心 機 図 に 関 す る 研 究
一僧帽弁狭窄症における心房波についてー
臨床心音図第２巻２号（論文Ｎ０．６２）九州大学第一内科
福 本 晃 雄
哲 翁 元 治
今 西 悳
真 柴 裕 人
福 島 勇
安田英雄
伊東盛夫
藤野武彦
伊東祐信
目 的 心 臓 に よ る 前 胸 壁 の う ご き （ 前 胸 壁 に あ ら わ れ る １ ５ Ｈ ｚ 以 下 の 低 周 波 振 動 ） は ， 心 周 期 の 時 相 判 定 に 利 用 １ ） さ れ る ば か り で な く ， 心 室 収 縮 期 に あ ら わ れ る 前 胸 壁 の 異 常 運 動 ２ ） か ら 各 種 の 心 室 の 病 態 変 化 を 知 る べ く 利 用 さ れ て い る 。 一 方 ， 心 房 収 縮 期 に あ ら わ れ る 前 胸 壁 の う ご き は ， 左 室 拡 張 期 圧 の 上 昇 を 反 影 す る も の と し て ， 重 要 な 情 報 源 と な っ て い る ３ ） 。 そ の 中 で ， 僧 帽 弁 狭 窄 症 で は ， 心 房 収 縮 時 期 の 前 胸 壁 の う ご き は ， 低 下 あ る い は 消 失 す る と さ れ ， こ れ が 有 意 の 僧 帽 弁 狭 窄 症 を 除 外 す る 根 拠 に も な り う る と考えられている４）５）。 しかし，われわれが従来より使用しているストレイソゲージ圧迫心機図法（ｓｔｒ２１１ｎｇａｕｇｅｌｌ柚ｅｔ（）（・１ｒ ｄ ｉ ｏ ｇ ｒ ａ ｍ ， Ｓ Ｋ Ｃ Ｇ ） ６ ） で は ， 左 房 圧 の 上 昇 が 推 定 さ れ る い ろ い ろ の 病 態 で， 心 房 波 （ ａ 波 ） が 増 高 す る と 同 様 に ， 僧 帽 弁 狭 窄 症 （ Ｍ Ｓ ） に お い て 乱 前 胸 壁 の ａ 波 は 増 高 す る こ と を 観 察 し て き た 今 回 は そ の 結 果 を 心 内 圧 と 対 比 し て 述 べ る 。 対 象 お よ び 方 法 健 常 者 １ ６ 例 ， Ｍ Ｓ ２ ０ 例 に つ いて 比 較 検 討 し た 。 １ ） 健 常 群 ： 当 院 関 係 者 お よ び 外 来 者 で ， 聴 診 ， 血 圧 ， 胸 写 ， 心 電 図 そ の 他 で ， 何 ら 異 常 を み と め な Ｋｉｎｅｔｏｃａｒｄｉｏｇｒａｐｈｉｃｓｔｕｄｉｅｓｏｎｔｈｅｐｒｅｃｏｒｄｉａｌｍｏｖｅｍｅｎｔｓｉｎｔｈｅａｔｒｉａｌｓｙｓｔｏｌｉｃｐｈａｓｅｉｎ ｍｉｔｒａｌｓｔｅｎｏｓｉｓｗｉｔｈｓｉｎｕｓｒｈｙｔｈｍ ＴｅｒｕｏＦＵＫＵＭＯＴ０，ＨｉｒｏｔｏＭＡＳＨＩＢＡ，ＭｏｒｉｏＩＴ０，ＭｏｔｏｈａｒｕＴＥＴＳＵ０，１ｓａｍｕＦＵＫＵＳＨＩＭＡ， ＴａｋｅｈｉｋｏＦＵＪＩＮ０，ＳｕｎａｏＩＭＡＮＩＳＨＩ，ＨｉｄｅｏＹＡＳＵＤＡ，ＳｕｋｅｎｏｂｕＩＴＯ ＴｈｅＦｉｒｓｔＤｅｐａｒｔｍｅｎｔｏｆｌｎｔｅｒｎａｌＭｅｄｉｃｉｎｅ，ＦａｃｕｌｔｙｏｆＭｅｄｉｃｉｎｅ，Ｋｙｕｓｈｕｕｎｉｖｅｒｓｉｔｙ， １２７６Ｋａｔａｋａｓｕ，Ｆｕｋｕｏｋａ，８１２ ３ ４ １ 福 本 ， 真 柴 ， 伊 東 ， 哲 翁 ， 福 島 ， 藤 野 ， 今 西 ， 安 田 ， 伊 東 い男８ｆ列レ女８例。計１６例。年令は１７∼２４才，平均２０．５才である。 ２）Ｍｓ群：１９６８年ｎ月より，１９７２年３月まで当科入院し，聴診，胸写，心電図，ベクトル心電図，心音 図 ， 超 音 波 お よ び 右 心 カ テ ー テ ル を 施 行 し ， 純 型 ㈲ 帽 弁 狭 窄 症 と 謝 析 さ れ た ２ ０ 症 例 で あ る 。 年 令 は １ ７ 才 より４７才まで，平均３３．６才で，男５例，女１５例である。なお心房細勤例や毎分９０以上の頻脈例は除外した。 ３ ） 方 法 ： 背 臥 位 ， 半 呼 気 停 １ 」 ユ 時 に ， Ｓ Ｋ Ｃ Ｇ 法 に よ り 前 胸 壁 の う ご き を 記 録 し た 。 こ の 方 法 は ７ ０ ０ ｇ ｒ ａ ｍ の 圧 迫 で ， 前 胸 壁 の 絶 対 的 変 位 を 記 録 す る も の で ， １ ５ Ｈ 対 ス 下 で は 変 位 に 忠 実 で あ り ， 時 定 数 は無限大である。紙送り速度１；ｌミ５０ｍｍ／ｓｅｃおよび１２５ｍｍ／ｓｅｃである。 