2018年の日米株見通し
2017年12月
目次
米国株見通し
米国株見通し
…
P.3
ポイント① 米景気拡大の持続性 「3つの要因」
…
P.4
ポイント① 米景気拡大の持続性
「雇用増・所得増の継続」
…
P.5
ポイント① 米景気拡大の持続性
「技術革新による生産性向上」
…
P.6
ポイント① 米景気拡大の持続性
「政策を背景とした設備投資の拡大」
…
P.7
ポイント② 企業業績
…
P.8
ポイント③ 株価バリュエーション
…
P.10
参考 海外からの還流資金で自社株買いが増加へ
…
P.11
日本株見通し
日本株見通し
…
P.13
ポイント① 国内景気の持続性
…
P.14
ポイント② 米欧金融政策正常化による円安効果
…
P.15
ポイント③ 業績評価の継続
…
P.16
ROEからみた日本株長期展望
…
P.17
長期展望① 企業収益拡大と余剰資本の活用
…
P.18
長期展望② ROEとPBRによる上値試算
…
P.19
需給
…
P.20
テクニカル
…
P.21
今後の予定
…
P.22
留意事項および金融商品取引法に係る重要事項
…
P.23
(月次:2013/1~2018/12)
S&P500指数の予想1株当たり利益(EPS)
および予想株価収益率(PER)の推移
1400 1600 1800 2000 2200 2400 2600 2800 3000 3200 110 120 130 140 150 160 170 180 190 200 13 14 15 16 17 18 19 13 14 15 16 17 18 19 13 14 15 16 17 18 19米国株見通し
業績拡大や法人税減税への期待を背景に、NYダウは2018年末にかけて27500ドルに上昇へ
(注1)単位はドル (注2)2017/12/5時点のみずほ証券予想。矢印は前四半期末との比較イメージ 出所:みずほ証券作成 (年) (ポイント) (ドル) S&P500指数 (右目盛) 市場予想EPS (左目盛) 法人税減税による 最終利益押し上げを 加味した予想EPS (左目盛) (年) (倍) (注1)S&P500指数は2017/11まで。18/3・6・9・12は17/11/13時点のみずほ証券予想 (注2)市場予想EPSはトムソン・ロイターによる市場予想集計、12ヵ月先予想。2018/3・6・ 9・12は17/11/30時点の18年および19年の予想EPSから算出 (注3)法人税減税による最終利益の押し上げは、法人税率の35%から22%への引き下げ、 2018年適用を前提に、みずほ証券投資情報部が試算 出所:各種資料よりみずほ証券作成 予想PER (左目盛) 16倍 17倍 15年~16年は おおむね16倍~17倍 政策期待背景に、 PERは18倍超に 上昇 18.5倍 (17年11月)【見通し】
2018年の米国株は、米企業業績の拡大期待、法人税減
税による最終利益押し上げ見込みを背景に上昇基調継
続へ
NYダウの年間予想レンジは23500ドル~28000ドル。年前
半に減税効果の織り込みで26000ドル台に上昇した後、夏
~秋は11月中間選挙情勢の見極めで上値の重い展開を
想定。年末にかけ28000ドル台を目指そう
(ポイント)
①米景気拡大の持続性
②企業業績
③株価バリュエーション
18年 19年 市場予想 11.4% 10.1% 減税込み 20.9% 10.1% 予想EP S 伸び 率( 前年比) 1月~3月 4月~6月 7月~9月 10月~12月 24272 23500~26000 24500~27000 25000~27500 25500~280002018年末までのNYダウ想定レンジ
11/30時点 2018年(月次:1990/1~2017/11) 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16
ポイント① 米景気拡大の持続性 「3つの要因」
2009年7月から始まった今回の米景気拡大局面は2017年11月で101ヵ月に達し、1991年3月~2001年3月の120ヵ月、1961年2月~69年12月の106ヵ
月に次ぐ長さとなっている
1991年3月~2001年3月の過去最長の景気拡大局面でNYダウは3.4倍に上昇。今回の拡大局面に当てはめると、NYダウは18年末に27000ドル程度、
19年6月に29000ドル程度に上昇する計算となる
「雇用増・所得増の継続」「技術革新によるインフレ抑制」「政策を背景とした設備投資の拡大」が米景気拡大の持続を支え、米国株の上昇基調が続
く公算
米景気拡大の持続を支える3つの要因
米景気循環とNYダウ
(ドル) (年) (注)NYダウは景気の山もしくは谷をつけた時の値を記載した(17年11月除く) 出所:各種資料よりみずほ証券作成 120ヵ月(過去最長) 73ヵ月 17年11月で101ヵ月 (過去3番目) 24272ドル (17年11月) 2913ドル (91年3月) 9878ドル (01年3月)NYダウは3.4倍に NYダウは1.3倍に NYダウは2.9倍に 9851ドル (01年11月) 13264ドル (07年12月) 8447ドル (09年6月) ヒューレット・ パッカード採用 (97年3月) マイクロソフト、 インテル 採用 (99年11月)
