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昇降機主要部品の劣化診断技術

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Academic year: 2021

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(1)

/てリアフリーを目指した生活環境造りを支援する最新のエレベーター・エスカレーター

昇降機主要部品の劣化診断技術

PreventiveDiagnosisTechnologyforMain

ComponentsofElevatorsand

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l藤野正之

平間 豊 ルねsの′㍑鬼才物オ乃0y〟gα々α月吉和椚α 矢川昌=中野政輝 Sゐ餅1初紺α肋ざαね柑入bんα乃β

[牽垂]

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かご

[] 已 回転機 回転機絶縁の非破壊熱劣化診断装置 電磁ブレーキ 電磁ブレーキ動作診断装置 主ロープ ロープテスタ

(a)エレベーターの構造と各種診断装置

移動手すり ハンドレールチエツカ 小型X繰探傷装置

態二帯

ゝ囁 や

q

0 岳ご 粘 イ、も 0 00 0 ターミナルギヤ 低速回転転がり軸受診断装置

(b)エスカレーターの構造と各種診断装置

昇降機主要部晶の各種劣化診断装置 エレベーター・エスカレークーの主要部品の劣化を高精度かつ短時間で診断できる専用装置を開発した。これにより,的確なメンテナンスが図れる。 ビルやマンションの高層化や高齢化社会への移行に伴 い,エレベーター・エスカレーターは建築物の縦の交通 機関として,今までにも増して重要なものになってきた。 また,ユーザーのニーズの多様化で,エレベーターに先

端技術を導入した技術革新が急速に進むとともに,利便

性の向上の観点から,より短時間で高精度に保全が行え る方法・技術が求められている。 それには,昇降機の機能や性能を十分に維持し,いつ でも快適に安心して利用できる効率的な保全が必要と なる。 また,昇降機の保全には,その機種が多いことから広 範多岐の製品知識と保全上のノウハウが要求される。特 に,主要部品の劣化診断は品質確保上で重要な役割を持

っており,高難度・長時間・重負荷作業が多いため,い

かに作業品質を高精度かつ均一化し,作業時間の短縮を

図るかが重要である。 そのため,従来,人に頼っていた部品劣化診断技術を

診断専用装置と携帯コンピューターの組合せに置き換

え,これらのニーズにこたえることとした。 63

(2)

744 日立評論 Vol.79No.9(1997-9) 1.はじめに ビルに設置された設備機器の性能を長期に維持するた

めには,日常の運転状態の点検はもとより,専門技術者

による定期的なメンテナンス(保全)が重要である。 近年,ユーザーのビル設備に対するニーズは,信頼性 はもとより,経済性・利便性伽__Lへと広がりを見せてい る。このような中で株式会社R_束ビルシステムは,ビル 設備機器の性能の維持に重要な役割を持つ診断技術の向 上に力を注いできた。 ここでは,独自に開発した数多くの診断装置の中から, 特に,昇・降機の主要部品の劣化診断装置の概要について 述べる。

2.劣化診断作業の機械化

最近の昇降機の主要部品は従来に比べて格段に品質が 良くなり,耐久性も高く,トラブルの発生率も激減して いる。しかし,経年や使用環境による部品の摩耗や劣化 は避けられない。したがって,ユーザーがいつでも快適 に安心して利用できる状態に保持するためには,定期的 に高度な保全を行う必要がある。 これを実現するには,従来,人に頼っていた診断技術 や故障予知を機械化することである。 昇降機の主要部品診断技術の機械化例の一部について 以下に述べる。 2.1エレベーター診断装置 2.1.1回転機絶縁の非破壊熱劣化診断装置 与卜降機の駆動機構の心臓部である回転機の劣化を非破 壊で診断する非破壊熱劣化診断装置は,光センサを川い た反射光強度測定により,絶縁材料表面の色相変化を熱 劣化度に換算するものである(図1,2参照)。 この診断装置では,熱劣化による絶縁の物性変化その ものを直接診断する方法を採用している。これにより, 従来の絶縁抵抗測定による診断技術で弱点となってい た,湿度・付着ダストなどによって影響を受けやすい点 が排除できる,より精度の高い診断が可能になった。 この結果,非破壊で定量的に,絶縁の熱履1憩に基づく 残存寿命が予測できるようになった。 2.1.2 電磁ブレーキ動作診断装置 エレベーターの電磁ブレーキは,動力遮断の際,乗り かごを安全に減速,停止,保持させておく安全装置であ り,この動作状態の診断には高度な信頼性が要求される。

