近のロシア 制裁と原油価 北極海開発

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(1)

4

はじ

周知 産量 原油 その影 のが実 いる ロシア 予算政 微減す これま けたデ ック 連解体

図1:

出典:

4 章 最近

-制 北

めに

知の通り、現 を誇る国のひ については 影響を鑑み欧 実際であり、

こと(=信頼 アの政府収支 政策の基本方 する見通しが までも変化は デフォルト、

による原油価 体後のロシア

ロシア財務

:ロシア財務省

近のロシア 制裁と原油価 北極海開発

現在、ロシア ひとつである 2008年以降 欧州に直接の

、裏を返せば 頼)の表れで 支および経済 方針」(図1 が示されてい はない。ソ連

、21世紀に入 価格の急速な アの歩みは原

務省による20

省及びロシア中

ア石油天 価格下落を

アはサウジア る1。2014年 降の増加傾向

の影響がある ば、欧州もそ でもある。他 済に大きな影

・左表)で いるが、歳入 連解体時から

入ってからの な下落、そし 原油価格がロ

017年までの

中央銀行

天然ガス産 を中心とし

アラビア・米 年はウクライ

向を維持して るような原油 それだけロシ 他方、制裁と 影響を及ぼす では 2017年に 入の約半分を ら90年代の低 の原油高騰に して制裁と供 ロシア経済の

の歳入・歳出

4章 最

産業の動向 した影響、上

米国に並ぶ世 ナ紛争によ ている。欧米が

油・天然ガス シアからのエ とパラレルで す。財務省が にかけて石油 を同産業に依 低油価時代と によるロシア 供給過剰がも の屋台骨であ

見通し(左)

最近のロシア石

上流資産の

世界最大の原 り、天然ガス がこれまで科 スの禁輸にま エネルギーフ で進行する原 が発表した「

油ガス産業か 依存する体制 とアジア通貨 ア経済の復活 もたらす現下 あり、その趨

および外貨

石油天然ガス産業

の放出およ

原田

原油・天然ガ スは減少した 科している制 まで踏み込め フローに依存 原油価格の下

「2015年にお からの収入依 制はソ連解体 貨危機の余波 活、リーマン 下の油価停滞 趨勢がロシア

準備の推移

業の動向

大輔

ガス生 たが、

制裁も めない 存して 下落は おける 依存が 体以後 波を受 ンショ 滞。ソ ア経済

(右)

(2)

4章 最近のロシア石油天然ガス産業の動向

を翻弄することを再認識させるものであった。

本稿では現在、欧米による制裁、原油価格低迷、そしてそれらによって引き起こされて いるルーブル暴落という三重苦にあるロシアの石油ガス分野に注目し、作用・反作用とし て生じている最近の注目すべきトピックを紹介することを目的とする。具体的には、

1. 原油下落時の対応、2. 石油税制改正議論の再燃、3. 対露制裁が及ぼす原油生産へのイ ンパクト、4. 北極海開発の実情、そして、5. 制裁下で進む東方シフト、である。

1. 原油価格下落時の対応:リーマンショックを例に

ロシアは G8 の中でも想定油価を政府予算の指標とし、国家収入の過半を石油産業収入 に依存する顕著な特徴を持つ。裏を返せば国の先行きはその為替、経済活動、税収支全て の分野について原油価格という単一の事象が極端な影響力を持っており、ロシア経済にと っての最大のリスクと言うことができる。その結果、高油価においては所謂「豊富さの逆 説」、「オランダ病」に陥り、過度の資源産業への依存と他産業の停滞をもたらす。他方、

現下のように油価が暴落する際や低迷する際には経済活動へ深刻な影響を与える。前者は 21 世紀に入ってからの油価上昇によって経済繁栄を謳歌したロシアが直面してきた課題 であり、後者はソ連解体後、油価が低迷し、経済不安によるルーブル安からドル建て国債 の償還ができずデフォルトにまで至った1990年代、2008年リーマンショックを引き金に 発生した原油価格の暴落、そして現在の供給過剰によって生じている油価停滞である。

2008年7月、原油価格は米国WTIにおいて史上最高の147ドルを付けた。当時の原油価 格が高過ぎる水準にあったことは、リーマンショック直後の6ヵ月で投機資金がWTI先物 市場から逃げ出し、最高値の147ドルから30ドル前半まで低下したことや供給過剰によっ て低迷する現在の油価が40ドルを割っていることが如実に物語っている。更にシェール革 命が米国において天然ガス・タイトオイルの増産を可能にした背景にもこの高い原油価格 水準が非在来型資源の開発を促進しているという事実がある。これまで経済性が見込めな かったプロジェクトの実現を可能にし、供給量を増加する結果、価格の下降圧力を生み出 しているのが現在進む油価停滞の主要因と言えるだろう。

