができ る。Jは、各ページの語彙リストの下に、リストの一部の語を用いた2~7つの例文が紹介されてい る。

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4) 関連語の取り扱い

同義語のみ、または同義語と対義語を記載(A, B, D, E, F, J)

A、F、Jは同義語を、Bは同義語と対義語を「=(同義語)」や「⇔(対義語)」の記号を使って載せて いる13。D、Eは同義の語を横に並べて紹介している。(例:「empezar, comenzar 始める」)

関連語も記載(C, I)

Cは関連語として派生語も用例の下に紹介している。たとえば、名詞brazo(腕)の関連語として

名詞antebrazo(前腕)、名詞nervio(神経)の関連語として形容詞nervioso(神経の、神経質な)を 掲載している。またIは「別訳」(例:「juicio判断 別訳:裁判」)や、同じ意味の英語(例:「pensar 考える=think(英)」)についても掲載、豊富な関連情報が特徴となっている。

関連語の記載なし(G, H)

ただし次の例のように、よく使われる対義語が並んで登場する箇所もある。

G: 116

alto, -ta 高い bajo, -ja 低い barato, -ta 安い

caro, -ra (値段が)高い

4. 初級学習者に適した単語集を考える

これまで利用してきた『語彙練習帳』、その他、市販のスペイン語単語集の構成を確認してきた が、特に語彙の提示順や関連語の記載については、各種のタイプがあることがわかる。実際の単語 テストで見られる誤答例も考慮に入れて、学習1年目のスペイン語学習者が利用できる単語集とし てはどのようなものが適しているのか、あらためて考えてみたい。

1) 提示順

文法の授業の中で単語テストを実施することを前提にすれば、できるだけ文法学習の進度に合っ たリストを作成したい。その場合、学習開始段階からテーマ別語彙を多数紹介しても、学習者の 負担になるだろう。初期の段階ではJのように、文法項目別・意味分野別リストを授業の進度に沿 って適宜混在させ、学習が進むにつれ徐々に、意味的に関連する語彙に重点を置いていくのがよ いのではないか。文法項目別・意味分野別を適宜織り交ぜることで、必要であれば一つの語が、

別のリストでも繰り返し出てくるようにする。

2) 品詞

・誤答例を見ても、品詞については学習初期から十分意識させる必要があるだろう。一つのリス トの中では同じ品詞はまとめて、「名詞」「動詞」等を必ず表記し、同じ意味グループの中にあ ってもIのように、明確に品詞別記載としたい。

・文を作る基本は「主語+述語」である。初級レベルの学習者を対象とする場合、まずは動詞と

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名詞から始め、学習の進行に沿って形容詞や副詞を加えればよいだろう。前置詞、疑問詞等を まとめてリストとすることも可能であるが、授業と並行して利用する語彙リストとしては、特 に1年次は動詞、名詞、形容詞、副詞があれば十分かと考える。前置詞等は語彙リストとは別 に、ひとまとめにして文法教材の中で学べるよう工夫しておきたい。

3) 用例

用例については、学習レベルを超えるような難解な文を読ませるようなことは避け、たとえば、

動詞の活用形がまだ定着していない段階では、最低限の語と語のつながりがわかるようなフレー ズの紹介をまずは考えたい。その場合、動詞はあえて不定詞の形で記載することになるが、動詞 については学生から「活用形がわかるような提示がよい」とのコメントもよく聞かれる。不規則 動詞を扱うリストでは、その活用パターンもリスト内で視覚的に確認できるような記載を考えた い。

4) 関連語

・単語集であるからには、あまり多くの情報を載せすぎるのは避けたいところだが、よく見られ る学生たちの誤りを踏まえれば、セットにして覚えたい同義語・対義語、同語源の派生語等の 関連語情報を、適宜見出し語とともに紹介するのは有益だろう。

・また、よく見られるつづりの誤りについても、その語を覚える際に注意を促す工夫をしたい。

Iのように注記を入れていくか、または「つづりに注意が必要な語」などをグループ化していく ことも考えられる。

5) その他

・たとえば、同じ「帽子」でもsombrero, gorro, gorraの違いは、「つばのある帽子」「縁のない帽 子」「ひさしのある帽子」(E:68)のようにことばで示すよりも、イラストで違いを見せる方がわ かりやすいのではないか。このように単語によっては、イラストや図の利用も有効だろう。

・どのくらいの語彙を自分が覚えたのかを把握するため、語数情報がわかるようなレイアウトが 好ましい。G, Hは学習語数がわかるよう、見出し語すべてに通し番号がついている。

5. 今後の課題

日本の大学でスペイン語を専攻する場合、文法項目については1年間でもかなりのスピードで学 ぶことが可能である。しかしそれに見合うだけの語彙指導ができているかどうか、今一度見直すべ きであると考えている14。今回、これまで利用してきた単語集をはじめ、日本人学習者向けの複数 のスペイン語単語集の特徴を見直すことによって、授業に取り入れる語彙リストとしての語彙の提 示順や提示の体裁については、ある程度理想の形が見えてきた。しかしながら、リストに掲載すべ き語の選定やその数、またレベルについての検討はおこなわなかった。

スペイン語教育において、昨今出版されるスペインのテキストは、ヨーロッパ言語共通参照枠

(CEFR)に準拠して作成される。また日本でスペイン語を学ぶ学習者たちの間にも、DELE試験(セ

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ルバンテス文化センターが実施する外国語としてのスペイン語検定試験)の関心が高まり、DELE のレベル、すなわちCEFRのレベル分けについて学生自身が意識する機会が、以前より格段に増え ていると思われる。学生たちの学ぶ意欲を高めるためにも、自分の語彙力はどのレベルにあるのか、

これから覚える、またはすでに覚えた語彙がどのレベルの語彙であるのか、そうした情報も得られ るリストの作成を早急に試みたい。

参考文献

上野勝広(2000)「初級クラス用スペイン語彙リストの一試案」『論集』52, 199-212.

