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マルクス派離散時間モデルの構造

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Academic year: 2022

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(1)

マルクス派離散時間モデルの構造

金   江       亮

はじめに

 [1][2]は,マルクス経済学を現代の最適成長論の観点から取り扱ったものである。労 働を唯一の本源的生産要素とする資本財生産部門と消費財生産部門の 2 部門モデルである ことから,マルクス派最適成長モデルと定義している。社会ないし代表的個人の最適化の 観点を明示的に取り入れたところや,線型で無く新古典派生産関数を採用しているところ が,従来のマルクス経済学と異なるところである。[1]の数学付録で,その数理モデルを 経済学的な意味とともに解説した。[3][4][5]では,その数理モデルを多部門にして一 般化し,経済学的意味を説明した。特に[3]では離散時間モデルを,[4][5]では連続時 間モデルを取り扱った。

 これまで,マルクス派最適成長論の先行研究では,連続時間モデルを用いることが多かっ た。それは,単純に,連続時間モデルの方が計算が楽で扱いやすいというのが大きい。[10]

[11]では離散時間モデルが使われているが,[10]は 2 階級モデル,[11]はある時点で新 技術が登場するモデルで,離散時間の方が定式化しやすいからそうしただけで,特段の意 味はない。

 本質的にはどちらも同じことではある。[3]において,離散時間モデルにおいて時点間 の間隔を限りなく 0 に近づけると,連続時間モデルに一致することを示している。それで 私自身も,両者の差を気に留めることはなかった。

 しかし,離散時間でなければならないケースがあることに,最近気づいた。近年,マル クス価値論において新解釈学派という有力な学説が特に欧米で出てきている。特にその中 の TSSI(Temporally Single System Interpretation,時間的単一体系解釈)は,再生産の 投入時と産出時で価格が変わることを前提とし,いわば投入時を費用価格,産出時を生産 価格とみなし,利潤率の計算においては時価でなく,簿価で測らなければならない,簿価 で測れば,新技術の採用により利潤率が上昇するという置塩定理は成り立たず,利潤率は かならず低下する,と主張している。現実経済で例えるなら,windows XP がサポート切れ となっても,パソコンが問題ないので使い続けた場合,利潤率は 20 年前に買った windows XP の購入時の価格を費用価格として計算しなければならない,ということである。過去の パソコンや OS は,急速に減価していくが,購入時に高かったのならば,それを元に簿価で 計算せよ,ということである。少し適切でないかもしれないが,たとえるなら企業の資産

キーワード:新解釈学派,TSSI,マルクス派最適成長論,離散時間モデル,連続時間モデル

(2)

評価を測るのに,現時点での時価で測るのか,帳簿上の価格で測るのかの違いである。

 この TSSI をマルクス派最適成長論の枠組みで検討するためには,投入産出が瞬間の 1 時 点で常に行われる連続時間モデルよりも,1 期かかる離散時間モデルの方が適切である。

 [3]で一般的に,離散時間モデルを取り扱ってはいるが,社会計画者モデルであり,分 権経済モデルは取り扱われていなかった。そこで本稿では,分権経済モデルを扱う。[3]

ですでに述べられているところもあるが,本稿を自己完結的にするため,重複する部分も ある。

離散時間モデル

 離散時間の,マルクス的な 2 部門最適成長モデルを考える。“ マルクス的 ” というのは,

資本財・消費財の 2 部門であることと,労働が唯一の本源的生産要素ということからそう 呼んでいる。具体的には以下の形である。

       (1)

  こ こ で,   期 に お い て,   は 消 費 手 段,   は 資 本 財,   は 総 労 働 を 表 す。 ま た,

   はそれぞれ,消費財,資本財の生産関数であり,連続微分可能とする。

 本モデルでは,  期において生産を行って生産物も  期内に得られるものと設定して いる。  期首には資本   ,労働  だけ存在し,  期中に生産・消費が行われ,  期末に は資本   ,労働   だけ存在するとする。正確に言うと,下図で   期末,時点  ,  期首はほぼ同時点で,同じ資本   ,労働  だけ存在するが,   期末は   期に属し,

