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地下茎 で群 落を拡大 す る亜熱帯 の海 草 を対象 とした移植技術の開発

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第55巻(2008) 土 木 学 会,1291‑1295. 地下茎 で群 落を拡大 す る亜熱帯 の海 草 を対象 とした移植技術の開発 Development. of the Transplantation. 片 倉 徳 男1・ZeinaJokadar2・. Norio. KATAKURA,. Zeina. Method. of Subtropical. 勝 井 秀 博3・Shaun. JOKADAR,. Hidehiro and Millie. New type of transplantation. technique. Seagrass. Lenehan4・. KATSUI,. which. Expands. by its Roots. 高 山 百 合 子5・Millie. Shaun. LENEHAN,. Yuriko. Plowman6. TAKAYAMA. PLOWMAN. with the use of mattresses. to create a seagrass community. has been devel-. oped recently in Japan. This technique suits the wide-space transplantation because of its efficiently for the seagrass like Zostera marina that expands by its seeds. The authors developed and reformed this technique to make it applicable for the subtropical seagrass like Halodule uninervis that expands by its rhizomes in Dubai, U.A.E. A field-test was performed to check the applicability of newly developed mattress method for transplantation. The test result revealed. that the new mattress. method. showed high performance. 1. は じ め に. in transplantation.. 2. 移 植 マ ッ トの 開 発. 沿 岸 域 の海 草 の 移 植 に は,種 子 を採 取 して移 植 地 に播 種 す る 方 法(播 種 法),草. 体 の 株 を 採 取 して 移 植 す る方. 法(株 植 法)が 用 い られ て い る(Phillips,1980;港 間 高 度 化 セ ン タ ー,1998;前. 川,2002).ま. 湾空. た,新 た な移. 英 虞 湾 で 開 発 した マ ッ トを 用 い た海 草 移 植 法 は,ま ず 海 草 群 落 に移 植 マ ッ トを設 置 し,そ の上 に 落 下 した 種 子 を 自 然 発 芽 ・生 長 さ せ る.そ して,海 草 が 定 着 した マ ッ トを移 設 し,移 植 先 に海 草 を 根 付 か せ る方 法 で あ る.こ. 植 法 と して,従 来 型 の播 種 ・株 植 が 不 要 な マ ッ トを 用 い. の工 法 は,波 浪 の影 響 が 少 な い 静 穏 な沿 岸 域 に生 育 す る,. た 移 植 工 法 も開 発 さ れ て い る(上 野 ら,2003;高. 山 ら,. 主 に種 子 で 群 落 を拡 大 す る ア マ モ を 対 象 に開 発 した も の. れ らの移 植 法 は,ア マ モ に代 表 され る よ. で あ る.し か し,ド バ イ の 海 草 は ア マ モ と異 な る種 で あ. 2004,2005).こ. うな 大 型 の種 子 を形 成 す る海 草 を 対 象 と して い る が,海. り群 落 の 拡 大 様 式 が 異 な る.ま た,生 育 場 の 波 浪 条 件 も. 草 に は種 子 の 大 き さ が 小 さ く,主 に 地 下 茎 で群 落 を拡 大. 