• 検索結果がありません。

X線2面入射法による結晶面傾斜角およびX線屈折率の測定: University of the Ryukyus Repository

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "X線2面入射法による結晶面傾斜角およびX線屈折率の測定: University of the Ryukyus Repository"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

X線2面入射法による結晶面傾斜角およびX線屈折率の測

Author(s)

前濱, 剛廣; 安冨祖, 忠信

Citation

琉球大学工学部紀要(36): 55-62

Issue Date

1988-09

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/12450

Rights

(2)

Measurements of the off-Angle of Crystal Surface and the Index

of the Crystal for X-rays by X-ray Double Incidence Method

Takehiro MAEHAMA

*

and Chushin AFUSO

*

Abstract

A new X-ray double incidence method, by which off- angle of crystal

surface and the refractive index of the crystal for X- rays are measured

ex-actly, is presented. X-rays which are Bragg- reflected at the first crystal

strike both faces of the second crystal, i. e., the surface and the side at the

same time. Because of the refractive effect both X-rays propagate in the

second crystal in slightly different directions each other.

Therefore, the

rocking curve which is measured by rotating the second crystal about the

axis perpendicular to the incident plane has two peaks. From the angle

be-tween two peaks of the rocking curve, off- angle of the surface of the

sec-ond crystal and the refractive index of the crystal for X-rays are

calculat-ed.

In order to confirm the exactness of the new method, it is applied to

two specimens of GaAs crystal. One is Cr- doped SI - GaAs with the

sur-face offed by 2

±

0.5

0

in

[Off]

direction from (100) plane and another is

Si- doped n- GaAs with the surface offed by 3

±

OS

in [001] direction

from (100) plane. The measured off- angles of these specimens are 2.211

0

and 2.987

0

,

respectively. The measured values of refractive index of these

specimens are 0.99998493 and 0.99998361. They agree well with the value

given by the lorentz dispersion formula, 0.99998492.

Key Words: X-rays, double- crystal method, gallium arsenide.

55

§1 1;1:[::6".>(;:

¥ilJf**5r80)*5r8JJX:*~.0)~JfW. §

1t

i

L

<.

~ jlfc'~t-mtT~ltIJjij'4:>

"Time

tJ:

I). MH~Tm~~lt:.

fflLk.T*TtJ:~O)liIf~OO~~i;5~KITtJ:h.n-c

l'00 -t.nI;:1=!=l'.

*5r8~iIDO)§ilZfiffi~.'4:>:'E:1t~

r

"/ *

/l--I1Jl~~ (STM)11~~5tMIm~i&l~1IH:'I1Jl~~

(HRTEM)21t,U::O)

J: ?

I;:, ~r8~iID~WiID0)11E1q 0)

mt

TO)l'iC7IJ~1mil!lJc' ~

0

"!

cK tJ:"?

-n,

0 0 ;:

0)

J:

?

1;:¥ilJf**TO)~;ffij1I::e

e {,/;:. *5r8fffiffitHfiT'4:>mtT

.lji.(3LO)§ilZfiffi1!O)liIf~ OO~;IJ;i;5~

I;: IT

tJ:

h.n

-c

toI) • ;:.n00)~~~tJ:fffiffi~.0)~~KJ:I). -mtT~*5

:'fft:

1988if,5}J 9

El.

*liIf~0)P'J~0)-mH;:0l,-cltm34@]lt:.ffl¥o:E1l!.~M{'f;il~~~~

(1lBf1J62

if,)

c~~o

*I~{ffi'llt:5(a~f4

(3)

