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中国における睡眠問題に関する医療と心理カウンセリングの現状と課題 利用統計を見る

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中国における睡眠問題に関する医療と心理カウンセ

リングの現状と課題

著者

王 尚, 松田 英子

著者別名

WANG Shang, MATSUDA Eiko

雑誌名

東洋大学大学院紀要

57

ページ

1-15

発行年

2021-03-15

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00012606/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

― 1 ―

要約

目的: 本研究では,中国の大学の心理サポートセンターおよび中国の医療機関で睡眠の問題 を扱う睡眠医療従事者に対し,中国における睡眠医療と睡眠問題に関する心理カウンセリン グの現状と中国人大学生の睡眠の問題を調べるために半構造化面接を行った。 方法: 中国の医療機関に所属する医師2名(臨床心理士資格を持つ,男性1名,女性1名)と中 国の大学に所属する心理サポートセンターの教師2名(臨床心理士資格を持つ,女性2名)を 対象に半構造化面接を行った。面接の主な内容は①中国の睡眠医療と心理カウンセリングの 現状,②中国一般人の睡眠に関する問題,③COVID-19の影響による睡眠医療と心理カウン セリングの変化と来談者に生じた睡眠問題,④中国人大学生の睡眠の現状や睡眠改善のテー マについて聴取した。 結果と考察: 調査協力者全員が,中国人大学生に睡眠の健康に関する知識が不足しているこ とを強調した。また主訴として多くの割合を占める心理的な問題は,家族関係と対人関係, 神経症であり,これらの問題を抱える人は睡眠問題の併発も多かった。中国人大学生に対し 睡眠健康教育が不足しており,適切な睡眠健康教育の実施が,中国人大学生の睡眠問題の早 期発見,早期対応を可能にし,予防的な効果をもたらすと考えられた。中国人の睡眠障害を 併存する不安定抑うつ気分を改善することで,睡眠問題を軽減できると考えられる。また, 家族関係を含む人間関係問題の改善と睡眠パターンを改善することが睡眠問題改善の重要な 切り口といえよう。 キーワード:睡眠医療,心理カウンセリング,中国,半構造化面接,COVID-19

中国における睡眠問題に関する

医療と心理カウンセリングの現状と課題

社会学研究科社会心理学専攻博士後期課程2年

王   尚

社会学部社会心理学科教授

松田 英子

(3)

― 2 ―

問 題

睡眠は,人体の精神を回復させる積極的なプロセスである(王・高・郭,2006)。充分な 睡眠,バランスの取れた食事,適切な運動は健康のための重要な指標と考えられている(厚 生労働省,2012)。社会の発展と生活水準の向上に伴い,人々の生活の質に対する要求は高 まっており,それに伴い人々の睡眠の質に対する要求も高くなっている。睡眠の問題は, 脳・心身健康の維持・増進などと関係する中国人の生活課題として捉えられることは少ない。 そのため心身の健康と密接に関係する睡眠問題の予防や対処は,本人の健康,魅力発揮のみ ならず,家族や介護者の生活の質を考える上でも社会的急務といえる(白川・福田・堀, 2019)。 世界保健機構WHOが2002年に行った世界的な睡眠疫学調査に参加した1万の中国人のう ち,43%が睡眠問題を抱えていた(潘・谭・谢,2007)。しかし,中国は地域間での経済発 展レベルが異なり,先進地域と後進地域において心理健康のニーズは異なる特徴を示してい る(倪,2004)。先進地域では,居住者の消費者需要構造の変化に伴い,積極的な心理カウ ンセリングや,治療サービスの需要が急激に増加している。たとえば,北京,上海,広州な どでは,1997年から2001年まで1人あたりのGDPが年間3,000米ドルに達した。先進地域の居 住者は,心理カウンセリングへの需要を示し,心理カウンセリング業界の急速な発展をもた らした(倪,2004)。一方,後進地域では,心理カウンセリングの費用を負担できないなど 様々な理由で自分の心理健康の問題を意識できない(倪,2004)。しかし,心理健康問題は 身体疾患などにつながり深刻化する可能性がある(Saraceno, van Ommeren, & Batniji, 2007)。したがって後進地域の心理健康問題に対し,政府やその関連部門による積極的な介 入が必要とされているといえよう。 これまでの調査では,中国の一人当たりのGDPの増加の伴い,心理カウンセリングの需 要が増加することが示されている(倪,2004)。そのため,現在の中国における心理カウン セリングの需要は,今後も高まることが予想される。また,中国人の心理や睡眠健康意識の 向上に伴い,心の問題が徐々に認知されるようになり,心理カウンセリングへの需要が高ま っている(谈・华・周,2004)。 現在,中国における心理カウンセリングが “混沌” としている根本的な原因として,需要 と供給の構造の不均衡が挙げられる(陈・刘・祝・史,2016)。国民の心理カウンセリング に対する需要の急増に直面し,カウンセリング能力が高い専門家チームが不足しており,心 理学の専門トレーニングを受けていない人が心理カウンセリング業界へ流入することで,心 理カウンセリング業界に対する国民の不信感を抱きやすくしてしまう危険性がある。 近年の調査では,中国の大学生が中退する最も多い理由として,心理的な問題が挙げられ ている(李,1989)。そのため,大学生に対する心理的なサポートの拡充は,学校生活を送 るための重要な要素のひとつとなる。大学生に対する大学生用心理衛生教育は1980年代初頭

