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ベストワーストスケーリングによる選好順位のモデル間比較

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2020129

ベストワーストスケーリングによる選好順位のモデル間比較

共生基盤学専攻 共生農業資源経済学講座 開発経済学研究室 山田一太

1.はじめに

ベストワーストスケーリング(以下BWS)とは,人々の項目に対する選好を明らかにするための 質問調査法の1つである。BWSの適用範囲は広く,社会科学のさまざまな課題に適用されている。

しかしながら,新しい手法であることからその手法上の特徴については不明確なところが残されて いる。その1つが,回答結果から項目の選好順位を求める方法の選択である。そこで本研究では選 好順位を求めるための複数の計算方法を比較,検討することを通じてBWSの望ましい適用方法を明 らかにする。

2.方法

BWSにおける選好順位を明らかにする方法は大きく2つに分けられる。1つはカウント分析,も 1つはモデリング法である。モデリング法を適用する際にはさらにBWSの回答に関する意思決定 モデルを決める必要がある。意思決定モデルにはMaxdiff(Maximum difference)モデル,Marginal モデル,Marginal sequentialモデルの3つがある。

先行研究では,カウント分析に加え,モデリング法として条件付きロジットモデル,混合ロジッ トモデル,潜在クラス分析,階層ベイズ推定を用いて,選好順位を比較している。しかし,この研 究では,意思決定モデルについてはMaxdiffモデルのみを設定しており,計算方法と選好順位の関 係について十分な検討にはなっていない。そこで,本研究では3つの意思決定モデルを仮定して統 計解析を行い,選好順位の一致度を検証する。さらに,いくつかの統計モデルでは個人ごとの選好 順位を求められるため,個人レベルでの選好順位の一致度についても検証する。

検証に使用するデータは,コメの7つの特徴に対する選好を測定することを目的とした調査の結 果である。

3.結果と考察

いずれのモデル・条件においても先行研究と同様,平均値で見ると,上位と下位の順位は類似し ており,また上位と下位が入れ替わることはないという結果になった。これはベストとワーストを 尋ねるというBWSの質問の構造上,このような結果になったと考えられる。

個人ごとに選好順位を求めモデル間で比較をしたところ,順位相関係数が1に近い個人は,多く ても半数程度にとどまる結果であった。

4.まとめ

設定したモデル・条件においては,項目に対する選好順位はおおむね類似する結果となったが,

一部の項目については順位の変動が見られた。したがって,BWSの適用に際しては,複数のモデル・

条件で分析を行い,結果が頑健であることを確認することが望ましい。また,個人ごとの選好順位 を求められる統計モデルを利用する場合は,個人ごとの選好順位がモデル間で異なる可能性がある ことに注意する必要がある。

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