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平成24年11月1日
金属企画調査部 廣川 満哉
アジア資源国(中国、日本を除く)における
資源政策と開発動向
※当日配布資料より加筆修正を行っております1
○世界経済(製造業分野)の大きな変化 欧米を中心とした先進国主導型→BRICSの経済発展→アジア中心の産業構造「世界の工 場」 ○国内産業の変化 東日本大震災→サプライチェーンの確保 円高、エネルギー問題→国際競争力確保のため、生産工場の海外移転進展 China+1(2006年反日に発端)→ リーマンショック後中国集中→昨今、リスク分散のため+1 ○+1はどこか?→地政学的にアジア諸国(中国を除く)→中国以外のアジア資源国の現状 についてはじめに
目次
1.中国、日本を除くアジア諸国の銅から見た需給の現状
2.アジア資源国の資源政策、探鉱動向
3.モンゴルの資源開発動向
4.フィリピンの資源開発動向
5.インドの資源開発動向
6. まとめ
配付資料と異なる箇所がありますが、ご了承ください。2
アジア諸国(中国除く)ベースメタル需給動向
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 千 ト ン 地域別銅鉱山生産量推移 オセアニア 南北アメリカ アジア (中国除く) 中国 アフリカ 欧州 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 千 ト ン 地域別銅需要の推移 オセアニア 南北アメリカ アジア (中国、日本除く) 日本 中国 アフリカ 欧州 銅鉱山供給:2011年:アジア諸国1,920千トン(1.7%増/年、2002~2011年平均) 生産量が増加しているのは、アフリカ、中南米、中国 銅需要:2011年:3,374千トン(1.2%増/年、2002~2011年平均) 需要急増の要因は、ほぼ中国一ヶ国(先進国はやや減少) ベースメタル鉱山生産: 銅生産(3位中国、5位インドネシア) 鉛、亜鉛(1位中国、5位インド) ニッケル(2位インドネシア、3位フィリピン) (出典:WBMS) 全アジア3
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 千 ト ン アジア(中国、日本除く)銅需給推移 銅鉱山生産量 銅地金生産量 銅地金需要量 7,915, 41% 3,374, 17% 1,007, 5% 4,055, 21% 2,752, 14% 249, 1% 120, 1% 地域別銅需要(千トン、2011年) 中国 アジア(中国、日本除く) 日本 欧州 南北米国 アフリカ オセアニアアジア諸国銅需給動向
銅需要比率:2011年:アジア諸国世界の17%(3,374千トン)で南北アメリカより多く、欧州 に次ぐ、中国、日本を加えた全アジア:63% 需給バランス: 銅鉱山生産ほぼ横ばい、地金生産9年間で約50万トン増(インド、イラン他) 約100万トン程度の地金を輸入(日本からの地金輸出先の一部) 精製塊の輸出入(2011) 輸入 チリ 豪州 ペルー インド 韓国 インドネシア フィリピン 中国 ザンビア ミャンマー その他 合計 純分千t 81.4 10.6 8.5 6.9 5.5 3.6 3.7 2.9 1.1 0.9 0.5 125.7 輸出 中国 台湾 マレーシアインドネシア タイ 韓国 ベトナム バングラデシュ 香港 インド その他 合計 純分千t 196.8 96.7 31.6 31.6 23.6 14.5 4.8 2.1 0.2 0.2 0.0 402.1 日本の銅地金輸出(2011年)約40万トンの内、中国 197千トン、残り51%は中国以外のアジア諸国 (出典:WBMS)4
0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 千 ト ン 国別銅鉱山生産量推移 India Indonesia Iran Kazakhstan Laos Mongolia Myanmar Pakistan Philippines Turkey Uzbekistan Vietnam 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 千 ト ン 国別銅需要推移 India Indonesia Iran Kazakhstan Kuwait Malaysia North Korea Pakistan Philippines South Korea Taiwan Thailand Turkey Vietnamアジア各国別銅需給動向(2002~2011)