(3)

 期首は  期に属するので消費財価格,資本財価格,資本レンタル,賃金,時間選好率,減 価償却率は 1 期ずれる。文字の右下の添え字が   から  になっており,期末から期首に 移る瞬間に変わる。

 (1)の制約条件   内の第 1 式は,   期首に存在する資本   を消費財生産部門へ   ,資 本財生産部門へ   だけ配分することを表している。第 2 式は労働  を消費財生産部門へ  ,資本財生産部門へ   だけ配分することを表している。第 3 式は,消費財生産部門にお いて,   期首に資本   ,労働   を投入して   期末に消費財  を得ることを表している。

これは   期末にすべて消費する。消費財は 1 期しかもたないと思えばよい。第 4 式は,資 本財部門において,   期首において資本   ,労働  を投入して   期末に資本   を得る ことを表している。資本の減価償却   は,この   期の生産活動中に起きる。

 なお,この 4 式は不等式で書いてあるが,意味内容を分かりやすくするためでもあるが,

実際上は等号で成立する。使用できるものは使用してしまう方が明らかに効率的だからで ある。また,本モデルは資本財も生産に使われているが,それでも本源的生産要素は労働 のみと考えられることは,参考文献[1][2]を参照のこと。

     は時間選好率,      は減価償却率を表す。ただし       と約 束する。        は時刻  と共に変化しうる変数である。       は各 時点で最適となるように経済主体が選択する変数(制御変数)である。

       であるから,これは  期の効用を 0 期まで割引いて評価していることを意味している。

 なお,通常のマルクス派最適成長論の先行研究では労働  ,時間選好率  ,減価償却率  とすべて定数にすることが多いが,本稿では各期で区別がつくように,一般的に各期で 変わる変数とした。こうすることにより,どの期の労働,時間選好率,減価償却率が影響 しているのか明確に分かる。本稿の定式化の方が数学的・経済学的にはより一般的である。

         は目的関数であり,これを最大にすることが目標である。

 この最適化問題を解くために,   内の制約条件をそれぞれ移項して  資本財資源制約           

 労働資源制約              消費財生産               資本蓄積方程式           

にそれぞれラグランジュ乗数       をかけて,目的関数に足し合わせたラグランジ

(4)

アン(H)を次のように定義する。なお,ラグランジアンは  で表す方が自然だが,労働 と混同するため   とした。

 このラグランジュ乗数は,それぞれ経済学的な意味がある。    は効用であるが,こ こではそれを円で表わされていると考える 1 )。たとえば,1 個 500 円の桃だが,おいしさ は 1000 円だ,というようなものである。そうするとラグランジュ乗数は,   期において,

  は消費財 1 単位の価格,   は資本財 1 単位の価格,  は資本財のレンタル価格,  は労 働の賃金率という経済学的意味だと考えることができる。

 それぞれ   期において,    は効用の貨幣単位の表現,          は余剰消費 財の総価格,        は余剰資本財の総価格,         はレ ンタルせずにおかれている資本財の,本来なら得られていたはずのレンタル総価格(機会 費用),        は余剰労働の,本来なら得られていたはずの総賃金(機会費用)で ある。

 また,   は割引率であるが,利子率と思うことができる。

 要するに,ラグランジアンの { } の中身は,   期における総資産のようなものを表わして いる。「のような」としたのは,効用も資産に含めていたり,実際は得られていない機会費 用も入っていたりするからである。

 ただし,最適な状態ならば,機会費用は発生しないから,実際はラグランジアンの { } の 中身は    しか残らない。

 このラグランジアンを使えば,上で設定された制約条件付き最適化問題を制約条件とい う複雑な問題を,制約条件無しの最適化問題に変換することができるのである。すなわち,

