脳
血
管 障害後
遺
症
と し
て の
痛
み や し び れ
の
日
常
生
活
への
影響
と
対
処 法
登喜和
江
1*前川
泰
子
2*山
居
輝美
2*和
田
恵美子
2*蓬莱節子
1*山下裕紀
’*高
田早苗
* L* 神 戸 市 看 護 大 学,
1’ 大 阪 府 立 大 学 要 旨 脳 血管障害患者が体験している痛み や しび れに よ る 日常生活へ の影響および対処にっ い てその実態 を明らかにすること を目的 に, 全国脳卒中者 友の会連合会に所 属する患 者会の会員 (1377名)に質問 紙 調 査 を行っ た。
分析には,
記 述 統 計,
Kruskal Wallis 検 定,一
元 配 置 分 散 分 析を用いた。
質 問 紙の回 収 数745 (回収 率54.
1% ),
有 効 回 答数711 (有 効 回答 率95.
4%)の う ち,
痛み や し び れ が あ る と回答し た者は494名 (69.
5%)で あっ た。 痛み や し び れ は,
日常生活の動 作性・
迅 速 性・
巧緻 性に影響 を 及 ぼ し,
さ らに性 生 活 や 食 事,
会話を楽 し む な どの快 適 さ や 将来の見 通 しに影 響を及 ぼ していた。
対 象 者 は,
痛 み や しび れに対 して,
「寒 冷刺激の回避」 「補 助 具の使用 」 「ペー
ス の作 り変 え」「薬剤の使用 」な どの対 処法を多く用いて いた。 治療 効果につ い て は,
痛 み だけの者は,
「マ ッサー
ジ」 「温泉」「鎮 痛剤の内服 」 「抗けいれ ん剤の内服」 「湿布」などが,
効 果が あっ
たと してい た。 し び れ だ けの者や痛みと しび れ を 有 する者は,
多 くが どち ら と もいえ ないと してい た。
ま た身 体 侵 襲 が少ない 「温 泉 」 「マ ッサー
ジ」 「温 湿 布 」とい った心 地よ さを感 じる療 法は,
どの症 状におい て も効 果があっ た として いた。
キー
ワー
ド:脳 血 管 障 害 後 遺 症,
痛み,
しび れ,
日常 生 活,
対 処1 .
は じめ にH
.
研 究 方 法 脳血管 障害後遺 症 と しての痛み や しび れは,
当事者 にとっ
て 日々の生 活に苦 痛 を もたらす もの と なっ て い る(宇 高 ら,
2002)。
さらに そ の特 徴と して,
常 態 化が 困難な変 幻性か ら 「痛み と し び れ」 を意識し た生 活を 送 らざるを 得 ない状 況にある (登喜ら,
2005
)。
治 療の 場で は,
薬 物 療 法や手 術 療 法,
神経ブロ ッ ク療 法な ど が行われて い るもの の顕 著な効 果が なく,
日常 診療上 そ の対処に苦慮 する (宇高ら,
1988)と さ れて いる。 ま た,
リハ ビリテー
シ ョ ンお よ び看護領域におい ても痛 み や しび れは機 能 訓 練へ の取 り組みの阻 害 因 子 (衛 藤 ら,2004)やQoL
を悪化さ せ る要 因 (宇 高 ら, 1991) として注 目されて いる。
こ の ように,
脳 血 管 障害患 者 の 日常生活へ の影響は麻痺の有 無で論じ ら れ る こ と が 多 く (岡 本ら,
2005 ;原 田 ら,
2001),
痛み や し び れ を 有するこ とで その生活は,
当事 者に とっ て将 来を憂う 味 気 ない もの である にもか かわ らず,
主 観 的 知 覚で あ る た め周 囲に 理解さ れず軽ん じ られ る とい っ た状況に ある (登喜ら,
2005)。
しか し, その ことに よ る 日常生活へ の影響や対処に つ い ては,
明ら かにさ れて いない。 そこ で,
本 研 究は,
脳 血 管障害 後 遺 症 と して の痛み や しび れに関する 日常 生活へ の影響お よ び対処の実態を明ら かにするこ と を 目的と し た。1.
