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淡路島吹上浜 における海浜植生群落及び底質 の動態解析

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第55巻(2008) 土 木 学 会,781‑785. 淡路島吹上浜 における海浜植生群落及び底質 の動態解析 Kinetic Analysis of Coastal Vegetation and Sediment at the Fukiage Beach in Awaji Island 宇 野 宏 司1・ 辻 本 剛 三2・ 徳 田 一 樹3・ 柿 木 哲 哉4・ 出 口 一 郎5・ 有 田 守6. Kohji UNO, Gozo TSUJIMOTO, Kazuki TOKUDA, Tetsuya KAKINOKI, Ichiro DEGUCHI and Mamoru ARITA To clarify the relationship between the colonization of coastal vegetation and sediment dynamics at the Fukiage beach which is located in the southwestern part of Awaji Island in west Japan, the cluster analysis, field observations and the estimation of the amount of wind-blown sand were carried out. The sediment dynamics at the Fukiage beach has been in equilibrium all over the place in past 36 years, however, the colonization of coastal vegetation has been different from place to place. In winter, the winds in NW direction stand out and it carries the microscope sediment particles from east to west. Hence, the sediment tends to be miniaturizing from east to west in the beach. The seasonal wind in winter and strong wind caused by typhoon in summer might be important for the sediment transport at the Fukiage beach.. 1.. は じ め に. 1999(平 成11)年 の海 岸 法 改 正 を受 け て,防 護 ・環 境 ・ 利 用 の調 和 の とれ た海 岸 を 形 成 す る た め,国 が 海 岸 保 全 の 基 本 方 針 を 策 定 し,都 道 府 県 が そ れ を 踏 まえ た海 岸 保 全 基 本 計 画 を 定 め る こ と とな っ た.兵 庫 県 ・淡 路 島沿 岸 に お い て も,「 淡 路 沿 岸 海 岸 保 全 基 本 計 画 」 が2002(平 成 14)年8月. に 策 定 さ れ,「 人 と 自 然 が 創 り出 す21世 紀 の く. に うみ 神 話 」 「生 命 を守 り ・育 む 花 と緑 あふ れ る海 辺 の 創 造 」 を テ ー マ に 海 岸 整 備 が 進 め られ て い る(兵 庫 県, 2002). 本 研 究 で 対 象 と す る淡 路 島 ・吹上 浜(写 真‑1)は,東 約1.8km,南. 北 約700mの. 西 写 真‑1. 吹 上 海 岸 平 野 の 南 側 に位 置 し,. 紀 伊 水 道 に面 す る砂 礫 浜 で あ る(図‑1).ハ. 吹上 浜. マ ゴ ウ(Vitex. rotundifoliaL. f)を は じめ とす る 海 浜 植 物 群 生 地 や ア カ ウ ミガ メ の 産 卵 地 と して 知 られ る(南 淡 町 教 育 委 員 会, 2001).人. 工 的 な 海 岸 線 で 取 り囲 ま れ た淡 路 島 に お い て. 貴 重 な 自然 砂 浜 を 残 す 吹 上 浜 は,紀 伊 水 道 に面 す る こ と や 台 風 の進 路 上 に 位 置 す る た め,波 浪 ・風 浪 の イ ンパ ク トを 受 け やす く,こ れ に よ る砂 浜 の 消 失 が懸 念 され て い る.上 述 の 「 淡 路 沿 岸 海 岸 保 全 基 本 計 画 」 に お いて は, 潜 堤 ・突 堤 の設 置 や 養 浜 と い った 海 岸 保 全 策 が 計 画 さ れ て い るが,中 長 期 的 な視 点 か ら平 衡 状 態 を 維 持 で き る よ う に配 慮 した 整 備 をす す め る こ とが 重 要 で あ る. こ の よ うな 背 景 を踏 ま え て,本 研 究 で は,吹 上 浜 の 砂 浜 面 積 と海 浜 植 生 群 落 の 経 年 変 化 の把 握 に 係 る画 像 解 析, 図‑1 1正 2フ 3学 4正 5正 6正. 会 員 ェロー 生会員 会 員 会 員 会 員. 博(工)神戸市立工業高専講 師 都市工学科 工博 神戸市立工業高専教授 都市工学科 神戸市 立工業高専専攻科 都市工学専攻 博(工)神戸市 立工業高専准教授 都市工学科 工博 大阪大学大学 院教授 工学研究科 博(工)大阪大学大学 院助教 工学研究科. 調 査地 点. 砂 浜 底 質 の平 面 分 布 及 び現 地 の 風 向 風 速 の把 握 を 目的 と した 現 地 調 査,風. の 出現 特 性 を 考 慮 した飛 砂 量 計 算 を行. い,吹 上 浜 に お け る砂 や海 浜 植 生 群 落 の動 態 と,そ の相 互 関 係 につ い て 明 らか にす る こ と を 目 的 とす る..

