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沸騰水型原子力発電所用自動燃料交換システム

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Academic year: 2021

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特集・原 子力 ∪.D.C.占21.039.5るる.る.519:る81.532.1:る81.323

沸騰水型原子力発電所用自動燃料交換システム

Automatic

Refueling

Platform

for

BWR

Power

Plant

沸騰水型原子力発電所用の燃料交換機は,毎年1担j行なわれるプラント定期点検 の炉停止時に,炉心の燃料を新燃料と取r)替えるのに使用きれる装置である。在来 の燃料・交換機は手動方式で運転員が機上で操作していたが,作業能率の向上,省力 化及び作業環境の改善のため,その遠隔自動化が望まれていた。今回開発した自動 燃料交換システムは,プロセス計算機によr),燃料把握機の4次元(走行,横行,昇 降,回転)の速度及び位置決めを自動的に高精度に行なうものであり,これにより, 遠隔操作室からの簡単な指令により,燃料交換作業を迅速,かつ安全に行なうこと ができる。このシステムは,東京電力株式会社福島第一原子力発電所4号機に納入 され,現地総合試験の結果,所期の性能,操作性を満足することが確認された。 l】

言 沸騰水型原子力発電所に設けられる燃料交換機は,従来は 機上手動方式であり,熟練者が細心の注意を払って運転して いた。今回開発した自動燃料交換システムは,作業時間の短 縮,放射線被曝の低減及び省力化を目的に,制御用計算機を 導入し遠隔自動化したシステムであり,この1号機は東京電 力株式会社福島第一原子力発電所4号機に納入され,現地総 合試験の結果,所期の性能が確認された。 本報では,自動燃料交換システムの計算機制御内容を中心 に,その概要について紹介する。 囚

燃料交換作業と遠隔自動化システム設計方針

燃料交換作業は,図1に示すように原子炉建屋最上階の運 転階に設置された燃料交換機を使用して,炉心と使用済み燃 料貯蔵ラックにわたり水中で燃料集合体を移送する作業であ る。燃料交換機は,走行台車,横行台車,燃料ホイスト,伸 縮管式燃料把握機,補助ホイストなどから構成される。走行 台車は,炉心プールと使用済み燃料貯蔵プールにわたって敷

設された走行用レール(約30m)上を走行し,横行台車は,走

行台車上の横行用レール(約11m)上を横行する。横行台車に は燃料把握機が備えられており,燃料ホイストにより昇降さ れる。また,燃料把握機は燃料装荷角度に応じて回転できる ものとなっている。在来機を侍った燃料交換作業は,台車上 の運転台より目視により手動操作し,水中約16m下の炉心セ ルに燃料を規定角度で装荷,あるいはセル内の燃料を取り出 さねばならない。この作業は,熟練した数名の運転員が3直 交代で,約2週間かかって行なわれる。 今回開発した自動燃料交換システムは,作業時間の短縮に ょるプラント稼動率の向上,運転員の放射線被曝の低減及び 省力化を目的として開発したもので,その設計方針及び重点 項目を図2に示す。 田

燃料交換機本体

燃料交換機本体は,遠隔自動化のため特に位置決め精度の 向上及び安全対策の充実を主眼として,先行在来機の設計を 大幅に改良,あるいは新設計を行なった。本体の主要仕様を 表1に,また現地試運転中の外観を図3に示す。 上下利男* 服部紀明** 坂中忠雄***

中島正明***

J∂タP れ)5んJo 肋£Jo・r∼ 凡)γiαたJ 5αんαmαた〟 m(Jαけ 肋たαノJ〝氾〃αざdαムJ

・才脊

燃料交碑橡 走行用レール 燃料把握機 使用済み燃料 貯蔵プール ラック 原子炉格納容器 炉心プール 炉心 原 子 炉 建 屋 原子炉圧力容器

[コ[コ

燃料集合体

区Il 燃料交換作業の説明匡l 燃料交換作業は,燃料交換機を傭って 水面下16mの炉心と使用済み燃料貯蔵ラック間で燃料を移送する作業で,熟練 者が長時間かかって行なっている。位置決め精度は.炉心上部で±10mm以下 が要求される。 【】

