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2 Effects of the exposure time of stimulus, the level of anxiety, and the serial position on the attentional bias to the threat-related information SA

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(1)

刺激呈示時間・不安水準・系列位置が脅威関連情報に対する

1)

注意バイアスに及ぼす効果

坂本正浩

2)

Effects of the exposure time of stimulus, the level of anxiety, and the serial position on the attentional bias to the threat-related information

SAKAMOTO, Masahiro

Abstract

Previous research has established that clinical anxious and non-clinical anxious people demonstrate impaired performance on the experimental task when a visual threat-related stimulus was presented as a distractor. This phenomenon has been called "attentional bias" to the threat-related information. In the present study, presentation time of visual stimuli as a distractor were manipulated within the limits of more than a threshold, and the effect of the time on occurence of an attentional bias was examined. Also, all subjects were assigned to either high anxiety group or low anxiety group with the level of trait and state anxiety separetedly, and the effect of the level of anxiety on occurence of an attentional bias was examined. Furthermore, ups and downs of an attentional bias by serial position reported by Sakamoto (2000) were also considered. The result of the present study demonstrated that an attentional bias occurred only when the destractor was presented for short time to high anxious subjects (this effect was clearer in high state anxious participants than in those of high trait anxious). Moreover, the effect of attentional bias was risen and fallen greatly by the serial position. In the present study, however, the number of subjects was not sufficient and it was difficult to secure sufficient high accuracy about the presentation time of a stimulus because of qualification of an apparatus. It is necessary to reexamine the effects under more strict conditions.

問題と目的

(2)

あるいは状態不安の高い非臨床群で主課題の成績が損なわれる事実が報告されてきた。これは、 ディストラクタとして呈示された脅威関連刺激に対して非意図的に選択的な処理が行なわれた ためであると考えられ、脅威関連情報の処理における注意バイアス(attentional bias)の効果 と呼ばれてきた。 さて、注意バイアスの効果を扱ったこれまでの研究では、被験者の性質の効果(e.g., 臨床的 不安者群 vs. 特性不安の高い非臨床群)や刺激の呈示時間の効果などが検討されてきた。被験 者の性質については、臨床的不安者群(e.g., Mogg, Mathews, & Weinman, 1989; Watts, McKenna, Sharrock, & Trezise, 1986; Ehlers, Margraf, Davies, & Roth, 1988; McNally, Riemann, & Kim, 1990; Hope, Rapee, Heimberd, & Dombeck, 1990; McNally, Kaspi, Riemann, & Zeitlin, 1990; Cassiday, McNally, & Zeitlin, 1992; Foa, Feske, Murdock, Kozak, & McCarthy, 1991; Martin, Williams, & Clark, 1991; MacLeod, Mathews, & Tata, 1986)でも特性不安の高い非臨床 群の一部(e.g., MacLeod & Mathews, 1998; Mogg, Mathews, Bird, & Macgregor-Morris, 1990b; Richards, & Millwood, 1989, Mogg & Marden, 1990)でも同様の注意バイアスの効果が報告さ れてきたが、特性不安の高い非臨床群については必ずしもこの効果は再現されていない(e.g., Martin et al., 1991)。また、Mathews & MacLeod(1985)やMogg et al.(1990, Experiment 1) のように状態不安の高い被験者で注意バイアスの効果が増大した事実も報告されており、非臨 床群を対象としてこれまで得られてきた知見の不整合は、特性不安の高さよりも実験場面で経 験された不安の程度に依存している可能性がある。実際、脅威関連刺激の性質によっては、特 性不安の効果が認められず、状態不安の効果のみが確認された事実や(Mogg et al., 1990, Experiment 2)、状態不安の高さが特性不安の高さに加算的に働いたと考えられる事実 (MacLeod & Mathews, 1998)も報告されている。