質問紙の作 成 とパイ囗 ッ トスタ ディ1
) 質 問 紙の作 成 質 的 研 究に よ っ て得 られたデー
タ に基づ き 「日常 生 活へ の影響」 「対 処法」 「用いた療 法とその効果」で構 成 した 『脳 血 管 障 害 (脳 卒 中) 後 遺 症と して の痛みや し び れ に関す る調 査』質 問紙 を 作 成し,
脳 神 経 系 領 域 のエ キスパー
トナー
ス・
研究者・
医師に よ る質問項 目 の検討を行い,98
項 目の質問紙を作 成し た。2
)パ イ囗 ッ トスタ ディ 対 象 者は,
家 庭 生 活 を送る外 来 通 院 中の脳 血 管 障害 患者で,
後 遺症と して の痛み や し び れ が あ る者30 名に 依 頼し24
の有効回答を得た。 デー
タ収集は,
研究 協力 施 設で の研究者に よ る直接依頼お よび郵送 回 収で行っ た。 回 答 者か ら表 現が分かりに くいと指摘さ れ た項 目 や回答率が低い項目, 項 目間の表 現 が 似 か よっ てい る もの な どにっ い て,
項 目数お よ び設 問内容の検討を行 ない, 80項 目の本調査質 問紙を作成した。2 ,
本調 査1
) 質 問 紙の構 成 質 問 紙は, 「日常 生 活へ の影 響 」 「対 処 法 」 「用いた 療法と その効 果」に加え対象者の背景, 痛み・
しびれ の強さ,
生活へ の支 障な どで構 成し た。
28 神 戸 市 看 護 大 学紀 要 Vol
.
11,
2007 (1 )フェ イス シー
トは,
年齢,
性 別,
同居の家族な どの基 本 属 性に加 え,
仕 事の有 無,
診 断 名と罹 病 期 間,
麻 痺の有 無などを 尋ね た。
(2 )痛みやし び れの強さ は,
10cmの線上に0と100を 示し,
そ の強さ を評価するVAS を用いた。 (3 )痛み やしびれによ る生活へ の支障は 『何も手に っ かず 生 活に支 障がある』 『支 障 は あ るが何と か生 活 し ている』 『特に生活に支障は ない』で回答を求めた。 (4)日常生活へ の影 響は,
日常生活の動 作 性,
迅速 性, 巧緻性,
生活の快適さ, 見 通 し, パー
ト ナー
との 関 係 性な ど か ら な る26項 目で,
「そ う 思 う」か ら 「全 く思 わ ない」の4
段 階 (4点〜
1点 )で回 答 を求めた。
ま た, 痛み や し び れ を有 する者と麻 痺を有する者と比 較 する ことで そ の特 性が明 らかになると考え られ たの で,
痛み や しびれの有無に関わ らず 「痛み・
しび れ・
麻 痺によ る影 響 」として回 答 を求め た。 (5) 痛み や しび れの対 処は,
寒 冷 刺 激の回避 補 助 具の使用,
ペー
ス の作り変え,
薬剤の使用,
他の感覚 での代 用,
関 心 を 逸 らす,
療 法 を受 ける,
他 者 との交 流な どの40 項目で構 成し,「いつ も す る」 「少しする」 「あ まりし ない」「全 くし ない」で回答を求め た。 (6
)痛み や し びれに対して用い て い る療法は, 湿布 や内服,
手 術な どの8
項 目の医学 的治療とマ ッ サー
ジ や 温 泉,
鍼 灸な どの6
項 目の民 闇療 法で構 成 し た。 こ れ ら全14項目にっ い て,
「効果が あっ た」 「ど ち ら と も いえ ない」「効 果が な かっ た」「試さ な か っ た」で 回答 を 求め た。
2
) 研究対 象 者 全 国 脳 卒 中 者 友の会 連 合 会に所 属の患 者 会で,
研 究 承 諾の得ら れ た24 団体に所属する会 員に依 頼し た。 3) 調 査 期 間 平成15年 10月〜
平成16年 3 月4
) 調 査 方 法 デー
タ収 集は,
20団 体 会 員へ の郵 送 調 査 法 と,
直接 回答が可能ま た は望ま し い との意 向が示さ れ た近畿地 区の4
団体 会員へ の面接調査 法である。 聞 き取 り調 査 の対 象者は視 力 障 害な どにより質 問 紙のペー
ジを め く ることや 文 字 を読 むことに困 難 を感 じて い る者50名で あ る。 ま た,
研究者が直接回答を求めるこ とへ の抵抗 感にっ い て初めに調 査を行っ た 1団 体15名に問 うた と ころ,
「気に な ら ない」 「質問を読み上 げて くれ る方が 楽 」な どの返 答であっ た た め他3団 体に対 して も同じ よ うに対 応 し た。
5
)分析方 法 統 計ソ フ トSPSSI3.
