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そのためには日本語教育が不可欠です

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Academic year: 2021

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北脇保之 皆さん、こんにちは。東京外国語大学多言語・多 文化教育センター長をしております北脇です。私どものセン ターの活動、それからこの協働実践研究の歩みについては、

先ほど上映したビデオでおわかりいただいたと思います。協 働実践研究は、今、実質的には 2 年目に入っています。昨年 度もこの時期にプレフォーラムを開催し、その後続けて、全 国フォーラムでさらに大勢の方と議論を交わしました。今年 は 11 月 28 日から 30 日に全国フォーラムを開催します。

 地域日本語教育の重要性については皆様に対してあらため て言うまでもございませんけれども、外国にルーツを持つ

人々が日本社会の中で安定した生活をして、社会の構成員としてみんな一緒に新 しい社会をつくっていく。そのためには日本語教育が不可欠です。今日のプレ フォーラムで、実践活動や政策提言に大きな前進になるようなものが出てくれば と願っています。どうぞご協力のほどよろしくお願いいたします。

野山 広 皆さん、こんにちは。今年も大勢の方に集まっていただきまして感謝 します。

 我々「野山班」は、地域日本語教育プログラムのあり方に関する検討をテーマ に掲げています。2007 年度は、現場を訪問調査しました。秋田県の能代市、石 川県、愛媛県で調査をさせていただいて、出てきたキーワードがいくつかありま した。そのキーワードは、「居場所」「交流」「地域参加」「国際理解」「日本語学習」

北脇保之

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共生のまちづくりに向けた地域日本語教育プログラム──プレフォーラム

です。これらのキーワードを基にして、2 年目である今年は、長野県上田市、東 京都足立区の方々と、協働実践研究という形で研修プログラムを一緒につくりな がら歩んできました。

 その検証も含めて、この場で皆さんにお話をさせていただき、議論をした結果 をまとめていくという作業をやるとともに、29 日の全国フォーラムでの当班の 分科会につなげたいと思います。全国フォーラムでは、社会福祉の専門家、

NPO、NGO の専門家、そして国の政策にもかかわるので、文化庁からも日本語 教育の担当調査官に来ていただく予定です。なぜ福祉の専門家の方を、あるいは NGO の方をお呼びする予定にしたか。日本語教育が必要であることはみんなわ かっていても、外国から来た方がどこかに住まいを持って生活をしはじめると、

最初はやはり医療の問題や社会福祉にかかわる問題から困ったことが起きたり、

いろいろ相談が始まったりします。そんな中で、その地域の国際交流あるいは多 文化化に向けての水際、最先端の場として、日本語教室というのがあって、日本 語教育という問題が顕在化してくるというわけです。

 そうした背景を踏まえて、日本語教育のプログラムを展開する際の基礎となる ような人材の養成、あるいは研修をする必要があります。そこにかかわるプロの 教師の方がいらっしゃるかもしれません。一方で、ボランティアで教育活動にか かわる方やボランティアで交流活動にかかわる方など、いろいろな方がいると思 います。その研修プログラムをどう企画するのか、あるいは教室をつくる場合は どういう教育内容にしてどういう流れにするのか。年間を通したプログラムでど のような工夫が必要なのかということを我々は考えてまとめていきたいと思って います。

 最終的には、そこに住んでいる外国人の方が、人間として最低限の暮らしをす る上での総合的で福祉的な問題と、とてもかかわりがあると 思っています。これについては、言語学では最近「福祉言語 学」という分野ができつつあります。福祉あるいは社会福祉 の観点から言語の問題、日本語教育の問題を考えていくとい う発想です。我々はその発想を忘れずに、日本語教育のプロ グラムをつくっていくときにどうしたらよいのかということ を考えられればと思っています。

 そこで今日は、まず最初に、モンコンチャイ・アッカラチャ イさんをご紹介します。タイからの留学生で、我々のグルー プにも協力をいただいている方です。いわゆる制度的な教室

野山 広

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での学習の体験を十分にお持ちですが、一方で彼は、西東京市のボランティアに よって運営されている教室でも学んだ経験を持っていて、そこから見えてきたこ とについて、最初に話をしていただきます。

 地域の現場の場合、主体的に最も重要なところにいらっしゃるのは、生活者で ある学習者の方です。そのお話、経験、意見を踏まえた上で、今日のこのフォー ラムを始めていければという理由で、まず最初にモンコンチャイ・アッカラチャ イさんのお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

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