「雇用増・所得増の継続」「技術革新によるインフレ抑制」「政策による成長押し上げ」が景気拡大持続のカギに
出所:みずほ証券作成景気拡大
持続へ
雇用増・所得増の
継続
政策を背景とした
設備投資の拡大
技術革新による
生産性向上
ポイント① 米景気拡大の持続性 「雇用増・所得増の継続」
雇用・賃金に増加余地、「雇用増加→所得増加→消費拡大→企業収益拡大→雇用増加」の好循環が継続へ
米労働参加率の推移
(月次:2005/1~2017/10) 62 63 64 65 66 67 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17米失業者に占める長期失業者の割合
(月次:2005/1~2017/10) 10 20 30 40 50 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17米失業率と平均時給の推移
(月次:2008/1~2017/10) 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 3 4 5 6 7 8 9 10 11 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (年) (年) (年) (%) (%) (%) (%) 失業率 (左逆目盛) 平均時給伸び率 (右目盛) ↑失業率低下 ↓失業率上昇 2017年10月の米失業率は4.1%と2000年12月の3.9%以来の低水準となった。ただ、労働参加率や長期失業者の割合等は08年金融危機前の水準に
戻っていないうえ、失業率の低下ペースに比べて賃金の上昇は鈍い。高齢化やグローバル化の進展等の構造変化を考慮しても、いまだ雇用や賃金
に増加余地が見込まれる
雇用および賃金の増加により米GDPの7割を占める個人消費の拡大が継続、これにより企業収益が増加し雇用および賃金が増加するという米景気
拡大を支える好循環が維持される見通し
雇用および賃金の増加余地を示唆
雇用増加
賃金増加
企業収益
拡大
消費拡大
(注1)労働参加率:16歳以上人口に占める (注1)労働力人口の割合 (注2)長期失業者:失業期間が27週(約半年) (注2)以上の失業者 (注3)平均時給伸び率は前年同月比 出所:ブルームバーグのデータより 出所:みずほ証券作成好循環が継続へ
(月次:1990/1~2017/10)
米物価上昇率(前年同月比)の推移
0 1 2 3 4 5 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 (四半期:1990/3~2017/9)米実質GDP成長率(前年同期比)の推移
▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 (四半期:1990/3~2017/9)米労働生産性の推移
▲ 1 0 1 2 3 4 5 6 7 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)の活用による生産性の向上でコストを削減しつつ生産力を高めることが可能となり、成長加速とインフレ抑
制が両立へ。過去、1990年代後半の米国はIT化の進展で労働生産性が向上し、成長率が押し上げられる一方でインフレ率は抑制された
インフレが抑制されれば、米連邦準備理事会(FRB)の引き締めバイアスが強まらず金利上昇ペースは抑制され、米景気拡大の持続性が高まるとみ
られる
(%) (年) (注)データは非農業部門、前年同期比 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成IT革命
AI・IoT
革命へ
(%) (%) (年) (年) (注)データは個人消費支出デフレーター(除く食品、エネルギー) 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 GDP 成長率 平均 前半 2.4 後半 4.0 前半 2.7 後半 0.9 前半 2.1 後半 2.2 1990 年代 2000 年代 2010 年代 (注)2010年代後半の平均は2017年7-9月期まで 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 平均 平均ポイント① 米景気拡大の持続性 「技術革新による生産性向上」
AIやIoTの活用による生産性の向上で、コストを削減しつつ生産力を高めることが可能に
物価 上昇率 平均 前半 3.1 後半 1.7 前半 1.7 後半 2.0 前半 1.6 後半 1.5 1990 年代 2000 年代 2010 年代 成長 加速 インフレ 抑制 (単位:%) (単位:%)ポイント① 米景気拡大の持続性 「政策を背景とした設備投資の拡大」
税制改革で企業の手元資金が一段と増加へ、余剰資金が設備投資等に向かい経済成長を押し上げる公算
税制改革で企業の手元資金が増加へ
法人税減税
仮に法人税率が現行の35%から主要先進国平均並みの22%に引き下げら れれば、米主要500社の最終利益を8%程度押し上げへ (みずほ証券投資情報部の試算)海外留保利益の
