送信範囲の異なる端末で構成される無線アドホックネットワークにおけるビジートーンを使用したMACプロトコル
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(2) 2816. 情報処理学会論文誌. Sep. 2006. できないことが知られている.この問題を改善する. 同様の 2 種類の送信範囲の端末で構成される環境を. 手法として,Busy Tone を用いたプロトコルである. 想定する.以降,送信範囲の異なる端末で構成される. DBTMA(Dual Busy Tone Multiple Access)が提. 無線アドホックネットワークを 2 種類の送信範囲の. 案されている1)∼4) .DBTMA では,周波数帯の両端. 端末で構成されるネットワークと定義する.提案プロ. に設置するビジートーンを使用することで衝突という. トコルはビジートーンを使用し,大端末が発信するビ. 概念がなくなるため,CTS の衝突による隠れ端末問. ジートーン BTh(Busy Tone assigned the node with. 題を軽減させることができる.. High power)と小端末が発信するビジートーン BTl. 一方,ブロードキャスト通信では IEEE 802.11 は. (Busy Tone assigned the node with Low power)の. 送信端末がデータを送信するのみであり,再送は行わ れないため,信頼性は保証されない6),7) .通信の信頼. 2 つのビジートーンと RTS の組合せで大端末,小端 末の状態を表す.また,指向性アンテナを所持するシ. 性を保証するため,ブロードキャスト通信においても. ステムを想定する.提案プロトコルでは,送信端末か. ACK(Acknowledgement)を使用することにより再. らの RTS を受信した端末がビジートーンを発信する.. 送を行う BACK(broadcast ACK)方式が提案され ている6) .BACK 方式では,送信端末は送信範囲内の 全端末からの ACK を受信した場合送信を完了し,そ. また,文献 10) の FRTS/FCTS と同じ意味を持つ動 ため BTh を発信する.ビジートーンを感知した端末. れ以外の場合はデータの再送を行うことにより信頼性. は感知する方向へのデータの送信を禁止することによ. の高い通信を行うことができる.. り,隠れ端末問題を軽減させる.また,受信に失敗し. 文献 1)∼7) のプロトコルは,ネットワークを構成す. 作として,BTl を感知した大端末は BTl を中継する. た端末はビジートーンの発信を続け再送を要求する.. る全端末の送信範囲が等しいと仮定して検討されてい. 送信端末は送信終了後ビジートーンを感知する場合再. る.しかし,実際にネットワークを構成する端末には,. 送を行うことにより,通信の信頼性を保証する.さら. ノートパソコンなど電力が小さく低出力の端末や,車載. に,ブロードキャストでは,提案プロトコルにおいて. 搭載用端末といった電源供給があり高出力の端末など,. 受信を開始する全端末がビジートーンを発信すること. さまざまな端末から構成されるため,出力の相違によ. で対応でき,結果としてユニキャスト・ブロードキャス. り送信範囲が異なる場合を考慮する必要がある. 9)∼15). .. 各端末の送信範囲が異なる環境下では,受信端末が送 信範囲の小さい端末(小端末)の場合,隠れ端末であ る送信範囲の大きい端末(大端末)の通信を禁止でき ない場合がある.つまり,RTS/CTS 方式や DBTMA では隠れ端末問題の解決が不十分となる.文献 10) で は,大端末と小端末といった 2 種類の送信範囲の端末 で構成された無線アドホックネットワークのユニキャ スト通信において,隠れ端末問題を軽減させる MAC. トの混在通信に対応することができる.計算機シミュ レーションにより,提案プロトコルの有効性を示す.. 2. 従来の研究 2.1 送信範囲の同じ端末での MAC プロトコル IEEE 802.11 では,ユニキャスト通信において RTS/CTS ハンドシェイクを用いる1) .RTS/CTS 方 式では,送信端末がデータ送信に先立ち RTS を送信 する.宛先端末は RTS を受信した場合,送信端末に. プロトコルが提案されている.この方式では,小端末の. CTS を返信する.送信端末は RTS 送信後 CTS を受信. RTS,CTS を受信した大端末が RTS,CTS を中継す. すると,データ送信を行う.他の端末は,RTS または. るため FRTS(Forward to RTS),FCTS(Forward. CTS を受信した場合,通信の予定期間の間送信を控え. to CTS)を送信する.FRTS,FCTS を受信した端末 は一定期間通信を控えることにより,上述の隠れ端末. ることにより,隠れ端末問題を回避する.また,デー タを受信した宛先端末は送信端末へ ACK を返信する.. 問題を軽減させる.しかし,文献 10) の方式において. 送信端末は ACK を受信しない場合データの再送を行. も高トラフィック時に FCTS が衝突し,隠れ端末問題. い,通信の信頼性を確保する.しかし,RTS/CTS 方. を解決できない.また,FRTS を用いることにより他. 式はトラフィック負荷が高い場合 CTS が衝突し,隠. の端末の通信を禁止するため,さらし端末問題が発生. れ端末問題を解決できなくなることが知られている.. する.さらに,送信範囲の異なる環境下でのブロード. この問題を改善する手法として,DBTMA が提案さ. キャストの MAC プロトコルの検討はなされていない.. れている1)∼4) .DBTMA では,図 1 (a) のように周. 本論文では,送信範囲の異なる端末で構成される無. 波数帯の両端に狭帯域のビジートーンを設置する.ビ. 線アドホックネットワークにおける MAC プロトコル. ジートーンとはデータではなく単一のパルス信号であ. を提案する.提案プロトコルでは,文献 9)∼15) と. り,複数の端末が発信している場合でも衝突という概.
(3) Vol. 47. No. 9 異なる端末で構成される無線アドホックネットワークにおける MAC プロトコル. 図 1 ビジートーンのチャネル割当て.(a) DBTMA,(b) 提案プ ロトコル Fig. 1 Busy tone channel assignment. (a) DBTMA, (b) The proposed protocol.. 2817. 図 2 送信範囲が異なることによって生じる隠れ端末問題の例 Fig. 2 An example of hidden node problem with heterogeneous power capabilities.. 端末の状態を大端末が知ることができないことがある 念はなく,感知するかが重要となる.また,DBTMA. ため,RTS/CTS 方式や DBTMA を用いても隠れ端. では IEEE 802.11 で使用しているチャネルを制御チャ. 末問題を軽減させることができない.図 2 に送信範. ネルとデータチャネルに分割し,RTS/CTS などの制. 囲が異なることによって生じる隠れ端末問題の例を示. 御パケットは制御チャネルで,データパケットはデー. す.この場合,端末 S が RTS を送信し,RTS を受信. タチャネルで送信される.なお,ACK は使用しない.. した宛先端末である小端末 R が CTS を返信する.し. DBTMA では,送信端末はデータ送信と同時に BTt. かし,R の送信範囲が小さいため,隠れ端末である大. (The transmit busy tone)を発信する.宛先端末は. 端末 A に CTS が届かない.そのため,A がデータを. CTS 送信時に BTr(The receive busy tone)を発信 し,ビジートーンを感知した端末は他の送信を控える.. 送信した場合,R において衝突が発生する. 文献 10) において,この隠れ端末問題を軽減させ. このように,CTS の衝突が多くなるトラフィック負荷. る MAC プロトコルが提案されている.文献 10) の方. の高い場合にもビジートーンを感知し送信を控えるた. 式では,送信範囲が異なる端末で構成される無線アド. め,隠れ端末問題を軽減させることができる.. ホックネットワークにおいて,送信端末以外の大端末. 一方,ブロードキャスト通信では IEEE 802.11 は. が小端末の CTS を受信した場合,小端末の CTS を. RTS/CTS,および ACK の返信は行わず,送信端末が データ送信を行うのみであり,信頼性は保証されてい. 中継するため FCTS を送信し,隠れ端末の通信を禁止. ない.通信の信頼性を確保したブロードキャスト通信と. を受け取った他の大端末も同様に FRTS を送信する.. して,ACK を使用することにより再送を行う BACK. FRTS を受け取った端末が通信を控えることにより, 送信端末は衝突なく ACK を受信することができる.. 方式が提案されている6) .BACK 方式では,データを. することで隠れ端末問題を軽減させる.小端末の RTS. 受信した端末は ACK を返信する.送信端末は送信終. しかし,文献 10) の方式においても高トラフィック時. 了後,送信範囲内の全端末からの ACK を受信した場. では FCTS の衝突が発生し,隠れ端末問題を解決でき. 合送信を完了し,それ以外の場合はデータの再送を行. ない.また,RTS,FRTS を使うことにより他の端末. うことにより信頼性の高い通信を行うことができる.. の通信を禁止するため,さらし端末問題も発生する.. 2.2 送信範囲の異なる端末での MAC プロトコル. 一方,ブロードキャストにおいては送信範囲が異な. 従来提案されているプロトコルは,送信範囲が同じ. る環境下での MAC プロトコルは検討されていない.. 端末での無線アドホックネットワークにおいて検討さ れているものがほとんどである.しかし,実際にネッ. 3. 提案プロトコル. トワークを構成する端末には移動体端末など電力の小. 本論文では,送信範囲の異なる端末で構成される無. さい端末や,電源供給のある固定端末など,電力の相. 線アドホックネットワークにおける MAC プロトコル. 違により送信範囲が異なる場合が存在する.このよう. を提案する.提案プロトコルはビジートーンを使用し,. に,送信範囲が異なるアドホックネットワークについ. 図 1 (b) のように割り当てる.DBTMA で用いられて. て検討することが重要となる9)∼15) .各端末の送信範. いるビジートーンは,送信端末,受信端末の状態を示. 囲が異なる環境下では,宛先端末が小端末の場合,小. すものである.しかし,提案プロトコルでは小端末,.
