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市中肺炎患者の介入時の30 秒椅子立ち上がりテストと退院時の歩行自立の可不可に関する検討

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 54 46 巻第 1 号 54 ∼ 58 頁(2019 年) 理学療法学 第 46 巻第 1 号. 調査報告. 市中肺炎患者の介入時の 30 秒椅子立ち上がりテストと 退院時の歩行自立の可不可に関する検討* 守 川 恵 助 1)# 武 村 裕 之 1) 上 田 真 也 1) 稲 葉 匠 吾 1) 楠 木 晴 香 1)  橋 爪   裕 1) 鈴 木 優 太 1) 岡 田   誠 1). 要旨 【目的】本研究の目的は,市中肺炎患者における介入時の CS-30 が退院時における歩行能力の予測に応用で きるかを検証することである。 【方法】対象は市中肺炎患者 60 名とし,退院時の歩行が自立している者を自 立群,自立していない者を非自立群とし,2 群に分類した。退院時の歩行自立の可不可に影響を及ぼす因子 について検討した。 【結果】自立群は非自立群と比較して入院前歩行能力が自立している割合が高く,Alb, 介入時歩行 FIM,介入時 CS-30,退院時 CS-30 が高い結果であった。介入時 CS-30 のカットオフ値は 5.5 回 であり,曲線下面積は 0.916,感度は 83.3%,特異度は 97.1%であった。 【結論】市中肺炎患者において介入 時 CS-30 は退院時歩行自立の可不可の予測指標として有用である可能性が示唆された。 キーワード 市中肺炎,退院時の歩行能力,30 秒椅子立ち上がりテスト. がある。CS-30 を用いた転倒予測の報告 7) があるが,. 背   景. 市中肺炎患者の退院時の歩行能力の評価や歩行自立度の.  肺炎は罹患率が高く,本邦における死因順位は第 3 位 1). 判定に CS-30 を用いた報告はなく未だ明らかでない。. であり,特に高齢者に高率に罹患する 。一般的に入院.  本研究の目的は,市中肺炎患者において,介入時の. を契機に身体的デコンディショニングが進行し,歩行能. CS-30 が退院時における歩行能力の予測に応用できるか. 力が低下する. 2). 方をしばしば経験する。自宅退院の可. 不可に歩行能力は重要な因子. 3). であり,入院期間短縮. を余儀なくされている急性期病院の現在の状況下で,肺. を検証することである。 対象と方法. 炎患者の歩行能力の可不可を評価し,予測することは重. 1.対象. 要であると考える。また,入院早期に運動機能評価を行.  平成 27 年 1 月∼ 12 月の間に市中肺炎の診断で入院し,. い,退院時における歩行能力が予測できれば,退院時の. 入院期のリハビリテーションを施行した 60 名を後方視. 歩行能力の目標を明確化させることが可能になると思わ. 的に調査した。除外基準は不安定狭心症を呈する患者,. 4). により考案された 30 秒椅子立ち上が. コントロールされていない重症不整脈を認める者,重度. りテスト(30-s chair-stand test:以下,CS-30)が高齢. の大動脈弁狭窄症を合併している者,中枢神経疾患によ. 者の下肢筋力を簡便に評価する方法としてしばしば使用. り重度の運動麻痺を呈する者,視覚・聴覚障害を有する. れる。Jone ら. されており,臨床応用への可能性を示唆した報告 *. 5)6). The Relationship between 30-s Chair-stand Test during Intervention of Patients with Community-acquired Pneumonia and Walking Independence at Discharge 1)松阪市民病院リハビリテーション室 (〒 515‒8544 三重県松阪市殿町 1550) Keisuke Morikawa, PT, MSc, Hiroyuki Takemura, PT, Masaya Ueda, PT, Shogo Inaba, PT, Haruka Kusuki, PT, Yu Hashitsume, PT, Yuta Suzuki, PT, Makoto Okada, PT: Department of Matsusaka Municipal Hospital Rehabiritation # E-mail: [email protected] (受付日 2018 年 4 月 24 日/受理日 2018 年 10 月 3 日) [J-STAGE での早期公開日 2018 年 12 月 3 日]. 者,維持血液透析を受けている者,認知症等により以下 に示す調査項目が測定不可能であった者,測定項目に欠 損値があった者,死亡退院者とした。 2.方法   対 象 者 の 退 院 時 の 歩 行 自 立 の 可 不 可 は Function Independence Measure(以下,FIM)を用いて評価し, 6 点以上の者を歩行自立と定義し,6 点以上の者を自立 群,5 点以下のものを非自立群とし,2 群に分類した。.

