• 検索結果がありません。

多臓器不全スコアはStanford A 型急性大動脈解離患者における術後早期のリハビリテーションの目標達成を予測する

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "多臓器不全スコアはStanford A 型急性大動脈解離患者における術後早期のリハビリテーションの目標達成を予測する"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)理学療法学 第 98 43 巻第 2 号 98 ∼ 106 頁(2016 年)理学療法学 第 43 巻第 2 号. 研究論文(原著). 多臓器不全スコアは Stanford A 型急性大動脈解離患者における 術後早期のリハビリテーションの目標達成を予測する* 加 藤 倫 卓 1)2)# 森   雄 司 2) 光 地 海 人 2) 川 瀨 翔 太 2) 千 﨑 史 顕 2) 2) 2) 2) 2) 1) 角 谷 星 那  鬼 頭 和 也  内 藤 裕 治  池 戸 利 行  久 保   明 河 合 憲 一 3) 小 澤 章 子 4) 高 木 寿 人 3) 梅 本 琢 也 3). 要旨 【目的】Stanford A 型急性大動脈解離(以下,AAAD)患者において,術後の多臓器不全の評価が,術後 早期のリハビリテーション(以下,リハ)の目標達成(術後 15 日以内の 100 m 歩行の自立)を予測でき るか否かを検討した。【方法】人工血管置換術を受けた 180 例の AAAD 患者を対象とした。術後の多臓 器不全は sequential organ failure assessment(以下,SOFA スコア)を用いて評価し,SOFA スコアと 術後早期のリハの目標達成の可否を調査した。ロジスティック回帰分析と ROC 曲線を使用して,術後早 期のリハの目標達成を予測する要因を抽出し,カットオフ値を求めた。【結果】術後 1 日目の SOFA スコ アは術後早期のリハの目標達成を予測し(オッズ比 2.01,95% CI1.32 ‒ 3.06,p<0.01) ,カットオフ値は 6.5 (AUC0.83,p<0.01)であった。 【結論】AAAD 患者において術後の SOFA スコアは,術後早期のリハの 目標達成を予測する指標であり,術後 1 日目のカットオフ値は 6.5 であった。 キーワード stanford A 型急性大動脈解離,多臓器不全,Sequential organ failure assessment,リハビ リテーション. 生じることが報告されている. 背   景. 3). 。 こ の こ と か ら,. AAAD 患者は術後早期のリハの進行において遅延を生.  AAAD 患者において,胸部大動脈の外科的切除およ び人工血管置換は標準的な治療である. 1). 。 し か し,. 2). じやすく,ガイドラインで示されるリハの目標を達成で きない患者が多いとされている. 4)5). 。リハの進行の遅延. ,また,大動脈の. を認める患者は,ベッド上の臥床時間が延長することに. 分枝血管の障害を合併することから術後に多臓器不全を. より,運動機能や日常生活活動(以下,ADL)の自立. AAAD 患者の手術の侵襲度は高く. *. Multiple Organ Failure Assessment Can Predict Achievement of Early Postoperative Rehabilitation Goal in Patients Undergoing Type A Acute Aortic Dissection Repair 1)常葉大学健康科学部静岡理学療法学科 (〒 420‒0831 静岡県静岡市葵区水落町 1‒30) Michitaka Kato, PT, MSc, Akira Kubo, MD, PhD: Department of Shizuoka Physical Therapy, Faculty of Health Science, Tokoha University 2)国立病院機構静岡医療センターリハビリテーション科 Michitaka Kato, PT, MSc, Yuji Mori, PT, Kaito Kochi, PT, Shota Kawase, PT, Fumiaki Senzaki, PT, Seina Kadotani, PT, Kazuya Kito, PT, Yuji Naito, PT, Toshiyuki Ikedo, PT: Department of Rehabilitation, Shizuoka Medical Center 3)国立病院機構静岡医療センター心臓血管外科 Norikazu Kawai, MD, Hisato Takagi, MD, PhD, Takuya Umemoto, MD, PhD: Department of Cardiovascular Surgery, Shizuoka Medical Center 4)国立病院機構静岡医療センター麻酔科集中治療部 Akiko Ozawa, MD, PhD: Department of Anesthesiology, Shizuoka Medical Center # E-mail: katomanzooo@gmail.com (受付日 2015 年 9 月 30 日/受理日 2015 年 12 月 24 日) [J-STAGE での早期公開日 2016 年 3 月 7 日]. 6) 度が低下することが知られている 。よって,リハの進. 行を予測し,運動機能や ADL の低下を予防するための 治療方針を早期に決定することが,臨床上重要であると 考えられる。しかし,AAAD 患者の多くは緊急手術で あるため,リハの進行の予測は術後の限られた情報から 行わなければならないと考えられる。   近 年, 多 臓 器 不 全 の 評 価 は, 集 中 治 療 室( 以 下, ICU)に入室した患者において,入院中の死亡を予測で きる簡便な臨床指標として有用であるとされている. 7) 8). 。. また,心臓および大血管手術後患者において,術後に評 価された多臓器不全は,ICU の在室日数や在院日数と関 連することが報告されている. 9)10). 。これらのことから,. 術後に評価された多臓器不全は,術後早期のリハの進行 と関連があると考えられ,術後早期のリハの目標達成を.

