1.
防衛大綱の見直し及び新中期防の策定
我が国の防衛力整備は、長期的な防衛力水準の在り 方を示す「防衛計画の大綱(以下「防衛大綱」)」の下 で、5年間に亘る主要装備品を含む防衛力の整備計画 を示す「中期防衛力整備計画(以下「中期防」)」に 沿って継続的・計画的に実施されてきた。 平成30年は、前防衛大綱の下で中期防を策定する 年であったが、現在、我が国を取り巻く安全保障環境 は、極めて早いスピードで変化し、特に、国際社会の パワーバランスの変化は加速化・複雑化し、既存の秩 序をめぐる不確実性は増大している。また、宇宙・サ イバー・電磁波といった新たな領域の利用の急速な拡 大は、これまでの国家の安全保障の在り方を根本から 変えようとしている。こうした中でも、我が国に対す る脅威が実現し、国民の命と平和な暮らしを脅かすこ とを防ぐためには、安全保障の現実に正面から向き合 い、従来の延長線上ではない真に実効的な防衛力を構 築するため、従来とは抜本的に異なる速度で変革を 図っていく必要があることから、今回初めて国家安全 保障会議及び国家安全保障局の主導のもと、防衛大綱 自体を見直すとともに、これに基づき新たに中期防を 策定するに至った。*12.新防衛大綱
(1)基本方針
我が国は、日本国憲法の下、専守防衛に徹し、他国 *1)おおむね10年程度にわたる我が国の防衛の在り方について、新たな指針として定められた「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱について」(平成 30年12月18日国家安全保障会議及び閣議決定)を踏まえ、その当初5年間である平成35年度までの具体的な防衛力整備の計画として、「中期防衛力 整備計画(平成31年度∼平成35年度)について」(平成30年12月18日国家安全保障会議及び閣議決定)が定められた。中期防は、主要装備品の整 備規模、所要経費などを定めている。 に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本方 針に従い、文民統制を確保し、非核三原則を守ってい る。また平成25年の国家安全保障戦略の策定以降、 積極的平和主義の観点から、我が国自身の外交力、防 衛力等を強化し、日米同盟を基軸として、各国との協 力関係の拡大・進化を進めてきた。 今後とも、我が国は、こうした基本方針等の下で、 平和国家としての歩みを変えることなく、その上で、 現在の安全保障環境の中でも、国益を守る必要がある ことから、これまで以上に多様な取組を積極的かつ戦 略的に推進していくこととなる。(2)防衛力の強化
厳しさを増す安全保障環境の中で、軍事力の質・量 に優れた脅威に対する実効的な抑止及び対処を可能と するためには、宇宙・サイバー・電磁波といった新た な領域と陸・海・空という従来の領域の組合せによる 戦闘様相に適応することが死活的に重要になるため、 今後の防衛力については、個別の領域における能力を 有機的に融合し、その相乗効果により全体としての能 力を増幅させる領域横断(クロス・ドメイン)作戦が 必要である。 また、不確実性を増す安全保障環境の中では、平時 から有事までのあらゆる段階における活動をシームレ スに実施できることが重要であり、各種活動の持続性・ 強靭性を支える能力の質及び量を強化しつつ、平素か ら、事態の特性に応じた柔軟かつ戦略的な活動を常時 継続的に実施可能でなければならない。今後、我が国平成
31
年度防衛関係費について
主計局主計官内野
洋次郎
はこのような性質を備えた真に実効的な防衛力として、 多次元統合防衛力を構築していく必要がある。 将来の主要な編成、装備等の具体的規模について は、防衛大綱の別表で定められている(図表1)。
3.新中期防
平成最後の建議となった財政制度等審議会の「平成 31年度予算の編成等に関する建議(平成30年11月 20日)」は、「実効的な防衛力整備は、国民の確かな 信頼と理解の下、安定的な経済、競争力のある産業、 高度な技術、そして健全かつ持続的な財政といった、 総合的な国力を背景として初めて可能となる」と指摘 した上で、次期中期防の策定に当たっては、より財政 規律を働かせるとともに、国民への説明責任を果たす 観点から、(i)新規後年度負担の適切な管理と(ii) 装備品のメリハリ付けと計画単価の明示、の2点を求 めている。また、調達改革についても、(i)防衛省全 体の能力・体制の更なる強化と(ii)防衛産業の強靭 化の必要性を指摘している。 財政当局としては、これらの指摘を新中期防に的確 に反映させるべく所要の調整を図ったところである。(1)計画の方針