遠隔自動化システム

4.1 システム構成 このシステムの概略構成を図4に示す。システムは3種の * 日立製作所電力事業本部 ** 日立製作所日立工場 *** 日立製作所大みか工場 53

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134 日立評論 VOL・6D No.Z(柑78-2) 放射線被曝の 低減 省 力 化 熟練者多数必要 作業時間の短 縮 プラント定期点検の クリテイカル・パス 遠隔化 自動化 遠隔制御室の 設置 安全対策の充 実 位置決め精度 の向上 プロセス計算 機の導入 サイリスタ・レオ ナード装置の導入 〕可動ケーブル最小化設計  ̄ぅ可動ケーブルの処理法 衝突防止対策 つり落とし防止対策 操作ミス防止対策 高信頼度設計 台車剛性の強化 駆動機構の改良 位置検出系の改良 伸絹管の改良 (「-直接制御 ■ ̄ ̄ノモニタ機能の充実 ′ ̄:・ロギング 図2 燃料交換機遠隔自動化の設計方針と重点項目 燃料交換機 の遠隔自動化に当たっては,特に位置決め精度の向上と安全対策の充実に重点 を置いた。

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鄭 図3 自動燃料交換機本体外観(東京電力株式会社福島第一原子 力発電所4号磯) この燃料交換機は,遠隔制御室設置の計算機制御シ ステムにより遠隔自動操作される。走行台車と横行台車は,同時制御され高速 で燃料移送が実行される。 遠隔操作盤 (自動′/遠隔) 通盤 共胴 遠隔制御室

棚仰35。器

コ ASR PTR リンケージ盤 T.′・′′w サイリスタ・レオナード盤 Ⅴ八 ソム "HlしECT()L'' AC電腰 表l燃料交換機本体の主要仕様 この燃料交換機は.重王約301と コンパクトな設計で,燃料把握機はワイヤロープ2本つりの多重丸管垂直収納 式を採用している。 項 目 主要寸法 及び重量 レールスパン:13′360mm 全 長:14′535mm 幅 :4′736mm 高 さ:7,670mm 重 要:約30t 走 行 台 車 駆 動 方 式:歯車直結駆動 駆動電動機:DC 220V,2.ZkW 速 度:0.5∼10m/min 制 御 範 囲:29.6m 横 行 台 車 夢区 動 方 式:歯車直結駆動 馬区動電動機:DC 2ZOV,0.5kW 速 度:0.5∼】Om/min 制 御 範 囲:l卜Om 燃料ホイスト ワイヤロープ2本つり 駆動電動機:DC 220V,3.8kW 速 度:0,5∼10m/min 制 御 範 囲:16_9m 燃料把】屋機 多重丸管垂直収納方式,振れ止め用ダンパ付 回転用電動機:AC 200V,0.4kW 1司 転 速 度:柑0/s 制 御 範 囲:±135度以上 運転モード(自動モード,遠隔手動モード及び機上手動モード) を備えており,機上手動モードでは機上操作盤から,自動モ ード及び遠隔手動モードでは遠隔操作盤からそれぞれ操作で きるようになっている。制御対象は走行台車(ズ),横行台車

(y),燃料ホイスト(Z),燃料把握機回転(β)で,ズ,y,Z

の速度制御は計算機からの速度指令に基づき,サイリスタ・ レオナード装置で行なわれる。位置検出はシンクロ発信器-S/Dコンバータで行ない,位置決め制御は計算機による直接 制御としている。 制御装置は,信頼性,保守性を考慮して機上補助盤などの 一部を除いて,ほとんどを運転階と独立して換気空調された 遠隔制御室に設置している。匡15に遠隔制御室に設置された 遠隔操作盤及びタイプライタを示す。 機上 カーテン レール レ レ プ一 一 ケ‖ノ 俊 上 補 助 盤 槻上操作盤 号 二二E 胤 馬 主回路 図4 燃料交換機遠隔自動化システムの構成 燃料交換機は,サイリスタ・レオナード装置で速度制御され, 計算横による直接制御で位置決めされる。ほとんどの制御装置は信頼性,保守性を上げるため遠隔制御室設置とLている。 54 走行 台車(幻 横行 台 車(y) 燃料ホイスト(Z) 燃料把捉機川) 注こ ASR=コンソールタイプライタ PTR=紙テープ読取装置 T../W=ロギング・タイプライタ