(2) 大動脈解離患者における術後の多臓器不全とリハビリテーション. 99. 1). 予測できる臨床指標となり得ると考えられる。. されていることから. ,患者の全身状態に問題がなけれ.  本研究は,AAAD 患者の術後に評価された多臓器不. ば,医師の指示の下プログラムを短縮して実施した。. 全が術後早期のリハの目標達成を予測する因子となるか 3.調査測定項目. 否かを調査した。. 1)患者背景因子と周術期の状況. 対象および方法.  年齢,性別,Body Mass Index(以下,BMI) ,術前. 1.対象. の喫煙状況を調査した。また,血清クレアチニン値(以.  2009 年 7 月∼ 2014 年 11 月までの間に,AAAD を発. 下,Cr),血清 C 反応性タンパク(CRP) ,グリコヘモ. 症し国立病院機構静岡医療センターで緊急の人工血管置. グロビン(HbA1c),血清中性脂肪(TG),血清高比重. 換術を受けた患者のうち,術後の理学療法を実施した患. リポタンパクコレステロール(以下,HDL-C) ,血清低. 者 180 例を本研究の対象とした。術前から重度の認知症. 比重リポタンパクコレステロール(LDL-C) ,血清アル. の既往を有する患者,術前に 100 m 歩行が自立してい. ブミン(Alb)および血漿フィブリン・フィブリノゲン. な か っ た 患 者, 残 存 解 離 部 の 大 動 脈 の 最 大 短 径 が. 分解産物(FDP)は,術前の血液検査の結果から調査. 50 mm 以上あるいは術後の播種性血管内凝固症候群の. した。また,術前の血行動態の指標として,SBP,拡張. 遷延により AAAD の標準的なリハプログラム 1 が適応. 期 血 圧(DBP) お よ び HR を 調 査 し た。 さ ら に,. とならずに個別のプログラムを実施した患者,術後経過. DeBakey 分類と偽腔の形態に関しても調査を行った。. 中に再解離や破裂および縦隔炎を生じ再手術となった患. また,周術期の状況として手術の緊急度,術式,手術時. 者,そして術後入院中に死亡した患者を本研究から除外. 間,大動脈遮断時間,術中出血量,人工心肺時間および. した。. 術中の総水分バランスを調査した。なお,患者背景因子.  本研究は,国立病院機構静岡医療センターの倫理委員. と周術期の状況は,入院中のカルテから調査した。. 会の承認を得た(承認番号 23-4)。また,患者には研究. 2)術後の多臓器不全の評価. の目的と内容を説明し同意を得てから解析を行った。.  多臓器不全の評価は sequential organ failure assessment( 以 下,SOFA) ス コ ア を 使 用 し た. 11). 。表 1 に. SOFA スコアを示す。SOFA スコアは呼吸器系,凝固系,. 2.AAAD 術後のリハビリテーション  AAAD 術後のリハは,日本循環器学会のガイドライ 1). 肝臓,心血管系,脳神経系および腎臓の 6 つの臓器の機. ンの標準リハプログラムに準じて実施した 。患者は術. 能障害を評価する。それぞれの臓器は,正常の“0”か. 後 1 ∼ 2 日目に ICU のベッド上において体位交換,呼. らもっとも異常の“4”の点数が与えられ,6 つの臓器. 吸理学療法,ベッドアップを実施した。また,術後 5 日. の点数の総和が SOFA スコアとなる. 目に端座位,7 日目に立位および足踏みを開始すること. は,多臓器不全の評価において信頼性が高いことが報告. を目標とし,足踏みが可能であれば病室内歩行を実施し. されており,簡便かつ継続的に評価ができるように開発. た。その後,術後 9 日目に病棟の廊下において 50 m 歩. されている. 行,15 日目に 100 m 歩行が自立することを目標に歩行. 的に多臓器不全を評価することができると報告されてい. 距離を増大した。また,100 m 歩行が自立となった時点. る. で,病棟のトイレ歩行や病棟歩行を独りで行うことを許. び 3 日目に測定し,各日の SOFA スコアを解析値とし. 可した。その後は,退院するまで漸増的に歩行距離を増. て使用した. 大した。なお,患者のリハプログラムの進行は,理学療. れぞれの日の臓器の最悪値の総和から算出した. 法士が実施した。. 3)術後のリハの進行状況.  術後のリハの開始および進行の基準は,ガイドライン 1). 10). 。SOFA スコア. 11). 。また,特定の疾患にかかわらず,客観. 10). 。SOFA スコアは先行研究を参考に術後 1,2 およ 10). 。なお,術後各日の SOFA スコアは,そ 11). 。.  術後のリハの進行状況を調査するために,術後に端座. 。術後リハの開始. 位を開始した日数(端座位開始日数),立位を開始した. 基準は収縮期血圧(以下,SBP)130 mmHg 未満,心拍. 日数(立位開始日数),歩行を開始した日数(歩行開始. 数(以下,HR)120 回/分未満とし,進行基準は離床. 日数)そして 100 m 歩行が自立した日数(100 m 歩行. や歩行後の SBP が 150 mmHg 未満とした。患者がリハ. 自立日数)を調査した. の開始および進行の基準を満たさず,リハの実施や進行. 歩行補助具の使用の有無にかかわらず,介助なしで連続. が困難な場合は,医師による薬剤投与により血圧および. 100 m の歩行が実施できた場合と定義した. HR の管理が行われた。また,残存解離部の大動脈の最. 4)その他の術後の要因の調査. 大短径が 40 mm 以下の患者,残存解離が偽腔閉塞型で.  術後のリハの進行に影響を与えると考えられる要因と. 潰瘍様突出像を認めない患者,偽腔開存型で真腔が 1/4. して,術後の脳卒中および一過性の脳神経障害(興奮,. 以上の患者に関しては,合併症を起こす危険性が低いと. 混乱およびせん妄),術後の人工呼吸器装着時間. のリハプログラムを参考に進行した. 12). 。なお,100 m 歩行の自立は, 12). 。. 5). ,再.

