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( ウ ) 天井高さ 12.5m ( エ ) アリーナ床面積 785 m2 ( オ ) 建築年 ( 西暦 ) 2005 年 イ錦町小学校 ( ア ) 構造 規模 鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造 平屋建て ( イ ) 建物高さ 12.8m ( ウ ) 天井高さ 9.8m ( エ ) アリーナ床面積 8

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(1)

小学校屋内運動場非構造部材等改修設計業務仕様書

1 業務概要

本業務は、平成25年度に行われた非構造部材等耐震点検業務の調査結果報告

書に基づき、小学校屋内運動場における非構造部材等の耐震化を図るための設計

を行うものである。この事業は、安全な教育環境の整備と、安全な避難所環境の

確保を目的とする。業務の遂行に当たり、学校との連絡調整を緊密に行い、各施

設の運営に配慮した設計を行うものとする。

2 業務場所

(1)梨の里小学校

安城市篠目町溝川38番地

(2)錦町小学校

安城市錦町9番39号

(3)安城西部小学校

安城市福釜町猿町128番地

(4)三河安城小学校

安城市箕輪町昭和47番地

(5)桜井小学校

安城市小川町清水道6番地1

3 業務内容

(1)屋内運動場非構造部材等の建築改修設計

(2)屋内運動場非構造部材等の設備改修設計

(3)仮設及び工程計画

(4)各工事の積算及び設計書の作成

4 業務与条件

(1)建物の条件

ア 梨の里小学校

(ア)構造・規模 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造・平屋建て

(イ)建物高さ 14.5m

(2)

(ウ)天井高さ 12.5m

(エ)アリーナ床面積 785㎡

(オ)建築年(西暦) 2005年

イ 錦町小学校

(ア)構造・規模 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造・平屋建て

(イ)建物高さ 12.8m

(ウ)天井高さ 9.8m

(エ)アリーナ床面積 846㎡

(オ)建築年(西暦) 1990年

ウ 安城西部小学校

(ア)構造・規模 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造・平屋建て

(イ)建物高さ 10.2m

(ウ)天井高さ 7.8m

(エ)アリーナ床面積 610㎡

(オ)建築年(西暦) 1968年

エ 三河安城小学校

(ア)構造・規模 鉄筋コンクリート造、一部木造・平屋建て

(イ)建物高さ 12.7m

(ウ)天井高さ 12.2m

(エ)アリーナ床面積 874㎡

(オ)建築年(西暦) 2002年

オ 桜井小学校

(ア)構造・規模 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造・平屋建て

(イ)建物高さ 14.5m

(ウ)天井高さ 10.9m

(エ)アリーナ床面積 795㎡

(オ)建築年(西暦) 2007年

(3)

(2)設計準拠資料

本業務に当たり、以下の基準及び資料を熟読及び熟知し、これらに基づいて

設計を行うこととする。

ア 非構造部材等耐震点検結果報告書(平成25年度)

イ 文部科学省「地震による落下物や転倒物から子どもたちを守るために~学

校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック~」(平成22年)

ウ 文部科学省「学校施設の非構造部材の耐震対策事例集」(平成24年)

エ 文部科学省「学校施設における天井等落下防止対策のための手引き」(平

成25年)

オ 平成25年国土交通省告示第771号「特定天井及び特定天井の構造耐力

上安全な構造方法」

カ 国土交通省「建築物における天井脱落対策に係る技術基準の解説」(平成

25年)

キ 国土交通大臣官房官庁営繕部「官庁施設の総合耐震診断・改修基準」及び

同解説

ク 平成18年国土交通省告示第184号「建築物の耐震診断及び耐震改修の

促進を図るための基本的な方針」

ケ 国土交通省「建築物における天井脱落対策試案」

コ 国土交通省「天井脱落対策に係る技術基準原案」

サ 一般社団法人日本建築学会「天井等の非構造材の落下事故防止ガイドライ

ン」

シ 一般社団法人日本建築学会「学校施設の非構造部材等の耐震点検に関する

調査研究報告書」

ス 文部科学省「学校施設における天井等落下防止対策の推進に向けて」

(3)設計の諸条件

ア 屋内運動場非構造部材等の建築改修設計

(ア)吊り天井の撤去

天井仕上材及び下地材を撤去し、非構造部材による地震時の危険性を軽

減する。

(イ)天井撤去に伴う代替改修

天井撤去に伴い、天井が保有していた吸音性能など環境条件が変化し施

(4)

設利用に影響を及ぼす場合があるため、屋根面への吸音体の付加などの防

音対策、断熱対策等について、必要性を検討し対策の提案をすること。必

要と判断された場合は設計に反映すること。

(ウ)各部構造体補強

鉄骨屋根の定着部である鉄筋コンクリート柱頭の補強をする。また、必

要に応じ、鉄骨屋根面ブレースの補強をする。

(エ)家具、什器等の緊結

壁、天井に取り付けてある家具、什器、天井付バスケットゴールの設置

を下地に確実に緊結又は撤去し、地震時の危険性を軽減する。

(オ)各部補修

天井撤去に伴い、外観上及び機能上必要となる取り合い補修を行う。

イ 屋内運動場非構造部材等の設備改修設計

(ア)照明設備の改修

天井撤去に伴い、照明設備の撤去及び新設又は再取付けを行う。設置の

際は、振れ止め又は落下防止等の対策をする。

(イ)火災報知機の改修

天井撤去に伴い、既設火災報知機の撤去及び新設又は再取付けを行う。

(ウ)各種設備配管配線等の補修

天井撤去に伴い、外観上及び機能上必要となる配管配線の取り合い補修

を図示する。

(エ)各設備の設置補強

壁、天井に取り付けてある設備を下地に確実に緊結し、地震時の危険性

を軽減する。

ウ 仮設及び工程計画

児童及び施設利用者の安全性を確保し、学校の運営に支障がないよう考慮

した仮設計画及び工程計画を提案し、設計図に反映させること。既設配管配

線等の調査を行い、必要があれば各設備の切り回しを計画し、設計に反映さ

せること。

工事は平成27年2月末完成(引渡し)を目標とする。

(5)