56 X線2面入射法 に よる結 占占面傾斜角 お よびX線屈折率の捌rE :前 Wl・安J

富机

晶成長技術な どは さらに実用化 に近 づ くもの と思われ る. しか しなが ら,半 導 体 素子 を集 積 化 す るため に は,基板特性 の平均的 な評価,た とえは格子定数 の精 密 測定 ,転位 分布 ,基板表面 のoff角 あ るいは超格 子 の周期 の測定 な ども非常 に重要 であ り, これ までの測 定法 に とどまらず,更に新 しい測定法を開発 してい く 必要 があ るだろ う。 一般 に - t='タキ シャル成 長 に お け る基 板 表 面 は, 低指数 ジ ャス トの面か ら2-3ooffして用 い られ る。 しか もこのoff角度は,エ ピタキ シ ャル成長過 程 や 成 長後 のエ ピタキ シャル層 の結 晶性 の評価等 に重要 な影 響 を与 え る と思われ る。 従 って,基板表面 のoff角 度 の測定は,あ る程度正確に測定す る必要 があ る。 しか しなが ら,現在 基 板 メーカーか ら提 供 され る基 板 の off角 度 の 精 度 は , ラ ウ ニ 回 折 バ タ ー ン法 に よる ±059の許容誤 差 を もつ ことが一般 的 であ り, さら に精 度 を上 げ るには新 しい測 定 法 の開 発 が必 要 であ る。 また近年 ,超格子構造 の周期 を低 角 入射 に よる X 線 回 折 法 で精 密 に測 定す る研究が行 なわれ てい る。3' 低角 入射 の場 合X線 の屈折 効果 の補正 が必 要 とな る ので,超 格子を構成 してい る結 晶のX線 に対す る屈折 率 を知 らねば な らない。 しか し,一般 にX線 の屈折率 の測定は非常 に困難 であ るので.簡便な測定法の開発 が望 まれ てい る。 本論文 では, 結 晶表面 のoff角度 とX線 の屈折 率 を 同時に算 出で きる新 しい測定法 と して

,X

2

面 入射 法を提案 した。 この測定法 はX線 の 屈 折 効 果 を 利 用 す る もので,試料 の,表面 と側面 の2面か ら,同時 に 入射す るX線 の屈 折 の 差 をX線2結 晶 ロ ッキ ン グカ -プに よ り測定 し, これ よ り表 面 のoff角度 と屈 折 率 を算 出す る方法であ る

4以下において, まずX線2 面 入射法の測定原理 につ いて説 明 し,次に この方法に よ りGaAs(loo)面 ウエ ー-のoff角度 と屈折 率 を実 際に測定 した結果について述べ る。 §2 X線2面入射法の原理 まず,X線2面 入射法の基 本 とな るX線2結 晶 法 の構成 と ロ ッキ ングカープにつ いて説 明 す る。Figl (a)は, 2結 晶法の構成 を示 した ものであ る。 第1 結 晶に,波長広が り) ■∼) 2のX線 が あ る角 度 広 が りて入射す る と,第 1結 晶のそれぞれの点て, 7`ラ ッ グの条件を満足す るそれ ぞれ の波 長 のX線 の み が 回 折 され,第2結 晶に 入射す る。 第2結 晶の回折 面の間 隔が第 1結晶のそれ と等 しく,第 1結 晶の回折面 と平 行にな るよ うに第2結 晶が セ ッ トされ てい ると,第1 結 晶 よ り回折 され第2結晶 に 入射 したX線 は す べ て ブラ ッグの条件を満足 し回折 され る。 従 って,その状 態か ら,第2結 晶を入射面に垂 直な軸の まわ りて左右 に回転 させ ると,その回転角 Oと回折強度の関 係は, Fig.1 (b)に示す よ うにな る。 この曲線 を ロッキ ン グカープと呼んでい る。 この曲線の半値幅 (FWHM) は,運動学的理論 で考 えれば,結 晶の完全性が増すに つれ てゼ ロに近 づ くはず であ る。 しか し, 実際は

,X

線 の動 力学効果に よ り,第 1結晶 と第2結晶が完全結 晶で, しか も両結晶の回折面 の面間隔が完全に等 しい 理想的 な場 合ICも, ロッキ-/グカ-プの半値幅FWHM はゼ ロにな る ことはな く,次式 の よ うにな る5■。

SECONDCRYSTAL

(

q)

(

b

)

ROCKI

NGCURVE

Flg.1 PrincipleofX-raydoublecrystalmethod・(a)Schematicam ngementOfcrystalsand

(4)

