平成
30 年度
神戸大学大学院工学研究科 博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(一): 数学
問題用紙の枚数
ページ番号
数学
2 枚
1, 2
解答用紙の枚数
数学
4 枚
ただし,計算用紙を
1 枚配付
専門科目(一)数学
1
[数学]
1. 行列 A 0 0 1 5 . 0 0 5 . 0 5 . 0 5 . 0 0 A について,次の(1),(2)に答えなさい. (1) 固有方程式を示して,固有値を求めなさい.ただし,固有値は,固有ベクトルはx としなさい. (2) 固有ベクトルを求めなさい. 2. 弾丸が地点 a から発射される事象を x ,そうでない事象をx とおく.この弾丸が地点 b で検知される事象を y ,そうでない事象を yとおく.弾丸が発射される確率は 5 . 0 ) (x P である.弾丸が発射されても検知されない確率はP(y|x)0.2である一方 で,発射されなくても検知される確率はP(y|x)0.2である.このとき,弾丸が検知 されたが発射されなかった確率P(x|y)を求めなさい.専門科目(一)数学 3. 次の積分の値を求めなさい.ただし,log は自然対数,e は自然対数の底を示す. (1) e e dx x x 2 ) log(log (2)
dx
x
e
2xsin(
3
)
4. 次の微分方程式の一般解を求めなさい. (1) y ax ay x dx dy ただし, x y をuとおいたときu22au10を仮定してよい. (2) y ex e x dx dy dx y d 2 3 2 2 [数学 最終ページ]平成
30 年度
神戸大学大学院工学研究科
博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(二): 構造力学
問題用紙の枚数
ページ番号
構造力学
3 枚
1, 2, 3
解答用紙の枚数
構造力学
4 枚
ただし,計算用紙を
1 枚配付
試験日時:平成
29 年 8 月 28 日(月) 9:30〜10:30
専門科目(二)構造力学
[構造力学]
1. 図-1 に示すトラスについて,部材力 L,D を求めなさい.ただし,引張を正とする. 図-1 トラス P 60° 60° 60° 60° l l l A B P D L専門科目(二)構造力学
2
2.図-2 に示す構造物について,せん断力図及び曲げモーメント図を描きなさい.ただし, P =ql とする.曲げモーメント図では,構造物の軸線に沿う破線の側に変形が凸とな る曲げモーメントを正とする.また,各断面力図には正負を明示しなさい. 図-2 問題 2 の構造 P (=ql) q l l/2 l/2 A B l l C D P (=ql)専門科目(二)構造力学 3.図-3 に示す構造において,点 a に鉛直荷重 P が作用する.このとき,以下の問に答え なさい.ただし,部材 ad,be,cf の曲げ剛性は EI(E:ヤング係数,I:断面二次モー メント)とする.一方,部材ab,bc の軸剛性 EA(A:は断面積)は限りなく大きく, 部材の伸縮量は無視できるものとする. (1) 支点 d,e,f における鉛直反力 Rd,Re,Rfをそれぞれ求めなさい.ただし,上向きを正 とする. (2) 点 c におけるたわみ δcを求めなさい.たわみは下向きを正とする. 図-3 問題 3 の構造 [構造力学 最終ページ]
a
b
c
d
e
f
P
l
l
2l
l
l
平成
30 年度
神戸大学大学院工学研究科
博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(二): 水理学
問題用紙の枚数