(3)

;弗騰水型原子力発電所用自動燃料交換システム135 伸絹管ストッパ位置 ⊂盲\∈¢ こ二ヒ\∈N 燃料把握機 ⊆∈\∈のd 痙 ′貼一砂ニ iY 図5 遠隔制御室に設置された操作盤 この操作盤より.簡単な作業 指令を与えることによって燃料移送が自動的に行なわれ,作業記寿がタイプラ イタに打ち出される。 4.2 システム動作 このシステムは3種の運転モードをもち,モード選択は遠 隔操作盤上のキー・スイッチで行なう。ここでは,自動モー ドでのシステム動作と計算機制御内容を中心に説明する。 図6に1制御サイクルの燃料 ̄交換自動運転の説明図を示す。 1制御サイクルは,Z上昇制御,ズy制御,β制御及びZ下 降制御から成り,次の手順で実行される。 ∬i′移動制限阻止ループ gl′移動制限警報ループ

ゲ…卜 ノ)7 5,6 1, J-Y 使用済み燃料貯蔵プール 上限一十 Z上昇 一Yy 炉心プール ∫ ∠(上昇) 使用済み 燃料貯蔵 ラック ズy 起動 起動前チエッ 目標座標設定 制御サイクル フック操作 Z(下降) 、いレ 炉 Z ク 図6 燃料交換機の自動運転説明図 計算機は目標位置,移送ルー ト及び速度を計算L,l制御サイクルを自動的に実行する。二の間種々のモニ タを行ない.異常を検出すると直ちに安全停止させる。

炉心 ⊂宗-\∈のd 雛 位置 は ⊂盲\∈O「 図7 Z速度パターンの一例 計算機は種々の速度パターンを記憶し ており,現在位置に応じて速度指令をサイリスタ・レオナード速度制御装置に 出力する。

(1)目標ID(Identification)番号をディジタル・スイッチに

セ、ソトし,「目標座標設定+押しボタンを押す。計算機は目標

位置ズ,y,Z,βを計算し,ディジタル表示器(ズ,y)及

び表示ランプ(Z,β)に表示する。

(2)「起動前チェック+押しボタンを押す。計算機は燃料交換

機の状態,現在位置と目標位置の燃料装荷状況などを総合的 にチェックし,このオペレータ・リクエストが妥当か否かを 決定し,もし妥当でない場合は目標位置表示をすべてブラン クするとともに,次の起動操作を自動的に阻止する。

(3)「自動起動+押しボタンを押す。計算機は,現在位置と目

標位置との関係から移動ルート,速度パターンを計算し,1 制御サイクルを自動的に行ない,目標位置に燃料を装荷,あ るいは燃料ハンドルに着座して停止する。計算機は,燃料把 握機の現在位置に応じて速度制御を行なうが,この一例の速 度パターンを図7に示す。

(4)以上の動作完了で,燃料把握機のフック開閉操作を操作

スイ ッチで才子なう。 4.3 モニタ機能 燃料交換機は核燃料を取り扱う装置であり,その安全対策 には特に留意しなければならない。このシステムでは,衝突

防,1L装置(図8参照),燃料吊F)落とし防止対策などの種々の

ハードウェアによる安全対策のほか,計算機によるモニタ機 能を充実させている。以下,代表的モニタにつき述べる。

(1)移動範囲モニタ

このモニタは,上記衝突防止装置の冗長系として,燃料あ るいは燃料把握機がプール壁やプール内構造物に誤って衝突 することを防止するため,燃料把i屋機が安全かつ自由に動け

