国立研究開発法人 防災科学技術研究所 客員研究員 兼 (公社) 全国市有物件災害共済会 防災専門図書館 司書
堀田 弥生
平成29年7月10日 図書館総合展in熊本 於:くまもと森都心プラザ「災害の記録を防災の糧に」
~災害アーカイブの在り方~
防災科学技術研究所撮影NIED-DIL
防災の
専門図書館
自然災害の
資料室
・寄贈資料75%
・レファレンス
・企画展
・対図書館サービス
・司書
・災害対応
・過去の災害特集
・特定コレクション
・研究員+司書
防災専門
図書館
協力協定
Since 1964年 Since 1956年自然災害情報室
自然災害情報室
(NIED-DIL)
(災害資料のアーカイブと 解析を行う)NIED-Library
(図書資料部門)
【過去の災害を知らずして、
地域の減災が可能だろうか?】
総合防災情報センター
クライシス・ レスポンス *地域防災計画等から災害の記述を抜出し、データ化 災害年表マップ防災専門図書館
【防災・災害に関する唯一
の専門図書館です】
・ホテルの入ったビルの8階 ・展示資料を除き閉架式 ・レファレンス ・企画展 ・対図書館サービス目次
災害資料収集とアーカイブの体制
地域における災害アーカイブの意義 ~50年以上経過した災害の例
・松代地震センター
・伊勢湾台風資料室
災害アーカイブ ~震災文庫からの系譜
図書館アーカイブの連携
・東日本大震災
・d-lib-MLのご案内
世代を超えて
まとめ
災害資料の収集とアーカイブの体制
東日本
大震災
熊本
2次資料収集は今がピーク
0 200 400 600 800 1000 1200 発生年 5年後 10年後 15年後 20年後 阪神淡路大震災 OR 兵庫県南部地震 東日本大震災 OR 東北地方太平洋沖地震 40 NDL図書タイトル検索 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 発生年 5年後 10年後 15年後 阪神淡路大震災 OR 兵庫県南部地震 東日本大震災 OR 東北地方太平洋沖地震 東日本大震災発 1024 大宅壮一文庫雑誌記事検索少部数、増刷
しないものは今しか現
物入手機会がない
NDL、防災専門図書館、自然災害情報室、J-STAGE等から刊行情報入手激減
出典:防災科学技術研究所自然災害情報室作成グラフを元に改変被災地は最大の集積地
「ください」
「 残 す 」
受動的収集「集める」
積極的収集 創造収集のパイプを作るには・・・?
図書館
HP・広報 ●●文庫 行政 学校・PTA 社協・NPO 各業界団体 書店・古本屋 作品 記録・報告 一般書 行政資料 (国・省庁・県・市町村) 学協会 報告書・論文 自治組織・民間・個人・その他 記録集(理想)
有識者会議の意見や他県等の先行事例等 ガイドラインの方向性(案)
直後の混乱期の1次資料が
残っていない
行政資料を保存期間満了後
に廃棄しないで当面適切に
保存の方向性
人事異動で3年で資料がな
くなる例が・・
一次資料を集めただけでは
劣化が進み、いずれはなく
なってしまう
震災津波関連資料の収集活用等に係るガイドラインの論点整理
-岩手県震災津波関連資料収集活用有識者会議 会議結果から-博物館
図書館
公文書館
メモリアル 施設 デジタル アーカイブ防災学習
センター
震災 ミュージアム災害遺構
資料館
デジタル データ 2次 資料 写真 被災 遺物役割分担
いつ
できる?
チ ラ シ 文化財 公文書1次資料
ボーンデジタル
課題:誰がいつ収集?
収集の位置付け
福島県立博物館
文化財レスキュー 新設した活動指針:震災遺産の保全、資料化 「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」:H26年開始 震災津波関連資料の収集・ 活用等に係るガイドライン岩手県
福島県立博物館の使命
(2)災害文化の継承・発展
① 防災教育・学習、教訓の伝承
○ 防災教育・学習に当たっては、何より命の尊さ、生きていく大切さを強調し た上で、大規模災害を生き抜くことができるよう、一人一人が情報を得て、自 ら判断・決断し、行動する力を備えるような教育・学習を家庭、学校、地域、 職場等において行うべきである。また、想定を越える大規模災害が発生する可 能性があることについても理解を深める必要がある。 ○ 次世代の災害文化を構築するため、学校における体系的な防災教育に関する 指導内容の整理を行うほか、学習指導要領における防災教育の位置付けの明確 化や防災を含めた安全について系統的に指導できる時間の確保の方策の検討な ど、学校における防災教育の一層の推進を図るべきである。 ○ 過去の災害時における教訓・伝承を次世代に受け継ぎ、今後の災害対策に役 立てるため、災害事例や災害に関わる教訓・伝承を記録に残す
とともに、アーカイブとして蓄積・整理・共有
し、防災教育な どに広く活用すべきである。 ○過去の災害から得られた技術面・体制面等の知見から、
知的財産化できるものを見出す努力や、その知的財産の活
用を図る観点も重要である。
「防災対策推進検討会議最終報告」
平成24年 中央防災会議 http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/ suishinkaigi/pdf/saishuu_hontai.pdf東日本大震災後、災害アーカイブ
構築が求められている
博物館 図書館 公文書館 メモリアル 施設 デジタル アーカイブ 防災学習 センター 震災ミュージ アム 災害遺構 資料館 1次資料 デジタル データ 資料 灰色 文献 災害 遺物 博物館 図書館 公文書館 メモリアル 施設 デジタル アーカイブ 防災学習 センター 震災ミュー ジアム 災害遺構 資料館 1次資料 デジタル データ 資料 灰色 文献 災 害 遺 物
地域でアーカイブを創る
生成
保存
利用
災害資料は防災の糧!!
災害 発生 記憶 記録 公表 収集 保存 情報 発信 利用 備え 作成者災害資料
の一生
公文書館
博物館等
利用者・・・
この経験を 伝えたい図書館等
被害
軽減!!
地域における災害アーカイブの意義
~50年以上経過した災害の例
・松代地震センター
・伊勢湾台風資料室
松代群
発地震
伊勢湾
台風
松代群発地震
(
1965~1970年)
気象庁HP 松代群発地震50年特設サイト 死者:0 住民に多大な心理的不安 日最多(震度1以上) 1966年4月17日 585回(内、震度4、5各3回) 1965年8月~1970年6月 長野県が終息宣言、対策本部解散松代地震センター
松代地震センター (1967年2月設置)町が誘致「町に学問を」
総理府、科学技術庁、文部省、運輸省気象庁、農林省、通商 産業省、建設省、長野県による協議体松代地震観測所
アーカイブ存亡の危機
松代群発地震
長野関連
博物資料
他の地震
防災科研 長野市博物館 長野市公文書館 そのまま残す分割移管
2010年3月
アーカイブ
分割・移管
2016年4月
観測所、センター
無人化
成果はHPにあるが 中核資料は今も そのまま現地にアーカイブ事業を継続させるには?
名古屋市南図書館
伊勢湾台風資料室
1959年:伊勢湾台風
1992年開設:図書約900冊、写真約3,000枚
2016年:常設展示ブース設置
阪神・
淡路
中越
東日本
災害アーカイブ
~震災文庫からの系譜
宮城県図書館
・東日本大震災文庫
・東日本大震災
東松島市図書館 東日本大震災アーカイブ
コーナーの在り方は様々
名取市図書館 女川つながる図書館