(2) 782. 海. 図‑2. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 上 空 か ら の 吹 上 浜 の 様 子(上:1975年,下:2004年). は あ るが,対 象 域 の 土 地 被 覆 が比 較 的 単 調 か つ 明 瞭 で あ る た め,十 分 良 好 な 分 類 結 果 が得 られ た.次. に,「 砂 浜 」. 「植 生 」 に 分 類 され た領 域 の 総 画 素 数 と解 像 度 か ら,撮 影 時 の 砂 浜 ・海 浜 植 生 面 積 を算 出 す る.砂 浜 面 積 の 算 出 に あ た って は画 像 に よ って 撮 影 時 刻 が 異 な る た め,潮 位 補 正 を 行 う必 要 が あ る.本 研 究 で は,徳 (北緯34度01分,東. 経134度35分)で. 島 ・小 松 島 港. の 実 測 潮 位 ま た は推. 算 潮 位 に 小 松 島 港 か ら吹 上 浜 ま で の 位 相 差 を考 慮 して 撮 影 時 の 潮 位(T.P.基 準)を 求 め,基 準 水 面(T.P.0m)と 位 差 と汀 線 付 近 の 地 形 勾 配(=1/10)を 図‑2. 積 を算 出 した.算 砂 浜 及 び植 生面 積 の経年 変化. の水. 用 いて補正砂 浜面. 出された補正砂浜面 積を撮影 時の砂浜. 面 積 に加 え て 各 年 の砂 浜 面 積 と した. (2) 現 地 調 査. 2. 調 査 方 法. 底 質 の平 面 分 布 を把 握 す る た め,2007年 (1) 画 像 解 析. 現 地 調 査 を 実 施 し た.サ. 本 研 究 で は,国 土 地 理 院 に よ り吹上 浜 上 空 で撮 影 され. 100m間. た航 空 写 真 を 使 用 した.解 析 対 象 期 間 は,1968(昭. 和43). 隔,岸. に. ンプ リ ン グ は 沿 岸 方 向 に25〜. 沖 方 向 に5m間. 試 験(JISA1204)に. の2月,5月. 隔 で 行 った.粒. 度 ふ るい. よ り,各 採 取 地 点 の 表 層 砂 の 中央 粒. 年 〜2004(平 成16)年 の36年 間 で あ る.撮 影 年 に よ って,. 径 を 得 た.ま た,砂 浜 の底 質 の 均 質 性 を 評 価 す る た め,. モ ノ ク ロ ・カ ラ ー の違 い が あ る た め,全 て モ ノ ク ロ画 像. 淘 汰 係 数 を算 出 し た.. に変 換 して 解 析 を行 った.な. お,本 研 究 で は砂 浜 面 積,. 飛 砂 量 の算 定 に あ た り必 要 な 風 向 風 速 デ ー タ につ い て. 海 浜 植 生 の 被 覆 度 につ い て の 経 年 変 化 の 把 握 を 目 的 と し. は,吹 上 浜 付 近 の 気 象 庁 ア メ ダス デ ー タ(観 測 点:南 淡,. て お り,単 バ ン ドで の分 析 効 果 を上 げ る意 味 か ら も,解. 図‑1参 照)を 代 用 す る 場 合,当. 析 対 象 地 域 外 の 陸 地 に つ い て はで き る だ け マ ス キ ン グを. 風 速 特 性 を十 分 に 代 表 で き る もの か 比 較 ・検 討 す る必 要. 行 っ た.. が あ る.そ. ク ラス タ 分 析 は フ リー ソ フ トウ ェ アMultiSpecに よ っ. ther Monitor. こで,2007年6月 II,AOR社. 該 デー タが吹上浜 の風 向. に,現 地 に風 向 風 速 計(Wea. 製)を 設 置 し,風 向 風 速 の 時 系. た.解 析 手 順 を 以 下 に示 す.ま ず,解 析 画 像 の 各 画 素 の. 列 デ ー タを 取 得 した.. 輝 度 値 を 読 み 取 り,輝 度 値 の 高 い順 に 「砂 浜 」 「植 生 」. (3) 日飛 砂 量 の 推 算. 「 海 域 」 の3領 域 に分 類 す る.こ. 風 に よ って 運 ば れ る砂 の 量 は,砂 の 含 水 量,砂. こで は単 バ ン ドの 情 報 で. 表面 の.

