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(1)

1

関数列の収束と微分積分

1.1

次の例を考えよう。 fn(x) =      4n2x, 0 ≤ x ≤ 1 2n 4n2(1 n − x),2n1 ≤ x ≤ n1 0,1 n ≤ x この関数のグラフで囲まれた三角形の面積は任意の自然数n に対して常 に1 だから、 1 0 fn(x)dx = 1, n = 1, 2, .. である。 従って、 lim n→∞1 0 fn(x)dx = 1 である。 一方では、 lim n→∞fn(x) = 0 が成り立っているから、 ∫ 1 0 ( limn→∞fn(x))dx = 0 となり、 lim n→∞1 0 fn(x)dx ̸=1 0 ( limn→∞fn(x))dx である。J この例のように、積分と極限操作とは一般に順序を変えられない。 微分に関しても同様に、一般には d dx( limn→∞fn(x)) ̸= limn→∞ d dxfn(x) である。

(2)

更に、級数に関しても一般には ∫ 1 0 ( n=1 fn(x))dx ̸= n=11 0 fn(x)dx 及び, d dx( n=1 fn(x)) ̸= n=1 d dxfn(x) である。纏めて極限操作(無限和を含めて)と積分や微分の演算とは一 般には順序を変えられない。 それでは、関数列や無限和の収束にどのような条件があれば微分や積 分と順序が変更できるか考えよう。 それには、手掛かりとして最初の関数列の収束を詳しく調べる。この 例では、limn→∞fn(x) = 0 であるが、区間 [0, 1] に点 x を固定したとき に、fn(x) = 0 となる番号 n は点 x を区間の何処に固定したかによって変 化する。即ち、点x を 1 に近い所で固定したときには比較的若い番号かfn(x) = 0 となっているが、点 x を 0 に近い所で固定したときには可 成り大きな番号を取らないとfn(x) = 0 とならない。もっと具体的には、 与えたx に対して n1 ≤ x となる番号 n から fn(x) = 0 となる。つまり、 区間[0, 1] で関数 fn(x) は点 x 毎に不等式1x ≤ n を満たす番号 n を取れば fn(x) = 0 となる。このような関数列の収束を各点収束という。 一般に関数列の収束を前のように、ε − δ 方式で書いておこう。 「ある区間(a, b) で定義された関数列 {fn(x)}∞n=1が同じ区間(a, b) で定 義された関数f(x) に収束する」とは x ∈ (a, b),∀ε > 0,n∃0 = n0(x, ε),n ≥ n∀ 0, |fn(x) − f(x)| < ε が成り立つことである。

1.2

一様収束と項別微分・積分

関数列の収束に関して一様収束の定義を次のようにする。 定義 1 関数列の収束 limn→∞fn(x) = f(x) がある区間で一様であるとは、 区間の中の任意の点x を考えたときに、自然数 n0が点x に関係なく決め

(3)

ることができて、n0 ≤ n となる自然数 n に対して |fn(x) − f(x)| が幾ら でも0 に近くできることであるとする。 このことを記号で書くと x ∈ (a, b),∀ε > 0,n∃0 = n0(ε),n ≥ n∀ 0, |fn(x) − f(x)| < ε となるが、前の各点収束ではn0 = n0(x, ε) であったのが、一様収束では n0 = n0(ε) であること、つまり区間 (a, b) に属する点 x に依らない番号が 一様(一斉)に決まることが大事である。 以下では、関数列{fn(x)}∞n=1が関数f(x) に一様収束している時に、 「 lim n→∞fn(x) = f(x)(一様),x ∈ (a, b)」,または「fn(x) ⇒ f(x), x ∈ (a, b)」 などと書くことにする。それに対して、各点収束を 「 lim n→∞fn(x) = f(x), x ∈ (a, b)」,または「fn(x) → f(x), x ∈ (a, b)」 と書く。 (注意)関数列の無限和についても同様の概念を導入する。 この時に、次の定理が成り立つ。 定理 2 (i) fn(x) ⇒ f(x), x ∈ (a, b) ならば、 lim n→∞b a fn(x)dx =b a ( limn→∞fn(x))dx (ii) fn(x) → f(x),dxd fn(x) ⇒ g(x), x ∈ (a, b), ならば、 d dxf(x) = g(x) (例1)次の関数列{fn(x)}∞n=1を考える。 fn(x) = xn, 0 ≤ x ≤ 1 この時に、次は明らかであろう。