胸骨右縁（Ｋｎ：）ｊ向骨左縁（Ｋ２４），左前胸部（Ｋ ３４，Ｋ３５）および心尖部（Ｋ４５，Ｋ５５）で記録した 波 形 の う ち ， 心 房 波 高 お よ び 全 振 幅 が 大 き い の は Ｋ ３ ４ ま た は Ｋ ３ ５ で あ っ た 。 こ の 波 形 に つ い て ， 心 房 波 （ ａ 波 ） 高 ， Ｐ Ｅ 波 高 ， お よ び 全 振 幅 （ Ｔ Ａ ） を 計 測 し て ， ａ 波 高 を 示 す た め に ， ａ ／ Ｔ Ａ お よ び ａ／ＰＥを計算した（：Ｆｉｇｕｒｅ１）。原則としてＳＫ Ｃ Ｇ 記 録 の 翌 日 に 同 じ く 背 臥 位 に て 右 心 カ テ ー テ ルを行ない，右肺ｆｆｔ４ｊ脈喫入部（ＰＣＷ）圧の平均 （ｍｅａｎｌ：）１（２ｓｓｕｒ０，ａ波頂点圧（ ａ ｘｖａｖｅ ｐｅａｋｐｒ（２！；ｓｕｒｅ），ａ波脈日ご（ａｚ（ｙ））（グａ写ｗａｖｅ ｐｕｌｓｅｐｒｅｓ・５ｕｒｅ），および右室収縮期圧を求めた。 成 績 １ ． 正 常 群 心電図Ｐより平均０．０５ ０．０３秒後にはじまり、 ０．０９ ０．０４秒後にその頂点に達する小さな陽性波 （前方運動）をみた。ａ／ＴＡ＝０．０５５土０．００２５、 ａ／ＰＥ＝０．２５ ０．１９６（Ｔａｂｌｅ１、Ｆｉｇｕｒｅ２）。 ２ ． Ｍ Ｓ 群 -１ １ Ｏ ← ０．２ｓｅｃ． Ｆｉｇｕｒｅ１．Ｓｃｈｅｍａｔｉｃａｐｒｅｓｅｎｔａｔｉｏｎｏｆｍｅａｓ ｕ ｒ ｅ ｎ ｌ ｅ ｎ ｔ ｓ ｏ ｆ ａ ， Ｔ Ａ ａ ｎ ｄ Ｐ Ｅ ｗ ａ ｖ ｅ ． ａ ｉ ｓ ｔ ｈ ｅ ａｍｐｌｉｔｕｄｅｏｆ ａ ｗａｖｅｍｅａｓｕｒｅｄｆｒｏｍｉｔｓｂａｓｅ ｔｏｔｈｅｐｅａｋ．ＴＡｉｓｔｈｅｔｏｔａｌａｍｐｌｉｔｕｄｅｏｆＳＫＣＧ ｆｒｏｎ！Ｉ）ｏｉｎｔ Ｏ ｔｏｔｈｅｐｅａｋｏｆＥべｖａｖｅ．ＰＥｉｓ ｔｈｅａｍｐｈｔｕｄｅｏｆｐｌｒｅｅｊｅｃｔｉｏｎｗａｖｅ．Ｔｈｅｒｄａｔｉｖｅ ａｍｐｌｉｔｕｄｅｏｆ ａ ｘｖａｖｅｘｖａｓｅｘｐｒｅｓｓｅｄａｓｔｈｅ ｒ ａ ｔ ｉ ｏ ｓ ｏ ｆ Ｔ Ａ （ ａ ／ Ｔ Ａ ） ａ ｎ ｄ ｏ ｆ Ｐ Ｅ （ ａ ／ Ｐ Ｅ ） ． Ｔ ｈ ｅ ｉｎｔｅｒｖａｌｓｆｒｏｍｔｈｅｐｅａｋｏｆ ａ ｗａｖｅ（Ｐ一ａ。）ａｎｄ ｔｏｉｔｓｐｅａｋ（Ｐ一ａｍ）ｘｖｅｒｅｒｎｅａｓｕｒｅｄｗｉｔｈｓｉｍｕｌｔａ ｎｅｏｕｓＥＣＧ． 同じくＰより平均０．０７ ０．０３秒後にはじまり，その頂点が０．１４ ０．０３秒後にある大きな陽性波（ａ／ＴＡ ＝０．２６土０．０８６，ａ／ＰＥ＝１．５８ ０．９３４）をみた。この波高は正常群に比して有意に大きかった（各々Ｐ ＜ ０ ． ０ １ ） 。 ａ 波 は そ の 頂 点 か ら な が ら か に 下 降 を は じ め ， 次 の 心 室 の 勁 き に 由 来 す る 陽 性 の Ｐ Ｅ 波 と 交 し た 。 ａ 波 の 下 降 脚 が ａ 波 の 開 始 レ ベ ル よ り も 低 下 す る も の １ ； １ １ ２ ０ 例 中 ８ 例 に み ら れ た 。 こ の 時 期 は ， Ｐ ３４２
㈲ 帽 弁 狭 窄 症 に お ける 心 房 波 に つ いて Ｎｏｒｍａ１ Ｍ Ｓ Ｎ ｏ ． ｏ ｆ ｃ ａ ｓ ｅ ｓ
｜
一一一一 １ ６ ２ ０ ｜ Ｉ｜
二
ｎｔｅｒｖａ １ｆ ｒｏｍｏｎｓｅｔｏｆＰ（ｓｅｃ） よ り 平 均 ０ ． １ ８ 秒 で あ っ た 。 し か し こ れ よ り あ との陰性部分が，はじめのＲ奏か｜生部分よい き く な る 例 や ， Ｐ Ｅ 波 が は じ ま る 前 に 陽 吐 波 を 示 す 例 は な か っ た 。 な お こ の 時 の Ｒ Ｒ 間 隔は０．７８∼１．４０秒で，平均１．０秒，ＰＱ間隔は ０．１０∼０．２０秒，平均０．１７秒であった（Ｔａｂｌｅ １，１４｀ｉｇｕｒｅ２）。 ３．ＭＳ群におけるａ／ＴＡ値，ａ／ＰＥ値と心 内圧との関係（Ｔａｂｌｅ２，Ｆｉｇｕｒｅｓ３，４） ａ ／ Ｔ Ａ 値 と Ｐ Ｃ Ｗ 圧 の ａ 波 頂 点 圧 Ｏ ａ ｗａｖｅｐｅａｋｐｌ ｅｓｓｕｒｅ）とは有意の正の相関 ｜周係を示した（ｒ＝０．４９，ｐ＜０．０５）。しかし， ＰＣＷ平均圧（ｒ＝０．４０，ｐ＞０．０５），ａ波脈圧， 右 室 収 縮 期 圧 は ， ａ ／ Ｔ Ａ の 増 大 と と も に ， 増 大 す る 傾 向 は あ っ た が ， ト ず れ も 有 意 の も の ではなかった（Ｆｉｇｕｒｅ３）。 