銅鉱山生産:インドネシアは主にGrasberg鉱山の減産により大幅減少。増加している国は、 イラン、ラオス、フィリピン、トルコの4ヶ国。今後、モンゴルのOyu Tolgoi鉱山(年産40万ト ン)など大型銅鉱山開発により生産量増加が見込まれる。 銅需要: 韓国、台湾は漸減。インドは増加傾向にあるが、2011年は減少した。その他増加した国は インドネシア、イラン、トルコ、ベトナム (出典:WBMS)5
銅鉱山生産及び需要増で注目されるアジア資源国
モンゴル(Oyu Tolgoi鉱山動向)
インドネシア☆(新鉱物石炭鉱業法)
ラオス☆(新鉱業権の発給停止)
ベトナム☆ ★ (新鉱物法)
ミャンマー☆ ★ (鉱山法改正動向)
フィリピン(鉱業政策大統領令)
インド(新鉱業法動向)
(その他カンボジア、イラン)
☆海外事務所より11/22詳細報告予定
★金属資源投資環境調査報告書近日発行
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モンゴル インドネシア ラオス ベトナム ミャンマー フィリピン インド 主要鉱物資源 銅、モリブデン、金 蛍石 ボーキサイト 銅、ニッケル 銅、金、銀、亜鉛 銅、鉛・亜鉛、錫 チタン、ボーキサイト 銅、鉛・亜鉛、錫、タン グステン 銅、金、銀 ニッケル、亜鉛 クロム 鉄、ボーキサイト クロム、マンガン 亜鉛 鉱業関連法 鉱業資源法 鉱物石炭鉱業法 鉱業法 鉱物法 鉱業法 鉱業法 鉱山鉱物法 制定時期 2010年11月 2009年1月 2008年12月 2011年7月 1994年9月 1995年 1957年(改正中) 外資法 外国投資法 投資法 投資奨励法 投資法 外国投資法 外国投資法 外国為替規制法 環境法 環境保護法 環境保護法 環境保護法 環境保護法 環境法 なし 森林保護法 最近の注目される 鉱業政策 銅、金にかか る超過利潤税 法廃止 戦略的分野へ の外国投資管 理法 2012年2月高付 加価値化政策に 関する省令施行 5月から鉱石輸 出規制(20%課 税、許可制) 鉱山生産後の外 資規制が80%か ら49% 2012年7月既存 鉱業活動による 環境社会への 影響を調査する ため、鉱業権の 発給停止 新鉱業法で未 加工鉱物資源 の輸出禁止、マ スタープランに よる国家管理強 化 外資の鉱物資 源開発に制限 鉱山省で新鉱業 法策定中 環境重視の持続 的開発を盛り込 む方針 2012年7月鉱業 政策に関する大 統領令発効 鉱業からの政府 収入拡大、環境 保護、乱開発禁 止、高付加価値 化政策検討など 新鉱業法改正 2005年から改正 に着手、国会審 議中 地域社会への貢 献のため、鉱山 会社は事業の影 響を受けるもの に対して一定の 利益還元を定め ている。アジア資源国鉱業関連法、政策
最近、7ヶ国いずれも鉱業法、省令、大臣令など鉱業法関連制度の見直しが実施さ れてきている。引き続き注目が必要。 ◎資源価格高騰で得られた利益の政府への還元◎環境保護、乱掘防止◎国内企 業発展のための外資規制◎自国産業高度化のための高付加価値化7
鉱山ビジネスランキング(Business Risk facing mining and metals 2012-2013、Ernst&
Young)2012年7月発表 1~3位まで前年と不動。 1位 資源ナショナリズム 2位 技能不足 3位 インフラへのアクセス 4位 コストインフレ(前年8位からアップ) 9位 利益の共有(新規ランクイン)
2012年鉱業ビジネスリスク
コストインフレ 2011年にコストが10~15%上昇し、今後数年間は悪化傾向 (要因)鉱石の低品位化、深部化を背景に原油・エネルギー価格上昇、賃上げなど (対策)コア事業以外の資産売却、操業コスト削減、外部委託、規模拡大 利益の共有 鉱業で得られた利益から様々な利害関係者が分け前を得ようとする動きである。 利害関係者:政府、地域コミュニティ、雇用者、鉱業サービス及び設備提供会社、株主 利害関係者は、鉱山特有のリスクを負わないため、鉱山会社がそのリスクを負う。 (対策)利害関係者の意見を評価、利益の共有と同時にリスク移転を導入世界地図 地域・国 ・北・中米(米国、カナダ、メキシコ等)を除く、ほぼ世界全域。 ・特に南部アフリカで顕著(ヨーロッパ諸国の影響力低下) 。 鉱種 ・鉄鉱石を始めとするほぼ全ての鉱種
