ラットヒラメ筋の廃用性筋萎縮に対する低温刺激の効果

原 　 　著

ラ

ッ

ト

ヒ

ラ

メ

筋

の

廃

用

性 筋

萎

縮

に

対す

る

_低

温

刺

激

の

効

果

＊

吉 川 紗 智

1）＃

片 岡 英 樹

1）

渡 部 由 香

2〕

吉 川 和 代

3）

沖 田

　

実

5〕

片 岡 紀

香

2）

中 野 治 郎

4） 要 旨

　

本 研

究

の 目 的 は

，

ラッ トヒラメ

筋

の廃 用 性 筋

萎

縮の進

行抑

制 に 対 す る 低 温 刺

激

の効 果 を 明 ら か に す るこ とで あ るtt　

7

週 齢の

Wistar

系 雄ラ ッ ト

26

匹 を 無 作 為 に 対 照 群

5

匹 と 実 験 群

21

匹 に 分 け

，

7H

問の後 肢 懸 垂

法

（以 下

，HS

）

に よ り

，

実 験 群の ヒラメ

_筋

に 廃 川

性 筋 萎

縮 を 惹 起 させ た

。

そ して

，

実

験 群の 内

5

匹 は

HS

の み と し

（

HS

祥

）

，

残

り

の

16

匹 は

HS

の過 程 で

毎

日

60

分 間

，

冷 水

浴 に よっ て

後

肢 に

低

温

刺

激 を

負 荷

し た （

HS

＆

Cold

群 ）

。

な お

，

低 温 刺 激の温 度 条 件 は

10

℃

，

20

℃

，

30

℃の

3

条 件 と し

，

　

HS

＆

Cold

群の ラッ

1・

を

無作 為

に 振

り分

け た

（

10

℃

，

n

＝

6

；

20

℃

，

　n

＝

5

；

30

℃

，

　n

＝

5

）

。

低 温 刺

激の

_{負 荷}

に よ る

廃 用 性 筋 萎

縮の進

行 抑

制

効 果

は

，

30

℃

では

認

め ら れ ない もの の

，

20

℃

では タ イ プ

1

線 維

のみ に

，

1

 

℃

で は タ イ プ

1

・

H

線 維 と もに認 め ら れ た

。

ま た

，

10

℃で の

低

温

刺

激の負 荷で ヒ ラ メ筋 内の毛 細 血

管

数 が

増 加

し た

。

以 ヒの こ と か ら

，

低 温 刺 激

の

_{負 荷}

は

廃 用性 筋 萎 縮

の

進 行

を

抑 制 す

る

作 用

が あ

り

，

これ は

刺 激 温 度

が

低

いほ ど

効 果

的であ る こ とが

示

唆 さ れ た

。

キ

ー

ワ

ー

ド

　

廃 川

性 筋 萎

縮

，

低

温

刺

激

，

刺

激 温

度

は じ め に

　 廃 用 性 筋 萎 縮

は

安 静 臥床

や

運 動 不 足 な

ど が

原 因

で

筋 細

胞 を構 成 し

てい る タ ンパ ク

質

の

合成

・

分解

の

平 衡 状 態

が

崩

れ る こ とに よ

り

生じ る と

言

わ れ て いる 1）

．

また

，

こ の こと

を詳 細

に

検 討

し

た

Thomason

ら2｝の

報 告

に よ る

と

，

後 肢 懸 垂

（

Hindliinb

　suspension ；

以

下

，

　

IIS

）

による ラ

ッ _トヒ ラ メ

筋

の

廃

川

性 筋 萎 縮

の

進

行は_，

HS

を 開 始 して

＊

　

Inhibirory　Effecしs　of 　Cotd　Stimuli　on 　Atroph》 ot　the　Rat　SoLeus 　 Musctel

） 長 崎 記 念 病 院 リハビ リ テ

ー

ショ ン部

　 （〒851

−

0301長 崎県長 崎ll亅深堀 町1

−

11

−

54）

　 Sachi　YoshLkawa

，

　RPT

，

　Ilideki　Kataoka

，

　RPT ：Depurtl

’

ne1

’

it　 of

　 RehabiliLaLion

，

　Nagasaki）

・

lerrlorial　II（，spitnl

2）長III奇北 病 院 総 合 リハ ビ リ テ

ー

ション部

　 Yllk｝し Wa寸ana 丘，e

，

　RPT

，

　N〔｝rika　Karaoka

、

　RPT： Deparτmen 匸〔｝f

　 Rehabilirati（川

，

　Nagasaki　K丁T八Ilospit

．

al

3） 田 川 慈恵 病 院リハ ビ リ テ

ー

ショ ン科

　 KazuyQ　Yoshikawa

，

　RPT：Department　of　Rehabilization

，

　Tagawa

　

Jikei

　TIespital

4） 長崎大学 医 学 部 保 健 学 不

一

，_｝

　

Jiro

　Nakano

．

　RPT

，

　PhD：Nagasaki じniversit ｝

，

　Schoo且of　Health 　 Sciences

5） 犀城 大 学リハ ビ リテ

ー

ショ ン学 部

　 Mlnoru 　⊂）kiL

．

1

，

　RPT

，

　PhD ：FaculL｝

・

of　Care 　alld　Rehabilitation

，

　 Seijoh　University ＃

　

E

−

mail ：nlllhriLla ＠ngs2

．

cncm

．

ne

．

jp

　 〔受 付

H

　2005 年 lo 月 28　

H

／ 受 埋

H

　 2006 年 5 月 6H ）

数

凵

間

はタ ンパ ク

質

の

合 成 低 ドが

主

因

で

あ り

，

そ

の

後

は タ ンパ ク

質

の

分 解

が

亢 進 す

る ことが

大 き く影響

し

，

約

2

週 問

で ピ

ー

ク に

達 す

る。

　 廃用 性 筋 萎 縮

の

発

生は

，

各 種 疾 病

の リハ ビ リテ

ー

シ ョ ン

を 進

め てい

く

上 で

重 大

な

障 害

となる こ とが

多 く

， その 予

防

・

治 療

は

殫 学 療 法

に おいて

重 要 な課

題

とな

っ てい る

。

その

た

め

，

これ

ま

で

も廃 用 性 筋 萎 縮

の 予

防

・

治 療

に 関 して は動

物

実 験モ デル を 用いて

様

々な

検

討 が な さ れて お り

，

諸 家

3

−

6｝_は

_{後 肢 筋 群}

の

廃

用

性 筋 萎 縮

の 予

防

に は

伸張 刺 激

や

荷 重刺 激

が

有 効

で

あ

る

と報 告

してい る

．

し か し， 臨 床 に おい て は 疾 病の急 性 期 や 骨 折 後 な ど で 関

節

運 動 や

荷 重

訓

練

が 実 施 で き ない 時

期

も あ り， こ の よ

う

な 場 合 は 上 記の

刺 激

を 治

療

に利 用 す るこ と は 難 しい と 思 わ れ る

。

　