(2) 市中肺炎患者の介入時 CS-30 と退院時の歩行自立の可不可. 55. 評価項目は基本属性として年齢,性別,身長,体重,. ティック回帰分析(変数増加法ステップワイズ)を行い,. Body Mass Index(以下,BMI) ,入院期間,理学療法. 退院時の歩行自立の可不可に影響を及ぼす因子につい. 開 始 日, 入 院 前 の 歩 行 能 力, 市 中 肺 炎 の 重 症 度には. て検討した。また,Receiver Operating Characteristic. A-DROP,合併症の有無を調査した。基本属性は先行研. Curve(以下,ROC 曲線)を用いて,退院時歩行自立. 8‒10). ,歩行能力に影響を及ぼす因子を選定し. の可不可のためのカットオフ値,曲線下面積と感度,特. た。生化学検査として入院時の白血球(White blood. 異度を算出した。なお,統計処理は SPSS.version 23.0. cell;以下,WBC) ,ヘモグロビン(hemoglobin;以下,. を用い,有意水準 5%とした。. 究に準じ. Hb),アルブミン(albumin;以下,Alb) ,クレアチニ ン(Creatinine; 以 下,Cr) , 尿 素 窒 素(blood urea ni-. 3.倫理的配慮. trogen; 以 下,BUN), 推 算 糸 球 体 濾 過 量(estimated.   本 研 究 は, 松 阪 市 民 病 院 倫 理 審 査 委 員 会 の 承 認. glomerular filtration rate; 以 下,eGFR) ,C 反 応 性 蛋. (150703-4-4)を得て,倫理的配慮のもと,後方視的に調. 白(C-reactive protein;以下,CRP)を調査した。歩. 査した。対象者には評価結果を研究にも利用する旨を事. 行能力は理学療法介入時の歩行 FIM(以下,介入時歩. 前に説明し,同意を得た。. 行 FIM) と 退 院 時 の 歩 行 FIM( 以 下, 退 院 時 歩 行 FIM)を調査した。身体機能としては理学療法介入時. 結   果. (以下,介入時 CS-30)と退院時(以下,退院時 CS-30).  対象者 60 名のうち,自立群は 26 名,非自立群は 34. の CS-30 を測定し,退院時 CS-30 から介入時 CS-30 の. 名であった。自立群,非自立群における 2 群間の比較結. 差をΔ CS-30,CS-30 変化率は(退院時 CS-30 −介入時. 果を表 1 に示す。入院前歩行能力は自立群では歩行が自. CS-30)/ 介入時 CS-30 × 100 にて算出した。CS-30 は中. 立していた者は 25 名,自立していなかった者は 1 名,. 11). に準じて行った。椅子は着座時. 非自立群では歩行が自立していた者は 7 名,自立してい. の後方転倒に配慮し,高さ 40 cm の椅子に腰掛け,両. なかった者は 27 名で有意差を認めた(p < 0.05)。Alb. 上肢を胸部の前で組み,立ち上がり動作を 30 秒間反復. は自立群で 3.2 ± 0.4 mg/dl,非自立群で 2.9 ± 0.6 mg/. して行わせ,その回数を測定した。測定は数回の練習後. dl で有意差を認めた(p < 0.05)。介入時歩行 FIM は自. に 1 回のみ行った。30 秒間にできるだけ多く,起立−. 立群で 3.5 ± 2.2 点,非自立群で 1.2 ± 0.9 点で有意差を. 