資源ナショナリズム動向(2011年)
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アジア資源国の投資環境変化
出典:Survey of Mining Companies 2011/2012(Fraser Institute)
世界中の鉱山会社5,000社に毎年アンケート(2011年は802社から回答) 母数(アンケート対象国あるいは州):2009:71,2010:72,2011:79,2012:93 スコア スコアレンジ:0~100 100=投資好感度100% 0=投資好感度0% 0 10 20 30 40 50 60 2009 2010 2011 2012 ス コ ア Policy ポテンシャル指数 モンゴル インドネシア ベトナム フィリピン インド PNG カザフスタン キルギス ラオス トルコ アジア資源国は、スコアが全般的に低い(投資環境が悪い)傾向がある。 年によって変化があるものの投資環境悪化(スコアの低下)傾向が見られる。2012年は大部 分の国で低下。特にベトナム、フィリピン、インド、インドネシアなど資源政策でのナショナリズ ム強化が続いている資源国のスコア20以下まで低下 出典:Survey of Mining Companies 2011/2012(Fraser Institute) 世界中の鉱山会社5,000社に毎年 アンケート(2011年は802社から回 答)
出典:2011年MEG報告書 ・2011年の10万US$以上探鉱投資した2,329社の非鉄金 属の探鉱費合計は163.1億US$であった(世界の95%と推 定)。 2009年に前年のリーマンショックの影響で極小となった が、価格高騰とともに再び上昇に転じ、2011年は史上最 高額となった。 Gold, US$8259.2mil, 51% Copper, US$3657.6mil, 22% Nickel, US$840.5mil, 5% Zinc, US$780.4mil, 5% Diamonds, US$448.9mil, 3% PGM, US$240.2mil, 1% Other, US$2080.7mil, 13%
Exploration budget for commodity (2011) Latin America, US$4202.7mil, 26% Canada, US$2914.2mil, 18% Rest of World, US$2425.2mil, 15% Africa, US$2399.3mil, 15% Australia, US$2010.mil, 12% United States, US$1359.2mil, 8% Pacific/SE Asia, US$996.9mil, 6%
Exploration budget for region (2011)
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アジア諸国における探鉱費推移
国別探鉱費は、全般に各国とも2009年に急落したもののその後増加傾向にある。 国別に比較するとPNG、インドネシア、フィリピン、カザフスタンの順に探鉱費が多い。 探鉱費の世界比率の変化で見るとPNG、インドネシアは増加それ以外の国は横ばい傾向 モンゴルは2006年の鉱業法改正が響き、探鉱費及び比率共には大きく低下。 0 50 100 150 200 250 300 350 2007 2008 2009 2010 2011 m ill ion U S $ 国別探鉱費推移 PNG モンゴル インドネシア ベトナム フィリピン インド カザフスタン トルコ キルギス 0.0% 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 3.0% 2007 2008 2009 2010 2011 探鉱費比率 (世界 比率) 国別探鉱費比率推移 PNG モンゴル インドネシア ベトナム フィリピン インド カザフスタン トルコ キルギス12