電磁ブレーキ動作診断装置は,電磁ブレーキのコイルに

64

流れる電流と動作の関係を保全作業用携帯コンピュータ

に取り込み,重力作特性を正確に測定(自動測定・予兆診

断)し,異常の有無を診断するものである。電磁ブレーキ

新作診断装置構成と診断例を図3に示す。

2.1.3 ロープテスタ エレベーターの生命線である主ロープは,高い安全率 をもって設計されている。しかし,経年・使用頻度・環 境変化などにより,摩耗・劣化が進行する。ロープテス

タは,高感度磁気探傷センサによってロープの素線切れ

などを検出するもので,難度の高いロープ劣化診断を容

易にし,ロープ点検作業時間の短縮や,適正交換時期の

予測を可能とする。

ロープテスタによる診断作業と素線切れ検出例を図4

に示す。 プラスチック光ファイバ 受光用 照射用 絶縁樹脂表面 反射光 照射光 ■■l●□□■■ 光パワーメータ LED 注:略語説明 LED(LightEmittingDiode) 図= 非破壊熱劣化診断の原理 回転機絶縁樹脂表面に光を照射し,光センサでその反射光強度を 測定して絶縁樹脂表面の色相変化を熱劣化度に検算し,その場で残 存寿命を推定する。 1㌔ィ 譲ぎL 感…

磨′

図2 回転機絶縁の熱劣化診断装置の検出部 回転機ステ一夕コイル表面に光センサを接触固定し,絶縁の熱劣 化度を測定する。

(3)

昇降機主要部品の劣化診断技術 745

‡ストローク

コイル レーザ変位センサ ⊂〉 ⊂)

くっ く:⊃ 電源装置

臣∃

メンテナンス用 携帯コンピュータ 電磁プ戸'レーキ 測定日時:97.03,25 走行時間:19329h ストローク 最小(mm)∼最大(mm) 規 定 5.0∼7,5 測 定 5.55 判 定 良 好 電 流 吸引(A) 釈放(A) 規 定 1.54以下 0.23以上 測 定 0.88 0.50 判 定 良 好 良 好

0 0 0 0 0 8 6 4 2 0 (∈∈) 小-ロエベ 吊 l 1 l 5

兢放

吸弓/

l異常値例 05 10 15 20 2 測定電流規定値 洪疋電)ル ストローク規定値 図3 電磁ブレーキ動作診断装置の構成と診断例 電源装置から電磁ブレーキコイルヘ緩やかに増加,減少する電流を供給し,そのときのブレーキ変位量をレーザ変位センサで検出する。その データをメンテナンス用携帯コンピュータに取り込んで動作特性を診断(自動判定)し,表示する。 素線切れ l L:■

i≡≡=

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Pr

:l ‡> 二∈ :○ :lの トー25mm/0.5s【・・r 図4 【】-プテスタによる診断作業と記歳計への出力例 ロープテスタの検出部に低速でロープを通過させる。素線切れを 検出した場合,ブザが鳴動して記録計へ出力する。 2.2 エスカレーターの診断装置 2.2.1ハンドレールチェッカ・小型X線探傷装置 エスカレーターのハンドレール(移動手すり)内部に は,スチールコードが入っている。このスチールコード の状態を診断する作業は,外観上からは歯難である。や やもすると,このスチールコードが破断によってノ、ンド レールの内側または外側に飛び出すことにより,ガイド