OJ
を用い て平均 値 ・標準 偏 差な どの記 述 統 計,一
元 配 置 分 散 分 析,
KruskalWallis
検 定を行っ た。 脳血 管障害後遺 症 と しての痛み や しび れ の特 徴と して,
2者は区 別し が たい連続 線上の感覚で あるとい っ た特 性 (登喜ら,
2005) か ら,
痛 みと し び れによ る日常 生 活へ の影 響を区 別して問うこと は困難 である と考え られた た め 「痛み・
し びれ」と して集 計 し た。 ま た,
日常生活へ の影響は,
一
元配置分 散分析 のTukey
の多 重 比 較 を行っ た。VAS
値 と症 状との関 連 はK皿 skal Wallisit定の多 重 比 較を行 っ た。
生 活へ の 支 障 は症 状 別で集 計し た。
痛みやし び れの対 処法は症 状別, 頻度 別で集 計し た。 痛み や しびれ に対 する療 法 は症 状 別に用いた療 法の効 果を集 計し た。 統計学 的有 意 水 準はpくO.
05を 採 用 した。6
)倫理的配慮 患 者 会が事 前に研 究 者からの調査用紙の郵送に承諾 を得た会員に対して は,
研 究者か ら直接郵送 と し,
そ れ 以 外の者 は個 別にセ ッ トしたもの を患者 会事務局に 送 付し,
患 者 会が郵 送 手 続 きを 行な うことで,
個 人 情 報の取り扱い は慎重に行っ た。 質問紙に は 研 究の趣 旨, 調査は無 記 名である,
得ら れ た結 果は研 究 目 的以外に使 用し ない,
結 果は全て統 計 処 理 を行 う,
質 問 紙へ の回 答は任 意であ る,
回答しな くて も患 者会活動に影響が ない ことを 明 記した説 明 書を添 付 し た。 質問紙の回収を もっ て研究協力へ の 同意 とみ な し た。 また,
面 接 調 査 者に は,
上 記の〜
を口頭で説 明し承 諾を得た。 皿.
結 果1,
対 象 者の概 要 配布数 1377,
回収 数 745 (54.
1%), 有 効 回答 数711 (95.
4% )であっ た。
無 効としたのは,
家族会員 や 脳血 管 障害以外の患 者に よ る回答である。 回答者711
名は, 男 性476
名,
女 性234
名,
不 明1
名,
平 均 年 齢65.
97 (±8,
20 )歳,
平均罹病期 間 10,
27 (±6.
60) 年で あっ た。 診 断 名は,
「脳 梗 塞 」348名 (48,
9%),
「脳出血」 299 名 (42.
1%), 「くも膜下 出血」31
名 (4,
4% ),
2種 ま たは3種の脳卒 中が発 症し た 「複数の脳卒 中」21名 (3.
0
%),
脳 動 静 脈 奇 形やもや もや病な どの 「その他 の 脳 血 管 障 害 」7名 (LO%),
脳卒 中とパー
キ ン ソ ン 氏 病などの疾 患を併せ持っ 「脳 卒 中と脳神経 系 疾 患 」脳 血 管 障 害 後 遺症と して の痛みやし び れの日常 生活へ の影 響と対 処 法 29 表1 対 象 者の概要 n
=
711 性 別 性 性 男 女 476名 234名 (不 明f名 ) 年 齢 平 均 (標 準 偏差 ) 65.
97(±8.
20)歳 罹 病 期 間 平均 (標 準 偏 差 ) 10.
27(±6.
60)年 病 名 脳 梗 塞 脳 出 血 くも膜 下 出 血 複 数 の 脳 卒 中 その他の脳血 管 障 害 脳 卒中と脳神経 系疾患 348名 299名 31名 21名 7名 5名 痛み・
しび れの有 無 痛みだ けの者 しび れ だけ の者 痛みもしび れ もある者 痛みもしび れ もない者 44名 178名 272名 217名 麻 痺 の 有 無 あ る者 ない者 649名 61名 (不 明1名) 痛み・
しび れ と麻 痺の有 無 痛み・
しび れ だけ の者 痛み・
しび れ・
麻痺のある者 麻 痺だけの者 痛 み もしび れ も麻 痺 もない者 36名 457名 192名 25名 (不 明 1名 ) 5名 (0,
7% )で あっ た。 回 答 者の うち,
痛み や しび れ が あると回答した者は 494名 (695%)で,
その 内,
痛み だけの者44
名 (8.