(4)

lim n→∞fn(x) = f(x) = { 0, 0 ≤ x < 1 1, x = 1 だから、 1 0 f(x)dx = 0. 一方で、 ∫ 1 0 fn(x)dx = [ xn+1 n + 1]x=1x=0 = 1 n + 1 → 0, n → ∞ が成り立つ。 この例は、関係式 lim n→∞1 0 fn(x)dx =1 0 ( limn→∞fn(x))dx が成立する例である。 以下でわかるように、上の収束limn→∞fn(x) = f(x) は一様ではない。 この例から、定理は極限操作と積分との順序交換ができる為の十分条件 を言っており、必ずしも必要な条件ではないことに注意しておこう。 (上の収束limn→∞xn = 0 についての考察) 収束の定義から与えられた0 < ε に対して不等式 |xn−0| ≤ ϵ が成り立つ ような番号の範囲を決める。0 ≤ x ≤ 1 だから、上の不等式は 0 ≤ xn≤ ε

となる。両辺の対数を取ってn log x ≤ log ε つまり番号は n ≥ log εlog xと取

ればよい。この式から番号n は ε だけではなく点の座標 x にも依ること がわかる。J 無限和と微分・積分との順序変更に関しても同様の定理が成り立つ。 定理 3 (i) n=1 fn(x) < ∞(一様),x ∈ (a, b), ならば、 b a ( n=1 fn(x))dx = n=1b a fn(x)dx この時に、項別積分可能という。

(5)

(ii) n=1 fn(x) < ∞, n=1 d dxfn(x) < ∞(一様),x ∈ (a, b), ならば、 d dx( n=1 fn(x)) = n=1 d dxfn(x) この時に、項別微分可能という。 級数の場合と同様に関数の無限和についても以下のような定理が成り 立つ 定理 4 (i) n=1 |fn(x)| < ∞ ならば、 n=1 fn(x) < ∞ (ii) n=1 |fn(x)| < ∞(一様),x ∈ (a, b), ならば、 n=1 fn(x) < ∞(一様),x ∈ (a, b) 次の定理は優級数の定理と呼ばれ、関数の無限和の収束に関して有用 である。 定理 5 区間 (a, b) 内の任意の点 x に於いて、不等式 |fn(x)| ≤ Mn が成り立っていて、しかも n=1 Mn < ∞

(6)

ならば、 n=1 |fn(x)| < ∞ しかも n=1 fn(x) < ∞(一様),x ∈ (a, b) である。 次に、無限関数列の極限関数(または、関数の無限和)について注意 をしておこう。次の定理が成立する。

定理 6 (i)fn(x), n = 1, ..., は (a, b) で連続。fn(x) ⇒ f(x), x ∈ (a, b) なら ば、f(x) は (a, b) で連続である。

(ii)fn(x), n = 1, ..., は (a, b) で連続。∞n=1fn(x) < ∞(一様), x ∈ (a, b)

ならば、f(x) =n=1fn(x) は (a, b) で連続である。 (例2)関数列 fn(x) = (x + 1)1 n, n = 1, 2, .. の収束について (i) 関数列は、 f(x) = { 0, 0 < x ≤ 1 1, x = 0 に収束している。 (ii) この収束は区間 (0, 1) で一様ではない。 (iii) この収束は区間 [1, 2] で一様である。 (理由)(i) は明らかであろう。 (ii) 1 (x+1)n < ε が成り立つには、 n > log1ε log(1 + x) が成り立てば良いが、これは明らかに点x に依存している。しかも、 lim x→+0 log1 ε log(1 + x) = ∞