新防衛大綱に従い、格段に速度を増す安全保障環境 の変化に対応するため、従来とは抜本的に異なる速度 で防衛力を強化する。また、人口減少と少子高齢化の 急速な進展や厳しい財政状況を踏まえ、既存の予算・ 人員の配分に固執することなく、資源を柔軟かつ重点 的に配分し、効果的に防衛力を強化する。さらに、あ らゆる分野での陸海空自衛隊の統合を一層推進し、縦 割りに陥ることなく、組織及び装備を最適化する。 具体的には、領域横断作戦を実現するため、宇宙・ サイバー・電磁波の新たな領域における能力の獲得・ 図表1 平成31年度以降に係る防衛計画の大綱について(別表) 共同の部隊 サイバー防衛部隊海上輸送部隊 1個防衛隊1個輸送群 陸上自衛隊 編成定数 常備自衛官定員 即応予備自衛官員数 15万9千人 15万1千人 8千人 基幹部隊 機動運用部隊 3個機動師団 4個機動旅団 1個機甲師団 1個空挺団 1個水陸機動団 1個ヘリコプター団 地域配備部隊 5個師団2個旅団 地対艦誘導弾部隊 5個地対艦ミサイル連隊 島嶼防衛用高速滑空弾部隊 2個高速滑空弾大隊 地対空誘導弾部隊 7個高射特科群/連隊 弾道ミサイル防衛部隊 2個弾道ミサイル防衛隊 海上自衛隊 基幹部隊 水上艦艇部隊 うち護衛艦部隊 4個群(8個隊) 護衛艦・掃海艦艇部隊 2個群(13個隊) 潜水艦部隊 6個潜水隊 哨戒機部隊 9個航空隊 主要装備 護衛艦 54隻 (イージス・システム搭載護衛艦) (8隻) 潜水艦 22隻 哨戒艦 12隻 作戦用航空機 約190機 航空自衛隊 基幹部隊 航空警戒管制部隊 28個警戒隊 1個警戒航空団(3個飛行隊) 戦闘機部隊 13個飛行隊 空中給油・輸送部隊 2個飛行隊 航空輸送部隊 3個飛行隊 地対空誘導弾部隊 4個高射群(24個高射隊) 宇宙領域専門部隊 1個隊 無人機部隊 1個飛行隊 主要装備 作戦用航空機うち戦闘機 約370機約290機 注1:戦車及び火砲の現状(平成30年度末定数)の規模はそれぞれ約600両、約500両/門であるが、将来の規模はそれぞれ約300両、約300両/門とする。 注2:上記の戦闘機部隊13個飛行隊は、STOVL機で構成される戦闘機部隊を含むものとする。平成
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年度予算特集:
3
新防衛大綱・新中期防と平成31年度防衛関係費について特
集
強化や、海空領域における能力、スタンド・オフ防衛 能力、総合ミサイル防空能力、機動・展開能力を強化 し、さらに、平時から有事まで必要とされる各種活動 を継続的に実施できるよう、後方分野も含めた防衛力 の持続性・強靭性を強化する。装備品のうち、主要な ものの具体的整備規模は、別表(図表2)で定められ ており、今後5年間は、これに基づき整備を行う。
(2)所要経費
この計画の実施に必要な防衛力整備の水準に係る金 額は、平成30年度価格でおおむね27兆4,700億円程 度を目途としている。本計画期間中、防衛力整備の一 層の効率化・合理化を徹底し、重要度の低下した装備 品の運用停止や費用対効果の低いプロジェクトの見直 し、装備調達の最適化及びその他の収入の確保などを 通じて実質的な財源確保を図り、本計画の下で実施さ れる各年度の予算の編成に伴う防衛関係費は、おおむ ね25兆5,000億円程度を目途*2とする。なお、装備 品等の整備を迅速に図る観点から、事業管理を柔軟か *2)前中期防において、各年度の予算の編成に伴う防衛関係費は、おおむね23兆9,700億円程度の枠内とする、とされていた。「枠内」を「目途」とした 趣旨は、新規後年度負担額を抑制するために新たに設けた契約額17兆1,700億円程度について、「枠内」として明確な歯止めとしていることから、こ れに対応したものである。 つ機動的に行うとともに、経済財政事情等を勘案しつ つ、各年度の予算編成を実施する。 また、この計画を実施するために新たに必要となる 事業に係る契約額(物件費)は、平成30年度価格で おおむね17兆1,700億円程度(維持整備等の事業効 率化に資する契約の計画期間外の支払相当額を除く) の枠内とする。 防衛装備品の調達等は、契約した年度のみならず多 年度にわたり支払いが続く場合が多いことから、後々 の支払いを適切に管理する必要があるところ、これま での中期防では新規後年度負担額については枠を示し てこなかった。このため、特に前中期防期間中に新規 後年度負担額が大きく増加し、後年度の予算の硬直化 や歳出規模の増大を招いた。これを受けて新中期防で は、所要経費全体を示しつつ、財政審の指摘を受け、 後年度負担を管理する契約額の枠を新たに設けること で、防衛力の強化と、防衛関係費の適切な管理という 二つの目的を両立させるものとしたところである。 