るズy範囲(図6参照)を計算機に記憶させておき,燃料把握

機がこの範圃を越えると台車駆動阻止を行なうものである。

(2)燃料スティックモニタ

このモニタは,燃料を炉心又はラックに装荷するとき,燃 料把握機の位置決め不良などにより,燃料下端が炉心あるい はラックの上部にスティックする現象を検出し,燃料把握機 の下降阻止を行なうものである。 55

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136 日立評論 VOL.60 No.2(1978-2)

(3)検出器モニタ

このモニタはズ,y,Z,βの各位置検出系の性能を監視 するもので,それぞれ通過頻度の高い位置に取り付けたリ ミ ット・スイッチの動作を割込み処理で検出し,このときの位 置検出系の走査値をチェックするものである。

(4)スイッチ動作合理性チェック

このモニタは,リ ミットスイッチ,荷重スイッチなどの動 作状態と位置検出系の走査値との相互関係より,その合理惟 をチェックするものである。 ゾ轡 ㌘ ′て、サブ′∧、 ㌻Lごご′1滋′さこ

′要義≒∴当

′転

′も∧、; 「 磯 ふ 喜 ミ 図8 衝突防止装置の外観 ズy移動許可範囲嘉に縮小Lたプレート上 を,マイクロスイッチ4個を取り付けた移動子が燃料把捉機の動きに応じて動 き,プレート上から外れると阻止信号を発する。 F4 -T汀LE CPU-INITI+屯L OK DDC-RESET (〕K OPERATION REFUEl+RECORD REFUEL RECORU OPERATlON REFUEL RECORD REFUEL RECORl) T仙1E FUELiD 13:53 13:56 13ニ57 F4一Ⅹ1り0 14:03 F4-Ⅹ100 14:鴨 F4-Ⅹ100 14:09 F4一Ⅹ100 i4:11 F4一Ⅹ100 14:17 F4-Ⅹ100

FROM TO H()OK MESSAGE

C25-24 C25-26 C25¶24 C25-26 C25-26 C25-24 cLOSE Cしc OUT 王N cLOSE Ct-C C25-26 0UT C25-24 IN 図9 起動前チェックと作業記録の印字出力例 起動前チェック 結果及び作業記て録が自動的に打ち出され,運転操作を確実にする手一芸として有 効活用される。 56

均一屯

L

図tO 模擬炉心と模擬燃料を使用Lた工場組合せ試験 高さ約20 mの試験塔で実炉を模擬して組合せ試験を実施し,その性能と耐久性を確認Lた。 4.4 ロギング 計算機は,燃料交換作業に関する有効な情報出力あるいは

記録として,(1)起動前チェック印字,(2)作業記録,(3)作業

記録サマリ【,(4)燃料データを印字する。図9にこの印字例

を示す。 白

この装置は,工場組合せ試験及び現地総合試験によr),そ の動作,機能及び性能の確認を行なった。工場組合せ試験は, 高さ約20mの試験塔で,模擬炉心及び模擬燃料を使用して実 施した。この試験二状況を図川に示す。特に,この試験では, 1,500回に及ぶ耐久試験を行ない,その性能に変化のないこと を確認した。現地紙合試験の結果,総合位置決め精度は炉心 上部で±5mm以下となり,遠隔利巧卸重からワンマン・コント ロールで安全に燃料移送が行なえることを確認した。また,

燃料交換ステップ(2制御サイクル)の所要時間は8∼14分と

なり,在来機を使用した場合に比べ約30%の時間短縮となる ことを確認した。 l司

言 原子力発電所での燃料交換作業の作業時間の短縮,運転員 の放射線被曝の低i成及び省力化を目的として,自動燃料交換 システムを開発した。本報では,東京電力株式会社福島第一 原子力発電所4号機用に赤内入したこのシステムの概要につい て紹介したが,この運転実績をもとに,更に改良を加え取扱 い対象及び自動化の程度を拡大してゆく予定である。 終わr)に,このシステムの開発に当たり,終始御指導をい ただいた東京電力株式会社の関係各位に対し,深謝の意を表 わす次第である。

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