(3) 783. 淡路 島吹 上浜 に お ける海 浜植 生群 落及 び底 質 の動 態 解析. 図‑3. Feb.2007. Feb.2007. May2007. May2007. 中 央 粒 径 の 平 面 分 布(2007年2月,5月). 図‑4. 淘 汰 係 数 の 平 面 分 布(2007年2月,5月). こ れ に 対 し,2004年 落 を拡 げ,ま. に は,こ の領 域 付 近 の海 浜 植 生 は群. た植 生 密 度 も高 くな って お り,完 全 に定 着. して い る 様 子 が うか が え る.一 方,砂 お い て は,1975年 が,2004年. 浜 西 部(area‑2)に. 時 点 で は ほ とん ど見 られ な い 海 浜 植 生. の航 空 写 真 で は,密 度 こ そ低 い もの の 繁 茂 し. て い る様 子 が 確 認 で き る. 図‑2に,ク. ラス タ分 析 に よ り算 出 さ れ た砂 浜 及 び海 浜. 植 生 の 面 積 の経 年 変 化 を示 す.海 浜 植 生 に つ い て は,砂 浜 中 央 部(area‑1)と 砂 浜 西 部(area‑2)で 動 態 が 異 な る た め, 図‑5. 風 速 時 系 列 デ ー タ の 比 較(2007年6月23日). そ れ ぞ れ で表 示 して い る.砂 浜 面 積 に つ い て み る と,増 減 を 繰 り返 しな が ら も,過 去30年 間 は5.5ha前 後 で 動 的. 風 速,粒 径 と い う3つ の要 因 に依 存 す る.Bagnold(1954). に平 衡 状 態 が 保 た れ て い る と判 断 で き る.一 方,海 浜 植. に よ れ ば,砂 丘 の 砂 に つ いて は,概. 生 に つ いて は,砂. ね 風 速 の3乗 に 比 例. し,風 速4m/s以 上 で 砂 が 動 き 出 し,10m/sを. 超 え る と急. 浜 中 央 部(area‑1)で は,年. 西 部(area‑2)で は,増 減 を 繰 り返 し中 長 期 的 に は被 覆 の. 激 に増 加 す る と さ れ て い る. 砂 粒 が 運 動 を 開 始 す る移 動 限 界 摩 擦 速 度 は次 式(1)で 評 価 す る こ と が で き る.. 拡 大 は見 られ な い こ とが わ か る. (2) 現 地 調 査 図‑3に,粒. (1). 度 ふ る い 試 験 で 得 られ た 中 央 粒 径 の 平 面 分. 布 を示 す.2007年2月,5月. と もに 西 か ら東 方 向 に 粒 径 が. 小 さ くな る傾 向 が 見 られ る.2007年2月 こ こ に,ρs:砂 の 粒 径,A:係. 粒 の 密 度,ρa:空. 数(=0.1)で. 河 村(1951)は,砂. 々 増 加 しな. が ら,着 実 にそ の分 布 域 を 拡 大 して い るの に対 し,砂 浜. 気 の密 度,d:砂. 粒. あ る.. で の 粒 径2mm以. 粒 間 に存 在 す る水 の 表 面 張 力 な ど. にお ける中央粒. 径 の 平 面 分 布 図 で は,砂 浜 中 央 部 か らの 西 側300m区. 2007年5月. 間. 上 の 砂 の 堆 積 が 特 徴 的 で あ る.一 方,. に お け る中 央 粒 径 の 平 面 分 布 図 で は,全 体 的. の 影 響 を考 慮 して,単 位 幅,単 位 時 間 当 た り に あ る断 面. に 細 粒 化 が 進 行 して お り,特. を 通 過 す る全 飛 砂 量Qを 次 式 で 評 価 した.. は,岸 沖 方 向 に も一 様 な底 質 とな っ て い る こ とが 特 徴 的. (2) 数(=2.78)で. あ る.な. お,底 面 摩 擦 速 度 は 風 速 よ り対 数 則 を 用 い て算 出 した.. 点付 近 で. で あ る. な お,全. こ こ にu*:底 面 摩 擦 速 度,K:係. に,西 側400m地. サ ン プ ル の 中 央 粒 径 の 平 均 値 は,2007年2月. が7.56mm,5月 図‑4に,淘. が4.55mmで. あ っ た.. 汰 係 数 の平 面 分 布 を示 す.淘 汰 係 数 は砂 浜. の 均 一 性 を 示 す も の で値 が 小 さ い ほ ど均 一 性 が 高 く,現 3. 結. 果. 