また、ディストラクタである脅威関連刺激や中性刺激の呈示時間については、これまでのと ころ、それらの刺激閾を基準とした呈示時間の設定が行なわれてきた。すなわち、脅威関連刺 激(あるいは、中性刺激)が閾下呈示される事態と閾上呈示される事態とが設けられてきた。 たとえば、MacLeod & Rutherford(1992)は、特性不安の高い被験者群と特性不安の低い被験 者群を、それぞれ刺激が閾上呈示される条件、あるいは閾下呈示される条件のいずれかに配置 した。また、実験の実施時期を学力試験の 1 週間前、あるいは 6 週間後に設定することにより、 前者を高ストレス条件、後者を低ストレス条件とした。これらの被験者に対して修正版情動ス トループ課題を実施したところ、閾下条件では、高ストレス条件におかれた高特性不安者は、 高ストレス条件におかれた低特性不安者に比べ、中性語よりも脅威語の色命名に対してより長 い潜時を示した。これに対して、閾上条件では、高ストレス条件におかれた高特性不安者と低 特性不安者との間に差は見られなかった。こうした結果について、これまでの研究では、閾下 呈示条件で得られた結果は刺激に対する自動的処理過程(automatic process)を反映し、閾上 呈示条件で得られた結果は刺激に対する意識的処理過程(conscious process)を反映するもの

(3)

として説明されてきた。たとえば、MacLeod & Rutherford(1992)は、高ストレス条件下の高 特性不安者も臨床的な不安患者も等しく脅威関連情報に対する選択的な処理を示すものの、高 特性不安者では、臨床的な患者とは異なり、自動的なバイアスの情動的影響を低減することが できるのではないかと考察している。また、鵜木(1999)は、刺激を閾下呈示する条件と閾上 呈示する条件に加え、「意識が作用し始める段階(P.45)」として、被験者ごとに設定された閾 値近傍での刺激呈示を行い、閾値近傍条件では、閾下条件とも閾上条件とも異なる結果のパタ ンが得られた事実を報告している。このように、これまでの研究では、刺激呈示時間の問題は 常に閾値との関連から検討されてきたといえる。 ところで、刺激に対する自動的な処理過程と意識的な処理過程という二過程説(two process theory; Posner & Snyder, 1975)は、1970 年代後半に行なわれた多くのプライミング実験によ って実証されてきた。たとえば、Neely(1977)は、プライムとターゲットの意味的カテゴリ が一致する条件と、プライムとターゲットの意味的カテゴリは一致しないが、特定のプライム が特定の意味的カテゴリと対にされている条件を設けた。それぞれの組み合わせについて十分 な学習を行なわせた後、本試行を実施したところ、stimulus onset asynchrony(SOA)が長い 場合には、いずれの条件でも反応が促進されるが、SOA が短くなると、プライムとターゲット の意味的カテゴリが一致する条件でのみ反応が促進される事実が示された。これは、自動的処 理過程と意識的処理過程の生起時間に関する両者の性質を反映する結果であるといえよう。こ うした実験結果は、自動的処理過程は意識的注意とは無関係にすばやく生起するが、続いて生 起する意識的処理過程が自動的処理過程とは別の目的に方向づけられている場合、ある程度の 時間があれば意識的な注意による制御が可能となることを示唆している。 さて、脅威関連情報に対する注意バイアスについても、こうしたプライミング課題と同様の 現象の生起が予測されよう。すなわち、不安者はディストラクタである脅威関連情報に対して 自動的に注意をシフトさせるが、ある程度の時間があれば、そこから注意を逸らすことが可能 であると考えられる。その結果、後続の主課題への影響は減少、あるいは消失することが予測 される。そこで、本研究では、以下のような仮説を設けた。 1. 注意バイアスの効果は、主課題に先行して呈示されるディストラクタ刺激の呈示時間が短 い事態(i.e. SOA が短い事態)でのみ生起する。したがって、ディストラクタ刺激の呈示 時間が十分に長い事態(i.e. SOA が長い事態)では、その効果は消失する。 2. 注意バイアスは不安水準の高い被験者群においてのみ生起する。また、この効果は特性不 安の高い被験者群よりも、状態不安の高い被験者群において顕著である。 また、注意バイアスの効果の系列位置による変動を報告した坂本(2000)の結果を受けて、 以下のような仮説を設けた。 3. 注意バイアスの効果は、実験セッション中の系列位置により変動する。変動の具体的様態 については、特に仮説を設けない。