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― 3 ― に始まり,1987年の浙江大学で心理衛生コースが開講されて以来,多くの学校も開設され始 めた。しかし,心理衛生コースのほとんどは選択科目として開講され,受講できる学生数は 限られていたり,心理衛生を教える専任の教師も不足している(俞・张,2002)。1990年代 以降,大学生に対するグループカウンセリングに関する報告があった。中国では,クラス活 動など,大人数のグループで活動することが多い。そのため,グループカウンセリングの発 展には既存の基盤があり,急速に発展する傾向にある(俞・张,2002)。グループカウンセ リングは,大学生の対人関係のスキルを効果的に向上させ,コミュニケーション不足によっ て引き起こされる心理的な問題を解消できることが示されている(杨,1997)。一方で,個 別カウンセリングは,心理問題に介入する有効な手段であり,休学,退学および自殺死亡率 を低下させることができる(俞・张,2002)。個別カウンセリングは,最も多い心理カウン セリングの形式であり,大学の心理カウンセリングセンターの日常業務である(俞・张, 2002)。しかし,個別カウンセリングに関連するレポートは少なく,個別カウンセリングの 研究が不足していることが指摘されている(孙・范,2000)。一般に心理カウンセリングは, 心理的な問題を改善し,人格の発達を促進することができる(俞・张,2002)。大学生は思 春期の中期と後期にあり,心理カウンセリングは良い介入効果を達成し,性格の向上を促進 できる(黄・张・杨,2001)。また先行研究では,心理衛生教育,グループカウンセリング, 個人カウンセリングの3つの心理カウンセリングを組み合わせた方法を用い,一定の成果が 示されている(田・方,1999)。したがって,効果的な心理カウンセリングは大学生の心理 健康に対し,良い影響を与える可能性があるといえよう。また,中国人大学生の睡眠障害の 発生率は12.92%〜52.84%で,深刻な状態であると指摘している(徐・李・潘,2017)。睡眠 問題が心身の健康や日中の活動に悪影響を与えることは,数多くの研究で確認されており, 発達期にある大学生に与える乱れた睡眠習慣の悪影響が懸念される(浅岡・福田・山崎, 2007)。大学生における,不眠,不充分な睡眠や眠気は,行動的問題や気分障害に関連し, 学業上の問題,集中力の減少,成績の低下などに関連することも示唆されている(竹内・犬 上・石原・福田,2000)。したがって,中国人と中国人大学生の睡眠医療の現状を検討する 必要があると考えられる。 昨今,睡眠問題を考える上でCOVID-19の影響を考慮する必要性がある(杨・任・王, 2020)。2019年12月,中国湖北省武漢で新型コロナウイルスが発生した。2020年2月11日,世 界 保 健 機 関 は 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス を「COVID-19」 と 命 名 し た(World Health Organization,2020)。COVID-19は,国民の健康に大きな脅威をもたらしたことだけでなく, 不安,うつ病,パニック,不眠症などの心理的問題も引き起こす(Wang, et al. 2020)。 COVID-19の前線で治療に当たる医療従事者への精神・身体的負担は大きく,さらに感染拡 大防止策としての社会的行動制限は,現在においても社会的に大きな影響を及ぼしている (鈴木,2020)。中国教育省は2020年3月12日に,「大学における新型コロナウイルスの予防お

