市街地立地の特性を活かした廃棄物エネルギーの面的利用推進

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(1)

市街地立地の特性を活かした廃棄物エネルギーの面的利用推進

~地域の強靭化に資する地域エネルギー供給拠点としての低炭素化の取組み~

武蔵野市 環境部 ごみ総合対策課 地産地消エネルギー推進担当 課長補佐 神谷 淳一

【R3.2.19】環境省 令和2年度 一般廃棄物処理の脱炭素化に向けた 廃棄物エネルギー利活用等に関する説明会

~取組事例の紹介~

(2)

1.はじめに (市の概要紹介・施設の立地・施設のコンセプト)

2.武蔵野クリーンセンター建設事業の概要

3.自立・分散型の地域エネルギー供給システムの概要

(廃棄物エネルギーの面的利用推進・強靭化対策)

3-1 地域エネルギー供給システム導入の背景及び概要

3-2 災害発生時のごみ処理及び地域エネルギー供給継続計画

4.更なる面的利用拡大の取組み

(H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要)

5.新たな電力市場の活用 (容量市場への参画)

6.おわりに

本取組事例紹介の内容について

(3)

1.はじめに

(市の概要紹介・施設の立地・施設のコンセプト)

(4)

4

●東京都のほぼ中央、新宿の都庁より西に12㎞

東西6.4㎞・南北3.1㎞・面積10.98㎞2

●市域の80%が住宅地域であり、吉祥寺・三鷹・武蔵境 の三駅を中心に生活型の産業が集積している。

●住みたい街ランキングで「吉祥寺」が常に上位に 1.はじめに ~武蔵野市の概要~

市勢データ】

面積:10.98(km2) 人口:147,463(人) 世帯数:77,742(世帯)

人口密度:全国2位(東京23区除く)

*令和3年2月1日現在

(5)

新施設の全体整備概要

1.はじめに ~施設の立地条件~

市北部に位置

(市本庁舎等公共施設に隣接)

武蔵野市本庁舎

総合体育館・温水プール

野球場・テニスコート 武蔵野クリーンセンター

練馬区 西東京市

施設の立地概要(航空写真、市全体での位置関係)

■新施設⇒平成29年4月~本格稼働

■旧施設⇒平成30年9月 解体完了

(6)

①環境の保全に配慮した安全・安心な施設づくり ~地球温暖化対策を意識して~

■全国トップレベルの環境排ガス基準値の設定及び高効率発電システムの導入

・高温高圧ボイラ付き焼却炉・低温エコノマイザ・乾式重曹排ガス処理システム

・最新鋭の焼却プラント設備にて「小規模ながら20.5%の高効率発電」を実現

【ごみ発電】抽気復水タービン発電 最大出力2,650kw(約15,000Mwh/年)

■立地条件を生かし「市役所など隣接する公共施設へ熱電を供給(電気・蒸気)」

②災害に強い施設づくり ~3.11 東日本大震災を契機に~

■耐震安全性の分類は「構造体Ⅱ類(重要度係数I=1.25)」を満足する設計

■災害・非常時にも対応できる「自立・分散型地域エネルギー供給拠点」

【ガス・コジェネ】ガスタービン発電 最大出力1,500kw

③景観及び建築デザインに配慮した施設づくり ~迷惑施設からの脱却を目指し~

■武蔵野の雑木林をイメージした景観及び建築デザイン

■建物の高さを15mに抑え、凹凸をなくしたコンパクト設計

④開かれた施設づくり ~迷惑施設からの脱却を目指し~

■予約なしで自由に見学できる見学者コース・自由に入れるオープンスペース

⇒環境イベント「エコマルシェ・gomi pit BAR・子どもワークショップなど」を開催

1.はじめに ~施設のコンセプト(市民参加の議論による)~

廃棄物エネルギー利活用

(面的利用の推進)

(7)

2.武蔵野クリーンセンター建設事業の概要

(8)