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予備調査 本実験で使用する単語リストを作成する目的で、以下の予備調査を行った。まず、“現代雑 誌九十種の用語用字”(国立国語研究所, 1962)より、脅威語の候補 65 語、および中性語の候 補 31 語を選出した(Appendix 参照)。次に、これらの語を見たときにどのくらい恐れを感じる かを、大学生・大学院生 41 名に“非常に感じる”から“まったく感じない”までの 7 件法で回 答させた。これらの回答について、“非常に感じる”を 7 点、“まったく感じない”を 1 点とし て、語毎に評定値の算術平均を求めた。その結果、評定値の最も高かったものから 10 語を脅 威語、評定値の最も低かったものから 10 語を中性語として使用することとした。これらの平 均評定値と標準偏差を Table 1 に示す。 予備実験 本実験の制御に使用するパーソナルコンピュータが画面上の刺激の書き替え処理に要する時 間を調査する目的で、以下の予備実験を行った。本実験では画面上に継時的に異なる刺激が呈 示されるが、予備実験では本実験で使用するものと同型のパーソナルコンピュータ(NEC PC-9821Xa20)を用い、本実験と同様の書き替え処理を行なわせた。本実験の試行数と同じ 100 回 の測定を行ったところ、1 回の書き替えに要した時間は、平均 55.74ms であり、標準偏差は 4.78 であった。また、最小値は 48ms であり、最大値は 79ms であった。Figure 1 に処理時間の Table 1

Mean threat ratings of the words presented in the experiment. Neutral words Threatening words

Words M SD Words M SD 種類 1.37 0.58 殺人 5.98 1.47 午後 1.46 0.78 死刑 5.95 1.50 材料 1.51 0.78 処刑 5.90 1.09 記念 1.54 1.07 自殺 5.90 1.20 輸出 1.56 0.78 死亡 5.88 1.47 現在 1.56 1.03 復讐 5.83 1.39 紹介 1.63 0.94 襲撃 5.78 1.31 場所 1.63 0.86 憎悪 5.73 1.28 方法 1.66 0.94 死体 5.71 1.23 方向 1.66 0.96 乱暴 5.68 1.35

(5)

ヒストグラムを示す。 上の結果より、本実験では、1 回の刺激の書き替えに平均 56ms の処理時間を要するものとし て、刺激呈示時間の設定を行った。したがって、以降はプログラム上の刺激呈示時間に 56ms を加えた時間を刺激呈示時間として記述する。3) 本実験 方法 被験者 正常な視力を有する女子大学生42名。平均年齢は19.55歳(SD=0.80)であった。 デザイン 不安群(高特性不安・低特性不安)×刺激呈示時間(短時間呈示・長時間呈 示)×刺激のタイプ(脅威語・中性語)×系列位置(5 ブロック)の 4 要因計画。および、不 安群(高状態不安・低状態不安)×刺激呈示時間(短時間呈示・長時間呈示)×刺激のタイプ (脅威語・中性語)×系列位置(5 ブロック)の 4 要因計画。いずれも、第 1 ・第 2 の要因は被 験者間変数、第 3 ・第 4 の要因は被験者内変数であった。 装置 実験の制御、および反応の記録には、パーソナルコンピュータ(NEC PC-9821Xa20) を用いた。また、刺激呈示装置として、15 インチ CRT ディスプレイ(NEC PC-KM153R2)を 用いた。実験実施時のディスプレイの解像度は VGA(640-by-480 pixels)であった。ディスプ レイから被験者までの距離は、約 39cm であった。 刺激 ターゲットとして塗り潰した円を用い、ディストラクタとして予備調査で決定された 中性語、および脅威語(各 10 語)を用いた。中性語、脅威語はともに、すべて二字熟語であ った。刺激の背景色は黒色であり、ターゲット、およびディストラクタはいずれも白色で呈示 した。 手続き 実験は集団で実施した。まず日本語版(大学生用)STATE-TRAIT ANXIETY 0 5 10 15 20 25 30 48495051 52535455 56575859 60616263 64656667 68697071 72737475 76777879 TIME IN MILLESECONDS FREQUENCIES