(4) 2818. 情報処理学会論文誌. Sep. 2006. 表 1 ユニキャストにおける提案プロトコルの動作概要 ((L) と (H) はそれぞれ小端末,大端末を表す) Table 1 Operation of the proposed protocol for unicast ((L) and (H) mean the nodes with low power and high power).. ID T1 T2. T3 T4. T5. Trigger A node has data. Contention timer times out and a node senses no BT from the direction of the destination node. A node receives RTS. A node senses no BT from the direction of transmission or a node retransmits the data maximum number. A node senses BT in transmitted direction.. T6. A node receives data completely.. T7 T8 T9. A node fails data reception. A node starts data reception. A node does not the data of retransmission. A node senses BT from the direction of the destination node. A node senses no BT from the direction of the destination node. (H) senses BTl in some directions. (H) senses no BTl.. T10 T11 T12 T13. Operation The node sets backoff timer. The node turns BT on in all direction and transmits RTS and data for the direction of the destination node. After the transmission of the data, the node turns BT off and tries to sense BT. The node turns BTl on in case of (L). The node turns BTh on in case of (H).. The node turns BT on in all direction and retransmits the data. After the retransmission of the data, the node turns BT off and tries to sense BT from the direction of retransmittion. The retransmission counter is incremented simultaneously. The node turns BTl off in case of (L). The node turns BTh off in case of (H). The node keeps busy tone on. The node keeps busy tone on. The node turns busy tone off. The node prohibits transmission.. The (H) prohibits transmission and turns BTh on. The (H) turns BTh off.. 大端末の状態を示すものとして使用する.図 1 (b) の. BTl は小端末,BTh は大端末に割り当てられ,BTl, BTh と RTS の組合せで端末の状態を表す.また,提 案方式では DBTMA と同様に制御チャネルで制御パ ケットを,データチャネルでデータパケットを送信す る.なお,提案プロトコルでは従来のプロトコルで使 用される CTS を使用しない.また,端末が数本の指 向性アンテナを所持するシステムを想定する.提案プ ロトコルで用いる指向性アンテナはデータを受信した 方向,ビジートーンを感知した方向の判断ができ,ビ ジートーンの発信とデータの送信を同時に行える.ま た,データの送受信を同時に行うこと,異なる方向か ら複数のデータを同時に受信することはできないと仮. 図 3 ユニキャストにおける提案方式の状態遷移図 Fig. 3 State transition diagram of the proposed protocol for unicast.. 定する4),16) .さらに,各アンテナの送信角度は同じで あり,全アンテナの角度は合計で 360 度となるアンテ. とする18),19) .端末の位置情報とは,近傍端末が存在. ナを使用する.たとえば,指向性アンテナを 4 本使用. するアンテナの方向であり,位置情報をもとに使用す. する場合は各アンテナの送信角度は 90 度となる.各. るアンテナを決定する.. アンテナは他のアンテナといっさいの干渉をしないと. 3.1 ユニキャストにおける提案プロトコル. する4),16),17) .また,各端末は自身の送信範囲より大. 表 1,図 3 にユニキャストにおける提案プロトコル. 端末か小端末かを判断することができ,ルーティング. の動作概要を示す.表 1 において,(L) は小端末を,. パケットやビーコン,データを受信した方向を記憶す. (H) は大端末を示している.ここで,現在の状態にお いて Trigger のイベントが発生したなら Operation の. ることにより近傍の端末の位置情報を把握できるもの.
(5) Vol. 47. No. 9 異なる端末で構成される無線アドホックネットワークにおける MAC プロトコル. 2819. 動作を行い,次の状態へ遷移することを意味する.図 3 において,矢印は状態遷移の方向を示し,その番号は 表 1 の ID と対応している. 今,送信・受信に関与していない状態を IDLE とする.. IDLE の端末は,パケットが発生したことを Trigger と して,バックオフ時間を設定し CONTEND へ遷移す る.CONTEND とは,送信を開始する前にチャネルを 確認する状態である.バックオフ時間とは Contention Window Size からランダムに選ばれた値に Slot Time をかけたものであり,この時間の間ビジートーンを感知 しなければ通信を開始できる.CONTEND の端末は, 宛先端末の存在する方向からビジートーンを感知しな. 図 4 提案方式の通信例 Fig. 4 Example of communication in the proposed protocol.. い場合,つまり宛先端末が存在する方向で通信を行っ ている端末がいない場合,宛先端末の方向へ RTS を送. を表すカウンタを 1 つ増やす.このカウンタが最大再. 信,および全方向へビジートーンを発信する.さらに. 送回数に達した場合,IDLE へ戻りさらなる再送を行. RTS 送信直後にデータを送信し,WAIT REQUEST へ遷移する.一方,CONTEND において宛先端末の. わない.このときもデータ受信は失敗となる.. 存在する方向からビジートーンを感知する場合,送信. とき,全端末が指向性アンテナを 4 本所持するものと. を控え PROHIBIT へ遷移する.また,IDLE および CONTEND の大端末が BTl を感知する場合,BTl を. 向にビジートーンを,宛先端末である小端末 R の方向. 隠れ端末へ中継するため BTh を発信し,PROHIBIT. へ RTS およびデータを送信する.端末 R は RTS を. へ遷移する.この BTh の発信は文献 10) の FRTS お. 受信し,T3 に従い BTl を発信する.大端末 B は端末. よび FCTS の送信と同じ意味を持つ.PROHIBIT の 戻る.このとき,BTh を発信している大端末は発信. R からの BTl を感知するため,T12 に従い BTl を中 継するため BTh を発信する.大端末 A は端末 B か らの BTh を感知するため,T10 に従い BTh を感知. を終了する.. する方向への送信を控える.また,端末 C,D は端末. 端末は,ビジートーンを感知しなくなると元の状態へ. 図 4 に提案プロトコルにおける通信例を示す.この する.送信端末である大端末 S は T1,T2 を経て全方. 一方,宛先端末は RTS を受信した場合小端末であ. S からの BTh を感知するため,T10 に従い BTh を. るなら BTl を,大端末であるなら BTh を発信し. 感知する方向への送信を控える.このように,提案プ. WAIT DATA へ移行する.WAIT DATA の端末は. ロトコルを用いることで隠れ端末 A は BTh を感知す. データ受信に成功した場合ビジートーンの発信を終了. ることにより間接的に端末 R の状態を知ることがで. し,RTS を受信する前の状態,つまり IDLE,もしくは. CONTEND へ戻る.データ受信に失敗した場合,ビ. きるため,感知する方向へはデータを送信せず,端末 R において衝突を避けることができる.また,ビジー. ジートーンの発信を続け再送の要求を行い REQUEST. トーンは衝突という概念がないため,高トラフィック. へ移行する.REQUEST の端末は,送信端末から再. においても隠れ端末問題を軽減させる.さらに,端末. 送が行われデータの受信が始まったら WAIT DATA. A,C,D はビジートーンを感知しない方向へ送信で きるため,さらし端末問題も軽減させる. また,端末 R が受信に失敗した場合の再送方法を説. へ戻る.一定時間待っても再送が行われない場合送信 端末に再送要求が届かないと判断し,IDLE,もしく は CONTEND へ戻る.このときデータ受信は失敗. 明する.端末 R は受信に失敗したため,T7 に従い送. となる.一方再送要求を待つ WAIT REQUEST の端. 信終了後も BTl の発信を続ける.大端末 B は BTl を. 末は,送信方向からビジートーンを感知しない場合,. 継続して感知する.よって,BTh の発信を続け BTl. 送信が成功したことを意味するため,IDLE へ戻る.. を中継することで送信端末 S に再送を要求する.端末. 送信方向以外からビジートーンを感知する場合でも,. S は送信方向からビジートーンを感知するため,T5. 宛先端末からの再送要求ではないと判断できるため,. に従いデータの再送を行う.また,同時に全方向へビ. IDLE へ戻る.送信方向からビジートーンを感知する. ジートーンを発信する.このように,提案プロトコル. 場合受信に失敗したことを意味するため,再送を行い. では再送要求が届かない端末に対してもビジートーン. 再び WAIT REQUEST へ戻る.このとき,再送回数. を中継することで間接的に要求を知ることができるた.