○事業名:新武蔵野クリーンセンター(仮称)整備運営事業

○入札方法:地方自治法に基づく総合評価一般競争入札

(第234条第3項及び地方自治法施行令第167条の10の2第1項に基づく)

○事業方式:DBO方式(設計+建設+運営20年間の包括【公設民営】)

○建設期間:平成25年7月~令和 元年6月 *焼却施設竣工は平成29年3月

○総事業費:(建設費)111億2,468万円

(運営費)103億8,960万円(20年間)

○焼却施設:全連続燃焼ストーカ式 120t/日(60t/2炉)

*不燃・粗大ごみ処理施設併設 破砕・選別式10t/5h

○余熱利用方式:ごみ発電+所内及び近隣公共施設への電力・蒸気利用

○発電設備概要:【ごみ発電】抽気復水タービン 最大出力2,650kw

【ガス・コジェネ】ガスタービン 最大出力1,500kw

○年間計画発電量:約15,000(Mwh) *基準ごみ時

○計画エネ効率:【発電効率】20.5%

○建設事業者:【代表企業】荏原環境プラント㈱ 【構成企業】鹿島建設㈱

○運営事業者:㈱むさしのEサービス(特別目的会社) *代表企業100%出資

○建設工事監理:㈱日建設計(技術支援:公益社団法人全国都市清掃会議)

2.クリーンセンター建設事業の概要

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○【平成17年度】 旧武蔵野クリーンセンター精密機能診断実施

◆主要設備の耐用年数より、建て替え又は大規模改修の必要が報告され、施設を運営しながら 大規模改修(更新)は極めて困難・改修費用も多額になることより、建て替えが有利との見解

○【平成20年度】

(仮称)武蔵野クリーンセンター施設基本構想

◆現施設の建設経緯等の過去を踏まえ、施設建て替えに向けた基本的な考え方をまとめたもの

○【平成20年度~21年度】 新施設まちづくり検討委員会

◆建設用地選定、新施設の在り方、周辺地域のまちづくり等を検討

○【平成22年度】新施設基本計画策定委員会

◆新施設の基本仕様(規模・公害防止基準・処理方式・煙突高さ・アセス項目・事業手法)を検討

◆平成23年7月に住民説明会及びパブコメを経て「新施設基本計画(基本仕様)」を策定

○【平成22年度~31年度】新施設・周辺整備整備協議会(第1期~第4期)

◆新施設に備えるべき機能・周辺まちづくり・建築デザイン・エネルギー供給方針などを検討

○【平成23年度~24年度】 新施設事業者選定委員会

◆要求水準書(案)作成・実施方針作成・事業者選定基準作成・事業者提案の審査、評価など

○【平成24年3月~平成25年7月】PFI法に準拠した事業者選定⇒契約

◆実施方針・特定事業の選定・入札公告・審査講評・落札者決定・アセス告示縦覧・各種契約など

2.クリーンセンター建設事業の概要 ~建設事業のあゆみ(事業計画検討の経過)~

市民参加による 議論・合意形成

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現クリーンセンター建設(現工場棟)

【着工】平成25年7月 ~【竣工】平成29年3月

旧クリーンセンター解体(旧工場棟

【着工】平成28年12月 ~【竣工】平成30年9月

新管理棟建設(市職員用)

*小型家電リサイクル機能含む(福祉との連携による)

【着工】平成30年9月 ~【竣工】令和元年6月

2.クリーンセンター建設事業の概要 ~建設事業全体の流れ~

環境啓発施設(むさしのエコreゾート)リニューアル

*清掃工場のプラットホーム・事務所棟をリノベーションによる

【着工】令和元年9月 ~【竣工】令和2年10月 *11月8日~開館

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施設外観(建物外壁デザイン:テラコッタルーバ外装・壁面緑化)

2.クリーンセンター建設事業の概要 ~建築デザイン・機能~

施設内観(見学者の自由通路)

(12)