そ こ で

，

わ れ わ れ は この よ

う

な 状 況 を 念 頭 に

置

き

，

伸

張

刺 激や荷 重 刺 激 以

外

の刺 激で

，

廃 用 性 筋

萎

縮の

予

防 が

可 能

か

否

か をこ れ まで

検 刮

して き た7）8〕

。

具 体 的

には

，

約

42

℃

の

温 熱 刺

激の

負 荷

に よっ て

誘 導

さ れ る

筋 細 胞 内

の

Heat

　shock 　_protein　

72

の

分 壬

シャ ペ ロ ン

_作

川に

着

目 し

，

これ は 主に タ ン パ ク

質

の

合成

に

重 要 な 関

わ

り

が

あ

る

こ と か ら

，

温 熱 刺 激

の

負 荷

は

廃 用性 筋 萎縮

の発 生

初期

に

認

め られる タ ンパ ク

質

の

合

成

低

下 を

抑 制 す

る の で はない

ラッ トヒ ラ メ筋の廃用

性筋

萎縮 に対す る

低

温刺 激の効 果 273 か と

考 え

た

。

実 験 と しては

，

タン パ ク

質

の合 成

低

ドが 顕 著であ るこ と が 予 想 さ れ る

7

日 問 を

IIS

の期 間 と し

，

こ の過 程 でラ ッ ト

後 肢

に

約

42

℃の

温 水 浴

に よ る

温 熱 刺 激

を

負

荷 する ことで ヒラ メ

_筋

と 長

指仲 筋

の

筋 線 維 萎縮

の

進

行 が 抑 制 さ れる のか

否

か を

検 討

し た

。

その

結 果

，

両

筋

と も に

温 熱刺

激 に よ る

筋 線 維 萎 縮

の

進 行 抑 制 効 果

が

認

め ら れ

，

骨 格 筋

に

対 す

る温

熱 刺

激は

新

た な

廃 用 性 筋 萎 縮

の予 防 手 段 と して

有

川である こと が

示

唆 され たη8〕 。

　

一

方

，

Duchamp

ら9〕 は

，

　

f

’

_{鴨 を}

4

℃の

低 温 環 境

で

5

週

間飼 育す

る と

，

腓 腹 筋

の

毛細

血

管 数

が

増 加

し

，

同

筋

の

深 層 部

の タイ プ

1

線 維

に は

筋 線 維

肥

大

を

認

め

，

持 久的

運

動 を 行

っ た

場 合

と

類 似 し

た

変 化

が 崖 じ た と

報 告

し てい る

／

t

同様

に

，

Deveci

ら 1〔〕〕

も

ラ ッ ト を5℃の

低

温 環

境

で

4

週

問飼 育 す

ると

，

前 脛 骨 筋

に

筋 線 維

肥

大

を 認め た と

報

告 し

て いる。 これ らの

知 見 を参 考

に

す

る

と

，

低 温

の

熱刺

激

似 ド

，

低

温

刺 激 ） も廃

用

性 筋 萎

縮の予 防 予 段 とし て

利 用

で

き

る可

能 性

があ り

，

特

に

，

炎

症 症

状

に

柱

意 を 要 す る

慢 性 関 節

リウマ チ

な ど

の

炎症 性 疾 患

や

外 傷 直 後

の

時期

において は温 熱

刺 激

よ り も

右

用であ る か も しれ ない

。

し か し

，

廃

川

性 筋 萎

縮に

対

する

低

沮

刺

激の

影 響

につ い て

検

討

し た

報 告

はこれ

ま

で

非 常

に

少

ない

。

加 え

て

，

ヒ トの

場

合

，

低

温

刺

激 として

受

容 さ れ るの は 約

10

℃

〜

35

℃

の範 囲 で_， そ れ 以 下の温 度は侵

害

刺

激

とな る とい わ れ てい るll：

／

t つ

ま り

，

Duchamp

ら9）や

Deveci

ら10〕が 報 告 し てい る

5

℃ 程

度の低 温 環 境 を 症 例 に 供 す ること は 実 際 的 に は 難 しい と思 わ れ る

、

　

そこで

，

本 研

究

で は 平 常 時の ラッ トの

体

温 が 約

37

℃

〜

₃₈

_℃

lz） で あ るこ と を 考 慮 し

，

そ れ よ り 低い

30

℃ 以 下 を

低

温 刺 激 と

定

義

し た

。

そ して

，

廃 川

性 筋 萎

縮 に

対 す

る

低

温

刺 激

の

影 響

につ いての基 礎

資料

を

得

る 凵的で

，

タ ンパ ク 質の 合 成 低 下 が 顕 著 な

7

日 間の

HS

の 過 程で

lO

℃

，

20

℃

，

な ら び に

30

℃ そ れ ぞ れの

低

温

刺

激 をラ ッ トの

後

肢 に

負

荷 し

，

ヒ ラ メ筋の廃 用 性

筋 萎

縮の進

行 抑 制

効 果 を 紂 織 化 学 的 に 検 討 した

。

材 料

と

方 法

　