琉球大学工学部紀

第36号,1988年 FWHM-〔旦讐 粁 〕22∼bn/SIN 20B '1) ここでObは フ ラ ノク角,iXは 入射X線 の照射角を表わ す。¢日は次式

e

2

]

2

F

hH m汀C

2

V (2) て与 え られ , ここて,eとmほ電子 の電荷量 と質量 , Cは光速,)は 入射X線 の波長,FhkIは (hkl)面 の構造 因子, Vは結 晶の単位格子の体積 てあ る。 次にX線2面 入射法の原 理 を説 明 す るO 一 般 にX 線2結晶法で ロ ソ牛 ./タカ-ブを測定す る場合 ,試料 エ ッンか らの散乱X線 の影響 を さけ るた め, て き る だけ試料 (第2結晶) の側 面 にX線 が 入 射 しな い よ うに配慮す る。 しか し

,X

2

面 入射法 では,意識 的 に第2結 晶 (試料) の側面 と表 面 に 同 時 にX線 を 入 射 させ て ロ ノキ ングカーブを測定す る。Flg 2 (a) は,入射X線 ビームが試料 の表 面 と側 面 か ら同 時 に 入射 し,あ る格子面 て回折 され る よ うす を 示 して い る。 それ ぞれ の面か ら入射 した Ⅹ線 は, そ の 入 射 角 が異 なるため,屈折効果に よ り結 晶内では図に示す よ うに△♂だけ異 なる方向に進 む ことにな る。 従 ってそ れ ぞれ のX線は,同時 に回折 され ず,試 料 を 回転 し て得 られ る ロ ソキ ングカーフは,Fig.2 (b)に示す ように, △〟だけ分離 され た ピー クを生ず ることにな る。 この△βの値か ら次に示す よ うに,側面 と表面 の なす角度αを求め ることがて きる。 Fig.2(a)において,αは側面 と表面 の交 角,i-,12 はそれぞれ の面 か ら入 射 す るⅩ線 の 入 射 角,r■,r2 ほそれに対応 した屈折角であ る。 △βは入射後 のX線 の進行方 向の角度差を示 してい る。 これ らの角度 の関 係は,図 よりr■-i■+a,i2-7r-1l-α,r2-7r-rl 一α+ △〝とな る。 これ らの式 と /ユネル の式

n-SIN l】/SIN r--SIN i2/SINr2よ り△βは次 の よ

うになるO AO-⊥ユ ーl tanll-tan(i】+α)i (3) 但 し,nは屈折率 で,求 (3)の導 出に おいて∂くく 1, AO<< 1と した.又,式(3)よ り屈折率 nは ttani1-tan(il+α)) (tanil-tan(l】+α)+AO) 、小 となる。(3)式か ら.試料 の屈折率 と側面 の入射 角 11か 既知 てあれは, ロッキ ングカーフtよ りAOを測定 して

_

_

_

=

Flg.2 PrlnCipleofX-raydoubleincldencemet h-od.(a)PathsofX-raysenterlng thesur -faceandthesideofthesecondcrystal.(b) SchematicrockingcuⅣewithtwopeakso b-tainedbythemethod.

αを求め ることか て き,表面 の傾斜角 を知 ることがで きる。 以上 の方法 では, αの計算 に nを必要 とす るが,以 下 に,異 な る2つ の△βの測定 値 よ りnがわか らな く て もαを算 出で きる こ とを 示 す。Flg,3は そ の 方 法 を説 明 した図であ る。 この図に示 され てい る よ うに, 左右両側面 に対 して対称 にな ってい る等 価な回折面 を 考 え る。 それぞれ ,左側 お よび 右 側 か らX線 を 入 射 させた場合 の Ⅹ線2面入射法か ら得 られ るAO', A ♂2は式(3)で与 え られ る。 従 って, △♂■と△♂2の比

(5)