12

厳しい排ガス自主規制値をクリアする最新鋭の焼却プラントとし、かつ、

ごみ焼却により発生する熱で効率的に発電するシステムを導入しています 2.クリーンセンター建設事業の概要 ~最新鋭の焼却プラントによる発電システム~

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3.自立・分散型の地域エネルギー供給システムの概要

(廃棄物エネルギーの面的利用推進・強靭化対策)

(14)

3.自立・分散型の地域エネルギー供給システムの概要

(廃棄物エネルギーの面的利用推進・強靭化対策)

3-1 地域エネルギー供給システム導入の背景及び概要

(15)

○自立・分散型の地域エネルギー供給システムの導入の背景

昨今、廃熱ボイラや蒸気タービン等の技術進歩により、本市の小規模なごみ処理 施設へも高効率発電設備の設置が可能となり、東日本大震災以降、ごみをエネル ギー源(バイオ)と捉える考え方が一般化し、ごみ発電設備の評価が高まっている。

また、エネルギー供給の安定性・信頼性の確保が大きな課題となり、「自立・

分散型のエネルギー供給拠点の必要性(防災・強靭化対策)」が高まってきている。

こうした状況より「廃棄物エネルギーの利活用」を以下のような計画とした。

■市の複数の公共施設(本庁舎・総合体育館・コミュニティーセンター・温水プー ル)が隣接する好立地(市街地)であることより、廃棄物エネルギーの廃熱を新施 設単独のエネルギー源として考えるのではなく、近隣公共施設への「地域エネ ルギー供給センター」として有効なエネルギー源として位置づけた。

■災害等の非常時にもエネルギー供給できるシステムを構築し、公共施設の防災 拠点としての機能維持を可能とする。

市街地の特性を活かした 廃棄物エネルギーの面的利用

3.自立・分散型の地域エネルギー供給システムの概要

3-1 地域エネルギー供給システム導入の背景及び概要

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○自立・分散型の地域エネルギー供給システムの導入の概要

■近隣公共施設(市役所・総合体育館・緑町コミニュティセンター・緑町ふれあい広場

(野球場)他に、電気(自営線)+蒸気(供給導管) ⇒「熱電」を連続的に供給を行う。

■特別高圧による公共施設の電力一括受電方式(自家発自家消費)とし、エネルギーの 地産地消により、従来より約2,500t-CO2/年の二酸化炭素(CO2)排出削減を実現。

■通常・災害時の自立性を高める目的から、ごみ発電機(蒸気タービン)+常用兼非常用 発電機(ガス・コージェネレーション設備

)を導入。

*消防庁告示第1号に規定する発電設備

■中圧ガス導管とガス・コージェネレーション設備は、評価認定を取得した。

*一般社団法人日本内燃力発電設備協会「都市ガス供給系統評価書」及び「常用防災兼用発電装置登録認定」

地域エネルギー供給範囲 (近隣公共施設)及び熱電供給システム概要 都市ガス 中圧ガス導管 ※東京ガス㈱より提供

3.自立・分散型の地域エネルギー供給システムの概要

3-1 地域エネルギー供給システム導入の背景及び概要

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■大地震等災害時に強い都市ガス(中圧ガス)を燃料とした「ガス・コージェネレー ション設備(以下CGS)」を装備することで、災害時には「ブラックアウトスタート 機能」により起動させ発電を行い、焼却炉の再稼働が可能

■系統電力途絶時にも焼却炉の立上げ・立下げが可能なため、災害時の対策拠点と なる公共施設「市役所・総合体育館・コミニュティセンター・広場(野球場ほか)」に 継続して電力及び蒸気を供給でき、行政機能の維持が可能

■通常時の公共施設への蒸気供給の全量安定確保が可能

■通常時の電力需要増大時における買電量のピークカット(デマンド)利用が可能

近隣公共施設へのエネルギー供給システムフロー

3.自立・分散型の地域エネルギー供給システムの概要

3-1 地域エネルギー供給システム導入の背景及び概要

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クリーンセンター

総合体育館

第四中学校

市本庁舎(市役所)