(7)

であるので、x が 0 に近い時には、番号 n を限りなく大きく取る必要が ある。 (iii)1 ≤ x ≤ 2 だから 2 ≤ (x + 1) ≤ 3 で 2n≤ (x + 1)n ≤ 3n が成り立ち不等式 1 2n 1 (x + 1)n 1 3n が成立する。よって(x+1)1 n ≤ ε となるためには番号 n は不等式 1 2n ≤ ε が成り立つように決めれば良い。これは、番号がε には関係して決まる が、点の座標x には無関係に決まることを示している。従って、この区(1 ≤ x ≤ 2) では収束 limn→∞fn(x) = 0 が一様であることがわかる。J

1.3

付録2:ベキ級数(実関数の場合)

1.3.1 ベキ級数の収束範囲 関数の無限和∑0 fn(x) の中で最も大切なのは、ベキ級数である。 先ず、ベキ級数とは各fn(x) が fn(x) = cnxnの形をしている場合のこ とである。 ベキ級数∑0 cnxnは勿論x = 0 で収束することは明らかで、それ以外 の点での収束が最初に問題となる。 次の事実に注意しよう。 定理 7 ベキ級数n=0cnxnが点x0で収束するとき、|x| ≤ |x0| となる全 ての点x でベキ級数n=0cnxnは絶対、かつ一様収束する。 従って、上の定理からあるベキ級数∑n=0cnxnが与えられた時に、ベキ 級数∑n=0cnxn0 が収束し、しかも絶対値の一番大きなx0が問題となる。 その絶対値のことを収束半径と呼ぶ。この時に、収束半径をR とすると、 |x| < R となる全ての点 x ではn=0cnxnが絶対収束し、|x| > R となる 全ての点x ではn=0cnxnが収束しない。この半径R を計算で求めるに は、次の定理を使えば良い。

(8)

定理 8 ベキ級数 f(x) =n=0cnxnに対して、ρ = limn→∞ cn+1cn とおく と、収束半径R は、R = ρ1である。 (注意)ρ = limn→∞|cn| だから、こちらで計算しても良い。 べき級数の項別微分に関しては、次の定理が有用である。 定理 9 ベキ級数 f(x) =n=0cnxnは収束円内では、何回でも項別微分 が可能で、 f(p)(x) = n=p n(n − 1)...(n − p + 1)cnxn−p, (p = 1, 2, ...)...(∗) が成立する。従って、 cp = f (p)(0) p! , (p = 1, 2, ...) となる。 (注意)1. 上の定理に現れるべき級数 (∗) の収束半径は項別微分する前 のべき級数の収束半径を同じである。 それには、前の定理18の方法で収束半径を計算すれば容易に分かる。 従って、ベキ級数が収束円の中で一様収束することを使えば、前節の定 理3から、項別微分が許される訳である。 2.ここでは、ベキ級数を∑n=0cnxnの形で扱ったが、一般には、∑n=0cn(x− a)nの形で考えることが出来て、一連の定理はそのまま成り立つ。点a を 展開の中心という。 1.3.2 初等関数のベキ級数展開 テーラーの定理 次の定理は平均値の定理の拡張である。 定理 10 (テイラーの定理)区間 [a, b] で定義された関数 y = f(x) が連続(n − 1) 次迄の導関数を持ち(このことを (n − 1) 回連続的微分可能と いう)、区間(a, b) の各点で n 回導関数が存在するとする。この時に、次 の等式が成立する。 f(b) = f(a)+(b − a)1! f′(a)+...+(b − a)k k! f(k)(a)+...+ (b − a)n−1 (n − 1)! f(n−1)(a)+Rn

(9)