地 海 岸 で は1.25程 度 で あ る こ とが 知 られ て い る.2007年 2月 の調 査 で は,砂 浜 中 央 部 で の淘 汰 係 数 が5以 上 と高. (1) 画 像 解 析 写 真‑2は1975(昭. 和50)年 と2004(平 成16)年 にお け る上. 空 か らの吹 上 浜 の 様 子 で あ る.1975年. 時点 で は,砂 浜 中. 央 部(area‑1)に 遷 移 的 で は あ る が 海 浜 植 生 が 見 られ る.. くな って お り,こ の付 近 で の 不 均 一 さが 顕 著 と な って い る.一 方,2007年5月. に は,砂 浜 中 央 部 よ り200m東 側 で. 不 均 一 な 底 質 と な って い る.ま た,沖 か ら岸 に 向 か う に.

(4) 784. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). N‑S. 図‑6. 風 速10m/s以. direction. 上 の 風 の 月 別 出 現 頻 度(2003‑2007年). E‑W. 図‑8. direction. 粒径 別月 刊飛 砂量 の推 定. (3) 日飛 砂 量 の推 算 2003〜2007年. の 気 象 庁 ア メ ダ ス デ ー タ(観 測 地 点:南. 淡)を 用 い て,吹 上 浜 付 近 の 季 節 別 の平 均 風 速 を 調 べ た と こ ろ,吹 上 浜 に お い て は年 間 を通 じて 平 均 風 速3m/s程 度 の風 が 吹 いて い る ことが わ か った.こ の程 度 の オ ー ダー の 風 速 で は,粒 径0.1mm以. 下 の 微 細 粒 子 しか移 動 す る こ. と が で き な い.し た が っ て,吹 上 浜 の 中 央 粒 径 の 平 面 分 図‑7. 布 か らみ て も,台 風 接 近 や冬 季 季 節 風 時 以 外 の 平 常 時 に 季 節別 の風 向出現 頻度. は飛 砂 に よ る土 砂 の 移 動 は起 こ りえ な い と考 え られ る.. つ れ て 均 一 性 が とれ な くな る傾 向 も見 受 け られ る. 図‑5に,2007年6月. 粒 径1mm以. の 現 地 で 得 られ た風 速 デ ー タ と 同. 時期 の ア メ ダ ス デ ー タ(観 測 地 点:南 淡)を 示 す.観 測 さ れ た現 地 の 風 速 デ ー タ(サ ンプ リン グ間 隔:1分)か. らは,. 風 速 が 時 々 刻 々 と変 化 す る様 子 が 見 て と れ る.こ れ に対 し,ア メ ダ ス デ ー タ(最 小 サ ンプ リン グ間 隔:10分)で. は,. 現 地 デ ー タ に見 られ る よ う な 時 々刻 々 の変 動 を 捉 え る こ と は で きて い な い.ま た,時. 間帯 に よ って は現 地風 速 の. 上 の 砂 が 動 く に は,理 論 的 に は 風 速10m/s. 以 上 の 風 が 必 要 で あ る.そ (観 測 地 点:南. こで,気 象 庁 ア メ ダス デ ー タ. 淡)を 用 い て,風 速10m/sの 風 が ど の 程 度. の頻 度 で 発 生 して い る の か を 調 べ た .図‑6に 以 上 の 風 の 月 別 出 現 頻 度(2003‑2007年)を. 風 速10m/s. 示 す.12月. か. ら4月 にか けて 風 速 が10m/sを 超 え る 日 が 多 く,次 い で8 月 に 出現 頻 度 が 高 い こ とが わ か る. 図‑7は,季. 節 別 の風 向 出 現 頻 度 を示 し た も の で あ る.. 半 分 以 下 に な る こと が あ り,現 地 風 速 を 必 ず し も代 表 し. こ こ で は,春. て い る とは 言 え な い.し か し,平 均 的 な オ ー ダ ー で 見 れ. 季(3‑5月),夏. 季(6‑8月),秋. 季(9‑11月),. 冬 季(12‑翌 年2月)と 区分 して 整 理 した.吹 上 浜 は典 型 的. ば,両 者 は 概 ね 一 致 す る とみ なす こ とが で き る.ま た,. な 台 風 の経 路 上 に 位 置 す る た め,台 風 の接 近 ・通 過 に よ. 風 向 につ い て も,両 者 は概 ね 対 応 して い た.. り,夏 季 に は南 風 の 出 現 が卓 越 して い る.一 方,冬. から.