英 虞 湾 よ り厳 し い.そ こで,ド バ イ の海 草 群 落 の拡 大 様. す る種 類 も見 られ る.こ の よ う な海 草 の 移 植 で は,種 子. 式 や生 育 環 境 に適 した 新 た な構 造 の 移 植 マ ッ トを 開 発 し. の 採 取 が困 難 な た め主 に株 植 法 が 用 い られ て い る が,既. た.. 存 の 群 落 の 損 傷 が 懸 念 され る と と も に,潜 水 作 業 が 主 と な る た め,大 規 模 な移 設 に は適 して い な い.そ こで,群 落 に影 響 を 与 え ず に 大 規 模 な移 設 に対 応 で き る,マ ッ ト. (1) 対 象 海 草 種 と群 落 拡 大 の様 式 ドバ イ沿 岸 で は ウ ミジ グ サHalodule ヒル モHalophila. ovalis,お. uninervis,ウ. よ びHalophila. を 用 い た移 植 工 法(以 下 「マ ッ ト工 法 」)に 着 目 し,主 に. 3種 類 の 海 草 が 確 認 さ れ て い る(Phillipsら,2004).. 地 下 茎 で群 落 を拡 大 す る海 草 の 新 た な移 植 工 法 を,沿 岸. Halophila. 域 で 多 くの 開 発 事 業 が 進 め られ て い る亜 熱 帯 のUAEド バ イで 開発 した.. を行 っ たJebelAli港. 本 研 究 で は,三 重 県 英 虞 湾 で 実 績 の あ る 「マ ッ トに よ る海 草 移 植 法 」 を ベ ー ス に,新 た な 構 造 の移 植 マ ッ トを 開 発 した.そ. stipulaceaの 現 存 量 は 少 な く,現 地 実 証 実 験 西 側 の海 域 で は,ウ ミ ジ グサ と ウ ミ. ヒル モ の2種 類 が(ウ. ミジ グ サ が 優 先),群. 落 を 拡 大 す る タ イ プ で あ る(平 凡 社,2001).. して,主 に地 下 茎 で 群 落 を拡 大 す る海 草 ウ. ミ ジグ サ(以 下 「 海 草 」)を 対 象 と した 現 地 実 証 実 験 を 行. 移 植 に 適 した 環 境 条 件 を 明 らか に した.. 会. 員. 大 成 建 設(株)技術 セ ン タ ー 土 木 技 術 研 究 所. 2Nakheel 3フ. PJS,. ェ ロー. 会. 博(工)大. 成 建 設(株)技術 セ ン タ ー 土 木 技 術 研 究 所. 6Nakheel. PJS, 員. Group. 成 建 設(株)技術 セ ン タ ー 土 木 技 術 研 究 所. 4Nakheel 5正. Design. 博(工)大. PJS,. Design. Design. Group. Group. 落 を形 成 して. い る.こ れ らの 海 草 は,地 下 茎 を 延 伸 さ せ て 平 面 的 に群. い,開 発 した 移 植 マ ッ トの有 効 性 を 検 証 す る と と もに,. 1正. ミ. stipulaceaの. 写真‑1. ドバ イ の海草 群落.

(2) 1292. 海. 岸. 工. 学. 論. (2) 生 育 環 境 対 象 と す る海 草 が生 育 す る場 所 は,ア ラ ビ ア湾 に面 す る ドバ イ の 沿 岸 で あ る.現 地 の 海 岸 線 は 直線 的 で,底 質. 文. 集. 第55巻(2008). 3. 現 地 実 証 実 験 (1) 実 験 方 法. は砂 質 土 で あ る.こ の た め,北 側 か らの 波 浪 の 影 響 を 受. 現 地 実 証 実 験 は,新 た に 開 発 した マ ッ トを用 い た マ ッ. け や す く,特 に北 寄 り の季 節 風 が 卓 越 す る冬 季 は,波 高. ト工 法 の 検 証 を 行 う と と も に,対 象 工 法 と して従 来 法 で. 1m以. あ る株 植 法 と の比 較 を 行 っ た.以 下 に手 順 を示 す.. 上 の波 浪 が海 岸 ま で 来 襲 す る.沿 岸 に は砂 地 が 広. が って お り生 物 の姿 は少 な い が,Jebel Ali港 の 防 波 堤 の 西 側 は比 較 的 静 穏 な海 域 で あ り,水 深 約3〜6mの 約10haの. 規 模 の 海 草 群 落 が 広 が り,多. 砂 地 に,. く の魚 類 や ウ ミ. ガ メ を観 察 す る こ とが で き る.