陸上自衛隊 地対艦誘導弾 3個中隊 中距離地対空誘導弾 5個中隊 陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア) 2基 戦車 30両 火砲(迫撃砲を除く。) 40両 海上自衛隊 護衛艦 10隻 潜水艦 5隻 哨戒艦 4隻 その他 4隻 自衛艦建造計 23隻 (トン数) (約6.6万トン) 固定翼哨戒機(P-1) 12機 哨戒ヘリコプター(SH-60K/K(能力向上型)) 13機 艦載型無人機 3機 掃海・輸送ヘリコプター(MCH-101) 1機 航空自衛隊 早期警戒機(E-2D) 9機 戦闘機(F-35A) 45機 戦闘機(F-15)の能力向上 20機 空中給油・輸送機(KC-46A) 4機 輸送機(C-2) 5機 地対空誘導弾ペトリオットの能力向上(PAC-3 MSE) 4個群(16個高射隊) 滞空型無人機(グローバルホーク) 1機 注1:哨戒ヘリコプターと艦載型無人機の内訳については、「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱」完成時に、有人機75機、無人機20機を基本としつつ、総計95機となる 範囲内で「中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)」の期間中に検討することとする。 注2:上記の戦闘機(F-35A)の機数45機のうち、18機については、短距離離陸・垂直着陸機能を有する戦闘機を整備するものとする。(3)
調達の効率化及び産業基盤の強靭化に
向けた取組
装備品の取得に当たり、必要かつ十分な「質」及び 「量」の防衛力を確保した上で、前述したとおり、実 質的な財源確保を図るためには、効果的・効率的な取 得を一層推進する必要がある。 また、効率的な調達に向けた取組みとしては、「防 衛生産・技術基盤戦略(平成26年6月防衛省)」にお いて、装備品の取得方法の効率化・最適化をはじめ、 装備品のライフサイクルを通じたプロジェクト管理の 強化や、国内産業の組織再編・連携等を防衛省自ら掲 げていることもあり、早期に具体化を図る必要があ る。このため、新中期防には新たに以下の具体的な取 組みを掲げたところである。 ア 装備調達の最適化 装備品の効果的・効率的な取得を一層推進するた め、装備品のライフサイクルを通じたプロジェクト 管理の実効性及び柔軟性を高める必要があるほか、 市場価格のない装備品の価格積算についてより適正 な費用の算定に取り組む。また、長期契約を含め、 装備品の効率的な調達に資する計画的な取得方法の 活用及びPBL等の包括契約の拡大を含む維持整備 の効率化を推進する。さらに、国内調達の費用対効 果が低い装備品について、輸入における価格低減の 検討、国内向け独自仕様の縮小等の検討により、国 内外の企業間競争の促進を図る。このほか、有償援 助調達(以下「FMS調達」)における価格、納期等 の管理の重要性が増していることを踏まえ、日米協 議等を通じて米国政府等と緊密に連携し、米軍等と の調達時期・仕様を整合させた装備品の取得や履行 状況の適時適切な管理に努めるなど、FMS調達の 合理化に向けた取組を推進する。 イ 産業基盤の強靭化 我が国の防衛産業基盤を強靭化するため、競争環 境に乏しい我が国の防衛産業に競争原理を導入し、 民生分野の知見及び技術を取り入れ、装備品に係る サプライチェーンを強化するなど、政府として主体 *3)「臨時・特別の措置」は、防災・減災、国土強 化のため時限を区切って省庁横断的に措置されるものであることから、中期防の枠外と位置付け、その 内容を同措置の趣旨に適合したものに限定している(後掲)。*4) SACO関係経費とは、沖縄に関する特別行動委員会(SACO:Special Action Committee on Okinawa)最終報告(平成8年12月2日)に盛り 込まれた措置を実施するために必要な経費を指す。 *5)米軍再編関係経費とは、「在日米軍の兵力構成見直し等に関する政府の取組について」(平成18年5月30日閣議決定)及び「平成22年5月28日に日 米安全保障協議委員会において承認された事項に関する当面の政府の取組について」(平成22年5月28日閣議決定)に基づく再編関連措置のうち、地 元の負担軽減に資する措置を実施するために必要な経費を指す。 的な取組を推進する。こうした取組の一環として、 防衛産業の競争力の強化に資する取組の程度を評価 指標とする企業評価制度の導入を含め、企業間の競 争環境の創出に向けた契約制度の見直しを行う。 このほか、企業の再編や統合も視野に、装備品の 製造プロセスの効率化や徹底した原価の低減などの 施策に取り組む必要がある。
(4)計画単価の公表