本 研 究 に おい て は

，

ま ず

，

［

0

℃

，

20

℃

，

な ら びに

30

℃

そ れ ぞ れの

_{低 温 刺 激}

の

_{負 荷}

に よっ て

，

下 腿

三

頭 筋

の筋 内 温 度 が どの程 度 変

化

す るのか を

把

握 す る 目

的

で

実

験

1

を 行っ た

．

次に

，

10

℃

，

20

℃

，

な ら びに

30

℃ そ れ ぞ れの

_{低 温 刺 激}

の

_{負 荷}

に よ るヒラメ

_筋

の

廃 用 性 筋 萎 縮

の 進

行 抑 制 効 果

を

検 討

す る 目

的

で

実 験

2

を

行

っ た。

な

お

．

実 験

1

お よ び 実 験

2

と もに長

崎

大

学 動 物 実

験

委 員 会

に

実

験

計 画 書

を

提 出

して

承 認

を

受 け

た

後

，

同 委員 会

が

定

める

動 物

実

験 指 針

に

準

じて

長崎 大 学 先 導

生

命科 学研 究 支 援

セ ン タ

ー

比

較 動 物 医学 分 野 （

旧

動 物 実 験 施 設 ）

で

実 施

した

，

1

．

実 験

ユ ：

_{低 温 刺 激}

の

負 荷

に よ る下

腿

三

頭 筋

の

筋 内 温

　

度の変

化

1

） 材 料

　 実 験 動 物

に は

7

週 齢

の

Wistar

系 雄

ラ ッ ト

5

匹 を 川い た

。

2

） 方 法

　 各

ラッ ト の

腹 腔 内

にペ ン トバ ル ビ タ

ー

ル ナ ト リ ウム

（

40mg

／

kg

）

を

投 与

し

，

麻 酔

を

行

っ た

後

_， ド腿

後 面 を剃

毛

し たc そ し て

，

高 精 度 熱 電 対 温 度 計

（

UMQUE

MEDICAL

製

PTC

−301

）

に

接

続 した ニ

ー

_ドル型 温 度セ ンサ

ー

を ド腿

後 面

の ほ ぼ

中央

部 に

挿

入， 脛 骨の

直

ヒで

留

置

し

，

低 温 刺 激 を負 荷 す

る

前

の ド腿三頭

筋

の

筋 内

温

度

を 測

定

した

。

次 に

，

ニ

ー

_ドル型 温 度セ ンサ

ー

を ド腿 後 面 に

挿

入 した

状 態

の ま ま，

水

i

” を

10

℃ に 設

定

し た

自

製の 発

泡

スチ ロ

ー

ル

製

プ

ー

ル に

後

肢

全 体

を

60

分 問 浸

漬

す る

方

法 で 低 温 刺 激 を

負

荷 し

，

負

荷 中の

60

分 間

，

な ら び に 負 荷 後の

60

分 間の 下 腿三頭 筋の筋 内 温 度 を

10

分

間

隔 で 測

定

し た

。

な お

，

低

温

刺 激

の

負

荷 は ラッ トの 活 動 期 で あ る 夜 間 に 行い

，

その際の実 験 室の室 温 は 約

23

℃に保っ た

。

ま た

，

そ れ ぞ れ 凵 を 変 えて

20

℃

，

30

℃の順 に

低 温 刺

激 の

負 荷

を 行い

， E

記 と 同

様

な

チ

順 で 下 腿 三 頭 筋の

筋

内 温 度 を 測 定 し た

。

2

．

実 験

2

：廃 川 性

筋 萎

縮の進

行 抑 制

に

対 す

る

低

温

刺

激 　 の影 響

1

）

材 料

　

実 験

動 物

に は

，

7

週

齢

の

Wistar

系 雄

ラ ッ ト

26

匹

を

用

い

，

これ ら を 無 処 置の ま まの

対

照 群

（

以 ド

，

C

群 ； n

＝

5

）

と

7

日

間

の

HS

に よ りヒラ メ

_筋

に

廃 用 性 筋 萎 縮

を

惹

起 さ せ る

実 験

群

（

n

＝

2

ユ） に

無 作 為

に

振 り分 け

た。

今 回

の

HS

は わ れ わ れの先

行 研 究

7凶 に

準

じ

，

以 下の

方 法

で

実 施

した，

す

な わ ち

，

自製

の ジャ

ケ

ッ トをラッ トに

着 用

さ せ

，

その

背

側

骨

盤

部

に サルカンを

付 け

，

これ を

飼 育

ケ

ー

_ジの上

_部

_に

_張

_{っ た}

_針

_金に取

_り付

_{け た}

_。

_{そ し て}

_．

_{こ の}

_実

験 処 機

によ

り後 肢

を

懸 垂

，

無荷 重 状 態

と

し

，

こ の

状 態

の ま ま

7

日

問飼 育

し た

。

な お

，

こ の

実 験 処 置後 も

ラ ッ トは

酊肢

に て

飼 育

ケ

ー

ジ

内

の

移 動

が 口

_∫能

で

，

水

と

餌

を

自 山

に

摂 取

で

き

た。

ま

た

，

ラッ

ト

の

飼 育 室

は

12

時 間 毎

に

明 暗

が

切 り 替

え ら れ

（

明

7

：  

O

〜

19

：

00

，

11

音

19

：

0

 

〜

7

：

00

_）

．

室

温

は

22

±

1

℃に

保

たれた

）

　 実 験 群

の

内

5

匹

は

HS

のみ と

し （

以 下

，

　

HS

_群

_；n

＝5

）

，

残 り

の

16

匹

に は

HS

の

過 程

で

毎

El

　