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INVENTORY(清水・今栄, 1981)を実施し、続いて実験を実施した。実験では、まず画面中 央に凝視点(視角にして、約 0.9 °× 0.9 °)を 256ms 呈示し、256ms の空白画面の後、画面中 央にディストラクタである脅威語、あるいは中性語(視角にして、約 6.7 °× 2.9 °)を呈示し た。ディストラクタ呈示時間は、短時間条件で 66ms、長時間条件で 256ms であった。続けて 画面の四隅のいずれかの位置にターゲットである塗り潰した円(視角にして、直径約 0.9 °) を 256ms 呈示した。画面の端からターゲットの中心までの距離は、視角にして、約 0.9 °であ った。これを 1 試行とし、脅威語呈示試行・中性語呈示試行を各 50 試行(1 ブロックにつき 10 試行ずつ)実施した。脅威語、および中性語の呈示順序はランダムであり、いずれも 2 試行連 続して呈示することはなかった。試行間インターバルは 1056ms であった。被験者には、画面 中央に呈示されるディストラクタは無視し、続いて画面の四隅のいずれかの位置に呈示される ターゲットを検出したら、可能な限り早く単一の反応キーを押すよう教示した。実験終了後、 呈示した刺激語について自由再生を行わせた。 結果 実験後の自由再生において、脅威語・中性語のそれぞれについて 1 語以上再生できなかった 被験者 7 名を分析の対象から除外した。また、装置の不具合によりデータの取得に失敗した被 験者 4 名を分析の対象から除外した。したがって、分析対象者は 31 名であった。 特性不安得点、および状態不安得点に基づく高低不安群への配置

実験前に実施した STATE-TRAIT ANXIETY INVENTORY の下位尺度である特性不安尺度、お よび状態不安尺度の得点に基づいて、被験者を高不安(HA)群、あるいは低不安(LA)群に 配置した。特性不安得点と状態不安得点の相関は、r = .68 であった。 まず、特性不安尺度の得点に基づく高低不安群への配置では、尺度得点が 51 点以上の者を HA 群とし、49 点以下の者を LA 群とした(Mdn = 49)。HA 群の平均得点は 55.67 点、LA 群の平 均得点は 44.19 点であり、不安群間の得点の差は有意であった(t(29) = 6.43, p < .001)。なお、 HA 群のうち、ST 条件に配置された者は 5 名、LT 条件に配置された者は 10 名であった。また、 LA 群のうち、ST 条件に配置された者は 6 名、LT 条件に配置された者は 10 名であった。次に、 状態不安尺度の得点に基づく高低不安群への配置では、尺度得点が 44 点以上の者を HA 群とし、 43 点以下の者を LA 群とした(Mdn = 43)。HA 群の平均得点は 50.13 点、LA 群の平均得点は 37.44 点であり、不安群間の得点の差は有意であった(t(22)= 5.97, p < .001)。なお、HA群の うち、ST 条件に配置された者は 5 名、LT 条件に配置された者は 10 名であった。また、LA 群の うち、ST 条件に配置された者は 6 名、LT 条件に配置された者は 10 名であった。特性不安得点 に基づいて高低不安群への配置を行なった際の各条件における反応潜時の平均値を Figure 2 に、状態不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった際の各条件における反応潜時の平

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均値を Figure 3 に示す。 反応潜時の分析 特性不安得点に基づく分析 不安群×刺激呈示時間×刺激のタイプ×系列位置の分散分析を 行ったところ、系列位置の主効果(F(4, 108)= 14.99, p < .001)、不安群×系列位置の交互作 用(F(4, 108)= 3.41, p < .03)、刺激のタイプ×系列位置の交互作用(F(4, 108)= 3.27, p < .03)、および不安群×刺激のタイプ×系列位置の交互作用(F(4, 108)= 4.18, p < .005)が有意 であった。 状態不安得点に基づく分析 不安群×刺激呈示時間×刺激のタイプ×系列位置の分散分析を 行ったところ、系列位置の主効果(F(4, 108)= 14.97, p < .001)、不安群×系列位置の交互作 380 400 420 440 460 480 500 520 540 560 580 600 1 2 3 4 5 BLOCKS

