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バクテリア

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 医 学 )    初 谷 良 子

学 位 論 文 題 名

バクテリアPam2 リポベプチドの免疫活性化機能に関する      研究

学位論文内容の要旨

【背景 と目的 】

  抗腫瘍 免疫に おい て、細 胞傷害 性T細胞(C′rLs)とナチュラルキラー(NK)細胞は抗腫瘍エフェク ター 細 胞 と し て非 常に重 要な 免疫細 胞であ る。こ れら のエフ ェクタ ー細胞 カfl:する ために は、

Toll‑like receptor (TLR)に代表されるバターン認識レセプ夕一を介して樹状細胞を活性化する自然 免疫の ステッ プが必 須であ るこ とが判 明して きてい る。

  グラム 陽性菌 であ る黄色 ブドウ 球菌に 含まれ るり ポタン バク質 は、TLR2によっ て認識 されるこ と が 知 ら れ て い る 。 我 々 はこ れ ま でPam2Cys構 造 を も っ ブド ウ 球 菌 の16種 類 のPam2リ ポ ベ プ チドを 同定し 、皿亅 砲の活 性化 を誘導 するこ とを示してきた。また、グラム陰性菌であるマイコプ ラズマ 由来のPan也1」 ポペプ チドで あるMaば)phagea崗vaanglipopeptide20江AIP.2)も 皿亅也 リガン ドであ ること を証明 して きた。 抗原提 示細胞である樹状細胞やマクロファージがPa工n2リポ ペプチ ドに応 答して 炎症性 サイトカインを産生し、工フェクターを活性イtニすることカ滞されてい るが、 その詳 細な分 子機構 は明 らかと なって いない 。

  本研究 では、 これ らのP弧セ リポベ プチド が、樹 状細胞 を介 した細 胞性免疫の活性化を惹起する 機構 を 検 討 し た。 由 洫 ロ に おい てP弧 也 リポ ベ プ チ ド の骨 髄 由 来樹状 細胞叩Cs)活 性化能 、そ のBMDCsのNK細 胞また はC′I工Gの 活性化 能を そゎぞ ゎの評 価系を 用いて査定レた。また、血雨′D のマウ ス腫瘍 移植モ デルに おい て、NK細 胞また はC皿屬を 介し た腫瘍 退縮が起こるかを検討した。

【材 料と 方法】

Lucife瑚8e墜型 避塑熾

  HER293細 胞 を1x105個 細eu(24.weupla喞 で 播 種 し 、24時 間 後 、F小 強neHDreagentを 用 い て ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン を 行 っ た 。 レ ポ 一 夕 ー ジ ー ン はEIAM‐1プ 口 モ 一 夕 ー を 含 む pELAM・Imcを使 用し、 内部コ ント ロール はReni] ]aL1価feraseを 用いた。トランスフェクション の24時間 後 に 、100nMPam2リ ポ ベプ チ ド で 刺 激を 行 い 、 さ ら に6時 間 後 に 細胞 を 回 収 した。 ル シフ ェラ ーゼ活 性はDual.I」uciferase理似mergenea關aysystem田畑mega)を 用い、 添付の プロ トコ ール に従っ て解析 を行っ た。

P拙2リポベ プチド !三よ 塗樹 筮超胞 活性垈

  BMDC8を5x105個/500山んnen(24・weuplate)で播 種し、 終濃 度が10011Mになる ようにPam2 リ ポ ペ プ チ ド で 刺 激 し た 。24時 間 後 、 培 養 上 清 中に 含 ま れ るuパ お よ びIL12p40をEuSA法 を 用 い て 誕l定 し た 。EIJSAはキ ッ ト に 付 属の プ ロ ト コ ー ルに 準 拠 して行 った。 また 、BMDCsを抗 CD11c、 抗 (m86抗 体 お よ び 抗CD40抗 体 を 用 い て 染 色 し 、 補 助 刺 激 分 子 の 発 現 に つ い て FACSCalib1】rを用い て解析 を行っ た。