ページ番号
水理学
3 枚
1, 2, 3
解答用紙の枚数
水理学
4 枚
ただし,計算用紙を
1 枚配付
試験日時:平成
29 年 8 月 28 日(月) 11:00〜12:00
専門科目(二)水理学
[水理学]
1. 図-1 のように複断面河道とそれに対応する堤防がある.このとき以下の問に答えなさ い.ただし,以下では単位奥行き1m あたりについて考え,水の密度を 1000 kg/m3,重 力加速度を 9.8 m/s2として計算しなさい.なお,問(1),(2)に関しては,水流は静止状 態にあるとし,縦断河床勾配を無視してよい. (1) 図-1 の①に水面があるときに,断面 CD にかかる全水圧,その x 方向成分,z 方向成分, および全水圧の作用点位置のz 座標を求めなさい. (2) 図-1 の②に水面があるときに,断面 CD にかかる全水圧,その x 方向成分,z 方向成分, および全水圧の作用点位置のz 座標を求めなさい. (3) 図-1 の①に水面がある河道断面 DCGHD を考える.この断面の径深 R,潤辺 S,通水断 面積A を求めなさい.また,流速がマニングの平均流速公式に従い,粗度係数が n=0.03 m(-1/3)s, 流量が Q=1000 m3/s のとき,この河道の縦断河床勾配を求めなさい. 図-1 複断面河道と対応する堤防 参考:台形の図心yGは以下のようである. yG=h 3 (2a+b) (a+b)専門科目(二)水理学
2
2. 開水路に関する以下の問に答えなさい. (1) 図-2 のような開水路(ただし奥行きは一定)について,以下の問に答えなさい.なお, 上流からの流量Q は一定であるとする. a) 全水頭 E を図-2 中の s(水路床高さ),h(水深),u(流速)を用いて記述しなさい. ただし,対象区間内で摩擦などによるエネルギー損失はない(全水頭は一定)とする. b) dh dxと ds dxの関係式を導きなさい.その際, Fr= u √ghの関係を使いなさい.ただし,gは重力 加速度である. c) H=s+h とするとき,dH dxと ds dxの関係を導きなさい. (2) 水路床の傾きと水面形の関係について,表-1 の[ア]~[ク]に該当する等号,不等号を答 えなさい. 表-1 水路床の傾きと水面形 水路床の傾き 常流:Fr[ア]1 射流: Fr[イ]1 ds dx<0 dH dx [ウ]0 dH dx [エ]0 ds dx=0 dH dx [オ]0 dH dx [カ]0 ds dx>0 dH dx [キ]0 dH dx [ク]0 図-2 開水路 (参考図であり現実を忠実に再現したものではない)専門科目(二)水理学 3. 図-3 のように全長 370 m,管径 200 mm の鋳鉄管でできた管水路があり,曲がりが 2 箇 所ある.貯水池の水位は一定に保たれている.管水路の入口損失係数fe=0.3,2 箇所それ ぞれの曲がり損失係数はいずれもfb=0.1 である.管入口 E と入口側の曲がり点 B の間の 管長は120 m,点 B と出口側の曲がり点 C の間の管長は 150 m,点 C と出口 D の間の管 長は100 m であり,貯水池の水面と管路の出口 D の間の高低差は 27 m である.なお, 重力加速度を9.8 m/s2としなさい. (1) 一様な管水路流の層流状態の摩擦損失係数 f とレイノルズ数 Re の関係を説明しなさい. その際,以下の言葉と式を用いなさい. ・ダルシー・ワイスバッハ(Darcy–Weisbach)の式 ・ハーゲン・ポワジューユ(Hagen-Poiseuille)流れ (注)ハーゲン・ポワジューユ(Hagen-Poiseuille)流れでは,以下の関係が成り立つ.
