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細胞接着促進および内膜化に対する窒素含有DLCの電気的物性指標の検討

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Academic year: 2021

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Annual Report

東京電機大学 The Research Institute for Science and Technology 総合研究所年報 Tokyo Denki University

課題番号

Q18L-04

課題名(和文)

細胞接着促進および内膜化に対する窒素含有DLC の電気的物性指標の検討

課題名(英文)

Electrical properties of nitrogen containing DLC films for cell proliferation and intimal formation

研究代表者

所属(学部、学科・学系・系列、職位) 理工学部 理工学科 電子工学系 准教授 氏名 大越 康晴

共同研究者

所属(学部、学科・学系・系列、職位) 氏名 所属(学部、学科・学系・系列、職位) 氏名 所属(学部、学科・学系・系列、職位) 氏名 所属(学部、学科・学系・系列、職位) 氏名

研究成果の概要(和文)

本研究では,CH4とN2の混合ガスを原料として,高周波プラズマCVD 法を用いて,細胞親和性の高い窒素 含有DLC(DLC:N)を成膜した.成膜時に,混合ガスの総流量に対し,N2ガスの流量比を変化させることで, 膜密度および電気的物性として電子状態(sp3/sp2比)が異なるDLC:N を成膜した.そして,これらの DLC:N 表面における細胞接着促進および内膜化の検討を行った結果,表面特性と同様に,細胞増殖性と電子状態 (sp3/sp2比)との相関が得られた.これにより,各種DLC の基本物性である sp3/sp2比が反映する電気的特 性は,個々のDLC の生体適合性を評価する指標となり得ることが示された.

研究成果の概要(英文)

In this study, nitrogen containing DLC (DLC:N) film was deposited by r.f. plasma CVD method with mixture gas (CH4 + N2) as a source gas. It was observed that the film density and sp3/sp2 ratio of the

DLC:N were depended on N2 flow ratio at the film deposition. As for cell proliferation of the DLC:N films,

the results indicated that the DLC:N film coating controlled cell growth of NIH-3T3, compared with DLC film without N2 containing. As a result, it has been demonstrated that sp3/sp2 ratio of electrical properties

(2)

Annual Report

東京電機大学 The Research Institute for Science and Technology 総合研究所年報 Tokyo Denki University

1.研究開始当初の背景

ダ イ ヤ モ ン ド 状 炭 素 (DLC: Diamond-like carbon)は,機械部品から生体適合性材料まで広 く展開されている.しかし,DLC はアモルファス 構造であるが故に,その物性は千差万別である. それ故, DLC の生体適合性を議論する上で,依 然として成膜に関する物性指標が得られていな い.生体系を模擬した評価系において,膜密度や 電気的特性を示す電子状態といった DLC の骨格 となる基本物性と,細胞接着性などの表面特性を 直接検討し,DLC の生体適合性に関する生物学的 な指標を得ることが希求されている.

2.研究の目的

本研究では,細胞親和性の高い窒素含有 DLC (DLC:N)を対象に,基本物性(膜密度および電 子状態)の違いが“細胞接着促進”および“内膜 化”に及ぼす影響を調査した.そしてDLC:N の 電気的物性指標の検討を行った.

3.研究の方法

CH4とN2の混合ガスを原料として,高周波プ

ラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を 用いて DLC:N を成膜した.この時,混合ガスの 総流量に対し,N2ガスの流量比を変化させること で , 膜 密 度お よ び 電 気 的 物 性 と し て 電 子 状 態 (sp3/sp2比)が異なるDLC:N を成膜した.そし て,これらのDLC:N 表面における細胞接着促進 および内膜化の検討として,NIH-3T3 細胞を用い て,DLC:N が細胞機能に与える影響を評価した. DLC:N の基本物性については,偏極中性子反射 率計「写楽」(J-PARC MLF 大強度陽子加速器施 設, BL17)を用いて,N2ガスの流量比に対する膜 密度および sp3/sp2比の変化を分析した.また, DLC:N の表面機能は,表面電位によって大きく影 響を受ける.特に,細胞親和性は,DLC:N 表面に 形成されるC=O 結合と C-N 結合の影響が考えら れる.そこで本評価では,DLC:N に対し,基本物 性と合わせて,X 線光電子分光法(XPS: X-ray Photoelectron Spectroscopy , JPS-9000MC , JEOL)を利用し,表面組成分析を行った.

4.研究成果

N2流量比の異なるDLC:N 表面に対し,細胞接 着機能を評価した結果,初期接着に有意差は得ら れなかったものの,72 時間培養では細胞増殖にお いて有意差が認められた.また,特定のN2の流量 比で成膜したDLC:N では,細胞増殖の促進およ び抑制がそれぞれ認められた.このような顕著な 表面機能の違いを示したDLC:N について,中性 子反射率測定を行った結果,DLC の窒素含有に よって,表面層の膜密度および sp3/sp2比が増加 することが示唆された.更に,DLC:N の表面特性 としてXPS 分析を行った結果,成膜時の N2流量 比に依存して,C=O 結合および C-N 結合の形成 が確認された.これらの結果より,DLC:N は,基 本物性となる膜密度および sp3/sp2比によって, 表面のC=O および C-N 結合状態が決定し,これ によって,細胞増殖性が制御されることが示され た.これにより,DLC の生体適合性を議論する上 で,個々の膜特性の骨格となる基本物性と細胞機 能との相関が得られた. 以上のことから本研究では,各種 DLC の基本 物性である電気的特性は,個々の生体適合性を評 価する指標となり得ることが示唆された.

5.主な発表論文等

〔学会発表〕(計 2 件) ① 多積直之,大越康晴,宮田登,宮崎司,矢口 俊之,本間彰彦,“中性子反射率法による窒素 含有DLC 薄膜の構造評価”,第 66 回応用物 理 学 会 春 季 学 術 講 演 会 , 講 演 予 稿 集 9p-M113-1,2019 年 3 月 9~12 日(東京工業大 学 大岡山キャンパス)

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