MEAN REACTION LATENCIES IN MILLISECONDS

HA-ST(N) HA-ST(T) HA-LT(N) HA-LT(T) LA-ST(N) LA-ST(T) LA-LT(N) LA-LT(T)

Figure 2. Mean reaction latencies in milliseconds. HA = high trait anxiety; LA = low trait anxiety;ST = short time exposure; LT = long time exposure; N (in parentheses) = neutral stimuli; T (inparentheses) = threatening stimuli. The value of each block is the median of 20 trials.

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用(F(4, 108)= 4.55, p < .005)、刺激のタイプ×系列位置の交互作用(F(4, 108)= 3.24, p < .03)、不安群×刺激呈示時間×刺激のタイプの交互作用(F(1, 27)= 4.93, p < .05)、および不 安群×刺激呈示時間×系列位置の交互作用(F(4, 108)= 3.01, p < .03)が有意であった。 注意バイアス得点の分析 脅威語呈示試行の反応潜時から中性語呈示試行の反応潜時を減じることにより注意バイアス 得点を求めた。特性不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった際の各条件における注 意バイアス得点の平均値を Figure 4 に、状態不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なっ た際の各条件における注意バイアス得点の平均値を Figure 5 に示す。 特性不安得点に基づく分析 不安群×刺激呈示時間×系列位置の分散分析を行なったとこ 380 400 420 440 460 480 500 520 540 560 580 600 1 2 3 4 5 BLOCKS

MEAN REACTION LATENCIES IN MILLISECONDS

HA-ST(N) HA-ST(T) HA-LT(N) HA-LT(T) LA-ST(N) LA-ST(T) LA-LT(N) LA-LT(T)

Figure 3. Mean reaction latencies in milliseconds. HA = high state anxiety; LA = low state anxiety;ST = short time exposure; LT = long time exposure; N (in parentheses) = neutral stimuli; T (inparentheses) = threatening stimuli. The value of each block is the median of 20 trials.

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ろ、系列位置の主効果のみ有意であった(F(4, 108)= 3.27, p < .03)。 状態不安得点に基づく分析 不安群×刺激呈示時間×系列位置の分散分析を行なったとこ ろ、系列位置の主効果(F(4, 108)= 3.24, p < .03)、および不安群×刺激呈示時間の交互作用 (F(1, 27)= 4.93, p < .05)が有意であった。 分析結果の比較 反応潜時の分析結果の比較 特性不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった場合、 状態不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった際に認められた不安群×刺激呈示時 間×刺激のタイプの交互作用が認められなかった。また、特性不安得点に基づいて高低不安群 への配置を行なった際に認められた効果はすべて、状態不安得点に基づいて高低不安群への配 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 1 2 3 4 5 BLOCKS

MEAN ATTENTIONAL BIAS SCORES

HA-ST HA-LT

LA-ST LA-LT

Figure 4. Mean attentional bias scores. HA = high trait anxiety;

LA = low trait anxiety; ST = short time exposure; LT = long time exposure. The value of each block is the median of 20 trials.

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置を行なった際にも認められた。 注意バイアス得点の分析結果の比較 特性不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なっ た場合、状態不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった際に認められた不安群×刺激 呈示時間の交互作用が認められなかった。また、特性不安得点に基づいて高低不安群への配置 を行なった際に認められた効果はすべて、状態不安得点に基づいて高低不安群への配置を行な った際にも認められた。 Figure 2 − 5 に示したとおり、高低不安群への被験者の配置を特性不安得点に基づいて行な った場合と、状態不安得点に基づいて行なった場合とでは、全体の傾向に大きな違いは見られ なかった。しかしながら、分散分析では、特性不安得点に基づいて高低不安群への配置を行な -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 1 2 3 4 5 BLOCKS

MEAN ATTENTIONAL BIAS SCORES

HA-ST HA-LT

LA-ST LA-LT

Figure 5. Mean attentional bias scores. HA = high state anxiety;

LA = low state anxiety; ST = short time exposure; LT = long time exposure. The value of each block is the median of 20 trials.