上記のラグランジアンの 1 階条件である

        

1) 参考文献[1]~[5]などでは,逆にラグランジュ乗数の方を効用単位で測って解釈した。どちら でもよいが,すべて「円」に統一した方が分かりやすいかと本稿ではこう扱った。

(5)

を考えればよい。厳密には難しいところがあるが,形式的には以下のように通常のラグラ ンジュ乗数法と変わらない。このラグランジアン(H)は

       

と書き換えられるので,その 1 階条件は

       

      (2)

となる。

 1 階条件の第 1 式は,賃金率が消費財生産,資本財生産における労働の限界生産性と等し いことを示している。第 2 式は,資本のレンタル価格が,消費財生産,資本財生産におけ る資本の限界生産性に等しいことを示している。第 3 式は,消費財価格が消費の限界効用 に等しいことを示している。第 4 式は,    期末において   円を持っているとき,左辺は,

利子率   で運用した場合の   期末の評価額であり,右辺は,その   円で    期末に資 本財 1 単位を購入して   期中にレンタルした場合の   期末の評価額を表している。ここで,

   期末の資本財価格は   でなく   であり,利子は   期中に得られるので利子率は   でなく   であることに注意せよ。資本を 1 単位レンタルすると   期中において   円 を得られ,また所有する資本は   期中に   だけ減価するので,   期末には資本    単位 となり,価格では      円である。この両者が等しいということは,この式は   期末 において成り立つ資本市場の裁定条件を意味している。

 なお,解くだけなら不要であるが,ラグランジュ乗数での 1 階条件も経済学的な意味が ある。

(6)

       

 直ちに分かるように,それぞれ元々の制約条件が出てくる。これが 1 階条件として出て くるのは,次のように考えると自然である。

 ラグランジアンを見ると,消費財価格   が 1 円上昇したとき,消費財の余剰分        だけ経済全体の価値が増し,資本財価格   が 1 円上昇したとき,資本の余 剰分        だけ経済全体の価値が増し,資本財のレンタル価格   が 1 円上昇したとき,資本の不完全利用分        だけ経済全体の価値が増し,労働の 賃金率   が 1 円上昇したとき,労働の不完全利用分       だけ経済全体の価値が増 すことを表している。最適な経済状態ならば,余剰や不完全利用がないはずなので,ちょ うど資源制約が等号で成り立っている。

 なお,このことからも,ラグランジアンは割引を考慮した上で,経済全体の価値,要す るに国民所得を無限期まで総計したものであると考えることができる。

名目予算制約式

 (2)の第 4 式から,分権経済モデルで成り立たなければならない名目予算制約式を導き 出せる。ここからは,消費財・資本財の生産関数に一次同次を仮定する。このとき,社会 計画者の最適化と分権経済での最適化が一致するはずである(厚生経済学の第 1 基本定理)。

 まず,消費財・資本財の生産関数が一次同次なのでオイラーの公式より

       

となる。ここで,    の右下の添え字は偏微分を表わす。(2)の第 1 式,第 2 式と(1)の   内の第 4 式を合わせると

       

(7)

が成り立つ。この 2 式を辺々足し合わせて

          (3)

が得られる。

 (2)の第 4 式の両辺に   をかけて

       (4)

 (3)から(4)を辺々引いて整理すると

       (5)

 これは,   期の予算制約式を表わしている。まず左辺を考える。   期末において資本は    単位存在し,   期内なので価格は   円で,   期末での資産残高は    円である。次 に右辺であるが,    期末において資本は   単位存在し,それがそのまま   期首におけ る資本量となる。   期末における資本財価格は   円であり,     円は   期末に おける資産残高である。それが   期に移った際に,   期における利子率   で資産が増えて,

  期首に資産残高は        円となる。    は   期内に消費した消費財総量の価格,

   は   期内に得た賃金である。結果,右辺全体で,   期末における資産残高を表わして いる。

   期末における資産残高を       とおくと(5)は

       (6)