新中期防策定の後、平成31年1月8日、防衛省は 中期防の主要装備品の単価を公表した。これは、従来 からも、必要に応じ個別に説明されてきたものである が、新中期防の策定に当たって、装備品の効率的な取 得について関心が高まっていること、財政審において も単価を明示すべき旨建議されていることを受け、説 明責任を果たす観点から防衛省ホームページにおいて 公表されたものである。4.
31
年度予算編成の基本的な考え方
平成31年度の予算は、前述した新防衛大綱及び新 中期防に基づき編成を行い、防衛関係費は、全体で5 兆2,066億円(対前年度比+0.3%)を確保した上で、 防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策にお ける「臨時・特別の措置」*3として、508億円を措置 (「臨時・特別の措置」を含めれば+1.3%)するとと もに、SACO関係経費*4・米軍再編関係経費*5等及び 「臨時・特別の措置」を除く中期防対象経費について は、中期防を踏まえ実質+1.1%の伸びを確保し、消 費税影響分も含め、5兆70億円(対前年度比+1.4%) を計上している。(図表3:防衛関係予算の推移) 中期防対象経費については、宇宙・サイバー・電磁 波といった新領域を含め、領域横断作戦を実現できる 体制の構築を推進するとともに、長期契約の活用、民 生品の利用、原価の精査等の防衛力整備の効率化・合 理化を徹底し、メリハリある予算としている。 また、新規後年度負担については、中期防で規定さ平成
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年度予算特集:
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新防衛大綱・新中期防と平成31年度防衛関係費について特
集
れた新たに必要となる事業に係る契約額(物件費)の 上限(17兆1,700億円程度)を踏まえつつ、防衛力整 備の効率化・合理化を徹底し、中期防対象経費として 2兆4,013億円を措置している。但し、これには調達 単価低減を図るための早期警戒機(E-2D)の9機まと め買い等(1,892億円)が含まれており、これを除い たいわば平年ベースの新規後年度負担は2兆2,121億 円となっている。(図表4:新規後年度負担額の推移)
(1)平成
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年度予算における主要事業
平成31年度予算では、防衛力の整備等に必要な事 業を着実に推進しているところ、その主な内容は下記 の通りである。*6(図表5:自衛隊の能力等に関する主 要事業) ア 宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲 得・強化 領域横断作戦を実現するため、優先的な資源配分 や我が国の優れた科学技術の活用により、宇宙・サ イバー・電磁波といった新たな領域における能力を 獲得・強化する。 ○ 宇宙領域における能力 ・宇宙状況監視(SSA)システムの整備(260億円) *6)予算額はエを除き契約額ベース。なお、初度費(専用治工具費や初度設計費等)は含まない。 米軍及び国内関係機関等と連携し、宇宙状況監視 の実運用を担うため、Deep Space監視用レーダー 及び運用システムを整備。 ・Xバンド防衛通信衛星の整備(356億円) X バンド防衛通信衛星 3 号機(スーパーバード C2号機の後継衛星)の打上げロケット及び関連地 上施設の運用・維持管理。 ○ サイバー領域における能力 ・サイバー防衛体制の充実・強化 サイバー防衛能力の抜本的強化を図るため、サイ バー防衛隊を約70名増員。 ・サイバー情報収集装置の整備(36億円) 防衛省・自衛隊に対するサイバー攻撃手法に関する 情報収集を行うため、サイバー情報収集装置を整備。 ○ 電磁波領域における能力 ・戦闘機(F-15)の電子戦能力の向上(2 機改修: 108億円) 周辺諸国の航空戦力の強化に対応するため、能力 の高い新たな電子戦装置を搭載するなど改修を実施。 ・自動警戒管制システム(JADGE)の電子戦情報の 共有・処理能力の向上(29億円) 電磁波に関する情報共有に資するため、自動警戒 46,804 (+0.8%) 47,838 (+2.2%) 48,221 (+0.8%) 48,607 (+0.8%) 48,996 (+0.8%) 49,388 (+0.8%) 50,070 (+1.4%) 734 1,010 1,472 1,794 2,039 2,212 1,935 108 140 216 312 40,000 42,000 44,000 46,000 48,000 50,000 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 注1:当初予算ベース 注2:( )内は対前年度比 注3:26年度は、給与特例減額終了に伴う人件費増を含む。 