鉱物資源名 埋蔵量 鉱物資源名 埋蔵量 銅 23百万t ウラン 600百t モリブデン 2,185百t 石炭 120億t 金 763t 蛍石 14.4百万t 銀 100百t リン 24億t 鉄 453百万t タングステン 700百t スズ 100百万t 鉛 3百万t (1)鉱物資源 鉱物資源埋蔵量 (2)探鉱及び採掘権の状況 (2009年10月27日時点) 探鉱権数 ― 3,709 探鉱鉱区 ― 39,500,000 ha 採掘権数 ― 1,081 採掘鉱区 ― 457,000 ha 探鉱権、採掘権の設定地域面積は、モ ンゴル国土の2005年45%、2009年26% 、2010年16%、2011年14%と減少。 (背景)新規鉱業権付与禁止 鉱区維持料納付制度モンゴルの鉱業の現状
・2006年鉱物資源法改正
金、銅の超過利潤税(68%)
戦略重要鉱床への国家参入、出資額の10%以上をモンゴル証券上場
→外資による鉱山開発の後退
・2009年10月Oyu Tolgoi投資協定(モンゴル政府、Ivanhoe,Rio Tinto)
・2010年11月鉱物資源法改正
・2011年1月超過利潤税は廃止
モンゴルの投資環境は改善方向へ
・
2012年5月戦略的分野への外国投資管理法
・2012年6月の選挙で与党人民党が大敗、民主党が政権(連立政権)
基本的に大きな政策変更はない(外資規制に変更無し)。
モンゴルの鉱物資源法及び投資環境
■資源開発環境
・資源ポテンシャルの期待値は高いが、輸送、インフラ整備が課題・
・資源開発資金は外資依存
・年々高まる資源ナショナリズムと政府関与強化
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モンゴルの新投資法
戦略的分野への外国投資管理法(本年5月成立)
鉱業
、金融、通信分野の戦略的分野への外国投資のうち、
1000億トグルグ(7,500
万ドル)以上あるいは49%以上の権益
を有する場合は、国会の事前承認が必要
成立背景:中国中央政府企業中国アルミが本年4月にサウスゴビリソーシーズの
株式60%を10億ドルで買収すると発表。
これに対し、モンゴル政府は同社傘下のサウスゴビサンドが所有するOvoot
Tolgoi他の開発案件の鉱業権益の停止を発表。
今後:世界最大級の炭田Tavan Tolgoiの入札結果(12年末?)の成り行きが注目さ
れる。特に日本企業の参入が期待される。
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鉱床名 鉱物種 位置 埋蔵量(品位)
Tavan tolgoi コークス炭、燃料炭 南ゴビ、Tsogttsetsii 6,420百万t
Nariin sukhait コークス炭、燃料炭 南ゴビ、Gurvantes 125.5百万t
Baganuur 褐炭 Ulaanbaatar、Baganuur 600百万t
Shivee ovoo 褐炭 Gobisumber、Shiveegobi 646.2百万t
Mardai ウラン Dornod、Dashbalbar 924,600t (0.119% U3O8 )
Dornod ウラン Dornod、Daskbalbar 16,467,100t (0.175% U3O8 )
Gurvanbulag ウラン Dornod、Daskbalbar 10,560,000t
Tumurtei 鉄鉱石 Selenge、Khuder 229.3百万t (51.15% Fe)
Oyu Tolgoi 銅、モリブデン 南ゴビ、Khanbogd 2,300百万t(1.16% Cu 0.35 g/t Au )
Tsagaan suvraga 銅、モリブデン Dornogobi、Mandakh 酸化鉱10.640百万t(品位 Cu 0.42%、Mo 0.011%)
硫化鉱 240.100百万t(品位 Cu 0.53%、Mo 0.018%)
Erdenet 銅、モリブデン Orkhon、Bayan-Undur 1,200百万t(品位 Cu 0.51%、Mo 0.012%)
Burenkhaan リン Khuvsgul、Alag-Erdene 192.24百万t
Boroo 金 Selenge、Bayangol 24.523百万t (品位 Au 1.6 g/t)
Tumurtein ovoo 亜鉛、鉛 Sukhbaatar、Sukhbaatar 7.6894百万t (品位 Zn 11.5%)
Asgat 銀 Bayan-Ulgii、Nogoon nuur 6.4026百万t (品位 Ag 351.08 g/t)
戦略重要鉱床(2006年鉱物資源法)