58 X線 2両 入射法 に よる結 晶面傾 斜角 お よび X線屈折率 の測rit :rJll放 ・安rfEl'机

Fig.3 PrlnClpleofmeasurlngOff-angleofthesurfacewithoutrefractlVeindex ofthesecondcrystal. を とるとnが消去 され , 旦L ≡ tanlll-tan(1,I+α1) △〝2 tanilr tan(ilr+α2) (5) とな る。 二 つ の回折 面 が等 価 て対 称 に な ってい るの で111-ilr。 図に示 した表面 の傾斜 角βを用 い る と,α】 -7T/2+β,α2-冗/2-βであ る. これ らを(5)式 に代 人 してβについて解 くと,

β

-

tan-I(王 豊形 豊 tan i ll) (6, とな る。 従 って,表面 の傾斜 角 βは屈折率 nを知 らな くて も,△β.,△β 2か ら決定 され る。 また βが決 ま ればα-とα2が決 まるの で

,

(4)式 か ら屈 折 率nを 決 定 で きる。 §3 実験方法 X線2面入射法の実験 は,X線二結 晶法 の構成 を基 本 と して行 な った。Ⅹ線 源に徴焦点X線 管 球 (Cu歩 ーケ ッ ト)を用 い,Ⅹ線 源 と第1結 晶 の距 離 を約70 cmと し,第 1結 晶でCuKα1 ()-15405A)のみ を回折 させ て第2結 晶に入射 させ るよ うに した。 第1 結晶は,低転 位密度 で ノ / ドー プのCaAs単結 晶を用 いた。 第2結 晶 と して,傾斜 角 お よび 傾 斜 方 向 の 異 な る A

,B

二つの試 料 を 準 備 した。Fig.4 (a),(b)に それ ぞれ の試料

A,B

の形状 や回折面 等 の関 係を模式 的 に示 した。試料Aは,(100)面か ら[Oll]方 向 へ 約20offされ たCr-doped SI-GaAsウ ェー -か ら (1101面 へ き開に よ り切 り出 した。 この 試 料 の サイ ズは,縦12mm, 横15mm, 厚 さ0.4mmてあ る。 Fig.4

FlgureSOfspecimensandgeometrlCalco汀elationbe -tweenX-raysandrenectlngPlane.(a)SpecimenA; Cr-dopedSト GaAs.(b)SpecimenB ;Sト doped ∩-GaAs.

(6)

琉球 大学 L学 部紀 要 第36号 ,1988年 Flg.4 (a)に示 して あ る よ うな 方 向 か らX線 を 入 射 させ,それ ぞれ (4L22),(422)回折 に よ りロ ッキ ./ クカーフを測定 した.特 に この試料 の形状 を細 長 く し てあ るのは,側面 ((011) - き開面 )か ら入射 し(422) 面 て回折 され るX線 の強度 が,表面 ((loo)面 )か ら 入射 し (422)廟 で回折 され るX線 の 強 度 に比 し弱 く な るのて,側面 と表 面 のX線 入射 実 効 面 積 を 同程 度 に し, で きるだけ ロ ノキ ングカー プの ビー ク分離 を明 確に測定 で きるよ うにす るため であ る。(Oll)側面 か ら 入射 し(422)で回折 され るX線 の強 度 が 弱 くな るの 紘

,X

線 が回折 後 入 射 した 側 面 か ら出 射 せ ず ,試 料 表面か ら出射す るの で,X線 が結 晶内 を長距 離進 行す る ことにな り,それだけ その強度 が減衰す るため であ る。 試料

B

は,(一oo)面か ら [00丁]方 向 - 約

3

ooffさ れ たSi-doped n-GaAsウ ェ ー -か ら (Ilo)面 へ き開に よ り切 り出 した。 この試 料 の サ イ ズは4mm角 で,厚 さは0.4mmであ る。Flg4 (b)に示 した よ う な方 向か らX線 を 入 射 させ , そ れ ぞ れ(40す),(404) 回折 に よ りロ ッキ ングカー プを測定 した。 §4 実験結果 お よび考 察 (

.

n

tD )

^

1

[S N 山 _

L

N

L

(

⇒ ロ ) > ヒ S

Z

山 ト

Z

8

-

dec「eqse

(

q)