注4:31年度は、消費税影響分を含む。 47,538 (+0.8%) 49,801 (+2.0%) 48,848 (+2.8%) (+1.5%) 26中期防衛力整備計画 新中期防衛力整備計画 (31~35年度)管制システム(JADGE)に部隊等が保有する電子 戦情報を付与。 イ 従来の領域における能力の強化 領域横断作戦の中で、宇宙・サイバー・電磁波の 領域における能力と一体になって、航空機、艦艇、 ミサイル等による攻撃に効果的に対処するため、海 空領域における能力、スタンド・オフ防衛能力、総 合ミサイル防空能力、機動・展開能力を強化する。 ○ 航空領域の能力強化 ・戦闘機(F-35A)の取得(6機:681億円) 現有する戦闘機(F-4)減勢に対応し、戦闘機 部隊を維持するとともに、抑止力及び対処能力を 図表4 新規後年度負担額の推移 16,517 19,465 22,998 20,800 19,700 19,938 24,013 782 913 2,625 2,053 1,596 1,164 1,656 1,355 22 2 62 113 17,299 (▲6.3%) 21,733 (+25.6%) 25,623 (+17.9%) 22,875 (▲10.7%) 21,299 (▲6.9%) (▲0.6%)21,164 25,781 (+21.8%) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 注1:当初予算ベース 注2:( )内は対前年度比 (億円) 26中期防衛力整備計画 新中期防衛力整備計画 (31~35年度) SACO・米軍再編経費 政府専用機関連経費 中期防対象経費(SACO・米軍再編経費等を除く防衛関係費) 国土強靱化関連経費 図表5 自衛隊の能力等に関する主要事業(計数は契約ベース) ※ 計数はいずれも初度費除きの数字 (1)宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲得・強化 宇宙領域における能力 ・宇宙状況監視(SSA)システムの整備(260億円) ・宇宙を利用したC4ISRの機能強化のための調査研究等(20億円) ・Xバンド防衛通信衛星の整備(356億円) 電磁波領域における能力 ・戦闘機(F-15)の電子戦能力の向上(2機改修:108億円) ・ネットワーク電子戦システムの取得(26億円) ・自動警戒管制システム(JADGE)の電子戦情報の共有・処理能力の向上 (29億円) サイバー領域における能力 ・サイバー情報収集装置の整備(36億円) ・サイバー攻撃対処に係る部外力の活用(23億円) (2)従来の領域における能力の強化 航空領域の能力強化 ・戦闘機(F-35A)の取得(6機:681億円) ・早期警戒機(E-2D)の取得(9機:1,940億円) ・滞空型無人機(RQ-4Bグローバルホーク)の取得(71億円) ・03式中距離地対空誘導弾(改善型)の取得(141億円) ・護衛艦「いずも」の改修に向けた調査研究(0.7億円) 総合ミサイル防空能力 ・陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)の整備 (31年度計上額:1,757億円(関連経費を含む)) ・弾道ミサイル防衛用誘導弾の取得(717億円) ・ペトリオット・システムの改修等(201億円) ・FCネットワークの研究(63億円) 海上領域の能力強化 ・護衛艦の建造(2隻:951億円) ・潜水艦の建造(1隻:698億円) ・モジュール化UUV(無人水中航走体)の研究(42億円) 機動・展開能力 ・16式機動戦闘車の取得(22両:161億円) ・装輪155mmりゅう弾砲の取得(7両:51億円) ・新多用途ヘリコプター(UH-X)の取得(6機:110億円) ・輸送機(C-2)の取得(2機:453億円) スタンド・オフ防衛能力 ・スタンド・オフ・ミサイルの取得(79億円) ・島嶼防衛用高速滑空弾の研究(139億円) (3)持続性・強靭性の強化 継続的な運用の確保 ・弾薬の整備(455億円) ・分散パッドを整備(0.2億円) ・油槽船の整備(2隻:57億円) 装備品の可動率確保 ・装備品の可動率向上等に資するため、維持整備に必要な経費を着実に確保 (8,953億円)
平成
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年度予算特集:
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新防衛大綱・新中期防と平成31年度防衛関係費について特
集
戒監視能力の強化のため、早期警戒機を取得。 ・護衛艦「いずも」の改修に向けた調査研究(0.7億円) 短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機を運用する にあたって、必要な改修についての調査研究を実施。 ○ 海上領域の能力強化 ・護衛艦の建造(2隻:951億円) 従来は掃海艦艇が担っていた対機雷戦機能も具備 する等、多様な任務への対応能力の向上と船体のコ ンパクト化を両立した護衛艦(30年度型護衛艦3 番艦及び4番艦(3,900トン))を建造。 ・潜水艦の建造(1隻:698億円) 我が国周辺の海域における情報収集・警戒監視を 有効に実施するため、探知能力等が向上した潜水艦 (29年度型潜水艦3番艦(3,000トン))を建造。 ○ スタンド・オフ防衛能力 ・スタンド・オフ・ミサイルの取得(79億円) 我が国防衛における敵艦隊の侵攻阻止、上陸部隊 の排除や、BMDイージス艦の防護といった任務に 従事する隊員の安全を可能な限り確保する観点か ら、相手の脅威圏外(スタンド・オフ)から対処で きるF-35Aに搭載するスタンド・オフ・ミサイル (JSM)の取得。 ・島嶼防衛用高速滑空弾の研究(139億円) 島嶼防衛のための島嶼間射撃を可能とする、高速 で滑空し、目標に命中する島嶼防衛用高速滑空弾の 研究を実施。 ○ 総合ミサイル防空能力 ・陸上配備型イージス・システム(イージス・アショ ア)の整備(31年度計上額:1,757億円(関連経 費を含む)) ロフテッド軌道への対応能力等、我が国の弾道ミ サイル防衛能力を飛躍的に向上させる最新鋭のレー ダー(LMSSR)を搭載したイージス・アショア本 体2基の取得等を実施。 ・弾道ミサイル防衛用誘導弾の取得(717億円) 弾道ミサイル防衛に使用するSM-3ブロックⅡA 及びSM-3ブロックIBを取得。 ・ペトリオット・システムの改修等(201億円) 機動旅団)等に航空機等での輸送に適した16式機 動戦闘車を整備し、作戦基本部隊の機動展開能力を 強化。 ・輸送機(C-2)の取得(2機:453億円) 現有の輸送機(C-1)の減勢を踏まえ、航続距離 や搭載重量等を向上し、大規模な展開に資する輸送 機(C-2)を取得。 ウ 持続性・強靭性の強化 平時から有事までのあらゆる段階において、部隊 運用を継続的に実施し得るよう、弾薬及び燃料の確 保、自衛隊の運用に係る基盤等に必要な措置を推進 するとともに、各種事態に即応し、実効的に対処する ため、装備品の可動率確保のための取組を推進する。 ○ 継続的な運用の確保 ・弾薬の整備(455億円) 航空優勢の確保、脅威への有効な対処能力を有す る弾薬及び水中における優勢の確保に必要な魚雷の 整備。 ・油槽船の整備(2隻:57億円) 艦艇の支援能力確保のため、油槽船を整備。 ○ 装備品の可動率確保 ・装備品の可動率向上等に資するため、維持整備に必 要な経費を着実に確保。(8,953億円) エ 米軍再編、基地対策等の推進 ○ 米軍再編等関連経費(
1,935
億円) 米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄県をはじめとする 地元の負担軽減を図るため、在日米軍の兵力態勢の見 直し等についての具体的措置を着実に実施。 ・地元の負担軽減に資する措置(1,679億円) 普天間飛行場の移設、嘉手納以南の土地の返還、 在沖米海兵隊のグアム移転等を推進。 ・SACO関係経費(256億円) 日米安全保障協議委員会(いわゆる「2+2」)共 同文書による変更がないものについては、引き続き 沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告に 盛り込まれた措置を着実に実施。 ○ 基地対策等関連経費(4,470
億円) 防衛施設と周辺地域との調和を図るため、基地周辺対策を着実に実施するとともに、在日米軍の駐留を円 滑かつ効果的にするための施策を推進。 ・基地周辺対策経費(1,078億円) 自衛隊や防衛施設の運用等により発生する障害の 防止等を図るため、住宅防音事業や周辺環境整備を 実施。 ・在日米軍駐留経費負担(1,974億円) 在日米軍の駐留を円滑かつ効率的にするため、現 行の特別協定に基づく在日米軍従業員の給与の負担 や隊舎の整備等を実施。 ・施設借料、補償経費等(1,418億円) 防衛施設用地等の借上や水面を使用して訓練を行 うことによる漁業補償等を実施。
5.
