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食における多感覚知覚

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Academic year: 2021

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DOI: http://doi.org/10.14947/psychono.38.23

食における多感覚知覚

1

和 田 有 史

立命館大学

Multisensory Perception on eating

Yuji Wada

Ritsumeikan University

Taste perception is determined by multiple factors. The sensation of taste includes gustation, olfaction, other organ functions and interactions among them, and not only such sensory information but also physiological, social and cultural contexts. Recent findings on the response of taste receptors to high salt stimuli might provide psycho-logical insight on strong salty taste as a multisensory perception. Many studies have shown that subjective taste in-tensity is enhanced by odors that are congruent. Some reports have suggested that subjective taste is more strongly enhanced by retronasal than by orthonasal odor detection. Differences between the two routes include the direction of airflow accompanying breathing. Thus, the kinetic sensation of breathing might be a determining factor for odor-induced taste enhancement. As well as effects of multisensory perception on taste, preference and palatability on food are not just determined by multisensory perception, but other multiple factors such as physical condition, cul-tural difference, learning, and the effect of heuristics on risk perception.

Keywords: multisensory perception, gustation, olfaction, eating behavior

食品の“あじ”は物としての食品の特徴を意味する場 合もあるし,飲食に伴って生じる感覚的な経験を意味す る場合もある (小早川・後藤,2018)。感覚・知覚の文 脈から基礎心理学で言及する“あじ”は後者であること が多いだろう。Figure 1は,感覚的経験としての“あじ” の構成要素を“おいしさ”などの感情的側面とともに図 示したものである。人間の嗜好性をも含む“あじ”は, 狭義の味覚だけでなく,五感とそれらの相互作用,心身 の状態や文化,社会心理学的要因をも内包する。もちろ ん,この階層構造は絶対的なものではなく,研究者の立 場によって異議はあるだろうし,フレーバーや味覚,味 などの用語の定義も大なり小なりずれがあるが,本稿で はこの図に基づき,食の心理学のターゲットを整理しな がら,食における多感覚知覚について,味嗅覚相互作用 を中心に解説する。

味覚 (gustation)と味 (taste sense)

味覚は舌に存在する茸状乳頭,葉状乳頭,有郭乳頭等 を中心に口腔内に分布する味蕾にある味覚受容体が味物 質を受容し,味覚神経によって中枢に伝播される。その 中でも基本味は,甘味,うま味,苦味,酸味,塩味の五 つであり,人間の感覚で明確に識別できる味質である。 味覚は栄養や毒を検出するために重要な役割を果たす。 例えば,甘味,うま味,塩味はそれぞれ炭水化物,たん ぱく質,ミネラルなどのシグナルとなり,選好すべき食 品の味質として感じられる。胎生35週程度の人間の早 産の新生児に,出産直後に甘さを感じさせるグルコース 溶液を与えると吸啜運動がより強く誘発される (Tatzer, Schubert, Timischl, & Simbrunner, 1985)。このことは胎生 期には甘味に対する選好が存在することを示唆してい る。新生児の味覚選好については,Steinerの実験が有名 だ (Steiner, 1979)。新生児に様々な味溶液を呈示すると, 甘味に対して受容的な表情を示し,酸味や苦味に対して 拒否的な表情を示したという。酸味,苦味は腐敗物,毒 物のシグナルであり,選好されない味質である。この側 面から考えると味覚は動物に先天的に備わっている生体 Copyright 2019. The Japanese Psychonomic Society. All rights reserved. Corresponding address: Ritsumeikan University, 1–1–1