他方、ロシアにとって原油価格の下落は今そこにある危機であり、ロシアがその時どの ように対応するのかを知ることはビジネスリスクを軽減する手掛かりになるだろう。

図2は2008年9月15日のリーマン・ブラザーズによる連邦破産法適用申請に至り、世 界的金融危機を引き起こす前後のロシア国内の動きを政府及び石油産業を中心にまとめた

(3)

図2

0 20 40 60 80 100 120 140 160

:リーマンシ

May-08 Jul-08 Sep-08 Nov-08 Jan-09 Mar-09

ショック前後

May-09 Jul-09 Sep-09 Nov-09 Jan-10 M10

後(2008年3

Mar-10 May-10 Jul-10 Sep-10 Nov-10

10月20日:

大統領直属の 石油ガス業界 ロシア中銀は 10月 7日:G 10月14日:政 9月15日:

リーマン・ブ

10月29日:ア 10月22日:メ

11月19日:ロ 11月 7日:連

3月~2009年

の金融問題対策 界の借入金利が は民間銀行への Gazprom、Ros

救済を要請する 政府は企業の外

融資する方針を ブラザーズ連邦

アルミ世界最大 でに欧米金融機 となる条件に対 メドヴェージェ

と会談し、原油

ロシア政府が下 持のため575億U 金として対外経 連邦独占禁止局 を認可

4章 最

年8月)の

会議を設置(議 が7~8%から2倍 の無担保融資を開

sneft、LUKOIL る書簡を送付 外貨借入の借換資

を決定(上記4社 邦破産法第11章の

大手RusALに対 機関への返済が 対して)

ェフ大統領がモス 油価格維持のた

下院にて金融危機 USDの市場介入 経済銀行(VEB)

局はONGC Vide

最近のロシア石

ロシアでの出

議長にシュヴァ 倍に上昇

開始。同日3877 L及びTNK-BPが

資金を対象に50 社はその内90億 の適用を連邦裁

する公的支援を ができない場合、

スクワにてOPE めの協力で合意

機への対処を報 入を実施し、140

へ供給 shによるImpe

石油天然ガス産業

出来事

ーロフ第一副首 7億RUBを供給 が政府による融

00億USDを上限 億USDを融資)

裁判所に申請

を決定(10月末 同社25%が担 ECバドリ事務局

報告(RUB相場維 40億USDを融資 erial Energyの買

業の動向

首相)

融資

限に

末ま 担保 局長

資資

買収

(4)

4

0 20 40 60 80 100 120 140 160

出典:

もので

章 最近のロシア

May-08 Jul-08 Sep-08 Nov-08 Jan-09 Mar-09

:筆者取り纏め

である。更に

ア石油天然ガス産

May-09 Jul-09 Sep-09 Nov-09 Jan-10 Mar10

に背景情報と

産業の動向

Mar-10 May-10 Jul-10 Sep-10 Nov-10

1月19日:プ 2 2 年末~120

2月24日:大 218日:サ

3月 6日:連

4 1日:外 3月25日:プ

4月 5日:戦 4月12日:セ 5月 6日:プ 5月:連邦独 準備基

として、2008年

プーチン首相、今 2008年の財政黒 2008年の資本流 外貨準備高は直 0日:ウクライナ

大統領府、100人 サハリン-2LNG

連邦政府、158人

外貨準備高、減少 プーチン首相、2

戦略外資規制法に 公開

セーチン副首相、

プーチン首相、下 総額3兆RUBを 独占禁止局が外資

金は依然減少す 6月:2009年予 8月:旧ソ連債

年5月にはプ

今年度予算を41 黒字、過去5年で 流出は第4四半期 直近1カ月で400億

ナガス供給問題

人削減を発表(5 プラント稼働

人削減を発表

少から横ばいへ 2010年及び11年

に基づく連邦的

OPECとの協調 下院での初の政 を支出すると発表

資参入規制緩和 するも、国民福 予算の原油価格 債務(ロンドン

プーチン大統

1USD/BBLで再 で最少

期に集中し、130 億USD減少

再燃

5月14日実施)

年の歳出を30%減

的意義を有する鉱

調減産を表明

政府活動報告で経

を提案 祉基金は前月比 格を41USDから5 クラブ)を年内

統領が第二期

再策定するよう 05億USDに

減らす考えを示

鉱区リストを正

経済危機対策と

比で増加 54USDへ引き上 内完全返済を発表

期の任期を終

う指示

示す

正式

上げ

終え、

(5)

4章 最近のロシア石油天然ガス産業の動向

首相に就任すると共にメドヴェージェフ新大統領が就任している。また、前述の通り、米 国WTI原油価格は同年7月に史上最高値となる147ドル/バーレルに達したという事象に も注目したい。