但し、ここでRnは剰余項と呼ばれ、 Rn = (b − a) n n! f(n)(c), a < c < b とかける。 上の定理b = x でとおけば、次の式が得られる。 f(x) = f(a) +(x − a)1! f′(a) + ... +(x − a)k k! f(k)(a) + ... (x − a)n−1 (n − 1)! f(n−1)(a) + Rn, Rn = (x − a) n n! f(n)(c), a < c < x また、この式でa = 0 とおけば f(x) = f(0) + 1!xf′(0) + ... + xk k!f(k)(0) + ... + xn−1 (n − 1)!f(n−1)(0) + Rn, Rn= x n n!f(n)(c), 0 < c < x が得られるが、この時には、特にマクローリンの定理と呼ぶ。 (注意)テイラーの定理及びマクローリンの定理に於ける剰余項 Rnに 表れるc はそれぞれ次のように書くことも出来る。 c = a + θ(b − a) = (1 − θ)a + θb, c = a + θ′(x − a) = (1 − θ)a + θx, c = θ′′x, 0 < θ, θ, θ′′ < 1 初等関数のベキ級数展開 最初に次の事実に注意しておく。 定理 11 テーラーの定理またはマクローリンの定理で剰余項 Rnに関し て、もしも lim n→∞Rn= 0 がいえるならば、関数はベキ級数に展開できて、 f(x) = f(a) + (x − a) 1! f′(a) + ... + (x − a)n n! fn(a) + ... または、 f(x) = f(0) + x 1!f′(0) + ... + xn n!fn(0) + ... が成り立つ。

(10)

更に、次がいえる。 定理 12 全ての実数 x に対して、limn→∞ xn!n = 0 が成り立つ。 だから、剰余項のなかのf(n)(c) について考察すれば良い。以下では、 具体的な関数について考察を行う。 f(x) = 1 1−x この関数は、|x| < 1 の範囲で無限等比級数 n=0xnの和と して書け、この級数は|x| < 1 の範囲で収束するので、関数 f(x) = 1−x1 が |x| < 1 の範囲でベキ級数に展開できて、次の式が成り立つことは明らか であろう。 1 1 − x = 1 + x + x2+ ... + xn+ ... J f(x) = ex f(x) = exf(x) = ex, 従って f(k)(x) = ex, f(k)(0) = 1, k = 0, 1, ... が成り立つ。だから、f(n)(c) = ecなので、次の不等式がいえる。 |ec| ≤ M M は x に依存するが、|x| ≤ N の時には、x に関しては一様に取れる。 だから、|x| ≤ N の時には、x に関しては一様に lim n→∞Rn= 0 がいえて、全てのx について ex = 1 + x 1!+ ... + xn n! + ... と展開できる。J

f(x) = sin x f(x) = sin x は f′(x) = cos x = sin(x + π

2),

従って

f(k)(x) = sin(x +

(11)

よって、 f(2k+1)(0) = (−1)k, f(2k)(0) = 0, k = 0, 1, ... が成り立つ。 また、f(n)(c) = sin(c + 2 ) なので、次の不等式がいえる。 |f(n)(c)| = | sin(c + 2 )| ≤ 1 だから、x に関しては一様に lim n→∞Rn= 0 がいえて、全てのx について sin x = x − x3!3 + x5!5 − ... + (−1)k x2k+1 (2k + 1)! + ... と展開できる。J

f(x) = cos x f(x) = cos x = sin(x +π

2) だから f(k)(x) = sin(x + 2 + π 2), k = 0, 1, ... よって、 f(2k)(0) = (−1)k, f(2k+1)(0) = 0, k = 0, 1, ... が成り立つ。 また、f(n)(c) = sin(c + 2 + π2) なので、次の不等式がいえる。 |f(n)(c)| ≤ 1 だから、x に関しては一様に lim n→∞Rn= 0 がいえて、全てのx について cos x = 1 − x2 2! + x4 4! − ... + (−1)k x2k (2k)! + ... と展開できる。J