着座動作を繰り返すように指示し,起立位では股関節・. 認めた(p < 0.001)。退院時歩行 FIM は自立群で 6.7 ±. 膝関節が直立位になるように留意させた。なお,立ち上. 0.5 点,非自立群で 3.3 ± 1.7 点で有意差を認めた(p <. がり途中で 30 秒に達した場合は測定値として数えた。. 0.001)。介入時 CS-30 は自立群で 9.4 ± 4.5 回,非自立. 実施中,関節痛の出現,息切れ,動悸等の自覚症状およ. 群で 1.9 ± 2.0 回で有意差を認めた(p < 0.001)。退院. びチアノーゼ,顔面蒼白等の他覚症状が見られた際は測. 時 CS-30 は自立群で 10.8 ± 4.2 回,非自立群で 3.4 ± 3.6. 定を中止した。介入時 CS-30 は離床が可能であった日,. 回で有意差を認めた(p < 0.001)。その他の項目には有. 退院時 CS-30 は退院前日に測定した。入院中の理学療法. 意差は認めなかった。2 群間比較で有意差が認められた. 開始基準は,主治医から理学療法の依頼を受けた後,各. 入院前歩行能力,Alb,介入時歩行 FIM,介入時 CS-. 担当理学療法士が主治医に安静度を確認したうえでベッ. 30,退院時 CS-30 を説明変数,退院時の歩行自立の可不. ドサイドでの理学療法(関節可動域練習,気道クリアラ. 可を目的変数とするロジスティック回帰分析では,入院. ンス,ポジショニング),端座位,立位等を行い,血圧,. 前歩行能力(オッズ比:143.7,p < 0.05,95%信頼区間:. 心拍数と心電図モニター等を確認し,血行動態が不安定. 1.625 ‒ 12,702.5) ,介入時歩行 FIM(オッズ比:3.447,p. にならないことを必ず確認して段階的に離床を進め. < 0.05,95 % 信 頼 区 間:1.344 ‒ 8.841), 介 入 時 CS-30. 谷らの実施した方法. 12). 。離床が可能であれば,各患者の問題点を把握し. ( オ ッ ズ 比:3.222,p < 0.05,95 % 信 頼 区 間:1.048 ‒. たうえで基本動作練習,ADL 練習に移行した。ADL が. 9.909)が独立した因子として抽出された(表 2) 。退院. 自立した場合(FIM の各項目が 6 点以上)は軽負荷の. 時の歩行自立の可不可の検討に ROC 曲線を用いた結果,. 有酸素運動,レジスタンストレーニングによる運動療法. 入院前歩行能力はカットオフ値が 0.5,曲線下面積は. も合わせて実施した。. 0.849,感度は 93.3%,特異度は 76.5%であった。Alb は.  統計学的解析方法は正規性の検定を Shapiro-wilk 検. カットオフ値が 3.1 mg/dl,曲線下面積は 0.652,感度は. 定で行った後,正規性のあるものは各尺度に応じて対応. 60.0%,特異度は 61.8%であった。介入時歩行 FIM は. 2 のないt検定,χ 検定を用いて検討した。正規性のな. カットオフ値が 2 点 , 曲線下面積は 0.780,感度は 60.0%,. いものは Mann-Whitney の U 検定を用いて検定した。2. 特異度は 97.1%であった。介入時 CS-30 はカットオフ値. 群間の比較で統計学的に有意であった因子を説明変数,. が 5.5 回,曲線下面積は 0.916,感度は 83.3%,特異度. 退院時の歩行自立の可不可を目的変数としたロジス. は 97.1%であった。退院時 CS-30 はカットオフ値が 6.5. た.

