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(1)

グリーン・グリッドインフラ指標

(PUE/DCIE)の使用・公開報告

に関するガイドライン

編集者:

JOHN PFLUEGER, DELL

JON HAAS, INTEL

DAN AZEVEDO, SYMANTEC

寄稿者:

(2)

目次

概要 ... 3 PUE/DCiE 標準表記用語および公開報告ガイドラインの必要性 ... 3 PUE/DCiE 結果の認証・登録のための要件 ... 4 追加ガイドラインの詳細 ... 6 データ収集と指標計算 ...6 タイムフレームとデータ収集の詳細の報告 ...6 グリーン・グリッドへの結果の報告 ... 6 PUE/DCiE の報告・解釈における一般的な問題点 ... 6 インフラ対 IT ...7 電力対エネルギー ...7 「最高値を上回る」PUE/DCiE 測定値 ...8 異なるタイムフレームと粒度レベルで測定した結果の比較 ...8 データセンター間での PUE/DCiE 値の比較 ...9 結論 ... 10 付録 1:PUE/DCiE 用語 ... 11 PUE/DCiE 測定結果を表記するための標準構成 ...11 PUE/DCiE データプレースメント手順 ...11 PUE/DCiE 報告データ測定頻度と平均期間 ...11 PUE/DCiE の報告例 ...12 付録 2:PUE と DCiE 測定結果の承認および認証のための支援データ ... 13 PUE/DCiE 公開報告の登録に必要とされるデータ ...13 PUE/DCiE 公開報告の認証に必要とされるデータ ...13

表一覧

表 1:指標結果の発表に関するグリーン・グリッドの分類 ...4 表 2:結果承認のためのグリーン・グリッドの報告要件 ...5 表 3:「登録」レポートの追加要件 ...5 表 4:「認定」レポートのための追加要件 ...5 表 5:DCiE 測定サンプリングレベル ...11 表 6:DCiE および PUE の報告例 ...12

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概要

グリーン・グリッドが推奨する現行のインフラ指標(PUE および DCiE)の採用が広がるに伴い、各結果の 解釈方法、同一データセンター内の結果の比較方法、複数のデータセンター間の結果の比較方法をめぐっ て、いくつかの疑問点が生じてきました。さらに、計算方法が様々であるため、業界のステークホルダー は公開報告された測定結果の一貫性と再現性について懸念を表明しています。グリーン・グリッドは、デー タセンターの PUE/DCiE の測定結果を公開する際に従うべき規則、ガイドライン、および手順を公開します。 これには、公開者による測定がどのような状況で行われたかを明確に示すための、測定結果表示のため の標準表記用語の定義も含まれています。公開報告のための適切かつ明白なガイドラインが存在すること、 および報告結果の主要情報が入手できるようになることで、指標の信頼性および有用性の向上が見込まれ ます。

PUE/DCIE

標準表記用語および公開報告ガイドラインの

必要性

多くの組織が PUE と DCiE を用いたデータセンターのパフォーマンスを報告するようになるにつれ、ステー クホルダーを始めとする業界関連者が複数のデータセンターの比較・対比を始めています。現時点では、 グリーン・グリッドはこれらの指標を用いた異なるデータセンターの比較を推奨していません。個々のデー タセンターが持つ様々な特徴、能力、運用ポリシーは、電力パフォーマンスに影響を与えます。また、各 データセンターが電力消費データの収集・分析を行う能力も異なります。各データセンターは様々な手法、 タイムフレームでデータを収集しているため、その報告結果を補足情報なしで解釈することは意味がなく、 誤解を招きます。補足情報によって、業界は複数データセンター間の比較が可能かつ適切であるかにつ いて評価し、分析を行えるようになります。 複数データセンターの測定結果の比較によって生じる問題への対応に加え、一定の「品質管理」も求め られています。組織が PUE/DCiE データを報告するとき、業界関係者とステークホルダーは、提示された 情報の有意義さの度合いを保証する尺度を必要とします。これらの指標を主導的に推進する立場であるグ リーン・グリッドには、指標の完全性を保証する責任があります。 グリーン・グリッドは、本ペーパーでこれらの問題に対処します。本ペーパーでは、グリーン・グリッドに よる公開済みの指標の認定、グリーン・グリッドへのデータ登録、データセンターのパフォーマンスを測 るアワードプログラムまたは販促活動への参加に必要な一連のステップを紹介します。これらのステップ では、組織あるいは企業が支援する特定のクレーム内容の提出方法も紹介します。グリーン・グリッドは 企業に測定結果の登録または正式な認定方法を提供します。また、本ペーパーでは測定結果の表記にお ける標準表記用語を定義することで、結果を報告する企業が、データの測定方法や測定期間を適切に表 現できるようにします。最後に、これらの指標の測定とレポートの解釈を困難にするいくつかの問題点と、 その問題を回避するためのレポートの際の注意事項を説明します。