機構を損傷するなどの恐れがある。

この探傷装置では,磁気探傷法を応用したハンドレー

ルチェッカで定期的にハンドレールの診断を行い,損傷

個所を検出した場合は小型Ⅹ線探傷装置でさらにハンド

レール内部を透視確認し,予防保全と適切な修理を可能

とした。なお,この探傷装置は,管理区域および被ばく

限度ともに,法令の規定を越えないレベルにあろ。ノ、ン 図5 ハンドレールチェ ッカによる診断作業 エスカレークーを走行さ せ,ハンドレールの損傷個 所の検出を行う。 図6 小型X線探傷装置 による診断作菓 ハンドレールチェッカに よって検出した損傷個所を 確認する。

ドレールチェッカでの診断作業を図5に,小型Ⅹ線探傷

装置による探傷部確認を図6に,Ⅹ繰探傷装置によるハ

ンドレール透視写真を図7にそれぞれ示す。 65

(4)

746 日立評論 Vol.79No.9(1997-9) 図7 X線探傷装置によるスチールコード透視 スチールコードの損傷個所が容易に確認できる。 データ管理 ll

;蒜言;さ三竺タ:

:l雛波形表示

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診断結果送信 t t l l l l l l l l t l 診 断 信号 甲野 ̄. ̄..E:Ⅰ

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ヽ_..._.■ _..-..._..._._..._.._ _.__ _ __′ 図8 低速回転転がり軸受診断装置の構成 軸受から発生するAE信号をセンサで検出し,診断器内部で一定 時間に発生するAE信号をカウントし,メンテナンス用携帯コンピ ュータにその結果を表示する。 2.2.2 低速回転の転がり軸受診断装置 エスカレーターのターミナルギヤなどの,低速で回転

する軸受は,稼動中には異常音や振動が顕在化しないた

め,異常の発見は非常に困難である。転がり軸受が損傷 した状態で回転すると,軸受内部から人の耳には聞こえ ない高周波の非常に小さな音が発生する。この音は弾性 波と呼ばれるもので,AE(AcousticEmission)信号とも

言われる。この診断装置では,弾性波をセンサで検出し,

信号処理した後,発生した弾性波の数を,内蔵したマイ

クロコンピュータによって一定時間カウントし,この値

から転がり軸受の良否を判定する。これにより,従来難

しいとされていた低速回転の車云がり軸受の損傷診断を可

能とした。装置の構成を図8に,検出原理を図9にそれ

ぞれ示す。

3.おわりに

ここでは,株式会社日立ビルシステムが独自に開発し た昇降機の診断装置について述べた。 保全サービスでは,顧客の昇降機の運行状態を常に把 66 プリアンプリファイヤ 圧電素子 センサ固定用磁石 弾性波発生 ′・・一一■ ̄ ̄ ̄■■ ̄■■-、 (  ̄( ( AEセンサ メイン アンプリ ファイヤ 軸受 クラックの存在 図9 転がり軸受損傷の検出度理 クラックなどから発生する高周波の弾性波をAEセンサで検出する。

接し,利便性向上の一環として不稼垂加手間のミニマム化

を図る最適な保全方法が必要である。今後も,今回述べ た昇降機診断技術やこれまで培ったノウハウを最大限に 生かし,より信頼度の高い保全システムを開発していく

考えである。

参考文献 1)竹沢,外:日本電気学会,誘電・絶縁材料研究会発表論 文,光センサを用いた絶縁材料の熱劣化診断方法の開発 (平8¶12) 2)大石,外:AE法による低速回転軸受の損傷診断技術,日 本機械学会,昇降機・遊戯施設等の最近の技術と進歩論 文集,p.25(平7-2) 執筆者紹介

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密、

藤野正之 1970年株式会社日立ビルシステム入社,昇降機保全事業部 保全技術部所属 現在,昇降機保全設計に従事 平間 豊 1961年株式会社日立ピルシステム入社,研究開発センタ 所蟻 現在,保全用非破壊診断測定機各の開発に従事 工学博士,技術上(電気・電子部門) 電気学会会員,日本機械学会会員 矢川昌二 1977年株式会社口立ビルシステム入社,新営計画グループ 所属 現在,保全診断装置などの普及業務に従事 中野政輝 1969年株式会社日立ピルシステム人社,研究開発センタ ビル保全技術開発部所属 現在,昇降機保全装置の開発および部品寿命の解析研究に 従事 技術士(機械部門)

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