防災・減災、国土強 化のための
3
か年緊急対策に関する経費
「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」 (平成30年12月14日閣議決定)を踏まえ、あらゆる 災害への対処に万全を期すべく、救援活動に必要な資 機材等の整備と駐屯地等の機能を維持・強化するため の整備を、3年間で集中的に実施する。(1)
自衛隊の防災関係資機材等に関する緊急
対策(
391
億円)
災害派遣時における救援活動に必要な資機材等につ いて、老朽化に起因した機能上の不具合や、救援活動 の充実強化という観点を踏まえ、速やかに整備を実施。(2)自衛隊施設に関する緊急対策(
117
億円)
自衛隊の迅速かつ適切な任務の遂行に支障を生じる 恐れのある施設が判明したことから、耐震化対策及び 老朽化対策に係る整備を実施。6.効率化への取組
平成31年度においては、装備品取得の全般にわた り、更なる効率化・合理化を図るため、各種取組を推 進し、約4,159億円のコスト縮減を図ることとしてい る。(図表6:防衛力整備の一層の効率化・合理化の 取組例)(1)
装備調達の最適化〔縮減見込額:
2,139
億円〕
ア 長期契約を活用した装備品等及び役務の調達〔縮 減見込額:356
億円〕 ○PAC-3ミサイル用部品について、修理発生毎に 取得していた修理用部品の一括取得による減。 〔縮減見込額:31億円〕 ○早期警戒機(E-2D)について、9機の一括調達 による減。〔縮減見込額:325億円〕 イ 維持・整備方法の見直し〔縮減見込額:153
億 円〕 ○防衛情報通信基盤(DII)等について、サーバー の集約・統合等による減。〔縮減見込額:60億円〕 ウ 民生品の使用・仕様の見直し〔縮減見込額:338
億円〕 ○教育用電子教材の整備〔縮減見込額:112億円〕 実教材及び訓練装置の導入を安価な教育用電子教 図表6 防衛力整備の一層の効率化・合理化の取組例 取組 効率化・合理化額 主な取組例 装備調達の最適化 長期契約の活用 356億円 ○ PAC-3ミサイル用部品について、修理発生毎に取得していた修理用部品の一括取得による減(31億円)○ 早期警戒機(E-2D)について、9機の一括調達による減(325億円) 維持・整備方法 の見直し 153億円 ○ 防衛情報通信基盤(DII)等について、サーバーの集約・統合等による減(60億円)○ ペトリオット車両について、新規取得から板金修理及び防錆再塗装方式へ見直したことによる減(9億円) 民生品の使用・ 仕様の見直し 338億円 ○ 訓練用教材について、実機や訓練装置の導入を取り止め、教育用電子教材で代替することによる減(112億円)○ FCネットワークの研究について、既存技術の活用等による減(55億円) 装備品の まとめ買い 163億円 ○ 各機関毎に取得していたソフトウェアライセンスについて、統合幕僚監部で一括取得することによる減(159億円) 原価の精査等 1,129億円 ○ 多用途ヘリコプター(UH-X)について、作業工数の見直し等による減(22億円) ○ ティルトローター機(V-22)について、部品や器材の見直し等による減(18億円) ○ 護衛艦について、船体や搭載装備品の精査等による減(46億円) ○ 陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)について、米側との価格交渉等による減(275億円) ○ 弾道ミサイル防衛用誘導弾について、米側との価格交渉等による減(101億円) 費用対効果の低い プロジェクトの見直し 2,020億円 ○ 戦闘機(F-35A)について、完成機輸入への切り替えに伴う減(294億円)○ 輸送機(C-2)について、今後の取得予定数の見直しによる減(735億円) 合計 4,159億円平成
31
年度予算特集:
3
新防衛大綱・新中期防と平成31年度防衛関係費について特
集
エ 装備品のまとめ買い〔縮減見込額:
163