エ 各工事の積算

仮設工事を含めた各工事について積算し、設計書を作成する。

(4)その他

ア (2)に示す設計準拠資料に基づき現地調査を行い、改修に必要な対策を

講じること。

イ 設計準拠資料及び各社の対応等、非構造部材改修に関する動向を調査する

こと。

ウ 既存施設、敷地及びその周囲の調査等、計画に必要な調査は十分に行うこ

と。

5 環境への配慮

次の環境配慮項目表に基づき、本業務に該当する事項について、環境への配慮

項目を検討し、監督員と協議のうえ設計に反映させるものとする。

環境配慮項目表

1 工事におけるリサイクルの推進

(1)建設廃棄物の発生抑制・有効利用

・リサイクル施設への搬入

・再生建設資材の使用

・伐採木・剪定枝のリサイクル

・間伐材の活用

(2)建設発生土の搬出抑制・有効利用

・現場内利用・工事間利用

・リサイクル施設への搬入

・改良土の利用

2 工事における環境改善

(1)使用材料・機械及び工法の見直し

(2)低公害型作業機械の採用

(3)熱帯材型枠の使用抑制

・代替型枠・非熱帯材型枠使用、転用

促進

・二次製品の使用

4 施設の耐久性の向上(長寿命化)

5 環境と調和した施設への転換

(1)生態系の保全等自然環境との調和

・多自然型川づくり

・地域生態系に配慮した樹種選定

(2)施設の緑化

・屋上緑化・壁面緑化

・敷地の緑化

・道路の緑化

(3)親水施設の整備

(4)自転車利用環境の整備

(5)雨水の地下浸透策

・舗装面積縮小、透水性舗装、雨水浸

透桝

(6)人にやさしい施設の整備

・バリアフリー施設整備

・有害物質削減

(6)

(4)愛知県産木材利用の配慮

3 施設の省資源・省エネルギー化

(1)省エネルギー機器の採用

(2)自然エネルギー等の活用

(3)雨水利用設備の導入

・低騒音舗装

(7)景観形成の推進

6 受注者の資格条件

愛知県において登録された一級建築士事務所であり、かつ、その事務所に配属

している建築士法の規定による次の資格を有する正規雇用された者を配置できる

こと。

・構造設計一級建築士

・設備設計一級建築士

7 再委託

再委託を禁止する業務は、次の業務を除く全ての業務とする。

・積算に関する業務一式

・現地調査の随行

・単純な作図等(トレース作業や図面等の清書及び各書類の作成)

・図書の印刷や製本に類する業務一式

8 成果品

下表のとおりとし、〇印は電子記憶媒体(CD等)も含めて提出すること。た

だし、監督員の協議、承諾を得たものについてはこの限りではない。

成果品

部数

サイズ

電子

打合せ記録簿

1部

A4版

設計基準による設計図<工事別>

2部

A1又はA2版

4部

A3版

各種計算書

1部

A4版

比較検討書

1部

A4版

設計書(Excel 作成)<工事別>

1部

A4版

各種数量調書・積算資料・見積比較表<工事別> 1部

A4版

(7)

各種見積り書(3者以上)<工事別>

1部

A4版

コスト縮減対策報告書

1部

A4版

環境保護対策報告書

1部

A4版

各種調査報告書

一式

A4版

その他必要と認められた資料

一式

A4版

※設計図等に係る工事の分類は、監督員と協議し決定すること。

9 納期及び検査

(1)納期は、平成26年7月22日とする。

(2)受注者は、業務完了時に発注者の検査員により成果品の検査を受けること。

(3)成果品の検査に合格後、提出図面等一式を納品して業務の終了とする。

10 その他

(1)受注者は監督員と緊密に連絡を行い、連絡事項を随時記録して提出するこ

と。

(2)安城市施設建物整備基準を参考にすること。

(3)ユニバーサルデザインに配慮した施設であること。

(4)愛知県条例「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」に適合した施設

であること。

(5)耐震安全性の分類は、「官庁施設の総合耐震計画基準及び同解説」に規定

するⅡ類とする。

(6)安城市建設部建築課の定める「設計基準」を遵守すること。

(7)設計は、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「公共建築工事標準仕様書」

及び各種関連基準によること。

(8)積算は、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「建築数量積算基準・同解

説」、「建築設備数量積算基準・同解説」及び各種関連基準による。

(9)積算業務は、設計図書作成後に監督員の精査を受けた後、行うこと。

(10)関係官庁等手続きは、一切を受注者にて行うこと。

(11)補助金交付申請等に係る事務に協力すること。

(12)コスト縮減対策検討書及び環境保護対策報告書は、具体的内容の検討結果

を、比較表などにより平易に示すこと。

(13)図面データの作成基準は、安城市作成「建築・設備CAD図面作成要領」

(8)

による作成を基本とすること。

(14)図面データの使用について、受注者は安城市が第三者に貸与することを承

諾すること。

(15)本業務の意匠に関する専用実施権は、業務完了後、安城市に設定する。

(16)業務完了後、当該設計への質疑が生じ、発注者より回答を要求された場合

は、回答書を作成すること。

(17)「6 受注者の資格条件」に定める資格者が、定常的に本業務に関与する

こと。

(9)

非構造部材等耐震点検結果報告書

(抜粋)

株式会社国際開発コンサルタンツ 清水建設株式会社

(10)