(5) 785. 淡路 島 吹上浜 に お ける海 浜植 生群 落及 び底 質 の動態 解析. 給 は考 え に くい. 一方 ,砂 浜 西 部 の 背 後 の崖 状 の 丘 陵 地 は 紀 伊 水 道 に 面 す る よ うに立 地 して お り常 に 厳 しい気 象条 件 下 に さ ら さ れ る.図‑9に. 示 す と お り,浸 食 ・風 化 作 用 に よ り砂 浜 西. 部 で 生 産 さ れ た 土 砂 が,冬 季 季 節 風 に よ って 西 か ら東 へ と運 ば れ,こ れ が 波 浪 等 に よ る浸 食 量 と均 衡 す る こ と に よ って,吹 上 浜 は動 的 に平 衡 状 態 を保 って い る もの と考 え られ る.ま た,土 砂 供 給 源 に近 い砂 浜 西 部 は,特 に 底 図‑9. 吹 上浜 に おけ る動 的平 衡状 態 のメ カニ ズム. 質 の変 動 が 激 しい た め,海 浜 植 生 に と って も生 育 に 厳 し. 春 に か けて は,北 〜 西 北 西 の季 節 風 の 出現 頻 度 が 高 い こ とが わ か っ た. 次 に,2007年 測 地 点:南. の 気 象 庁 ア メ ダ ス の 風 向 風 速 デ ー タ(観. 淡,サ. ンプ リ ング 間 隔:10分)を. 別 飛 砂 量 を 算 出 した.図‑8に. 用 いて粒径. 粒 径別月間飛砂 量の推算結. い環 境 とな って お り,定 着 に は至 らな い も の と思 わ れ る. 5. ま と め 本 研 究 で は,画 像 解 析 に よ り淡 路 島 ・吹 上 浜 の 砂 浜 面 積,海. 浜 植 生 群 落 の経 年 変 化 の把 握 し,現 地 調 査 で は底. 果 を 示 す.夏 季 で は,台 風 の接 近 ・通 過 に伴 う南 風 の 出. 質 の粒 度 分 布 を調 べ,砂 浜 の均 一 性 を 明 らか に した.ま. 現 が 卓 越 す る た め,飛. 砂 量 に つ い て も沿 岸 方 向(東 西 方. た,気 象 庁 の ア メ ダス デ ー タ を用 い て,現 地 の 風 の 出現. 向)よ り も,岸 沖 方 向 の飛 砂(南 北 方 向)が 卓 越 して い た. 一 方 ,冬 か ら春 にか け て は,西 か ら北 寄 りの 風 が 多 く出. 特 性 を 考 慮 した飛 砂 量 計 算 を行 った.本 研 究 で 明 らか に. 現 す る た め,沿 岸 方 向,特. (1) 1968〜2004年. に 西 か ら東 方 向 へ の 飛 砂 が 卓. な った 事 項 を以 下 に 示 す. ま で の過 去36年 間 につ い て は淡 路 島 ・. 越 す る結 果 とな って い る.台 風 接 近 ・通 過 と い っ た イ ベ. 吹 上 浜 にお け る砂 浜 面 積 は ほ ぼ安 定 して い る.一 方,海. ン トは偶 発 的 な も ので あ る の に 対 し,冬 季 の 北 西 季 節 風. 浜 植 生 群 落 は,砂 浜 中 央 部 で年 々 増 加 して い るが,砂 浜. は毎 年 み られ る も ので あ り,こ の冬 季 の飛 砂 量 の把 握 が. 西 部 に お いて は定 着 率 が 低 い こ とが わ か った.. 吹 上 浜 の底 質 動 態 を考 え る上 で 重 要 で あ る.. (2) 底 質 の 中 央 粒 径 は西 か ら東 に 向 か うに つ れ て 細 か く. 4. 考. な って お り,こ の 細 砂 は冬 季 に 卓 越 す る沿 岸 方 向 の飛 砂 察. に よ り供 給 さ れ た も の と考 え られ る.2月. 以 上 の結 果 か ら,吹 上 浜 にお け る海 浜 植 生 群 落 と底 質 の 動 態 との 関 係 につ い て 考 察 す る.. 