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福岡県政における海外青少年交流事業に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)福岡県政における海外青少年交流事業に関する研究 キーワード:福岡県政、江蘇省、海外青少年交流、青少年囲碁交流、歴史教科書 教育システム専攻 井上. 幸春. 1. 【目次】. の交流事業やスポーツ交流、音楽交流、技術交流、経済. 序章. 交流等がある。本研究では、青少年の教育交流事業の在. 本研究の概要. 第 1 節 研究目的. り方について考察するが、国・地方自治体が行っている. 第 2 節 研究方法. 事業の内容は様々である。「国際交流事業」、「青少年国. 第 3 節 先行研究の検討. 際交流事業」 、 「青年国際交流事業」などがあり、名称は. 第 4 節 本研究の意義. 類似しているが、若干意味合いが異なっている。国際交. 第 5 節 本論文の構成. 流事業とは、国レベルでは世界各国との交流を通じて、. 第1章. 日本における海外青少年交流事業. 相互理解と友好を深めていくことであるが、地方自治体. 第 1 節 日本政府の海外青少年交流事業. では、文化や教育面、更には、経済、技術支援等の交流. 第 2 節 地方自治体の国際交流事業について. を行う事業である。青少年国際交流事業とは、夏休みを. 第2章. 福岡県政における海外青少年交流事業. 利用し、何日間かのホームステイや訪問国の青少年施設. 第 1 節 福岡県政における海外青少年交流事業. やホテルに泊まり、異文化交流を行う事業である。日本. について. から外国へ行く場合を「派遣」と呼び、外国の青少年を. 第 2 節 福岡県政における海外青少年交流事業の沿革 第3章. 迎えることを「受入れ」と通常呼んでいる。更に、青年. 福岡県政における中国との交流事業. 国際交流事業は、 日本と世界各国の青年の交流を通じて、. 第 1 節 福岡県政における中国との交流について. 相互理解と友好を深め、広い国際的視野と国際協調の精. 第 2 節 福岡県議会における中国との交流事業の. 神を養う機会を提供し、これにより、国際化の進む社会. 意思決定プロセス. の様々な分野で活躍できる青年の育成を目指す事業であ. 江蘇省における海外青年交流事業. る。交流事業により、 「青少年」と「青年」というように. 第 1 節 江蘇省における海外青年交流事業. 対象が違う。 「青少年」とは 18 歳未満の者、 「青少年」は. 第 2 節 江蘇省中長期教育改革発展計画綱要. 社会通念で言えば「少年」を指し、学校段階で言えば小・. 第4章. 第5章. 福岡県政と江蘇省との海外青少年交流事業. 中・高校生である。一般には「青年」は 18 歳以上から. 第 1 節 福岡県政と江蘇省との青少年囲碁交流. 40 歳まで幅広い層を指し、 「青少年」は 18 歳未満を指し. 第 2 節 小・中学生の国際理解教育と日中の歴史認識. ている。. の問題 第6章. 次に、福岡県政と中国江蘇省との国際交流事業につい. 日中両国の相互の好感度. て考察する。日中国交回復後、両国の経済交流が活発と. 第 1 節 日中両国の相互の好感度について. なり、今や、日中貿易は日米貿易を上回り、経済面にお. 終章. 全体のまとめと今後の課題. いては欠くことのできない緊密な関係を築いている。し かし、国交回復後の両国の関係をみると友好的な側面ば. 2. 【概要】. かりではなかった。教科書問題や靖国神社参拝問題等で. 序章. 日中関係は幾度となく険悪なモードとなった。 最近では、. 研究目的 国、地方自治体における国際交流事業につ. 餃子中毒問題、更には尖閣諸島での漁船衝突事件があっ. いて考察する。. た。このような状況になる原因は何処にあるのか。日中. 国際交流とは外国を訪問すること、海外からの外国人. 国交回復は国交回復ありきでスタートしたことに問題が. 訪問者を受入れることや国内に住む外国人との交流をい. あると考える。本来、日中両国間で議論すべきところの. う。国際交流は市民が自主的に行うものもあるが、国・. 政治課題等を棚上げにし、 「まず国交回復ありき」 で進行. 地方自治体が事業化しているものもある。これらの事業. したところに問題を残したのではないかと考えられる。. には、姉妹都市間の友好を深める文化交流事業、青少年. 特に、日本政府及び経済界は経済を優先とした交流を先 1.