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PUE/DCIE

結果の認証・登録のための要件

グリーン・グリッドは、報告された PUE/DCiE の結果を、「非認定」、「報告」、「登録」、「認定」の 4 つに 分類しています。4 種類の説明と、各クラスにおいて報告を行う企業・組織が得られるメリットを、表 1 に示します。 表 1:指標結果の発表に関するグリーン・グリッドの分類 クラス 定義 公表組織に対するメリット 未認定 (Unrecognized) TGG のガイドラインに基づかず に、一般に公開された報告結果。 TGG はレポート結果についてはコ メントしない。 報告 (Reported) 公表した組織が TGG のガイドラ ンに沿って測定し、用語ルールに 従ってレポートしたとして、宣言 して一般に公開されたレポート。 TGG はレポート結果についてコメ ントしない。 報告した組織は、プロセス・結 果の説明に、TGG が提供する標 準的な資料を使用できる。 登録 (Registered) TGG が定義する必要最低限のデー タが、レポートする組織により、 TGG が規定するデータベースに登 録され、公開されたレポート。 正式に登録されたレポートと認め られる。TGG からは登録番号が 付与され、TGG のウェブサイトか ら、公開レポートへのリンクが張 られる。 認定 (Certified) (「登録」条件に追加で)第三者 機関による検証または認証に必要 な追加情報が、レポートする組織 により、TGG に提供されている公 開レポート。 「登録」のメリットに加え、今後、 制定される予定の TGG アワード や認定プログラムの対象となる。 最初のクラスには、グリーン・グリッドが「未認定」と見なしたレポートが分類されます。データ収集の手段・ 方法、対象となるタイムフレーム、各データポイントの粒度について、公表する組織による詳細情報の記 載がないレポートが当てはまります。グリーン・グリッドは、あらゆる測定や算出結果を奨励していますが、 「未認定」のレポートに対してはコメントしません。また、特に推奨しません。 2 番目のクラスに分類されるのは、発表した組織が、本ペーパーで説明する標準表記用語を用い、最新 のグリーン・グリッドのホワイトペーパー、『グリーン・グリッドの指標:DCiE の詳細解説(DCiE Detailed Analysis)』への準拠に関する「自己認証」を行っている報告結果です。グリーン・グリッドはこれらのレポー トを認定せず、コメントもしません。「登録」されていないレポートについても、同じくグリーン・グリッド のウェブサイトで特に参照されません。表 2 に、グリーン・グリッドからの承認を得るために発表する組 織が満たすべき要件を示します。