となる。

実質予算制約式

 消費財をニュメレールとする。   期末における資産残高を  ,(実質)利子率を  ,(実 質)賃金率を   とする。実質値なので ~ をつけて表わしている。

 実質予算制約式は         となる。   期末の資産   を利子率  で運用して      となり,消費財を   購入し消費し,   だけ労働して賃金    を 得て,結果   期末の資産が   となる。

(8)

          を代入すると

       (7)

 (6)(7)が一致するためには

       (8)

でなければならないが,これを整理すると        が得られる。

 これは,[1]p.336 にある,連続時間モデルの場合の       に対応する。

 左辺が違っているように見えるが,  は   期の実質利子率であり,これは   期の消費財 がニュメレールであるから,消費財価格が   期から   期にかけて    倍になっている から,     は   期の消費財を基準としたときの   期の実質利子率である。

 ともかく,          が分権経済モデルから導き出せれば,社会計画者モデルと 分権経済モデルが一致することが分かる。

分権経済モデル  分権経済モデルを考えてみよう。

       

 家計は,利子率  ,賃金率   を所与として,消費する消費財量  と投入する労働量   を決定する。まず,労働量は最大の   だけ投入するのが最適なのは明らかである。こ のモデルでは,労働が不効用として扱われていないため,労働投入を増やすほど資産が増え,

それにより消費できる消費財量も増えるからである。よって,以下では労働量は   とする。

 ラグランジアンを

(9)

       

とおく。1 階条件は

       

 これから        が得られる。

 ところが(2)の第 3 式より       だから,これは(8)と一致する。よって,離 散時間モデルの場合でも社会計画者モデルと分権経済モデルは一致する。これは厚生経済 学の第 1 基本定理であるが,それがマルクス派最適成長モデルでも成立することを確認で きた。

連続型モデルへの書き換え

 次に,これに対応する連続型モデルを考えたい。それは,離散モデルの 1 期を限りなく 短くとれば出てくるはずである。

 そこで,1 期を n 等分することにする。すなわち,     期ごとに細かく分割して考え る。このとき,1 期当たりの割引率   は   ,減価償却率   は   ,消費から得られる効 用    は     になる。また,各   期ごとの生産量も   ずつになる。

                 

       (9)

となる。

(10)

 ここで      とあるのは,   の総和を        と     刻みで取っているという意味である。   についても同様であるが,こちらは     としている。

 目的関数の   の中身を         とおくと

       

       のとき        

(11)

となる。ただし         を用いた。

 (9)の   内第 3 式はもちろん,        になる。

 (9)の   内第 4 式は,

               

      として        となる。

 すると結局,以下のように書き直せる。

       

 1 階条件も,同様にして導き出せる。離散モデルの場合の 1 階条件(2)の 4 式のうち,

第 1 式から第 3 式はそのまま成り立つ。問題は第 4 式(資本市場の裁定条件)であり,こ れを変形する。

        を  等分すると

        

     として

            

(12)

 この式は意味内容は本質的には離散モデルの場合と同じであるが,直接こう考えると分 かりやすい。この式は資本市場の裁定条件を表している。いま,資産   円を運用したいと する。        は,資本財 1 単位を購入し運用した場合の収益を表している。   は 資本財のレンタル価格であり,    は減価償却分であり,   はキャピタルゲイン(ロス)

である。一方,    は利子率  で運用した収益を表している。どちらで運用しても収益は 同じでなければならないことを意味している。

 また,(5)の予算制約式は     刻みでは

       

となる。これを変形すると        

     として               とおくと

        となり,連続時間モデルの予算制約式が導かれる。

 以上のように,離散時間モデルと連続時間モデルが自然とつながっていることが分かる。

結 語

 連続時間モデルでは時点   のみであり,投入時と産出時で価格が変わることを気にしな くてもよかったが,離散時間モデルの場合は,時点が      で期間が    期,   期と 表れて,投入時と産出時で価格も異なりうるため,混乱しやすい。