ａ ／ Ｐ Ｅ 値 と ａ 波 脈 圧 と は そ の 増 大 と 共 に 増 ｆ ｌ ａ ／ Ｔ Ａ ゛ ａ ｈ ｌ ｅ ‥ ＿ ＿ ０ ． ０ ５ ５ ０ ． ０ ０ ２ ５ ， ０．２６１ ０．０８６４＊｀ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ． ＿ ！ ａ………ＰＥｖａｌｕｅｌ ｊ２５土ム９６う １。５８ ０．９３４＊｜ ａ／ＰＥｖａｌｕｅ ａ ０．１０６ 十〇．０８０５ ＋０．３１５＊ 十〇．１８７ ＊Ｐ＞０．０５，＊＊Ｐ＜０．０５ ａ／ＴＡｖａｌｕｅ ０．４０８＊ ０．４９１＊＊ ０．２７０ ０．２８０ Ｊ １ １ ｊ ｊ ｉ ｉ ・ ｜ ｌ 二 ン バ バ ノ Ｐ Ｃ ぺ ｖ ｍ ｅ ａ ｎ ｐ ｒ ｅ ｓ ｓ ｕ ｒ ｅ ｉ ｉ ａ ｘ ｖ ａ ｖ ｅ ｐ ｅ ａ ｋ ｐ ｒ ｅ ｓ ｓ ｕ ｒ ｅ ｕ ａ ｘ ｖ ａ ｖ ｅ ｐ ｕ ｌ ｓ ｅ Ｐ ｒ ｅ ｓ ｓ ｕ ｒ ｅ Ｒ ｖ ｓ ｙ ｓ ｔ ｏ ｌ ｉ ｃ ｐ ｒ ｅ ｓ ｓ ｕ ｒ ｅ ３ ４ ３ ○ 一 一 ０．０９土０．０４ ０．１４ ０．０３ 一 一 ｊ ｌ 、 ？ 一 一 ｚ ∼ ・ 之 総 ペ ー ͡ ｊ バ１ ・ １ ０ Ｒ Ｉ Ｖ Ｉ Ａ Ｌ ｒ ｌ 、 １
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僧 帽 弁 狭 窄 症 に お ける 心 房 波 に つ いて 大 す る 傾 向 を み た 。 そ の 他 で は ， 有 意 の 相 関 関 係 は な か っ た （ Ｆ ｉ ｇ ｕ ｒ ｅ ４ ） 。 考 案 心房収縮時期の前胸壁の動きは，３ｐｅ）（ｃ゛山ｏｇ２ （ＡＣＧ）３）８），ｉｍｐｕｌｓｅｃａｒｄｉｏｇｒａｍ（ＩＣＧ）５）ある いはｋｉｌｌｅ胎ｃ２１１ｄｉｏｇ２１ｒｌｌ（ＫＣＧ）９）｀１１）法により，虚血性心臓病や狭心症８）∼１１），心筋 塞症１ｏ），高血圧 症 １ ２ ） ， 閉 塞 性 心 筋 症 お よ び 大 動 脈 弁 狭 窄 症 ３ ） ９ ） ， そ の 他 で 心 房 波 が 増 高 す る こ と が 報 告 さ れ ， 心 不 全 や ジ ギ タ リ ス 療 法 あ る い は 運 動 ， 薬 物 負 荷 の 判 定 １ １ ） に も 利 用 さ れ て き た 。 わ れ わ れ 乱 心 不 全 例 令 ， 薬 物 や 運 動 に よ り 誘 発 さ れ た 狭 心 症 で ， ａ 波 高 が 増 大 す る こ と を 観 察 し た １ ３ ） 。 こ れ ら の 病 態 に お い て Ｄ ｉ ｍ ｏ ｎ ｄ ｌ Ｒ ） １ ４ ） は ， Ａ Ｃ Ｇ と 心 内 圧 の 同 時 記 録 に よ り ， Ａ Ｃ Ｇ で の ａ 波 高 が， 左 室 拡 張 終 期 圧 の 上 昇 に 伴 う こ と を 述 べ ， ひ い て は ， 左 房 圧 の 上 昇 を 伴 う こ と を 考 慮 す る と ド 前 胸 壁 に あ ら わ れ る 心 房 波 は ， 上 昇 し た 左 室 拡張終期圧，あるいはｃｏｍｐｌｉａｎｃｅ乙７）低下した心室への左房収縮による流入の反影である５）と考えられ る 。 従 っ て ， Ａ Ｃ Ｇ 法 ｏ や Ｉ Ｃ Ｇ 法 ５ ） で は ， 僧 帽 弁 狭 窄 症 に お い て は ， 心 房 の 収 縮 期 に は 狭 窄 し た 僧 帽 弁 に よ っ て ， 心 室 へ の 流 入 が 障 害 さ れ ， た と え 左 房 圧 が 上 昇 し て い て 乱 心 室 へ の 流 入 は 少 な く ， 従 っ て ， 心 房 波 は 減 高 な い し は 消 失 す る と 説 明 さ れ ， 有 意 の ⑩ 唱 弁 狭 窄 症 の 合 併 の 有 無 の 判 定 に も 利 用 し う る と し た 。 す な わ ち ， 左 房 自 体 の う ご き は ， 前 胸 壁 へ は 伝 達 さ れ な い と 考 え ら れ る 。 し か し な が ら ， 絶 対 的 変 位 を 記 録 す る Ｓ Ｋ Ｃ Ｇ 法 で は ， 左 室 拡 張 終 期 圧 や 左 房 圧 が 上 昇 し た 他 の 病 態 時 と 同 様 に ， 僧 帽 弁 狭 窄 症 に お い て 乱 肺 動 脈 喫 入 部 圧 の 上 昇 と と も に ， ａ 波 高 が 有 意 に 上 昇 す る こ と ， 第２に，このａ波（７：）時間関係が，Ｗｏｏｌｅｙら１６）が，直接あるいは食道経由に左房圧を測定し，左房の収 縮が，Ｐより０．