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表 2:結果承認のためのグリーン・グリッドの報告要件

グリーン・グリッドの測定ガイドラインに従うこと。ガイドラインは『グリーン・グリッドの指標:DCiE の詳細解説(DCiE Detailed Analysis)』の最新版(WP No.14、現時点の改訂番号は 2008-0)に規定さ れている。 本ペーパーの最新版に規定された標準表記用語を用いて、データ収集のプロセスを報告すること(レ ベル 1、レベル 2、レベル 3)。 本ペーパーの最新版に規定された標準表記用語を用いて、結果のタイムフレームと、個々のデータポイ ント収集の頻度を報告すること。 3 番目に分類されるのは、グリーン・グリッドが「登録」と見なすレポートです。グリーン・グリッドに報 告結果を登録するためには、報告結果が承認されるために必要な項目だけではなく、報告結果について の補足情報が必要となります。この情報には、報告結果の状況・環境の理解に役立つデータと、主要な 補足データが含まれます。このデータは、グリーン・グリッドが全体的な業界パフォーマンスおよびデータ センターエネルギー効率の傾向についてコメント・分析するために使用されます。報告する企業・組織には、 データ登録の手段が提供されます。通常は、グリーン・グリッドのウェブサイトのページを通じて報告しま す。登録に必要となる現時点での基本的なデータは、付録 3 に記載しています。このデータセットは今後、 時間をかけて改善していく予定です。グリーン・グリッドのウェブサイトで、各データ項目に関する最新情 報を入手してください。表 3 に、登録に必要なグリーン・グリッドの要件の概要を示します。要件を満た す報告結果を提出した組織に、グリーン・グリッドが登録番号を付与します。この登録番号はあらゆる文 書で使用でき、企業・組織がグリーン・グリッドの要件を満たしていることの証明となります。 表 3:「登録」レポートの追加要件

測定データを報告し、必要な情報(付録 2 を参照)をグリーン・グリッドの Metrics Data Collection Database(指標データ収集データベース)に入力する(www.thegreengrid.org)。 グリーン・グリッドの指標報告同意書に同意する。(最新バージョンは www.thegreengrid.org を参照) グリーン・グリッドが定めたプロセスおよびガイドラインに従う際に困難な点があった場合は、それを すべてグリーン・グリッドに(電子メールで)報告する。 4 番目のクラスに分類されるのは「認定」と見なされたレポートです。このクラスには、最も厳密なデー タ報告要件が課せられます。今後、グリーン・グリッドが制定する予定のデータセンター電力パフォーマ ンスについてのアワードや認定プログラムへの登録を希望する組織は、さらにデータ要件を満たさなくて はなりません。また、検証に必要な資料の原本や出版物を提出する場合もあります。 表 4:「認定」レポートのための追加要件

承認済みの Public Measurement Value(公的測定価値)を要求する場合、グリーン・グリッドの Data Collection Database(データ収集データベース)(www.thegreengrid.org)に追加のデータセットを入力 すること。 (「共同プロモーション」に関心がある場合のオプション)PUE/DCiE の登録番号を、資料原本または出 版物との関連性とともにグリーン・グリッドに送付すること(送付先:admin@thegreengrid.org)。 今後も、グリーン・グリッドは提案中または実施中の認定プログラムについての情報を提供していく予定 です。

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追加ガイドラインの詳細

データ収集と指標計算

グリーン・グリッドのホワイトペーパー、『グリーン・グリッドの指標:DCiE の詳細解説(DCiE Detailed Analysis)』(グリーン・グリッド、2008 年)には、電力消費データの収集と、PUE および DCiE 値の計算 について、期待する精度に応じて選択できるオプションに関する指示が記述されています。これは、業界 に存在するデータセンターの能力差と成熟度レベルに対応するために必要です。レベル 1(「L1」)、レベ ル 2(「L2」)、レベル 3(「L3」)のアプローチの説明を、本ペーパーの表 5、および付録 1 に示します。 タイムフレームとデータ収集の詳細の報告 配電損失と冷却装置消費電力のデータを使用する DCiE と PUE では、値は計測した年、月、日により変化 します。有意義なレポートのためには、DCiE および PUE を公表する場合に、データ収集の頻度および計 算対象となる期間・時間を記載しなければなりません。タイムフレームに用いることのできる単位には、年、 月、週、日があり、1 度のみの測定も含まれます。計算対象となる各データポイントは、月、週、日、ま たは連続的に収集される必要があります1 データ収集頻度と測定レベルには、許可されない組み合わせがいくつかあります。レベル 1 の計算が対 象とするデータは、少なくとも毎月収集されていなければなりません。同じく、レベル 2 の計算が対象と するデータは、少なくとも毎日収集されていなければなりません。レベル 3 の計算が対象とするデータは「連 続的に」収集されていなければなりません。 PUE/DCiE 報告における、用語およびタイムフレームとデータ収集頻度の表記方法に関する詳細を、付録 1 (11 ページ)に示します。