現 在,ド バ イ沿 岸 で は 多 くの 巨大 な 人 工 島 の建 設 が 進 め られ て い る.こ れ らの建 設 に よ り海 草 の 生 育 に適 した 静 穏 な海 域 の面 積 の 増 加 が. a) マ ッ トの 設 置 2006年4月. に,Jebel. 落(Site‑1)の. Ali港 西 側 に広 が る天 然 の 海 草 群. 周 辺 に,既 存 の 海 草 の 成 長 を 阻 害 しな い. よ うに32枚 の マ ッ ト(0.5m×0.5m)を. 設 置 した.. b) 株 植 法 マ ッ トの 設 置 と同 時 に,Site‑1か. らハ ン ドグ ラ ブ に よ. 見 込 ま れ て い る.そ して,豊 か な 海 中環 境 を早 期 に整 備. り0.04m2/個 の海 草 を 採 取 し,Site‑1内 の 海 草 未 生 育 地 と,. す るた め,大 規 模 な移 植 技 術 の 開発 が 求 め られ て い る.. Site‑1か ら約1.7km離. れ た 海 草 未 生 育 地(Site‑2)の2箇. 所 に5個 ず つ 移 植 した. c) マ ッ トの 移 設 設 置 か ら6ヶ 月後(2006年10月)に,被. 度 が50%を 超 過. した マ ッ トの うち8枚 を,海 草 が 生 育 して い な いSite1‑N とSite2‑Nの2箇. 図‑1. 所 に4枚 ず つ 移 設 した.. ドバ イ沿岸 域の 開発状 況. (3) 移 植 マ ッ トの構 造 群 落 の 拡 大 様 式 と生 育 環 境 を 考 慮 し,図‑2に 示 す 新 た な移 植 マ ッ ト(以 下 「マ ッ ト」)を 開 発 した.海 草 の 地 下 茎(根)は,群. 図‑3. 実 験 場 所 とSiteの. 名称. 落 か ら海 底 面 直 下 を延 伸 しな が ら平 面 的. に拡 大 す る.そ の た め,マ ッ トは 凹 凸 の あ る海 底 面 に 常 時 密 着 す る よ うに地 形 に追 随 し,群 落 か ら拡 大 す る 地 下 茎 が 自然 に マ ッ ト内 に侵 入 で き る こ とが 必 要 とな る.そ こで,柔 軟 な ヤ シ マ ッ トを材 料 に選 定 した.な お,ヤ シ マ ッ トは容 易 に分 解 で き るた め環 境 へ の 影 響 も少 な い 材 料 で あ る.ま た,波 浪 に よ る浮 き上 が りや 動 揺 を 生 じ さ せ な い た め,チ ェー ンを利 用 した ア ンカ ー を 装 着 した.. 写 真‑2 図‑2. 開 発 した マ ッ トと 特 徴. マ ッ トの 設 置(2006年4月).

(3) 地 下茎 で群 落 を拡大 す る亜熱帯 の海 草 を対象 と した移 植技術 の開発. 1293. (2) 調 査 項 目 お よ び 方 法. い る こ とが 望 ま し い.し た が っ て,あ らか じめ 漂 砂 量 を. 海 草 の生 育 調 査 は,マ. 予 測 し,埋 没 が 生 じな い 場 所 を選 定 す る必 要 が あ る こ と. ト移 設 後 ま で,1〜2ヶ. ッ トを 設 置 した 時 点 か ら,マ ッ. 月 毎 の 頻 度 で潜 水 調 査 に よ り確 認. が 明 らか に な っ た.. した.ま た,海 草 の生 育 に関 わ る外 的 な要 因 を把 握 す る た め,水 質,底 質,波 浪 に関 す る環 境 調 査 を行 った. a) 海 草 生 育 調 査 Site‑1に 設 置 し た マ ッ ト,マ ッ ト移 植 先,株 植 法 に よ る株 の移 植 先,お よ び,天 然 海 草 群 落 で,約1〜2ヶ に コ ドラ ー ト(50cm×50cm)に. 月毎. よ る 目視 調 査 を 行 い,被. 度 を 記 録 した.被 度 は コ ドラ ー トの 面 積 を100%と. した. と きの,海 草 が 生 育 す る被 覆 率 で あ る. b) 環 境 調 査 水質調査. 図‑4. 天然海 草群 落 とマ ッ トにお け る平均 被度 の変 化. 海 草 生 育 調 査 に 合 わ せ,多 項 目水 質 計(AAQ1183)に よ り,水 温,塩 分,DO,濁. 度,ク. ロ ロ フ ィル,光 量 子 の. 計 測 を,site‑1お よ びSite‑2で 実 施 した. 底質調査 Site‑1,Site‑2,Site‑1N,Site‑2Nの 度 分 布 を 行 い,Site‑1,Site‑2で T‑P)を. 