Noji-Higashi, Kusatsu, Shiga 525–8577, Japan. E-mail: yujiwd@fc.ritsumei.ac.jp

1 本研究はJSPS科研費16H01682, 18H03665の助成を受

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防御機能でもある。 トウガラシに含まれるカプサイシンやワサビの辛さは 味蕾の味細胞ではなく,それぞれ自由神経終末に存在す るTRIPV1 や TRIPA1 に よ っ て 受 容 さ れ, 三 叉 神 経 に よって中枢に信号が伝播するため,味覚の定義に当ては まらず,むしろ痛覚を含む体性感覚に分類される。しか し,これらの受容体の反応は口腔内に存在する食品から もたらされた場合,人間は食品の特徴である辛味として 認識する。それは口腔内で受容される化学物質によって もたらされ,味覚ではないが日常的な食品の“あじ”を 構成する要素である (日下部,2017)。 これらの受容体の反応は,「塩味と辛味」,というよう に別々の属性として感じられる時もあるが,ひとつの “あじ”として感じられることもある。例えば,塩分が 強い食品に対する「塩辛い」という日常的な感覚体験は 塩味の受容体の反応のみで成立するのではない。高濃度 の塩はマウスの味蕾では苦味と酸味の受容細胞 (Oka, Butnaru, Buchholtz, Ryba, & Zuker, 2013), さらにはTRIPV1 で も受 容 さ れ る (Ruiz, Gutknecht, Delay, & Kinnamon, 2006)。したがって,塩という単一物質に由来する「塩 辛い」という“あじ”は複数の味覚受容体と体性感覚の 多感覚統合によってもたらされるともいえる。 風味 (flavor) と食味 (taste) 口腔内で受容される刺激だけでなく,それらと嗅覚が 結びつくことで形成される風味(flavor)も“あじ”の 重要な構成要素である。鼻が詰まったときには味気なく 感じることからもわかるように,匂いは食品のおいしさ にとって重要な要因である。例えばバニラの香りによっ て甘味が増強され,食品の風味を豊かにする。このよう な嗅覚による味覚増強は,味嗅覚刺激に対して味覚のみ についての評価を行うときに顕著に表れるが,同様の刺 激に対して味覚・嗅覚の両者について強度評定を行わせ ると減少する。このことから嗅覚による味覚増強は,認 知的なバイアスとして生じる Halo dumping効果の影響 が強いといわれている (Clark & Lawless, 1994)。いずれ にせよ嗅覚が味覚の印象に与える影響は繰り返し報告さ れている。 嗅覚は鼻腔の嗅粘膜に存在する受容体が匂い分子を受 容することによって生じる。この匂い分子は鼻孔からだ けでなく,呼気とともに鼻咽腔側からも嗅粘膜に到達す る。匂い分子の鼻孔からの経路はオルソネーザル経路, 鼻咽腔側からの経路はレトロネーザル経路という。食品 の特徴を知覚するにあたって,両経路からもたらされる 嗅覚情報の影響が非常に強いが,味覚増強のような食に かかわる匂いの情報処理ではレトロネーザル経路の匂い がより大きなインパクトを与えるという考えがある (Bojanowski & Hummel, 2012)。レトロネーザル経路から の匂いがオルソネーザル経路の匂いと性質が異なる原因 はいくつか考えられている。ひとつは化学的な変化等に Figure 1. A schematic illustration showing “taste” components.