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よび管理のガイドライン」を発行し,COVID-19によって大学生に引き起こされる心理的問 題を重視するべきであると明言した(Chen, & Hu, 2020)。心理健康教育は,COVID-19の ような公衆衛生上の緊急事態の対応において重要な役割を果たしている(Chen, & Hu, 2020)。効果的な心理的介入は,大学生の心身の健康を維持することと睡眠の質を改善する ことに役立つ(陈・王,2017)。大学生の心理問題を無視し続けると,不眠症など心理的な 障害が生じる可能性がある(胡,2003)。先にも述べたようにCOVID-19の発生は,中国の 睡眠医学と中国人大学生の生活と心理状態に大きな影響を与えていると考えられる。 そこで,本研究では,中国人大学生の睡眠改善策について,中国病院の心理カウンセリン グの現状,中国大学の心理カウンセリングの現状,COVID-19によって中国の心理カウンセ リングの変化と影響の点から検討を試みる。したがって本研究では,中国の睡眠医療従事者 に対し半構造化面接により,中国睡眠医療と心理カウンセリングの現状を把握し,中国人大 学生の睡眠の問題の状況と睡眠問題の改善を検討することを目的とする。

方 法

調査協力者 中国の医療機関に所属する精神医科の医師2名(臨床心理士資格を持つ,50代 男性Aさん,40代女性Bさん)と中国の大学附属の心理サポートセンターに所属する教師2名 (臨床心理士資格を持つ,50代女性Cさん,30代女性Dさん)を対象に,半構造化面接を行っ た。調査は2020年3月から2020年4月の間に実施された。 調査項目 面接項目 本研究の半構造化面接による調査では,中国の睡眠医療と心理カウンセリングの 現状,中国一般人の睡眠に関する問題,COVID-19の影響による睡眠医療と心理カウンセリ ングの変化と来談者に生じた睡眠問題,中国人大学生の睡眠現状や睡眠改善について回答を 求めた。調査内容は以下の4項目に大別された。 a. 今の中国における全般的な臨床場面の睡眠医療と心理カウンセリング現状を教えてくださ い。 b. 睡眠に関する問題,来談者が相談した内容と改善方法を教えてください。 c. COVID-19の影響で,病院や学校の睡眠医療と心理カウンセリングの変化と来談者に生じ た睡眠問題を教えてください。 d. 中国人大学生の睡眠現状や睡眠改善について,追加したいことを教えてください。 a〜dの4つの質問に対し,中国の睡眠医療と心理カウンセリングについて自由に語ってもら った。aの質問は,中国の病院と学校の睡眠医療と心理カウンセリングの現状を調査するた めの質問である。bの質問は,中国の病院と学校の心理カウンセリング実施方法を調査する ための質問である。cの質問は,COVID-19の影響による中国の病院と学校の睡眠医療と心

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― 5 ― 理カウンセリングの変化について調査するための質問項目である。dの質問は,中国の病院 と学校の睡眠医療について,臨床心理士として話したいことを調査するための質問項目であ る。 調査手続き COVID-19感染拡大防止策の影響を受け,調査は対象者に研究の趣旨と目的を 説明し,調査への協力は協力者の自由意思であり,不利益を受ける事はないこと,個人情報 を守ることを約束し,匿名加工することによって,協力者が特定されないように配慮するこ とを説明し,同意が得られた協力者に対して一対一の半構造化面接をオンラインで実施し た。面接時間は1時間程度を設定し,面接内容を記録して検討するために,面接開始前に, 個人情報を守ることを約束し,協力者の同意を得た上で,面接内容を録音し,あるいはノー トに詳細を記載した。協力者のプライバシーを確保するために,半構造化面接は匿名で実施 した。