60

_{分 間}

，

_{以 ド}

の

方 法

で ヒ ラ メ

筋

に

低 温 刺 激

を

負 荷

し た （以 ド

，

HS

＆

Cold

群

；n

＝

ユ

6

）D

2

）

低 温 刺 激

の

負 荷 方法

　 水 温

をユ

0

℃

，

20

℃

，

30

℃の

3

条 件

に

設 定

し

，

各

々 の

水 温

で

低 温 刺 激 を負 荷 す

る よ

う

HS

＆

Cold

詳

の ラッ

1・

を

無 作 為

に

振 り分 け

た

（

ユ

0

℃

，

n

＝6

；20 ℃

，

　 n

−

5

；

30

℃

，

n

＝

5

）

。

そ して

，

各

ラ ッ ト に はペ ン トバ ル ビ タ

ー

ルナ ト リ ウム （

40

　mgfkg

）

の 腹 腔

内

投 与 に よっ て 麻

酔

を

行

い

，

実 験

1

と 同

様

の

方

法

で

低

温

刺 激

を

負 荷

し た

。

な お

，

低

温 刺

激

の

負荷

はラ ッ トの

活 動 期

であ る

夜

間 に

行

い

，

その際の実 験 室の室 温 は 約

23

℃ に 保っ た

。

3

） 組 織 化 学 的検 索

　7

口

間

の実 験 期

間 終 了

後

，

す

べ て の ラッ トの

腹 腔 内

に ペ ン

1・

バ ル ビタ

ー

ルナ ト リウム （

40mg

／

kg

） を 投 与 し て

麻 酔

を

行

い

，

両 側

ヒ ラ メ

筋

を

摘 出

し た

。

摘

出 し た

筋

は

，

直

ちに

電 子

犬

秤

．

に て

筋 湿

重 量 を 測

定

し た

。

その

_後

は

，

右 側

筋

の ほ ぼ

中央 部

で二 分

割

し

，

トラガン トゴム に包 埋

，

液 体 窒 素

で

冷 却

し た イソペ ンタン

液 内

で

急 速 凍 結

し た

。

そ し て

，

ク リ オ ス タッ トを 用い て

凍 結

し た

筋

試

料

か ら

6

μm

厚

の連

続 横 断 切 片

を

作 製

し た

。

筋

線

維

タイ プ を 分

別 す

る た め に

連 続 横 断 切 片

の

一

一

部

に

，

ATPase

染 色

（

pH

　

10

．

5

）

を

施

し

，

毛細

血

管

を

可 視 化 す

るため に

一

部

に ア ル カ リ フ ォス タ フ ァ

ー

ゼ

染

色 を

施

した

後

，

光 学

顕

微

鏡 で

検 鏡 し

た。

4

） 定 量 解 析

　

定

量

解 析

とし て

，

顕 微 鏡 用

デ ジタ ル カ メ ラ

（

FUJI

FILM

　

IIC

−300Z

）

_を用

いて

ATPasc

染 色 像 を

ユ

00

倍

の

拡

大 像

で

撮 影

し

，

パ ソ コ ン

（

Apple

　

Power

　

Macintosh

8500

／

180

）

に

取

り

込

ん だ

。

そし て_，

画像 解 析

ソフ ト ウェ

ア

（

NIH

　

Image

　

Ver

ユ

．

62

） を用

いて タ

イ プ

1 ・H

線 維

の

筋 線 維

直 径 を

一

筋

当 た り

各

々

200

本

以

．

L

計

測 した

。

次

に，

毛

細 血

管 数

の

計

測た め に

前

述の顕

微 鏡

川 デジ タ ル カ メラ を 用い

，

アルカ リフ ォス タフ ァ

ー

ゼ

染色 像 を

200

倍

の 拡 大 像で

一

筋 あ た り

5

視 野 無 作 為 に 撮 影 し

，

パ ソ コ ン に

取

り込 ん だ

、

そ し て，

視

野

内

に

含

ま れる

全

ての

毛 細

而1

管

数 と

筋 線 維 数

を

計

測 し

，一

筋 線 維

あ た りの

毛 細

血

管 数

を算 出 し た

。

5

） 統 計処

理

　

筋

湿

重 量

，

筋

線 維 直

径

，

一

．

・

筋 線 維

あ た りの

毛 細

血

管 数

の統 計 処 理 に は

，

一

元 配 置 分 散 分 析 （以 下

，ANOVA

） を

適 用

し た

。

そ して

，ANOVA

にて

有

意 差 を

認

め た

場

合 に は

，

多

重 比

較

検

定

に

Fisher

の

PLSD

法

を

適

用 し た

。

な

お

，

す

べ ての

統 計 処 理

と

も有 意 水 準

は

5

％ 未 満

と

し

た。

結

果

1

，

ド

腿

三

頭 筋

の

筋 内温 度

　

実 験

1

の結 果 を 図

1

に 示 す

。

低

温

刺 激

を

負 荷

する

前

の

筋 内

温

度

の平

均

は

約

34

℃

で あっ た が，

10

℃

の

低 温 刺 激

の

負 荷

を 開

始 す

る

と筋 内 温 度

は

急 激

に

低

下 し

，

開 始

60

分 後 に は

12

．

4

℃

に 達 し た

。

そ し て

，

低

温 刺

激

の

負 荷

を

終 了

し た

後

，

筋

内

温 度 は 急

激

に 上

昇

し，

終

了

60

分

後

で は

26

，

5

℃

と なっ た

。

同

様

に

，

20

℃

の

低 温 刺 激 を負 荷

し た 場 合 は

，

開 始

60

分 後 で は

21

．

8

℃

，

終 了

60

分 後 で は

32

．

4

℃

と なっ た

。

し か し，

30

℃

の

低

温 刺 激の

負 荷

で は

筋

内 温 度の急 激 な 変 化 は 認 め ら れ

ず

，

開 始

60

分 後

では

30

，

7

℃

，

終 了

60

分 後では

29

，

0

℃で あっ た

。

2

，

筋 湿

重 量

　 各

群の筋

湿

重 量 を 比 較 す る と （

．

表

1

）

，

C

群に比べ

HS

群

，

な

ら び に

HS

＆

Cold

群の

3

群

す

べ て

有

意 に

低 値

を

示

し

，

HS

群 と

HS

＆

Cold

群 を 比

較 す

る と

1

 

℃

，

20

℃

は ℃ 45 40

35

30 25 20

15

10 l　　　　　　 l

l

　 低温刺 激の負 荷 　 　l I ＿ ！ l　　 　 　　 　　 　 　　 　　 　 　　 　　 　 　　 　　 　 　l I　　 　 　　 　　 　 　　 　　 　 　　 　　 　 　　 　　 　 　l I　　 　 　　 　　 　 　　 　　 　 　　 　　 　 　　 　　 　 　I 。

了

； 平均値 ±標準 偏差 0102030405060708090100110120 分 図1 下腿三頭 筋の

筋 内

温度の変化 表1

　