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った場合、状態不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった際に認められた効果の一部 が認められなかった。また、特性不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった際に認め られた効果はすべて、状態不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった際にも認められ た。このため、下位検定については、状態不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった 分析についてのみ報告する。 下位検定:反応潜時 不安群×刺激呈示時間×刺激のタイプの交互作用における単純・単純主効果 不安群×刺激 呈示時間×刺激のタイプの交互作用における単純・単純主効果の検定を行ったところ、HA 群 の脅威語呈示試行では刺激呈示時間の単純・単純主効果が有意であり、LT 条件よりも ST 条件 で反応潜時の長い事実が示された(F(1, 54)= 4.48, p < .05)。また、HA 群の ST 条件では刺激 のタイプの単純・単純主効果が有意であり、中性語呈示試行よりも脅威語呈示試行で反応潜時 の長い事実が示された(F(1, 27)= 7.45, p < .03)。 不安群×刺激呈示時間×系列位置の交互作用における単純・単純主効果 不安群×刺激呈示 時間×系列位置の交互作用における単純・単純主効果の検定を行ったところ、ST 条件の第 4 ブ ロックでは不安群の単純・単純主効果が有意であり、LA 群よりも HA 群で反応潜時の長い事実 が示された(F(1, 135)= 5.48, p < .03)。また、ST 条件の第 5 ブロックでも同様の効果が認め られた(F(1, 135)= 4.50, p < .05)。さらに、HA 群の第 4 ブロックでは刺激呈示時間の単純・ 単純主効果が有意であり、LT 条件よりも ST 条件で反応潜時の長い事実が示された(F(1, 135) = 6.81, p < .03)。また、HA群の第4ブロックでも同様の効果が認められた(F(1, 135)= 5.21, p < .03)。さらに、不安群と刺激呈示時間の組み合わせにおけるすべての条件で、系列位置の単 純・単純主効果が有意であった(HA 群 ST 条件(F(4, 108)= 2.51, p < .05); HA 群 LT 条件(F (4, 108)= 4.01, p < .005); LA 群 ST 条件(F(4, 108)= 10.82, p < .001); LA 群 LT 条件(F(4, 108)= 5.59, p < .001))。Ryan法による多重比較を行なったところ、HA群LT条件、LA群ST条 件、および LA 群 LT 条件では、第 1 ブロックから第 5 ブロックにかけて漸進的に反応潜時が短 縮する事実が示された(MSe = 2983.78, p <.05)。HA 群 ST 条件では、いずれのブロック間でも Table 2

Mean reaction latencies in each group. Blocks

n 1 2 3 4 5

HA-ST 5 525.10a 473.60a 504.95a 531.70a 499.15a

HA-LT 10 471.20a 426.90b 424.98b 410.18b 392.88b

LA-ST 6 513.38a 496.13a 449.71b 422.71b 400.38b

LA-LT 10 550.55a 505.55b 491.75bc 477.73bc 459.83c

Note. Means in the same line that do not share subscripts differ at p < .05. HA = high state anxiety; LA = low state anxiety; ST = short time exposure; LT = long time exposure.

