RIG-Iによって誘導されるmicroRNAの機能解析

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(1)Title. RIG-Iによって誘導されるmicroRNAの機能解析( Abstract_要旨 ). Author(s). 應田, 涼太. Citation. 京都大学. Issue Date. URL. 2013-03-25. http://hdl.handle.net/2433/175171. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) (続紙 1 ) 京都大学 論文題目. 博士(生命科学). 氏名. 應田. 涼太. RIG-I に よ っ て 誘 導 さ れ る microRNA の 機 能 解 析. (論文内容の要旨) ウイルス感染に対する宿主免疫応答はウイルスを宿主から排除し、ウイルスによって引き起こされる 様々な病気から身を守るために重要である。哺乳類においては自然免疫と獲得免疫がウイルス感染に 対して主要な役割を果たしている。特に自然免疫はウイルス感染初期に重要な役割を果たしており、 自 然 免 疫 系 が 活 性 化 さ れ る こ と に よ り 抗 ウ イ ル ス タ ン パ ク 質 で あ る I 型 イ ン タ ー フ ェ ロ ン (IFN)が 誘 導される。自然免疫応答を誘導するためにはウイルス感染を検知することが不可欠となってくるが、 細 胞 質 内 に 存 在 す る RIG-I-like receptors(RLRs)が ウ イ ル ス 由 来 の RNA を 認 識 す る セ ン サ ー と し て 役割を果たしている。 一 方 で 近 年 、non-codingRNA の 一 つ で あ る microRNA(miRNA)が 転 写 後 調 節 と し て 遺 伝 子 発 現 を 精 巧に調節し、様々な局面での生体機能維持に必要不可欠であることが明らかとされてきている。しか し 、 RIG-I シ グ ナ ル を 介 し て ど の よ う な miRNA の 発 現 が 制 御 さ れ 、 ま た そ れ ら が 生 体 防 御 に ど の よ う に 関 与 し て い る か は ほ と ん ど 明 ら か と は な っ て い な い 。そ こ で 本 研 究 で は RIG-I シ グ ナ ル に よ っ て 制 御 を 受 け る miRNA の 探 索 と 、そ れ ら の miRNA と 抗 ウ イ ル ス 作 用 と の 関 係 に つ い て 検 討 を 行 っ た 。 ま ず 申 請 者 は 、 薬 剤 を 用 い て 人 工 的 に RIG-I シ グ ナ ル を 細 胞 へ 導 入 す る こ と が で き る 実 験 系 を 用 い 、 RIG-I 活 性 化 に よ る miRNA の 発 現 量 の 変 化 を miRNA マ イ ク ロ ア レ イ 法 に よ っ て 網 羅 的 に 解 析 し た 。 そ の 結 果 、37 種 類 の miRNA が RIG-I シ グ ナ ル に よ っ て 発 現 量 が 上 昇 し て い た 。そ の 中 で も 、miR-23b は バ イ オ イ ン フ ォ マ テ ィ ッ ク ス の 手 法 (microRNA.org) を 用 い た 標 的 候 補 遺 伝 子 の 検 索 か ら あ る 種 の ウ イ ル ス が 宿 主 細 胞 に 感 染 す る 際 に 結 合 す る 受 容 体 と し て 知 ら れ て い る very low density lipoprotein receptor(VLDLR)を 標 的 と し て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。そ こ で miR-23b に 着 目 し 、抗 ウ イ ル ス 作 用 の 検 討 を 行 っ た 。 ま た 、 miR-423-3p は RIG-I 活 性 化 3 時 間 、 6 時 間 、 9 時 間 、 12 時 間 後 す べ て の 時 間において発現量が上昇していたため以下に示す機能解析を行った。 miR-23b の 抗 ウ イ ル ス 作 用 を 検 討 す る た め に 、miR-23b を 細 胞 内 に 過 剰 発 現 さ せ 様 々 な ウ イ ル ス 感 染 を 行 っ た と こ ろ rhinovirus(RV)1B に 対 し て 特 異 的 に 抗 ウ イ ル ス 作 用 を 示 す こ と が 明 ら か と な っ た 。 さ ら に は 、 RV RNA を 強 制 的 に 細 胞 内 へ 導 入 さ せ た 場 合 で は miR-23b 過 剰 発 現 に よ る RV RNA 量 の 減 少 は 見 ら れ な か っ た 。 こ れ ら の 結 果 は miR-23b は RV の 複 製 に 影 響 す る の で は な く 、 RV1B の 宿 主 細胞内への侵入を阻害していることを強く支持するものである。 一 方 、miR-423-3p の 標 的 遺 伝 子 を 探 索 し た と こ ろ Poly(A)-binding protein 1 (PABP1)が 標 的 候 補 遺 伝 子 で あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 PABP1 は stress granules (SGs)構 成 因 子 の 一 つ で あ る こ と が 知 ら れ て お り 、申 請 者 の 所 属 す る 研 究 室 で は SGs が RIG-I シ グ ナ ル を 誘 導 す る た め に 重 要 な 部 位 で あ る こ と を 報 告 し て い る 。 そ の た め 、 PABP1 は RIG-I シ グ ナ ル 制 御 に 関 わ っ て い る 可 能 性 が あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 PABP1 過 剰 発 現 ま た は ノ ッ ク ダ ウ ン 実 験 か ら PABP1 は IFN-β 発 現 を 負 に 制 御 し て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。こ の 結 果 よ り 、RIG-I シ グ ナ ル に よ っ て 誘 導 さ れ た miR-423-3p は PABP1 の 発 現 を 制 御 す る こ と に よ っ て IFN-β 発 現 量 を 調 節 し て い る こ と が 強 く 示 唆 さ れ た 。 以 上 の 結 果 は 、 こ れ ま で 知 ら れ て い た IFNに よ る IFN誘 導 遺 伝 子 群 (ISGs)を 介 し た 抗 ウ イ ル ス 作 用 に 加 え 、 RIG-I誘 導 miRNAに よ る 新 た な 抗 ウ イ ル ス 作 用 機 序 を 示 す も の で あ る.