底 質 を 採 取 し,粒. は栄 養 塩 類(T‑C,T‑N,. 分 析 した.. 波高観測 マ ッ ト設 置 か ら1年 間 に わ た り(2006年4月. 〜2007年3 図‑5. 月),小 型 メ モ リー波 高 計(COMPACT‑WH)をSite‑1に. 被 度 別 の マ ッ ト枚 数 の 変 化. 設 置 し波 高 の 連 続 計 測 を行 った. (3) 結 果 a) マ ッ トへ の 海 草 の 定 着 図‑4にSite‑1に す.2006年4月. 設 置 した 各 マ ッ トの 被 度 の 平 均 値 を 示. にSite‑1へ 設 置 した32枚 の マ ッ トの 被 度. は設 置2ヶ 月 後 か ら増 加 し は じめ,9ヶ 月 後(2007年1月) に は 周 辺 の 植 生 と見 分 けが つ か な い レベ ル(被 度80%) に達 した. 図‑5に 被度 別 の マ ッ ト枚 数 の変 化 を示 す.被 度 別 の マ ッ トの 枚 数 は,設 置2ヶ 月 と い う短 期 間 で18枚 の マ ッ トに. 図‑6. 埋 没 し た マ ッ トに お け る 被 度 の 変 化. 海 草 の定 着 しは じめ,4ヶ 月 後 に は被 度50%を 越 え るマ ッ トが 観 察 さ れ は じ め た.設 置6ヶ 月 後 以 降 は被 度50%を 越 え るマ ッ トの 占 め る割 合 が 増 加 して い る.図‑4に た平 均 被 度 の 変 化 は,図‑5の 被 度50%を. 枚 数 の 増 加 と リン ク して い る.被 度50%を は,6ヶ. 示 し. 超過 す るマ ッ ト 超え るマ ッ ト. 月 後 に8枚 を 移 設 した に も 関 わ らず,7ヶ. 月 目以. 降 も約10枚 か ら15枚 の枚 数 を 維 持 して い る.こ れ は海 草 群 落 に設 置 した マ ッ トに,群 落 か ら拡 大 す る海 卓 が 順 調 に 定 着 し続 けて い る こ と を示 して い る.一 方 で,2007年 1月 以 降 に漂 砂 に よ り,砂 に埋 没 す るマ ッ トが 見 られ た. 図‑6に 埋 没 し た マ ッ トに お け る 被 度 の変 化 を 示 す.埋 没 し た マ ッ トは,一 時 的 に埋 没 した後 に被 度 が 回 復 す る もの(埋 没 後 海 草 復 活)と,埋. 没後 そ のまま海草 が消失. す る もの(埋 没 後 海 草 消 失)と に 分 け られ た.海 草 が 定 着 した マ ッ トを 移 設 す る場 合,被 度 の 大 き い マ ッ トを用. 写 真‑3. マ ッ ト上 の 海 草 の 繁 茂(2006年10月).

(4) 1294. 海. 岸. 工. 学. 論. b) 海 草 未 生 育 地 へ の マ ッ トの移 設. 文. 集. 第55巻(2008). る.こ の 時 期 は,図‑7に. 図‑7に 移 設 した マ ッ トの 被 度 の 変 化 を 示 す.site‑1N. 示 す マ ッ ト工 法 で の 消 失 と ほぼ. 同 時 期 で あ る.こ の 時 期,Site‑2,Site‑2Nか. ら北 西 約700. へ 移 設 し た マ ッ トは,移 設 か ら6ヶ 月 後 も80%以 上 の 被. mで 造 成 工 事 が行 わ れ て お り,工 事 で 発 生 した シル トが. 度 を 維 持 し,さ らに マ ッ トの 外 に ま で生 息 範 囲 を 拡 大 し. 葉 上 に堆 積 し光 合 成 を 阻 害 した た め,消 失 に 至 っ た と考. て海 底 に 確 実 に根 付 い た.一 方,Site‑2Nへ. え られ た.. 移 設 した マ ッ. トは,移 設2ヶ 月 後 に全 て の 海 草 が 消 失 した.こ れ は,次 節 で示 す よ うに,葉 上 に造 成 工 事 で 発 生 した シル トが 堆 積 した こ とが 要 因 と考 え られ た.. 図‑8. 図‑7. 株 植法 にお ける海草 被度 の変 化. 移設 後 のマ ッ トにお け る海草 の被 度変 化. Site‑1(シ. Site‑2(葉 上 へ の シル ト堆 積). ル ト堆 積 な し). 写 真‑5. 海 草 の葉上 へ の シル トの堆積 状況. d) 外 部 環 境 の海 草 へ の 影 響 水質 調 査 結 果 の 一 例 と して,2006年4月. か ら2007年4月 ま で. の水 温 の変 化 を 図‑9に 示 す.