各群の筋 湿 甫 量

，

筋 線 維 直 径

，

な ら び に毛細1「［L管数

C

群

HS

群

HS

＆

Cold

群 ⊥

o

℃

20

℃

30

℃

ANOVA

〔F値， p値 〕 筋 湿 重 量 （mg ） ］

08

．

8

±

10

．

5



61

．

7± 7

．

7a



73

．

5± 6

．

8／

・

ilb

　

66

．

4± 6

，

0

，

i

』

b

’

u



57

．

0±6

．

2u

，

じ

．

d　

F

（

4

，

47

）

＝

73

．

9

，

p＜

0

．

05

筋線維 直径 （μm ） タ イ プ1

線

維

　 　 　　

45

．

5± 9

．

4



34

．

9

±

7

．

8a

タ イ プ 且線 維

　 　　 　

38

．

0 ± 7

．

7



28

．

3

±

6

．

6H

一

_{筋 線 維 あた りの}

　

1

．

07 ± 0

．

22

　 0

．

87

±

0

．

18a 毛 細 血管数 （本）

39

．

6

±

7

．

9a

．

b

　37

．

5

±

7

．

Sab

’

c

　 34

．

5

±

7

．

7a

⊂

1「

d　

F

（

4

，

6549

）

＝

404

．

8

，

p＜

0

．

05

31

．

5

±

6

．

2u

’

b

　

28

．

5± 5

．

9a

』

c

　

28

．

4±5

．

9a

．

c

_F

_（

4

，

5745

_）

＝

456

．

0

，

_p＜

0

，

05

］

．

38

±

O

．

2Sa

「

b

　　

l

．

00

±

0

ユ

5

”

0

．

95

±

0

．

2Sa

’

e



F _（4

，

125_）

＝

21

．

8

，

　_{p ＜}0

．

05 平 均 イ直±_{十票準 偏 差}

．

ラッ トヒ ラ メ筋の廃用

性筋萎

縮 に対 する低温

刺

激の効 果 275

HS

群 よ り

有

意に高

値

を 示 し た が

，

30

　

’

C

_は

HS

_{群 と}

_有

_意 差 を 認 め な かっ た

。

ま た

，

HS

＆

Cold

群の

3

群 を 比 較

す

る と

10

℃

，

20

℃

，

30

℃の順 に

高 値

で

，

各

々 の

群 問

に

有

意 差 を

認

め た

。

3

．

筋 線 維 直径

　

ATPase

染

色

像

を

検 鏡 す

る と

　（

図

2

）

，

タイ プ

1

・

H

線

維

と も

HS

群には

明

ら か な

筋 線 維 萎 縮

が

認

め られたが

，

HS

＆

Cold

群

の

10

℃ は

筋 線 維 萎 縮 が 軽 度

で

あ

っ た。

　 各 群

の タイ プ

1

線 維

の

平 均 筋 線 維 直 径

を

比 較 す

る と

（

表

1

）

，

C

群

に比べ

IIS

_群

と

HS

＆

Cold

群 （

10

℃

，

20

℃

，

30

℃

）

の

す

べ て

が 有 意

に

低 値 を 示

し

た

。

HS

佯 と

HS

＆

Cold

群 を

比

較 す

る と

10

℃

，

20

℃は

HS

群

よ り有

意

に

高値

を

示

し た が

，

30

℃は

HS

群

と

有 意 差 を認

め な かっ た。

ま

た

，

IIS

＆

Cdd

群

の

3

条 件 を 比 較 す

る

と

10

℃

，

20

℃

，

30

℃の 順 に

高値

で

，

各

々 の間 に 有 意 差 を 認 め たc

　 各 群

の タイプ 且

線 維

の

平 均 筋 線 維 直

径 を 比 較 する と

（

表

D

，

C

群

に

比

べ

HS

群

，

な ら び に

HS

＆

Cold

群

σ）

3

群

・

すべ て

有 意

に 低

値

を 示 し

，

HS

群 と

HS

＆

Cold

群 を 比 較

す

る と

10

℃は

HS

群

より

有 意

に

高 値

を 示 し た が，

20

℃

，

30

℃

は

HS

群 と 有 意 差 を

認 め な か っ た

。

ま た

，

HS

＆

Cold

群の

3

群 を 比 較 す る と

10

℃

は

20

℃

，

30

℃ よ り

有 意

に

筒 値

を 示 し た が，

20

℃

と

30

℃

の 間 に は

有

意 差

を認

め な かっ た

。

4

．

毛

細

lllL

管 数

　