０６秒後にはじまり，正常では０．０９秒後，僧帽弁狭窄症では０．１５秒後にその頂点に達する と し た 結 果 と よ く 一 致 す る こ と ， さ ら に 左 房 の う ご き が 心 室 を 介 し Ｃ 前 胸 壁 に 伝 達 さ れ る こ と １ ５ ） を 考 慮 す る と ， 僧 帽 弁 狭 窄 症 例 で Ｓ Ｋ Ｃ Ｇ 法 に よ り 得 た ａ 波 は ， 左 房 圧 を よ く 反 影 し て い る と 考 え ら れ る 。 本 論 文 で は ， 左 室 拡 張 終 期 圧 と Ｓ Ｋ Ｃ Ｇ に よ る ａ 波 高 と の 関 係 は み て い な い が ， 従 来 の Ａ Ｃ Ｇ 法 ， Ｉ Ｃ Ｇ 法 に よ る 結 論 と は 異 っ て ， 僧 帽 弁 狭 窄 症 に お い て ， 左 房 圧 の 上 昇 を 反 影 す る 高 い ａ 波 を み た こ と は ， 前 胸 壁 に あ ら わ れ る 心 房 収 縮 期 の う ご き の 要 因 と し て ， 左 房 圧 の 上 昇 だ け に よ る 場 合 も あ る こ と を 示 す と 考 え ら れ る 。 す な わ ち ， ａ 波 高 の 要 因 は ， 左 室 拡 張 終 期 圧 あ る い は そ れ に 伴 っ た 左 房 圧 上 昇 だ け で は な く ， 左 房 圧 自 身 の 圧 の 上 昇 に も よ る と 考 え ら れ る 。 僧 帽 弁 狭 窄 症 に 高 い ａ 波 を 記 録 す る の は ， Ｓ Ｋ Ｃ Ｇ が 前 胸 壁 の 全 体 的 な ゆ る や か な う ご き を 変 位 と し て 記 録 し う る 点 に よ る と 考 え る 。 す な わ ち ， 後 方 に 位 置 す る 左 房 圧 の 上 昇 は ， 弁 輪 を は じ め ， 心 室 全 体 を 前 胸 壁 方 向 へ 押 す １ こ の よ う な 前 胸 壁 の 広 範 囲 に わ た る ゆ る や か な 変 位 は ， 前 胸 壁 上 の 相 互 間 の 変 位 （ 相 対 的 変 位 ） と し て 記 録 す る 方 法 で は 捉 え に く い 。 し か し ， Ｓ Ｋ Ｃ Ｇ で は ， 時 定 数 は 長 く ， 大 地 か ら の 絶 対 的 変 位 を 記 録 す る か ら ， こ の よ う な 広 範 囲 に わ た る ゆ る や か な 変 位 を 忠 実 に 捉 え う る １ ８ ） の で あ ろ う と 思 わ れ る 。 ３ ４ ５
福本，真柴，伊東，哲拡福Ｊ；７ｊ，藤野，今西，安田バ片東 一方，Ｈ２１ｒｒｉｓｏｎら９）は，絶対的変位を記録するＫＣＧ法により，心房波は，胸骨右縁で最もよく記録 で き ， 左 房 の 収 縮 時 に は ， 後 左 方 へ 向 う た め に ， 僧 帽 弁 狭 窄 症 で は ， 陰 性 波 （ 内 方 運 動 ） が 大 き く な る と し た 。 同 時 に ， 心 筋 塞 ， 狭 心 症 ， 高 血 圧 症 な ど で も 同 様 の 結 果 を 示 し て お り ， 僧 帽 弁 狭 窄 の 有 無 に 関 係 な く 左 房 負 荷 の 所 見 と み な せ る 。 こ の 意 味 で は ， Ｓ Ｋ Ｃ Ｇ の 結 果 と 同 意 義 で は あ る が ， 記 録 部 位 の ち が い ， そ の た め と 思 わ れ る 波 形 ・ ７ ） 時 相 の ず れ ， あ る い は 圧 迫 量 の ち が い で あ り ， 直 接 に は 比 較 で き な い 。 以 」 ニ ｌ ， 今 回 は 左 房 圧 を 中 心 に 述 べ た が ， 左 房 の 機 能 に 関 し て は ， そ の 容 量 も 重 要 な 因 子 で あ る 。 こ れ に つ い て は ， 現 在 検 討 中 で あ る 。 ま と め 低 周 波 左 前 胸 壁 の う ご き （ １ ５ Ｈ ｚ 以 下 ） を ス ト レ ソ ゲ ー ジ 圧 迫 法 で 記 録 し ， 得 ら れ た 心 房 波 （ ａ 波 ） の大きさを，全振幅に対する比（ａ／ＴＡ），およびＰＥ波岬Ｉ゛ｅｅｊｅｄｉｏｎｗａｖｅ）に対する比（ａ／ＰＥ） で示した。