(6) 2820. 情報処理学会論文誌. Sep. 2006. 感知しなければ元の状態へ戻る.このとき,BTh を 発信している大端末は発信を終了する. 一方,RTB を受信したすべての端末は受信状態を 示すためビジートーンを発信し,WAIT DATA へ遷 移する.このように,RTB を受信した全端末がビジー トーンを発信することにより,ブロードキャストにお 図 5 片方向のリンクにおける位置情報決定の例 Fig. 5 Example of decision of position information of node on unidirectional link.. いても隠れ端末問題を軽減させる.RTB の受信に失敗 した場合はビジートーンを発信せずにデータを受信す ることとなる.WAIT DATA の端末は,データ受信. め,通信の信頼性を高めることができる.. に成功するとビジートーンの発信を終了し,元の状態. なお,図 4 において S が R へ通信するため,S は R が近傍端末であると知る必要がある.その方法とし. に戻る.データ受信に失敗した場合,再送要求のため. て,たとえば文献 14) の方式があげられる.図 5 に片 方向リンクでの近傍端末の位置情報決定法の例を示す. 図 5 において,A から B の片方向リンクが存在する. 例外として,受信に成功した大端末が BTl を感知した を PROHIBIT へ遷移させる.REQUEST の端末は,. 状況での A から D へデータを転送する場合を考える.. 送信端末から再送が行われデータの受信が始まったら. ビジートーンの発信を続け,REQUEST へ遷移する. 場合,BTl を中継するため BTh の発信を続け,状態. ルートを探索するルートリクエストは A→B→C→D. WAIT DATA へ戻る.一定時間待っても再送が行わ. と転送される.しかし,ルートを決定するため宛先端. れない場合,送信端末に再送要求が届かないと判断し,. 末から返信されるルートリプライでは B→A が転送で. 元の状態へ戻る.このときデータ受信は失敗となる.. きないため,B の送信範囲内に存在する E が中継す. 一方,WAIT REQUEST の端末は,ビジートーンを. ることで,つまり D→C→B→E→A というルートで. 感知しない場合送信が成功したことを意味するため,. 転送される.このルートリプライを受け取った A は. IDLE へ戻る.ビジートーンを感知する場合感知する. A→B→C→D のルートを使用することを知るため,A は B が近傍端末であると知ることができる.ここで, E と同様の方向に B が存在するとすることで,A は. 方向で受信に失敗したことを意味するため,感知する. B の位置情報を把握することが可能となる. 3.2 ブロードキャストにおける提案プロトコル. 表すカウンタを 1 つ増やす.このカウンタが最大再送. 方向へ再送,および全方向へビジートーンを発信し, 再び WAIT REQUEST へ戻る.このとき再送回数を 回数に達した場合,IDLE へ戻り,さらなる再送は行. 表 2,図 6 にブロードキャストにおける提案プロト. わない.このときもデータ受信は失敗となる.このよ. コルの動作概要を示す.ブロードキャストでは,送信. うにビジートーンを感知する方向へのみ再送を行うた. データが発生し CONTEND に遷移した送信端末は,. め,さらし端末問題を軽減させる.また,再送要求が. ビジートーンを感知しない場合,RTB(Request to. 届かない端末に対してもビジートーンを中継すること. broadcast)を全方向へ送信,同時にビジートーンを発. で間接的に要求を知ることができるため,通信の信頼. 信する.RTB は送信データがブロードキャストである. 性を高めることができる.. と知らせるものである.さらに,RTB 送信直後にデー. 提案プロトコルにおける図 3 と図 6 の大きな相. タを送信し,WAIT REQUEST へ遷移する.RTB 送. 違点は,図 3 では T10,T12 によって IDLE から. 信後ただちにデータを送信するため,RTB の受信に失. PROHIBIT へ,T11,T13 によって PROHIBIT か. 敗した端末が存在する場合においてもデータを送信す. ら IDLE へ遷移するのに対し,図 6 ではそれぞれ T10,. る.一方,CONTEND においてビジートーンを感知 する場合,自分の周りで通信を行っている端末が存在. T11 のみであること,および図 6 では T12 によって WAIT DATA から PROHIBIT へ遷移することであ. するため,RTB の送信を控え PROHIBIT へ遷移す. る.つまり,ユニキャストでは送信方向から BT を感. る.ブロードキャストでは送信端末の送信範囲内の全. 知した端末,もしくは BTl を感知した大端末は送信. 端末にデータを送信するため,ビジートーンを感知す. が禁止されることに対し,ブロードキャストでは BT. る場合 RTB の送信を行わない.また,IDLE および. を感知した端末が送信を禁止される.また,ユニキャ. CONTEND の大端末は BTl を感知する場合,BTl を. ストパケットを正常に受信した端末は BT の発信を終. 隠れ端末へ中継するため BTh を発信し,PROHIBIT. 了するのに対し,ブロードキャストパケットを受信し. へ遷移する.PROHIBIT の端末は,ビジートーンを. た大端末は BTl を感知する場合 BTh の発信を続け.