水 温 は20℃ 〜33℃ の 範 囲 で 移 設 直 後(2006年10月). 変 動 した.図‑8に. 示 す よ うに,現 地 の海 草 は約13℃ の 幅. の水 温 変 動 に も関 わ らず 群 落 の被 度 に大 きな 変 化 が な く, 高 水 温,低 水 温 の環 境 に 耐 え る こ と を確 認 した.ま. た,. 被 度 に顕 著 な 周 年 変 化 が み られ な い こ と は,一 年 を 通 し て い つ で も移 植 が 可 能 で あ る こ とを 示 唆 して い る.ち な み に,三 重 県 英 虞 湾 に生 育 す る コ ア マ モ の 場 合,冬 季 の 現 存 量 は夏 季 の十 分 の 一 以 下 ま で 減 少 す る大 きな 周 年 変 化 が 報 告 さ れ て い る(横 移 設5ヶ. 写真‑4. 月 後(2007年4月). 田,2004).な. そ の他 の 水 質 計 測 項 目 は,Site‑1,Site‑2で. 移 設後 の マ ッ トと海 草 の定着 状況. (Katakuraら,2008).. c) マ ッ ト工 法 と株 植 法 の比 較 図‑8に 株 植 法 に お け る被 度 の変 化 を 示 す.株 植 法 で は, Site‑1の 被 度80%の に 移 植 し た.マ. 海 草 をSite‑1,Site‑2の. 海草未生 育地. ッ ト工 法 で移 植 が 成 功 したSite‑1で は2. ヶ月 後 に 全 て の海 草 が 消 失 し,Site‑2で は 当 初80%以. 上. の 被 度 を 維 持 して い た もの の,移 植 後6ヶ 月 以 降 に 消 失 した.Site‑1は 移 植 した株 が 砂 の 堆 積 に よ り埋 没 して お り,波 ・流 れ の影 響 に よ り株 を維 持 す る こ とが で きなか っ た と考 え られ る.Site‑2で は2007年1月 に 株 が 消 失 して い. 図‑9. 水温 の通 年変化. お,水 温 お よ び 差 は無 か っ た.

(5) 地下 茎 で群落 を拡 大す る亜熱 帯 の海草 を対 象 と した移 植技 術 の開発. 1295. 底質 マ ッ ト移 設 後 に 海 草 が 消 失 したSite‑2Nは,底 央 粒 径 が 約0.4mmと. 質 の中. 他 の 中 央 粒 径0.05〜0.15mmに. 粗 く,シ ル ト粘 土 含 有 量 は10%以. 4. 結 論. 比べ. 本 研 究 で は,地 下 茎 で 群 落 を 拡 大 す る ウ ミ ジグ サ が 優. 下 に と ど ま っ て い る.. 先 す る海 草 群 落 を 対 象 と した,大 規 模 な移 植 に適 用 可 能. しか し,天 然 の 海 草 群 落 が 形 成 して い るSite‑1は,有. 機. な マ ッ ト工 法 を 開 発 し た.ま た,亜 熱 帯 の ドバ イ の 海 域. 体 炭 素 含 有 量 は非 常 に 少 な く貧 栄 養 で あ る もの の,シ ル. に お け る現 地 実 証 実 験 に よ り,株 植 法 で は 困 難 な移 植 が. ト粘 土 含 有 量 が50%を. 超 え て い る(Katakuraら,2008).. マ ッ ト工 法 で可 能 な こ とを 実 証 した.以 下 に主 な 結 論 を. Site‑1で は,海 草 は根 か ら栄 養 分 を 吸 収 し易 い が,Site‑ 2Nで. 示 す.. は底 質 の粒 径 が 粗 い た め 根 が 土 壌 と密 着 しに く く,. 十分 に栄 養 分 を吸 収 で きな か った こと も,海 草 消 失 に至 っ た 一 因 と考 え られ る.し た が って,海 草 の 移 植 先 は底 質 が 天 然 海 草 群 落 と同 等 の粒 度 分 布 を有 す る場 所 と す る こ とが 必 要 で あ る.. (1)地. 下 茎 で 群 落 を 拡 大 す る 海 草 ウ ミ ジ グ サ(H.. uninervis)を 対 象 と して,既 存 の 群 落 を損 な わ ず に 移 植 が 可 能 な マ ッ ト工 法 を確 立 した. (2)波. 浪 条 件 が 厳 し く(最 高 波 高1.5m),株. な 環 境 に お い て,マ. 植 法 が困難. ッ ト工 法 は海 草 の 移 植 が 可 能 で. あ る こ と を実 証 し た. (3)水. 