僧帽弁狭窄症ではａ／ＴＡ＝０．２６土０．０８６，ａ／ＰＥ＝１．５８ ０．９３４で，正常群（ａ／ＴＡ＝０．０５５土 ０．００２５，ａ／ＰＥ＝０．２５ ０．１９６）にくらべ，有意に高値を示した（おのおのＰ＜０．０１）。このａ波は，心 電図Ｐより０．０７ ０．０３秒にはじま剖場性波（前方運動）で，０．１４ ０．０４秒にその頂点に達した。また糾 られたａ／ＴＡ，ａ／ＰＥ値について，肺動脈悦入部（ＰＣＷ）圧のａ波圧，平均圧およびａ脈波Ｊ］｜］モ（ａｚ（ｙ））， 右室収縮期圧との相関を検討した。ａ／ＴＡはＰＣＷａ波圧と有意の相関を示した（ｒ＝＝０．４９，Ｐ＜０．０５） が ， そ の 他 で は 有 意 の 相 関 を 認 め な か っ た 。 Ｓｕｍｍａｒｙ Ｔｈｉｓｓｔｕｄｙｗａｓｐｅイｏｒｍｅｄｉｎｏｒｄｅｒｔｏｅｌｕｃｉｄａｔｅｔｈｅｓｉｇｎｉｆｉｃａｎｃｅｏｆｔｈｅｐｒｅｃｏｒｄｉａｌｍｏｖｅ ｍｅｎｔｉｎａｔｒｉａｌｓｓｙｓｔｏｌｅ（ ａ ｗａｖｏｉｎｍｉｔｒａｌｓｔｅｎｏｓｉｓｂｙｕｓｉｎｇｔｈｅｓｔｒａｉｎｇａｕｇｅｋｉｎ（？｜：ｏｃａｒｄｉｏ ｇｒａｐｈｉｃｍｅｔｈｏｄ． Ｐｏｓｉｔｉｖｅ ａ ｗａｖｅｓｗｉｔｈｈｉｇｈａｍｐｌｉｔｕｄｅｗｅｒｅｏＤｓｅｒｖｅｄｉｎｍｉｔｒａｌｓｔｅｎｏｓｉｓａｔｔｈｅｌｅｆｔｓｉｄｅ ｏｆｔｈｅμｅ（；（）ｒｄｉｕｍ（Ｋ３４，Ｋ３５），ｂｅｇｉｎｎｉｎｇａｔ０．０７ ０．０３ｓｅｃａｎｄｓｈｏｗｉｎｇｉｔｓｐｅａｋａｔ０．１４ ０．０３ｓｅｃａｆｔｅｒｔｈｅｏｎｓｅｔｏｆＰｗａｖｅｉｎＥＣＧ（Ｔａｂｌｅ１）．Ｔｈｅｌ （ｊｌａｔｉｖｅｖａｌｕｅｓｏｆ ２１ ｗａｖｅａｍｐ ｎｔｕｄｅｗｅｒｅｅｘｐｌｙｅｓｓｅｄａｓｒａｔｉｏｓｔｏｔｈｅｔｏｔａｌａｍｒ）Ｈｔｕｄｅ（ＴＡ）ｖａｌｕｅ（ａ／ＴＡ）ａｎｄｔｏｔｈｅａｍ ｐｌｉｔｕｄｅｏｆｐｒｅｅｊｅｄｉｏｎ（ＰＥ）ｗａｖｅ（ａ／ＰＥ）．ｖａｌｕｅｓｏｆａ／ＴＡａｎｄａ／ＰＥ（０．２６土０．０８６，１．５８土 ０．９３４，ｒｅｓｐｅｄｉｖｅｌｙ）ｉｎｍｉｔｒａ１１５ｔｅｎｏｓｉｓｗｅｒｅｓｉｇｎｉｆｉ（：ａｎｔｌｙ（Ｐく０．０５：）ｌａｒｇｅｒｔｈａｎｔｈｏｓｅ（：０．０５５土 ０．００２５，０．２５土０．１９６，１（・ｓｐｅｃｔｉｖｅｌｙ）ｉｎｎｏｒｍａｌｉｎｄｉｖｉｄｕａｌｓ（Ｔａｂｌｅ１）．Ｔｈｅａ／ＴＡｖａｌｕｅｗａｓ ｓｉｇｎｉｆｉｃａｎｔｌｙｃｏｌｒｒｅｌａｔｅｄ（ｒ＝０．４９，Ｐ＜０．０５）ｔｏｔｈｅｐｅａｋ̈ａ ｗａｖｅｉｎｐｕｌｍｏｎａｒｙｃａｐｉｌｌａｒｙ ｗｅｄｇｅｐｌ（ｊｓｓｕｒｅ（Ｆｉｇｕｒｅ３）．Ｂｕｔｎｏｓｉｇｎｉｆｉｃａｎｔｃｏｒｒｅｌａｔｉｏｎｗａｓｒｅｃｏｇｎｉｚｅｄｂｅｔｗｅｅｎａ／ＰＥ ３ ４ ６
削川弁狭窄埓における心才み波にっトて ｖ ａ ｌ ｕ ｅ ａ ｎ ｄ ｐ ｕ ｌ ｍ ｏ ｎ ａ ｒ ｙ ｃ ａ ｐ ｉ ｌ ｌ ａ ｒ ｙ ｘ ｖ ｅ ｄ ｇ ｅ ｍ ｅ ａ ｎ ｌ 〕 ｒ ｅ ｓ ５ ５ ｕ ｒ ｅ フ ａ ｗ ａ ｖ ｅ ｐ ｅ ａ ｋ ｌ ） ｌ ｅ ｓ ｓ ｕ ｒ ｅ ／ ｙ ｗ ａ ｖ ｅ ｐｕｌｓｅｌ）１（２ｓｓｕｒｅｏｒｒｉｇｈｔｖｅｎｔｒｉｃｕｌａｒｉ；ｙｓｔｏｌｉｃｌ：）１４（ｊｓｓｕｒｅ（：Ｆｉｇｕｒｅ４）． 文 献 １）ＴａｆｕｒＥ，ＣｏｈｅｎＬ，Ｌｅｖｉｎｅ，ＨＤ：Ｔｈｅｎｏｒｎｌａｌａｐｅｘｃａｒｄｉｏｇｒａｎｌ．ｌｔｓｔｅｍｐｏｒａｌｒｅｌａｔｉｏｎ ｓｈｉｐｔｏ（２旧ｄｒｉｃａ１，；Ｅｌｃｏｕｓｔｉｃａｎ（ｌｍｅ（：ｈａｎｉｃａ１（２２１ｒｄｉａｃ（？ｖｅｎｔｓ．（：ｉｒｃｕｌａｔｉｏｎ２３０：３８１３９１，１９６４ ２）ＤａｖｉｅＪＣ，Ｉ＿，ａｎｇｌｅｙＪ０，ＤｏｄｓｏｎＷＨ，Ｅ（ｊｄｌｅｌｎａｎＥＥＪｒ：Ｃｌｉｎｉｃａｌａｎｄｋ函（捷ｏｃａｒ（ｌｉ（）ｇｒａｐｈｉｃ １５１：ｕｄｉｅｓｏｆｐａｒ２１（ｌｏｘｉｃａｌｐｒ（・（：ｏｒｄｉａｌｎｌｏｔｉｏｎ．ＡｍｅｒＨｅａｒｔＪ９３：７７５Ｓ０７，１９６２ ３）ＥｐｓｔｅｉｎＥＪ，ＣｏｕｌｓｈｅｄＮ，ＢｒｏｗｎＡｙＤｏｕｋａｓＮＧ：Ｔｈｅ ａ ｗａｖｅｏｆｔｈｅａｐｅｘｃａｒｄｉｏ ｇｒａｍｉｎａｏｒｔｉｃｖａｌｖｅ（ｌｉｓｅａｓｅａｎ（１ｃａｒｄｉｏｍｙｏｐａｔｈｙ．