(2) 行した。ここに問題の根幹があると考える。. にアメリカナイズが浸透し、外国人と言えばアメリカ人. 本研究では、福岡県政と中国江蘇省との海外青少年交. で日本国内にアメリカブームが沸き起こった。日本の青. 流事業の在り方を考察するが、このような政治関係と両. 年はアメリカへの渡航を夢見るが、当時、公用以外で海. 国民の不信感情の表出を鑑みた時、次世代の青少年間の. 外に渡航することは困難で、政府派遣も厳しく国際交流. 相互理解を推進する意義は大きいと思われる。江蘇省の. や留学は YMCA、ボーイスカウト、青少年赤十字社等の民. 省都は南京市であり、日本軍はこの南京市内で南京虐殺. 間交流とフルブライト財団等への依存度の強いものであ. 事件を起こした、あるいは起こしたとされている。つま. った。. り、日中両国ではこの事件について歴史認識が相違して. 1959 年皇太子の結婚を記念し、国は青年の国際交流事. おり、常に物議を醸している地である。福岡県政は海外. 業として「青年海外派遣」事業を始めた。これに伴い、. 青少年交流事業を通じて、今後の青少年間の相互理解や. 青少年の国際感覚を養うことを目的とした海外青少年国. 中国及び江蘇省との経済・文化的関係をどのように推進. 際交流事業を地方自治体は推進した。日本政府は 1964. して行こうと考えているのか。次の点を明らかにするこ. 年、海外観光旅行の自由を認めるが、それまでは業務渡. とを目的とする。. 航や留学、移住などの目的を持った人にしか旅券は発給. 1、 戦後の日本の国際交流事業はどのように行われてきた. されなかった。1972 年米中首脳会議で米中の接近は、ア. のか。その歴史を踏まえ、福岡県政における国際交流. ジアに対する政治戦略の変化を明確にした。田中角栄首. 事業・海外青少年交流事業の現状について明らかにす. 相は、1972 年日中共同声明の調印を北京で行い、日中国. る。. 交回復を行う。政府はアメリカ一辺倒の外交からアジア. 2、 日本と中国との国交回復と国際交流事業はどのように. へとシフト変えた。それに伴い、地方自治体もアジアと. 発展してきたのか。その歴史を踏まえて、福岡県政と. の交流へと傾いて行く、特に、日中国交回復後の地方自. 中国・江蘇省との国際交流事業の展開過程及び海外青. 治体と中国との交流には目を見張るものがあった。. 少年交流事業の実施の現状と課題(歴史認識の問題を. 第 2 節では竹下登首相の施策として提案した「ふるさ. 含む)について考察する。. と創生」事業を考察した。この事業は全国の市町村に一. 第 2 節 研究方法は政府の海外青少年事業に関する政. 律 1 億円を交付したことに端を発し、全国の市町村は人. 策や日本の青少年の日中に関する認識、歴史理解の分析. 材育成事業として、海外青少年交流事業や国際交流セン. を行い、青少年の中国観について考察した。. ター等の設置を始め、 海外交流事業のきっかけとなった。. 第 3 節 先行研究は、毛受敏浩の『草の根の国際交流 と国際協力』等の著書を参考に考察した。. 第 2 章 福岡県政における海外青少年交流事業. 第 4 節 本研究の意義は福岡県政と江蘇省との友好提. 本章では、福岡県政における海外青少年交流事業の展. 携を結ぶまで、どのような政治的意図があったのかを明. 開について考察した。福岡県政の海外青少年交流事業の. らかにすることである。本研究の調査、研究は今後の地. 基本理念、海外交流事業の沿革、海外青少年交流の真の. 方自治体の海外青少年交流事業の目的・在り方・評価を. 目的はどこにあるのか考察した。. 