u=
gD2 32νI
ここでu:流速,g:重力加速度,ν:動粘性係数,D:管の直径,I:動水勾配である. (2) 摩擦損失係数 f=0.031,エネルギー補正係数 α=1.1 として,管内の流速 u を求めなさい. 図-3 管水路の概形 (縮尺は縦方向や管水路を強調するために変えてある) [水理学 最終ページ]平成
30 年度
神戸大学大学院工学研究科
博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(二): 土質力学
問題用紙の枚数
ページ番号
土質力学
4 枚
1, 2, 3, 4
解答用紙の枚数
土質力学
4 枚
ただし,計算用紙を
1 枚配付
試験日時:平成
29 年 8 月 28 日(月) 14:30〜15:30
専門科目(二)土質力学
[土質力学]
1. 土構造物を作るための土をある一様な地盤から採取した.この土の土粒子密度は 2.70 (g/cm3)で,含水比は 15.0(%)であった.以下の問に答えなさい.ただし,水の密度は 1.0(g/cm3)としなさい. (1) 地盤の湿潤密度が 1.70(g/cm3) であったとき,地盤の間隙比と飽和度を求めなさい. (2) この土材料を締固めて乾燥密度 1.70(g/cm3)の土構造物を作製した.土の含水比は変化 しないものとして,この土構造物の湿潤密度を求めなさい. (3) 土構造物完成後に降雨があり,土の飽和度が 100(%)となった.この時の土の湿潤密度 を求めなさい.専門科目(二)土質力学
2
2. 不透水性の岩盤斜面に図-1 に示すような 2 つの水路(2×2(m)の正方形断面)を建設す る.水路の間は透水性の大きな土で埋め戻すものとする.今,2 つの水路が満杯となり 水の流れは定常状態となっている.透水性層の浸透水は地表面に平行に流れるものと すると,下方の水路右側の壁面から水路内に流入する単位奥行き当たりの水量Q(m3/日 /m)はいくらになるかを求めなさい.ただし,透水性層の透水係数は 5.0×10-5(cm/s)であ り,等方的な透水性を持つものとする. 図-1 建設する 2 つの水路の状況 水路 水路 1000(m) 不透水性岩盤 2(m) 2(m) 標高 991(m) 標高 998(m)専門科目(二)土質力学 3. 鉛直深度 z 方向に一次元の飽和地盤を考える.このとき,間隙水を考慮した土と水との 連成場における静的な力学挙動は,以下の支配方程式で記述できる.ただし,圧縮を正 とし,微小変形場を仮定している.以下の問に答えなさい. ・つり合い式 g 0 z , ・有効応力式 pw, ・連続式 v t z , ・ダルシー則 h v k z ,および ww p h g , ・ひずみ-変位関係 u z , ・土の構成式 mv t t , ここに, は全応力,は有効応力,pwは間隙水圧,は飽和土の密度,gは重力加速 度,は微小ひずみ,vは間隙水の流速,hは間隙水の全水頭,は間隙水の位置水頭, w は間隙水の密度,uは変位である.また,k は透水係数で一定であると仮定し,mv は土の圧縮係数であって一定であると仮定する. (1) 全応力が時間的に変化しないと仮定して,Terzaghi の一次元圧密方程式を誘導しなさい. ただし,水頭の基準高さを地表面(z=0)にとると,pwは過剰間隙水圧となり, w w w w p p h g g となることを用いなさい. (2) Terzaghi の一次元圧密方程式の誘導においては,支配方程式のいくつかを用いていない. どの支配方程式が含まれていないかを指摘しなさい.さらに,そのことによって, Terzaghi の一次元圧密方程式の適用に限界が現れる.その内容を箇条書きで答えなさい.