(3) 56. 理学療法学 第 46 巻第 1 号. 表 1 退院時歩行自立群と非自立群の各測定項目の比較 評価項目. 全体 N=60. 自立群 N=26. 非自立群 N = 34. P値. 82.0 ± 6.8. 80.4 ± 7.4. 83.4 ± 6.0. NS. 25/35. 12/14. 13/21. NS. <基本属性> 年齢(歳) 性別(女 / 男) 身長(cm). 150.0 ± 8.1. 体重(kg). 43.5 ± 10.3 2. 150.0 ± 9.1 43.0 ± 8.5. 150.0 ± 7.3 43.9 ± 11.8. NS NS. BMI(kg/m ). 19.3 ± 4.3. 19.1 ± 3.2. 19.5 ± 5.1. NS. 入院期間(日). 22.7 ± 18.7. 18.9 ± 16.7. 26.0 ± 19.4. NS. 4.8 ± 4.2. 5.2 ± 4.1. 4.5 ± 4.4. NS. 32/28. 25/1. 7/27. < 0.05. 2.1 ± 0.9. 1.9 ± 0.7. 2.3 ± 1.0. NS. 9/51. 2/24. 7/27. NS. 理学療法開始日(日) 入院前歩行能力(自立 / 介助) A-DROP 合併症 脳血管障害(有 / 無) 運動器疾患(有 / 無). 9/51. 2/24. 7/27. NS. 呼吸器疾患(有 / 無). 20/40. 12/14. 8/26. NS. 循環器疾患(有 / 無). 21/39. 11/15. 10/24. NS. 糖尿病  (有 / 無). 15/45. 5/21. 10/24. NS. WBC(/μ l). 10,150 ± 4,119. 10,040 ± 4,016. 10,247 ± 4,266. NS. Hb(g/dl). <生化学検査>. 11.3 ± 2.1. 11.6 ± 1.5. 11.1 ± 2.4. NS. Alb(mg/dl). 3.0 ± 0.5. 3.2 ± 0.4. 2.9 ± 0.6. < 0.05. Cr(mg/dl). 0.86 ± 0.40. 0.86 ± 0.27. 0.86 ± 0.49. NS. BUN(mg/dl). 20.5 ± 11.8. 17.7 ± 7.8. 23.1 ± 14.1. NS. eGFR(ml/min/1.73m2). 71.1 ± 33.0. 65.3 ± 21.8. 76.2 ± 40.2. NS. CRP(mg/dl). 11.6 ± 9.9. 9.8 ± 8.2. 13.2 ± 10.8. NS. 介入時歩行 FIM(点). 2.3 ± 2.0. 3.5 ± 2.2. 1.2 ± 0.9. < 0.001. 退院時歩行 FIM(点). 4.9 ± 2.1. 6.7 ± 0.5. 3.3 ± 1.7. < 0.001. 5.4 ± 5.0. 9.4 ± 4.5. 1.9 ± 2.0. < 0.001. 退院時 CS-30(回). 6.9 ± 5.3. 10.8 ± 4.2. 3.4 ± 3.6. < 0.001. Δ CS-30(回). 1.5 ± 2.2. 1.4 ± 2.3. 1.6 ± 2.1. NS. 51.6 ± 110.9. 36.8 ± 113.1. 64.7 ± 109.0. NS. <歩行能力>. <身体機能検査> 介入時 CS-30(回). CS-30 変化率(%). 患者属性,合併症,歩行能力,生化学検査,身体機能検査の各評価項目の平均値±標準偏差または自立群と非 自立群との間の統計学的有意差を表している.. 表 2 退院時の歩行自立の可不可に関するロジスティック回帰分析の結果 オッズ比. 95%信頼区間. 入院前歩行能力. 143.7. 1.625 ‒ 12,702.513. < 0.05. 介入時歩行 FIM. 3.447. 1.344 ‒ 8.841. < 0.05. Alb. 0.942. 0.041 ‒ 21.833. NS. 介入時 CS-30. 3.222. 1.048 ‒ 9.909. < 0.05. 退院時 CS-30. 0.631. 0.284 ‒ 1.401. NS. ロジスティック回帰解析によって選択された変数. p値.