再検討して行くための材料を供すると考える。. 第 1 節では、福岡県政における海外青少年交流事業の 基本理念は「21 世紀を担う、逞しいアンビシャスな(志. 第 1 章 日本における海外青少年交流事業. を持つ)青少年の育成」を目的とし、海外青少年交流が. 本章では、戦後日本の海外青少年交流事業の歴史と経. 進められていることを明らかにした。第 2 節は福岡県政. 緯について考察した。 米国の外交は米ソ対立の中、 突如、. の海外交流事業の沿革について考察した。福岡県政はハ. アジアへと外交戦略を一変し、中国との国交を結ぶ。そ. ワイ州と 1981 年姉妹提携を結ぶ。その後、江蘇省、バン. れに対する日本政府のアジアに対する外交戦略に伴う青. コク、デリー州、ハノイと友好提携を結んだ。福岡県政. 少年交流はどのように変化して行ったのか考察した。. との関係で、県立水産高校とハワイ州立高校は交流を行. 第 1 節では日本政府の海外青少年交流事業の歴史と経. っている。青少年交流の先駆けである福岡県青年の船は. 緯を考察した。戦後、日本の復興を試みた政府は、国際. 1971 年、最初の船をフィリピンに派遣した。その後、福. 感覚を養う人材育成を行った。今では当たり前の海外青. 岡県青年の翼と名称を変更し、アジアから欧米へと研修. 少年交流、国際交流事業となっているが、戦後の日本経. が変わった。これらの経緯を明らかにし、福岡県政が青. 済の状況は大変厳しく、海外へは自由に渡航することが. 少年育成に如何に力点をおいているのか明らかにした。. できない時代であった。アメリカの政策により日本各地 2.

(3) 第 3 章 福岡県政における中国との交流事業. 子学院を一つにとっても、中国の世界へ向けた中国語や. 1991 年奥田八二知事は三選を果たすが、重要施策の一. 文化の普及に力を入れていることが容易に理解でき、中. つに、中国との友好都市関係を結ぶことが至上命題であ. 国国家の海外戦略には目を見張るものがあることが明ら. った。江蘇省は福岡県との友好提携を望む旨を福岡県政. かになった。. に申し入れる。福岡県政は上海か天津との提携を希望し ていたが、両省は既に日本の他県と提携していた。その. 第 5 章 福岡県政と江蘇省との海外青少年交流事業. ような折、江蘇省と提携交渉の話が再浮上するが、福岡. 第 1 節は福岡県政と江蘇省との青少年囲碁交流の経緯、. 県議会においては多くの異論が噴出した。特に県政最大. 目的、実施状況を考察した。囲碁交流大会に参加した福. 野党の自民党は難色を示した。理由は江蘇省の首都は南. 岡県と江蘇省の小・中・高校生の感想文を比較すると、. 京市であり、 南京市で日本軍が南京虐殺をおこなった 「い. 福岡県の生徒は、 「人や車が多い」 、 「大学では第二外国語. わくつきの地域」であり、反日感情も強く、また、日中. は中国語を学ぶ」等の日常生活に対する感想文が多かっ. の互いの歴史認識の相違等があり、 違和感があると訴え、. た。江蘇省の小・中・高校生は、 「日本を訪れ、将来の中. 反対の声が上がった。しかし、それほどの議論のないま. 国の科学技術の発展に尽くしたい」 、 「福岡の科学技術と. ま県議会では提携を了承した。福岡県政は江蘇省との友. 環境作りを学んで、自分の祖国を建設する決意です」、. 好提携を推進しようとしたが、江蘇省は既に愛知県との. 「一生懸命勉強し、大人になったら、祖国に尽くしたい」. 友好提携を結んでいた。 中国では一省一県の規定があり、. と国家を視野に入れた内容が多かった。日本の生徒と中. この提携は中央政府の許可が下りず話は頓挫した状態と. 