ＢｒｉｔＨｅａｒｔＪ３０：５９ト６）５，Ｄ６Ｓ ４）Ｔａｖｅ１ＭＥ，Ｃａｍｐｂｅ１１ＲＷ，１７ｅ，ｉｓぶｅｎｂａｕｎｌＨ，５Ｅ；ｔ（？ｉｎｍｅｔｚＥＦ：Ｔｈｅａｐｅｘｃａｒｄｉｏｇｒａｍａｎｄｉｔｓ ｒｅｌａｔｉ（）１１ｓｈｉｐｔｏｈｅｍｏｄｙｎａｍｉｃｅｖｅｎｔｓｗｉｔｈｉｎｔｈｅｌｅｆｔｈｅａｒｔ．ＢｒｉｔＨｅａｒｔＪ２７：８２Ｅ）８３９， １９６５ ５）ＭｏｕｎｓｅｙＪＰＤ：ｌｎｓｐｅｃｔｉｏｎａｎｄｐａｌｐａｔｉｏｎｏｆｔｈｅｃａｒｄｉａｃｉｍｐｕｌｓｅ．ＰｒｏｇＣａｒｃｌｉｏｖａｓＤｉｓ １（）：１８７２０５バ９６７ ６ ） 福 本 晃 雄 ， 他 ： 心 臓 の う ご き に 由 来 す ； ｛ 川 ｊ ｉ ｆ 胸 壁 の う ご き ： ス ト レ ソ ゲ ー ジ 法 に つ ト て 。 医 学 の あ ゆみ６９：Ｅ５１２３５２５，１９６８ ７ ｝ 福 本 晃 雄 ， 他 ： 心 機 図 に 関 す る 研 究 （ 第 ２ 報 ） 。 第 ２ ８ 凹 日 循 九 升 ｌ 地 方 会 ， 昭 れ 」 ４ ５ 年 ６ 月 ８）Ｂｅｎｃｈｉｍｏ１Ａ，ＤｉｍｏｎｄＥＧ：Ｔｈｅａｐｅｘｃａｒｄｉｏｇｒａｎｌｉｎ沁ｃｈｅｍｉｃｈｅａｒｔｄ沁ｅａｓｅ．Ｂｒｉｔ ＨｅａｒｔＪ２４：５８１５９４，１９６２ ９）Ｈ２ｔｌＴｉｓｏｎＴＲ，ＬｏｗｄｅｒＪＡ，ＨｅｆｎｅｒＬＬ，ＨａｒｒｉｓｏｎＤＣ：Ｍｏ四ｍｅｎｔｓａｎｄｆｏｒｃｅｓｏｆｔｈｅ ｈｕｍａｎｈｅａｒｔ．Ｖ．Ｐｒｅｃｏｒｄｉａｌｍｏｖｅｍｅｎｔｓｉｎｌ・ｄａｔｉｏｎｔｏａｔｒｉａｌｃｏｎｔｍｃｔｉｏｎ．Ｃｉｒｃｕｌａｔｉｏｎ １８：８２９１１９５８ １０）ＳｕｈＳＫ，ＥｄｄｌｅｍａｎＥＥＪｒ：Ｋｉｒｌ（・ｔ：ｏｃ２１ｒｄｉ（堀ｒａｐｈｉｃｆｉｎｄｉｎｇｓｏｆｍｙｏｃａｒｄｉａｌｉｎｆａｒｄｉｏｎ． （Ｊｉｒ（２ｔｌｌａｔｉｏｎ１９：５３１５４２，１９５９ ｎ）ＳｋｉｎｎｅｒＮＳＪｒ：Ｌ（・山ｅｓｋｉｎｄＲＳ，ＰｈｉｌｌｉｐｓＨＬ，ＨａｒｒｉｓｏｎＴＲ：Ａｎｇｉｎａｐｅｃｔｏｒｉｓ．Ｅｆｆｅｃｔｏｆ （２ｘｅｒｔｉｏｎａｎｄｏｆｎｉｔｒｉｔｅｓｏｎｌ）Ｉｃ・ｃｏｒｄｉａｌｍｏｖｅｍｅｎｔｓ．ＡｍｅｒＨｅａｒｔＪ６１：２５０一２５８，１９６１ １２）ＵｅｄａＨ，ＫｏｂａｙａｓｈｉＴ，ＵｏｚｕｍｉＺ，ＳａｋａｍｏｔｏＴ：ＰＩ（２（２ｏｒｄｉａｌ１（：）ｗｆｒｅｑｕｅｎｃｙ吋ｂｌｏ（：ａｒｄｉｏ ｇｒａｐｈｙ：ＩＩＩ．Ｈｙｐｅｌｔ（，ｎｓｉｏｎ．ＪａｐＨｅａｒｔＪ３：ｚ１０８４２２，１９６２ １ ３ ） 福 本 晃 雄 ， 他 ： 心 機 図 に 関 す る 研 究 。 第 ３ ５ 口 目 循 総 会 発 表 ， 昭 和 ４ ６ 年 ４ 月 １４）ＤｉｍｏｎｄＥＧ：Ｂ（ｍｃｈｉｍｏＩＡ：ＣｏｒｒｅｌａｔｉｏｎｏｆｉｎｔｒＥ１（２２１ｒｄｉａｃｐｒｅｓｓｕｒｅａｎｄｐｒ匹ｏｒｄｉａｌｍｏｖｅ 一 ３ ４ ７
福 本 ， 真 柴 ， 伊 東 ， 哲 翁 ， 福 島 ， 藤 野 ， 今 西 ， 安 田 ， 伊 東 ｍｅｎｔｉｎｉｃｈｅｍｉｃｈｅａｒｔｄｉｓ；ｅａｓｅ．ＢｒｉｔＨｅａｒｔＪ２５：３８９３９２，１９６３ １５）ＤＩｒ（２ｓｓｌｅｒＷ：Ｐｒｅ・（；（）ｒｄｉａｌｈｅａｖｅｏｎｔｈｅｒｉｇｈｔｌＪｅｌａｔｅｄｔｏｋｆｔａｔｒｉａｌｅｎｋｌｒｇｅｍｅｎｔ．ＪＡＭＡ １２０６：９６９７，１９６８ １７）ＷｏｏｌｅｙＣＦ，ＫｌａｓｓｅｎＫＰ，ＬｅｉｇｈｔｏｎＲＦ，ＧｏｏｄｗｉｎＲＳ，ＷｈｉｔｅＲＰ，ＲｙａｎＪＭ，Ｉ；１ｉｅｓｅｒ ＧＦ：Ｔｈｅｌｅｆｔａｔｒｉａ１１：）ｌｒ（２ｓｓｕｒｅｐｕｌｓｅｏｆｍｉｔｒａ１！；ｔ（・ｎｏｓｉｓｉｎｓｉｎｕｓｒｈｙｔｈｍ．ＡｍｅｒＪＣａｒｄｉｏ１ １２Ｅ５：３９５４００，１９７０ １７）ＢｒａｕｎｗａｌｄＥ，ＦｒａｈｍＣＪ：Ｓ；ｔｕｄｉｅｓｏｎ５Ｓｔａｒｌｉｎｇｓｌａｗｏｆｔｈｅｈｅａｒｔ．ＩＶ．０ｂｓｅｒｖａｔｉｏｎｓｏｎ ｔｈｅｈｅｍｏｄｙｎａｍｉｃｆｕｎｃｔｉｏｎｓｏｆｔｈｅｌｅｆｔａｔｒｉｕｍｉｎｍａｎ．（：ｉｌ・ｃｕｌａｔｉｏｎ２４：６３３６４２，１９６１ １ Ｂ ） 福 本 晃 雄 ， 他 ： ス ト レ ソ ゲ ー 丿 し 機 図 法 。 臨 床 心 音 図 Ｌ Ｉ Ｓ ） ５ ２ ０ ６ ， １ ９ ７ １
討
論