(12)

f(x) = log(1 + x) f(x) = log(x + 1) から、 f′(x) = 1 (x + 1) = (x + 1)−1 従って、 f(k)(x) = (−1)k−1(k − 1)! (x + 1)k, f(k)(0) = (−1)k−1(k − 1)!, k = 1, ... また、剰余項については、 Rn = x n n!f(n)(c) = (−1)n−1 xn n ( 1 1 + c)n, |c| ≤ |x| となり、計算の結果−1 < x ≤ 1 において、 lim n→∞Rn= 0 がわかる。 だから、−1 < x ≤ 1 において log(x + 1) = x − x22 + x33 − ... + (−1)n−1xn n + ... とベキ級数展開できることがわかる。J (x + 1)m 最後に、関数f(x) = (x + 1)mm は実数)のベキ級数展開 の結果だけを示そう。m が自然数ならば、(x + 1)m2 項展開で m 次の 多項式である。従って、この場合は関数f(x) はベキ級数に展開されて、 (m + 1) 次以上のベキの係数は全て 0 である。それ以外の場合についてベ キ級数展開を与えよう。結果は以下の通りである。関数f(x) = (x + 1)m−1 < x ≤ 1 において (x+1)m = 1+m 1!x+ m(m − 1) 2! x2+...+ m(m − 1)(m − 2)...(m − n + 1) n! xn+... とベキ級数に展開される。J 問題1. 1.次のベキ級数の収束半径を計算せよ。 1.n=0xn n!, 2. n=0n!xn, 3. n=0x n n2, 4. n=0 x n n3+1,

(13)

5.n=0(n!)(2n)!2xn6.n=0(−1)n xn n!7. n=0xn 2 2.次の関数をベキ級数に展開せよ。 1. cosh x = 1 2(ex+ e−x)2. log(x +

1 + x2)3. log(1 − x + x2)4. sin3x, 5.ax

6. log(1 − x)7. sin2x8. log(1+x 1−x)

2

フーリエ級数

2.1

周期関数の展開

関数f(x) が全ての x に対して、ある T > 0 があって関係式 f(x + T ) = f(x) 満たす時に、関数 f(x) は周期 T の周期関数であるという。前節では、 一般の関数をベキ関数xnの無限和(ベキ級数)∑n=0cnxnで展開(近似) することを考えたが、ここでは、周期関数を周期関数の最も代表的な三 角関数の無限和で展開(近似)することを考える。最初に形式的な計算 を行って、おおよその予測を付けよう。 (注意)以下では、T = 2π として進めるが、一般の周期の時には、少 しの置き換えで同様の結果が全て成り立つ。 定理 13 区間 [−π, π] で定義された関数 f(x) が以下のように展開されて いて、しかも項別積分が可能であるとする。 f(x) = n=0 (ancos nx + bnsin nx) この時に、各係数an, bnは次のように決まる。 an= π1 ∫ π −πf(x) cos nxdx, n = 1, 2, ... bn = π1 ∫ π −πf(x) sin nxdx, n = 0, 1, 2, ... a0 = 1 ∫ π −πf(x)dx

(14)

この定理の証明の根拠は以下の関係式である。 ∫ π −πsin mx cos nxdx = 0, m, n = 0, 1, ...π −πcos mx cos nxdx = 0, m ̸= nπ −πsin mx sin nxdx = 0, m ̸= n π −πcos 2nxdx = π, n = 1, ...π −πsin 2nxdx = π, n = 1, ...