59 Fig.5 (a),(b)は , そ れ ぞ れ 試 料Aの (422) お よび (422)回折 に よるX線2面 入射 法 で測 定 した ロ ッキ ングカー フであ る。 ロ ッキ ングカー フの縦 軸は X線 の回折 強度 (任意 スケール)を示 し,横軸 は 入射 X線 と回折面 との なす 角 βを与 え,右 に い くほ どβが 減 少す る よ うに表 わ してあ る。 いずれ の ロ ッキ ン グカ ー プ (a), (b)に も2つ の ピー クP】,P2が現 われ て い る。X線2面 入射 法 の原理 で説 明 した よ うに,一 方 は表 面 か ら, 他 方 は側 面か ら入 射 し回 折 され たX線 の強 度 を示 す ピー クで, それ ぞれ

P

lが表 面

,P

2が側 面 か ら入射 したX線 の回折 強度 に対 応 していることが 以 下 の こ とか ら明 らか に され た。X線 の屈折 率 はわず かに 1よ り小 さいの で,Fig.2 (a)か ら明 らかなよ う に,側 面 か ら入射 したX線 と回折 面 の なす 角 は,表面 か ら入 射 した Ⅹ線 と回折面 の な す 角 よ り, 屈 折 効 果 の ため ,△♂だけ大 き くな ってい る。 従 って,Fig.5 に示 す ロ ノキ ングカー プに お い て, βの 大 きい

P

tが 表面 入射 , βの′トさいP2が側 面 入射X線 に 対 応 す る ピー クと判断 され る。 この判 断 が正 しい こ とは,Flg 5 (b)の ロ ッキ ングカー プの

Q

,P2点 に試 料 を固定 して撮 った トポ グラフFig.6 (a),(b)の比較 て確 かめ られ た。Fig.6 (a)が

Q

点 に対応 す る トポ タラ

(7)

60 X線 2m'li入射法 に よる結 晶rn了傾斜角 お よび X線 J.Liz.折率 の測走 :前滋 ・安冨机

(

a)

2mm

(b)

Fig.6 TopographsofspecimenA takenwith(422)

reflectlngplane.(a)takenatthepointQ,(b)

atthepeakP2intherockingcuⅣeinFig.

5(a) 17で,表面全体が撮 影 され てい る。Fig.6(b)はPZ 点に対応す る ト,+:グラフで

,X

線 の入射側 の側面 のみ が撮 影 され てい る。 以上 の ことよ り

,P

■が表面 入射 , P2が側面 入射X線 の回折 に よる ピークであ る ことは明 らか であ るO 以上 の考察 に よ り

,X

2

面 入射法 の原 理 の通 り, ロッキ ングカーフ■が確か に二つ の ピー クに 分離 され ることが定性的 に証 明 され た。 次に, これ らの ピー クの分離角△〝の値 よ り,実際 に表面 の傾斜 角 βと

,X

線 に対す る試 料 の屈折率 nを 求め,その値が妥 当な ものか ど うか検討す る。Flg.5 (a), (b)よ りそれ ぞれ の分離角は△♂l-204秒 , AU2-408秒が得 られ る。CuKαl ()-I5405A) に対す る(す22)面回折 の プラッグ角を 20B-837390 (但 しGaAsの格子定数 を a-565360A と して 計 算 した),(す22) または (422)面 で回折 を生す る ときの 入射X線 とそれ ぞ れ の 側 面 ((011),(011)) との な す 角を1..-1,r-6.6060 とす る。 これ らの 値 を(6)式 に代 入 し,β-2210を得た。 この試料 は,(loo)面 か ら[011]方向- 2±050傾斜 した滋血を もつ ウェ ー-か ら切 り出 した試料 であ るので,X線2面入射法 て得 られ た傾斜角β-221Bは妥 当な値であ るといえ るo また βの決定 よ りα-92210 とな り, この 値 と A〝-20.4秒,i■-66060 を(8)式に代 人 して, 屈 折 率n-0.99998493を得 る。 この値は,屈折率 を与 え る 理論式6 n-1-C2Nzpj2/27rmC2M (7) か ら計算 され る値,0.99998492に ほ は 等 しくな って い る。 この ことも