結 果

中国の臨床場面の全般的な睡眠医療と心理カウンセリングの現状については,「心理的な 問題が主訴による通院の動機づけが低く,身体的な問題ではなく,気分障害やその心理的問 題を抱えており,内科から臨床心理科に移動したケース」,「自分は心理的な問題と思ってな くて,身体的な問題と考えたケース」,「心理問題があることは自分でもわからなかったケー ス」などが睡眠健康知識の不足や,精神科への抵抗感があることが4人とも語られている。 また,最も多く聞かれた心理的な問題として,家族関係と対人関係,神経症があげられ,こ れらの問題を抱える人は,睡眠問題も併発していた。4名の具体的な面接内容の概略を Table1に示す。 Table1 半構造化面接の調査対象者・質問ごとの概略(1) (a)中国の睡眠医療と心理カウンセリングの現状 A さん 中国人は心理的な問題が主訴による通院の動機づけが低いが,それでも近年 来院数が高くなった。また,40%の内科患者は身体的な問題ではなく,気分 障害や心理的問題を抱えており,内科から臨床心理科に移動した。 B さん 家族関係と対人関係で生じる心理問題として,神経症があり,この問題を抱 える人は睡眠にも問題が多い。来談者が自分は心理的な問題と思ってなくて, 身体的な問題と考えて,直接に薬を要求することもあった。 C さん 中国人大学生の睡眠問題は多いが,不眠に対しカウンセリングする場面が少 なかった。中国人大学生は睡眠問題の意識が足りない可能性がある。 D さん 心理問題があることは,自分でもわからなかった。心理問題があるかどうか を来談者自分も迷っていることは大学のカウンセリング場面でよくあること だ。

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― 6 ― 本調査で面接した者の所属する中国の病院と学校のカウンセリング現場では,主に個人カ ウンセリングとマインドフルネス・ストレス低減法が実施されていた。学校に関して,Cさ んは「グループカウンセリングを使い,心理問題がある学生を選択し,個人カウンセリング を実施する」という方法を報告していた。一方Dさんは「早急に心理問題がある学生を発見 し,カウンセリングを実施すること」と述べていた。病院では,Bさんは薬物療法の他アロ マセラピー,あるいはマインドフルネスストレス低減法を使用してカウンセリングを実施す ることも報告されていた。 まずCOVID-19に関して,コロナ期間に,自宅の滞在時間が長くなることで,年代の差の 原因で親子関係が悪くなり,睡眠に悪い影響を及ぼしていた。また,睡眠時間は増加した Table1 半構造化面接の調査対象者・質問ごとの概略(1) (a)中国の睡眠医療と心理カウンセリングの現状 A さん 中国人は心理的な問題が主訴による通院の動機づけが低いが,それでも近年 来院数が高くなった。また,40%の内科患者は身体的な問題ではなく,気分 障害や心理的問題を抱えており,内科から臨床心理科に移動した。 B さん 家族関係と対人関係で生じる心理問題として,神経症があり,この問題を抱 える人は睡眠にも問題が多い。来談者が自分は心理的な問題と思ってなくて, 身体的な問題と考えて,直接に薬を要求することもあった。 C さん 中国人大学生の睡眠問題は多いが,不眠に対しカウンセリングする場面が少 なかった。中国人大学生は睡眠問題の意識が足りない可能性がある。 D さん 心理問題があることは,自分でもわからなかった。心理問題があるかどうか を来談者自分も迷っていることは大学のカウンセリング場面でよくあること だ。 Table2 半構造化面接の調査対象者・質問ごとの概略(2) (b)中国人一般人の睡眠に関する問題 A さん 主に個人カウンセリングで実施した。マインドフルネス・ストレス低減法を 使うことが多い。時々立ち合い診察もある。 B さん この病院の睡眠改善は殆どマインドフルネス・ストレス低減法を使って個人 で実施した。睡眠問題に対する心理カウンセリングだけでは効果が低く,ア ロマセラピーを併用することで,より高い効果が期待できる。 C さん 心理衛生教育は以前より重視した。2018 年から,心理衛生についての色々な 宣伝活動を実施した。学校の中にグループカウンセリングを使い,睡眠を含 む心理問題がある学生を選択し,個人カウンセリングを実施する。 D さん 中国の大学は,早急に睡眠など心理問題がある学生を発見し,カウンセリン グを実施することが多いが,マインドフルネス・ストレス低減法を使ってグ ループカウンセリングもある。