■ 目次 1. 概要 ・・・ 1 1.1 診断概要、準拠した資料 1.4 非構造部材について 1.5 天井告示までの経緯について、特定天井とは、 建築物における天井脱落に係る技術基準の概要 1.6 診断の流れ 1.7 天井面構成材以外の調査と対策の必要性について 1.8 チェック項目と判断基準について 1.9 技術的助言(平成25年8月20日)、 過去に安城市で観測された地震 1.10 総合所見及び 吊り天井を有する部屋の改修工事の方向性について 1.11 吊り天井を有する建物の調査結果一覧表(1)、(2) 1.13 システム建築(ダイヤモンドジム)に共通の指摘事項について 2. 調査結果 ・・・ 22 2.1 吊り天井を有する建物の調査結果 8- 9 梨の里小学校 屋内運動場 ・・・ 87 18-22 錦町小学校 屋内運動場 ・・・ 216 23-29 安城西部小学校 屋内運動場 ・・・ 245 25-31 三河安城小学校 屋内運動場・ポンプ室 ・・・ 274 32-40 桜井小学校 屋内運動場 ・・・ 336 3. 付録 ・・・ 3.1 国土交通省告示771号 3.2 設備機器の耐震対策 3.3 天井年表 1183 安城市

(11)

1. 概要

1. 概要

(12)

■ 概要 ■診断概要 ■準拠した資料 平成22年3月 文部科学省 『地震による落下物や転倒物から子どもたちを守るために   ~学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック~ 』 平成24年3月 文部科学省 『学校施設の非構造部材の耐震対策事例集』 平成25年8月 文部科学省 『学校施設における天井等落下防止対策のための手引き』 2 1.1  本報告書は、安城市殿から非構造部材等耐震点検業務の委託を受けて調査結果を報告す るものです。報告書の主な内容・対象施設は下記の通りです。 1.業務内容  1) 非構造部材の点検・調査  2) 建築設備の点検・調査  3) 標準的なガイドライン・点検リスト及び非構造部材の補強対策案・概算金額の提案 2.対象施設  公民館避難所、一般避難所(小中学校)、屋内運動場(武道場を含む)及び福祉避難所 等で、『6m超の高さで面積が200㎡超の天井』を有する35施設44棟です。  なお、当報告書では『6m超の高さで面積が200㎡超の天井』以外の非構造部材の耐震性 調査と履歴外観に基づく劣化調査結果も掲載しています。  本業務は非構造部材と特定天井の耐震性が主な調査項目であることから、天井耐震告示 試案(国土交通省)及び文部科学省発行の下記3冊を主に準拠しました。  また、業務委託契約以後、国土交通省より告示第771号(H25.8.5)並びに『建築物にお ける天井脱落対策に係る技術基準の解説』(H25.9)が提示されましたのでこれらの内容 も踏まえて報告書をまとめています。 上記以外に参考とした基準 ・国土交通大臣官房官庁営繕部『官庁施設の総合耐震診断・改修基準及び同解説』 ・国土交通省『建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針』       『建築物における天井脱落対策試案』『天井脱落対策に係る技術基準原案』 ・一般社団法人日本建築学会『天井等の非構造材の落下事故防止ガイドライン』        『学校施設の非構造部材等の耐震点検に関する調査研究報告書』 ・文部科学省『学校施設における天井等落下防止対策の推進に向けて』 ・その他、関係省庁等の財政支援制度に対応した『対策の手引』 等 安城市

(13)

■ 概要 ■非構造部材について 6 1.4  非構造部材とは、主体構造の耐震設計に際して通常は耐震要素から除外されている部材または部位のことです。屋内運動場については下図に示すような部位が非構造部材に該当します。 下図の番号は、『学校施設における天井落下防止対策のための手引き(H25.8)』に連動しています。 安城市 1-2 吊り天井の有無 1-3 壁際クリアランス 天井耐震措置に関する特記事項の有無 斜め部材の有無 1-4 屋根形状と天井形状の比較 付1-1 照明設備の取付部分 照明部分の落下防止対策 付1-2 吊下式バスケットゴールの状況 壁面式バスケットゴールの状況 付1-3 その他の設備の取付部分 その他の設備の落下防止対策 付2 鉄骨屋根の定着部の状況 屋根構面の仕様 4-1 外装材の状況 窓ガラスの周囲の仕様 5-1 内装材の状況 6-1 設備機器の取付状況 7-1 家具・什器の設置状況 8-1 EXP.J.のアキ 3-6 斜め部材の一組の形状 斜め部材の材料 斜め部材の接合部 3-7 壁際のクリアランス 段差や折曲がり部のクリアランス 設備等の周囲のクリアランス 3-8 吊元の仕様 ハンガーの仕様 クリップの仕様 石膏ボードの取付方法の仕様 天井全体 天井詳細 設備・構造 天吊り 外装・内装・家具・什器 屋根の形と天井の形 付1-1照明 3-3吊り長さの均一性 1-3ブレースの有無 付1-2バスケットゴールの取付 4-1外壁の材質、取付け 3-7クリアランス 1-4天井勾配の有無 3-8吊元仕様 3-8吊先仕様 付2鉄骨脚部接合部 付1-2バスケットゴールの状況 付2鉄骨脚部接合部 1-3木毛セメント版 5-1内周歩廊 6-1放送機器 5-1内壁 付1-1照明、設備 7-1ピアノ脚元 4-1窓ガラス 7-1ロッカー、収納箱 8-1 EXP.J. 4-1躯体の劣化状況 6-1 空調室外機 5-1ブドウ棚 3-1 野縁の材料 天井の質量 3-2 全体的な天井断面の確認 部分的な天井断面の確認 3-3 吊りボルトの方向 吊り長さ 3-4 吊りボルトの間隔 3-5 斜め部材一組当りの部屋面積 斜め部材の配置バランス

(14)