(3) 100. 理学療法学 第 43 巻第 2 号. 表 1 Sequential organ failure assessment(SOFA)スコア SOFA スコア 0. 1. 2. 3. 4 a. ≦ 100a. 呼吸器系  PaO2/FIO2(mmHg). > 400. ≦ 400. ≦ 300. ≦ 200. 凝固系  血小板(× 103/μ L). > 150. ≦ 150. ≦ 100. ≦ 50. ≦ 20. 肝臓  ビリルビン(mg/dL). < 1.2. 1.2 ‒ 1.9. 2.0 ‒ 5.9. 6.0 ‒ 11.9. > 12.0. 心血管系  低血圧(mmHg)あるいは カテコラミン投与量. なし. MAP < 70 mmHg DOA ≦ 5b あるい DOA > 5b あるい DOA > 1b あるい は DOB 投与(量 は AD ≦ 0.1b ある は AD > 0.1b ある は問わない) いは NAD ≦ 0.1b いは NAD > 0.1b. 脳神経系  Glasgow Coma Scale. 15. 13 ‒ 14. 10 ‒ 12. 6‒9. <6. 腎臓  Cr(mg/dL)あるいは尿量 (mL/day). < 1.2. 1.2 ‒ 1.9. 2.0 ‒ 3.4. 3.5 ‒ 4.9 あるいは < 500. > 5.0 あるいは < 200. a.  人工呼吸器補助下,b μ g/(kg/min) . PaO2,動脈血酸素分圧;FIO2,吸入気酸素分圧;MAP,平均動脈圧;DOA,ドーパミン;DOB,ドブタミン;AD, アドレナリン;NAD, ノルアドレナリン;Cr,血清クレアチニン.. 挿管の有無,持続的血液濾過透析(以下,CHDF)の導. SPSS ver19.0(SPSS Statistics, IBM, Tokyo, Japan)を. 入の有無をカルテから調査した。. 使用した。. 5)術後早期のリハの目標  日本循環器学会のガイドラインは,術後 15 日目まで に 100 m 歩行を実施し,病棟内歩行が自立することを 目標としている. 1). 。このことから,術後 15 日目までに. 100 m 歩行が自立した場合に,術後早期のリハの目標を 達成したと定義した. 12). 。. 結   果  目標達成群と目標非達成群の患者背景因子と周術期の 状況を表 2 に示す。目標達成群は 106 例(59%)であり, 目標非達成群は 74 例(41%)であった。また,目標非 達成群 74 例のうち,退院までに 100 m 歩行が自立した 患者は 58 例(32%) ,退院までに 100 m 歩行が自立し. 4.統計解析. なかった患者は 16 例(9%)であった。目標非達成群の.  患者を,術後 15 日目までに 100 m 歩行が自立した患. 術前の Cr,手術時間,人工心肺時間,術中出血量,術. 者を目標達成群,術後 15 日目までに 100 m 歩行が自立. 中総水分バランスは目標非達成群と比較して有意に高値. しなかった患者を目標非達成群に分類した。. を 示 し( そ れ ぞ れ,P < 0.05,P < 0.01,P < 0.05,P.  2 群間の患者背景因子,周術期の状況,術後の SOFA. < 0.01,P < 0.01),目標非達成群の術前の HDL-C は目. スコア,術後のリハの進行状況およびその他の術後の要. 標達成群と比較して有意に低値を示した(P < 0.05)。. 2. 因の比較は,カテゴリー変数に関しては χ 検定,連続. また,目標非達成群における上行弓部置換または弓部置. 変数に関しては対応のない t 検定を使用した。. 換の患者の割合は,目標達成群と比較して有意に高値を.  術後早期のリハの目標を達成できたか否かを従属変数. 示した(P < 0.01)。. とし,独立変数として術後に評価された SOFA スコア.  目標達成群と目標非達成群における SOFA スコアを. と 2 群間の比較で有意差が認められた変数に加え,調整. 表 3 に示す。目標非達成群の術後 1,2 および 3 日目の. 因子として年齢,性別そして BMI を加え,ロジスティッ. SOFA スコアは,目標達成群と比較して有意に高値を. ク回帰分析を行った。なお,従属変数に対する各日の. 示した(すべて,P < 0.01) 。また,SOFA スコアが 10. SOFA スコアの影響を検討するため,術後 1,2 および. 点以上の極めて高値を示した患者は 27 例であり,うち. 3 日目の SOFA スコアは,それぞれ独立して分析を行っ. 23 例(85%)は目標非達成群であった。SOFA スコア. た。また,ロジスティック回帰分析において抽出された. の臓器別の点数の比較では,目標非達成群の術後 1 日目. 有 意 な 変 数 に 関 し て, 受 信 者 動 作 特 性 曲 線( 以 下,. の呼吸器系,凝固系,心血管系,脳神経系および腎臓の. 13). ROC 曲線). を用いてカットオフ値を算出した。カッ. トオフ値の決定は,Youden index を用いた. 14). 。.  統計処理は有意水準を 5%とした。統計学的解析には. それぞれの点数は,目標達成群と比較して有意に高値を 示 し た( そ れ ぞ れ,P < 0.05,P < 0.05,P < 0.01,P < 0.01,P < 0.05)。また,目標非達成群の術後 2 日目.