国の生徒との違いは、国家への認識であることが、この. なった。1992 年、江沢民総書記が日本を公式訪問した際、. 感想文から判明した。. 農業視察をするため福岡県庁を訪れた。奥田知事は「江. 第 2 節は小・中・高校生の国際理解教育と日中の歴史. 沢民総書記の故郷・江蘇省との友好提携を是非お願いし. 認識の問題について考察した。小・中学生の総合的な学. たい」と正式に表明した。これに対し、江沢民総書記は. 習の中に「国際理解教育」の時間があるが、取り組んで. 「結構な話だ」と述べ、頓挫した状態にあった提携の話. いる学校数が少ない。福岡県政は江蘇省と友好提携を結. が前進し、同年、奥田知事は江蘇省を訪れ、南京市内で. んでいるが、県下の小・中学校で中国との友好交流して. 江蘇省との友好締結を結ぶ。福岡県政における中国・江. いる学校は極めて少ない。南京問題について、小・中学. 蘇省との友好提携を結ぶまでの経緯を調査したが、質疑. 校の教科書には、 「日本軍の殺人、暴行事件があった」と. が議事録に記録されていないことが明らかになった。こ. 書かれている。高校の日本史においては、概ね中学校過. の章の研究で判明したことは、 「交流ありき」が先行した. 程と同じような内容を教えている。 『現代の日本史』 山川. ことであった。今後、交流において、どのような議論が. 出版社(注)に、殺害の人数については、 「数千人から 30. 交わされたのか、議事は残すことは必須であることを明. 万人(中国の公式見解)まで、色々な説があるが、その. 言できる。. 実情は明らかでない」と書いている。高校の教科書では 若干、広角的に捉えるようになっている。中学校学習指. 第 4 章 江蘇省における海外青年交流事業. 導要領を読むと、「アジアの諸国に多大な損害を与えた. 中国江蘇省の教育庁年次報告によると、江蘇省政府で. こと、日本国民が戦禍を受けたこと等を理解させ、この. は(2006 年~2009 年)を重点政策として、教育における. 学習を通じて、 「国際協調と国際平和の実現に努める」 こ. 海外交流協力に関する重要問題を調整し指導すること、. とに気付かせる。学習指導要領内容の取扱いについて、. 協調を図り計画を策定すること、海外との協力における. 次の事項に配慮するものとするとなっている。1、基本的. 資源やルートをつくること等を強化している。また、中. な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし、. 国と海外の学校との協力、中国語の国際的普及、中国へ. 細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。 2、. の外国人留学生(来華留学生)の規模拡大等の分野で実. 客観的かつ公正な資料に基づいて、事実の正確な理解に. 質的な進展を遂げるべく努力している。教育における海. 導くようにするとともに、多面的・多角的に考察し公正. 外協力と交流の新局面を遂げるべき努力もしており、教. に判断する能力を育成するようにする。その際、核兵器. 育における海外協力と交流の新局面を切り開く政策を実. の脅威に着目させ、戦争を防止し、民主的で平和な国際. 施している。中国語を学ぶ孔子学院が 2004 年、韓国ソウ. 社会を実現することが重要な課題であることを認識させ. ル市に最初の海外学院としての孔子学院を開校する。そ. ることである。指導要領は、取扱い注意となっており、. の後、孔子学院は 282 校が 85 ヵ国に開校されている。孔. 歴史を教える先生にある程度の裁量を委ねている点があ 3.