■ 概要 ■天井告示改定までの経緯 ■特定天井とは ■建築物における天井脱落対策に係る技術基準の概要 7 1.5  1950年に建築基準法が制定され、施行令第39条で天井(内装)のあるべき姿が規定され ました。『(略)…風圧並びに地震その他の振動及び衝撃によって脱落しないようにしな ければならない。』しかし、定量的に示されたものではなかったために、現実的には耐震 上の配慮があまりなされてきませんでした。  1995年の兵庫県南部地震では、構造部材の被害に加え天井等の非構造部材も多くの被害 を受けました。その後2000年以降にも芸予地震・十勝沖地震・宮城県沖地震など頻繁に発 生する地震に対しても天井の被害が多発し、この間に『技術的助言』が3回も発令されま した。  しかしこれらの技術的助言にもかかわらず、天井の耐震化が進まないことから2008年に 定期報告制度で500㎡を超える天井を有する建物はその天井の耐震対策の状況を報告しな ければならなくなりました。そして2011年の東北地方太平洋沖地震では2000件を超える天 井の被害が文部科学省に報告されています。  一方、地震時の被害だけでなく、プールの天井においては室内の湿気により天井の重量 が増し、常時で落下した被害例も多く報告されています。  以上のような状況を受けて、下記に示す『特定天井』については、建築基準法で具体的 な耐震基準(告示改正)が定められました。 (注:天井に対する詳細の年表は付録『天井年表』を御参照ください。)  『特定天井』は“脱落によって重大な危害を生ずる恐れがある天井”の略称であり、天 井の高さ、水平投影面積及び単位面積という客観的な指標を用いて定義されています。  具体的には、   ・6m超の高さにある   ・水平投影面積200㎡超   ・単位面積質量2kg/㎡超   ・吊り天井で、人が日常利用する場所に設置されているもの と規定されています。  建築基準法に基づいて新たに規定された『建築物における天井脱落対策に係る技術基 準』の概要は下図の通りです。 安城市 図-1 『建築物における天井脱落対策に係る技術基準』の概要

(15)

■ 概要 ■診断の流れ 8 1.6    診断の進め方については、平成25年8月に文部科学省から発行された『学校施設におけ る天井落下防止対策のための手引き』に示されるフローを参考としました。これによると ステップ1の判断によりステップ2~4を省略できるとありますが、今回の調査では目視で わかるすべての情報を整理しました。 安城市 図-2 天井等総点検から対策までのフローチャート (学校施設における天井落下等防止対策のための手引き(H25.8文部科学省)より)

(16)

■ 概要 ■天井面構成材以外の調査と対策の必要性について 9 1.7  前出の文部科学省発行の『学校施設における天井落下防 止対策のための手引き(H25.8)』(以下マニュアルと呼び ます)では、天井構成面以外の部分として『照明器具・バ スケットゴール等・関連する構造体』の調査・対策の必要 性を示しています。このうち構造体対する補足を下記に示 します。   ①鉄骨屋根の定着部の状況  構造体の調査としては、鉄筋コンクリート造の柱頭と鉄 骨造の梁の取合い部の検討を必要性を述べています。これ は柱頭部分が破壊する場合に、コンクリートが破壊せずに アンカーボルトで破壊することを保証することを検討する ものです。万一の場合にもコンクリートの破片を落下させ ないための検討・対策です。右にマニュアルに掲載されて いる被災写真掲載します。   ②屋根構面の仕様  梁が鉄骨で仕上に剛性がない(例えば折板・瓦棒葺き等)場合、地震時にブレースやブ レースの端部の接合部が破断し、過大な変形が生じると天井及び木毛板等が損傷し落下す る恐れがあります。このような被災を防止するためにブレースの検討を行います。右にマ ニュアルに掲載されている被災写真掲載します。 ③その他  上記問題点の他に、RC柱頭部と鉄骨ベースプレー トの間の敷きモルタルの飛散被害例が多数報告され ています(東日本大震災における鉄骨置屋根構造の 被害調査報告:(一社)日本建築構造技術者協会東 北支部)。上記①に加えてモルタル飛散の対策も併 せて考慮します。 安城市 写-1 柱頭部の損傷事例 (『学校施設における天井落下防 止対策のための手引き(H25.8)』 写-2 屋根ブレースの損傷事例 (『学校施設における天井落下防止対策のための手引き(H25.8)』より) 写-3 敷きモルタルの損傷事例 (『東日本大震災における鉄骨置屋根構造の被害調査報告:(一社)日本建築構造技術者協会東北支部』より) 図-3 敷きモルタル飛散のイメージ (出展は下写真と同じ)

(17)