この図から分かる特筆すべきことは次の4点にまとめられる。

・原油価格が上昇基調にある時、ロシアでは資源産業への外資に対する締め付けが極め て厳しくなった(最終的に2008年4月にはプーチン大統領が最後に署名した「戦略外 資規制法」として結実)。

→資源価格高騰に伴う資源ナショナリズムの高まりがロシアでも現れ、外資に対する

ビジネス環境を悪化させたことは、資源価格とビジネス環境の間の相関関係を示唆 する。

・リーマン・ブラザーズが破産申請を提出(2008年9月15日)してから 3週間後には 企業信用も高い主要ロシア石油会社が政府へ救済を求めた。その時点では原油価格は 急速な下落基調にあったとは言え、依然100ドル前後のレベルにあった。

→このことはロシアで雄たる石油企業でさえ、その財務基盤が脆弱であることを示す

(なりふり構わず政府へ公開援助を求めることはその株価にも影響を与える)。他方、

当時政府には石油安定化基金が積み増されており、各社は敏感な嗅覚で世界的金融 危機の発生と深刻さを感じ取り、狡猾に政府の余剰資金の活用を目論んだとも見る ことができる。

・ロシア政府が政府予算の見直しに本格的に着手したのは危機発生後4カ月後の12月下 旬(想定油価を95ドルから50ドルへ)であり、30ドル台の底値を付ける翌年1月に は更に 41 ドルへ見直した。しかしその後原油価格は自律反転して上昇基調を回復し、

更に 4 カ月で外貨準備高も減少から横ばいへ転じた結果、政府内での危機意識は霧散 していった。

→ロシア政府の対応は想定油価の引き下げによる緊縮財政策がメインであり、低油価が

長期化しなかったためロシア政府の危機感は限定的なものとなってしまった(結果、

油価低迷に対する対応策にはリーマンショック後も大きな変更はなく、貴重な機会を 逸してしまった)。

・原油価格高騰時には戦略外資規制法の制定やTNK-BPの外資株主(BP)に対する締め 付けが強まったが、原油価格暴落後、11 月には外資による独立系ロシア石油企業の買 収が承認され、翌5月には制定後1年で戦略外資規制法の緩和が発表されている。

→リーマンショックに伴う原油価格の下落だけでなく、ソ連解体後90年代の油価低迷の

(6)

4章 最近のロシア石油天然ガス産業の動向

時代も同様に、原油価格が下落傾向にある時には外資(但し資源開発産業)にとって 有利な条件での参入環境が現れ、価格が上昇・高止まりする時には資源ナショナリズ ムも高まり、締め付けが厳しくなる。

2. 石油税制改正議論の再燃

税制が政府による石油分野への関与の主要な方法である結果、政府の財源確保のために その手法が朝令暮改に見直されることは想像に難くない。税収を依存する政府としては原 油価格という日々うつろう市場の影響を受けながら、高油価でドル箱となっている石油産 業からいかに税金を取り立てるか、選挙においてはポピュリズムに訴え、その資金源を確 保するために石油産業に迎合するか、時には減退する可能性が指摘される新規フロンティ アへ優遇税制を設けたりと場当たり的な対応に陥り易くなっているのが実情だ。

例えば、2009 年に稼働を開始した東シベリア・太平洋原油パイプライン(ESPO)

の原油供給地であるイルクーツク州・サハ共和国を中心とする東シベリア鉱床群は正 に新規フロンティアの代表として、既に日本をはじめとするアジア・太平洋市場にも 原油供給が開始しているが、その開発に対する石油各社のインセンティブを上げるべ く、また長大なパイプライン輸送コストをカバーできるように、石油税制の中で最も インパクトのある輸出税の免税が打ち出されていた(図3)。しかし、2009年12月の 稼働開始から半年後には免税は撤廃され、政府が特定する油田のみに対する通常の約 半分(24ドル/バーレル)の優遇課税に切り替わり、更に油価が高い場合にはその特 典すらも剥奪される可能性について財務省が言及する等、当地で活動する会社とって は将来の安定的なキャッシュフローが予測できない状況にあるのが実際だ。さらに 2015年1月からは新たな税制が導入され(図3・右図で示す所謂「Tax Maneuver」と 呼ばれる)、ロシア政府の試行錯誤もひと段落したと思いきや、既に年初から更なる税 制見直しの議論が再燃している(図4)。現下の低油価情勢が続く見通しの中で、政府 はいかに財源を確保できるかが悩みの種となっており、その解決策として石油産業が ターゲットとなり、2015年からスタートした税制に対しては輸出税の軽減税率導入を 先延ばしにし、さらに追加収入税を導入するという更なる締め付け機運が高まってい る。石油開発は探鉱から生産開始まで10年程度を要することもあり、外資にとっては 安定した税制と政府への信頼は不可欠である。その観点からロシアにおける上流開発 は外資にとって他地域に比べてリスクが高いと認識されざるを得ない。

(7)

出典:

図3:

:筆者取り纏め

図4:201

ロシアにお

5年新税制導

ける石油輸出

導入直後から

出税の変遷

ら見直し議論

4章 最

(2014年ま

論が進む朝礼

最近のロシア石

で/2015年

礼暮改の石油

石油天然ガス産業

年以降)

油税制

業の動向

(8)

4

出典:

3.