(4) 大動脈解離患者における術後の多臓器不全とリハビリテーション. 101. 表 2 患者背景因子と周術期の状況 目標達成群. 目標非達成群. 106. 74. 年齢(歳). 64 ± 12. 67 ± 11. ns. 性別(男性 / 女性). 48 / 58. 44 / 30. ns. n. 2. P. BMI(kg/m ). 24.0 ± 8.5. 23.6 ± 5.1. ns. 喫煙状況(非喫煙者 / 禁煙者 / 喫煙者). 46 / 31 / 29. 36 / 13 / 25. ns. Cr(mg/dL). 0.85 ± 0.32. 1.07 ± 0.77. <0.05. CRP(mg/dL). 1.2 ± 2.3. 0.6 ± 1.0. ns. HbA1c(%). 5.8 ± 0.5. 5.7 ± 0.6. ns. TG(mg/dL). 108 ± 73. 111 ± 69. ns. HDL-C(mg/dL). 55 ± 17. 47 ± 14. <0.05. LDL-C(mg/dL). 116 ± 31. 123 ± 51. ns. 3.6 ± 0.6. 3.4 ± 0.7. ns. 77 ± 136. ns. Alb(g/mL) FDP( μ g/dL). 62 ± 113. SBP(mmHg). 121 ± 24. 116 ± 27. ns. DBP(mmHg). 65 ± 17. 63 ± 13. ns. HR(beats/min). 79 ± 20. 75 ± 23. ns. DeBakey 分類(Ⅰ / Ⅱ). 94 / 12. 65 / 91. ns. 偽腔の形態(開存 / 閉鎖). 62 / 44. 49 / 25. ns. 手術の緊急度(緊急 / 準緊急). 97 / 9. 70 / 4. ns. 術式(上行置換 / 上行弓部置換または弓部置換). 93 / 13. 51 / 23. <0.01. 手術時間(分). 351 ± 91. 414 ± 112. <0.01. 大動脈遮断時間(分). 122 ± 34. 129 ± 31. ns. 人工心肺時間(分). 211 ± 62. 232 ± 50. <0.05. 術中出血量(mL). 1,696 ± 788. 2,698 ± 1,883. <0.01. 術中総水分バランス(mL). 3,376 ± 1,862. 4,331 ± 2,306. <0.01. Mean ± SD.BMI,Body Mass Index;Cr, 血 清 ク レ ア チ ニ ン 値;CRP, 血 清 C 反 応 性 タ ン パ ク; HbA1c,グリコヘモグロビン;TG,血清中性脂肪;HDL-C,血清高比重リポタンパクコレステロール; LDL-C,血清低比重リポタンパクコレステロール;Alb,血清アルブミン;FDP,血漿フィブリン・フィ ブリノゲン分解産物;SBP,収縮期血圧;DBP,拡張期血圧;HR,心拍数.. 表 3 目標非達成群の術後 1,2 および 3 日目の SOFA スコア 術後 1 日目  . 目標達成群. 術後 2 日目. 目標非達成群 †. 目標達成群. 術後 3 日目. 目標非達成群. 目標達成群. 目標非達成群. †. 3.9 ± 1.7. 5.2 ± 2.0†. 1.5 ± 0.7. 1.7 ± 0.5. SOFA スコア合計. 5.7 ± 2.0. 8.6 ± 2.3. 4.7 ± 2.0. 6.5 ± 2.1. 呼吸器. 1.9 ± 0.8. 2.2 ± 0.7*. 1.8 ± 0.7. 2.0 ± 0.5*. 1.3 ± 0.8. 1.5 ± 0.7. 0.2 ± 0.4. 0.1 ± 0.3. 凝固系. 1.5 ± 0.8. 1.8 ± 0.7*. 1.5 ± 0.8. 2.0 ± 0.7*. 肝臓. 0.3 ± 0.5. 0.4 ± 0.7. 0.2 ± 0.5. 0.1 ± 0.3. 心血管系. 0.6 ± 0.9. 1.2 ± 1.1†. 0.1 ± 0.5. 0.4 ± 0.8. 0.1 ± 0.4. 0.3 ± 0.8. 脳神経系. 1.1 ± 0.7. 2.1 ± 1.0†. 0.8 ± 0.7. 1.2 ± 0.9*. 0.5 ± 0.7. 0.9 ± 0.9*. 腎臓. 0.3 ± 0.6. 0.6 ± 0.9*. 0.3 ± 0.7. 0.8 ± 1.0*. 0.3 ± 0.7. 0.7 ± 1.0*. * P<0.05,† P<0.01. Mean ± SD.SOFA,sequential organ failure assessment.. の呼吸器系,凝固系,脳神経系および腎臓のそれぞれの.  目標達成群と目標非達成群における術後早期のリハの. 点数は,目標達成群と比較して有意に高値を示した(す. 進行状況を表 4 に示す。目標非達成群の術後の端座位開. べて,P < 0.05)。目標非達成群の術後 3 日目の脳神経. 始日数,立位開始日数,歩行開始日数そして 100 m 歩. 系と腎臓のそれぞれの点数は,目標達成群と比較して有. 行自立日数は,目標達成群と比較して有意に高値を示し. 意に高値を示した(すべて,P < 0.05)。. た(すべて,P < 0.01) 。.