9
% ),
し び れ だけの者178名 (36,
0
% ),
痛み もしびれ も ある者272
名 (55.
1
%)で あっ た。 麻痺の有 無と の 関 連を含めて概 要 を表1
に示 した。
2 .
痛みや しび れの生 活への支 障とVAS値の関 係 痛みや し びれに よ る生 活へ の支障にっ い て は, 「何 も手にっ かず 生活に支 障が あ る」14名 (2,
8%),
『支 障はある が何 と か生 活 して い る』319
名 (64.
6
% ),
『特に生活に支障は ない』137名 (27,
7%)であっ
た。 その他と回答し た4名は,
『日に よ っ て違 う』 と回 答 し てい た。
症状 別で は, 「痛み もしびれもあ る者」が 『支 障が あ る』に多 く回 答して いた。 痛 み や しび れ が あると回 答 した494名のVAS の平 均 値は50.
29 (±24.
02)であっ た。 症状別の平 均 値は痛 みだ けの者41.
25 (±18.
35 ), し び れ だけの者 42.
17 (±22.
34 ),
痛みもしびれ も あ る者56.
74 (±23.
89)で,
痛みもし びれ も あ る者はいず れ か だ けの者に比べ,
痛 み・
し び れの知覚が有意に高かっ た(pく0.
OI)。 ま た,
痛み や し び れに よ る生 活へ の支 障と痛み・
し びれのVAS
の両方に回答した者の関連 をみ るとr
何も手にっ か ず生 活に支 障が あ る』70,
27 (±22.
01),
『支 障は あ る が何と か生 活 して い る」55、
89
(±22.
14
), 「特に生 活に支 障は ない』35.
16 (±21.
41)であり,
「何も手に つ か ず生 活に支 障 が あ る』,
『支 障 は あ る が何 とか 生 活 して いる』 と回答し た者は,
『特に生 活に支 障は ない』 と回答し た者に比べ有 意に高かっ た(p<O.
Ol) 。3 .
痛み やしびれの 日常生活への影 響 麻痺の有無に関わ らず痛み やしび れのある者で は, 表2に示 すよ うに 『以 前の よ うに早 く歩け な くなっ
た』3.
75 (±0,
65
),
「何 事に も時 間が か かるようになっ た」 3.
69 (±0.
69)な ど の迅速 性や 『立ち居 振る舞いが不 自 由になっ た』3.
69 (±0.
66),
「重い もの の買い物が30 神 戸 市 看 護 大 学 紀 要 Vo1
.
11,
2007 でき な くなっ た」3,
67 (±0.
72)な どの 動作性,
『物 事 が器 用にで き な くなっ た』3.
61 (±O.
79
) , 「細かい作 業が しづ らくなっ た』359
(±0,
79
)な どの巧 緻 性へ の影響が上位を占め ていた。 性生活に関する項 目は,
無 回 答の欄 外に 「該 当 しない」と記 載 して いた単 身 者 や高 齢 者が多 くいたこと か ら他の項目 に比べ圓答 数が 減少して い た。 日常 生 活へ の影 響の26 項目中,
「痛み・
しび れ だけ の者」が 「麻痺だけの者」に比べ 高かっ た項目は半数 の13項 目であっ た。 その うち10
項 目は 「痛 み・
しびれ・
麻痺のある者」が他の 2 者に比べ 高かっ た。 し か し,
『性 生活が減少し た』3.
44 (±0.
97
),
『性生活で,
パー
トナー
に ひけめを感 じる ようになっ た』2,
96
(±1.
14), 『味が わ か ら な く なっ た』2.
03(±0.
98)の 3項 目は,
麻痺のない 「痛 み・
しび れだけの者 」 が 最 も高い とい う結果で あっ た。 日常生活へ の 影響で等分散性が 確 認された8
項 目の うち, 『味が分からなくなっ た』 (F=
6.
96
,p<0.
Ol),
『熱い物が食べ ら れ な くな っ た』 (F≡
8.
58,p
く0.
01),
『外食する のを避け る よ う に なっ た』(F=
5.