■ 概要 ■チェック項目と判断基準について 1.8  チェック項目と判断基準は以下の通りです。  参考とした資料は前出の通りですが、主に吊り天井に関するチェック項目は『学校施設 における天井落下防止対策のための手引き(H25.8)』、非構造部材については『地震に よる落下物や転倒物から子どもたちを守るために~学校施設の非構造部材の耐震化ガイド ブック~(H22.3)』に準拠しました。 調査結果概要 実地診断結果他 1-2 吊り天井の有無 壁際クリアランス 天井の耐震措置に関する特記事項の有無 斜め部材の有無 1-4 屋根形状と天井形状の比較 野縁の材料 天井の質量区分 全体的な天井断面の確認 局部的な天井断面の確認 吊りボルトの方向 吊り長さ 3-4 吊りボルトの間隔 斜め部材一組当たりの室面積 斜め部材の配置バランス 斜め部材の1組の形状 斜め部材の材料 斜め部材の接合部 壁際のクリアランス 段差や折れ曲がり部分のクリアランス 3-5 3-6 3-7 撤去等検討 要検討 要検討 要検討 実地診断 撤去等検討 撤去等検討 撤去等検討 撤去等検討 撤去等検討 撤去等検討 撤去等検討 撤去等検討 要検討 実地診断 実地診断 実地診断 実地診断 実地診断 要検討 要検討 実地診断 実地診断 要検討 要検討 OK OK OK 実地診断 実地診断 実地診断 実地診断 実地診断 実地診断 OK OK OK OK OK OK OK OK OK OK OK 撤去等検討 撤去等検討 吊り天井なし 図面診断 図面診断 図面診断 図面診断 確認結果 該当結果に○ 吊り天井あり 撤去等検討 撤去等検討 項目 手引表 № 天井全体 1-3 天井詳細 3-1 3-2 3-3 調査チェックリスト № 項目 該当 確認方法 ①梁やトラスが見える。 ②野地板の木毛セメント板が見える。 (折板の裏面がみえる) 吊り天井 なし 梁・トラスと木毛セメント板の両方が見えない。 梁・トラスは見えるが木毛セメント板は見えない。 全周にクリアランスがある。 クリアランスのない部分がある。 クリアランスが全くない。 撤去等検討 天井の壁際の状態を確認できない。 図面判断 斜め部材(ブレース)やクリアランスに関する記述がある。 図面判断 天井に関する特記事項がない。* 撤去等検討 「*」「**」「図○○」等の内容は、 「学校施設における天井等落下防対策のための手引(文部科学省;H25.8)」の欄外の説明を参照すること。 確認結果 1-2 吊り天井の有無 目視確認 吊り天井 あり 1-3 壁際クリアランス 図面判断 目視確認 天井の耐震措置に 関する 特記事項の有無 特記仕様書の 「天井」に 関する項目 ※点検口などから天井裏を安全で簡単に目視できる場合は以下についても確認調査チェックリスト チェック項目は 「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック(文部科学省;H22 3)」を参考 安城市 設備等の周囲のクリアランス 要検討 実地診断 OK 斜め部材を確認できる。 図面判断 斜め部材を確認できない。 撤去等検討 屋根形状と天井形状は概ね平行している。 屋根形状は天井形状と違うものの、天井の形状に 沿った鉄骨から天井が吊られている。* 屋根形状と天井形状に明らかな違いがあり、吊り長さも 明らかに違う。 撤去等検討 吊り長さの違いは確認できない。 図面判断 1-4 屋根形状と天井形状の 比較による 吊り長さの違い ※P.21参照 ※点検口などから天井裏を安全で簡単に目視できる場合は以下についても確認。 斜め部材の有無 目視確認 図面判断 目視確認 チェック項目は、「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック(文部科学省;H22.3)」を参考 № 項目 該当 モルタルに剥落、欠損、ひび割れは見当たらないか。 モルタルに浮きは見当たらないか。 ラスモルタルに剥落、欠損、ひび割れ、むくりが見当たらないか。 タイルに剥落、欠損、ひび割れは見当たらないか。 タイルに浮きは見当たらないか。 伸縮調整目地が要所に施工されているか。 タイル面にエフロレッセンス(白華)が見あたらないか。 パネルのせり出し、目地間隔のふぞろいはないか。 Pca版がファスナー等により適切に支持されているか。 パネルのひび割れ、欠損、ガタつきは見当たらないか。 取付金物の腐食は見当たらないか。 層間変位追従性が高い構法により設置しているか。 ガラスブロック壁に面外へのせり出しは見当たらないか。 ガ ブ 調査チェックリスト 確認結果 4-1 外装材の 状況 OK NG OK NG OK NG OK NG OK NG OK NG OK NG OK NG OK NG OK NG OK NG OK NG OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 OK NG 不明 不明 図-4 チェックリストの一部 安城市 10

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■ 概要 ■技術的助言(平成25年8月20日) ■過去に安城市で観測された地震 1 2 3 4 5弱 5強 6弱 6強 7 84 44 13 1 0 0 0 0 0 50 19 4 0 0 0 0 0 0 11 1.対象となる建築物の部分  建築物の大規模空間となっている部分のうち、吊り天井が設置されているもので、建築  物の建設後、震度4以上の地震が観測されたもの ※ 大規模空間とは、天井高6m超の部分が面積200㎡超ある空間をいう。 ※ 具体的な施設・空間としては次のようなものが考えられる。   屋内プール、体育館、劇場、音楽ホール、映画館、エントランスホール、待合ロビー、  講堂、展示場、宴会場 等  上表より、震度4は横山町で一回記録されています。これは2004年(平成16年)9月5 日、三重県南東沖で発生した地震です。横山町は、安城市北部に位置しています。今回の 対象建物も市北部に位置する建物は多くありますが、目視調査ではハンガー、クリップ等 の外れは見受けられませんでした。 表-1 安城市で観測された震度と回数 (1961~2013年) 注)平成8年9月以前の5,6は5弱、6弱として扱っています。 震度 1.9  平成25年7月14日(静岡県富士水泳場)、7月27日(横須賀市北体育会館)の大規模プー ルの吊り天井落下事故を受け、平成25年8月20日に国土交通省から新たに技術的助言(国 住指第1852号)が発表されました。  技術的助言の内容は、“建設後、一度以上震度4以上の揺れを受けた天井は調査のこ と”というもので対象建物は下記の通りとされています。  今回調査対象建物のもっとも建設年代が古いのは1965年建設の北部小学校です。安城市 内での地震データ観測は、横山町と和泉町の2箇所(前出の建物位置図に示します)で行 われており、1961年(昭和36年)から2013年9月の間で観測された各震度の発生回数は下 記の通りです。 横山町(北部) 和泉町(南部) 安城市

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■ 概要 ■総合所見 12 1.10 【天井について】 1)吊り形式 吊り天井を有する建物は、調査対象建物中の12棟で、建設年代は古いもので1965年、 新しいもので2007年です。天井耐震に対する技術的助言は、2001年~2005年の間に3回発 表されています。今回の対象建物でこの間に建設された建物は4棟ありますが、これらを 含めていずれの建物も耐震性能に疑問があることがわかりました。この中には、設計図 書に要求性能が記述されているにも関わらず、ほとんど耐震性能が確保されていないも のも存在します。結果的に“すべての吊り天井において、耐震性能が確保されていな い”ことが現地調査により確認されました。 2)吊り以外の形式 吊り天井を有さない建物は調査対象建物中の32棟です。これらの天井のほとんどは屋 根鉄骨骨組及び野地板が表しの状態になっています。一部の建物ではグラスウールボー ド等が野地板に貼られていますが、直付けで吊り天井ではないために特定天井には該当 しません。野地板が木毛セメント板の場合においてはひび割れが多く散見され、また木 毛セメント板支持端部の外れも確認されたところがありました。これらは、常時でも脱 落する恐れがあるため、早急に補強する必要があります。また、グラスウールボードを 張り付けた部分の取付詳細は目視確認できませんでしたが、施工業者へのヒアリングあ るいは詳細調査による確認をお勧めします。いずれも、今後は目視・双眼鏡等による定 期な点検を行うことが肝要です。 写-4 吊り天井下地部材の様子 (2001年以降の建物でも斜め部材は見受けられません) 写-5 木毛セメント板の様子 (ひび割れと支持端部の外れが確認できます) 安城市