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― 7 ― が,睡眠パターンが変わってしまうことで,「睡眠効率が悪くなった」,「眠りが浅くなっ た」,などの中途覚醒が見られたことも報告されていた。病院の場面において,Aさんは「多 くの軽症の患者は,新型コロナウイルスへの恐怖心理を持つことで,病院へ行くことに恐怖 心を抱いている」,「身体的症状より,抑うつ・不安状態と睡眠障害の比率は高くなった」 「COVID-19に感染することを心配するため,毎日コロナに関する情報に対し関心を過剰に 持ち,心気症の症状が現れてしまい,パニックに陥ってしまうことで,睡眠の質が悪くなる」 という現象を述べた。また,Cさんは「マインドフルネスストレス低減法は非対面でも実施 できるメリットがあるので,よく使っている」と報告した。 Table3 半構造化面接の調査対象者・質問ごとの概略(3) (c)COVID-19 の影響による,睡眠医療の変化と来談者に生じた睡眠問題 A さん 病院の受診人数と受診原因が変化した。まず,多くの軽症の患者は,新型コ ロナウイルスへの恐怖心理を持つことで,病院へ行くことに恐怖心を抱いて いる。次に,身体的症状よりも,抑うつ・不安状態と睡眠障害の比率は高く なった。COVID-19 に感染することを心配するため,毎日コロナに関する情 報に対し関心を過剰に持ち,心気症の症状が現れてしまい,パニックに陥っ てしまうことで,睡眠の質に悪い影響を与えた。心気症に対して,心理衛生 教育を使う効果が良い。 B さん 受診人数が以前より増加した。コロナ期間の睡眠時間が長くなったが,睡眠 パターンが変わってしまうことで,「睡眠効率が悪くなった」,「眠りが浅くな った」,などの中途覚醒が見られた。コロナ期間に,自宅にいる時間が長くな った,家族と隣家との関係も睡眠に悪い影響を及ぼした。 C さん 中国のコロナ期間に電話とネットを使って,非対面カウンセリングを行った。 マインドフルネスストレス低減法は非対面でも実施できるメリットがあるの で,よく使っている。不安,不眠問題はもちろん,家族関係についての問題 が最も多い問題だ。 D さん COVID-19 の情報に関心があまりない人より,COVID-19 の情報に長期間関 心を持っていた人は,抑うつ,不安になりやすく,睡眠の質も悪くなりやす い。コロナ期間に,大学生は親との住む距離が急に近くなり,こうすると, 逆に親子関係は睡眠に悪い影響を与えた。

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― 8 ― 睡眠改善について,病院における現状として,Aさんは「積極的に心理カウンセリングを 実施することで,睡眠改善を改善する」と言及した。また,Aさんは「異なるグループの 人々の心理的ニーズを的確に満たすことで,睡眠の質を向上させることができる」と語った。 Bさんは「不眠に対する認知を調整したり,睡眠衛生習慣と睡眠パターンを改善したり,昼 間の活動を充実することで睡眠の質が改善できる」,「リラクゼーション演習や瞑想などの自 己調整方法も効果がある」など具体的な方法を述べた。一方,Bさんは「不眠が続く場合は, 専門家の指導のもと,睡眠補助剤を短期間使用することを勧める」も語った。学校に関して は,心理健康教育や心理カウンセリングサービス活動を実施し,積極的な心理的介入を取る ことが緊急の課題と述べる者もいた。 Table4 半構造化面接の調査対象者・質問ごとの概略(4) (d)中国人大学生の睡眠現状や睡眠改善について A さん メディア,病院,コミュニティで積極的な心理カウンセリングを実施して, パニック教育プログラムを増やして,パニックを軽減することで,睡眠を改 善する。異なるグループの人々の心理的ニーズを的確に満たすことで,不安 を軽減し,睡眠の質を向上させることができる。 B さん 不眠の恐怖を克服したり,不眠に対する認知を調整したり,睡眠衛生習慣と 睡眠パターンを改善したり,昼間の活動を充実することは睡眠の質が改善で きる。自分の感情を正しく認識して受け入れること,対人コミュニケーショ ンを積極的に確立すること,リラクゼーション演習や瞑想などの自己調整方 法も効果がある。不眠が続く場合は,専門家の指導のもと,睡眠補助剤を短 時間使用することを勧める。 C さん 新しい学習スタイルと家庭環境に直面して,多くの学生は「無秩序」の状態 に陥った。例えば不規則な仕事と休息,睡眠パターンの乱れ,情緒不安定な どの状態だ。ライフイベントに直面したときに問題を分析,解決,対応する 能力が欠如のため,睡眠問題が発生した。また,効果的かつタイムリーな心 理的介入を取ることは解決すべき緊急の問題だ。 D さん 様々な心理健康教育や心理カウンセリングサービス活動を積極的に実施す る。例えば,大学生に一般的に使用される心理健康の知識と技法を教えるこ とで,不安や他の悪い気分を緩和させる。心理カウンセリングを必要とする 大学生は,心理カウンセリング支援サービスを提供して,睡眠の質を向上さ せるように促す。