質 ・底 質 ・波 浪 条 件 の 調 査 か ら,ド バ イ の 沿 岸 域 にお け る海 草 の 生 育 条 件 を把 握 し,移 植 に必 要 な環. 境 条 件 を明 らか に した. (4)マ. ッ ト工 法 は 海 草 の地 下 茎 の 自然 繁 殖 能 力 を 利 用 し. て,播 種 法 や 株 植 法 が 困 難 な 場 合 だ けで な く,亜 熱 図‑10. 帯 以 外 の様 々 な 海 草 で 利 用 す る こ とが 可 能 で あ る.. 底質 の粒度 分布. 波浪 図‑11に 有 義 波 高 の 変 化 を示 す.1年 間 に わ た る波 高 計 測 の結 果,波 高 は11月 か ら6月 に か け て上 昇 す る傾 向 が み ら れ,2007年1月. に年 間 の 最 大 有 義 波 高 と な る93cm. (最高 波 高1.5m)を. 記 録 した.現 地 は冬 季 に 「Shamal」 と. 呼 ば れ る北 よ り の季 節 風 が 卓 越 す る こ とが 知 られ て お り, 波 浪 は この 影 響 を 受 け て い る.こ の よ うな 波 浪 環 境 で も Site‑1で は天 然 の 海 草 が 群 落 を 維 持 して お り,現 地 の 海 草 が 最 大 有 義 波 高93cmに. 耐 え る こ とが 明 らか に な った.. ま た,耐 波 浪 性 が 求 め られ る マ ッ トは,最 大1.5mの に さ ら さ れ て も水 深 約4.5mの. 波高. 海 底 に お い て 安 定 して 海. 底 に 密 着 して お り,高 い耐 波 浪 性 能 を 示 した(Katakura ら,2004).. 参 考 文 献 上野 成三 ・高 山百 合子 ・前川行 幸 ・原条誠也 (2003): 播 種 ・株 植が不要 なアマ モ移植方 法の現地実 験, 第50回 海講論文集, pp.1261‑1265. 港 湾空間高度化 セ ンター港湾 ・海域 環境研 究所 (1998): 港湾構 造物 と海藻草 類の共生 マニ ュアル, 98p. 高 山百合子 ・上 野成三 ・湯浅城 之 ・前川行 幸 (2004): 播 種 ・株 植が不要 なアマ モ移 植方法 の最適 移植 時期 について, 第51 回海講論文集, pp.1181‑1185. 高 山百合子 ・上 野成三 ・湯浅城 之 ・前川行 幸 (2005): 播 種 ・株 植が不要 なアマモ移植方 法 にお ける移 植 マ ッ トの改良 とア マ モ定着効 果, 第52回 海講論文集, pp.1216‑1220. 平 凡社 (2001): 日本 の野生植 物, 16p. 前 川行幸 (2002): アマモ場再生 実験‑ア マモ場再生 の重要 性‑, 第2回英 虞湾 の再 生 を考 え る シ ンポ ジウム講演 集, pp.11‑ 15. 横 田圭五 (2004): 三重県英 虞湾立神浦 にお ける海草 コアマ モの 生態, 三重大 学大学 院生物 資源学研 究科博士 課程論 文, pp. 5‑17.. Katakura, N., Z. Jokadar, H. Katsui, S. Lenehan, M. Plowman and Y. Takayama (2008): Research on seagrass growth and its transplantation in sub-tropical marine environment, 7th PIANC-COPEDEC,pp.425-426. Phillips, R. C. (1980): Planting guidelinesfor seagrasses,Coastal engineeringtechnical Aid, No.80-2, Coastal engineeringresearch center, U.S.ArmyCorps of engineers, 27p. Phillips, R. C., R. A. Loughland and A. M. Youseef (2004): Marine Atlas of ABU DHABI, Emirates Heritage Club, pp. 124-139. 図‑11. 来 襲波 高 の変化.

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参照

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