2.2

フーリエ係数、級数

関数f(x) は周期 2π の周期関数とし、区間 [−π, π] では区分的に連続で あるとする。ここで、関数f(x) が区分的に連続であるとは, 区間 [−π, π] で 関数f(x) は有限個の点 {xi}ni=1を除いては連続で、各xiではそれぞれの点 で右極限f(xi+0) = limx→xi+0f(x) 及び左極限 f(xi−0) = limx→xi−0f(x) が存在するとする。勿論f(xi+ 0) = f(xi− 0) ならば点 xiで関数f(x) は 連続である。 さて、区間[−π, π] では区分的に連続な関数 f(x) のフーリエ係数 an, bn を次ぎのように決める。 an= 1ππ −πf(x) cos nxdx, n = 1, ... bn = π1 ∫ π −πf(x) sin nxdx, n = 0, 1, ... a0 = 1 ∫ π −πf(x)dx 次に、この係数を用いて級数 n=0 (ancos nx + bnsin nx) を形式的に作る。今後、このことを、 f(x) ∼ n=0 (ancos nx + bnsin nx)

(15)

と書こう。 次の事実が成立する。 定理 14 区間 [−π, π] で区分的に連続な関数 f(x) のフーリエ係数を an, bn とするときに、全ての自然数n に対して |an|, |bn| ≤ M となる定数M が取れる。 定理 15 (リーマン・ルベッグの定理)区間 [−π, π] で区分的に滑らかな 関数f(x) のフーリエ係数を an, bnとするときに、 |an|, |bn| → 0, (n → ∞) ここで関数f(x) が区分的に滑らかであるとは、関数 f(x) の導関数 f′(x) が区分的に連続であることとする。 次に、関数f(x) が偶関数(resp. 奇関数)のときには、つまり、f(x) = f(−x)(resp.f(x) = −f(−x)) のときには、全ての自然数 n に対して bn = 0(resp.an = 0) であり、フーリエ級数は余弦関数(resp. 正弦関数)だけ で表される。これをフーリエ余弦級数(resp. 正弦級数)という。 問題1.次の関数のフーリエ級数を計算せよ。 1.f(x) = { 1, 0 ≤ x ≤ π 0, −π ≤ x ≤ 0 2.f(x) = { x, 0 ≤ x ≤ π −1, −π ≤ x ≤ 0 3.f(x) = x, (−π ≤ x ≤ π) 4.f(x) = { sin x, 0 ≤ x ≤ π 0, −π ≤ x ≤ 0 5.f(x) = x2, (−π ≤ x ≤ π) 6.f(x) = sin x2, (−π ≤ x ≤ π) (注意)区間[0, π] だけで定義されている関数 f(x) は、区間 [−π, π] に 関数を拡張して、その拡張された関数を周期2π で全区間に拡張する。区[−π, π] に関数を拡張する仕方は3通りあるので、フーリエ級数も3通 りあることになる。 (i) 周期 π で区間 [−π, 0] に関数を拡張すると f(x) = f(x + π), −π ≤ x ≤ 0 (ii) 偶関数で区間 [−π, 0] に関数を拡張すると f(x) = f(−x), −π ≤ x ≤ 0

(16)

(iii) 奇関数で区間 [−π, 0] に関数を拡張すると f(x) = −f(−x), −π ≤ x ≤ 0 となり、3通りある。 例題1.f(x) = x(0 ≤ x ≤ π) のフーリエ級数を求めよ。 (解法)1.最初に周期π で区間 [−π, 0] に拡張すると、フーリエ係数 は、それぞれ an= π2 ∫ π 0 x cos 2nxdx = π2{[x2n1 sin 2nx]x=π x=0 2n1 ∫ π 0 sin 2nxdx} = 2n12π[cos 2nx]x=π x=0 = 0, (n ̸= 0) a0 = π1 ∫ π 0 xdx = π 2, bn = π2 ∫ π 0 x sin 2nxdx = 2 π{−[x 1 2ncos 2nx]x=πx=0 +2n1 ∫ π 0 cos 2nxdx} = 2 π{− π 2n cos 2nπ + 1 4n2[sin 2nx]x=πx=0} = − 1 n, (n ̸= 0) となり、フーリエ級数は π 2 n=1 1 nsin 2nx となる。J 2.次に、偶関数で区間[−π, 0] に拡張すると、フーリエ係数は bn= 0, an = π2 ∫ π 0 x cos nxdx