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中国における睡眠問題に関する医療と心理カウンセリングの現状と課題 ― 9 ―

考 察

本研究での半構造化面接によって得られた知見に基づき,中国医療と心理カウンセリング の現状,中国一般人と中国人大学生の睡眠問題を調査した。 その結果,中国の睡眠問題に関して,Aさんは「40%の内科患者は身体的な問題ではなく, 気分障害や心理的問題を抱えており,内科から臨床心理科に移動した」と述べ,Bさんも 「来談者が自分は心理的な問題と思ってなくて,身体的な問題と考えて,直接に薬を要求す ることもあった」と報告していた。先行文献においても,中国の人々は「不眠」は身体的な 原因に注目することが多く,心理的な問題をあまり考慮していないことが指摘されている (郭, 2007)。中国人は,睡眠にかかわらず様々な心理的な問題を身体化(somatization)す る傾向があることが示されている(龚・谢・徐・罗, 2010)。身体化とは,人が心の不安や心 理社会的ストレスを身体症状のかたちで訴えることを指す(池田,2013)。また,中国の文 化は人間と自然の調和が保たれた関係を追求し,彼らは自分自身,自然,社会,グループな どの様々な対象との間にバランスの取れた状態を維持することに努めている(刘,2014)。 したがって,中国人は心理的な問題を軽視し,心療内科などに受診し通院することに対し抵 抗感があると考えられる。大学生の場面,Cさんは「中国人大学生の睡眠問題は多いが,不 眠に対しカウンセリングする場面が少なかった」と語っており,Dさんは「心理問題がある ことは,自分でもわからなかった」「来談者が迷うことは大学のカウンセリング場面よくあ ること」と語った。心理的な問題を軽視することと,睡眠の健康に関する知識の不足は,中 国人大学生の睡眠問題の原因のひとつとして考えられる。以上の観点を踏まえると,中国人 大学生に対し睡眠健康教育が不足しており,適切な睡眠健康教育の実施が,中国人大学生の 睡眠問題の早期発見,早期対応を可能にし,予防的な効果をもたらすのではないかと考えら れた。 中国の心理カウンセリングは,主に個人カウンセリングで実施されていた。個人カウンセ リングの方法として,Aさんは「マインドフルネス・ストレス低減法(mindfulness—based stress reduction;MBSR)を使うことが多い」と報告していた。学校場面でも同様に「マ インドフルネス・ストレス低減法を使ってグループカウンセリングもある」と報告してい た。マインドフルネス・ストレス低減法は,マインドフルネス瞑想の方法を用い,自分の心 にある考えを否定したり隠したりせず,注意を呼吸に向け,ストレス,痛みや病気を解消す ることを達成する方法である(姜・任・毋,2019)。マインドフルネス・ストレス低減法は 被験者の睡眠の質を改善する一方で,入眠困難など睡眠問題も解決できることが先行研究で (d)中国人大学生の睡眠現状や睡眠改善について A さん メディア,病院,コミュニティで積極的な心理カウンセリングを実施して, パニック教育プログラムを増やして,パニックを軽減することで,睡眠を改 善する。異なるグループの人々の心理的ニーズを的確に満たすことで,不安 を軽減し,睡眠の質を向上させることができる。 B さん 不眠の恐怖を克服したり,不眠に対する認知を調整したり,睡眠衛生習慣と 睡眠パターンを改善したり,昼間の活動を充実することは睡眠の質が改善で きる。自分の感情を正しく認識して受け入れること,対人コミュニケーショ ンを積極的に確立すること,リラクゼーション演習や瞑想などの自己調整方 法も効果がある。不眠が続く場合は,専門家の指導のもと,睡眠補助剤を短 時間使用することを勧める。 C さん 新しい学習スタイルと家庭環境に直面して,多くの学生は「無秩序」の状態 に陥った。例えば不規則な仕事と休息,睡眠パターンの乱れ,情緒不安定な どの状態だ。ライフイベントに直面したときに問題を分析,解決,対応する 能力が欠如のため,睡眠問題が発生した。また,効果的かつタイムリーな心 理的介入を取ることは解決すべき緊急の問題だ。 D さん 様々な心理健康教育や心理カウンセリングサービス活動を積極的に実施す る。例えば,大学生に一般的に使用される心理健康の知識と技法を教えるこ とで,不安や他の悪い気分を緩和させる。心理カウンセリングを必要とする 大学生は,心理カウンセリング支援サービスを提供して,睡眠の質を向上さ せるように促す。