緑町コミュニティセンター

市営プール

電気の流れ

蒸気(温水)の流れ 緑町ふれあい広場

(野球場・テニスコート)

供給管(温水) 供給管(蒸気)

供給管(蒸気)

第四中プール

総合グラウンド

近隣公共施設へのエネルギー供給システム概念図

電力会社(電気)

自営線(電気)

自営線(電気)

自営線(電気) 自営線(電気)

電力会社(電気)

電力会社(電気)

電力会社(電気)

電力会社(電気)

電力会社(電気)

3.自立・分散型の地域エネルギー供給システムの概要

3-1 地域エネルギー供給システム導入の背景及び概要

むさしのエコreゾート

(19)

3.自立・分散型の地域エネルギー供給システムの概要

(廃棄物エネルギーの面的利用推進)

3-2

災害発生時のごみ処理及び地域エネルギー供給継続計画

(20)

○災害発生時のごみ処理及び地域エネルギー供給継続計画

災害発生時には「安全性」・「自立性」の確保が非常に重要となる。

エネルギーリスクを分散し、ごみ処理継続と近隣公共施設への必要な熱電供給(電気+蒸気)を 行える災害に強い都市基盤の中核を担う施設(自立・分散型の地域エネルギー供給施設)として、

⇒「災害時のごみ処理及びエネルギー供給継続計画」を設定。

○災害時のごみ処理及びエネルギー供給継続計画 概要

■災害時にもごみ処理継続する機能を有する施設計画

■災害時にも焼却炉2炉運転を可能とする計画

■災害時から3日目にごみ処理を再開し、5日目に2炉目の 立上げが可能になる電力供給計画(CGS組合せ)

■近隣公共施設に対する熱電供給を災害発生時から可能とする計画

3.自立・分散型の地域エネルギー供給システムの概要

3-2 災害発生時のごみ処理及び地域エネルギー供給継続計画

*災害用井戸設備の整備

長期の市水断水時を想定して「災害用 井戸設備」を平成30年度に整備。クリー ンセンター内の工場用水及び生活用水 (飲料水)を井戸水で継続的に確保する。

災害用井戸設備外観(平成30年度整備)

(21)

4.更なる廃棄物エネルギーの面的利用拡大の取組み

(H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要)

(22)

本市は、地域の低炭素化を促進するため、再生可能エネルギー由来の電力を地域内で 作り、これを公共施設で消費する「エネルギーの地産地消」を「第四期武蔵野市環境 基本計画」

(環境基本法・環境基本条例に基づき策定される「アクションプラン(実行計画)」

及び環境分野の取組を進めていくための「マスタープラン(基本計画)」として、基本的な方向 性と総合的な視点を示したもの)における目的の一つに掲げている。

しかし、「小さな市域」、「高い人口密度」、「台地上の平坦 な地形」より、再生可能エネルギーの創出には非常に不向きな 特徴を有しており、市内の再生可能エネルギーの賦存量(ふそん

)は限定的である

そんな状況下、クリーンセンター(清掃工場)

は、市内で排出される廃棄物による「バイオマス発電(ごみ発 電)」として、再生可能エネルギーを生み出す・・市内の最大で あり、かつ市民生活上重要な社会インフラ施設である。

~廃棄物処理部局⇔環境政策部局との連携は必然で・・必要不可欠なものに~

(エネルギー地産地消、CO2削減、環境配慮、環境教育、まちづくり、SDGsなど

・・・・・・メリットだらけ)

「第四期武蔵野市環境基本計画」抜粋

4.更なる廃棄物エネルギーの面的利用拡大の取組み

~H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要~

(23)

クリーンセンターは、地域エネルギー供給センターとして、近隣公共施設へ「熱電」

を電力自営線と蒸気供給導管にて連続的に供給し、エネルギー地産地消利用を展開して いるが、近隣公共施設は夜間のエネルギー使用量が急激に減少し、昼夜の需給バランス の不均衡化が生じ、夜間は余剰エネルギーが増加する状況にある。