(7) Vol. 47. No. 9 異なる端末で構成される無線アドホックネットワークにおける MAC プロトコル. 2821. 表 2 ブロードキャストにおける提案プロトコルの動作概要 ((L) と (H) はそれぞれ小端末,大端末を表す) Table 2 Operation of the proposed protocol for broadcast ((L) and (H) mean the nodes with low power and high power).. ID T1 T2. Trigger A node has data. Contention timer times out and a node senses no BT.. T3. A node receives RTS.. T4. T5. A node senses no BT from the directions of transmission or a node retransmits the data maximum number. A node senses BT in some directions.. T6. A node receives data completely.. T7 T8 T9. A node A node A node sion. A node. T10 T11 T12. fails data reception. starts data reception. does not the data of retransmissenses BT.. A node senses no BT. (H) receives data completely but senses BTl.. Operation The node sets backoff timer. The node turns BT on and transmits RTS and data in all direction. After the transmission of the data, the node turns BT off and tries to sense BT. The node turns BTl on in case of (L). The node turns BTh on in case of (H).. The node turns BT on in all direction and retransmits the data for the direction of sensing BT. After retransmission of the data, the node turns BT off and tries to sense BT from the direction of retransmission. The retransmission counter is incremented simultaneously. The node turns BTl off in case of (L). The node turns BTh off in case of (H) if it senses no BTl. The node keeps busy tone on. The node keeps busy tone on. The node turns busy tone off. The node prohibits transmission. It turns BTh on if it is (H) and senses BTl. The node turns BTh off in case of (H). The (H) keeps BTh on.. コルの有効性を示す.シミュレーションでは,端末は 正方のネットワークエリアにランダムに固定配置され る.また,パケットの発生はネットワーク全体にかか るトラフィック負荷を X [Mbps],パケットの平均ペ イロード長を P [byte],端末数を N とし,発生率 g のポアソン分布に従うものとする.発生率は式 (1) で 与えられる.. g=. X P ×N. (1). トラフィック負荷を,単位時間あたりにネットワー 図 6 ブロードキャストにおける提案方式の状態遷移図 Fig. 6 State transition diagram of the proposed protocol for broadcast.. クに発生するデータの総量と定義する.再送するデー タはネットワークに発生するデータには含めない.本 論文では,スループット,平均遅延,受信成功率,お よび平均再送回数について評価する.ここで,スルー. る.なお,各トリガ,動作が若干異なる点においても 注意する必要がある.以上より,提案プロトコルはほ ぼ同じ動作のもとでユニキャストにもブロードキャス. プット T は式 (2) で定義される.. T =. Length of transmitted data packets (2) Channel rate × Total time. コルはユニキャスト・ブロードキャストが混在した通. また,平均遅延を,図 3,図 6 において状態 CONTEND に移行してから IDLE に戻るまでの平均時間. 信に対応できると考えられる.. と定義する.さらに,受信成功率を,再送も含むデー. トにも適応することができる.その結果,提案プロト. 4. シミュレーション. タの送信回数に対する受信成功回数,平均再送回数を,. 本章において,シミュレーションにより提案プロト. 均と定義する.なお,本論文は文献 2),3),5)∼7),. 再送ではない 1 回のデータ送信に対する再送回数の平.
(8) 2822. Sep. 2006. 情報処理学会論文誌. 9)∼11),16)∼19) と同様に,MAC プロトコルの評価 としてシングルホップでの評価を行う.無線アドホッ クネットワークでは一般的にマルチホップが生じ,マ ルチホップとシングルホップではトラフィックの振舞 いが異なると考えられる.たとえばパケットの発生確 率の違いがあげられる.本論文で行うシングルホップ のシミュレーションでは各端末のパケット発生確率は 等しいものとして行うが,マルチホップでは複数のフ ローを同時に転送する端末のパケット発生確率が他の 端末より高くなると考えられる.また,マルチホップ の場合,MAC 層で連続的に同じ宛先端末へのパケッ トが発生することや,マルチホップのパケット転送に 起因してパケットを受信した端末において転送するパ ケットが即座に発生することも考えられる.そのため, 本論文の評価が定量的にマルチホップの評価に直結し ないと考えられる.しかし,マルチホップで生じる問 題は本論文で評価する方式すべてにおいて共通に発生 するため,本論文での評価の差はマルチホップでも相 対的に同一であると考えられる.以上より,シングル ホップの評価は妥当であると考えられる.. 4.1 ネットワーク負荷に対する特性 4.1.1 ユニキャスト通信における特性. 表 3 ユニキャストのシミュレーション諸元 Table 3 Simulation parameters for unicast.. Common Parameters Channel Rate The Number of Node The node with low power The node with high power Network area Transmission Range The node with low power The node with high power SIFS Time DIFS Time Contention Window Slot Time Minimum Contention Window Size Maximum Contention Window Size RTS Packet Length CTS Packet Length ACK Packet Length Data Packet Length Packet Arrival Process FRTS/FCTS Model FRTS Packet Length FCTS Packet Length DBTMA Model Directional Antennas Proposed Model Directional Antennas. 2 Mbps 20 10 10 50 units 20 units 10 units 10 µsec 50 µsec 20 µsec 31 1,023 14 bytes 14 bytes 10 bytes 1,200 bytes Poisson 8 bytes 8 bytes Omni or 4 Omni or 4. まず,ユニキャストのみが行われている場合の IEEE. 802.11,DBTMA 2),3) ,文献 10) の方式,文献 4) の方 式,および提案方式について,スループット,平均遅延, 受信成功率,および平均再送回数を評価する.本論文で は,文献 10) の方式を FRTS/FCTS 方式と呼ぶ.また, 文献 4) の方式は DBTMA において CTS,DATA の送 信,および BTt,BTr の発信を指向性アンテナを使用 して行うもので,本論文では DBTMA(D)(DBTMA with Directional Antennas)と呼ぶ.また,無指向 性アンテナを使用する DBTMA 2),3) を DBTMA(O) (DBTMA with Omni Antenna)と呼ぶ.さらに,提 案方式において指向性アンテナを用いる有効性を確認 するため,無指向性アンテナを用いたものも評価する. 以降,提案方式において指向性アンテナを用いたも のを提案 (D),無指向性アンテナを用いたものを提案. (O) とする.表 3 に示すシミュレーション諸元に基づ きシミュレーションを行う.ユニキャストでは,送信 端末の送信範囲内にある 1 つの端末を送信ごとにラン ダムに決定し,その端末を宛先端末とする.図 7 に, ユニキャストにおけるトラフィック負荷に対する特性 を示す.図 7 (a),(b),(c),(d) はそれぞれ,ユニキャ ストにおけるトラフィック負荷に対するスループット, 平均遅延,受信成功率,そして,平均再送回数を示す. はじめに,ビジートーンを用いる効果を考察する.. 図 7 ユニキャストにおけるトラフィック負荷に対する特性.(a) ス ループット特性,(b) 平均遅延特性,(c) 受信成功率特性,(d) 平均再送回数特性 Fig. 7 Performance as a function of offered load for unicast. (a) Throughput, (b) Average delay, (c) Success ratio of the reception, (d) Average number of retransmissions..