グリーン・グリッドへの結果の報告

2009 年第 2 四半期に、グリーン・グリッドは PUE/DCiE 報告および対象データセンター関連情報の組織 による入力が可能なウェブページを提供する予定です。報告に必要となる基本的なデータ項目を付録 2(13 ページ)に示します。 グリーン・グリッドは、結果報告におけるこの標準的な方法論の採用と、グリーン・グリッドの Metrics Database(指標データベース)にデータを入力することを奨励しています。結果報告のバックアップデー タは、要望に応じて匿名に保たれます。データ提出には以下のメリットがあります。 • 報告結果の信頼性が向上します。 • 運用上の PUE/DCiE 測定値の改善への認識が高まります。 • 指標および関連する測定プロセスを改善するための、業界主導の活動に参加できます。

PUE/DCIE

の報告・解釈における一般的な問題点

DCiE および PUE 値についての議論が政府・民間組織のなかで活発になるに伴い、PUE/DCiE 値の計算と 解釈で多くの誤解が生じています。PUE/DCiE 値の測定担当者は、報告の公開前に、以下に挙げる問題点 を認識し、報告しようとしている値が有効なものであるかどうかを確認する必要があります。

___________________________________________________________________________________________ 1 - 「連続的」とは、各データポイントが1時間に1度以上の頻度で収集されたデータセットを意味します。

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インフラ対 IT データの収集・報告では、PUE/DCiE の計算式の分母と分子に、どのように消費電力を割り当てるかが問 題となります。計算では、データセンターに存在する各負荷は、IT 負荷、インフラ負荷のいずれかに割り 当てるか、計算の対象外としなければなりません。データセンターの多くは他の組織と施設を共用しており、 同じ施設内に他の組織の大規模なオフィスがあるか、データセンター機能とは無関係の負荷が存在する場 合があります。また、冷却塔、開閉装置、換気システムなどの共有システムがある可能性もあります。こ のような場合、これらの負荷をどう計算に取り入れたかについて明確に報告書に記載する必要があります。 グリーン・グリッドは、施設間で有意義な比較を行えるようにするために、共有施設における PUE/DCiE 計算のための標準およびガイドラインを確立することを計画しています。特定のデータセンターの効率を 改善するために重要なことは、一貫した方法で計算を行うことであり、そのためには共有の負荷をどのよ うに計算式に取り込むかについての考慮が必要です。 PUE と DCiE はデータセンターインフラに関係する指標です。これらはデータセンター生産性指標ではなく、 またデータセンター活動のすべてを表す包括的な有効性指標でもありません。PUE と DCiE では、総 IT 消 費電力および総施設消費電力の関係を、ある時点または長期間における平均値によって測定します。これ らの環境条件を理解したうえで、指標を検討することで、電力および冷却アーキテクチャの効率的な設計、 アーキテクチャへの装置の配備、装置の日常的な運用方法についての確かなガイドラインと有効な洞察を 得られます。 装置の可用性やデータセンター生産性などの問題の検討には、別の指標と分析が必要です。データセン ターは複雑なシステムです。施設のある側面に変更(新しいクラスのサーバの導入など)があり、それが 別の側面の結果に明らかな影響を及ぼす場合もあります。このため、可用性の問題については細心の注 意を払わなくてはいけません。PUE/DCiE の改善のための処置がデータセンター内の IT 機器の可用性に マイナスの影響を及ぼすかもしれない場合、これらの改善処置の実施前に、データセンターに及ぼされる ことが予測される潜在的な影響を再検討することが望まれます。 また、PUEとDCiE はどちらも IT 機器の運用または生産性に対するガイダンスや洞察を提供しません。現在、 グリーン・グリッドはこのエリアのガイダンスおよび洞察を提供するための、追加の指標とアプローチを開 発中です(グリーン・グリッド、2008 年)。IT 機器の配備または運用の変更は、PUE/DCiE の計算に影響 を及ぼす場合が多くあります。たとえば、データセンターへの仮想化の導入によって、全体的な IT 負荷は 削減できますが、PUE が増加(または DCiE が減少)することがあります。この場合、配電と冷却の固定 間接費は変更されませんが、IT 負荷の縮小によって結果上の値が悪化します。PUE/DCiE を使用する場合、 あるエリアの変化が他の結果に影響を及ぼした場合でも過剰に心配せず、改善のためのさらなる機会とし て結果に影響を与えた要因を特定することを推奨します。 PUE/DCiE の値が変化した場合、それが最も有意義であるのは、インフラ設備またはインフラ運用の変 更に対して、データセンターの効率が反応していると見なされるときです。インフラ設備・運用の変更が PUE/DCiE に及ぼす影響を調査することにより、それらが測定期間中に発生した IT 負荷の変更の原因となっ ていることを確認できます。 電力対エネルギー PUE および DCiE 指標は電力(キロワット)またはエネルギー(キロワット/時)測定を使って計算できます。 連続的に測定を行い、平均値をとる場合は、両者の結果は同じになります。しかし、定期的または 1 回 限りのサンプリングによる測定の場合は、エネルギー測定値の方がより正確な値になります。電力測定は、 測定対象の時間におけるエネルギーの流れをサンプリングするだけです。一方、エネルギー測定では測 定期間内の電力フローを蓄積します。日単位の電力サンプリングは、サンプル測定時の DCiE のみを提供