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― 10 ― 示されている(杨・任・王,2020)。他にも,学校の心理カウンセリングでは,マインドフ ルネス・ストレス低減法を使用し,大学生の学業ストレスを緩和し,不安と抑うつ状態を低 減し,大学生の睡眠問題を一定の効果があげられてきた(杨・任・王,2020)。昨今の情報 技術の発展に伴い,インターネットを通じ,グループでマインドフルネス・ストレス低減法 の実施を効果的に中国人の睡眠健康に促進することができる(鲁・杨・汪,2018)。また, Bさんは「睡眠問題に対する心理カウンセリングだけでは効果が低く,アロマセラピーを併 用することで,より高い効果が期待できる」と言及した。アロマセラピー(aromatherapy) は,アロマ,または精油の芳香や植物に由来する芳香を用いて,心身の健康やリラクゼーシ ョン,ストレスの解消などを目的とする療法である(Lis-Balchin,2011)。アロマセラピー が不安,抑うつ,睡眠の質,認知機能を改善する効果は,これまで多くの研究で確認されて いる(e.g. Domingos, & Braga, 2015;Okamoto, et al., 2005;张・袁,2019)。アロマセラピ ーは非薬用自然療法として,毒性の副作用の無さ,安全性の高さから,補助療法として推進 されている(张・袁,2019)。マインドフルネス・ストレス低減法とアロマセラピーは,抑 うつや不安など気分障害に対する改善効果の高さが示されている(杨・任・王,2020;张・ 袁,2019)。そのため,中国人のネガティブな気分を改善することで,睡眠の改善をもたら すことができると考えられる。 心理的な問題について,Bさんは「家族関係と対人関係で生じる心理問題として,神経症 があり,この問題を抱える人は睡眠にも問題が多い。」と報告した。学校場面においては「不 安,不眠問題はもちろん,家族関係についての問題が最も多い問題」,「コロナ期間に,大学 生は親との距離は急に近くなり,親子関係も睡眠に影響を与えた」と述べられていた。家族 関係は,医師と教師が指摘していた最も睡眠に影響を与える心理的要因として,今後の検討 事項のひとつと考えられている。もし家庭が,適切な環境が提供できず,十分な面倒が見る ことができなければ,自分自身の情緒上の問題が生じ,社会性の問題まで発展する可能性があ る(彭,2004)。現実では,家庭は経済的要素,両親の婚姻関係,家庭の伝統的な価値観など の影響で,健康的な親子関係を築くことが困難な場合がある(刘,2020)。例えば中国の農 村での家庭では,両親は物質的な要求(お金など)に集中し,長期的に共働きを強いられる ため,子供との交流が欠如してしまう(刘,2020)。しかし,コロナ期間に,自宅に隔離す るなどの措置は,元々の生活習慣やライフスタイルを変え,対人コミュニケーションの欠 如,家族の距離が急速に縮まるなどの,親子間の潜在的な矛盾を強めてしまった可能性が指 摘されている(赵・葛・张・脱,2020)。中国の伝統的家族観では,親は権威面で主導権を 担っており,あらゆる面で子供の生活を介入している(全・斯,2010)。親が子ともの生活 に介入し過ぎてしまうこと,心理的な問題をもたらし,睡眠に対しても悪影響を与える原因 となってしまう可能性がある。 先行研究によると,COVID-19は,睡眠に影響を与えるストレッサーとして働くことが指