 本稿では簡単ではあるが,その経済学的意味を調べられた。これにより,投入時と産出 時の価格の関係式を求められるので,この離散モデルを元にして,投入時を費用価格,産 出時を生産価格として利潤率を計算するなどして,新解釈学派の様々な命題が成り立つの かを扱いたいが,残念ながらそこまで進めなかった。それは次の機会としたい。

(13)

※ 本稿は,桃山学院大学総合研究所による 2020 年度特定個人研究費の支援によってなされた研究成果で ある。

参考文献

[ 1 ]大西広(2020)『マルクス経済学[第 3 版]』慶應義塾大学出版会。

[ 2 ]金江亮(2013)『マルクス派最適成長論』京都大学学術出版会。

[ 3 ] 金江亮(2018)「離散的動学的最適化問題の経済学的意味」桃山学院大学経済経営論集第 60 巻第 2 号 pp.79-85。

[ 4 ] 金江亮(2020)「最適制御問題の経済学的解釈(1)」桃山学院大学経済経営論集第 62 巻第 2 号 pp.47-59。

[ 5 ] 金江亮(2021)「最適制御問題の経済学的解釈(2)」桃山学院大学経済経営論集第 62 巻第 4 号 pp.417-433。

[ 6 ] 森本壮亮(2010)「『前貸経済学』としての “Temporal Single System Interpretation” : 学説史的視 点からの一評価」京都大学経済論叢第 184 巻第 4 号 pp.57-70。

[ 7 ] 森本壮亮(2014)「『資本論』解釈としての New Interpretation」季刊経済理論第 51 巻第 3 号 pp.54- 64。

[ 8 ] 森本壮亮(2017)「TSSI による置塩定理批判について」桃山学院大学経済経営論集第 58 巻第 4 号 pp.101-128。

[ 9 ] 森本壮亮(2017)「労働価値説再考 : 諸新解釈の労働価値説」三田学会雑誌第 110 巻第 2 号 pp.145- 166。

[10] 山下裕歩(2005)「新古典派的『マルクス・モデル』における Roemer 的「搾取」の検討」季刊経 済理論第 42 巻第 3 号 pp.76-84。

[11] RoxangulWufure, 金江亮(2009)「3 部門『マルクス派最適成長論モデル』と強蓄積期間」京都大学 経済論叢第 183 巻第 1 号 pp.79-87。

(2021 年 11 月 24 日受理)

(14)

The Structure of Marxian Discrete-Time Models

Ryo Kanae

 Until now, previous studies of Marxian optimal growth theory have often used a continuous time model. The reason for this is simply that the continuous-time model is easier to calculate and handle. In essence, both are the same thing. In a previous study, it was shown that if the interval between points in a discrete-time model is as close to zero as possible, it is consistent with a continuous-time model.

 However, I have recently realized that there are cases where discrete time is the only way to go. In recent years, a new school of interpretation has emerged in Marxian value theory, especially in Europe and the United States. In particular, TSSI (Temporally Single System Interpretation), which assumes that prices change between the input and output stages of reproduction, considers the input stage as the cost price and the output stage as the production price. They argue that if the profit rate is measured by book value, Okishio’s Theorem, which states that the profit rate increases with the adoption of new technology, does not hold, and the profit rate must always decrease. In order to examine this TSSI in the framework of Marxian optimal growth theory, we must use a discrete- time model that takes one period, rather than a continuous-time model in which input- output always takes place at one instant in time.

 Although previous studies have generally dealt with discrete-time models, they have been social planner models and not decentralized economy models. Therefore, this paper deals with the decentralized economy model.

Keywords : New School of Interpretation, TSSI, Marxian optimal growth theory, discrete- time model, continuous-time model

参照

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