(5) 102. 理学療法学 第 43 巻第 2 号. 表 4 術後早期のリハの進行状況と人工呼吸器装着期間 目標達成群. 目標非達成群. P. 端坐位開始日数(日). 2±1. 5±3. <0.01. 立位開始日数(日). 4±2. 9±6. <0.01. 歩行開始日数(日). 6±2. 15 ± 10. <0.01. 100 m 歩行自立日数(日). 8±3. 23 ± 10. <0.01. 表 5 術後早期のリハの目標達成を従属変数とした多変量解析 β. P. OR. 95% CI. a. 0.70. <0.001. 2.01. 1.32 ‒ 3.06. 術後 2 日目の SOFA スコア b. 0.63. <0.03. 1.87. 1.06 ‒ 3.31. 術後 3 日目の SOFA スコア. 0.61. 0.09. 1.65. 0.92 ‒ 2.81. 術後 1 日目の SOFA スコア. a. 2. 2. モデル χ 検定 P<0.001;Hosmer-Lemeshow 検定 P=0.09;Nagelkerke R 0.61. モデル χ 2 検定 P<0.14;Hosmer-Lemeshow 検定 P=0.15;Nagelkerke R2 0.51. SOFA, sequential organ failure assessment. b.  従属変数に術後早期のリハの目標達成の有無を,独立 変数に各日の SOFA スコアと 2 群間で有意であった術 前の HDL-C と Cr,術式,手術時間,人工心肺時間,術 中総水分バランス,さらに調整因子として年齢,性別, BMI を加えた多変量解析の結果を表 5 に示す。その結 果,術後 1 および 2 日目の SOFA スコアが,術後早期 のリハの目標達成に独立して関連する因子として抽出さ れた(それぞれ,オッズ比 2.01,95%信頼区間 1.32 ‒ 3.06, P < 0.001;オッズ比 1.87,95%信頼区間 1.06 ‒ 3.31,P < 0.03) 。ROC 曲 線 を 用 い て 術 後 1 お よ び 2 日 目 の SOFA スコアのカットオフ値を求めた結果を図 1 に示 す。術後 1 日目の SOFA スコアのカットオフ値は 6.5 (ROC 曲線下面積 0.83,P < 0.001,感度 84%,特異度 71%),術後 2 日目のカットオフ値は 5.5(ROC 曲線下 面積 0.71,P < 0.01,感度 56%,特異度 69%)であった。  目標達成群と目標非達成群におけるその他の術後の要. 図 1 ROC 曲線を使用した術後 1 および 2 日目の SOFA ス コアのカットオフ値 ROC 曲線,受信者動作特性曲線;SOFA,sequential organ failure assessment;AUC,area under the curve.. 因を表 6 に示す。目標非達成群における術後の脳卒中と 一過性の脳神経障害を合併した患者の割合は,目標達成 群と比較して有意に高値を示した(それぞれ,P < 0.05,. て関連する要因であることが示された。. P < 0.01) 。目標非達成群の人工呼吸器装着時間と再挿.  SOFA スコアは,心臓および大血管手術後の患者に. 管された患者の割合は,目標達成群と比較して有意に高. おいて,ICU 在室中や入院中の死亡を予測することが. 値 を 示 し た( そ れ ぞ れ,P < 0.01,P < 0.05)。 ま た,. できると報告されている. 8)10)15). 。また,Laukontaus ら. 両群において CHDF を導入した患者の割合に有意な差. の報告では,破裂性腹部大動脈瘤患者において,術後の. は認めなかったが,CHDF を導入した患者の割合は目. SOFA スコアは 30 日後の死亡を予測する独立した要因. 標非達成群で高い傾向であった。. であると報告している. 考   察. 9). 。これらのことから,術後の. SOFA スコアは予後予測だけでなく,術後早期のリハ の目標達成を予測できる臨床指標になると考えられた。.  本研究は,AAAD 患者の術後に評価された SOFA ス.  ROC 曲線による解析の結果,術後 1 日目の SOFA ス. コアが,術後早期のリハの目標達成を予測する因子とな. コアは,感度と特異度において術後 2 日目と比較して高. るか否かを調査した。その結果,術後 1 および 2 日目の. 値を示した。このことから,術後 1 日目の SOFA スコ. SOFA スコアは,術後早期のリハの目標達成に独立し. アは 2 日目の SOFA スコアと比較して,術後早期のリ.