ア ル カ リ フォ ス タ ファ

ー

ゼ

染

色

像

を

検 鏡 す

る と

（

図

3

）

，

HS

群

は

C

群

よ

り毛 細

血

管 数 が 減 少 し

て い た

が

，

HS

＆

Cold

群

の ユ

0

℃は

HS

群

よ

り毛 細

血

管 数

の

増 加 を

認

、

めた

。

　 各群

の

一

．

一

筋 線 維 あ

た

り

の

毛細

llll

管 数 を比 較す

る と

（

表

1

）

，

C

群

に

比

べ

HS

_群

，

_な ら び に

HS

＆

Cold

群

の

30

℃ は

有 意

に

低 値

を

示

し た が

，

20

℃は

C

群

と

有 意 差 を

認め

ず

，

10

℃

は

C

祥

よ

り 有 意

に

高 値 を

示 し た

。

HS

群

と

HS

＆

Cold

群

の比

較

で は

20

℃

，

30

℃ は

有

意

差

を 認め ない

も

の の _，

10

℃は

有 意

に

高 値

を 示 した

。

また _，

IIS

＆

Cold

群

の

3

群 を

比

較 す

る と

10

℃

は

20

℃

，30

℃

よ り

有 意

に

高

値

を示 し た が

，

20

℃

と

30

℃

の 問 に は 有 意 差 を 認 め な か っ た

。

考

察

　 今

回の結

果

で は，

HS

群の

平 均 筋 湿

重 量 な ら び に タ イ プ

1 ・P

線 維

の平 均

筋 線

維

直

径 は

C

群の そ れ よ

り有

意 に 低 値 を 示 し た

。

し た がっ て

，

HS

に よ り無 荷 重 下 に

曝

さ れ たヒラ メ

_筋

は

寡 動

状

態

と な り

，

廃 用 性 筋 萎 縮

が

発

生 した とい

え

る

、

、

加

え

て

，

先 行

研

究L3）1， に よ れ ば

，

廃 川 性 筋 萎 縮 が 惹 起 さ れ る と その筋 内の 毛 細 血 管

径

は 狭 小

化

し

，一

筋 線 維

あ た

り

の毛

細

血

管 数 も減 少 す

る と

報 告

さ れ ている が

，

今

回の

結 果

で も

HS

群の

一

筋 線 維

あ た

り

の毛 細 血 管 数 は

C

群のそ れ よ り有 意に

低 値

を

示

し た

。

　 次

に

，

HS

＆

Cold

群 を

HS

群

と 比

較 す

る と

，

平 均 筋 湿

　 　 　 図2　ATPase 染 色 像 淡 染 して いる筋 線維は タ イ プ1線 維

，

濃 染して いる筋 線 維はタイ プll線 維である

．

タ イ プ

1

・

ll

線 維ともHS 群 （B）に は明らか な筋 線 維 萎 縮 が 認めら れたが

，

　IIS_＆

Cold

_群の

10

℃ （

C

）は筋 線 維 萎 縮 が 軽 度で あっ た

．

A ：C祥

，

B ：HS 群

，

　C ：HS＆Co⊥d群 （10℃）

，

　D ：HS＆Cold群 （20℃）

，

　E ：IIS＆

C

（，ld群 （

30

℃）

．

　 　 　 図

3

　ア ル カ リフ ォ スタフ ァ

ー

ゼ染 色 像

筋 線

維をロ」視 化す る た め にエ オ ジンで

後

染 色し てい る

，

筋 線 維の周囲 に点 在 する濃い点 状の物が毛 細 血 管 （矢頭 ）である

．

HS 群

（

B） はC群

（

A

） よ り毛細血管 数が減 少し てい た が

，

　

HS

＆

Cold

群の10℃ （

C

）は

HS

群 （

B

）より

．

毛細 血 管 数の増 加 を

認 め た

．

A

：

C

群

，

B

：

HS

群

，

　

C

：

IIS

＆

Celd

群 〔

10

℃）

，

　

D

：

HS

＆

Cold

群 （

20

℃ ）

，

　

E

：

HS

＆

Cold

群 （

30

℃）

．

重 量

，

な ら びに タイ プ

1

線 維

の

平 均

筋 線 維

直 径

はユ

0

℃

．

20

℃で

HS

群

よ

り有 意

に

高 値

を

示

し

，

タイ プ

ll

線 維

の

平

均 筋 線 維 直 径

は

10

℃の み

HS

群よ り

有 意

に

高値

を

示

し た

。

し か し

，

30

℃の

場

．

合

は

平 均 筋 湿

重 量

，

な ら びに両 タ

イ

プの

平均 筋 線 維 直径

と

も

HS

群

と

有 意 差 を認

め

な

か っ た

。

こ れ ら の

結

果は

，

HS

の

過 程

で

10

℃

，

20

℃の

低

温刺 激

を

負荷 す

るとヒ ラ メ

筋

の

廃 用 性 筋 萎 縮

の進

行

を

抑

制 す

ること が

可能

で

あ

るが

，30

℃で は

そ れ が 困 難

で

あ

る こ とを 示

唆

してい る

。

　 今

回 の

実 験

で は

HS

の

期

間 を

7

日 間 と し た が

，

ThOinason

らの

報 告

2｝

を 参 考

に

す

る と

HS

群

や

HS

＆

Cold

群

の ヒラメ

筋

は タ ン パ ク

質

の

合 成 低

下 が 顕

著

であっ た時

期

と

推

測 さ れる

。

つ ま り_，

10

℃

，

20

℃の

低

温

刺 激

の

負 荷

に よっ てヒラメ

筋

の

廃 用 性 筋 萎 縮

の

進 行 抑

制 が 認 め ら れ たのは 何 ら かの メ カニ ズ ムによ り タン パ ク

質

の合 成 低 下 が

抑

制 さ れた た め で はないかと思われる

。

こ の こと に 関 し て

，Deveci

ら10」は

，

ラッ ト

を

5

℃

の

低

温 環 境で

4

週 間 飼 育 す る と

，

前 脛 骨 筋 に 筋 線 維 肥 大 を 認 め

，

これ は 以 ドの メカニ ズ ムに 基づい た タンパ ク

質

の合 成

促

進 が

影

響

し てい る と 報 告 し てい る

。

す な わ ち

，

通

常

の飼 育 環 境に比べ 低 温 環 境では 体 温 調 節の た め に 骨 格 筋 は

熱

産 生 を

効 率

よ

く行 う

必

要

が あ

り

，

この た め に

筋 内

の 毛

細

fl

借

数の

増 加

や

甲

状

腺

ホル モ ンの分 泌 が 増 加 し

，

こ の変

化

に

準 拠

して

基

礎

代

謝 が 亢 進 し

，

結 果 的にタンパ ク

質合 成

が

促 進

さ れ る と 述べてい る

。

そ して

，

今

回の

_{結 果}

で も

一

筋 線 維

あ た

り

の毛 細 血

管 数

は

，HS

群 に 比べ

IIS

＆

Cold

群の

10

℃で は 有 意 に 高 値 を 示 し た

。

今 回の 実

験

は

低 温 刺

激 を

負 荷 す

る 温 度

・

時

問

・

期 間 と も に

Deveci

らlo＞の

報 告

と は 異 な る が

．

毛

細 血

管 数

の

変

化 か ら

推 察 す

る と

HS

＆

Cold

群の

10

℃ に おい ては 上 記 と 同 様

な変 化

が ヒ ラ メ

筋

に生 起 して い る）t_］

’