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■ 概要 13 1.10 安城市 【照明器具・スピーカー等について】 1)吊り形式 吊り照明やスピーカー等の設備機器については、自重を構造体から直接支持している ものと天井下地材から支持しているものがあります。前者については自身で地震力を処 理している場合と天井面で処理する場合の2通りありますが、一部を除いて耐震対策とし ての振れ止めは見受けられませんでした。後者については、天井下地材の耐震性能に依 存することから耐震性能は確保されていないことになります。 また、鉄骨との接合に挟み式の金物を用いている場合(摩擦力で留めている)には地 震の揺れで緩む恐れがありますので、ボルト緊結タイプへの取替をお勧めします。“ダ イヤモンドジム”の骨組に取り付けられている照明の接合部はカバーで覆われているた め、その取付詳細が目視確認ができませんでした。なお、これらの照明器具本体には全 てワイヤー等による落下防止対策が必要です。 2)吊り以外の形式 吊り以外の形式としては、壁及び柱梁で支持されているものがほとんどです。壁に取 りついているものについては、仕上げ材で覆われているために壁下地骨組へ緊結されて いるか否か目視確認できませんでした。これらの取付詳細は今後確認する必要がありま すが、地震時に損傷する恐れのある部分は他の部分(装置の腕など)の可能性もありま すので、重量の大きい器具本体と建物骨組との間に落下防止用のワイヤー等を設けるこ とが必要です。 写-6 吊り形式の照明・スピーカーの設置状況 (本体の落下防止対策が見受けられません) 写-7 壁・柱梁から支持された照明・スピーカーの設置状況 (本体の落下防止対策が見受けられません)

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■ 概要 14 1.10 【バスケットゴール等について】 バスケットゴール装置は、大きく下記の5タイプに区分されます。 ①吊下げ式(天井吊り) ②吊下げ伸縮式(天井吊りで水平方向は壁・中間床等で支持された伸縮式) ③吊下げ固定式(天井吊りで水平方向は壁・中間床等で支持された固定式) ④壁面伸縮式(壁または中間の床で支持された伸縮式) ⑤壁面固定式(壁または中間の床で支持された固定式) ⑥床置き移動式 特に耐震上問題になるのは、地震時に揺れが激しくなる①、②・④が伸びた状態及び ⑥です。調査の結果、①は問題なしで②,④、⑥は一部で問題ありとなりました。その 他③、⑤においてもアンカーボルトや留め金具に不具合がありましたので、この機会に 全数調査を行い必要に応じた対処・補強をお勧めします。 【関連する構造体について】 関連する構造体については、下記の2項目の検討を行っています。 ①鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部に対する検討 ②屋根ブレースの接合部に対する検討 検討したほとんどの部分が補強必要という結果になりました。新耐震基準建物や耐震補 強済の建物においてもこれらの補強が必要になるのは、建築基準法で定められている範 囲を超える検討内容であるためです。 安城市 写-8 バスケットゴール装置支持形式 ①吊下げ式 ②吊下げ伸縮式 ③吊下げ固定式 ⑤壁面固定式 ⑥床置き移動式 ④壁面伸縮式 写-9 柱頭取合い部確認の様子 写-10 屋根ブレース

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■ 概要 15 1.10 【舞台上部ブドウ棚と吊り物について】 舞台の上部のブドウ棚からは各種の幕・照明装置等が吊られています。ブドウ棚は “鋼製”“木製”の2種類があります。鋼製部材については、両端部が建物の構造体に緊 結されていることが確認できました。木製部材については中央支持材が屋根鉄骨から丸 鋼で吊られており、その吊元は溶接やフック掛けなど耐震的に弱い方法で接合されてい ます。また、木材には節が多く確認されたことから部材強度の品質も問題があると考え られます。木製のブドウ棚は鋼製へ取り換えられることをお勧めします。 【その他】 小・中学校の体育館には、合計19棟で“ダイヤモンドジム”というシステム建築が 採用されています。これらについては、建築仕様がほとんど同じですので、調査結果 を別途一覧表に結果をまとめました。基本的な対策案を併せて整理しましたので、今 後の保全・定期点検にご活用ください。 安城市 また、吊り装置については、その性質上斜め振れ止め部材を設けられないため、地震 時にお互いに衝突し部分的に損傷する恐れがあります。したがって、吊り装置のシステ ムを変更しない限り、“吊られているものを最上部位置にするとともにできれば避難場 所としては舞台上を使用しない”ように運用上決めていただくことが適切かと考えます。 写-12 木製ブドウ棚と中央大骨の吊元 写-11 鋼製ブドウ棚とその支持状況 大骨は上部のトラス から吊られています。 溶接は繰返しの 揺れに弱い 写-13 照明の設置状況 (左:揺れると衝突する恐れがあります。右:落下防止対策や振れ止めがありません。) 写-14 ダイヤモンドジムの内観 (アーチと斜めトラス梁が特徴です。)