(4) 市中肺炎患者の介入時 CS-30 と退院時の歩行自立の可不可. 57. 表 3 退院時の歩行自立の可不可に関する ROC 曲線の結果 カットオフ値. 曲線下面積. 感度(%). 特異度(%). 入院前歩行能力. 0.5. 0.849. 93.3. 76.5. Alb(mg/dl). 3.1. 0.652. 60.0. 61.8. 2. 0.780. 60.0. 97.1. 介入時 CS-30(回). 5.5. 0.916. 83.3. 97.1. 退院時 CS-30(回). 6.5. 0.902. 90.0. 76.5. 介入時歩行 FIM(点). 退院時の歩行自立の可否可に関する ROC 曲線カットオフ値,曲線下面積,感度,特異度. 回, 曲 線 下 面 積 は 0.902, 感 度 は 90.0 %, 特 異 度 は. の退院時の歩行自立の可不可を予測するための一助にな. 76.5%であった(表 3)。. ると思われ,臨床的意義があると思われた。  本研究の限界としては,単一施設の検討であること,. 考   察. 身体機能評価を CS-30 のみで検討したこと,リハビリ.  今回,市中肺炎患者の退院時の歩行能力の予測に. テーションの内容が統一されておらず,介入の方法に. CS-30 は応用できるかを検証した。まず,自立群は非自. よっては退院時の歩行が自立できる割合が変わっていた. 立群と比較して入院前歩行能力が自立している割合が高. ことも予測され,それらを踏まえて今後は検討する必要. く,Alb, 介 入 時 歩 行 FIM, 介 入 時 CS-30, 退 院 時. 性があると思われた。. CS-30 が高い結果であった。CS-30 は高齢者の下肢筋力 と高い相関 11). 13). を示し,大. 四頭筋筋力とも中等度の相. 結   語. があると報告されている。さらに,退院時の歩行.  市中肺炎患者の退院時の歩行自立の可不可に入院前歩. 自立に影響を与える因子として入院前歩行能力,栄養状. 行能力,Alb,介入時歩行 FIM,介入時 CS-30,退院時. 関. 態と関連があった報告 係があった報告. 15). 14). や歩行と下肢筋力は密接な関. があり,本研究は市中肺炎患者で. あったが同様の結果となった。退院時の歩行自立の可不 可には入院前歩行能力,介入時歩行 FIM,介入時 CS-30 が独立した因子として挙げられ,ROC 曲線の結果から, 曲線下面積,感度,特異度がもっとも高かったのは介入 時 CS-30 であった。Swets. 16). は曲線下面積と検査価値. の関係について,曲線下面積 0.5 ∼ 0.7 では検査価値は 低く,0.7 ∼ 0.9 で中等度,0.9 以上では高い検査価値を 有すると述べている。これらのことから介入時 CS-30 は 市中肺炎患者の退院時の歩行自立の可不可の予測指標と し て 有 用 で あ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た。 ま た, 介入時 CS-30 と退院時 CS-30 のカットオフ値が異なることから, 少なくとも CS-30 の変化は退院時の歩行能力に影響を及 ぼしたことが示唆される。安静臥床が継続すると健常成 人においては 10 日間で膝伸展筋力は約 13.2%減少する と報告されている. 17). 。本研究では市中肺炎患者であり,. 種々の合併症に対してまでの説明はできないが,平均 4 ∼ 5 日の臥床期間があり,少なくとも入院前と比較して 介入時 CS-30 は減少していた可能性が推測される。これ らのことから,介入時 CS-30 が少ない値でも退院時まで に CS-30 が 6.5 回以上実施可能となる工夫した理学療法 の介入で退院時の歩行能力が自立まで改善できる可能性 がある。本研究では理学療法の影響までは言及できな かったが具体的な理学療法の立案,提示も今後は必要に なると思われた。また,本研究の結果は,市中肺炎患者. CS-30 が関連していた。ROC 曲線の結果から,介入時 CS-30 が 5.5 回以上可能な場合,退院時に歩行が自立で きる可能性は高くなることが示唆された。 利益相反  本研究において開示すべき利益相反に相当する事項は ない。 文  献 1)日本呼吸器学会成人肺炎診療ガイドライン 2017 政策委 員会(編) :成人肺炎診療ガイドライン 2017.日本呼吸器 学会,東京,2017. 2)Gill T, Allore H, et al.:Change in disability after hospitalization or restricted activity in older persons. JAMA. 2010; 304: 1919‒1928. 