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します。しかし、日単位のエネルギーサンプリングは、1 日全体の DCiE の蓄積または平均を提供します。 この 2 つの方法は、屋外の温度が一日を通じて大きく変化するデータセンターでは異なる結果をもたらし、 節電冷却モードを使うデータセンターでは劇的に異なる結果をもたらします。電力ベースのサンプリング は、それが唯一の実際的アプローチである場合は有用ですが、そうでない場合は、より正確にエネルギー 消費を反映するエネルギーベースのサンプリングの方が適切な計測方法です。ほとんどの計測システムで は、エネルギーを表示するように設定できます。一時的な計測による検査では、エネルギーを蓄積するプ ロトコルに従えます。 「最高値を上回る」PUE/DCiE 測定値 DCiE と PUE の結果が採用される頻度が高まり、それについての議論が増加するに伴い、「最高値を上回る」 計算結果が見られるようになってきました。1.0 未満の PUE 値、100% を超える DCiE 値が報告される場合 です。

PUE と DCiE 指標には 3 つの基本要素があります。IT 機器の消費電力、データセンター内の配電損失、冷 却システムの消費電力です。PUE と DCiE には、サイトで発電した電力と、大規模な施設で再利用される 廃熱を含みません。発電や再利用のアプローチとシナリオは大いに推奨されるものですが、指標の計算 にこれらを含めると、結果が分かりにくいものになってしまいます。 配電損失と冷却装置消費電力は常に正の値をとるため、DCiE 値は決して 100%を超えることはありません。 同様に、PUE 値が 1.0 未満になることもありません。 コージェネ発電、廃熱再使用、ローカル発電は、別の指標で検討すべきです。これらは重要ではあります が、ローカル配電および冷却アーキテクチャの効率改善においては範囲外の問題です。 ****グリーン・グリッドは、1.0 未満の PUE 測定値または 100%を超える DCIE 測定値を 認めていません。**** 異なるタイムフレームと粒度レベルで測定した結果の比較 結果の比較は、結果の計算対象となった期間や、各データポイントが収集された頻度を明らかにする情 報がなければ困難です。測定を毎月実施し、12 個のデータポイントを持つ PUE の年平均値と、たとえ ば 1 年のうち最も寒い日にデータセンターのピーク負荷で測定した PUE 値とでは、値の意味合いが異な ります。 一般的に、特定の結果を計算するタイムフレームは、詳細レベルまたは対象となる特定のデータセンター の事情に沿ったものであるべきです。年 1 回の測定による結果はインフラ効率性能の概要を理解するに は適していますが、年間を通じたデータセンター効率性能の変化を理解する助けにはなりません。毎月の 計算は、1 年にわたってデータセンターがどのように変化するかを理解するには適していますが、週単位 の動きを把握することはできません2。毎日または連続的な計測によって、データセンターが短期間また は内外の条件における急速な変化にどのように対応するかについての有用な洞察を得られます。 ___________________________________________________________________________________________ 2 - 平日と休日のデータセンターのパフォーマンスの比較など。

