徳島県鴨島町における哺乳類の自動撮影の試み-香川大学学術情報リポジトリ

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徳島県鴨島町における晴乳類の自動撮影の試み

野 口 和 恵

〒776−0033 徳島県麻植郡鴨島町飯尾1496−4

AnautomaticphotographingofmammalsinKamq]1ma,

TokushifnaPrefecture,Japan

KazⅦeNogucIli,Jイヴ∂−れ血町肋胱仲叫乃血舶叩776−∂0・まタ,ノ呼肌

2003年1月25日∼3月7日であった。各地点

におけるカメラの設置期間と日数は表1のと おりである。

使用したカメラは,麻里府商事製のセン

サ・−・カメラField NoteIである。赤外線セン サ−・が,35mmレンズのカメラに内蔵されてい

る。カメラを各地点の木に紐で結びつけた。

餌などの誘引物は使用しなかった。 結 果 カメラの稼動日数は延べ45日で,撮影枚数 は33枚であった。有効枚数は28枚(84..8%) で,晴乳類が23枚,鳥類が5枚であった。撮

影された哺乳類は,3日5科7種で,タヌキ

坤cおrぞ政叩/り甲0〝Ofゐぶ,キツネ抽如5Vゆ即, イヌCα〝g5カ椚∫J‘αJ由,テン〟α′お∫∽eねJI甲〟ぶ,ハ クビシン劫g〃朋α ね′γα玖 ノウサギエ甲〟5 如cゐγ〟川5,およびイノシシふ揖5C′ゆであった (図2)。もっとも多く撮影された種はタヌキ

で7枚,次にイノシシで5枚であった(表

2)。鳥類ではシロハラ几′血5pαJJ∫血5が撮影さ れた。

撮影できた地点は3地点(A・B・C)

で,各地点とも2種以上が撮影された(表

2)。D地点では何も撮影されなかった。撮影

枚数はB地点でもっとも多く13枚で,次にA

地点が8枚,C地点が2枚であった。カメラ

の設置日数あたりの撮影枚数は,A地点で多 は じ め に 哺乳類は一・般的に,夜間に活動することが

多い。そのため,中・大型種の生態や分布を

調べる際には,足跡・糞・馬耕跡などの痕

跡,生体の目撃,および交通事故による死体

などから情報を得る。しかし,痕跡は間接的

で不明確な場合も多く,目撃や死体は必要な ときに.情報を得られるとは限らない。近年,

自動撮影装置を利用して,哺乳類の生息調

査,個体識別,および日周活動を調べる試み が広がっている(河内・泉山,2003;平川, 2003)。そこで,徳島県鴨島町の哺乳類相を調 べる−・環として,自動撮影による調査を試み たので,その結果を報告する。

材料と方法

調査場所は,徳島県麻植郡鴨島町で,標高 400∼500mの尾根が東西にのびる山麓である。 この山麓はスギC′汐わ椚erんり呼〃〃血あるいはヒ ノキCゐα瑚eりpα′∫5d如肌用の植林と広葉樹林と が混交しており,標高の低い場所は果樹園と して利用されている。 カメラを設置した場所は,農道に面した谷部

で,A∼Dの4地点である(図1)。Aは人工の

溝の前,BとCほ農道から5∼10mの林内,D

は砂防ダムにつながる小さな谷であった。

調査期間は,2002年2月9日∼3月8日と

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図1..自動撮影による哺乳類の調査地およびカメラの設置地点

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図2.自動撮影された哺乳類の写真.

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年以前では,1957年に鳴門市不浄における捕 獲個体のみだけであった(徳島琴,1979) が,1980年以降;山城町・勝浦町、・三加茂 町・半田町・貞光町・土成町・佐那河内村・ 三野町,および板野町で,目撃・捕獲あるい は死体による情報がある(阿部ほか,1989; 徳島県版レッドデータブック掲載種検討委員 会,2001)。さらに,通年では徳島市入田町・ 八多両町・下町本丁でも死体が発見されてい る(徳島新聞,岳003年1月23日朝刊)。今回の 調査で,2002年と2003年の両年でキツネは撮 影された。これノまで鴨島町におけるキツネの 情報はなかったので,新たな情報として付け 加えたい。このように徳島県では広範囲にキ ツネの情報が増加していることから,キツネ

の分布はひろがっている可能性が考えられ

る。 自動撮影の成功の有無について,4地点の 地形あるいは環境から考察する。カメラを設 置した4地点の地形はいずれも農道沿いの谷 部で共通していたため,撮夢の成功の有無は 地形と無関係と考えられる。つぎに各地点の

植生としては,A・C・Dはおもに広葉樹,

Bは植林と広葉樹の混交林であった(表2)。

したがって,撮影できた3地点(A・B・

C)と,撮影できなかったD地点では,植生

表1ル 各地点におけるカメラの設置期間. 地点 期 間 日数 A 2002一.2‖ 9∼2.12 3 2002一.3..2∼3.8 6 2002い2..12∼2.16 4 2002い2.21∼3.2 9 2003.1.25∼2..1 7 C 2003..2い23∼3.7 12 D 2003‖2い16∼2.23 7 かった(表2)。 考 察 今回撮影された種類は,徳島県に分布する とされている中型晴乳類の大半を占めた。短

期間および狭範囲で6種(イヌを除く野生

種)を記録できたことから,自動撮影による

生息調査は有効であると考えられる。ただ

し,アナグマ,チョウセンイタチ,およびイ

タチは撮影されなかった。今後,設置場所の

検討が必要であろう。 撮影された種のうち,キツネは徳島県にお いて準絶滅危惧に指定されている(徳島県版 レッドデ・一夕ブック掲載種検討委員会, 2001)。徳島県におけるキツネの情報は,1980 表2.各地点で撮影された哺乳類の種,撮影枚数,および植生“ 地 点 A B C D 合計 タ ヌ キ 6 キ ツ ネ イ ヌ テ ン 1 ハクビシン 1 ノウサギ イ ノ シシ l 1 3 7 2 3 1 3 2 5 2 2 4 00 3 00 4 2 4 ” 0 合 計 8 設置日数 9 枚数/日数 0..89 ︻D 3 0 企U 1 2 . 〇 7 2

21﹂

0

0 070 0

植生(従) 広葉樹 (スギ)

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用いた哺乳類調査の可能性.日本哺乳類学 会2003年度大会プログラム・講演要旨集: 180.. 平川浩文.2003.自動撮影調査に基づく中大 型哺乳類の日周活動の解析い 日本晴乳類学 会2003年度大会プログラム・講演要旨集: 178、. 徳島県.1979..第2回自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書(晴乳類),徳島有.

31pp.

徳島県版レッドデータブック掲載種検討委員 会.2001.徳島県の絶滅のおそれのある野 生生物一徳島県版レッドデータブックー、 徳島県環境生活部環境政策課,徳島取. 438pp..

による違いはなかった。A∼CとD地点の相

違として考えられるのは,動物の形跡の有無

である。Aは溝に爪跡があり,BとCには下

草が部分的に少ない獣道のような小道があっ た。一・方,Dは下草が少なく林内もひらけて

いたが,他地点のような形跡はなかった。し

たがって−,カメラを動物の形跡が明確な場所 に設置することによって,撮影が成功するよ うである。

引 用 文 献

阿部近一・・石井情義・友成孟宏・木内和美. 1989.徳島県における哺乳類,両生類およ び爬虫類の生息状況.徳島県立博物館開設 準備調査報告第4号:ト53.. 河内紀浩・泉山茂之.2003..自動撮影装置を

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参照

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