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■ 概要 ■吊り天井を有する部屋の改修工事の方向性について 16 1.10  改修工事の方向性については、補強不要を除いて大きく下記の4項目に分かれると考え ています。   ①既存の天井を残して補強のみ   ②既存の天井の撤去のみ   ③既存の天井の撤去+天井材の代替改修   ④既存の天井の撤去+再設置  選択にあたっては、現地調査結果、設計図書調査結果、部屋の用途、環境条件の変化、 補強の困難度、安城市殿の意向等を考慮します。但し、今後の話し合い・打合により方向 性が変わることもあり得ると考えます。  なお、一般的にはネットやワイヤー等による脱落防止対策もありますが、今回の対象建 屋はすべて災害時の避難所に指定されていることから好ましくないと判断し方向性の候補 からははずしています。 【注記】  上記④の場合、所要の耐震性能を確保するために構造補強材が必要となります。この場 合、建物の重量が増えることから建物本体の耐震性や部材の構造耐力に影響が出ます。増 加荷重が現状の構造体の安全余裕度以内であれば問題ありませんが、そうでない場合は新 たに補強が必要になる場合があります。今回の点検業務ではこれらの補強の有無・及び補 強費用は検討外としています。 安城市

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■ 概要 ■吊り天井を有する建物の調査結果一覧表 (1) 17 1.11 安城市 補強 不要 改修 補強 補強 不要 改修 補強 補強 不要 改修 補強 補強 不要 改修 補強 補強 不要 改修 補強 補強 不要 補強 必要 補強 不要 補強 必要 8 9 梨の里 小学校 屋内 運動場 2006 H18 7 RC(S) 石膏 ボード + 岩綿 吸音板 屋根形状と天井形状が異なっていますが、天井吊り長さを揃える屋根裏措 置はなされておらず、吊り長さは異なっています。また、斜め部材(ブレース) はなく、壁際・段差部のクリアランスもありません。さらに、斜め部分の天井の 吊りボルトは斜めに掛けられています。これら耐震上の基本項目が満たされ ておらず、天井下地材の補強は難しいと判断します。 ● 壁面伸縮式バスケットゴールの吊元・可動部・ バックボードの取り付け状況については、目視 確認および人間による加振力のレベルでの異 常は見受けられませんでした。 ● 新設 + 振止 煙感 知器 撤去 新設 - - - ● ● 18 22 錦町 小学校 屋内 運動場 1991 H3 22 RC(S) グラス ウール ボード 屋根形状と天井形状が異なっていますが天井吊り長さを揃える屋根裏措置 はなされておらず、吊り長さは異なっています。また、斜め部材(ブレース)は なく、壁際のクリアランスもありません。これら耐震上の基本項目が満たされ ておらず、天井下地材の補強は難しいと判断します。 ● 吊下式バスケットゴール、壁面伸縮式バスケット ゴールの吊元・可動部・バックボードの取り付け 状況については、目視確認および人間による加 振力のレベル(壁面式のみ加振)での異常は見 受けられませんでした。 ● 新設 + 振止 空気管 撤去 煙感 知器 新設 - - - ● ● 23 29 安城西部 小学校 屋内 運動場 1968~ S43~ 45 RC(S) グラス ウール ボード 躯体の耐震補強時に天井をトラス梁上弦材の下端に設置しています。吊り長 さは20cm程度と短いものの、“吊りボルトが斜めに設置されている、耐震要 素がない、クリアランスがない、システム天井である”等のことから地震時の 安全性には疑問があります。天井下地材の補強は難しいと判断します。 ● 直付けの壁面式バスケットゴールですが、施工 時期の違いからか接合方法の違いにおいて2種 類あります。しかし、いずれもギャラリーの鉄筋コ ンクリート床から支持されており、目視確認およ び人間による加振力のレベルでの異常は見受 けられませんでした。 ● ● 空気管 撤去 煙感 知器 新設 - - - ● ● 25 31 三河安城 小学校 屋内 運動場 2002 H14 11 RC(W) 有孔 木製 合板 天井仕上げ材は両端部から約1/4の範囲にあります。天井吊り長さは約 46cmと比較的短いものの、“吊りボルトが斜めに設けられている、斜め材が ない、クリアランスがない”ことから地震時に落下する恐れがあります。補強 は難しいと判断します。 ● 壁面伸縮式バスケットゴールの吊元・可動部・ バックボードの取り付け状況については、目視 確認および人間による加振力のレベルでの異 常は見受けられませんでした。 ● 新設 + 振止 or 落下 防止 空気管 撤去 煙感 知器 新設 - - - ● ● 32 40 桜井 小学校 屋内 運動場 2007 H19 6 RC(S) 石膏 ボード + 岩綿 吸音板 屋根形状と天井形状が異なっていますが天井吊り長さを揃える屋根裏措置 はなされておらず、吊り長さは異なっています。また、斜め部材(ブレース)は なく、壁際・段差部のクリアランスもありません。これら耐震上の基本項目が 満たされておらず、天井下地材の補強は難しいと判断します。 ● 壁面伸縮式バスケットゴールの吊元・可動部・ バックボードの取り付け状況については、目視 確認および人間による加振力のレベルでの異 常は見受けられませんでした。 ● 新設 + 振止 煙感 知器 撤去 新設 - - - ● ● ④構造体 備考 バスケットゴール支持材 の耐震性について 異常 なし 照明 火災報知器 天 井 仕 上 材 天井・天井下地材の耐震性について 注記 (※1) 撤去に伴い、天井が保有していた断熱性能や吸音性能など環境条件が変化し使用に影響を及ぼす場合があるため、屋根面への断熱対策や吸音体の付加などの対策が必要となります。 (※2) 天井再設置に伴い、補強鋼材等の重量が増えます。この重量増による負荷が、現状の建物構造体の安全余裕度以内で納まらない恐れがあります。しかし、今回の工事費用にはその補強費用は含まれていません。 スピーカー スプリンクラー 空調ダクト 柱頭 ブレース屋根 補強 不要 補強 のみ 対策 必要 調査結果概要と耐震性に対する所見と改修工事の方向性 通 番 枝 番 施設名 棟名 築 年 数 西暦 和暦 建築年 ②バスケットゴール ③照明等設備 構造 ①天井面構成部材 撤去 + 再設置 (※2) 撤去 のみ 撤去 + 代替 改修 (※1)