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有意な差は見られなかった。これらの詳細を Table 2 に示す。 下位検定:注意バイアス得点 系列位置の主効果の多重比較 系列位置の主効果について Ryan 法による多重比較を行なっ たところ、第 2 ブロックよりも第 1 ブロックで、また、第 2 ブロックよりも第 4 ブロックで注意 バイアス得点が小さい事実が示された(MSe = 2077.69, p < .05)。 状態不安×刺激呈示時間の交互作用における単純主効果 状態不安×刺激呈示時間の交互作 用における単純主効果の検定を行ったところ、ST 条件では不安群の単純主効果が有意であり、 LA 群よりもHA群で注意バイアス得点が大きい事実が示された(F(1, 27)= 5.10, p < .05)。こ れに対して、LT 条件では不安群による差は認められなかった。また、HA 群では刺激呈示時間 の単純主効果が有意であり、LT 条件よりも ST 条件で注意バイアス得点が大きい事実が示され た(F(1, 27)= 4.23, p < .05)。これに対して、LA 群では刺激呈示時間による差は認められな かった。 考 察 本研究では、閾上呈示となる範囲内でディストラクタとして呈示される脅威語、あるいは中 性語の呈示時間を操作し、これが注意バイアスの効果、すなわち、主課題であるターゲット検 出課題の成績に及ぼす影響を検討した。また、被験者を特性不安の高さ、および状態不安の高 さによって、低不安群、あるいは高不安群のいずれかに配置し、これらが注意バイアスの効果 に及ぼす影響を検討した。さらに、坂本(2000)で報告された、系列位置による注意バイアス の効果の変動についても併せて検討を行った。 本研究の結果、脅威刺激に対する注意バイアスの効果は、不安の高い被験者群において、短 時間のディストラクタの呈示を行なった場合にのみ認められた。これは、第 1 の仮説を支持す る結果である。本研究では、脅威刺激の呈示開始から 250ms ほどの時間で注意バイアスの効果 が消失する事実が示され、250ms という SOA が自動的に脅威関連情報に向けられた注意を解放 (disengage)するのに十分である可能性が示唆された。しかしながら、注意バイアスの効果の 持続時間に関する知見の蓄積はいまだ不十分であり、今後は SOA を系統的に操作することに より、さらに詳細な検討を行なう必要があろう。 また、高不安群の短時間呈示条件で見られた脅威刺激に対する注意バイアスの効果は、特性 不安得点に基づいて高低不安群への配置を行なった場合よりも、状態不安得点に基づいて高低 不安群への配置を行なった場合の方が顕著であった。これは、第 2 の仮説を支持する結果であ る。これまでの研究でも、非臨床群における特性不安の効果は必ずしも認められてこなかった が(e.g., Martin et al., 1991; Mogg et al., 1990, Experiment 2)、こうした一部の知見の不整合の 原因として、研究によって被験者を高特性不安群に配置する基準が異なっていた可能性が考え

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ら れ る 。 特 性 不 安 の 効 果 を 検 討 し た 研 究 の ほ と ん ど は 、 State-Trait Anxiety Inventory (Spielberger, Gorsuch, & Lushene, 1970)のような不安尺度における得点の相対的な高さを基 準としており、たとえば全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder: GAD)のような疾病 分類や診断基準が設けられているわけではない。したがって、研究によって、特性不安の高さ について被験者の分布が相当に異なっている可能性は無視できないであろう。本研究で示され たように、非臨床群を対象とする場合には、特性不安の高さよりも状態不安の高さの方が注意 バイアスの効果を確実に予測するのかもしれない。こうした結果の一因としては、非臨床的な 高特性不安者では、臨床的不安者に比べ、不安水準の変動が比較的大きい可能性が推測される が、この点については今後の検討が必要であろう。 また、注意バイアスの効果が認められた高不安群の短時間呈示条件では、実験セッション中 の系列位置により注意バイアス得点が大きく変動する事実が示された。これは第 3 の仮説を支 持する結果である。これまでの研究では、セッション中の系列位置による注意バイアスの効果 の変動の有無や、その様態は明らかでなかった。しかしながら、従来の研究が実施された全試 行の反応潜時の中央値(あるいは、対数変換値の算術平均)を分析の対象としてきたことを考 えると、これまで得られてきた結果が試行数の影響を大きく受けている可能性は十分に考えら れる(坂本, 2002)。同様の系列位置効果は、坂本(2000)でも報告されており、今後は系列位 置に関する効果の観点からも、これまで得られてきた知見を再検討する必要があろう。 本研究の結果、ディストラクタ刺激の呈示時間、および被験者の不安水準のいずれもが注意 バイアスの効果に大きな影響を及ぼす事実が示された。また、その効果が実験セッション中の 系列位置により大きく変動する事実も示された。特に、不安水準の高い被験者群に短時間のデ ィストラクタの呈示を行った場合、脅威刺激呈示試行の反応潜時がどの系列位置でも一貫して 長かったのに対して、中性刺激呈示試行の反応潜時が系列位置によって大きく変動した事実は 非常に興味深い。他のどの条件でも系列位置が後になるほど反応潜時が短縮した事実と照らし 合わせると、高不安群の短時間呈示条件では、系列位置に依存して注意バイアスの効果に影響 を及ぼす何らかの現象が生起していた可能性があるといえよう。この点についても、今後より 詳細な検討が必要である。また、本研究では、ターゲットの検出に対して単一のキーへの反応 を求めるという比較的単純な課題を用いた。これに対して、これまでの研究では、脅威語、あ るいは中性語の色命名を発声によって行なわせる修正版情動ストループ課題や、脅威語、ある いは中性語に続いて呈示されるドットの位置に対応したキーを選択して反応させるドットプロ ーブ課題など、本研究よりも複雑な課題を用いたものも多い。今後は、これらの先行研究で得 られてきた結果との比較を行なうため、これまで用いられてきたような要求内容の異なる様々 な課題について検討を重ねる必要があろう。さらに、今回の実験では被験者数が十分でなく、 また、装置の制限により刺激の呈示時間について十分に高い精度を確保することが困難であっ た。今回の実験で得られた知見について、より厳密な条件の下で再検討を行う必要があろう。