夜間の余剰エネルギーを効率的かつスマートに 有効利用するため・・更なる面的利用の拡大、畜エ ネ化設備の導入等を実現し「昼夜のエネルギー需 給ギャップの平準化」を行い、二酸化炭素(CO2) 排出削減を実現させ、以下の具現化を目指す。

■更なるエネルギー地産地消率の向上(100%を目指し)

■クリーンセンターを核とした低炭素化のスマートシティーのエリアモデル確立

廃棄物部局⇔環境政策部局が連携し、新たに平成30年度より3ヶ年による

「武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクト」を開始。

環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金「公共施設等先進的CO2排出削減対策モデル事業」・「廃棄物焼却施設 の余熱等を利用した地域低炭素化モデル事業」・「 廃棄物焼却施設を核とした地域循環共生圏促進事業」を活用。

4.更なる廃棄物エネルギーの面的利用拡大の取組み

~H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要~

(24)

○プロジェクト名:武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクト

○入札方法:コンソーシアムによる公募型プロポーザル方式

(地方自治法施行令第167条の2第1項に基づく随意契約による)

○プロジェクト期間:平成30年度~令和2年度(3ヶ年によるプロジェクト)

○総事業費:10億7,000万円(補助金:6億円)

○プロジェクト事業者:以下のとおり

(幹事企業) NECネッツエスアイ㈱、(面的利用拡大FS調査) 日本環境技研㈱

(廃棄物プラント関連・登録小売電気事業者) 荏原環境プラント㈱

(CEMS制御システム関連) 横河ソリューションサービス㈱

○プロジェクト整備工事監理者:㈱建設技術研究所

○学識者(助言):横浜国立大学大学院 都市イノベーション研究院 吉田 聡 准教授 千葉大学大学院 工学研究科 建築・都市科学専攻 林 立也 准教授

○専門家(助言):一財) 日本環境衛生センター 総局・資源循環低炭素部 伊藤 恵治 部長

*本プロジェクト実行における「妥当性の確認及び検証等」を学識者・専門家の専門的な見地 より助言をいただく「有識者懇談会」を開催

4.更なる廃棄物エネルギーの面的利用拡大の取組み

~H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要~

(25)

【エネルギー地産地消プロジェクトの主な内容】

①廃棄物エネルギー供給先の面的拡大化(電力自営線による電力供給を市立第四中学校へ拡大)

②近隣公共施設に蓄エネ化設備導入(蓄電池システムによる夜間電力を昼間電力への移行)

③近隣公共施設の省エネ化設備改修(BEMS導入・LED化・PV増設・空調機及び熱源機改修など)

④クリーンセンターにCEMS(地域エネルギーマネジメントシステム)の導入

⑤自己託送制度の活用(市内小・中学校全18校へ) *東京電力PG 接続送電サービスによる

⑥旧一般電気事業者⇒PPS(登録小売電気事業者)へ電力需給及び受給契約の切替え

⑦地産地消エネルギー面的利用拡大における将来構想の調査・研究

★将来構想案⇒ごみ収集車・庁用車・給食配送車EV化、ごみ収集車運行システムのAI/IOT化、市内公園及び道路街路灯へ の電力供給・新設される電力市場の活用(非化石価値取引・容量・需給調整)、エネルギー管理のSPC化など

平成30年度~令和2年度の3ヶ年で実施する「武蔵野市エネルギー地産地消プロ ジェクト」の主な内容を以下に示します。

「武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクト」により

⇒現況より更に約1,000(t-CO2/年)の二酸化炭素(CO2)排出削減が実現される計画

4.更なる廃棄物エネルギーの面的利用拡大の取組み

~H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要~

(26)

クリーンセンター むさしのエコreゾート

総合体育館

第四中学校 市本庁舎(市役所)

緑町コミュニティセンター

市営プール

電気の流れ

蒸気(温水)の流れ 緑町ふれあい広場

(野球場・テニスコート)