現時 があ を有す るも はシ って 発表 表 までの でのエ シン では北 府以外 ール革 たこ

実際 生産が 量2 が に進

章 最近のロシア

:筆者取り纏め

対露制裁が及

時点(2016年 るような原油 するプロジェ のとなってい ェールプロジ どれほどポテ しているロシ 1はIEAが の各地域か エネルギー戦 クタンク及び 北極海及びシ 外は悲観的 革命の実際 とが分かる。

際、ロシアに が進むバッケ があると期待 めば第二のシ

ア石油天然ガス産

及ぼす原油生

年1月時点)

油・天然ガス ェクトの推進 いる。具体的 ジェクトの探 テンシャルを シアの今後の 2011年に発 らの生産見通 戦略」におけ び米国政府が シェール層 であった一方 とロシアにお

におけるシェ ケン層の二倍 待されている シェール革命

産業の動向

生産へのイン

)の欧米によ スの禁輸にま

進に対して、

的にはロシア 探鉱開発であ を有し、影響 の石油生産見 発表した“Wor

通しと2014 ける各地域か

がそれぞれ発

(非在来型)

方、米国(エ おけるポテン

ェール層とし 倍以上の大き る3 。米国同 命がロシアで

ンパクト

よる対露制裁 まで及んでお

、関連する製 アの大水深 ある(図5)。

響を及ぼすも 見通しの比較 rld Energy O 4 年にロシア からの生産見 発表したロシ

)からの生産 エネルギー情 ンシャルを鑑

して期待され きさがあり、

同様に既存イ で起きること

裁は主要輸入 おらず、「将来

製品の輸出

(500 フィー

。これらがロ ものであるの 較が役に立つ Outlook”にお ア・エネルギ 見通しである シアの生産見 産を見込まな 情報局/EIA 鑑み、今後生

れる西シベリ 420億~730 インフラがそ

とも十分にあ

入者である欧 来的な石油生

・サービス ート(152m ロシアの将来 のかを確認す つだろう。

けるロシア ギー省が発表 る。また、表2 見通しである ないものにつ A)は米国で 生産が拡大す

リア・バジェ 0億バーレル そのまま活用 あり得ること

欧州に直接の 生産ポテンシ

(役務)を禁 m)超)、北極 来の石油生産 するには各機

特集での20 表した「2035 2はロシア政 る。制裁前の ついてはロシ で起きている すると見込ん

ェノフ層は米 ル程度の確認 用でき開発が とから、EIA

の影響 ャル」

禁止す 極海又 産にと 機関が

035年 5年ま 政府、

の段階 シア政 るシェ んでい

米国で 認埋蔵 が順調 Aは

(9)

図5

出典:

:欧米の対露

:筆者取り纏め

露制裁の概要

要(石油ガスス分野抜粋)

4章 最最近のロシア石石油天然ガス産業業の動向

(10)

4

地域(単位:日 西シベリア ヴォルガ・ウラル チマン・ペチョラ 東シベリア サハリン カスピ海 北極海(バレンツ 北極海(その他)

その他

地域(単位:

北西 ヴォルガ 南部 北カフカス・カ ウラル 西シベリア 東シベリア 極東

表1 の地域

出典

表2

出典:

2020 し制裁 ーレル によ 発・生

章 最近のロシア

量百万バーレル) 20

ツ海)

合計

日量百万バーレル)