西 部 の 底 質 の変 動 が 激 しい こ とが わ か った.. 画 像 解 析 の 結 果 よ り,吹 上 浜 に お け る海 浜 植 生 群 落 の. (3) 淡 路 島 ・吹 上 浜 は,波 浪 等 の 影 響 を 受 け や す い位 置. 和43)年 以. に あ る もの の,砂 浜 西 部 の背 後 に あ る浜 崖 か ら絶 え ず 供. 浜 中 央 部 で は,海 浜 植 生 は分 布 域 を拡 げ 時 間 の 経. 給 され る砂 が 西 か ら東 へ沿 岸 方 向 に運 ば れ る こ と に よ っ. 定 着 に は 空 間 的 な差 異 が 認 め られ た.1968(昭 降,砂. と5月 で は特 に. 砂 浜 西 部 で の 中 央 粒 径 分 布 が 大 き く異 な って お り,砂 浜. 過 と と もに 定 着 性 を高 め っ っ あ る の に対 し,砂 浜 西 部 の. て,砂 浜 全 体 と して は動 的 に安 定 した 状 態 を 保 って い る.. 海 浜 植 生 に つ い て は,繁 茂 と消 滅 を 繰 り返 して お り,定 着 しに くい 環 境 に あ る と推 察 さ れ る. 一方 ,現 地 観 測 の 結 果 か ら,吹 上 浜 の底 質 の 中 央 粒 径. 謝 辞:航 空 写 真 は,兵 庫 県 淡 路 県 民 局 地 域 振 興 部 洲 本 土. の平 面 分 布 の季 節 変 動 は大 き く,特 に砂 浜 西 部 で は,冬. り提 供 を受 け ま した.こ. 地 改 良 事 務 所 な らび に財 団 法 人 ひ ょ う ご環 境 創 造 協 会 よ こ に謝 意 を 表 し ます.. か ら春 にか け て一 様 に細 粒 化 が 進 ん で い る傾 向 が 見 受 け られ た.こ. の西 か ら東 へ の砂 の 移 動 は,北 西 方 向 に卓 越. す る冬 季 季 節 風 に よ る飛 砂 に起 因 す る現 象 で あ る と考 え られ る.. 考. 文. 地 球 環 境 研 究 論 文 集, vol.16,. 吹 上 浜 の 砂 の 供 給 源 に つ い て は,砂 500m東. 参. 浜 東 端 よ り約. に離 れ た 地 点 に流 入 す る河 川(塩 屋 川,本. 庄 川). か ら の土 砂 供 給 と,砂 浜 西 部 の 背 後 に あ る崖 状 の丘 陵地 か ら砂 供 給 の い ず れ か が考 え られ る が,塩 屋 川,本 庄 川 と も に流 量 は 少 な く,ま た 西 か ら東 へ の 流 れ が 卓 越 す る 海 流 の方 向 か らみ て も,両 河 川 か らの 吹 上 浜 へ の砂 の 供. 献. 宇 野 宏 司 ・柿 谷 茂 貴 ・辻 本 剛 三 ・柿 木 哲 哉 ・出 口一 郎 ・有 田 守 (2008): 淡 路 島 吹 上 浜 の 砂 浜 面 積 ・汀 線 の 経 年 変 化, pp.35‑40.. 河 村 龍 馬 (1951): 飛 砂 の 研 究, 東 京 大 学 理 工 学 研 究 所 報 告, 第5巻, 第3‑4号, pp.95‑112. 南 淡 町 教 育 委 員 会 (2001): 吹 上 浜 の 自然, 124p. 兵 庫 県 (2002): 淡 路 沿 岸 海 岸 保 全 基 本 計 画, 6p.. Bagnold, R. A.(1954): The Physics of Blown Sand and Desert Dunes, Methuen & Co. Ltd., 265p..

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参照

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