(4) る。これらを鑑みた時、国は歴史を直面から捉え、将来. 中・高校生の違いは「愛国教育」にあるのではないかと. を担う子どもたちにしっかり歴史教育を教えるべきであ. 考える。この「愛国教育」は国家観に繋がり、国家を考. ることが明らかにされた。. えると、それは歴史観に辿り着く。これが両国の青少年 の大きな差ではないかと思われる。. 第 6 章 日中両国の相互の好感度. 福岡県政は「豊かな国際感覚」を身につけた青少年を. 日中両国の相互の好感度について、新聞等の資料を参. 育てるために、 海外青少年交流事業の先駆けとして、 「福. 考に分析した。本年(2012 年)は、日中国交回復 40 年. 岡県青年の船」に始まり、これまでの多くの海外青少年. の節目を迎える。現在、中国との経済交流、文化交流は. 交流事業を推進してきた。これらの海外青少年交流事業. 実に活発に行われているが、日中両国の関係は必ずしも. の経緯をみると「国際交流ありき」で海外青少年交流事. 良好であるとは言い難い状況にある。日中両国の政治の. 業が行なわれてきたと先述した。. 齟齬は何処にあるのか明らかにする。. 今後の海外青少年交流事業を推進するにあたり、事前. 第 1 節は日中両国の相互の好感度について、2010 年、. 研修の中で、海外青少年交流事業の目的は何であるかを. 読売新聞と中国・新華社通信発行の週刊誌「瞭望東方週. 参加者に再認識させることが必要である。次に、自国の. 刊」による日中共同世論調査の結果を下に考察した。日. 歴史、文化に対する認識をさせることである。異文化の. 中両国の関係は決して友好的ではなく、相互不信が如実. 理解、即ち諸外国の歴史や文化について学習することで. に表れている。お互いの評価点の高いものは経済に直結. ある。海外青少年交流事業を推進するにあたり、担当部. するものが多い。お互い理解し合うには交流以外にはな. 局の担当者は国際関係論、教育、行政などの分野におけ. く、両国の文化を理解し合うことに尽きる。日本から中. る専門性を備えたスタッフを配置することが求められる。. 国をみた時に、中国が軍事勢力を強めている点に、日本. 福岡県政の目指す海外青少年交流事業を推進するに. 人は不信感を募らせている。アジアにおける中国の軍備. あたり、万全の体制を組み、海外青少年交流事業を推進. 拡張は、周辺国にとって脅威となっていることは紛れも. することが必須であることは明白である。. ない事実である。今後、中国がアジアの国々と、どのよ. 東日本大震災の折、温家宝首相自ら東北被災地を訪問. うな友好関係を結ぶのかにより、アジア地域の安全と平. した。更には、日本の人気歌手 SMAP の北京公演を開催さ. 和が守れる。日中両国の良好関係なくして、アジアの安. せるなど、中国政府は日本への厳しい態度から、一転友. 全はありえず、日本と中国は親密な関係を保つことが重. 好ムードとなるような施策を取り始めた。果たして、こ. 要であることは明らかである。. のような小手先のムードで良いのだろうか。お互いを誤 魔化すような交流は行なわず、前向きに、今問題となっ. 終章 全体のまとめと今後の課題. ている課題について真剣に議論を交わすべきである。東. 中国での反日デモや抗議が起こると、日中両国の戦後. アジアの安全を考えると、台頭してきている中国と日本. 処理は終わったと思っている日本人は、何故、中国は日. がどのように対峙していくのかが、大きなカギを握って. 本をこのように非難し、デモをするのかと訝っている。. いる。福岡県政のみならず、地方自治体は政治目的や利. 王敏は「この矛盾は、日本と中国の文化の違いにある。. 益を優先するのではなく、国ができない「草の根の交流」. 日本人にとって、歴史は過去であるが、中国人にとって. を続けることが、アジアの安全保障に繋がる。一過性で. 歴史は過去ではなく、現在として捉えている。日本と中. 終わることなく、息の長い取り組みとして友好交流を続. 国は漢字という文字を使っているが、日本人と中国人と. けることが最も重要であると考えられる。. では発想方法が違い、思考の回路が違う。中国人は親や. 【主要引用文献】. 祖先を大切にするタテ軸の文化、日本人は和を以って貴. 田中治彦『国際交流の戦後史』]No161-3,2、1996 年. しとなす、ヨコ軸の文化である。タテ軸の文化とヨコ軸. 毛受敏浩編著『草の根の国際交流と国際協力』明石書店. の文化が違う両国に根付いた精神文化は簡単には変えら. 2003 年. れない。お互いの文化を理解し合い、未来に進むことが. 吉澤柳子『青少年の国際交流』丸善ブックス、2002 年. 友好の第一歩になる。 」と述べている。江蘇省を訪問した. 【主要参考文献】. 高校生らに、中国に対し、どのように思っているのかと. 小西平太郎『日中友好世世代代』正光印刷、1993 年. 尋ねると、全く実情を知らない。囲碁交流で訪問した小・. 佐藤智子『自治体の姉妹都市交流』明石書店、2011 年. 中・高校生においても、同じような感覚である。この原. 白土悟『現代中国における留学政策に関する研究』2010 年. 因はどこにあるのか。日本の小・中・高校生と中国の小・. 松下圭一編著『自治体の国際政策』学陽書房、1988 年 4.

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