スピ海

合計

:IEA(上段 域別生産見通

典:IEA World E

:ロシアの石

:筆者取り纏め

年以降ロシ 裁が科されな ル(現在のロ り技術適用の 生産開始まで

ア石油天然ガス産

10年 2015年 2020年

6.8 6.3 5

2.1 2.1 1

0.6 0.6 0

0.4 0.7 0

0.3 0.3 0

0.2 0.3 0

0.0 0.0 0

0.0 0.0 0

0.0 0.1 0

10.5 10.4 9

2010年 2012年

0.6 0.6

2.1 2.2

0.2 0.2

0.0 0.0

6.2 6.0

0.3 0.3

0.3 0.5

0.4 0.5

10.1 10.4

)及びロシア 通し

Energy Outlook

石油生産見通

シアの生産量 なかった場合 ロシアの原油 の可否・ポテ でのリードタ

産業の動向

2025年 2030年

5.9 5.8 6.0

1.9 1.7 1.5

0.6 0.6 0.6

0.8 0.8 0.7

0.3 0.3 0.3

0.3 0.4 0.4

0.0 0.1 0.1

0.0 0.0 0.0

0.1 0.1 0.2

9.9 9.7 9.7

2020年 2025年

6 0.7 0.7

2 2.0 1.8

2 0.4 0.4

0 0.0 0.0

0 5.4 5.6

3 0.3 0.3

5 1.1 1.2

5 0.7 0.7

4 10.5 10.7

ア政府(下段

k 2011及びロシ

通し

量は2035年に 合・今後解除 油生産量の テンシャル及 タイムを考え

2035年

6.2 西シ

1.2 ヴォ

0.6 チマ

0.7 東シ

0.3 サハ

0.4 カス

0.1 北極

0.0 北極

0.2 その

9.7

2035年

0.8

1.4

0.3

0.0

5.8

0.2

1.4

0.8

10.6

段)によるロ

シア・エネル

にかけて増加 除される場合

16%)を生産 及び経済性の えれば、IEA

地域(単位:年間B シベリア

ォルガ・ウラル マン・ペチョラ シベリア ハリン スピ海 極海(バレンツ海)

極海(その他)

の他

合計

地域(単位:年 ナディム・プルタズ(

オビ・タゾフスカヤ(

ヤマル(ウラル地方)

トムスク州 南部 ヴォルガ

北西(含むバレンツ海)

東シベリア 極東

合計

ロシアの石油

ギー省4

加していくと 合には2030年 産する可能性 の有無の確認 が2012年時

BCM) 2010年

56 2

2 1

63

年間BCM) 2 ウラル地方)

ウラル地方)

油(左表)・天

という予想を 年時点で最大 性も想定され 認はまだ為さ 時点で予想す

2015年 2020年

64 604 604

24 20 16

3 3 2

5 7 24

23 25 25

7 18 17

0 1 2

0 0 0

1 1 1

37 679 692

2010年 2012年 20

531 518

35 41

0 6

5 5

16 19

24 24

4 5

6 7

26 30

651 655

天然ガス(右

を立てていた 大で日量170 れていたが、

されておらず するようにロ

2025年 2030年 203

630 646

14 11

2 2

61 67

26 27

17 17

27 50

1 1

1 1

779 822

020年 2025年 203

471 431

41 41

112 161

4 4

28 28

21 20

7 10

24 70

58 70

770 842

右表)

た。も 0万バ 制裁 ず、開 ロシア

35年 665

10 2 77 28 17 58 1 1 858

35年 333

88 218 4 26 16 61 89 94 936

(11)

の石油 が回復 制裁 極海開

(1)

中期 され って生 合・今 16%)

外資 延して い。制 イン

図6

出典:

油生産量は 復する可能性 裁の対象とな 開発について

シェールプ 期的に減退が

るタイトオイ 生産を回復で 今後解除され

)を生産する 資の参入によ ている。技術 制裁が解除 フラをそのま

:ロシアのシ

:筆者取り纏め

2020年代の 性は既存の制 なっている

てその実際と

プロジェクト が指摘されて

イルの開発は できる有力な れる場合には る可能性があ よって2014

術適用の可否 され、米国の まま利用でき

シェール開発

のある時点で 制裁がいつま

「将来的な石 と現状を見通

トに対する制 てきたロシア

は米国のシェ なポテンシャ は2030年時 ある。

年には探鉱 否・ポテンシ のシェール開 きることから

発ポテンシャ

でピークを迎 まで続くかに 石油生産ポテ 通せば、次の

制裁の影響 アの原油生産 ェール革命に ャルと見られ 時点で最大17

鉱結果が判明 シャル及び経 開発技術の適 ら生産開始ま

ャル

4章 最

迎え、その後減 に左右される テンシャル」

のようにまと

産見通しにお によって証明 れていた。も 70万BD(現

する予定だ 経済性の有無 適用が可能と までのタイム

最近のロシア石

減退する可能 るだろう。

を有するシ とめることが

おいて、バジ 明された外資 もし制裁が科 現在のロシア

ったものが、

無の確認はま と判明すれば ムスパンは短

石油天然ガス産業

能性が高い。

シェール開発 ができる。

ジェノフ層に 資技術の適用 科されなかっ アの原油生産

、制裁によっ まだ為されて ば既存生産地 短い。

業の動向

。生産

発、北

に代表 用によ った場 産量の

って遅 ていな 地域の

(12)

4

(2)

北極 うにガ オフシ バレ

ロシ ルガ を優先

また いく こそが は北極

図7

出典:

章 最近のロシア

北極海開発 極海はロスネ

ガスの賦存に ショア開発技 ンツ海からの シアには上記

・ウラルの重 先しなくては た、制裁とは 中で、他産油 が足元で石油 極海開発は制

:ロシアの北

:筆者取り纏め

ア石油天然ガス産

発に対する制 ネフチ及び

に加え、石油 技術の構築か の原油生産は 記シェール層 重質油開発、

はならない理 は視点が異な 油国と比較し 油会社だけで 制裁以前の問

北極海開発ポ

産業の動向

制裁の影響 ExxonMobil 油への期待も

から始まるた は13万BD 層の他、陸上

、オフショア 理由はない。

なるが、新規 してコストの でなく政府の 問題として開

ポテンシャル

l のカラ海試 も高まってい

ため、長いタ 程度と想定 上ではヤマル アでは黒海北

規フロンティ の高いロシア の方針(税制 開発の対象と

試掘井の掘削 いる5。生産開 タイムスパン 定されている

ル半島、ギダ 北部、カスピ

ィアが生産コ アの上流開発 制)にも影響 とはなり得な

削結果にも明 開始には厳し ンを要する(

)。

ダン半島、東 ピ海北部があ

コストの高い 発においては 響を与えてく ない。

明らかになっ しい自然環境

(2035年時点

東シベリア、

あり、北極海

い地域へ移行 は原油価格の くる。下落局

ったよ 境での 点でも

ヴォ 海開発

行して の下落 局面で

(13)

4章 最近のロシア石油天然ガス産業の動向

4. 北極海開発の実情

前節・図7の通り、北極圏の石油天然ガス資源を見ると、天然ガスのポテンシャルが実 績(既発見)及び未発見資源量でも高いことが分かるが、天然ガスの事業化には需要地へ の輸送方法としてパイプライン及び LNG タンカーによる二つの選択肢があるものの、大 規模な投資と長期に亘る操業条件(コスト回収)が不可欠となる。さらに世界で最も過酷 な環境における資源開発はスタートラインから既に高いハードル(気候、永久凍土での開 発に伴う重機制限及び通年での開発が困難等)を抱える。資源ポテンシャルの点で最も有 望と見られているロシアでも近年国営石油ガス会社主導で開発を進めようという政策を採 っているが、一朝一夕に進んでいないというのが実際だ。

例を挙げてみよう。確かにガスプロムネフチによるバレンツ海での原油生産開始やロス ネフチによるカラ海での試掘成功、そして北極海全般での新たな鉱区付与など、最近ロシ アにおける北極海開発についてのメディア露出が多いが、その実際を読み解くと一筋縄で はいかない実情が見えてくる。

例えば、国営石油会社ロスネフチは2011年に入り急速にカラ海での外資メジャーとの協 力事業を模索し始め、2011 年 1 月には BP と(追って株主訴訟問題に至り破談)、同年 8

月にはExxonMobil と、翌年4月にはイタリアENIとバレンツ海及び黒海探鉱で提携し、

さらに5月にはノルウェーStatoilとバレンツ海での共同事業に合意した。プーチン大統領 が今期就任する直前に矢継ぎ早にこれら欧米メジャー3 社と北極海において共同事業を進 める協定に調印したことは今も同社ホームページのトップセールスとして大々的に掲げら れている。では急とも言えるほどロスネフチが意欲的に大陸棚開発へ乗り出した理由は何 か。その背景には、実はプーチン大統領が大統領第一期(再選時:2004年~2008年)の終 盤に大統領として署名した所謂「戦略外資規制法」の改正とそれに伴う関連法制の改正6が 大きく影響していると考えられる。2008年は原油価格が上昇し、同年7月にはWTI 原油 先物価格が史上最高のバーレル当たり147ドルをつけていた。石油会社はポテンシャルの ある鉱区の獲得に我先に乗り出し、最も有望と言われてきた大陸棚については国営石油会 社ロスネフチ及びガスプロムのロビー活動と資源を囲い込むロシア政府の思惑が一致し、

同法改正にて事実上大陸棚開発を行える企業を両社に限定することに成功する。しかし、

同年9月にリーマンショックが発生し、翌年1月には原油価格は一時的ながら30ドル前半 まで急落してしまった結果、開発技術を有さない両社は北極海大陸棚開発どころではなく なった。そして時は経ち、2012年5月プーチン首相が大統領として復活する。ガスプロム は同法改正前からバレンツ海・シュトックマンガス田開発を進めており、まがりなりにも

(14)

4

表3

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産業の動向

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4章 最近のロシア石油天然ガス産業の動向

い環境下での LNG プロジェクトとしてはバレンツ海にてノルウェーStatoil が進めるスノ ーヴィット(白雪姫)LNG プロジェクト という前例があるが、同プロジェクトでさえ、