(6) 大動脈解離患者における術後の多臓器不全とリハビリテーション. 103. 表 6 その他の術後の要因 目標達成群. 目標非達成群. P. 脳卒中(例【%】 ). 3(3). 15(20). <0.05. 一過性の脳神経障害(例【%】). 10(9). 28(38). <0.01. 人工呼吸器装着時間(時間). 98 ± 40. 254 ± 172. <0.01. 再挿管(例【%】 ). 7(7). 16(22). <0.05. CHDF(例【%】). 6(6). 9(12). ns. Mean ± SD.CHDF,持続的血液濾過透析.. ハの目標達成を予測するのにより適していると考えられ. 手術後は,心臓手術と比較して術後の脳卒中や一過性の. た。また,術後 1 日目の SOFA スコアのカットオフ値. 脳神経障害の合併率が高いとされており,特に弓部置換. は 6.5 であった。先行研究によると,ICU に入室した患. 術において多く合併することが報告されている. 者の死亡を予測する際の SOFA スコアのカットオフ値. た,術後の脳卒中や一過性の脳神経障害の合併は,人工. 7). 21). 。ま. は 8 であるとされている 。また,心臓手術後患者では,. 呼吸器装着期間の延長だけでなく,離床を困難とさせる. 術後の SOFA スコアの最大値が 9 以上であると,ICU. ことが知られている. の在室日数が延長し死亡率が上昇することが報告されて.  第 3 に,術後の腎臓の障害が挙げられる。AAAD 患. いる. 10). 。本研究から得られたカットオフ値は,術後早. 5). 。. 者は術後の急性腎障害(以下,AKI)を合併することが 22). ,術後の AKI の合併は術前の腎機能が低下して. 期のリハの目標達成の可否を予測するものである。よっ. 多く. て,予後予測をアウトカムとした先行研究と単純にその. いるほど生じやすいと報告されている. 数値を比較することは難しいが,術後 1 日目の SOFA. に AKI を合併した患者は,体液管理に難渋し呼吸循環. スコアが 7 以上の場合,術後早期のリハの目標達成が困. 動態が不安定となることから,リハの進行に遅延を生じ. 難となるという結果は,妥当であると考えられた。. ることが報告されている.  術後の SOFA スコアの高値と術後早期のリハの遅延. 合併についての調査は実施していない。しかし,SOFA. との関連には,いくつかの要因が考えられる。. スコアの腎臓の項目と AKI の評価で用いられる The.  第 1 に,術後の呼吸器系の障害が挙げられる。本研究. Risk, Injury, Failure, Loss, and End-stage kidney. において,目標非達成群における SOFA スコアの呼吸. disease classification(RIFLE 分類)は,両者とも血清. 器系の点数と人工呼吸器装着時間は,目標達成群と比較. クレアチニンあるいは尿量によって評価することか. し て 有 意 に 高 値 を 示 し て い た。 先 行 研 究 に よ る と,. ら. AAAD 患者の多くは,術後に呼吸機能障害を認めると. の間には関係性があると考えられる。本研究において,. 報告されている. 16). 。術後の呼吸機能障害は人工呼吸器 17). 23). 。また,術後. 24). 。本研究において,AKI の. 25). ,SOFA スコアの腎臓の点数と AKI の合併の有無. 目標非達成群における SOFA スコアの腎臓の点数は,. ,リハの進行を遅延させること. 目標達成群と比較して有意に高値を示していたことか. 。特に,長時間の手術や人工心肺. ら,目標非達成群は目標達成群と比較して AKI の合併. の使用は,炎症性サイトカインの多量の産生により肺の. 率が高かったことが推測された。また,術後の AKI は. 毛細血管の透過性を亢進させ,その結果肺水腫を引き起. CHDF の 導 入 率 を 高 め る こ と が 知 ら れ て お り. こすことにより酸素化を低下することが知られてい. CHDF を装着した患者は歩行を含めた離床が困難であ. 装着時間を延長させ が報告されている. 18). 19). 26). ,. 。さらに本研究では,目標非達成群における再挿. ると報告されている。本研究において,目標非達成群に. 管された患者の割合は,目標達成群と比較して有意に高. おける CHDF を導入した患者の割合は,目標達成群と. 値を示していた。再挿管の原因は,上気道狭窄による換. 比較して高い傾向であった。これらのことから,AKI. 気不全や痰の喀出困難から生じる酸素化不全が主な原因. の合併や CHDF の導入が,術後のリハを遅延させる要. であり,再挿管は人工呼吸装着時間を延長させることが. 因となったと考えられた。. る. 知られている. 20). 。.  第 4 に,術後の心血管系の障害が挙げられる。本研究.  第 2 に,術後の脳神経系の障害が挙げられる。本研究. において,目標非達成群における SOFA スコアの心血. において,目標非達成群における SOFA スコアの脳神. 管系の点数は,目標達成群と比較して有意に高値を示し. 経系の点数は,目標達成群と比較して有意に高値を示し. た。心臓外科術後患者において,低心拍出量症候群(以. ていた。また,目標非達成群における術後の脳卒中と一. 下,LOS)に伴うカテコラミンの使用量と術後の歩行自. 過性の脳神経障害を合併した患者の割合は,それぞれ. 立日数を検討した報告では,術後のカテコラミンの使用. 20%と 38%であり,高い割合であった。AAAD 患者の. 量が多いほど歩行自立が遅延する患者が多いことを報告.