,X

2

面 入射法の),qP聖が正 しい こ とを褒付け る ものであ る。 なお

,(

7

)

式におけ る各記号 は

,e

電子の電荷品,N:7ポカ トロ数

,z

l分子 中の電子数, p ・襟度, )

X

線 の披見 m 電子の 質量,C 光速

,M

●分子丑 を表 わす。 次に,試料Bの測定結果 につ い て考 察 す る。Fig・ 7 (a), (b)は, それ ぞれ 試 料Bの (404) お よび (404)回折 に よる

,X

線2面 入射法 で測 定 した ロ ソ キ ングカープであ る。 試 料Aの場 合 と同 様, いず れ の ロッキ ングカ-ブに も,東 面 入射X線 に 対 応 す る ピー クP.と側面 入射X線 に 対 応 す る ピー クP2が現 われ てい る。 この場合 も,いずれの ピー クが表面あ る いは側面 入射 に対応す るかについては,X線 トホ グラ フの撮影 に よ り確認 した。それ らの トポ グラフをFlg 8に示 した.Flg 8 (a), (b )は , そ れ ぞ れFig 7(a)の ピークP'のQ',Q2点 で梶 影 した もので, 両方合わせ て表面全体が写 ってい るのがわか る.一方 Fig.8 (C)は, ピークP2点 で撮 影 した もの て,読 料 の側面のみか らの回折 で撮影 され ていることを示 し てい る。 Flg.7 (a), (b)の それ ぞれ の ロ ッキ ングカ- フ か ら ピー クの 分 離 角 は△0】-232秒AO 2-800秒 とな るので, これ らを(6)式 に 代 入 して, 傾斜 角 β-29870 を 得 た。 この場 合, 入射X線 と回折X線 が (010)面上にあ るよ うに試料 をセ ッ トしてあ るので, 入射角1日 1,,は入射X線 と [001]軸 とのなす 角 度 5.4160 を用 い て い る. こ こで 得 られ た 傾 斜 角 β -29870 も試 料Bを 切 り出 した ウェー-のoff角3± 0.50 と比較 して妥当な値 であ ることがわか る。 また, この傾斜角 よ り側面 (今 の場 合 (001)面) と表 面 の なす角αは98.987b とな り,これ を(4)式に入れて屈折 率n-099998361を得 る。 この 値 は 前 述 した試 料 A の屈折率 と′ト数点以下6桁 Flで異 な ってい る。 この差 那,試料A,Bの不純物 の種 類 や 密 度 差 に よ る もの か,あ るいは測定誤差に よる ものか今後検討 してい く

(8)

琉球 大学 t学 部紀 要 節36号,1988年

8- dec「e(

]

se

(

o)

(

.n

'D )

^

J.

E

S

N

J

.

N

(

⇒ D )

>

S

Z

Z

8

-

dec「eqse

(b )

Flg.7 RockingcuⅣesforspecimenB. (a)(4041)reflecting.(b)(404)reflecting.

(

a)

(

d)

(

C

)

Fig.8 TopographsofspecimenBtakenwith(404)reflectingplane・(a)atthepolntQl,(b)atthe pointQ2,(C)atthepeakP2intherokingcuⅣeinFig・7(a).

必要がある。 以上 で

X

2

面入射法に よ り,結 晶表 面 の 傾 斜 角 お よび屈折率の測定 の で き る こ とが示 され た が,更 に, ロ ソキ ングカープの半値 幅 (FWHM)と照 射 角 との関 係を示す(l)式 に よ り,測定 され た傾斜 角の値が 正確か ど うかを検討す る。Fig.7 (a),(b)の ビー 6】 クP■の半 値幅FWHMは,それ ぞ れFWHM ( a)-15.6秒,FWHM (b)-29.2秒 で あ る。 一 方,Fig. 7(a), (ち)の ロ ッキ ングカープの測定 に お け るそ れ ぞれ の照射角は,測定 され た 憤 斜 角β-2.9870 よ り,i.(a)-8.403o ig(b)-2.4290 とな る。 こ の ときの プ ラ ッ グ角 は 2GB-100.8320 で あ る。 こ