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■ 概要 ■ 吊り天井を有する建物の調査結果一覧表 (2) 18 1.11 安城市 事業費概算費用 (注3) 事業概算期間 補強 不要 改修 補強 補強 不要 改修 補強 補強 不要 改修 補強 補強 不要 改修 補強 補強 不要 改修 補強 補強 不要 補強 必要 補強 不要 補強 必要 8 9 梨の里 小学校 屋内 運動場 2006 RC(S) 石膏 ボード + 岩綿 吸音板 ● 新設 + 振止 煙感 知器 撤去 新設 - - - ● ● 820 65,900 5 18 22 錦町 小学校 屋内 運動場 1991 RC(S) グラス ウール ボード ● 新設 + 振止 空気管 撤去 落下 防止 対策 - - - ● ● 736 55,400 4 23 29 安城西部小学校 運動場屋内 1968~ RC(S) グラス ウール ボード ● ● 空気管 撤去 落下 防止 対策 - - - ● ● 500 34,290 4 25 31 三河安城小学校 運動場屋内 2002 RC(W) 有孔 木製 合板 ● 新設 + 振止 or 落下 防止 空気管 撤去 落下 防止 対策 - - - ● ● 337 32,500 4 32 40 桜井 小学校 屋内 運動場 2007 RC(S) 石膏 ボード + 岩綿 吸音板 ● 新設 + 振止 煙感 知器 撤去 新設 - - - ● ● 795 62,300 5 調査結果に基づく事業概算費用と事業概略期間について 通 番 枝 番 施設名 棟名 建 築 年 構造 ①天井面構成部材 ③照明等設備 撤去 + 再設置 ④構造体 改修工事 対象天井 水平投影 概略面積 (㎡) 備考 天 井 仕 上 材 補強 不要 補強 のみ 撤去 のみ 撤去 + 代替 改修 補強工事費用 (千円) 補強工事期間 (月) (注2) 照明 火災報知器 スピーカー スプリンクラー 空調ダクト 柱頭 ブレース屋根 注2)補強工事費の算出に当たっては、下記の条件としています。    ・平日工事(6日/週)とします。 注3)消費税は含みません。

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■ 概要 ■ダイヤモンドジムに共通した指摘事項 20 1.13 安城市 昭和44年~56年に建設された屋内運動場の20棟は、㈱巴組の“ダイヤモンドジム”というシステム建築の骨組形式となっています。このタイプの建築は非構造部材もほぼ同じ仕様となっていますので、共通した留意事項を下記に示します。 1階平面図 2階平面図 断面図 【⑤舞台下収納台車】 飛び出し防止対策が必要です。 ☞ 上下どちらかにストッパーを設置する。 【⑪グランドピアノ】 横滑り、脱落防止対策が必要で す。 ①舞台の上部に設置 ☞ 脚部免震台座を使用する。 ②体育室台上に設置 ☞ 脚部免震台座を使用すると ともに周囲に転落防止のストッ パーを設ける。 【①靴箱】 転倒防止対策が必要です。 ☞ 靴箱頂部を建物に緊結する。 ☞ 靴箱脚部を床に緊結する。 【⑨天井照明】 万一の落下の際のフェール セーフ機構が必要です。 ☞ ワイヤーまたはチェーン で最も重い本体部分を建物 構造体に繋ぎ留める。 【④天井木毛セメント板】 日常点検が必要です。たわみや割れが進み、 通常時でも落下する恐れがあります。 ☞ 双眼鏡で定期的に目視検査を行い、落下 の危険性のある木毛セメント板があれば補強 する、または取替える。 【⑧ギャラリー上部設備機器】 人力加力に対して、簡単に揺れる機器は建物と緊結する必要 があります。特に躯体との支持接合部が機器の重心と離れて いる場合は、地震時に大きく揺れ、作用する力に対して強度の 弱い部分があれば損傷・破壊し落下する恐れがあります。 ☞ 落下すると危険な設備機器本体については、ワイヤーまた はチェーンによる落下防止機構を設ける。 【③バスケットボールのゴール】 伸縮式のバスケットゴール支持材のヒンジ部やワイヤーの 劣化に対する定期点検が必要です。また、ゴールボード の留めネジの緩み・抜けに対する点検も必要です。 ☞ 定期的に目視検査を行い、緩んでいるネジ・ボルトが あれば、締め付けまたは(緩み止めタイプに)取替える。 【⑫舞台上ブドウ棚】 ブドウ棚を吊っている鉄筋棒の吊り先が溶接 や引掛け式となっているものは強度上の問 題があり、取替が必要です。また、木製のブ ドウ棚も強度品質に問題があるため取替が 必要です。 ☞ 構造体にボルトで緊結する。鋼材による ブドウ棚にやり替える。 【②舞台両脇の巨大額、スピーカー等】 ほとんどの場合、支持元の取付け詳細が目視確認で きませんが、壁の下地骨組にボルトで緊結されている か確認する必要があります。 ☞ ナットがついていないネジタイプの場合は引き抜 ける恐れがあるので取替える。また、壁面と平行方向 の揺れに対しても、留めを設ける。 【⑥舞台壁上部仕上げ材(漆喰)】 舞台壁上部のトラスの上下弦材の間には漆 喰が塗られています。この部分は地震時に 落下する恐れがあり、対策が必要です。 ☞ 剥がすかまたは他の材料に取り換える。 【⑩消火器】 人命被害には直結しませんが、 避難所として考えると転倒防 止対策が必要です。 ☞ 壁面に引掛け金物を設置 することで転倒防止を図る。 【⑦舞台反対側壁面の展示物】 舞台反対側の壁面には、多く大型展示物が飾ら れています。しかしその留め方が不充分なものが あり、地震時に落下の恐れがあります。 ☞ 撤去するか、あるいは落下防止対策を講じる。 実際の 留め方

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