(7) 104. 理学療法学 第 43 巻第 2 号. している 27)。AAAD 患者の手術では,術中の心停止に よる虚血再灌流障害により,術後の心機能は一時的に低 下し LOS の原因となることが知られている. 28). 。また,. があると考えられる。 結   論. 長時間の人工心肺の使用は,術後の LOS に伴うカテコ.  AAAD 患者における術後に評価された SOFA スコア. 29). は,術後早期のリハの目標達成を予測する臨床指標にな. SOFA スコアにおける心血管系の評価は,カテコラミ. ると考えられた。また,術後早期のリハの目標達成を予. ンの投与の有無あるいは使用量により点数化されること. 測する術後 1 日目の SOFA スコアは 6.5 であった。. ラミンの使用と関連があることが報告されている. 。. から,LOS に伴う術後のカテコラミンの使用量が多い ほど,リハの遅延が生じることが示唆された。  第 5 に,炎症性サイトカインによる筋タンパクの異化 作用が挙げられる。心臓血管外科術後に多臓器不全を発 症した患者は,炎症性サイトカインの有意な上昇を認め ることが知られている. 30). 。炎症性サイトカインが高値. であった患者は,筋タンパクの異化作用が亢進すること から,低値であった患者と比較して,術後に骨格筋量の 有意な低下を生じたと報告されている. 30). 。骨格筋量の. 低下は筋力の低下と関連していることから. 31). ,術後の. 歩行や ADL の再獲得の阻害因子になると考えられる。 このことから,多臓器不全の合併は,炎症の亢進による 骨格筋量と筋力の低下を介して,術後早期のリハの目標 達成に影響を与えた可能性も考えられた。  SOFA スコアが高値であった患者は,これらの要因 が複合的に合併することにより,リハの進行が遅延し, その結果,術後早期のリハの目標達成が困難となったと 考えられた。 本研究の限界  本研究において,多臓器不全の指標として SOFA ス コ ア を 使 用 し た が, 多 臓 器 不 全 の 評 価 に は Cardiac Surgery Score. 15). や Multiple organ dysfunction score 32). などの評価法も知られている。SOFA スコアは他の評 価法と比較して,先行研究の数が多く比較が容易である という理由から,本研究において SOFA スコアを採用 した。今後は,その他の多臓器不全の評価法の調査も行 い,術後早期のリハの目標達成に関して予測精度の高い 評価表を検討することも必要であると考えられる。ま た,AAAD 患者は大血管の分枝血流障害によっても多 臓器不全が生じることが知られている. 33). 。しかし,本. 研究は緊急手術後の AAAD 患者を対象とした後ろ向き の調査であるため,造影剤を使用したコンピュータ断層 撮影の時期や頻度が,患者毎に異なっていた。よって, 多臓器不全の原因として,分枝血流障害がどの程度影響 しているかを調査することができなかった。さらに,本 研究において,リハの目標達成が困難であった理由とし て,骨格筋量および筋力の問題を挙げている。しかし, 本研究では術後の骨格筋量および筋力の測定を実施して いない。今後,これらに関する前向きの検討を行い,目 標達成ができなかった要因の詳細な調査を実施する必要. 文  献 1)Guidelines for diagnosis and treatment of aortic aneurysm and aortic dissection (JCS 2011): digest version. Circ J. 2013; 77(3): 789‒828. 2)Appoo JJ, Pozeg Z: Strategies in the surgical treatment of type A aortic arch dissection. Ann Cardiothorac Surg. 2013; 2(2): 205‒211. 3)Yagdi T, Atay Y, et al.: Impact of organ malperfusion on mortality and morbidity in acute type A aortic dissections. J Card Surg. 2006; 21(4): 363‒369. 4)渡辺 敏,井澤和大,他:大動脈解離および大動脈瘤急性 期リハビリテーションプログラム逸脱理由の検討.心臓リ ハビリテーション.2010; 15(1): 165‒168. 5)齊藤正和,上坂建太,他:多施設共同研究による偽腔開存 型 Stanford type A 急性大動脈解離術後患者の術後リハビ リテーション進行の検討.心臓リハビリテーション.2014; 19(1): 84‒89. 6)Needham DM: Mobilizing patients in the intensive care unit: improving neuromuscular weakness and physical function. JAMA. 2008; 300(14): 1685‒1690. 7)Ferreira FL, Bota DP, et al.: Serial evaluation of the SOFA score to predict outcome in critically ill patients. JAMA. 2001; 286(14): 1754‒1758. 8)Ceriani R, Mazzoni M, et al.: Application of the sequential organ failure assessment score to cardiac surgical patients. Chest. 2003; 123(4): 1229‒1239. 9)Laukontaus SJ, Lepantalo M, et al.: Prediction of survival after 48-h of intensive care following open surgical repair of ruptured abdominal aortic aneurysm. Eur J Vasc Endovasc Surg. 2005; 30(5): 509‒515. 10)Patila T, Kukkonen S, et al.: Relation of the Sequential Organ Failure Assessment score to morbidity and mortality after cardiac surgery. Ann Thorac Surg. 2006; 82(6): 2072‒2078. 11)Vincent JL, de Mendonca A, et al.: Use of the SOFA score to assess the incidence of organ dysfunction/failure in intensive care units: results of a multicenter, prospective study. Crit Care Med. 1998; 26(11): 1793‒1800. 12)Saitoh M, Takahashi T, et al.: Factors determining achievement of early postoperative cardiac rehabilitation goal in patients with or without preoperative kidney dysfunction undergoing isolated cardiac surgery. J Cardiol. 2013, 61(4): 299‒303. 13)Zweig MH, Campbell G: Receiver-operating characteristic (ROC) plots: a fundamental evaluation tool in clinical medicine. Clin Chem. 1993; 39(4): 561‒577. 14)Youden WJ: Index for rating diagnostic tests. Cancer. 1950; 3(1): 32‒35. 15)Badreldin AM, Doerr F, et al.: Comparison between Sequential Organ Failure Assessment score (SOFA) and Cardiac Surgery Score (CASUS) for mortality prediction after cardiac surgery. Thorac Cardiovasc Surg. 2012; 60(1): 35‒42. 16)Jo Y, Anzai T, et al.: Early use of beta-blockers attenuates.