3)江尻真由美,満保紀子,他:独居高齢者の自宅退院を可能 にする因子の検討.みんなの理学療法.2011; 23: 61‒63. 4)Jones CJ, Rikli RE, et al.: A 30-s chair-stand test as a measure of lower body strength in community-residing older adults. Res Quart Exerc Sports. 1999; 70: 113‒119. 5)千木良佑介,馬場美早紀,他:ペースメーカー植え込み 患者における下肢運動機能と QOL について─ CS-30test, 6MWT,WHO / QOL26 を用いた検討─.理学療法科学. 2014; 29: 229‒232. 6)岩井宏治,小熊哲也:慢性呼吸器疾患患者を対象とした 30 秒椅子立ち上がりテストによる身体活動量推定の試み ─男性対象者での検討─.理学療法学.2014; 41: 1‒6. 7)川端悠士,日浦雅則,他:地域在住高齢者における転倒予 測テストとしての CS-30 の有用性.理学療法科学.2008; 23: 441‒445. 8)小澤哲也,斎藤正和,他:高齢入院期心不全患者に対する 心臓リハビリテーションと退院時 ADL.歩行能力の関連.

(5) 58. 理学療法学 第 46 巻第 1 号. ─クリニカルシナリオ分類別の比較─.心臓リハビリテー ション.2014; 19: 125‒133. 9)若林秀隆,佐鹿博信:入院患者における廃用症候群の程 度と栄養障害の関連.臨床リハビリテーション.2011; 20: 781‒785. 10)Slaven EJ: Prediction of Functional Outcome at Six Months Following Total Hip Arthroplasty. Phys Ther. 2012; 92: 1386‒1392. 11)中 谷 敏 昭, 灘 本 雅 一, 他:30 秒 椅 子 立 ち 上 が り テ ス ト (CS-30)成績の加齢変化と標準値の作成.臨床スポーツ医 学.2003; 20: 349‒355. 12)Kress JP: Clinical trials of early mobilization of critically ill patients. Crit Care Med. 2009; 37: S442‒S447.. 13)Jones CJ, Rikli RE, et al.: A 30-s chair-stand test as a measure of lower body strength in community-residing older adults. Res Quart Exerc Sports. 1999; 70: 113‒119. 14)Kova KJ, Maurer SG, et al.: The effect of nutritional status on outcome after hipfracture. J Orthop trauma. 1999; 13; 164‒169. 15)横山有里,渡辺 敏,他:高齢心不全患者の下肢筋力と歩 行能力.心臓リハビリテーション.2007; 12: 239‒243. 16)Swets J: A measuring the accuracy of diagnosticsystems. Science. 1988; 240: 1285‒1293. 17)Kortebein P, Symons TB, et al.: Functional impact of 10 days of bed rest in healthy older adults. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2008; 63: 1076‒1081..

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表 1 退院時歩行自立群と非自立群の各測定項目の比較 評価項目 全体 N=60 自立群N=26 非自立群N = 34 P 値 <基本属性> 年齢(歳) 82.0 ± 6.8 80.4 ± 7.4 83.4 ± 6.0 NS 性別(女 / 男) 25/35 12/14 13/21 NS 身長(cm) 150.0 ± 8.1 150.0 ± 9.1 150.0 ± 7.3 NS 体重(kg) 43.5 ± 10.3 43.0 ± 8.5 43.9 ± 11.8 NS BMI(kg/m 2 ) 19.3 ± 4.

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