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Words used in the preliminary survey.

Threatening words Neutral words

犯罪 衝突 崩壊 事件 範囲 期間 乱暴 侵略 苦痛 地獄 機会 方向 拒否 絶望 興奮 自殺 基礎 場所 競争 憎悪 困難 病死 発想 午後 嫉妬 抵抗 混乱 負傷 技術 材料 襲撃 闘争 殺人 警告 文化 記念 皮肉 破壊 死刑 苦難 方法 現在 誤解 強盗 妨害 事故 記録 国際 処罰 爆発 暴露 窃盗 紹介 時代 出血 処刑 失敗 被害 発明 知識 批判 障害 発病 復讐 輸出 中央 敗北 高圧 圧迫 警戒 宣伝 程度 動揺 死体 危険 失望 相手 特徴 無知 抗議 脅迫 支配 意味 用意 劣等 暴力 緊張 死亡 言葉 種類 欠点 攻撃 苦悩 反撃 会話 強引

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脚 注 1)本研究の一部は、日本心理学会第66回大会において発表した。 2)本稿の作成にあたり御指導を賜りました、学習院大学の外山みどり教授に厚く御礼申し上 げます。また、本研究の実施に際し、東京学芸大学の杉森伸吉助教授に多大なご協力を賜 りました。記して心より御礼申し上げます。 3)本実験では垂直同期信号の監視を行なっておらず、刺激呈示時間について最大で垂直同期 周波数 1Hz 分の誤差が生じた可能性がある。本実験実施時の垂直同期周波数は 70Hz であっ た。したがって、刺激呈示時間について最大で約 14ms の遅延が生じた可能性がある。本研 究では刺激の閾下呈示を目的とはしていないため、刺激閾に関する問題はない。しかしな がら、今後より厳密な刺激呈示時間の制御を行い、本研究で見られた効果を再検討する必 要があろう。

Figure 1. Duration which redrawn a stimulus on a display screen in 100 trials.
Figure 2. Mean reaction latencies in milliseconds. HA = high trait anxiety;  LA = low trait anxiety;ST = short time exposure; LT = long time exposure;  N (in parentheses) = neutral stimuli; T (inparentheses) = threatening stimuli
Figure 3. Mean reaction latencies in milliseconds. HA = high state anxiety;  LA = low state anxiety;ST = short time exposure; LT = long time exposure;  N (in parentheses) = neutral stimuli; T (inparentheses) = threatening stimuli
Figure 4. Mean attentional bias scores. HA = high trait anxiety;
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参照

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