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― 11 ― 摘されている(农・磨・周,2020)。コロナ期間の中国人の睡眠時間が長くなった一方で, 睡眠効率が著しく減少するという問題が生じてしまっている(冯・刘・易,2010)。もし, 周囲の環境とのバランス,協調性をうまくとれないと,社会環境は個体の健康に損害を与え かねない(李・刘,2003)。したがって,新型コロナ流行の初期では,新種のウイルスへの 未知性と感染率が高まるとともに,経済生活,社会生活と精神生活上に甚大な影響を与え た。なお,コロナ期間では,学生たちは長期休暇中のため,多くの学生の生活は規則的では なく,夜更かしが増えている(冯・刘・易,2010)。これは,コロナ期間中の活動範囲の減 少と活動の多様性の欠如と関係があると考えられる。本来の生物学的要因に規定される睡眠 パターンが,環境やライフイベントにより強制される生活パターンや睡眠パターンに同調で きない場合,睡眠障害になる可能性があるといわれている(高橋,2007)。また,インタビ ューの中でAさんは「COVID-19に感染することを心配するため,毎日コロナに関する情報 に対し関心を過剰に持ち,病気不安症の症状が現れてしまい,パニックに陥ってしまうこと で,睡眠の質に悪い影響を与えた」を報告した。したがって,情報の多さがストレッサーの ひとつとなり,情報に長時間触れることで他人に不安やストレスを伝達しやすくなってしま う。COVID-19の情報に関心が低い人より,長期間COVID-19の情報に関心が高い人は,抑 うつ,不安が悪く,睡眠の質も悪かったと考えられる。 したがって,中国人大学生の睡眠改善策について,まず心理衛生教育を積極的に行う事に よって心理的な問題を意識を高め,身体化する傾向を予防することがあげられる。また,睡 眠障害は,身体的症状よりも抑うつや不安との関連が強いことから,個人の症状にあわせて, 不安や抑うつへの介入や教育プログラムを実施し,心理的ニーズを的確に満たすことが睡眠 の質の向上に必要との指摘があった。マインドフルネス・ストレス低減法やアロマセラピー などリラクセーションを用いることで,中国大学生の情緒的な不安を改善することができ, 睡眠の改善が期待できる。これらの技法は1人で実施することが可能であり,例えばインタ ーネットを利用し,不安や抑うつ気分を低減させることができる。また,家族関係を含む人 間関係問題の改善と睡眠パターンを改善することが睡眠問題改善の重要な切り口といえよ う。 以上,本研究では中国の大学に所属する心理サポートセンターの教師2名と中国の医療機 関に所属する医師2名を対象として実施した半構造化面接によって得られた知見に基づき, 中国人の睡眠改善問題を検討してきた。今後の課題として,まず睡眠の不調への対応に関 し,中国の睡眠医療の実態と日本の睡眠医療の実態と比較することが挙げられる。そして, 睡眠問題に意識できない人にも有効な方法で,アクチグラフにより客観的に睡眠パターンや 睡眠効率水準を評価し,睡眠の改善に対して介入実験を実施することが必要になるだろう。 これらの検討を行い,生活環境と民族差を考慮に入れた上で,留学生の睡眠改善法の研究を 行うことは,睡眠改善法に新たな視点をもたらす可能性がある。また,日本と中国における

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― 12 ― ストレスや気分に対する対処法の違いを理解することで,現在日本に留学をしている中国人 留学生および,今後日本への留学を希望する学生の健康管理に多いに役立つ知見をもたらす ことができることが期待される。

引用文献

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― 15 ―

Abstract:

Purpose: This study investigated the status quo of Chinese sleep medicine and psychological

counseling through semi-structured interviews with Chinese sleep medical workers at University and in Hospital, so as to describe the sleep problem, of Chinese students and discuss the sleep improvement by the knowledge of Chinese sleep medicine.

Methods: two doctors from a Chinese medical institution (one male and one female,

psychological consultant) and Two teachers from the Psychological Support Center of China University (two females, psychological consultant), The main content of the interview is ①the current situation of Sleep medicine in China, ②sleep problems for Chinese, ③changes in sleep medicine and sleep problems due to COVID-19, ④the sleep status and improvement of Chinese college students.

Results & Discussion: According to the results of interviews, all of trem mentioned that

Chinese college students lack knowledge about sleep health. Family and interpersonal relationships are said to be the most common psychological problems, and people with these problems also have a lot of sleep problems. Therefore, there is a lack of sleep health education for Chinese college students, and it is believed that appropriate sleep health education will enable the early detection and response of sleep problems among Chinese college students. Sleep problems can be alleviated by improving anxiety and depression caused by sleep disorders. And interpersonal relationships, including family relationships, and improving sleep patterns may be the key to improving sleep quality for Chinese students.

Keywords: sleep medicine, China, semi-structured interview survey, COVID-19

Current situation and Issues of sleep medicine and

psychological counseling for sleep problems in China

WANG, Shang

MATSUDA, Eiko

参照

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