魚 住 （ 愛 知 県 総 合 保 健 セ ン タ ー ） ： 先 生 の 場 合 ， 右 室 拍 動 の ａ 波 は い か が で ご ざ い ま し た か ， つまりｐａｒａ５ｔｅｒｎａｌｉｍｐｕｌｓｅのａ波はいかがで し た で し ょ う か 。 演 者 （ 福 本 ） ： 先 生 の ご 質 問 の 意 味 は 記 録 部 位 が ど こ か と い う こ と で ご ざ い ま す か 。 魚 住 ： そ う い う 意 味 で は ご ざ い ま せ ん 。 先 生 は Ｍ Ｓ で 心 尖 部 に ａ 波 が 大 き く 出 る と い う ふ う に い わ れ ま し た が ， も し そ う な ら ， 普 通 の 右 室 の 領 域 で の イ ン ぷ ル ス と 思 わ れ る 点 か ら え ら れ た 記 録 の ａ 波 は ど う な の で し ょ う か 。 演 者 ： 私 ど も は ， い つ も お 話 し て お り ま す よ う に ， 圧 迫 法 を 用 い て ， 心 電 図 の Ｖ 誘 導 の 位 置 を ず っ と 記 録 し て お り ま す 。 そ の う ち で ａ 波 が 最 も 大 き い と こ ろ ， そ れ か ら 全 振 幅 の 一 番 大 き い と こ ろ ， そ う い う よ う な 規 定 を し て み ま す と ， お も に Ｖ ３ ， そ れ か ら Ｖ ４ ， Ｑ 波 が 出 る か 出 な い か と い う と こ ろ が そ う い う 点 に 相 応 し ま す 。 そ う い う と こ ろ の 記 録 を き ょ う 出 し ま し た 。 そ う い う 意 味 で ｐａｒ２１ｓ；ｔｅｒｎａ１と思われるＶ２に相当するところは 振 幅 が 小 さ い か ら 出 し て お り ま せ ん 。 魚 住 ： ａ 波 の ピ ー ク の 位 置 は ， 正 常 者 と Ｍ Ｓ の 場 合 と ， か な り 違 っ て い た よ う に 見 受 け ま し た け れ ど も … … 。 演 者 ： そ れ が Ｍ Ｓ の １ つ の 特 徴 で あ る う と 私 は 思 っ て お り ま す し ， ほ か の 報 告 で も ， か な り 一 致 して お り ま す。 魚 住 ： そ の ａ 波 を 右 心 起 源 の ａ 波 と は お 考 え な っ て い ら っ し ゃ ら な い わ け で す ね 。 Ｖ ４ と い う と ｍｉｄｄａｖｉｃｕｌａｒｌｉｎｅになるわけですから，右室 の 拍 動 を 撮 っ て い る の で は な ト で す か 。 こ と に Ｍ Ｓ の 場 合 で す か ら 。 演 者 ： 右 心 系 の ａ 波 か ど う か と い う こ と は ， も ち ろ ん 問 題 に な ろ う か と 思 い ま す 。 だ か ら こ そ ， こういった時間関係，あるいはｗｅｄｇｅｌ）１ （２ｓｓｕｒｅ と の 関 係 が あ る と い う こ と か ら ， 左 房 の も の で あ ろ う と ， そ う い う ふ う に 考 え て お り ま す 。 左 房 の 動 き が 前 の ほ う に 向 か っ て ， 胸 壁 の 動 き に 出 る と い う こ と は ， こ れ は 異 論 の な い と こ ろ だ ろ う と 思 い ま す け れ ど も … … 。 沢 山 （ 川 崎 医 大 循 環 器 科 ） ： 先 生 の 方 法 は キ ネ ト カ ル ジ オ ダ ラ ム で す ね 。 キ ネ ト カ ル ジ オ グ ラ ム で 乱 た し か Ｍ Ｓ の 場 合 は 左 室 起 源 と 思 わ れ る ａ 波 が 小 さ く な る と い う ふ う に 解 釈 し て お り ま す の で ， 先 生 の い ま の ａ 波 の 増 大 と い わ れ ま す の は ， 魚 庄 先 生 が ご 指 摘 に な っ た よ う に ， 右 室 起 源 の ａ 波 で は な か ろ う か と い う ふ う に 思 う の で す け れ ど も。 演 者 ： そ れ に つ き ま して は ， た と え ば Ｈ ａ ｒ ｒ ｉ ｓ ｏ ｎ は ， こ の 心 房 波 は む し ろ Ｖ １ が 一 番 大 き い ， そ ３４８う い う ふ う に い っ て お り ま す し ， Ｍ Ｓ の 場 合 は Ｖ １ に お い て は 陰 性 化 す る ， そ れ を 左 房 の 影 響 で あ ろうというふうに考えております。