(8) 大動脈解離患者における術後の多臓器不全とリハビリテーション. systemic inflammatory response and lung oxygenation impairment after distal type acute aortic dissection. Heart Vessels. 2008; 23(5): 334‒340. 17)Holmes JHt, Connolly NC, et al.: Magnitude of the inflammatory response to cardiopulmonary bypass and its relation to adverse clinical outcomes. Inflamm Res. 2002; 51(12): 579‒586. 18)Oura K, Morisawa T, et al.: Determinants of prolonged mechanical ventilation after cardiac surgery. Kyobu geka. 2014; 67(7): 528‒532. 19)Tonz M, Mihaljevic T, et al.: Acute lung injury during cardiopulmonary bypass. Are the neutrophils responsible? Chest. 1995; 108(6): 1551‒1556. 20)今 中  秀: 大 動 脈 緊 急 疾 患 の 術 後 管 理 の コ ツ.ICU と CCU.2011; 35: 227‒236. 21)Mehta RH, O’Gara PT, et al.: Acute type A aortic dissection in the elderly: clinical characteristics, management, and outcomes in the current era. J Am Coll Cardiol. 2002; 40(4): 685‒692. 22)Qiu Z, Chen L, et al.: Analysis of risk factors for acute kidney injury after ascending aortic replacement combined with open placement of triple-branched stent graft in type A aortic dissection: a new technique versus the traditional method in a single Chinese center. Med Sci Monit. 2015; 21: 674‒680. 23)Imasaka K, Tayama E, et al.: Preoperative renal function and surgical outcomes in patients with acute type A aortic dissectiondagger. Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2015; 20: 470‒476. 24)齊藤正和,上坂建太,他:心臓外科手術後のカテコラミン 投与量およびリハビリテーション進行に対する術前腎機能 障害ならびに術後急性腎障害の影響の検討.理学療法学.. 105. 2012; 39(7): 410‒417. 25)Bellomo R, Ronco C, et al.: Acute renal failure ‒ definition, outcome measures, animal models, fluid therapy and information technology needs: the Second International Consensus Conference of the Acute Dialysis Quality Initiative (ADQI) Group. Crit Care. 2004; 8: R204‒R212. 26)Olsson C, Franco-Cereceda A: Impact of organ failure and major complications on outcome in acute Type A aortic dissection. Scand Cardiovasc J. 2013; 47(6): 352‒358. 27)堀健太郎,齊藤正和,他:待機的心臓外科手術後患者にお けるカテコラミン製剤の投与状況と術後リハビリテーショ ン進行との関連.心臓リハビリテーション.2014; 19(1): 143‒149. 28)Kouchoukos NT, Doty DB, et al.: Kirklin/BarrattBoyes Cardiac Surgery (3rd ed). Churchill Livingstone, Edinburgh, 2003, pp. 196‒214. 29)今井英一:組織ドプラ法を用いた心機能評価による心臓手 術後変力作用薬補助予測の有用性.新潟医学会雑誌.2011; 125(3): 134‒141. 30)Puthucheary ZA, Rawal J, et al.: Acute skeletal muscle wasting in critical illness. JAMA. 2013; 310(15): 1591‒1600. 31)Chen L, Nelson DR, et al.: Relationship between muscle mass and muscle strength, and the impact of comorbidities: a population-based, cross-sectional study of older adults in the United States. BMC geriatrics. 2013; 13: 74. 32)Marshall JC, Cook DJ, et al.: Multiple organ dysfunction score: a reliable descriptor of a complex clinical outcome. Crit Care Med. 1995; 23(10): 1638‒1652. 33)Pacini D, Leone A, et al.: Acute type A aortic dissection: significance of multiorgan malperfusion. Eur J Cardiothorac Surg. 2013; 43(4): 820‒826..

(9) 106. 理学療法学 第 43 巻第 2 号. 〈Abstract〉. Multiple Organ Failure Assessment Can Predict Achievement of Early Postoperative Rehabilitation Goal in Patients Undergoing Type A Acute Aortic Dissection Repair. Michitaka KATO, PT, MSc, Akira KUBO, MD, PhD Department of Shizuoka Physical Therapy, Faculty of Health Science, Tokoha University Michitaka KATO, PT, MSc, Yuji MORI, PT, Kaito KOCHI, PT, Shota KAWASE, PT, Fumiaki SENZAKI, PT, Seina KADOTANI, PT, Kazuya KITO, PT, Yuji NAITO, PT, Toshiyuki IKEDO, PT Department of Rehabilitation, Shizuoka Medical Center Norikazu KAWAI, MD, Hisato TAKAGI, MD, PhD, Takuya UMEMOTO, MD, PhD Department of Cardiovascular Surgery, Shizuoka Medical Center Akiko OZAWA, MD, PhD Department of Anesthesiology, Shizuoka Medical Center. Purpose: The purpose of this study was to investigate whether multiple organ failure assessment measured after surgery predicted the achievement of early postoperative rehabilitation goal in patients undergoing type A acute aortic dissection (AAAD) repair. Methods: We enrolled 180 AAAD patients (mean age of 65 ± 12 years, 92 males) who had undergone surgery. The sequential organ failure assessment (SOFA) score was used after surgery to measure the degree of multiple organ failure. For the postoperative duration, we investigated the number of days it took patients to successfully complete a 100-meter walk without assistance. The achievement of the early postoperative goal was defined as <15 days. Significant factors that affected achievement of the early postoperative rehabilitation goal were extracted. Cut-off values were determined by using multivariate logistic regression analysis and receiver operating characteristic curves. Results: Of 180 AAAD patients, 74 did not achieve the early postoperative rehabilitation goal. The SOFA score at 1, 2 and 3 days after surgery were significantly higher in non-achieved patients than achieved patients (p < 0.01 for all). The SOFA score for the first day after surgery was a significant predictor of achievement of early the postoperative rehabilitation goal (OR, 2.01; 95 % CI, 1.32 ‒ 3.06; p<0.001). The SOFA score cut-off value was determined to be 6.5, with a sensitivity of 0.84 and a specificity of 0.71. Conclusions: The SOFA score at first day after surgery is an independent predictor of achievement of early postoperative rehabilitation goal in patients undergoing AAAD repair, with a cut-off value of 6.5. Key Words: Type A acute aortic dissection, Multiple organ failure, Sequential organ failure assessment, Rehabilitation.

(10)

参照

関連したドキュメント

The purpose of this paper is to guarantee a complete structure theorem of bered Calabi- Yau threefolds of type II 0 to nish the classication of these two peculiar classes.. In

Beyond proving existence, we can show that the solution given in Theorem 2.2 is of Laplace transform type, modulo an appropriate error, as shown in the next theorem..

The theory of log-links and log-shells, both of which are closely related to the lo- cal units of number fields under consideration (Section 5, Section 12), together with the

We relate group-theoretic constructions (´ etale-like objects) and Frobenioid-theoretic constructions (Frobenius-like objects) by transforming them into mono-theta environments (and

The theory of log-links and log-shells, which arise from the local units of number fields under consideration (Section 5), together with the Kummer theory that relates

The theory of log-links and log-shells, both of which are closely related to the lo- cal units of number fields under consideration (Section 5, Section 12), together with the

Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”

Purpose: This study was to investigate relation between results of repeat calculation and the cerebral blood flow using near infrared spectroscopy (NIRS).. Method: Subjects were