1984年に発見された同ガス田の開発が始まったのが2001年、その後2007年に生産を開始 するも、トラブルが続き現在も当初予定されていた総容量の7割程度しか稼動しておらず、

技術的な問題への対応を迫られていると言われている。ガスプロムはスノーヴィットLNG プロジェクトの知見を活かすべくノルウェーStatoil をフランス TOTAL とともにパートナ ーに迎え、2008年からシュトックマンガス田開発を進めてきたが、米国シェールガス革命 の余波と欧州需要の減少、技術的課題から、現在はほぼ無期延期という状況に追い込まれ ている状況にある(表3の通り、2012年Statoilが、2015年TOTALが撤退を決定)。

北極海開発においてロスネフチが欧米メジャーと共同探鉱合意し、ガスプロムがフラン

ス TOTAL 及びノルウェーStatoil を誘致した通り、ロシアではソ連時代から陸上開発は行

われてきたものの、オフショア開発についてはその経験がある欧米メジャーの技術力・設 備に頼らざるを得ないというのが現状だ。また、ノルウェーのスノーヴィット LNG プロ ジェクトの通り、メジャーでも世界で最も過酷な開発条件を抱える北極圏において資源開 発を行うことには、原油と異なり、すぐマネタイズができない(LNGプラント建設等大規 模な投資及び建設期間が必要)という天然ガスのポテンシャルが高いことも相まって、相 対的に他上流開発地域に比べて魅力が劣るというのが実情だろう。

また、近年北極海航路活用に対する報道も多くなってきているが、北極海開発にも重要 な役割を果たす同航路にもいくつかの制約が内在する。例えば、実際の船舶物流は需要地 を複数往来することが一般的であり、この点も北極海航路にとっては経済性に影響を与え る要因であることも留意する必要がある。スエズ運河経由で欧州まで物資を輸送する場合 には、アジア・中東の各需要地で物資を中継・積み出すことが可能であるため、更にビジ ネスの選択肢が広がるが、北極圏ではそのような需要地・人口集中地(北極海沿岸で最大 の都市はロシア連邦アルハンゲリスク(人口約35万人)で、次いで不凍港のムールマンス ク(約31万人)のみ)はなく、資源の積み出しのみである。また、カーゴ単位で様々なも のを輸送できる物資と異なり、原油・コンデンセート・LNG専用のタンカーを使用しなけ ればならない。従って、その方向性も一方通行になり、他物資を搬送できるスエズ運河経 由の物流ルートに比べ、限定的にならざるを得ないというのが北極海航路の実際である。

(16)

4

図8

5.

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章 最近のロシア

:北極海航路

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4章 最近のロシア石油天然ガス産業の動向

すなわち、ロシアにとってのドル箱・既存欧州市場の縮小をいかに止め、維持するか。そ して、その代替としての新規アジア太平洋市場の開拓(東方シフト)である。この柱を縦 軸として新規開発、新規供給ルート(パイプライン,液化天然ガス(LNG)及び北極海航 路)による輸出、さらにロシアを迂回する中央アジア諸国からのルートを阻止する戦略を 横軸に資源戦略が進められてきた。

ロシアは将来的に減退する西シベリアの既存ガス田を引き継ぎ、欧州への安定供給を確 保するべく北極圏に位置するヤマル半島を開発する計画(パイプライン及び LNG プロジ ェクト)を2008年より本格化させてきた。北アフリカ・中東からの欧州へのパイプライン・

LNG輸入増加による既存市場の侵食、さらには欧州が支持する天然ガスパイプライン計画 による中央アジア産ガスのロシア迂回ルートの試行によって、ロシアの地位が揺らぎ始め ていることがその背景にあり、これに対してロシアは新たなドイツ向けの北ルートである Nord Stream(2011年稼動)やイタリア向けの南ルート・South Stream(2014年末にルート が変更されTurk Streamに)、欧州・アジア双方をターゲットとするヤマルLNGプロジェ クト推進による LNG 輸出の構築に力を入れ、既存欧州市場の確保と新規市場の開拓に注 力してきた。他方、欧州は2006 年、2009 年と断続的に発生したウクライナとのガス供給 問題によるロシア離れが加速し、2009年9月にはそれを決定づける所謂「第三次エネルギ ーパッケージ(生産者及び輸送者の分離を義務づけるものであり、つまり、暗に独占企業 体であるガスプロムを対象とするもの)」が発効し、2011 年 3月までに加盟国は各国法制 に反映させることになった。2014年ロシアによるクリミア併合とウクライナ分裂の危機を 齎す紛争までに拡大したウクライナ問題により、ロシアはあたかもその代償をエネルギー の安定供給者の地位を返上し欧州に支払わせるべく、欧州離れを加速し、中国に急接近し ているのが現下の状況である。