賞蝋 によ るNK捌盥 齔

  BMDCsとNK細 胞 を1:2の 比 率 で 共 培 養 し 、 終 濃 度100nMのPam2リ ポ ベ プ チ ド で 刺 激 を 行 っ た 。24時 間 後 に 細 胞 を 回 収 し 、NK細 胞 の 活 性化 をCD69分 子 お よ びCD25分 子の 発 現 に よ り 評 価 し た。 ま た 、 培 養上 清 中 に 含 ま れるIFN・YはEuSA法 を 用 い て測 定 し た 。NK細 胞 の細 胞傷 害活 性の 測定は51C!rreleas血gassり 法を用 いた。 標的細 胞にはB16メラノーマ細胞のサブライン であ るB16D8細胞 を用い た。

蛍迭 麺胞 !三よ るの1壘増 殖

―17 ‑

(2)

BMDCsを5x10s個 /500Lil/well (24‑well plate)で 播 種 し 、 終 濃 度 が100 nMに な る よ う にPam2 リ ポ ベ プ チ ド で 刺 激 し た 。18時 間 後 、500 nglml OVAと な る よ う に 加 え た 。 さ ら に4時 間 後 、 細 胞 を 回 収 し て1度 洗 浄 し 、 細 胞 数 を1x 10s個 ′100 pl/weu(96・weuplate) で 播 種 し 、1pMCFSEで ラ ベ ル し たar.IT細 胞1x105個 と 共 培 養 し た 。3日 後 、 びr.IT細 胞 の 増 殖 をCFSEの 希 釈 を 指 標 に し 、F( 】Mを 用 い て 解 析 し た 。 培 養 上 清 中 に 含 ま れ るIFN.YをC) 恤bneBeadsmTay毋D Biosciences) 法を用 いて測 定し た。

Pam2リ ポベプ チ滋

  NK細 胞 活 性 化 の 査 定 :6x105個 のB16D8細 胞 を マ ウ ス の 背 部 に 皮 下 投 与 し 、 こ の 日 をday0と し た。腫 瘍容積 はノギ スを用 いて 測定し 、腫瘍 容積は (cmり 〓(短 径)x(長 径)で 算出した。担癌マウ ス の治療 は、10pgPam2リポ ベプチ ドとPBSの混 合液を 腫瘍 近傍に 接種し た。

  CH眉 活 性 化 の 査 定 :2x1ぴ 個 のEG7細 胞 を マ ウ ス の 背 部 に 皮 下 投 与 し た 。 腫 瘍 容 積 は ノ ギ ス を 用 い て 測 定し 、 腫 瘍 容 積は 以 下 の 式 を用 い て 算 出 した 。 腫 瘍 容 積 (cInり 〓短 径x短 径x長 径x0.4。 担 癌 マ ウ ス の 治 療 は 、501m101MA【P‐2sを 含 む200mの 混 合 液 を 腫 瘍 近 傍 に2回 接 種 し た 。

【 結果お よび考 察】

  初 め に 、 黄 色 ブ ド ウ 球 菌 由 来 のPam2リ ポ ベ プ チ ド がBMDCsを 活 性 化 す る か 、 サ イ ト カ イ ン の 産 生 と 補 助 刺 激 分 子 の 発 現 解 析 に よ っ て 評 価 し た 。BMDCsに お い て 、Pam‑13、15、16、17を 除 く 全 て のPam2リ ポ ベ プ チ ド が 程 度 の 差 は あ れ 、H亅16やIL12p40な ど の 炎 症 性 サ イ ト カ イ ン と 補 助 刺激分 子を発 現誘導 した 。

  BMDCsを 介 し たNK細 胞 の 活 性 化 が 誘 導 さ れ る の か 、 (m69分 子 、 (m25分 子 の 発 現 、IFN‐Y 産 生 お よ 乙J細 胞 傷 害活 性 を 指 標 に 検討 し た 。 そ の結 果 、 ア ミ ノ酸 配 列 の1番目 の ( おsに続 く2、3 番 目 の ア ミ ノ 酸 がSer、 ( 詛y、A1a、Asnで あ れ ばPam2リ ポ ベ プ チ ド はn凪2を 介 し たNK細 胞 の 活 性 化 を 誘 導 す る こ と が 明 ら か と な っ た 。 活 性 型Pam2リ ポ ペ プ チ ド のMALP・2やP恥2CSK4

¢am.19) も こ のア ミ ノ 酸 配 列に 合 致 し た 。Pan也CysのN末 端ア ミノ 酸配列 の組成 が′I工凪2を 介し たBMDCsの 活性化 に強 く関与 するこ とが本 研究で 初め て明ら かとな った。