(17)

= π2{[xn1sin nx]x=π x=0 n1 ∫ π 0 sin nxdx} = n22π[cos nx]x=π x=0 = n22π((−1)n− 1), (n ̸= 0), a0 = π1 ∫ π 0 xdx = π 2 となり、フーリエ級数は π 2 + n=1 2 n2π((−1)n− 1) cos nx となる。J 3.最後に、奇関数で区間[−π, 0] に拡張すると、フーリエ係数は an = 0, bn= π2 ∫ π 0 x sin nxdx = π2{−[xn1cos nx]x=π x=0 +n1 ∫ π 0 cos nxdx} = π2{−πn cos nπ + n12[sin nx]x=π x=0} = n2(−1)n+1, (n ̸= 0) となって、フーリエ級数は n=1 2 n(−1)n+1sin nx となる。J フーリエ級数(係数)を特徴付けるのは次の定理である。 定理 16 任意の自然数 N 及び任意の実数 An, Bnに対して、 Nn=1 (Ancos nx + Bnsin nx)

(18)

を考える。この時に、 ∫ π −π(f(x) − Nn=1 (Ancos nx + Bnsin nx))2dx を最小にするのは, An= an, Bn= bn となる場合である. さて、与えられた関数とそのフーリエ級数との各点における関係を調 べよう。その時に、次の事実が基本になる。 定理 17

Dn(x) = 12+ cos x + cos 2x + ... + cos nx

とすると、次が成立する。 (i)Dn(x) = sin(n + 1 2)x 2 sinx 2 (x = 0 では極限の意味で考える) (ii)π1 ∫ π −πDn(x)dx = 1 (iii) 関数 f(x) が区間 [−π, π] で区分的に連続な周期 2π の周期関数の時 には lim n→∞ 1 ππ −πf(y)Dn(x − y)dy = 1 2{f(x + 0) + f(x − 0)} 従って、関数f(x) が連続ならば lim n→∞ 1 ππ −πf(y)Dn(x − y)dy = f(x) J (注意)上の関数列 {Dn(x)}∞n=1n → ∞ の時の極限関数 δ(x) を考え

よう。Dn(x) の性質 (i) から、Dn(0) = limx→0 sin(n+12)x

2 sinx 2 = n + 1 2 なので、 (1)δ(0) = lim n→∞Dn(0) = limn→∞(n + 1 2) = ∞

(19)

であり、それ以外の点x でも、極限値 limn→∞Dn(x) を持たない。次に、 性質(ii) から形式的に極限を取ると、 (2) ∫ π −πδ(x)dx = π が成り立つ。同じようにDn(x) の性質 (iii) で形式的に極限を取ると (3)1 ππ −πf(y)δ(x − y)dy = f(x) が言える。通常、δ(x)π をデラック関数と呼ぶ。J 上の(iii) から次の定理が成立する。 定理 18 関数 f(x) が区間 [−π, π] で区分的に連続な周期 2π の周期関数の 時には 1 2{f(x + 0) + f(x − 0)} = n=0 (ancos nx + bnsin nx) 従って、関数f(x) が連続ならば f(x) = n=0 (ancos nx + bnsin nx) が成り立つ。 (注意)関数 f(x) が連続ならばn=0(ancos nx + bnsin nx) の f(x) への 収束は一様であることもわかる。 次の不等式はベッセルの不等式と呼ばれる。 定理 19 1 ππ −πf(x) 2dx ≥ a20 2 + n=1 (a2 n+ b2n) (注意)関数 f(x) が連続ならば上の不等式は等式になる。 (注意)a2 0,12(a2n+ b2n) をスペクトル強度と呼び、物理的には重要な量で ある。

参照

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