(3) (続紙 2 ) (論文審査の結果の要旨) 本 論 文 は ウ イ ル ス RNA セ ン サ ー 、 RIG-I の 活 性 化 の 結 果 誘 導 さ れ る microRNA の機能の解析を行なったものである。申請者はウイルス感染、あるいは人為的 に RIG-I を 凝 集 体 形 成 に よ っ て 活 性 化 し た 際 に 発 現 誘 導 さ れ る microRNA を 網 羅 的 に 検 索 し 、 3 0 種 あ ま り の microRNA を 同 定 し た 。 そ の う ち miR-23b と miR-423-3p に 注 目 し 、 抗 ウ イ ル ス 自 然 免 疫 に お け る 機 能 の 解 析 を 行 な っ た 。 miR-23b は rhinovirus1B に 対 し て 選 択 的 に 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 示 す こ と が 明 ら か と な っ た 。一 連 の 解 析 の 結 果 、miR-23b は rhinovirus1B の 侵 入 に 必 要 な 受 容 体 で あ る VLDLR を 標 的 と し 、そ の 発 現 を 減 少 さ せ る こ と に よ っ て ウ イ ル ス の 増 殖 を 抑制していることが強く示唆された。 miR-423-3p は RIG-I シ グ ナ ル に よ っ て 最 終 的 に 活 性 化 さ れ る イ ン タ ー フ ェ ロ ン ( IFN) -β遺 伝 子 の 発 現 を 負 に 制 御 し て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。 以 上 の 結 果 は 従 来 公 知 で あ っ た 、ウ イ ル ス 感 染 に よ っ て IFN誘 導 遺 伝 子 群 が 誘 導 さ れ 、そ れ ら が ウ イ ル ス の 増 殖 を 抑 制 す る と い う 機 構 に 加 え て 、microRNAを 介して抗ウイルス作用を示すという新たな機構を示したものである。 以 上 の 成 果 は RIG-Iに よ る 抗 ウ イ ル ス 自 然 免 疫 応 答 の 活 性 化 の 理 解 に 関 し て 新たな知見を加えるものである。従って本論文は博士(生命科学)の学位論文 として価値あるものと認めた。 平 成 2 5 年 1 月 2 8日 、 論 文 内 容 と そ れ に 関 連 し た 口 頭 試 問 を 行 な っ た 結 果 、 合格と認めた。. 論文内容の要旨及び審査の結果の要旨は、本学学術情報リポジトリに掲載し、公表と する。特許申請、雑誌掲載等の関係により、学位授与後即日公表することに支障がある 場合は、以下に公表可能とする日付を記入すること。 要旨公開可能日: 年 月 日.

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