武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要 (平成30年度~令和2年度の3ヶ年プロジェクト) 供給管(蒸気)

供給管(温水) 供給管(蒸気)

自営線(電気)

自営線(電気)

自営線(電気)

第四中プール

電力会社(電気)

電力会社(電気)

市内 小・中学校へ

自己託送(電気)

非常時用自営線(電気) 自営線(電気)

クリーンセンターCEMS見える化

蓄電池システム

総合体育館BEMS

4.更なる廃棄物エネルギーの面的利用拡大の取組み

~H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要~

(27)

第四中学校電力自営線敷設状況 (クリーンセンターからの非常時用電力自営線)

むさしのエコreゾート 蓄電池システム設置状況(容量270kwh)

第四中学校 蓄電池システム設置状況(容量270kwh)

クリーンセンターCEMS設置状況(見える化)

4.更なる廃棄物エネルギーの面的利用拡大の取組み

~H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要~

(28)

総合体育館 蓄電池システム設置状況(容量540kwh×2台)

総合体育館BEMS設置状況

4.更なる廃棄物エネルギーの面的利用拡大の取組み

~H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要~

◆YouTubeでプロジェクトプロモーション動画配信◆

市の公式YouTubeにて、本プロジェクトのプロモーション ビデオを配信。 https://youtu.be/H4SABWmJEJc

(29)

クリーンセンター

市本庁舎

電気(自営線) 第四中学校

蒸気(熱導管)

PV(太陽光発電設備)

総合体育館

温水(供給管)

蒸気(熱導管) 電気(自営線)

電気(自営線) 緑町コミュニティセンター

・緑町ふれあい広場

電気(自営線)

電気(自営線・託送)

小・中学校 (全18校)

環境学習/エネルギー・

CO2の見える化

クリーンセンター

CEMS(地域エネルギーマネジメントシステム)

蓄電池システム 電気(託送)

蓄電池システム

BEMS

(ビルマネジメントシステム)

むさしのエコreゾート

PV(太陽光発電設備)

蓄電池システム

PV(太陽光発電設備)

電気(託送) 電気

給食調理場

運行システムのAI/IOT化

ごみ収集車EV化

庁用車EV化

給食配送車EV化

市内公園灯・道路街路灯

電気(託送)

ごみ出し支援・高齢者見守り (福祉部門との連携)

電力市場の活用

電気

4.更なる廃棄物エネルギーの面的利用拡大の取組み

~H30~R2 武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの概要~

清掃工場を核とした低炭素化スマートシティーエリアモデル構想(案) (面的利用拡大における将来構想)

(30)

5.新たな電力市場の活用

(31)

本市は、電気事業法の改正に伴い、一般送配電事業者(東京電力パワーグリッド㈱)が

10年に1回程度の厳気象時(猛暑及び厳冬)の需給ひっ迫発生時において、需給バランス

調整を実施することを目的とした調整力を入札により募集する「電源Ⅰ´厳気象対応調整 力公募」に「常用兼非常用ガス・コージェネレーション設備(CGS)」を活用し、アグリ ゲータの「調整力電源」として、令和元年度~参画している。(令和3年度も落札済み)

電源Ⅰ´厳気象対応調整力公募は、令和6年度から新たな電力市場の一つである

「容量市場(kW価値)」へ移行するため、電力広域的運営推進機関(OCCTO)による

「令和2年度 容量市場メインオークション(令和6年度実需給)」に、CGS+蓄電池シス テムを活用し、アグリゲータの「発動指令電源(DR電源)」として応札・落札した。

清掃工場における新たな価値を創出し、新たな電力市場に参画し、我が国の電力系統 における需給安定化に貢献していく。

5.新たな電力市場の活用 ~容量市場への参画~

【容量市場参画によるインセンティブ&メリット】

■電力系統の需給バランス安定化への寄与

■清掃工場における新たな価値の創出

■CGS平常時での経済性向上(稼働率アップ)

■蓄電池システム(畜エネ)の更なる価値の創出

容量市場の仕組み・概要 (電力広域的運営推進機関HPより引用)