(9)

62 X線2両 入射 法 に よる結 晶面傾 斜角 お よびX線 屈折 率 の測定 :前 浜 ・安

富机

れ らの値 を(I)式 に 代入 して,FWHM(a)-15.8秒 , FWHM (b)-28.79秒 を 得 る。 この値 は 測定 値 とほ は等 しく,傾斜 角β-2.9879 の値が正 しい こ とを 裏 づけ る もの であ る。 試 料Aの場 合 に つ い て も, ロ ッ キ L/クカー フの半 値幅 の理 論 値 と測定値 が一致 す る こ とを確 かめ た. §5 むすび 本論 文 で述 べた 内容 を以下 に ま とめ る。 (1) 結 晶表 面 のoff角度 お よびX線 に対 す る屈 折 率 を 正 確 に測定 て きる新 しい方法,X線2面 入射 法 を 提 案 した。

(

2

)

この方 法 を,傾斜 角 お よび傾斜 角方 向の異 な る

2

種 頬 のGaAs単 結 晶に適 用 し, 測 定 され た 傾 斜 角 が妥 当な値 てあ る こ とを示 した。

(

3

)

また,測定 され た屈折 率 とその理 論 値 が小 数点 以 下5桁 まで一致 す るこ とを示 した。 (4)更に ,測定 され た傾斜 角 か ら入 射 X 線 の 照 射 角 を求め , それ を用 いて計算 した P yキ ングカー プ の半 値幅 の理論 値 とそ の測定 値が一 致す る こ とを 示 した。 以上 の ことか ら,提案 され たX線2面 入 射 法 が, 結 晶面 の傾斜 角 と結 晶の屈折 率 を正確 に測定 て きる方 法 てあ る と結論 され る0 本 研究 を行 な うにあた り

,X

線装 匿に関 して種 々ア ドバ イ ス して いただ いた東北大学宮 本信雄教授 ,試料 を提 供 して いただいた三菱 金属化 合物半導 体 七 ・/ター の富 山能 省工学 博士 に感謝 す る。 参考 文献 1) カ ル ピ ン ク ェー ト バ リ テ ィ. 2, No3, 2 (1987) 2)美浜和 弘 物 理 学 戯 前 線3(共 立 出 版 )PP.163 -227 (1984) 3)古官聡 他 :第34回応物学 会誹 演予誹集第3分 冊 , P785 (1987) 4)前 浜剛贋 一安 冨 祖忠 信 第34回 応 物 学 会講 演 予 講 集第 1分冊,P174 (1987) 5)岸野正剛 半導 体研究12,P315 (1976) 6) C.C.HATLEY:Phys.Rev.24,486 (1924)

参照

関連したドキュメント

In [1, 2, 17], following the same strategy of [12], the authors showed a direct Carleman estimate for the backward adjoint system of the population model (1.1) and deduced its

On the X-coordinates of Pell equations which are tribonacci numbers. On the x-coordinates of Pell equations which are Fi- bonacci numbers. Simultaneous Pell equations. An explicit

A line bundle as in the right hand side of the definition of Cliff(X ) is said to contribute to the Clifford index and, among them, those L with Cliff(L) = Cliff(X) are said to

Considering singular terms at 0 and permitting p 6= 2, Loc and Schmitt [17] used the lower and upper solution method to show existence of solution for (1.1) with the nonlinearity of

We provide an accurate upper bound of the maximum number of limit cycles that this class of systems can have bifurcating from the periodic orbits of the linear center ˙ x = y, y ˙ =

In the second section, we study the continuity of the functions f p (for the definition of this function see the abstract) when (X, f ) is a dynamical system in which X is a

More general problem of evaluation of higher derivatives of Bessel and Macdonald functions of arbitrary order has been solved by Brychkov in [7].. However, much more

Lang, The generalized Hardy operators with kernel and variable integral limits in Banach function spaces, J.. Sinnamon, Mapping properties of integral averaging operators,