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よりレトロネーザル経路の香気成分とオルソネーザル経 路の香気成分が変化することである。例えば,固形の食 品を咀嚼することによって食品中の香気成分が放出し, 食べる以前に食品をオルソネーザル経路では感じられな かった匂いが口中から生じる。また,赤ワインの鉄分が 魚介の脂質に作用することで不快な魚臭のような匂いを 感じさせるカルボニル化合物が生成される (Tamura et al., 2009)。これは化学的な変化などにより両経路の香気 成分が変化することを示している。 上記の例は両経路からの香気成分に違いが生じる例だ が,人間の認知システムも両経路の匂いの食味に与える 影響に違いを生じさせる原因とする仮説もある。鼻腔内 の嗅上皮での香気の動きの方向や,三叉神経の活動,テ クスチャーなどが様々な要因が関与する (Bojanowski & Hummel, 2012)。鼻孔と鼻咽腔にカニューレを挿入して 気化した香気成分を呈示し,両経路からの刺激に対する 脳活動を計測したところ,オルソネーザル経路刺激より もレトロネーザル経路刺激に対して,ローランド弁蓋部 という口腔の体性感覚刺激に反応する中心溝の基底部よ りさらに下方にある部位が活動することが示された (Small, Gerber, Mak, & Hummel, 2005)。これは,経路の 違いによって嗅覚刺激に対する情報処理が異なることを 示唆している。 さらに,我々の研究グループは,呼吸と同期した嗅覚 刺激と味覚刺激との時間的な順序が嗅覚による味覚促進 にとって重要であることを示した (Kakutani et al., 2017; 角谷他,2019)。Kakutani et al. (2017) の実験では,嗅覚 刺激と味覚刺激の呈示順序の異なる2種類の課題を行っ た。この実験を実施するために参加者の呼吸と連動して 嗅覚刺激を前鼻腔経路と後鼻腔経路にそれぞれ呈示でき る嗅覚刺激装置を開発した。本装置は,ヘッドセットに 設置された 2つのチューブを介して,鼻孔と口腔内に 別々に嗅覚刺激を呈示できる (Figure 2)。呼吸と嗅覚刺 激を連動させ呈示時間を制御するために,鼻の前に設置 されたサーミスタ温度計で呼吸を測定する。嗅覚刺激に はバニラエッセンスを,味覚刺激にはスクロース溶液を 用いた。味覚刺激呈示では,溶液の入ったシリンジを参 加者に持たせ,指示に合わせてプランジャーを押し込ま せて溶液を飲ませ,味覚強度を評価させた。前鼻腔経路 条件では味覚刺激呈示前に,後鼻腔経路条件では味覚刺 激呈示後に嗅覚刺激を呈示する実験と,反対に,前鼻腔 経路条件では味覚刺激呈示後に,後鼻腔経路条件では味 覚刺激呈示前に嗅覚刺激を呈示する実験を設けた。ま た,両実験ともに前鼻腔経路では吸気,後鼻腔経路では 呼気に合わせて嗅覚刺激を呈示した。その結果,スク ロース溶液に対する甘味強度は,味覚刺激後の後鼻腔経 路経由で呈示したバニラ香によって増強されることが示 された。加えて,嗅覚刺激呈示と味覚刺激呈示の順序を 入れ替えた実験においては,嗅覚呈示経路によらず嗅覚 刺激による味覚増強は観察されなかった。つまり,嗅覚 刺激による味覚増強においては嗅覚呈示経路および味覚 と嗅覚の時間的な順序が重要な要因であり,後鼻腔経路 経由の嗅覚刺激を味覚刺激後に呈示することで味覚増強 が引き起こされたのである。これは,呼吸という運動感 覚との連動も味嗅覚によるフレーバーに関係することを 示している。 ここまで化学感覚を中心にフレーバーについて概説し たが,実際は呼吸までも巻き込んでフレーバーが形成さ れている可能性があることも述べた。これに関連して, 最近,哺乳類の嗅細胞は嗅覚刺激だけでなく,呼吸によ る機械刺激によっても活動し,両刺激は嗅球にある僧帽 細胞の発火のタイミングに基いて区別されることが報告 されている (Iwata, Kiyonari, & Imai, 2017)。呼吸による機 械刺激が嗅細胞への入力となり,嗅球の僧帽細胞におい て呼吸の周期に同期した神経活動の振動が生じるが,神 経活動の振動の位相が嗅覚刺激によって変化する。つま り,匂いの情報は呼吸刺激のリズムから僧帽細胞の発火 のタイミングがずれることにより表現される。 Figure 1ではフレーバーを化学感覚の組み合わせとし てとらえているが,上記のようにこれには呼吸運動など も関与しているのである。さらに食味は,他の感覚によ る食品の感覚情報も内包し,それらの感覚情報は互いに 相互作用する。

Figure 2. A headset of olfactory display used by Kaku-tani et al. (2017).