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また、結果の精度は、各データポイントが収集された頻度と、結果内のデータポイント数によって部分的 に決定されます。毎日収集されたデータの集計としての週単位の結果は、データが収集された時間がい つかによって異なります。1 日のなかでの値の変動の問題は、測定の頻度を上げることで対処できます。 データセンター間での PUE/DCiE 値の比較 PUE と DCiE 指標は、データセンターでどれだけ効率的に IT 機器に電力が与えられているかを理解する場 合に適しています。ただし、この 2 つの指標が最も効果を発揮するのは、ある施設の傾向を長期的な見 解から理解したい場合と、単一の施設に対して設計・運用決定を変更した場合の影響を理解したい場合 です。 前述したように、グリーン・グリッドは、報告された PUE/DCiE 値によって複数データセンターを比較する ことを推奨していません。データセンターが持つ、場所、アーキテクチャ、築年数、規模などの様々な属 性が、最終的な結果に影響を及ぼすためです。効率化を意図して設計された新しいデータセンターでも、 初期構築において施設の活用度が低ければ、利用可能な空間・電力・冷却設備を有効に活用している稼 働年数の古いデータセンターよりも効率が低いと判断される場合もあります。各結果の背景の理解と各施 設の設計・運用の詳細情報の検討が十分でない状態で複数施設の結果を比較すると、誤解が生じます。 グリーン・グリッドは、より多くのデータが利用できるようになるに伴い、特定のデータセンターの特徴と これらの指標の関係の強い結びつきを明らかにできるようになると考えています。この結び付きを理解す ることによって、データセンター間の比較の実現可能性と適切性が高まると考えられます。

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結論

今日の環境において、様々な施設の各データセンター管理者が施設間の PUE/DCiE 測定値を適切に比較 するためには、測定プロセスについてのガイドラインと明確で有意義な方法が必要です。意志決定者が 不十分な比較結果に基づいて判断を下すと、組織は誤った方向に導かれかねません。データの収集方法、 各結果のタイムフレーム、各データポイントの収集頻度を適切に表記するためには、標準的な用語が必 要です。 また、業界は、公開報告された測定結果が信頼性の高い方法で算出されたものであることを期待してい ます。これまでに、グリーン・グリッドは PUE および DCiE の測定と結果の概要の計算のためのプロトコ ルを改良してきました。今後も、それを継続する予定です。グリーン・グリッドの公開報告プロセスでは、 各結果またはデータセットについての情報と、対象データセンターについての情報を記録する手段が提供 されます。このプロセスによって、業界が必要としているデータ測定プロセスに透明性がもたらされ、将 来のデータセンター比較を有意義にする標準化された用語も提供されます。

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付録 1:PUE/DCIE 用語

PUE/DCiE測定結果を表記するための標準構成 PUE/DCiE 値の報告を有意義なものとするために、報告を行う組織はデータ収集プロセスについての補足 情報を提供する必要があります。この補足情報には、データの収集方法についての情報、データ収集に 使用した装置のタイプ、報告値の対象となるタイムフレーム、各データポイントの収集頻度などが含まれ ます。

追加情報は、報告する指標名に下付き文字を付記します。たとえば、PUE は PUEa,bの形式で報告します。「a」

は測定の計測プレースメントレベル(下記の PUE/DCiE データプレースメント手順を参照)を、「b」は測 定頻度と平均期間を表します。同様に、DCiE を DCiEa,bの形式で報告します。

