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岩石破壊実験での地震波速度のモニタリング Monitoring of seismic velocity during rock fracture experiments

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Academic year: 2021

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岩石破壊実験での地震波速度のモニタリング

Monitoring of seismic velocity during rock fracture experiments

〇片山郁夫(広島大学)

〇Ikuo Katayama (Hiroshima University)

Laboratory experiments show systematic changes in elastic wave velocities (Vp and Vs) and amplitudes in fine-grained granite during triaxial deformation under dry and wet conditions. These changes are related to the development and closure of microcracks in the sample; however, the experimental results show a greater change in amplitude (i.e. attenuation) than in velocity during deformation. These behaviors are potentially applicable to recent observations of change in seismic velocity and attenuation prior and after earthquakes.

1.はじめに 地震の物理モデルとして提案されているダイラ タンシー拡散モデルは,岩石破壊に至る前にマイ クロクラックが発生することから,地震の準備段 階で地震波速度などの異常がみられると論じた (Scholz et al. 1973)。このモデルは,地震を予測 することが原理的に可能であることを期待させ, 1970 年代は地震予知研究が盛んに行われた。しか し,そのような異常はそれ以降の物理観測ではみ られないことも多く,その規模は観察できるほど 大きくないのではないかと現在考えられている。 このように,少し後退気味であるダイラタンシー 拡散モデルではあるが,実験室での岩石破壊では, マイクロクラックの生成・成長によるダイラタン シーは普遍的にみられる現象である。本講演では, 我々が最近行っている実験を基に,岩石が破壊す る際に地震波速度がどのように応答するのか,そ してそれらはどのような観測に検出され得るかを 再検討する。 2.ダイラタンシーとは   岩⽯石の三軸圧縮試験では,変形初期で応力は歪 みとともに線形に増加するが(弾性変形),⾼高応⼒力 下では歪みと応⼒力の関係は⾮非線形になり,体積歪 みは圧縮から膨張に転じる。これは,試料内に⻲亀 裂が⽣生成されるためであり,マイクロクラックの 生成・成長により体積が増加する現象をダイラタ ンシーとよぶ。一般に,ダイラタンシーは破壊応 力の 30-50%の応力状態から観察され,試料内に 発達するクラックが増殖し相互作用することで応 力の局在下が起こり,岩石は巨視的な破壊に至る と考えられる。このように,岩石は破壊に至る前 に微小なクラックが普遍的に発達し,それらの発 生を捉えることが地震発生予測においても重要と 考えられる。 3.ダイラタンシーによる地震波速度の変化 岩石中にマイクロクラックが生成・成長するダ イラタンシー時には,地震波速度はクラックの形 成により遅くなる。ドライな条件では,Vp の速度 低下は Vs よりも大きく Vp/Vs はやや減少する一 方,水の存在下では,クラックが水で充填される ことで体積弾性率の変化が小さくVp/Vs は増加す る。このように,水の有無によってクラックの生 成が地震波速度へ与える影響が異なることは,ダ イラタンシー拡散モデルで重要な要素となる。ま た,速度変化に加え,地震波の減衰や浸透率など 流体の輸送特性もクラックの形成・成長により大 きく変化する(Zaima and Katayama 2018)。 4.地震プロセスとの関連性 ショルツのダイラタンシー拡散モデルは,これ ら巨視的な破壊に至る前の微小破壊による物性変 化を捉えることで,地震発生を予測することがで きると論じた。しかし,微小破壊による地震波速 度の変化は大きくても数%程度であり,地震波の 伝搬経路に対する破壊ゾーンの広がりを考えても, 観測で異常が検出できるかは微妙といえる。一方, 地震波の減衰や浸透率などはクラックの形成・成 長によりオーダーで変化する性質を示すため,こ れらの物性の変遷を捉える方がより現実的なのか もしれない。

参照

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