_{能 性}

_が

_う

_{か が わ れ} る

．

したが っ て

，

低

温

刺

激の

負

荷に よる廃 用 性 筋

萎

縮の 進

行 抑 制 効 果

は

，

Deveci

らが 報 告10｝ し たメカニ ズム に

基

づ

_き

タ ンパ ク

質

の

合 成低 下

が

抑 制

さ れ たことが

一

部影

響

し てい る と

思

われ る

。

た だ

，

HS

＆

Cold

群の

20

℃

は

HS

群 と

一

筋 線 維

あ た

り

の毛 細 血

管

数に

有

意 差 を 認 め な い

も

の の

，

タ

イ

プ

1

線 維

につ い ては

筋 線 維 萎縮

の

進 行抑

制 効 果

が

認

め ら れ た。 こ の こ とか ら

，

低 温 刺

激に よ る

廃

用

性 筋 萎 縮

の

進 行 抑 制効 果

は

F．

記

の メ カニ ズム以

外

の

要

因

が

関 与 し

ている と

思

わ れ

，

今後 詳 細

に

検 討

して い

く

必

要

が ある

。

　 次

に

，

低 温 刺 激

の

負 荷

に よ る

廃 用 性 筋 萎 縮

の進

行 抑 制

効 果

に

対 す

る

刺 激 温 度

の

影響

につ い て

考 察 す

る。

今 回

の 結 果では

，

刺 激

温

度

が

最 も低

い

10

℃は タイプ

1

・

H

線

維

の

筋 線 維 萎

縮の

進 行 抑 制

に

効 果

が

あ

る が

，

20

　CC で は タ イ プ

1

線 維

に し か その

効 果 を 認

め

ず

，

30

℃

では

両 筋

線 維 タ イ プ と も その 効 果 は 認め られ な かっ た

。

つ ま り

，

低

温 刺 激の

負

荷 による

廃

用

性 筋 萎 縮

の

進 行 抑 制 効 果

は_， その刺

激

温

度

が

低

いほ ど顕

著

で あ る と

推 測

さ れ る。

加 え

て

，

タ イ プ

1

線 維 は

10

〜

20

℃

で

，

筋 線

維 萎 縮の

進 行 抑

制 効

果

を 認 め る， い わゆ る

適 刺 激

温

度

に

範

囲 が あるが， タ イ ブ

H

線 維

は

10

℃

のみ に し か その

効

果

を 認

め

ず

，

適

ラッ トヒ ラ メ筋の廃 用 性 筋 萎 縮に対 する低湿刺 激の_{効 果} 277 刺

激

温

度

は 限 局 しているので は

な

いか と

思

わ

れ

る。 こ の こ と に 関 連 して

，

Egginton

ら15〕 はハ ム ス タ

ー

を

8

〜

10

週

問

，

約

IO

℃

の

低

温 環

境

．

ドで

飼 育

し

，

前 脛 骨 筋 を 検 索

し た 結 果

，

タ イ プ且

線維

に は

筋 線 維 萎 縮 を認

めた が

，

ダ イ ブ

1

線 維 に は 筋 線 維 萎 縮の 発 生 は 認め

ず

，

これは

毛 細

ll

［

t

管

の

供 給

が

増

加 し たこと が

影 響

し てい る

と報 告

し てい る

。

ま た

，

Harri

ら16）は

，

ラッ ト

を

4

℃

の

低 温 環 境

で

₅

週 間 飼

育

し

，

腓 腹 筋 を 検 索 し た 結 果

，

ミ トコ ン ド リア の

TCA

回 路 内

の

酵 素

で あ るコ ハ ク 酸 デ ヒ ドロ ゲ ナ

ー

ゼ

（succinate

_{dehydrogenase}

；

SDII

） 活 性

と シ トレ

ー

ト

シ ン タ

ー

ゼ （citrate 　synthase ；

CS

）

1

刮 生の上 昇 を 認 め た と

報 告

して いる。 タ イ プ

1

線 維

は タ イ プ

H

線

維

に 比べ ミ トコ ン ド リ ア や毛

細

血

管

が

多

く存

在 し

，

酸

化

系

代

謝 能

力

に

も優

れ てい る こと が 知 ら れてい る が

，

Egginton

ら15） や

Harri

ら16）の

報 告

を

参 考

に

す

る と

低 温 刺

激の

負 荷

は タイプ

H

線 維

よ

り も

タイ プ

1

線 維

に

影 響

を お よぼ しやす い と思わ れ る

，

t

／

　

以

E

の こと

か ら

，

本研 究

の

結 論

と して

低 温 刺

激の

_{負 荷}

は

，

廃

用

性 筋 萎 縮

の

進 行抑 制

に

効 果

があ

り

，

その

効 果

は

刺 激 温 度

が

低

い ほ ど

顕 著

で

あ

る こと が

示 唆

さ れ た

．

し か し

，

実 際

の

臨床 場 面 を想 定 す

る と

，

安 静

，

臥 床 中

のケ

ー

ス に 対 して

冷 水 浴

を

行 う

ことは全

身

へ の

影 響

か ら

考

えて も現 実 的で はな

く

，

今 後

は

低 温 刺 激

の

負 荷 方 法

な ど も

検

討 す

る 必

要

が

あ

る

と

思 わ れ る。 文

　 　献

1

） 吉岡 利忠

，

後 藤勝正

・

他 ：筋 萎 縮の メ カニ ズム

ー

細 胞 内 蛋 　 白 質 分 解 機 構と その制 御

一．

医 学のあゆみ 193： 598

−

603

，

　

2000

．

2

）

Tholnason

　

DB

，

　BQ〔，th　FW ：Alrophy 　of 　rhe　soleus 　mus

一

　 じ

le

　

by

　

hilldlimb

　unweighting 　

．

J

　

App

！Physio］

68

：112

，

　

1990

、

3

）

Brown

　

M

，

　

Hasser

　

EM

：

Weight

−

bearing

　effects 〔，n 　skelc

−

　 lal 皿 uscle　

d

しlring　and 　after　simulatcd 　bed　rest

．

　Arch

　

Phys

　Med 　Rehabil　76：541

−

546

，

1995

，

4

） 山 崎 俊 明 ：ラッ トの廃用性 筋 萎縮に対 する荷 重 刺 激の効 果

．

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，

1996

．

5）

A

！

ley

　

KA

，

　