(32)

6.おわりに

(33)

6

.おわりに

■平成23年3月の東日本大震災を契機に災害時に強い施設づくりとして、「災害 時(長期停電等)に対応できるシステム」を構築する強靭化に資する計画とし、か つ廃棄物エネルギーを利活用した「地産地消のエネルギー面的利用(熱電供給)」

の事業スキーム(クリーンセンター建設・整備)を実現した。

●「ごみ発電+CGS」を装備し、立地条件より隣接する公共施設(市役所・体育館・コミュニティセン ターほか)へ熱電供給する「自立・分散型の地域エネルギー供給拠点」とした。

特別高圧による一括受電方式とし、自家発自家消費による再生可能エネルギー由来の電力への転換 により、環境配慮面で従来と比べ「約2,500(t-CO2/年)」の二酸化炭素(CO2)排出削減が実現。

ごみ搬入停止・用役調達不可・残さ灰搬出ルート未確保等により、焼却炉運転継続が困難な場合 には、CGS単独運転にて「新施設+近隣公共施設の必要電力・蒸気」を確保する。

◆市役所(災害対策本部・行政機能) ◆総合体育館(緊急物資輸送拠点) ◆緑町ふれあい広場(電灯点灯)

◆緑町コミュニティーセンター(災害時地域支え合いステーション機能) ◆クリーンセンター(通常事務機能)

●「東京電力PG 電源Ⅰ´厳気象対応調整力(令和元年度~)」にてCGSを活用し、「調整力電源」と して活用しており、今後は令和2年度 容量市場メインオークションに落札し、令和6年度実需給 による「発動指令電源(蓄電池システムを有効活用したDR電源)」として、新規市場へ参画する。

◆我が国の電力系統の需給バランス安定化への寄与 ◆清掃工場における新たな価値の創出 など

(34)

6

.おわりに

■本市では、安全・安心な廃棄物処理の過程で発生するエネルギーを効率的かつ スマートな廃棄物エネルギーの更なる有効利用として、「エネルギーの地産地 消率の向上」及び「清掃工場を核とした低炭素化のスマートシティーのエリア モデル確立」を目指し、廃棄物部局と環境政策部局が連携し、「武蔵野市エネ ルギー地産地消プロジェクト(平成30年より3ヶ年による)」を展開している。

●夜間の余剰エネルギーを効率的かつスマートに有効利用し、「更なる面的利用拡大(電力 自営線及び自己託送制度を活用した公共施設への電力供給)」・「蓄エネ化設備導入(蓄電 池システム)」・「省エネ化設備導入(BEMS・空調設備更新及び照明機器LED化など)」を

実施し、昼夜のエネルギーギャップの平準化を行う。

●現況より更に「約1,000(t-CO2/年)」の二酸化炭素(CO2)排出削減する。

●環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(モデル事業)を活用し、国の施策と マッチングしたプロジェクトを展開。

・公共施設等先進的CO2排出削減対策モデル事業

・廃棄物焼却施設の余熱等を利用した地域低炭素化モデル事業

・廃棄物焼却施設を核とした地域循環共生圏促進事業

(35)

最後に・・・

本市の廃棄物エネルギー利活用の取組みは、平成30年6月に閣議決定 した、5年毎に改訂する国の「廃棄物処理施設整備計画」における

●廃棄物処理システムにおける気候変動対策の推進

●災害対策の強化

●地域に新たな価値を創出する廃棄物処理施設の整備

に資するものであり、「強靭化」+「低炭素モデル」という2つの機能 が加わることで、従来の清掃工場イメージである「迷惑施設(NIMBY)」

から「歓迎施設(PIMBY)」への転換・地域に根づいた都市型清掃工場

(社会インフラ)の先進事例・・そして「ゼロカーボンシティ推進」への

施策の一つとして、他自治体・一部事務組合への一助となり、波及効果

が生まれることを期待したい。

(36)

ご清聴ありがとうございました。

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