Ｈ２１ｒｒｉｓｏｎの や り 方 で 乱 ａ 波 は た し か に む し ろ 前 胸 壁 で は 記 録 さ れ な い 。 そ れ と 比 較 し ま す と ， 私 ど も の 記 録 方 法 は ， 絶 対 値 を 測 っ て お る と 申 し ま し て 乱 い つ も お 話 し ま す よ う に ， 圧 迫 し て お る と い う と こ ろ が 大 き な 違 い で あ り ま す 。 前 胸 壁 の 影 響 を な る べ く 小 さ く す る た め に 圧 迫 し て お り ま す 。 Ｅ ｄ ｄ １ ｅ ｍ ａ ｎ の 行 な っ た 方 法 は ， 圧 迫 は ほ と ん ど か け な い で ， せ い ぜ い １ ０ ０ グ ラ ム 程 度 と い う ふ う に し て お り ま す 。 で す か ら 私 ど も が 圧 迫 し た と い う こ と の 影 響 が ， あ る い は 左 房 の 変 位 そ の も の を 掴 え て い る の で は な く て ， 別 の フ ァ ク タ ー ， 私 ど も は そ れ を ボ リ ュ ー ム と 距 離 と を か け せ 合 わ た 力 な い し 仕 巾 ｌ 量 と い う ふ う に 考 え て お り ま す け れ ど 乱 そ う い っ た も の を 掴 え て い る の で あ ろ う ， そ う い う ふ う に 考 えて お り ま す。 沢 山 ： Ｅ ｄ ｄ ｌ ｅ ｍ ａ ｎ の 方 法 と は 違 っ て い る 。 で す か ら 出 て く る 波 形 も 違 う し ， そ う し ま す と ， 出 て く る ａ 波 も 右 室 か 左 室 か ， 縮 実 に は い え な い わ けですね。 演 者 ： そ の 点 に つ い て は ， で す か ら 私 は 圧 の 関 係 と 時 間 の 関 係 か ら ， 左 房 性 だ ろ う と い う ふ う に 考 え た わ け で す 。 そ れ か ら も う １ つ ， 左 房 の 影 響 僧 帽 弁 狭 窄 症 に 未 肘 る 心 房 波 に つ いて が 絶 対 に 前 の 方 に 出 て き や す ト と い う こ と ， そ れ Ｚバ結論になっております。 坂 本 （ 東 大 第 二 内 科 ） ： い ま 魚 住 君 が い わ れ た の で す け れ ど 乱 私 も ど う も 左 心 の 影 響 を み て い る と い う よ り 乱 右 心 の 影 響 じ ゃ な い か と 思 う の で す 。 と い い ま す の は ， 心 電 図 で Ｖ １ か ら ず っ と 左 の 方 へ 追 っ て 行 き ま す と ， Ｖ ４ 近 辺 で 小 さ な ｓｅｐｔａＩＱが出てくるまでの領域は，どうもいまま で の 経 験 か ら み ま す と ， 左 心 の 影 響 が な い と い う か，非常に少ない領域なんですね。ｓ；ｅｐｔａｌＱが 出 る と こ ろ か ら 一 口 径 ぐ ら い 外 側 に 寄 っ た と こ ろ が 左 室 に な る と い う の が 正 し い の で は な い か と 思 い ま す ね 。 そ こ が ま た 左 室 心 尖 部 で ， ち ょ う ど １；ｅｐｔｕｍと左室のｆｒｅｅｗａ１１との接点のところ で す か ら ， ど う も そ の 辺 ま で の 胸 壁 上 の 領 域 は 右 室 か ら の あ お り と い う 影 響 を 除 外 で き な い 。 と く に Ｍ Ｓ な ど で す と 右 室 の 肥 大 が 強 く な っ て い る わ け で す か ら ， そ ち ら の 影 響 が ま す ま す 強 く な る の じ ゃ な い か と い う ふ う に 感 じ ま し た け れ ど 払 演 者 ： 心 尖 拍 白 図 で す と ， 僧 帽 弁 を 通 っ て 心 房 収 縮 に よ る 影 響 を と ら え る ， そ う い う ふ う に 解 釈 さ れ て い る の だ ろ う と 思 い ま す 。 私 ど も の 方 法 で は ， 左 房 の 収 縮 に よ っ て ， 心 臓 の 全 体 が 胸 壁 の 方 へ 白 く ， と い う こ と を 掴 え て い る の だ と 思 い ま す。 一 ３ ４ ９