専門科目(二)土質力学
4
4.均一水平な半無限飽和正規圧密粘性土地盤がある.地盤内の初期応力は等方的であり, 間隙水圧分布は初期には静水圧分布であるとする.この地盤に盛土と掘削の 2 つの荷 重履歴(盛土載荷と掘削除荷)を考える.図-2 に示すように,盛土の中央直下の地盤内 の土要素をA,盛土の法尻から少し離れた地盤内の土要素を B,掘削底面中央直下の地 盤内の土要素を C,掘削側面付近の地盤内の土要素を D とする.以下の問に答えなさ い. (1) 図-3 に,全応力経路①,②,③,④を示している.土要素 A,B,C,D が経験する全 応力の変化は,それぞれ全応力経路①,②,③,④のどれに最も近いかを答えなさい. ただし,図-3 の鉛直応力と水平応力は初期応力で正規化されている. (2) 荷重履歴を与える前に,地盤内の粘性土不攪乱試料を採取して三軸非排水せん断試験 を行ったところ,図-3 の一点鎖線で示される有効応力経路(I→P および I→P’)と有効 応力に基づく破壊線を得ている.比較的短時間で盛土と掘削を行うと,土要素 A,B, C,D 内の間隙水圧はどのように変化するかを,それぞれの土要素に対して述べなさい. (3) 安定問題として取り扱う時,短期安定問題(荷重履歴を与えた直後が最も危険となる場 合)と長期安定問題(荷重履歴を与えて時間が経過するほど危険となる場合)がある. ここでの盛土と掘削はそれぞれどちらの安定問題として取り扱うべきかを,図-3 に示 される各土要素の応力の変化から説明しなさい. [土質力学 最終ページ] 図-2 飽和粘性土地盤への盛土と掘削 図-3 盛土と掘削に伴う応力経路 盛土 掘削 A B C D 半無限水平 飽和正規圧密 粘性土地盤 I ① ② ③ ④ P P’ 鉛直全応力,鉛直有効応力 水平全応力,水平有効応力平成
30 年度
神戸大学大学院工学研究科
博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(二):土木計画学
問題用紙の枚数
ページ番号
土木計画学
2 枚
1, 2
解答用紙の枚数
土木計画学
4 枚
ただし,計算用紙を
1 枚配付
専門科目(二)土木計画学
1
[土木計画学]
1. 次の問に答えなさい. (1) 以下の問に答えなさい. a) ベルヌーイ試行において,i (=1, 2, ⋯) 回目の試行で事象が起こった場合に 1,起こらな かった場合には 0 の 2 値をとる確率変数をXiと表す.各回の試行で事象の起こる確率 がpであるとき,確率変数Xiの平均E[Xi]と分散 V[Xi]をそれぞれ求めなさい. b) n 回のベルヌーイ試行のうち,事象が起こる回数X(= ∑ni=1Xi)は二項分布 B(n, p)に従う. 確率変数Xについて,平均 E[X]=np,分散 V[X]=np(1-p)が成り立つことを示しなさい. c) K 市では,パーク・アンド・ライド駐車場の設置に関する社会実験を実施した.実験 では,ある駅周辺の駐車場を通勤用のパーク・アンド・ライド駐車場として確保し,無 作為に抽出した周辺地区に居住するマイカー通勤者 100 人に一定期間にわたって利用 してもらった.実験終了後の被験者を対象としたアンケートでは, 100 人中 24 人が 「パーク・アンド・ライド通勤を継続したい」と回答した.この結果から,周辺地区に おけるマイカー通勤からパーク・アンド・ライド通勤への転換率pの信頼区間を信頼係 数95 %で推定しなさい.推定にあたっては,標本サイズが十分に大きいことから中心 極 限 定 理 の 適 用 が 可 能 で あ る . 標 準 正 規 分 布 N(0, 1) に 従 う 変 数 z に つ い て , P(|z|≤1.96)=0.95であることを利用しなさい.なお,標本比率の分散に含まれる母数pの 代わりに,その点推定値p̂を用いて近似的に計算してもよい. (2) ある構造物の状態は「健全」か「破壊」のいずれかであるが,真の状態を正確に知るこ とはできない.簡易点検の結果,破壊状態にある確率が 0.7 であると判定された.い ま,この構造物に対して詳細な検査を行うとしよう.ただし,この検査法も100 %信頼 できるものではなく,検査結果が正しくでる確率は0.8 である.すなわち,0.2 の確率 で誤った結果がでる.詳細検査の結果が「健全」であったとき,構造物が破壊状態にあ る確率をベイズの定理を用いて求めなさい(計算過程も簡単に示すこと).専門科目(二)土木計画学 2. 以下の数理最適化問題を解きなさい.また,解答には計算過程を示しなさい. (1) Maximize. Zy12y2y3 0 , 0 , 0 30 5 5 2 28 3 2 4 14 2 subject to 3 2 1 3 2 1 3 2 1 3 2 1 y y y y y y y y y y y y (2) Maximize f(x1,x2)7ln