(9) Vol. 47. No. 9 異なる端末で構成される無線アドホックネットワークにおける MAC プロトコル. 図 7 (a) において DBTMA(O) と IEEE 802.11 を比較. 2823. すると,DBTMA(O) のスループットが高いことが分. トが若干上昇することが分かる.さらに,提案 (D) と DBTMA(D) も同様の関係にあるため,図 7 (a) にお. かる.このことを考察するため,図 7 (c) を検討する.. いて提案 (D) のスループットは DBTMA(D) と比較. 図 7 (c) より,DBTMA(O) は IEEE 802.11 より受信. して高いことが分かる.しかし,図 7 (c) において提. 成功率が高いことが分かる.この差は,DBTMA(O). 案 (D) の受信成功率は 1 とはならない.これは,宛先. においてビジートーンを使用することで,IEEE 802.11. 端末の送信範囲内に大端末が存在しない場合,中継が. の CTS の衝突による隠れ端末問題を軽減させること. 行われないので隠れ端末問題が発生するためである.. による差である.つまり,ビジートーンを使用するこ. この点については 4.2 節で考察する.以上の比較より,. とで CTS の衝突による隠れ端末問題を軽減させるた. 中継を行うことの有効性が確認できる.. め,DBTMA(O) は IEEE 802.11 と比較してスルー. 次に,指向性アンテナを用いる効果を考察する.. プットが上昇する.また,図 7 (c) における提案 (O) と. 図 7 (a) において,DBTMA(D) と DBTMA(O) を. FRTS/FCTS 方式の受信成功率の差は,IEEE 802.11. 比較すると,DBTMA(D) のスループットが高いこと. と DBTMA の関係と同様に,ビジートーンを使用する. が分かる.このことを考察するため,図 7 (b),(d) を. ことで,FCTS の衝突による隠れ端末問題を軽減させる. 検討する.図 7 (b) より DBTMA(D) の平均遅延が. 効果を示している.したがって,図 7 (a) において提案. DBTMA(O) より小さいことが分かる.遅延は,さら. (O) はビジートーンを使用するため,FRTS/FCTS 方. し端末となることにより送信を待つ遅延と,再送を行. 式と比較してスループットが高いことが分かる.以上の. うことによる遅延に分類できる.図 7 (d) において,. 比較より,ビジートーンを用いる有効性が確認できる.. DBTMA(D),(O) は ACK を使用した再送を行わな いため,平均再送回数が 0 である.つまり,再送を行 うことによる遅延は発生せず,図 7 (b) の差は指向性ア. 次に,小端末のデータ通信の情報を大端末が中 継することの効果を考察する.図 7 (a) において,. FRTS/FCTS 方式と IEEE 802.11 を比較すると,差 は小さいが FRTS/FCTS 方式のスループットが高い. ンテナを用いることによりさらし端末問題を軽減させ. ことが分かる.このことを考察するため,図 7 (b),(c). 題を軽減させることで DBTMA(D) は DBTMA(O). を検討する.IEEE 802.11 と FRTS/FCTS 方式の違. と比較してスループットが上昇すると説明できる.ま. ることを示している.以上の考察より,さらし端末問. いは,FRTS/FCTS 方式において小端末の RTS/CTS. た,図 7 (a) において提案 (D) と提案 (O) を比較す. を大端末が中継し,図 2 のような送信範囲が異なるこ. ると,提案 (D) のスループットが高いことが分かる.. とによる隠れ端末問題を軽減させることである.この. 図 7 (d) に示すように,提案 (O) の平均再送回数は提. ことが,図 7 (c) における FRTS/FCTS 方式と IEEE. 案 (D) より多い.しかし,図 7 (b) における平均遅延. 802.11 の受信成功率の差に示される.一方,図 7 (b). の 0.1 は約 5 パケット分の時間であるので,図 7 (d). において FRTS/FCTS 方式と IEEE 802.11 を比較. の提案 (D) と提案 (O) の平均再送回数の差は平均遅. すると,FRTS/FCTS 方式の平均遅延が大きいこと. 延にほとんど影響がないと見なせる.つまり,図 7 (b). が分かる.これは,FRTS/FCTS 方式では小端末の. の提案 (D) と提案 (O) の差は,主に提案 (D) におい. RTS/CTS を大端末が中継することで,IEEE 802.11 と比べ多数の端末の通信を禁止するためである.つま. て指向性アンテナを用いることでさらし端末問題を軽. り,FRTS/FCTS 方式は IEEE 802.11 より平均遅延. 指向性アンテナを用いる有効性が確認でき,提案 (D). が大きくなるが,信頼性の高い通信を行うことができ. は提案 (O) よりスループットが高いことが説明できる.. る.以上より,小端末の RTS/CTS を中継することで,. 減させることによる差を表している.以上の考察より,. 図 7 (a) の中で,提案 (D) は最も高いスループット. 多数の端末の通信を禁止する影響より隠れ端末問題を. を示す.これは,上記の考察のとおり提案 (D) ではビ. 軽減させる効果が大きく,IEEE 802.11 と比較して. ジートーン,中継,指向性アンテナの 3 つの効果がす. FRTS/FCTS 方式のスループットが若干上昇すると 説明できる.また,図 7 (c) の提案 (O) と DBTMA(O) の受信成功率の差は,IEEE 802.11 と FRTS/FCTS. べて現れるためである.ユニキャストでは,特に指向. 方式の比較と同様に,提案 (O) において小端末のビ. 4.1.2 ブロードキャスト通信における特性 ブロードキャストのみが行われている場合の IEEE. ジートーンを中継することにより隠れ端末問題を軽減 させる効果を示している.したがって,図 7 (a) にお いて提案 (O) は DBTMA(O) と比較してスループッ. 性アンテナを用いる効果がスループットの差として顕 著に現れる.. 802.11,BACK 方式,および提案 (D),(O) におい て,評価を行う.なお,ブロードキャストにおいては,.
(10) 2824. 情報処理学会論文誌. Sep. 2006. ビジートーンを使用したプロトコルが従来の研究には. フィック負荷に対する特性を示す.ブロードキャスト. ないため,比較の対象としてあげることができない.. パケットは送信端末の送信範囲に存在する全端末に受. 表 4 に示すシミュレーション諸元に基づきシミュレー. 信されることで送信成功とする.図 8 (a),(b),(c),. ションを行う.図 8 にブロードキャストにおけるトラ. (d) はそれぞれ,ブロードキャストにおけるトラフィッ ク負荷に対するスループット,平均遅延,受信成功率,. 表 4 ブロードキャストのシミュレーション諸元 Table 4 Simulation parameters for broadcast.. Common Parameters Channel Rate The Number of Node The node with low power The node with high power Network area Transmission Range The node with low power The node with high power SIFS Time DIFS Time Contention Window Slot Time Minimum Contention Window Size Maximum Contention Window Size Data Packet Length Packet Arrival Process BACK Model Number of Mini Slots Time Duration of ACK Proposed Model RTB Packet Length Directional Antennas. 2 Mbps 20 10 10 50 units. 平均再送回数を示す. まず,ビジートーンを使用すること,および中継を 行うことの効果を考察する.図 8 (a) において,BACK 方式と IEEE 802.11 を比較すると,BACK 方式のス ループットが低いことが分かる.このことを考察する ため,図 8 (b),(c),(d) を検討する.図 8 (d) にお いて,BACK 方式の平均再送回数は IEEE 802.11 と. 20 units 10 units 10 µsec 50 µsec 20 µsec 31 1,023 1,200 bytes Poisson 40 1 µsec. 比較して多いことが分かる.また,図 8 (c) において,. BACK 方式の受信成功率は IEEE 802.11 より高いこ とが分かる.これは,BACK 方式において再送を行 うことで信頼性を保証するためである.一方,図 8 (b) より,BACK 方式の平均遅延は IEEE 802.11 より大 きいことが分かる.これは,BACK 方式では一度の送 信に対する再送回数が多くなることで平均遅延が大き くなることを示している.以上より,再送を行うこと により,信頼性の保証と,平均遅延の増大という 2 つ の要素が発生する.図 8 (a),(c) より,BACK 方式は. 14 bytes Omni or 4. IEEE 802.11 より受信成功率が高いにもかかわらずス ループットが低下する.これは,再送を行うことによ る信頼性の保証より,再送回数が多くなることによる 平均遅延の増大の影響が大きいことを示している.つ まり,BACK 方式では再送回数が多くなることでス ループットが低下すると説明できる.なお,BACK 方 式での再送には,データの衝突による再送と小端末の. ACK が送信端末である大端末に届かないことによる 無駄な再送がある.一方,図 8 (a) において提案 (O) と IEEE 802.11,BACK 方式を比較すると,提案 (O) のスループットが高いことが分かる.このことを考察 するため,図 8 (c),(d) を検討する.図 8 (c) より,提 案 (O) の受信成功率は IEEE 802.11,BACK 方式よ り高いことが分かる.この差は,小端末のビジートー ンを大端末が中継することで隠れ端末問題を軽減させ る効果を示している.これにより,データの衝突によ る再送を減らすことができる.また,図 8 (d) において 提案 (O) の平均再送回数は BACK 方式の約 25%であ 図 8 ブロードキャストにおけるトラフィック負荷に対する特性.(a) スループット特性,(b) 平均遅延特性,(c) 受信成功率特性, (d) 平均再送回数特性 Fig. 8 Performance as a function of offered load for broadcast. (a) Throughput, (b) Average delay, (c) Success ratio of the reception, (d) Average number of retransmissions.. ることが分かる.図 8 (c) において,提案 (O) の受信 失敗の確率は BACK 方式の約 50%であるので,デー タの衝突を抑えることによる再送回数の減少のほかに, 平均再送回数を減少させる要因があることが分かる. 提案 (O) では,受信に失敗した端末が再送要求のため ビジートーンを発信し続ける.この動作は,ACK で.