  MAIP・2、P鉞n・19に よ る あ 西 ぬ ロ のNK細 脆 括 性 化 を 、CD69分 子 、CD25カ 子 の 発 現 、IFN一Y 産 生 お よ び 細 胞 傷 害 活 性 を 指 標 に 検 討 し た 。 そ の 結 果 、mn・19に はNK細 胞 の 活 性 化 が 認 め られ た が 、MAIP・2に お い て は 、NK細 胞 活 性 化 誘 導 能 が 低 い こ と が 明 ら か と な っ た 。 由 函 ゆ のNK 細 胞 に よ る 抗 腫 瘍 効 果 を 、B16D8細 胞 担 癌マ ウ ス モ デ ルに お い て 検 討し た 。 そ の 結果 、Pam.19の 投 与 に よ り 遅 延 効 果 が 認め ら れ た が 、MAIP・2に お い て は治 療 効 果 が 殆ど 認 め ら れ な かっ た 。 こ の 結 果 は 、 由 琉mのNK細 胞 活 性 化 能 を 反 映 し て い た 。MAIP・2がPam.19と 面 函 田 活 性 の 非 相 関 を 示 す 理 由 は 明 ら か で な い が 、 面 面 田 でNK細 胞 の 活 性 化 能が 低 い こ と に、Th1細 胞皿N.Y)、

制 御性T細胞 (CD25゛ 暦、oxP3+ )な ど他の 細胞性 免疫担 当細 胞への 作用が 異なる可能性が示唆された。

  EG7担 癌 マ ウ ス モ デ ル に お い て 、MAIP.2がC′nお 活 性化 を 誘 導 す る のか 検 討 し た 。そ の 結 果 、 MALP・2と 抗 原 を 腫 瘍 近 傍 に 皮 下 投 与 す る こ と に よ っ て 、Pam.19と 同 等 のC皿 お 依 存 腫瘍 退 縮 を 起 動する ことが 明らか とな った。

【 結 論 】

  Pam2Cys構 造 を も つPam2リ ポ ベ プ チ ド に お い て 、 皿 凪2を 介 し たBMDCsの 活 性 化 に 重 要 な べ プ チ ド 領 域 を 同 定 し た 。 こ の 領 域 を 介 し て 、BMDCsの 皿 凪2に 依 存 し たNK細 胞 活 性化 とC′ILs 誘 導 カ ミ 起 き る 。Rln12リ ポ ベ プ チド は 、IL10、 制 御 性T細 胞 な ど 免疫 活 性 化 の 阻害 因 子 を 同 時 に 誘 導 す る 。C皿 届 は こ れ ら 阻 害 因 子 に 影 響 さ れ ず に 増 殖す る が 、NK細 胞 活 性 化 は阻 害 因 子 に よっ て 制 御 さ れ る 場 合が あ り 、M虹P・2で はIFN・Y産生 レ ベ ル が 低い 。 そ れ は べプ チ ド の ア ミノ 酸 配 列 に 起 因 す る 。 今 後 、NK細 胞 活 性 化 の た め に 、 阻 害 因 子 を 誘 導 し 難 いPam2ア ジ ュ パ ン ドを 開 発 す る 必 要 が あ る 。

‑ 18―

(3)

学位論文審査の要旨 主査   教授    清野研一郎 副 査    教 授    西 村 孝 司 副 査    教 授    瀬 谷    司

学 位 論 文 題 名

バクテリアPam2 リポベプチドの免疫活性化機能に関する      研究

   グラ ム陽性菌である黄色ブドウ球菌やグラム陰性菌であるマイコプラズマに含まれる Pam2Cys 構 造 を もつ Pam2 リ ポ ペプ チ ド は、 TLR2 に よ って 認 識される 抗原提示 細胞を 活性化 するこ とが知ら れてい る。由vitro においてこれらのPam2 リポペプチドが骨髄由 来樹状 細胞(BMDCs) の活 性化を誘 導するために重要な領域を同定した。また、これらの Pam2 リ ポ ペ プ チ ド 刺 激 に よ り 活性 化 し た BMDCs が NK 細 胞 お よび CTLs を そ れ ぞれ の 評価系を用いて活性化することを報告した。さらに、血wvo のマウス腫瘍移植モデルにお い て 、 NK 細 胞 ま た は CTLs を 介 し た 腫 瘍 退 縮 が 起 こ る こ と を 報 告 し た 。