16 1980年代:モンゴル/旧ソ連調査団がOyu Tolgoi地区でモリブデンの地化学異常を確認 1983:モンゴル人地質技師Dondog Garamjav氏が銅の鉱徴を発見 1997:BHPが地質調査・地化学探査・物理探査・ボーリング6孔を実施し、銅鉱化作用を確認 2000:BHPがNSR 2%を残しIvanhoeに500万US$で売却 2001~:Ivanhoeが探鉱を継続 2006: 9月 モンゴル政府が最大で34%権益取得の意向を表明 10月 Rio Tintoが6億9100万US$で19.9%権益を獲得
2010:12月 Rio TintoはIvanhoeに6カ月前倒しで37億US$を支払い、 13カ月以内にIvanhoe 株式49%を取得するとの条件で操業権を取得することで両者が合意
現在の状況
権益:Turquoise Hill Resources(Rio Tinto51%所有)66%、モンゴル政府34%
97%建設終了、中国からの電力契約待ち、2013年第2四半期商業生産開始予定(年間銅量 40万トン)
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# 技術的課題:鉱床の深部化(地表下 2,000mまで続く)
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ミャンマー鉱業関連法
全般 2011年3月の民政移管によるテイン・セイン政権誕生後、ミャンマーでは民主化、市場経済化 が大きく進展し、それに伴う法整備も急ピッチで進展。 それが国際的な評価にも繋がってきており、欧米諸国による経済制裁解除の動きも進む中、 投資環境は著しく改善する方向にある。 鉱業法 1994年制定の鉱業法及びその詳細を規定した1996年制定の実施細則。環境関連では、環 境法が新たに2012年3月に制定。 現在、鉱山省で新鉱山法の草案策定作業に着手、専門家及び一般から広く意見を取り込む 形で作業に取り組んでおり、「環境を重視した持続的鉱業開発保護」及び「市場経済原則に基 づいた透明性の確保」を大きく盛り込む方針。 外資法及び会社法 会社法に基づく会社設立は必要となるが、外国投資法に基づく許可を必ずしも受ける必要は 無い。ただし、外国投資法に基づく許可を受けた場合、3年間の法人所得税の免除・期間の 延長、固定資産の加速減価償却、損失の繰越などの優遇措置が受けられる。 政府案では3年間の所得税免除期間を5年に延長する内容など、外国投資をより優遇・緩 和する内容が盛り込まれていたが、国会では、外資を優遇し過ぎとの声が上がり、政府案に 対して外資出資額の引き上げや特定分野での出資比率の引き締めなどの修正がなされ、今 年9月に国会で可決された。18
法制度は全体的にまだまだ未整備な点が多い。 また、外資法改正で見られるように、政府の急激な改革に対し、国会でも反対する声が 上がるなどの動きや、地方少数民族との和平交渉などの課題もあり、新政権による改革は 不安定な要素を抱えていることも否めない。 鉱業法の改正状況も注視しながら、同国での投資のタイミングを判断することが肝要 鉱業投資の留意すべき事項 ・未処理・未加工加工鉱石の輸出は不可:高付加価値処理が必要(具体的な基準は不 明)。-政府は最新技術による国内での選鉱・製錬処理を奨励 ・ミャンマーでの土地私有は禁じられる(原則、全て国有地)ため、土地を利用する 場合、使用権(リース)を得る必要がある。従来、外資の場合、政府からのみリース が可能であったが、2011年9月の大統領令(2011年第39号)により、民間企業からも リース可能となった。 ・調査、操業地域での環境面、人権面での配慮。特に歴史的な紛争地域においては、 地域コミュニティへのより一層の配慮が求められる。ミャンマー鉱業政策と課題
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フィリピンの鉱業政策動向
全般 2011年の鉱業投資額は6.2億ドルと2010年の 9.7億ドルから36%の大幅な減少となった。これは 地方政府のモラトリアムによりプロジェクトが停止 したり、許認可が遅れたためである。 近年、銅、ニッケルなど鉱山生産量は増加してお り、その拡大に懸念が生じている。 鉱業政策 地方の環境意識の高まりにより、地方政府による 規制が取られている。 2010年10月にミンダナオ島南コタバト州政府は 露天掘り開発禁止する州法を施行した。 中央政府は、鉱業法の許認可と相反する内容と なっているため、施行停止を求めたが、解除の目 処は立っていない。 2010年末ロンブロン州でも河川や土壌の水銀汚 染など環境問題を懸念し、州内の鉱業活動を一時 停止する州知事令を発した。 2011年11月北サンボアンガ州でも鉱山開発禁 止する州法が施行された。20