(11) Vol. 47. No. 9 異なる端末で構成される無線アドホックネットワークにおける MAC プロトコル. 2825. はなく NACK(Negative ACK)と同じ意味を持つ動 作である.つまり,図 8 (b) の提案 (O) と BACK 方 式の差はデータの衝突を抑えることによるデータの再 送数の減少に加え,無駄な再送が発生しないことによ る差を示している.また,提案 (O) では小端末の再 送要求が届かない端末においても,大端末が中継する ことで間接的に要求を知ることができる.そのため, 提案 (O) は通信の信頼性を確保できる.以上の考察 より,提案 (O) は IEEE 802.11,BACK 方式と比較 してスループットが上昇すると説明でき,ビジートー ン,および中継の効果が説明できる. 次に,指向性アンテナを用いる効果を考察する. 図 8 (a) において提案 (D) と提案 (O) を比較すると, 提案 (D) のスループットが高いことが分かる.このこ とを考察するため,図 8 (b),(d) を検討する.図 8 (d) において,提案 (D),(O) は平均再送回数がほぼ同じ であるが,図 8 (b) より,提案 (D) は提案 (O) より平 均遅延が小さいことが分かる.このことは,再送時に 指向性アンテナを用いることで,さらし端末問題を軽 減させることを示している.よって,指向性アンテナ を用いる有効性が確認でき,提案 (D) は提案 (O) よ りスループットが上昇することが説明できる.なお,. 図 9 混在通信におけるトラフィック負荷に対する特性.(a) スルー プット特性,(b) 平均遅延特性,(c) 受信成功率特性,(d) 平 均再送回数特性 Fig. 9 Performance as a function of offered load for mixed communication of unicast and broadcast. (a) Throughput, (b) Average delay, (c) Success ratio of the reception, (d) Average number of retransmissions.. 図 7 と比較して提案 (D) の改善度が小さいのは,ブ ロードキャストにおいては指向性アンテナの効果が再. ロードキャスト通信が行われている場合においても,. 送時にしか効いてこないためである.. 送信範囲が異なることによる隠れ端末問題を軽減させ. 図 8 (a) の中で,提案 (D) は最も高いスループット. る.このことが,図 9 (c) における提案 (O) と IEEE. を示す.これは,上記の考察のとおり,提案 (D) に. 802.11 の受信成功率の差に示される.以上の考察よ. おいてビジートーン,中継,指向性アンテナの効果が. り,提案 (O) は IEEE 802.11 よりスループットが上. 現れるためである.ユニキャスト通信とは異なり,ブ. 昇すると説明できる.このことより,混在通信におい. ロードキャスト通信ではビジートーン,および中継の. てもビジートーン,中継の効果が確認できる.. 効果が顕著に現れる.. 次に,指向性アンテナを用いる有効性を確認する.. 4.1.3 混在通信の特性. 図 9 (a) において提案 (D) と提案 (O) を比較すると,. ユニキャスト,ブロードキャストが同時に行われる. 提案 (D) のスループットが高いことが分かる.これ. 混在通信の場合の IEEE 802.11,提案 (D),(O) にお. は,図 7,図 8 と同様に,指向性アンテナを用いるこ. いて,評価を行う.各端末は,1 対 1 の割合でユニキャ. とでさらし端末問題を軽減させるためである.また,. スト,ブロードキャストを行う.図 9 に,混在通信に. 混在通信におけるさらし端末問題の軽減について,例. おけるトラフィック負荷に対する特性を示す.図 9 (a),. をあげて説明する.ブロードキャスト通信が行われて. (b),(c),(d) はそれぞれ,混在通信におけるトラフィッ ク負荷に対するスループット,平均遅延,受信成功率,. いる近くでユニキャスト通信を行おうとする端末が存. そして,平均再送回数を示す.. トパケットを受信した端末からのビジートーンを感知. 図 9 (a) において提案 (O) と IEEE 802.11 を比較す. 在する場合を考える.提案 (O) では,ブロードキャス するので,ユニキャスト通信を行うことがまったくで. ると,提案 (O) のスループットが高いことが分かる.. きない.しかし,提案 (D) では指向性アンテナを用い. このことを考察するため,図 9 (c) を検討する.ユニ. るので,ビジートーンを感知しても送信方向と異なれ. キャスト通信が行われている場合は,提案 (O) におい. ばユニキャスト通信を行うことができる.したがって,. て CTS の衝突による隠れ端末問題と,送信範囲が異. ユニキャスト通信,ブロードキャスト通信が同時に行. なることによる隠れ端末問題を軽減させる.また,ブ. われている場合特有のさらし端末問題を軽減させるこ.
(12) 2826. 情報処理学会論文誌. Sep. 2006. とができる.以上の比較より,混在通信においても指. につれ受信成功率が低下することが分かる.大端末数. 向性アンテナを使用する有効性が確認できる.. の割合が 0 の場合,全端末の送信範囲が同じであるた. 図 9 (a) の中で,提案 (D) は最も高いスループット. め,送信範囲が異なることによる隠れ端末問題は発生. を示す.提案 (D) はほぼ同じ動作のもとでユニキャス. しない.しかし,大端末数の割合が増えるにつれ,送信. ト,ブロードキャストに適応できることも考慮すると,. 範囲が異なることによる隠れ端末数が増加する.これ. ユニキャスト・ブロードキャストの混在通信に適した. らのプロトコルでは,中継を行わないため,隠れ端末. プロトコルであるといえる.. 問題を軽減させることができない.そのため,受信成. 4.2 大端末数の割合に対する特性 全端末に対する大端末数の割合を変化させた場合に おける評価を行う.図 10,図 11 において大端末数. において IEEE 802.11,DBTMA(O),DBTMA(D). Nmax と小端末数 Nmin の合計を 20 とし,横軸の値. 功率が低下する.受信成功率の低下により,図 10 (a) のスループットは低下する.一方,図 10 (b) において. が 0 のときは小端末のみ,1 のときは大端末のみを表. 大端末数の割合が 0.3 から 1 に増えるにつれ,IEEE 802.11,DBTMA(O),DBTMA(D) の受信成功率が. す.また,トラフィック負荷は 1 Mbps とし,全端末. 上昇する.これは,大端末数の割合が 0.3 から増える. の送信範囲の合計/ネットワークエリアの範囲は一定. につれ,大端末が宛先端末となる確率が高くなるので,. とする.. 送信範囲が異なることによる隠れ端末数が減少するた. 4.2.1 ユニキャスト通信における特性 図 10 に,ユニキャストにおける大端末数の割合に. めである.受信成功率の上昇にともない,図 10 (a) に おいてスループットが上昇する.また,図 10 (a),(b). 対する特性を示す.図 10 (a),(b) はそれぞれスルー. より大端末数が多い中に小端末が存在する場合より,. プット,受信成功率を示す.. 小端末が多い中に大端末が存在する場合の方が隠れ端. 図 10 (b) において,IEEE 802.11,DBTMA(O),. DBTMA(D) は大端末数の割合が 0 から 0.3 に増える. 末問題の影響が大きいといえる. 図 10 (b) において,FRTS/FCTS 方式は IEEE. 802.11 と比較して大端末数の割合に対する受信成功率 の変動が小さいことが分かる.小端末の RTS/CTS を 大端末が中継する FRTS/FCTS 方式では,小端末が多 い中に大端末が存在する場合,中継端末となる大端末が 少ないため送信範囲が異なることによる隠れ端末問題 を軽減させることができない場合が存在する.しかし, 中継する効果はあるため,IEEE 802.11 と比較して 隠れ端末問題を軽減させる.そのため,FRTS/FCTS 図 10. ユニキャストにおける大端末数の割合に対する特性.(a) ス ループット特性,(b) 受信成功率特性 Fig. 10 Performance as a function of the ratio of number of nodes with high power for unicast. (a) Throughput, (b) Success ratio of the reception.. 方式は IEEE 802.11 より大端末数の割合に対する受 信成功率の変動が小さくなる.また,図 10 (b) におい て,DBTMA(O),DBTMA(D) と比較して提案 (O),. (D) の受信成功率は大端末数の割合に対する変動が小 さいことが分かる.これは,FRTS/FCTS と同様に, 大端末が少ない場合においても中継を行うことで隠れ 端末問題を軽減させるためである. 図 10 (a) において提案 (D) は提案 (O) と比較して 大端末数の割合に対するスループットの変動が小さい ことが分かる.このことを考察するため,図 10 (b) を 検討する.図 10 (b) において,提案 (D) は提案 (O) と 比較して大端末数の割合に対する受信成功率の変動が 小さいことが分かる.これは,提案 (D) では,指向性. 図 11 ブロードキャストにおける大端末数の割合に対する特性. (a) スループット特性,(b) 受信成功率特性 Fig. 11 The performance as a function of the ratio of number of nodes with high power for broadcast. (a) Throughput, (b) Success ratio of the reception.. アンテナを用いてあらかじめ送信方向を絞るので,隠 れ端末となる端末数が提案 (O) より少なくなるためで ある.受信成功率の変動が小さくなるため,図 10 (a) において提案 (D) は提案 (O) より大端末数の割合に.