米国への還流
現状、米国企業が海外利益を本国に送金すると35%の税負担が発生。トラ ンプ政権と共和党は、海外留保利益の1度限りの低率課税を行い、米国 への資金流入を促す方針 出所:各種資料よりみずほ証券作成 2016年以降、株主還元の減少や設備投資の抑制により、企業預金の増加ペースが加速。今後、法人税減税の利益押し上げや海外留保利益の米
国への還流で企業の手元資金は一段と増加しよう。企業は手元資金の活用に迫られ、余剰資金が設備投資や企業買収、株主還元に向かう公算
2017年に入り、企業利益の拡大や原油安の一巡で設備投資が横ばいから拡大に転じた。政策を背景とした手元資金の増加が設備投資の拡大を後
押しし、米景気拡大の持続性を高めよう
米国企業の税引後利益と預金残高の推移
(四半期:2001/3~2017/6) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 01 03 05 07 09 11 13 15 17 利益 (兆ドル) (年) 08/12 預金残高 (注)利益は年換算。預金残高は事業会社の当座および普通預金の残高 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成米設備投資の推移
(四半期:2005/3~2017/9) 14,000 16,000 18,000 20,000 22,000 24,000 26,000 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (注)年換算、実質ベース 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 (億ドル) (年) 08/12 金額 金額 08/12比 (億ドル) (億ドル) (%) 利益 6,714 17,747 164.3 預金 3,960 12,888 225.5 17/6米主要500社および情報技術セクターの
2017年利益伸び率(前年比)予想の推移
12.5 10.9 11.4 11.5 11.8 12.1 10.4 12.2 15.2 18.7 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 17/1/1 17/4/1 17/7/1 17/10/1 17/11/30 主要500社 情報技術 2017年利益 2017年通年 2018年通年 ウエート予想 予想 予想 (%) (前年比、%) (前年比、%) 主要500社 11.8 11.2 情報技術 23.2 18.7 12.2 金融 17.6 8.8 15.7 ヘルスケア 16.0 7.4 6.9 一般消費財 10.9 5.8 9.1 資本財 9.8 4.1 9.2 生活必需品 7.8 5.7 7.8 エネルギー 3.4 354.8 37.3 公益 3.3 1.8 4.6 通信 3.1 ▲ 2.0 ▲ 0.3 不動産 2.6 2.5 6.2 素材 2.1 13.9 17.0米主要500社業種別の利益伸び率見通し
ポイント② 企業業績(1/2)
ハイテク企業の高成長と米景気拡大の持続で2ケタ増益継続へ、法人税率22%への引き下げで2割増益が視野に
トムソン・ロイターの11/30時点の市場予想集計によると、米主要500社(S&P500指数構成企業)の2018年利益伸び率予想は前年比+11.2%と、17年
の同+11.8%に続く2ケタ増となる見通し。背景として、ハイテク企業の高成長および米景気拡大の持続見込みが挙げられる
みずほ証券投資情報部では、仮に米法人税率が現行の35%からトランプ大統領が言及した22%に引き下げられた場合、主要500社の2018年利益伸
び率が前年比+20%程度に上方修正されると試算している
情報技術(ハイテク)セクターの2017年利益伸び率予想は17年初時点で前年比+12.1%であったが、ネット広告やクラウドサービス、半導体への需要
が好調で、11/30時点で同+18.7%に上方修正された。AIやIoTの利用拡大を背景に情報技術の18年利益見通しも上振れが見込まれ、主要500社全
体の業績拡大をけん引しよう
(年/月/日) (%) (注)トムソン・ロイターの市場予想集計 出所:トムソン・ロイターのデータよりみずほ証券作成 (注)トムソン・ロイターの市場予想集計、11/30時点 出所:トムソン・ロイターのデータよりみずほ証券作成 法人税減税で 20%程度に 上方修正へ 2018年も 500社全体の 業績拡大を けん引へ(月次:2011/1~2017/11) 30 40 50 60 200 250 300 350 400 11 12 13 14 15 16 17 世界の半導体出荷額(左目盛) S&P500情報技術株指数の予想EPS(右目盛)
2017年に入り世界の半導体出荷額が急拡大しており、ネット関連サービスの利用拡大、AIやIoTの活用が進み、ハイテク企業の利益を押し上げたこ
とが示唆される
IoT普及を背景にネットに接続される機器数は2010年→20年に4倍に伸び、1人当たりの機器数は2010年の1.8台から2020年に6.4台に増加する見通