Thomps

〔m　

LV

；

Infhlence

　of　simulated 　

bed

　rest

　 and　

interlnittent

　weight 　

bcaring

　on 　 singte 　sketetal 　mus

・

　

cle　

fiber

　

func

τ

iQn

　

in

　aged 　rats

．

　

Arch

　Phys　Med 　Rehabil

　 78；

19

．

．

25

，

　

1997

．

6

）山 崎俊明

，

立野勝 彦

・

他 ：麻 酔 ドにお ける短 時 間 伸 張 位 保 　 持 が ラッ トの廃 用性 筋 萎縮 予防に 及ぼす 影 響

．

PT ジャ

ー

　 　 ナル

29

：

135

−

138

．

1995

．

7） 沖田 実 中 居 和 代

・

他 ：廃 用性 筋 萎縮の予防 方 法と して

　 　

の温 熱 負 荷の影 響に関す る 研究

，

理学 療 法 学 31：63

−

69

，

　 2004

．

8） 片 岡 英 樹

，

沖 田

　

実

・

他 ：温熱 負荷に よ る ラッ

1

・

骨 格 筋の

　 　

廃用 性 筋 萎縮の進

行

抑 制 効果 につ い て

．

理 学 療 法 学

31

： 　 331　336

，

2004

．

9）Duchamp 　

C

，

　

Cohen

−

ADAD

　

F

：

His

てochemical 　arguments

　 　for　muscular 　lloll

．

shivering 　thermogcnesis　

in

　muscovy

　 　

ducklings

．

　

J

　

Physie

］457：

2745

，

1992

．

⊥0）Deveci　D

，

　Egginton　

S

：Differing　mechanisms 　of　cold

．

　 induccd　changes 　

ill

　capillary 　supply 　

in

　m

．

libials　anteri

．

　 or 　of 　rats 　 and 　hamsters

．

　

J

　Exp　Bio1205：829

−

840

，

2002

．

ll） 杉 　 晴 夫

，

松 村 幹 郎

・

他 ：入 体 機 能 生 理 学

．

改 訂 第

2

版

，

　 杉 　晴 夫 （編 ）

，

南 江堂

．

東 京Tl991

，

pp225

−

229

，

12）佐 藤 徳 光 ：動 物実 験の 基本

，

西 村 書 店

，

新 潟

，

1986

，

　 pp24

−

25

．

13）Oki　S

，

　Desaki　

J

，

　et 　al

．

：Capillary　changes 　with 　

fellestra

・

　 tions　in　the　con匸ralateral 　soleus 　muscle 　ef　1

．

hc

　rat　

fol

．

　

且owing



unilareral



⊥irnb



irninobilizat

．

ion

．

　

J



Orthop



Sci



・

1

：

　

28

−

31

，

⊥

999

．

14

，

Heuston

　ME

，

　Bentzen 　H

．

　et　α1

．

；　Intc／rrelationships

　

between

　skeletat 　muscde 　adaptaLions 　and 　_performance 　as

　 studied 　

by

　

detraining

　and 　retraining

．

　Acta　Physid　Scand

　 　lO5：　163　170

，

1979

．

15

）

Egginton

　

S

，

　

Fairlley

　

J

，

　et α1

．

：Differential　effects 　of　cold

　 　exposure 　oll　rnusclc 　fiber　compositien 　and　capiUary 　sup

−

　

ply

　

in

　

hibernaror

　

and

　

nor1

・

hil）crnator

　

rodents

．



Exp

　

Physiot

　

86

：

629

−

639

，

2001

．

16

｝

Ilarri

　

MNE

，

　

Valtola

　

J

：

Comparison

　of　

thc

　affects 　of 　phys

−

　 　

ical

　exercise

．

　

Co

［

d

　accllrnaLion 　and 　repeated 　injecti〔｝ns　of

　 　

isoprenalirle

　on　ral 　 inuscle 　enzymes

，

　Acta　Physiol　

Scand

<Abstract>

Inhibitory

Effbets

of

Cold

Stimuli

on

Atrophy

of

the

Rat

Soleus

Muscle

Sachi

YOSHIKAW'A,

RPT,

Hideki

KATAOKA,

RPT

Dqpartment

_{ofRehabilitation,}

IVagasaki

Mbmoriat

Hbspital

Yuka

W'ATANABE,

RPT,

Norika

KATAOKA,

RPT

Department

_{ofRehabilitation,}

Nagasaki

KT7A

Hospital

Kazuyo

YOSHIKAW'A,

RPT

Department

ofRehabilitation,

7kigawa

Jikei

Hospital

Jiro

Ni,NKANO,

RPT,

PhD

Nagasalei

Uhiversily,

School

of

Hlealth

Scienees

Minoru

OKITA,

RPT,

PhD

FaculC),

_of

Care

and

Rehabilitation,

Seijoh

U}iiversity

In

this

study, the

inhibitory

effect of exposure

to

cold stimuli on atrophy of the rat soLeus muscle was evaLuated,

We

divided

26

seven-week-old male

Wistar

rats

into

control

(n

=5) _and

experimental

(n

=

21}

_groups.

In

the _experimentaL

_group,

_{atrophy of}

the

_{soleus muscle was}

induced

by

hindlimb

suspension

(IIS)

for

1

week.

In

thisgroup,

5

animals received

HS

onLy

(HS

group), and

the other

16

received

both

HS

and cold stimulation of the suspended

hindlimb

by

cold water

bathing

of the

hindlimb

for

60

minlday

(HS&Cold

_group}.

The

₁₆

rats

in

the

IIS&Cold

_group

were randomly

divided

into

three

subgroups

{water

temperatures

10

℃

, n=

6:

20

℃

,

n=

5;

30

℃

,

n=

5).

At

30

℃

,

the exposure

_to

cold water

did

not

inhibit

muscular atrophy.

However,

the exposure effectively

inhibited

atrophy at

20

℃

for

type

I

fibers

and at

10

℃

for

type

I/II

fibers.

Furthermore,

the

exposure to cold stimuli at

IO

℃

increased

the number of capillaries

in

the soleus muscle,

These

results suggest

that

the

exposure

to

co]d stimuli

inhibits

muscular atrophy and that

it

is

more effective at

Iower

temperatures.