   そ の 後副 査である 西村孝 司教授か ら、何故 Pam‑19(Pam2CSK4 )を用い てCTLs 活性 を 評価せずに、MALP .2 に着目して〔:TLs 活性を評価したのか質問があった。それに対して、

申 請 者 は 、血ガ閉 において NK 細胞を エフェク ター細 胞とした B16D8 メ ラノーマ 細胞を 用いた腫瘍実験の結果から、 Pam .19 には治療による遅延効果が認められたが、 MALP ‐2s に 韜いて は治療効果が認められなかった本研究の結果を概説した。しかし、 MALP ‐ 2s は 膵 臓癌に 対する臨床試験においてアジュバントとして用いられ、 MALP ― 2s 投与により投 与局所において免疫細胞の集積や生存率に抗腫瘍効果があると報告されているものの、そ の 作用機 序においてはこれまで検証されていないことを提示した。そのため、MALP ‐2s に よって 促進され る抗腫 瘍効果を 検討す るために 、MALP . 2s を 投与することでCTLs に よ る抗腫 瘍効果が 促進さ れるのか 関心を もちPam2CSK4 に 先行して 実験を行ったと回答 し た。そ して、本研究の結果から、 MALP ‐ 2s を抗原と投与することによって、抗原特異 的 な CTLs を誘 導することが明らかとなり、腫瘍を攻撃し退縮に至っている可能性を概説 し た 。 ま た、 Pam2CSK4 に よ るCTLs 依 存 性 の抗 腫 瘍 効 果は 、 MALP . 2s を評価 したEG7 腫 瘍 細 胞 を 用 い た 評 価 系 に お い て 引 き 続 き 検 討 し て い る と 回 答 し た 。    引き続き 、副査で ある西 村孝司教 授から 、Pam2 リポペ プチド 刺激に対する、CD8 十 T 細 胞のク ロスプライミングの実験系において、 CD8 十 T 細胞の反応が弱いのではなぃかと 指 摘 が あ った 。 そ れに 対 し て申 請 者は 、今回 の OTI マ ウスを用 いたCFSEdnution によ る 細 胞 増 殖の 評 価 系に お い て、 TLR3 のりガ ンドで あるPolyIC や TLR4 のりガン ドであ る LPS 刺激 時の細 胞増殖と 比較す ると、 TLR2 のりガン ドである Pam2 リポペ プチド 刺激 で は、CD8 十T 細胞増 殖やIFN  ̄ッの産 生量が低いことを説明し、弱いながらも増殖した CD8T +細胞が 腫瘍退 縮には充 分である 可能性を説明した。本研究では、血鹹m において

―19−

(4)

BMDCsの MHCク ラ スIを 介 し たCTLs増 殖 を 評 価 し て い る が 、 実 際 の 血 ガVOに お い て 抗 腫 瘍 効 果 を 発 揮 す る に は 、Pam2リ ポ ベ プ チ ド に よ りMHCク ラ スIIを 介 し たCD4+細 胞 の 活 性 化 が 誘 導 さ れ て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ 、 腫 瘍 組 織 局 所 に お い て は 抗 腫 瘍 効 果 が 増 強 さ れ る 可 能 性 が あ る と 回 答 を 行 っ た 。