制裁を背景に演出されている中露蜜月関係は果たして実を結ぶのだろうか。これまでロ シアは西方にだけ輸出してきた石油・天然ガスをアジア太平洋市場にも流すことを志向し ており、資源輸出先の多様化をダイナミックに図っていることは前述の通りである。2014 年5月の中露ガス売買契約の合意はロシアが原油だけでなく天然ガスにおいても本格的に 中国市場に目指す道筋をつけた点で象徴的な出来事だった。しかし、両国で合意に至った とはいえ、そこに何も問題がないかと言えばそうではない。2018年という4年後に供給を 開始する契約について、合意以降の両国の反応を見ると対中国天然ガス価格はまだ決定さ れていないと見る方が正しく、ハードネゴシエータとしての中国の姿勢も垣間見える。2009 年から既に中国が天然ガスパイプラインを建設し、上流開発も進め、輸入しているトルク

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4章 最近のロシア石油天然ガス産業の動向

メニスタンの天然ガス価格はその事業形態から見ても中国にとって安いことは明らかだ。

さらにミャンマーからもパイプラインで天然ガスの輸入が始まっており、中国がオースト ラリア、インドネシア等から輸入している LNG について見れば、パイプラインよりも安 く調達できているものもある。さらに中国の一次エネルギー供給の太宗を占めるのは国内 に豊富に存在する安価な石炭であり、環境負荷の低い天然ガスへのシフトが謳われている が、石炭の有効活用・クリーンコールテクノロジーの活用も進めている。このように天然 ガス調達源の多角化と選択肢を有する中国の交渉スタンスはロシアのそれよりも高く、ロ シアに対しては安く売らなければ買わないと言える立場にある。中露蜜月とは言われなが ら水面下では輸入が始まるまで、また始まっても熾烈な交渉が続くと予想される。

結び

石油産業から見ると、現在の油価下落局面には安くなっている資産を買う絶好の機会で もある。上述の通り、ロシアではリーマンショック時の原油価格下落時に外資に対する締 め付けが緩和されたわけだが、制裁が科された過去 1 年を振り返ると、2014 年 9 月には ESPOパイプラインへの主要供給油田であるヴァンコール油田への外資誘致(2015年9月 東方経済フォーラムにてインドONGC が15%参入 )、11 月には外国投資規制法の要件緩 和、さらに今後ESPOパイプラインへの供給ソースとして期待されるスレドネ・ボツオビ ン鉱床への外資誘致(2015年6月BPが20%参入決定 )、そして極めつけは2015年11月 のセーチン・ロスネフチ社長訪日における、外資にこれまで開放されていなかった東シベ リア主力生産油田であるヴェルフネチョン油田への日本企業誘致とこれまで囲い込まれて きた優良資産を外資に開け放ち始めている(表 4)。もちろんその背景には制裁を科す G7 の足並みを崩したいというロシアの意図がある。

制裁、原油価格低迷、そしてルーブル安という三重苦の中にあるロシアは,このような 時期にロシアに対してアプローチしてくる国を注意深く見守っている。政治的にも G7 の 足並みを崩したいロシアは日本の一挙手一投足には大きな関心を払わざるを得ない。そし て、日本にとってロシアはエネルギー安全保障上、日本が供給源を多角化できるポテンシ ャルを有する即効性のある唯一の国である。ロシアが身を切る東シベリアでの上流開発協 力、サハリンオフショアの更なる開発、日本への新たな LNG 供給プロジェクトや日露パ イプライン建設構想はこのような時期において、日露関係を深化させる象徴的プロジェク トとなっていくだろう。

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表4:ロシア石油油天然ガス上上流プロジェェクトへの外

4章 最

外資参入の推

最近のロシア石

推移

石油天然ガス産業業の動向

(20)

4章 最近のロシア石油天然ガス産業の動向

出典:筆者取り纏め

-注-

1 BP Statistical Review of World Energy 2015

2 米国エネルギー情報局(EIA)及び米国地質調査所による推計。

3 2014年末時点のロシアの原油確認埋蔵量は1032億バーレル(BP Statistical Review 2015)。

4 ロシア政府エネルギー省「ЭНЕРГЕТИЧЕСКАЯ СТРАТЕГИЯ РОССИИ НА ПЕРИОД ДО 2035 ГОДА」[2014] pp. 222-225

http://minenergo.gov.ru/upload/iblock/621/621d81f0fb5a11919f912bfafb3248d6.pdf

5 Rosneft社HP:http://www.rosneft.com/news/pressrelease/27092014.html

6 連邦法FZ-58「ロシア連邦個別法令の変更、及び連邦法『国防の保障と国家の安全に戦

略的意義を持つ企業への外国投資の手順について』の採択によるロシア連邦法令の個別 条項の効力失効承認について」(2008年4月29日付)

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