(13) Vol. 47. No. 9 異なる端末で構成される無線アドホックネットワークにおける MAC プロトコル. 2827. 対するスループットの変動が小さくなる.. 4.2.2 ブロードキャスト通信における特性 図 11 に,ブロードキャストにおける大端末数の割 合に対する特性を示す.図 11 (a),(b) はそれぞれス ループット,受信成功率を示す. 図 11 (a) より IEEE 802.11 は大端末数の割合によ らずスループットがほぼ一定であることが分かる.こ れは,ブロードキャストにおいて IEEE 802.11 はデー タを送信するだけであり,隠れ端末問題について考慮 していないので,大端末数,小端末数には影響されな いためである.また,BACK 方式は大端末と小端末 の端末数が近い場合にスループットが低下することが 分かる.これは,小端末の ACK が送信端末である大. 図 12. 大端末と小端末の送信範囲の比に対するスループット特性. (a) ユニキャスト,(b) ブロードキャスト Fig. 12 Throughput as a function of the ratio of transmisison range of node with high power to that with low power. (a) In case of unicast, (b) In case of broadcast.. 端末に届かず,無駄な再送が発生するためである.小 端末のみ,大端末のみの場合,無駄な再送は発生しな. DBTMA(D) は大端末の送信範囲が大きくなるにつれ. いため,スループットは高くなる.. スループットが低下することが分かる.これは,大端末. 一方,図 11 (b) より,提案 (D),(O) は大端末数の. の送信範囲が大きい場合,送信範囲が異なることによる. 割合が 0 から増えると受信成功率が低下することが分. 隠れ端末数が増加するためである.一方,FRTS/FCTS. かる.大端末数の割合が 0 より増えると,送信範囲が. 方式,提案 (O) および提案 (D) は大端末の送信範囲. 異なることによる隠れ端末数が増加する.しかし,大. に対するスループットの変動が小さいことが分かる.. 端末数の割合が低いと中継する大端末が存在しないた. これは,大端末の送信範囲によらず小端末のデータ通. め,送信範囲が異なることによる隠れ端末問題を軽減. 信の情報を中継することで,周りの端末の通信を禁止. させることができない場合が存在する.以上より,受. するためである.. 信成功率の低下により,図 11 (a) において提案 (D),. 図 12 (a) において,提案 (D) と DBTMA(D) を比. (O) はスループットが低下すると説明できる.なお,. 較すると,大端末と小端末の送信範囲の比が 1.8 を境. ブロードキャストでは送信範囲の全端末が受信に成功. にスループットの高低の関係が逆転することが分かる.. することで送信成功と定義しているので,ユニキャス. 大端末と小端末の送信範囲に差があまりない場合,上. トよりも隠れ端末の影響が大きくなる.そのため,提. 記の考察のとおり DBTMA(D) は送信範囲が異なる. 案 (D),(O) は図 10 (a) で示すユニキャストの場合よ. ことによる隠れ端末問題があまり発生しない.逆に,. りもスループットの低下は著しい.また,図 11 (b) に. 中継を行う提案 (D) では隠れ端末ではない端末の通. おいて,大端末の比が 0.2 より増えるにつれ受信成功. 信を禁止することで,DBTMA(D) よりさらし端末数. 率が上昇する.これは,中継する大端末の数が増える. が増加する.一方,大端末と小端末の送信範囲に差が. ことで隠れ端末問題を軽減させることができることを. つくにつれ,隠れ端末となる大端末が増加するが,提. 示している.受信成功率の上昇にともない,図 11 (a). 案 (D) では中継を行うことで隠れ端末問題を軽減させ. において提案 (D),(O) のスループットは上昇する.. る.この隠れ端末問題の軽減の効果により,提案 (D). 4.3 大端末と小端末の送信範囲の比に対する特性 大端末と小端末の送信範囲の比を変化させた場合に. は送信範囲の比が 1.8 より大きくなると DBTMA(D). おける評価を行う.図 12 において大端末数,小端末. 式と IEEE 802.11,および提案 (O) と DBTMA(O). よりスループットが高くなる.また,FRTS/FCTS 方. 数はそれぞれ 10 とする.横軸は小端末の送信範囲に. も同様に,送信範囲の比が 1.8 を境にスループットの. 対する大端末の送信範囲の比を表す.また,トラフィッ. 高低の関係が逆転する.. ク負荷は 5 Mbps とし,全端末の送信範囲の合計/ネッ. 4.3.2 ブロードキャスト通信における特性. トワークエリアの範囲は一定とする.. 図 12 (b) に,ブロードキャストにおける大端末と小. 4.3.1 ユニキャスト通信における特性 図 12 (a) に,ユニキャストにおける大端末と小端. 端末の送信範囲の比に対するスループット特性を示す. 図 12 (b) より,BACK 方式は大端末と小端末の送信. 末の送信範囲の比に対するスループット特性を示す.. 範囲の比が 1.2 から 2.0 に増えるにつれスループット. 図 12 (a) より,IEEE 802.11,DBTMA(O) および. が低下することが分かる.これは,図 11 の考察と同.