億円〕 少量かつ長期間の整備の結果、高価格となっている 装備品等について、経費縮減効果が見込まれるものを 単年度にまとめて予算化し、効率化を追求。 オ 原価の精査等〔縮減見込額:1,129
億円〕 主要装備品等について、機体価格や関連経費の精査 等の取組みを通じ、価格低減を追求。具体的には、国 内調達・海外調達を問わず、陸上配備型イージス・シ ステム(イージス・アショア)、護衛艦等の調達につ いて、機体価格や関連経費の価格精査等を通じて、削 減額を積み上げ。(2)
費用対効果の低いプロジェクトの見直し
〔縮減見込額:
2,020
億円〕
○戦闘機(F-35A)の完成機輸入切り替えに伴う減。 〔縮減見込額:294億円〕 ○輸送機(C-2)の調達予定数の減(25機→22機)。 〔縮減見込額:735億円〕7.
26
中期防期間中に計上した予算総額
前中期防では、当該計画の実施に必要な防衛力整備 の水準に係る金額は、平成25年度価格でおおむね24 兆6,700億円程度を目途としている。その中で調達改 革等を通じ、おおむね7,000億円程度の実質的な財源 確保を図り、各年度の予算の編成に伴う防衛関係費 は、おおむね23兆9,700億円程度の枠内とするとさ れていたところである。 平成26年度から平成30年度までの名目上の予算総 額としては、25兆3,832億円であったが、これには 計画策定後の賃金、物価及び為替の変化による影響額 が含まれていることから、これらを除いて平成25年 度価格とすると、23兆6,776億円となり、中期防の 予算枠内となっている。これは調達改革等の取組みに より目標を上回る7,700億円程度の財源を確保した成 果である。 め、防衛力の強化を図る必要があり、中期防期間中に おける防衛力整備の水準はおおむね27.5兆円を目途 としているが、格段に厳しさを増す財政事情を勘案 し、2兆円程度の実質的な財源の確保を図り、各年度 の予算編成はおおむね25.5兆円程度を目途としてい る。そのため、新中期防にあるように重要度の低下し た装備品の運用停止や費用対効果の低いプロジェクト の見直しなどを含め、一層の効率化・合理化を徹底す る必要がある。 なお、この2兆円のギャップを埋める施策の一つと して掲げられている「その他の収入の確保」は、税外 収入を一般会計に収納しつつも、その金額相当分を中 期防総額の財源として認めることで、防衛省において 収入確保に努めるインセンティブを付与したものであ り、今後、収入確保のための創意工夫が求められると ころである。(参考)平成
30
年度第
2
次補正予算について
平成30年度第2次補正予算においては、「防災・減 災、国土強靱化のための3か年緊急対策」や自衛隊の 安定的な運用態勢の確保、隊員の生活・勤務環境の改 善のために要する経費として、3,998億円(歳出ベー ス)を計上している。主な事業は以下のとおり。 (1)防災・減災、国土強 化のための3
か年緊急対策 〔131
億円〕 重要インフラの緊急点検の結果等を踏まえ、「防災・ 減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」のうち、 初年度の対策として速やかに着手する。 ○自衛隊施設の整備(耐震化・老朽化対策) ○自家発電機の整備(電力供給能力の向上) ○ 施設器材(中型ドーザ、トラッククレーン)の老 朽更新等 (2)自衛隊の安定的な運用態勢の確保〔3,822
億円〕 我が国を取り巻く安全保障環境や頻発する自然災害に 対応するため、自衛隊の安定的な運用態勢を確保する。 ○ 固定翼哨戒機(P-1)、哨戒ヘリコプター(SH-60K)、輸送機(C-2)の整備等 ○車両・艦艇・航空機等の整備維持 ○ 原油価格の上昇に伴う、油購入費・営舎用燃料費 の増額 ○ ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動の派 遣期間延長に係る経費等 (3)隊員の生活・勤務環境の改善(