し。ハイテク企業の成長余地はなお大きいといえる。また、半導体産業は3年~4年の周期で好不況を繰り返す傾向があったが、需要が飛躍的に拡
大する「スーパーサイクル」に入ったとの見方もある
ポイント② 企業業績(2/2)
ネットに接続される機器数は2010年の1人当たり1.8台から20年に6.4台に増加へ、ハイテク企業の成長の支えに
インターネットに接続される機器数は世界人口を超える
出所:シスコ・システムズ、総務省資料よりみずほ証券作成。予想はシスコ・システムズ1,000台
100万台
48億人 2020年予想500億台
2010年 55億人 64億人 78億人 1992年 1984年 2003年 69億人5億台
125億台
世界の半導体出荷額と
米ハイテクセクター利益予想の推移
(年) (ドル) (億ドル) (注1)半導体出荷額は、月次出荷額(3ヵ月移動平均)の前年同月比伸び率。2017/9まで (注2)予想EPSは12ヵ月先予想 出所:ブルームバーグおよびトムソン・ロイターのデータよりみずほ証券作成(年次:1995~2017)
米実質GDP成長率とS&P500指数の予想PER
8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 ▲ 4 ▲ 3 ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 6S&P500指数およびS&P500情報技術株指数の12ヵ月先予想PER
(月次:1995/1~2017/11) 0 10 20 30 40 50 60 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 17ポイント③ 株価バリュエーション
AIやIoTによる生産性向上で米経済および企業利益の成長が加速するとの期待から、PER切り上がりの可能性も
(年) (注) 予想PERはトムソン・ロイターが市場予想を集計して算出した12ヵ月先予想EPSより算出 出所:トムソン・ロイターのデータよりみずほ証券作成 (倍) 2017年 1999年 1998年 2000年 1997年IT革命
量的
金融緩和
AI・IoT
革命へ
(%) (倍) (実質GDP成長率・前年比) ( 1 2 ヵ 月 先 予 想 P E R) (注1)2017年の実質GDP成長率は、17年10月時点の国際通貨基金予測 (注2)予想PERは年末時点、2017年は11月末時点 出所:トムソン・ロイターおよびブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 2017年の米株高のけん引役は情報技術株。11月末時点で情報技術株指数の年初来騰落率は37.0%と、2位(ヘルスケア、20.9%)以下を大きく上回る
S&P500指数および情報技術株指数の予想PERはそれぞれ18.5倍、19.0倍に上昇したが、米実質GDP成長率(前年比)が4%を超えていた1997年~
2000年に、両指数の12ヵ月予想PERは20倍超に上昇した
今後、AIやIoTの活用による生産性向上で米経済成長の加速が見込まれるほか、インフレ抑制で金利上昇は緩やかなペースにとどまろう。GDP成長
率の3%台への上昇で、S&P500指数の予想PERは許容される水準として20倍超も想定されよう
(単位:倍) 00/3 17/11 情報技術株指数 51.5 19.0 S&P500指数 24.3 18.5 予想PE R 情報技術株 指数 S&P500指数参考 海外からの還流資金で自社株買いが増加へ(P.7補足)
ブッシュ(子)政権の事例を当てはめると、自社株買いの増加でS&P500指数のEPSが4%上昇する計算に
米国の海外からの配当・払い戻し金受取額
(四半期:2002/3~2017/6) 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17米国の企業利益とネット自社株取得額
(年次:2002~2017) 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 ネット自社株取得額(左目盛) 企業利益(左目盛) NYダウ(右目盛) ・ 2005年限定で適用 ・ 米国内での再投資に使われる場合に限り、 還流資金への適用税率を35%から5.25%に 引き下げ ブッシュ(子)政権下でのレパトリ減税 (億ドル) (注)季節調整済み 出所:ブルームバーグのデータ等、各種資料よりみずほ証券作成 (年) (億ドル) (ドル) (年) (注1)ネット自社株取得額=自社株取得額-株式発行額、2016年まで (注2)2017年のNYダウは11/30時点 (注3)企業利益は税引後、在庫評価・資本減耗調整後。2016年まで 出所:ブルームバーグのデータ等、各種資料よりみずほ証券作成 トランプ政権および共和党は、税制改革により米国企業が海外に留保している利益の米国への還流を促す仕組みを導入する方針
ブッシュ(子)政権で実施されたレパトリ減税では、米国企業の海外留保利益6,000億ドルのうち3,000億ドルが米国に還流したとされる。還流資金のう
ち約8割が自社株買いに充てられたと分析されており、2005年~07年にかけてネット自社株取得額が急増。株価の押し上げにつながったとみられる