  次 い で 副 査 で あ る 瀬 谷 司 教 授 か ら 、 Pam‑19く Pam2CSKKKK)と MALP‑2s くPam2CGNNDE)の 作 用 機 序 の 違 い が 如 何 に し て 生 じ て く る の か 質 問 が あ っ た 。 そ れ に 対 し て 申 請 者 は 、 引 用 し たTLR2/TLR6/Pam2CSK4の 結 晶 構 造 解 析 の 結 果 か ら 、 パ ル ミ ト イ ル 基 に 結 合 し て い るN末 端 の シ ス テ イ ン 残 基 の 次 の ア ミ ノ 酸 組 成 が 樹 状 細 胞 の 活 性 化 に 重 要 な 鍵 と な っ て い る こ と を 説 明 し た 。Pam‑19は セ リ ン 残 基 で 、MAI」P‑2sは グ リ シ ン 残 基 で あ る 。 グ リ シ ン 残 基 は ア ミ ノ 酸 の 中 で 最 も 小 さ い ア ミ ノ 酸 で あ る た め 、 セ リ ン 残 基 と 比 較 す る とTLR2の 認 識 に 不 安 定 で あ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ 、 そ の 差 異 が 影 響 しMALP‑2s に お い て はNK細 胞 の 活 性 化 能 が 弱 い 可 能 性 が あ る と 回 答 し た 。 さ ら に 、 瀬 谷 司 教 授 か ら 、 Pam2リ ポ ペ プ チ ド がTLR2の 発 現 し て い る 他 の 細 胞 に 与 え る 影 響 に つ い て 、 ど の よ う に 考 え て い る の か 質 問 が あ っ た 。 こ れ に 対 し 申 請 者 は 、 腫 瘍 細 胞 の 中 に は 、Pam2CSK4の 刺 激 に よ っ てTLR2依 存 的 に 活 性 化 す る と の 報 告 も あ る こ と を 回 答 し た 。 こ の こ と は 、 細 胞 種 に よ っ てTLR2やTLR6や 副 受 容 体 の 発 現 パ タ ー ン な ど が 異 な る こ と が 想 定 さ れ 、 リ ガ ン ド 言 忍 識 に 差 が 生 じ る 可 能 性 を 示 唆 し 、Pam2リ ポ ペ プ チ ド がTLR2の 認 識 に 安 定 で あ る 場 合 、 そ の 細 胞 に 直 接 認 識 さ れ て 活 性 化 す る 可 能 性 が あ る と 回 答 し た 。   次 い で 主 査 で あ る 清 野 研 一 郎 教 授 か ら 、Pam2リ ポ ペ プ チ ド は 抑 制 性 免 疫 を 誘 導 す る の か 質 問 が あ っ た 。 そ れ に 対 し て 申 請 者 は 、 本 研 究 に お い てPam2リ ポ ペ プ チ ド 投 与 に よ る 制 御 性T細 胞 の 顕 著 な 活 性 化 は 認 め ら れ な か っ た が 、MALP‑2sに お い てB16D8細 胞 を 用 い た 腫 瘍 の 退 縮 遅 延 効 果 が 認 め ら れ な か っ た こ と を 説 明 し 、 そ の 要 因 と し て 、 他 の 免 疫 細 胞 に よ る 抑 制 が 示 唆 さ れ る と 回 答 し た 。 ま た 、Pam2リ ポ ペ プ チ ド の 投 与 に よ り 免 疫 抑 制 が 作 動 す る と の 報 告 が あ る こ と も 概 説 し た 。 今 後 、Pam2リ ポ ペ プ チ ド の ア ジ ュ バ ン ト と し て の 免 疫 誘 引 能 の 強 さ や 、 ア ジ ュ バ ン ト の 投 与 時 期 お よ び 投 与 経 路 ・ 方 法 が 、 抗 腫 瘍 環 境 を 形 成 す る た め に ど の よ う な 作 用 機 序 を も た ら す の か 更 な る 解 析 が 期 待 さ れ る と 回 答 し た 。

  こ の 論 文 は 、TLR2リ ガ ン ド で あ るPam2リ ポ ベ プ チ ド が 抗 原 提 示 細 胞 を 活 性 化 す る た め に 重 要 な 領 域 を 特 定 し た 。 こ の 領 域 を 介 し て 、 樹 状 細 胞 のTLR2に 依 存 し たNK細 胞 や CTLsと い っ た エ フ ェ ク タ ー 細 胞 を 活 性 化 し 、 抗 腫 瘍 効 果 を も た ら す こ と を 報 告 し た こ と が 高 く 評 価 さ れ た 。 今 後 は 、Pam2リ ポ ペ プ チ ド のN末 端 の ア ミ ノ 酸 配 列 が 実 際 に 抗 腫 瘍 効 果 に 影 響 を 与 え て い る の か 検 討 す る こ と が 期 待 さ れ る 。

  審 査 員 一 同 は 、 こ れ ら の 成 果 を 高 く 評 価 し 、 申 請 者 が 博 士 ( 医 学 ) の 学 位 を 受 け 取 る の に 充 分 な 資 格 を 有 す る も の と 判 定 し た 。

―20―

参照

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