Conduction velocity of low‑threshold mechanoreceptive afferent fibers in the glabrous and hairy skin of human hands measured with microneuro graphy and spike‑triggered averaging
著者 角田 尚幸
著者別名 Kakuda, Naoyuki journal or
publication title
博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査 結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科
volume 平成5年7月
page range 84
year 1993‑07‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/15100
学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目
医博乙第1218号 平成5年3月17日 角田尚幸
Conductionvelocityoflow-thresholdmechanoreceptiveafferent fibersintheglabrousandhairyskinofhumanhandsmeasured withmicroneurographyandspike-triggeredaveraging
(マイクロニューログラフィーとスパイク・トリガート・アベレージングに よるヒト手無毛部及び有毛部皮膚の低閾値機械的受容器の求心性線維伝導速 度)
主査教授高守正治 副査教授山本長三郎 教授永坂鉄夫 教授廣根孝衞 論文審査委員
内容の要旨および審査の結果の要旨
本研究では,ヒトの手の皮膚の低閾値機械的受容器の求心性線維の伝導速度を,microneurography とspike-triggeredaveraging法を用いて測定し分布を調べた。機械的受容器は反応の性質からslowly adaptingunits(SA)とfastadaptingunits(FA)に分けられ,その各々に受容野の小さいtypel
と,大きいtypeⅡがある。これらは,臨床的には触覚・圧覚・皮膚の振動覚に関与している。
2本のタングステン微小電極を前腕遠位部で肌正中,尺骨または擦骨神経に刺入した。近位部の電極か ら単一の求心性線維の活動を記録し,受容器を同定した。この近位部の単一線維の活動をトリガーとして,
遠位部の神経活動を平均加算することで,近位部の電位に1対1対応する電位が,遠位部でえられた。
2点での電位から伝導時間を測定し,これと伝導距離から伝導速度を求めた。
健康成人で18回の実験を行い,無毛部(手掌)および有毛部(手背)皮膚から122ケの求心性線維の伝 導速度を測定した。全体では36-73m/sに分布し,平均58.7m/s,標準偏差7.4m/sであった。3つの 神経間,および無毛部と有毛部では伝導速度に差はなかった。各受容器別の比較ではSAIとSAIIには差は なかった。FAIはSA群より平均で約4-5m/s遅かったが,分布の重なりは大きかったd
以上,ヒトの手の皮膚の機械的受容器の求心性線維はAα線維に属し,神経や皮膚の違いで差はなく,
受容器間でも大きな差はないことを示した。この結果は,ネコ・サルなど他の動物のデータと一致するも のであった。
本研究の意義は,第1に,ヒトの単一神経の伝導速度の測定方法を確立したことである。第2は,これ を用いて皮膚の機械的受容器の求心性線維の伝導速度を測定し,分布を調べたことである。これまでγ microneurographyによって皮膚機械的受容器の性質や,感覚・運動調節における役割が調べられてき た。伝導速度の分布は,ヒトにおけるこのような神経生理学的研究の際の,基本的なデータである。
本論文の結果は,臨床的には,末梢神経障害において従来の電気生理学的検査では見いだせなかった軽 度の異常を検出できる可能性を呈示し,またヮ受容器の刺激閾値の測定などと組み合わせることにより,
末梢神経の病態生理をより明かにする指標としても期待でき,臨床神経学および神経生理学に寄与する価 値ある論文と評価される。
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