フィリピンの鉱業政策
以上、地方政府の厳しい規制が取られ、環境懸念に対する反動がある中で、2012年7月大統 領令で新たな鉱業政策を発効した。 その主な内容は、以下のとおり。 ・鉱業セクターからの政府収入の拡大(新ロイヤルティ制定まで鉱業権の一時凍結) ・環境保護対策の改善(小規模鉱山規制) ・国家法と地方法の調和 ・鉱業権付与の透明性確保 また、EITI(採取産業透明性イニシアティブ)への参加など近代的な鉱業の育成を目指すと している。 今後は、同令の実効性の点が注目される。 2011年10月建設中のミンダナオ島北スリガオ州のTaganitoニッケル鉱山が武装勢力に襲撃 された。襲撃したフィリピン共産党に関連する新人民軍は、「ニッケル事業が薬品や重金属に より環境破壊を行う可能性があるとの警告」との声明を出している。21
フィリピンの鉱山開発例
Tampakan プロジェクト(Xstrata62.5%) 南コタバト州政府の露天掘り採掘禁止法により事実上開発禁止措置 鉱量21億トン、銅品位0.59%、金品位0.21g/t、開発費52億ドル、年産34万トン、2016年フル 生産予定。 その後、環境天然資源省は提出された環境影響報告書を却下し、同州法に準拠するよう求 めた。2年以上開発が停止している開発許可に関して、2012年10月、アキノ大統領は現在検 討している鉱業ロイヤルティ改正法案以降になると見解。 Tampakan鉱床断面図(400m以上銅品位1%以上のゾーンあり)インド鉱業政策の動向
1.鉱業法改正動向 (1)外国企業からの投資を促進させる目的のため、2005年9月に高官委員会を設置し、 国家鉱物政策の変更及び鉱山鉱物(開発規制)法改正について検討を開始 (2)2008年3月に、以下の鉱業政策指針を策定。 1)外国資本投資の促進策広域探査権 (LAPL:Large Area Prospecting License)の導入、
ライセンスの保障、既知鉱床の入札、探査権 (PL)譲渡の許可、ライセンス付与手順の適正化、 ライセンス発行の迅速化、データベース整備、監督機関の設置 2)地域社会に対する貢献政策 環境保護の要求、企業の社会的責任、森林補償、手続簡素化、環境管理計画の簡素化、 鉱山開発基金設置 3)産業の強化策 鉱山開発公社の業務拡大、付加価値化問題、ロイヤルティの増強、海砂鉱物の開発 (3)2011年9月末、閣議決定、その後国会審議中 注目は、地域への利益配分規定 石炭鉱山は利益の最大26%、その他鉱山は、ロイヤリティ率の同等分の利益を地域住民 に還元する。
インド鉱業の特徴
・
小規模鉱山
が多数存在(608鉱山、2010年←700鉱山、2009年)
・国営鉱山会社(過半数株式を政府保有)が85%生産
鉱種別の国営鉱山会社が存在
National Aluminium Co(NALCO) アルミ Steel Authority of India(SAIL)鉄鉱石
National Mineral Development Co(NMDC)鉄鉱石 Coal India石炭 Hindustan Copper(HCL)銅 Hindustan Zinc亜鉛 ・鉱山、製錬所の多くで拡張計画(将来の国内需要増加に対応) ・歴史が古い:インダス文明時代から亜鉛、銅鉱山採掘 企業 鉱山 開発・拡張内容 完了予定時期 NALCO Pattangi鉱山他 ボーキサイト年産:150万t 2014年 NALCO Baster鉱床 ボーキサイト鉱石量:3億t 未定 NMDC Kumaraswamy鉱山 鉄鉱石量:3億t 2013-15年 NMDC Bailadila鉱山 鉄鉱石年産:700万t 2011年生産開始 NMDC Domimalai鉱山 (拡張) 鉄鉱石年産:400-700万t 2015年 SAIL Rowghat鉱山 鉄鉱石年産:1,400万t 2014-15年 SAIL Chiria鉱床 鉄鉱石年産:500-700万t 2012-13年 Hindustan Zinc Agnigundala鉱山 鉛年産:5,000t 2012年 Hindustan Zinc Sindesar Khurd鉱山 鉛年産:3万t
亜鉛年産:6.5万t
2012-13年 Hindustan Zinc Rampura-Agucha鉱山
(拡張)
鉛年産:7.3万t 亜鉛年産:75万t