足元、米国企業の海外留保利益は2.5兆ドル程度とみられている。2005年のレパトリ減税の事例を当てはめると、1兆ドル規模の資金が自社株買い
に向かい、S&P500指数のEPSを4%程度押し上げる計算となる
日本株見通し
日経平均株価は春先から年央にかけ24000円~25000円視野に、年後半は先行きの景気鈍化懸念で調整含みに
【見通し】
2018年は、①米減税実現を含む世界経済の楽観、②米欧金融政
策正常化による円安、③電機等成長分野を中心とした業績評価継
続で年前半に上昇、後半に景気の先行き鈍化懸念で調整含みに
日経平均株価は春先から年央にかけ上値25000円、後半の調整で
下値22000円割れ等想定。年間予想レンジは21000円~25000円。
為替が1ドル=120円への円安なら上値25000円からの上振れも
(ポイント)
①国内景気の持続性
②米欧金融政策正常化による円安効果
③業績評価の継続
【参考資料】エクイティ調査部「ストラテジーマンスリー」(11/24)(その他)ROEからみた日本株長期展望/需給/テクニカル/今後の予定
株価指数 11/30 時点 2018年 1~3月 4~6月 7~9月 10~12月 TOPIX (ポイント) 1792 1700~1900 1800~2000 1700~1900 1600~1800 日経平均株価 (円) 22724 22000~24000 23000~25000 22000~25000 21000~23000TOPIX、日経平均株価の予想レンジ
(注)予想はみずほ証券エクイティ調査部(11/24時点)。矢印は前四半期比のイメージ 出所:みずほ証券作成 95 100 105 110 115 120 125 130 135 140 10000 12000 14000 16000 18000 20000 22000 24000 26000 28000 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7 (1ドル=円) (円) (年/月)日経平均株価、ドル円、米金利、米中景況指標
(日次:2014/1/6~2017/11/30)
日経平均株価(左目盛) 200日移動平均線(左目盛) 同▲20%(左目盛) 同+20%(左目盛) ドル円(右目盛) 47 50 53 56 59 62 65 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7 (%) (年/月) 米10年国債利回り(左目盛) 中国製造業PMI(右目盛) 米ISM製造業景況指数(右目盛) (注)景況指標は月次(2017/11まで) 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成70 80 90 100 110 120 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 景気先行指数(CI) (2010/3=100) (年) 60 80 100 120 140 160 50 100 150 200 250 300 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 世界名目GDP(左目盛) 輸出総額(左目盛) ドル円(右目盛) (1995/12=100) (年) (1ドル=円)
本邦輸出総額と世界名目GDP、為替、景気先行指数
(月次:1996/1~2017/10)
ポイント① 国内景気の持続性
戦後最長のいざなみ超え視野、世界経済の拡大や円安、半導体や機械等の持続的な成長需要の取り込み支えに
(注)世界名目GDPはドルベース 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成日本の機械受注の推移
(月次:2012/1~2017/9) 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 7,000 7,500 8,000 8,500 9,000 9,500 12 13 14 15 16 17 船舶・電力を除く民需(左目盛) 外需(右目盛) (億円) (注)データは季節調整済み、3ヵ月移動平均 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 (年) (億円)世界および日本の半導体売上高の推移
(月次:2012/1~2017/9)
20 25 30 35 40 200 250 300 350 400 12 13 14 15 16 17 世界(左目盛) 日本(右目盛) (億ドル) (注)3ヵ月移動平均 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 (年) (億ドル) さざ波景気 IT景気 いざなみ景気 (02/2~08/2:73ヵ月) 第15循環 第16循環 (12/12~:59ヵ月)y = 16.56 x + 70.18 R² = 0.27 70 80 90 100 110 120 130 0 1 2 3 日米10年国債利回り差 (米-日)(%)