(14) 2828. 情報処理学会論文誌. 様に,大端末の送信範囲が大きくなることで無駄な再 送が増大するためである.送信範囲の比が 2.0 以降で は,スループットがほぼ一定となることが分かる.送 信範囲の比が 2.0 というのは,小端末の直径と大端末 の半径が等しいことを意味している.そのため,送信 範囲の比が 2.0 において,小端末の ACK が送信端末 へ届かない確率は高い.したがって,送信範囲の比が. 2.0 より増えても無駄な再送回数は増えず,スループッ トが一定となる.一方,提案 (D),(O) は大端末の送 信範囲が大きくなるにつれスループットが低下するこ とが分かる.これは,大端末の送信範囲が大きくなる につれ,隠れ端末となる大端末が増加するためである.. 5. お わ り に 本論文では,送信範囲の異なる端末で構成される無 線アドホックネットワークにおけるビジートーンを使 用した MAC プロトコルを提案した.提案プロトコル ではビジートーンを使用し,大端末が発信するビジー トーン BTh と小端末が発信するビジートーン BTl の. 2 つのビジートーンと RTS の組合せで大端末,小端 末の状態を表す.提案プロトコルでは,送信端末から の RTS を受信した端末がビジートーンを発信し,BTl を感知した大端末は BTl を隠れ端末へ中継するため. BTh を発信,ビジートーンを感知した端末は感知す る方向へのデータの送信を禁止することにより,隠れ 端末問題を軽減させる.また,受信に失敗した端末は ビジートーンの発信を続け再送を要求し,送信端末は 送信終了後ビジートーンを感知する場合再送を行うこ とにより,通信の信頼性を保証する.さらに,ブロー ドキャストでは,受信を開始する全端末がビジートー ンを発信することで対応可能となり,結果としてユニ キャスト・ブロードキャストの混在通信に対応するこ とができる.計算機シミュレーションにより,提案プ ロトコルの有効性を示した. 今後の検討課題としては,さまざまな送信範囲の端 末が存在する場合に提案プロトコルを適応すること があげられる.さまざまな送信範囲の端末が存在する 場合に適応するためには,ある送信範囲を閾値として 大,小を区切る,2 種類ではなく数種類に区別すると いったことが考えられる.そのため,送信範囲による 区分数,およびその閾値の設定法などを検討する必要 がある.. 参. 考 文. 献. 1) Thoh, C.-K.: Ad hoc Mobile Wireless Networks, P302, PHPTR, America (2002).. Sep. 2006. 2) Deng, J. and Hass, Z.J.: Dual Busy Tone Multiple Access (DBTMA): A New Medium Access Control for Packet Radio Networks, IEEE ICUPC’98, Vol.2, pp.973–977 (1998). 3) Deng, J. and Hass, Z.J.: Dual Busy Tone Multiple Access (DBTMA): A Multiple Access Control Scheme for Ad Hoc Networks, IEEE Trans. Communications, Vol.50, No.6, pp.975– 985 (2002). 4) Huang, Z., Shen, C.-C., Srisathapornphat, C. and Jaikaeo, C.: Busy-Tone Based Directional MAC Protocol for Ad Hoc Networks, IEEE MILCOM, Vol.2, pp.1233–1238 (2002). 5) Wu, S.-L., Tseng, Y.-C. and Sheu, J.-P.: Intelligent Medium Access for Mobile Ad hoc Networks with Busy Tone and Power Control, IEEE Journal on Selected Areas in Communications, Vol.18, No.9, pp.1647–1657 (2000). 6) Sheu, S.T., Tsai, Y. and Chen, J.: A highly reliable broadcast scheme for IEEE 802.11 multihop Ad hoc network, Proc. ICC 2002, Vol.1, pp.610–615 (2002). 7) 宇都宮依子,萬代雅希,笹瀬 巌:無線アドホッ クネットワークにおいて NACK 及び指向性アン テナによるブロードキャストデータ再送信を用い た MAC プロトコル,電子情報通信学会論文誌, Vol.J-87B, No.2, pp.144–158 (2004). 8) アイティメディア株式会社. http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/ 0403/15/news001.html 9) Poojary, N., Krishnamurthy, S. and Dao, S.: Medium access control in a network of Ad hoc mobile nodes with heterogeneous power capabilities, Proc. ICC 2001, Vol.3, pp.872–877 (2001). 10) Fujii, T., Takahashi, M., Bandai, M., Udagawa, T. and Sasase, I.: An Efficient MAC Protocol in Wireless Ad-Hoc Networks with Heterogeneous Power Nodes, 2002 ISWPMC, Vol.2, pp.776–780 (2002). 11) Shah, V., Krishnamurthy, S. and Poojary, N.: Improving the MAC layer performance in ad hoc networks of nodes with heterogeneous transmit power capabilities, IEEE Int. Conf. Communications 2004, Vol.7, pp.3874– 3880 (2004). 12) Shah, V. and Krishnamurthy, S.: Handling Asymmetry in Power Heterogeneous Ad Hoc Networks: A Cross Layer Approach, ICDCS’05, pp.749–759 (2005). 13) Yeh, C.-H.: Unidirect: A Variable-Radius MAC Protocol for Ad HocWireless Networks, VTC’02, Vol.1, pp.399–403 (2002). 14) 今井尚樹,中川智尋,森川博之,青山友紀:片.
(15) Vol. 47. No. 9 異なる端末で構成される無線アドホックネットワークにおける MAC プロトコル. 方向リンクが存在するアドホックネットワークに おける安定ルート構築機構,電子情報通信学会論 文誌,Vol.J-85B, No.12, pp.2097–2107 (2002). 15) Nesargi, S. and Prakash, R.: A Tunneling Approach to Routing with Unidirectional Links in Mobile Ad-Hoc Networks, Computer Communications and Networks 2000, pp.522–527 (2000). 16) Nasipuri, A., Ye, S., You, J. and Hiromoto, R.E.: A MAC protocol for mobile ad hoc networks using directional antennas, IEEE WCNC 2000, Vol.3, pp.1214–1219 (2000). 17) Ko, Y., Shankarkumar, V. and Vaidya, N.: Medium access control protocols using directional antennas in ad hoc networks, Proc. IEEE INFOCOM 2000, Vol.1, pp.13–21 (2000). 18) Ueda, T., Tanaka, S., Saha, D., Roy, S. and Bandyopadhyay, S.: An efficient MAC protocol with direction finding scheme in wireless ad hoc network using directional antenna, RAWCON’03, pp.23–236 (2003). 19) Vasudevan, S., Kurose, J. and Towsley, D.: On neighbor discovery in wireless networks with directional antennas, INFOCOM’05, Vol.4, pp.2502–2512 (2005).. 2829. 萬代 雅希(正会員). 1996 年慶應義塾大学理工学部電気 工学科卒業.1998 年同大学大学院修 士課程修了.2004 年同大学院後期博 士課程修了.2004 年静岡大学情報学 部助手,現在に至る.1998∼2000 年 ソニー(株)勤務.2001∼2003 年日本学術振興会特 別研究員(DC2).主として,通信ネットワークの研 究に従事.博士(工学).IEEE,電子情報通信学会各 会員. 呂. 建明. 1993 年千葉大学大学院自然科学 研究科生産科学専攻(博士課程)修 了.工学博士.同年千葉大学工学部 情報工学科助手,1994 年同大学大 学院自然科学研究科助手.1998 年 同大学院自然科学研究科助教授.現在,適応ディジタ ルフィルタ,適応ディジタル信号処理,ディジタル画 像処理等の研究に従事.電子情報通信学会,計測自動 制御学会,電気学会,日本機械学会,信号処理学会各 会員.. (平成 17 年 8 月 1 日受付) (平成 18 年 6 月 1 日採録). 谷萩 隆嗣. 藤原 敏秀. 1966 年東京工業大学理工学部電 子工学科卒業.1971 年同大学大学. 2004 年千葉大学工学部情報画像工. 院理工学研究科電子工学専攻(博士. 学科卒業.2006 年同大学大学院自然. 課程)修了.工学博士.1971 年千葉. 科学研究科修士課程修了.現在,三. 大学工学部電子工学科講師,1974 年. 菱電機インフォメーションシステム. 同助教授,1984 年同電気工学科教授,1989 年同情報工. ズ(株)勤務.在学中,主に無線ア. 学科教授,1998 年同大学院自然科学研究科教授.主と. ドホックネットワークの研究に従事.電子情報通信学 会会員.. して広義のディジタル信号処理の研究に従事.IEEE, The New York Academy of Sciences,電子情報通信 学会,計測自動制御学会,システム制御情報学会,日. 関屋 大雄(正会員). 1996 年慶應義塾大学理工学部電 気工学科卒業.1998 年同大学大学 院修士課程修了.2001 年同大学院 博士課程修了.2001 年千葉大学大 学院自然科学研究科助手,現在に至 る.主として,通信,画像,音声におけるディジタル 信号処理に関する研究に従事.博士(工学).IEEE, 電子情報通信学会,信号処理学会,情報理論とその応 用学会各会員.. 本印刷学会,信号処理学会各会員..
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