門田修平・池村大一郎(編)(2006)『英語語彙指導ハンドブック』大修館書店.

Sánchez Barrera, Marta(2015)“Enseñanza y aprendizaje de la competencia léxica en la clase de ELE de estudiantes japoneses.”『獨協大学外国語教育研究所紀要』4, 33-54.

分析に使用した単語集

A:中川清・児玉悦子(2003)『わかるスペイン語単語』同学社.

B:高橋覚二(2006)『もっと使える 基本のスペイン単語』白水社.

C:(株)ジャレックス(編)(2006)『【分野別】ベーシック2000語 話すスペイン語の単語力』語研.

D:GIDE語彙研究班(編)(2006)『¡スペ単!-頻度で選んだスペイン語単語集-』朝日出版社.

E:GIDE語彙研究班(編)(2008)『リスニング問題付スペイン語語彙練習帳-¡スペ単!ライト-』朝日出版社.

F:高垣敏博(2009)『これなら覚えられる!スペイン語単語帳』NHK出版.

G:吉田理加(2011)『キクタンスペイン語入門編』アルク.

H:吉田理加(2013)『キクタンスペイン語初級編』アルク.

I:カルロス・モリーナ・奥田義郎(2016)『いちばんはじめのスペイン語単語』東進ブックス.

J:藤井嘉祥・M.S.アロンソ・井上幸孝・砂山充子(2017)『書き込み式スペイン語単語帳』朝日出版社.

1 上野(2000)は、第二外国語としてスペイン語を学ぶ日本の大学生がどのような語を習得するべきか、西和辞典の重 要語や日本人学習者にとっての必要性を考慮に入れ、初学者用の語彙を選定している。

2 たとえばautobúsであれば、次のような5つのリストに登場する。(課題【文法項目】-テーマ・・・語彙表現(掲載

ページ)、の順に紹介する。)

・「物がある場所を述べる【ESTAR】-建物・施設」…「parada de autobús バス停」(18)

・「日々の活動を述べる【現在形】-日々の活動」…「esperar el autobús バスを待つ」(28)

・「移動を表現する【現在形】-交通手段」…「autobús バス」(42)

・「乗り物で旅行する【過去形(点過去)】-交通施設」…「parada de autobús バス停」(90)

・「乗り物で旅行する【過去形(点過去)】-公共交通」…「autobús バス」(90) また動詞でも、たとえばpreparar4か所に使われている。

・「食生活について述べる【現在形】-料理に関する動詞(句)」…「preparar 準備する、料理する」(32)

・「抽象概念を述べる【現在形】-動作・行為」…「preparar la lección 予習をする」(40)

・「家事・雑用について述べる【現在完了形】-家事・雑用に関する動詞(句)」…「preparar la comida 食事を用意 する」(86)

・「レシピを書く【命令形】-料理に関する動詞(句)」…「preparar la carne 肉を調理する」(108)

3 単語テストの作成・採点に関しては、本学の大学院生にティーチングアシスタント(TA)としてご協力いただいてい る。本稿で紹介した単語テストに関するコメントや、後述の学生の誤答傾向については、2014年度から当該文法科 目の TAを担当してくださった辻さやかさんの意見や記録も大いに参考とさせていただいた。この場をお借りして 感謝申し上げる。

4 巻末の「さくいん」で各語の品詞が確認できるように作られている。

5 GH以外は、各書の「はじめに」等に記載されていた見出し語の概数を記した。

(13)

6 本編で提示される語数を指す。資料ページや巻末リストの語も加えると約5,200語掲載されている。

7 J は、大学の第二外国語としてのスペイン語学習者を対象に作成された教材の一つで、一般の書店に並ぶ書籍では ないが、授業で使うことのできる単語集について検討する本稿の目的に適した参考資料であると考え、分析対象に 含めた。

8 門田・池村(2006)の英語の単語集の構成要素比較の項目を参考とした。

9 B, C, F, Iは見出し語の読み方を示すカナ発音も記載しているが、本稿で紹介した例ではそれを省略した。

10 アルファベットは表1掲載の各単語集を、数字は引用ページを指す。以下同様。

11 この課では「日々の活動」というテーマの中にさらに「電気製品」という下位テーマを設け、“usar el ordenador”

という表現内の目的語を、「電気製品」リストの他の語と置き換えて練習できるようにしている。

12 前述のとおり、D、Eはリスト内の語彙の多くが句で提示されるため、D、Eについては、各テーマ冒頭のモデル 文を、他の単語集の「用例」とみなした。

13 前掲の例B: 6を参照。

14 Sánchez(2015)はスペイン語を学ぶ日本の大学生を対象に語彙学習に関するアンケート調査をおこなっているが、

その結果から、語彙学習の時間が授業では十分には取られていないと報告している。

参照

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