PUE/DCiEデータプレースメント手順

データ収集計測プレースメントの定義は、グリーン・グリッドのホワイトぺーパー、『グリーン・グリッ ドの指標:DCiE(データセンターインフラ効率) の詳細解説(The Green Grid Metrics: Data Center Infrastructure Efficiency (DCiE) Detailed Analysis)』(グリーン・グリッド、2008 年)3に記載されています。

同ホワイトペーパーの最新版では、「レベル 1」、「レベル 2」、「レベル 3」と定義されています。表 5 に、 この詳細解説ホワイトペーパーに記述された定義の要点を示します。 表 5:DCIE 測定サンプリングレベル レベル 1(L1) (基礎) レベル 2(L2) (中級) レベル 3(L3) (上級) IT 機器電力 UPS PDU サーバ、その他 総施設電力 データセンター電源入力 データセンター入力 (共用 HVAC を除く) データセンター入力(共 用 HVAC を除く) および ビル照明、保安設備 測定頻度 月/週 1 回 毎日 連続的(xx 分ごと) 「基礎」および「中級」測定プロセスでは、同日の同じ時間帯に計測を行うことで、同程度の負荷を対象 とすることを推奨します。データセンターの多くでは、IT 機器または支援装置(UPS、発電機など)の変 更に伴い、負荷が変動します。 たとえば、レベル 1(「基礎」計測プレースメント)を採用した PUE の値が 1.5 の場合、PUEL1.5,bの形式 で報告します。 「a」に続けて、「b」すなわちタイムフレームおよびデータ収集頻度を記述します。 PUE/DCiE報告データ測定頻度と平均期間

PUEa,bまたは DCiEa,bの報告形式で用いられる 2 番目の下付き文字「b」は、各データポイントが収集され

た頻度を表します。以下に、報告指標に添えることができる平均期間およびデータ収集頻度を表す下付き 文字を列挙します。 • 平均期間 o 「Y」は、1 年間の平均値を割り出したことを意味します □ 頻度は M、W、D、C のいずれかで表します。 o 「M」は、1 カ月間の平均値を割り出したことを意味します ___________________________________________________________________________________________

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□ 頻度は W、D、C のいずれかで表します。 o 「W」は、1 週間の平均値を割り出したことを意味します □ 頻度は D、C のどちらかで表します。 o 「D」は、1 日の平均値を割り出したことを意味します □ 頻度は D、C のどちらかで表します。 • 頻度 o 「M」は測定が毎月実施されたことを示します □ 平均期間は年単位でなくてはなりません。 o 「W」は測定が毎週実施されたことを示します □ 平均期間は月単位以上でなくてはなりません。 o 「D」は測定が毎日実施されたことを示します □ 平均期間は週単位以上でなくてはなりません。 o 「C」は測定が連続的(少なくとも 1 時間ごとに)実施されたことを示します。 o 「--」は測定が 1 度のみ実施されたことを示します(平均期間は使用しません) 連続的な測定を除いて、すべての測定は 1 日のうちほぼ同じ時間帯に測定する必要があります。 たとえば、測定を毎日実施し、PUE の週平均値が 1.5 の場合、PUE1.5a,WDの形式で報告します。

PUE/DCiEの報告例 上記の構成条件を適用した場合の具体的な報告および解釈の例を、表 6 に示します。 表 6:DCIE および PUE の報告例 0.45 DCiEL1,-- 単一の DCiE 測定(0.45)を、レベル 1 の計測箇 所によって実施した 0.51 DCiEL1,YM レベル 1 の計測箇所によって毎月収集したデータ ポイントを用いた DCiE の年平均値(0.51) 1.6 PUEL1,MW レベル 1 の計測箇所によって毎週収集したデータ ポイントを用いた PUE の月平均値(1.6) 0.43 DCiEL1,WD レベル 1 の計測箇所によって毎日収集したデータ ポイントを用いた DCiE の週平均値(0.43) 1.8 PUEL2,WC レベル 2 の計測箇所によって連続的に収集した データポイントを用いた PUE の週平均値 2.1 PUEL3,YC レベル 3 の計測箇所によって連続的に計測した PUE の年平均値(2.1)