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選好・嗜好 (preference, palatability) Figure 1においては周辺に配置しているが,心身の状 態や食文化・食経験,付加情報の要因は,食行動にとっ て本質的な要因である。例えば先に述べた基本味に対す る選好の程度は一律ではなく,生体の生理状態によって 変化する。身体にはそれぞれの物質の最適量があり,こ の最適量が満たされるとホメオスタシス (恒常性維持) のために食行動が抑制される。その一方で,カロリー制 限をしたサルに比べると,同じ期間,好きなだけ食品を 摂取しつづけたサルは老化が早いことが示されている (Colman et al., 2009)。これは,欲求に従って食物摂取を すると健康に負の影響を及ぼすことを示しており,霊長 類の食行動の調整メカニズムは,食料が簡単に手に入る 現代の先進国の環境には適応していないことを示唆して いる。 経験の影響も顕著である。親近性の学習は胎児期から はじまっている。妊娠の後期,もしくは生後2カ月間に 母親がニンジンジュースを毎日飲み,羊水や母乳を通じ て児をニンジンの香りになじませると,月齢6カ月程度 の乳児には,母親がニンジンジュースではなく水を飲む 条件下の乳児に比べて,ニンジンの香りに対する受容的 な反 応 が 見 ら れ る (Mennella, Jagnow, & Beauchamp, 2001)。 また,食品に感じる魅力,摂取量などの食行動の増減 には,文化や社会的な文脈などが強く影響し,それによ る個人差も顕著である。例えば,納豆のような発酵食品 については,匂いや外観に対する好悪の個人差が大き い。経験により食品と連合した発酵臭は好ましいが,そ れ以外の一般的な発酵臭は腐敗と連合して逆に嫌悪対象 となると考えらえる。つまり,食品に感じるおいしさ は,食品そのものの特性ではなく,食と人の間に生じる 個人的な感情と考えた方が妥当である。 食品に対する嗜好性は口に入れてからの評価や知覚だ けでなく,食品の安全性や価値の認識のような社会背景 と人間の認知特性の影響を受ける。食品安全や機能に関 わる情報は専門的な知識を持たない一般消費者には難解 であることが多い。これは単なる消費者の知識不足だけ に由来するのではなく,人間の認知システムが関連す る。 例 え ば, 我 々 の 研 究 グ ル ー プ で は,Kahneman (2012) が提唱した二重過程理論に基づいて開発された 思考傾向(直感的,分析的)を測定する簡便なテスト (Cognitive Reflection Test: CRT; Frederick, 2005) を用いた 調査を行った (Honda et al., 2015a, 2015b; 井上他,2017)。 このテストは3問からなり,ヒューリスティクスにより 導かれる解は典型的な誤答となりやすく,正解を導くに はその直感的に浮かぶ解を抑えて分析的に考えることが 求められる。インターネット調査をすると,一般の調査 参加者の40%程度はCRTの得点が0点であり,正答数が あがるにつれて,その割合が減少する (Frederick, 2005; Honda et al., 2015a)。我々の研究グループが福島第一原 発事故後に,架空の現場近海の海産物の印象について尋 ねる調査を行った結果,放射線に対する過度な恐れを示 す因子の因子得点は,CRT得点が低いほど強いことが明 らかになった (Honda et al., 2015b)。この傾向は,医師を 含む健康や食品の専門的職業群では,一般群に比べ因子 得点が低いものの,両群で CRT得点との負の関係があ ることが示された。一方で,基準値への信頼を表す因子 ではこうした個人差はなかった。また,食品の機能性の ようなポジティブな科学情報の認識も認知傾向の影響を 受けやすいことも示した (井上他,2018)。 以上のように,基礎心理学のターゲットになりうる食 行動には,多感覚知覚を含む知覚情報処理から認知や文 化の個人差まで多様な要因が関与する。それぞれの研究 は,これらの一部を切り出して検討していくことになる が,その他の要因との関係を意識して研究計画や考察を 行っていくことが,食の基礎心理学の体系を築いていく ためには望ましい。 引用文献

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Figure 2. A headset of olfactory display used by Kaku- Kaku-tani et al.  (2017).

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