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付録 2:PUE と DCIE 測定結果の承認および認証のため

の支援データ

グリーン・グリッドは、データセンターの主要情報だけでなく、測定結果、計測状況情報を記録するデー タベースを開発しています。以下に示す 3 つのリストのうち、1 番目と 2 番目のリストは、PUE/DCiE 公開 報告(「登録」または「認証」)を支援するために現時点で必要であると検討されているデータです。3 番 目のリストは、グリーン・グリッドが認めた公開報告結果(グリーン・グリッドが発行した登録番号を用い て参照)を公的に照会した場合に、データベースから何を入手できるかについての現時点での検討案です。 これらのリストは本ペーパーの執筆時点の暫定的な検討案を示すものです。この情報を取り込むウェブペー ジ/サイトによって提供される最終的な詳細情報は、データセンター運用者がその内容とプロセスに関す るインプットを提供し、適切に調整を行うことを前提としています。また、最終的なデータベースフィール ドが公開される際には、データ収集についての明確な説明を行う予定です(例:xxx の気温はどこで計測 すべきか、平均期間はどのように算出するか、など)。 PUE/DCiE公開報告の登録に必要とされるデータ • 連絡先。注:公的な照会では企業名のみが表示されます。 • データセンターの所在地(住所、郡、クーリングマップ(外気冷却マップ)のゾーン番号)。 o 注:公的な照会では州および郡のみが表示されます。 • 測定結果:適切な用語で表した PUE/DCiE • 測定手法情報(時間、方法、および結果の詳細) • データセンターの規模(施設面積) • 施設のデータセンター総設計負荷(例:10.2 メガワット) • サーバ、ルーター、記憶装置の数 • サーバ CPU の平均使用率 • 仮想化を実装するサーバの割合(%) • IT 機器の平均使用年数(タイプ別) • 施設設備(冷却装置と配電装置)の平均使用年数(タイプ別) PUE/DCiE公開報告の認証に必要とされるデータ • データセンター使用目的に関する負荷情報(例:20%のウェブ・ホスティング機能、80%の 電子メール) • 設置されたサーバラック数 • ラックの使用状況(%) • 床面積の使用率 • 配電の品質(冗長性)(ティア 1、ティア 2、ティア 3、ティア 4) • 冷却アーキテクチャの詳細: o 暖気通路封じ込めの割合(%) o 冷気通路封じ込めの割合(%) o CRAC のみ o CRAC および高精度冷却 o 高精度冷却のみ o VFD 使用の CRAC の割合(%) • 暖気通路の温度 • 冷気通路の温度

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• 使用された認証方法(請負業者情報と結果) グリーン・グリッドのサイトで登録番号による検索を実施した場合に表示される公開データ • 会社名、所在地 • 測定結果:適切な用語で表した PUE/DCiE • 測定終了日 • データセンターの規模(施設面積) • 登録番号の発行年月日 • 任意 − 追加ユーザ情報へのリンク

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引用文献

The Green Grid. (2008, May 9). A Framework for Data Center Energy Productivity. Retrieved November 7, 2008, from The Green Grid:

http://www.thegreengrid.org/~/media/WhitePapers/WhitePaper13FrameworkforDataCenterEnergyProducti vity5908.ashx?lang=en

The Green Grid. (2008, July 22). The Green Grid Metrics: Data Center Infrastructure Efficiency (DCiE)

Detailed Analysis. Retrieved November 7, 2008, from The Green Grid:

http://www.thegreengrid.org/~/media/WhitePapers/White_Paper_14_-_DCiE_Detailed_Analysis_072208. ashx?lang=en

表 2:結果承認のためのグリーン・グリッドの報告要件

参照

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同研究グループは以前に、電位依存性カリウムチャネル Kv4.2 をコードする KCND2 遺伝子の 分断変異 10) を、側頭葉てんかんの患者から同定し報告しています

接続対象計画差対応補給電力量は,30分ごとの接続対象電力量がその 30分における接続対象計画電力量を上回る場合に,30分ごとに,次の式

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