52 ,pく0.
Ol
),
『流 暢に話せな くなっ た』 (F=3.
94,p
く0.
05
),
「将 来,
動け な く な るこ とへ の恐 怖 感が あ る 』(F−
457,p
<0.
05).
で は,
「痛み・
し び れ・
麻 痺の ある者 」と 「麻痺だけ の者」との問で有意な差が み られた。4.
痛 み や しびれへの対 処 法 対処 法40項目の 回答上位 10項 目を症状 別に図3.
45 に 示 した。 「いっ もする」「少しする」と回答し た症状別 の対処法の特徴は, 次のようで あっ た。 「痛み だ けの者 」は 『寒い 日 は帽子を か ぶ る」『冷 水には気 をっ ける』 な どの寒 冷 刺 激 を 避 け,
温めた り 休め る な ど保護 的対 処が上位を占め て い た。 表2 脳血管障害者の日常生活への影響 〔痛み・
しびれのある者;全体) n=
494 n=
686 質問項目 平均±標準偏差 以前のように塁く歩けなくなった(囗:459) 何事にも時間がかかるようになった (n=
456) 立ち居振る舞いが不自由になった (n=
45D 重いもの の買い物ができなくなった (n:449) 長時間歩けなくなった 〔n;
455〕 長時閼物が持てなくなった (n=443) 物事が器用にできなくなった (n=
449) 3、
75±0653_
69±0、
693.
69±o.
663,
67±O.
723『
65±0753,
63±o.
113、
61±o.
79 歩いたり動いたりするの にエネルギー
が要 るようになった〔n=445>3,
59±G.
77 細かい作業がしづらくなった (n=
454) バランスが悪く、
荷物を持って歩けなくなった〔n=450) 3.
59±0.
793.
52±O.
82 足裹の感覚が分かりにくく、
歩行や走るのが不安定である (n=
44B}3、
50±O、
86 長時間同じ姿勢で座っていられなくなった (na453 〕 性生活が減少した (n=
3TI) 将来に不安を感じることがある(n=461) 活力がなくなったと感じることがある (n=
453) 将来、
動けなくなることへの恐怖感がある〔n=459)一
人では生きていけないと感じることがある 〔n:
455} 外出が億劫になった (n=455} 流暢に話せなくなった 〔n=
455) 生活の楽しみや快適さが少なくなったと感じる時がある(n=451) 性生活で、
パー
トナー
にひけめを感じるようになった 〔n:
366) 熱い物が食べられなくなった(n=44S) 食事中、
舌を噛むことがある (n=
453> 食事中,
飲み込みに時間がかかるようになった (n=453) 外食するのを避けるようになった (n=
449〕 味が分からなくなった〔n=44 3.
50±0833.
37±亅063、
29±0903、
28土O.
903.
17±0983、
17± ]023.
12± 」02312 ±1023.
00± 下.
032.
S6±1.
212,
52±1.
082、
42± ]132.
41± τ.
↑12.
40±1、
151.
99±D.
95 ト ー 釀匿
匪 」’
ー
」 … 霞 近 LI 甕 臥 L ー 睡 睦 L … 鹽 舞 L」
鹽 匯 − 匚 00む
.
姦
膨
驚
夕
餡
3443.
37328296286278 鰐 1、
69 83522983.
54 29413292873.
11313332293315269瞳
蠅 錘躍 璽錘
騨
… 244242lle
pti
#
gig
1
.
OO 200 3.
00 4.
oo匳痛み しびれ だけの者
m痛み しびれ 麻 痺のある者 口麻痺だ け の者
脳 血 管 障 害後 遺 症と して の痛みやし び れの 日常生活へ の影響と対 処法 31 これに対 して
,
「しび れ だ けの者 」は,
『さ すっ た り こすっ た りする』 『絶えず身体を動かす』とい っ た行 動的対処に加え,
『家族らと過ごす 』『患 者会な どに参 加 して情 報を得る』などの他者との交流 な ど が 上位を 占め ていた。
「痛み も し び れもあ る者」 は,
前述の両 方の対 処を 用い て い る の に加え,
『余 裕を持っ て 出かける』 『1 人で耐える』とい っ た対処 を とっ ていた。
□ い っもする団少 しする囲あまりしない ロ金 くしない 魍5 痛みもしびれもある者の対処 法32 神 戸 市 看 護 大 学 紀 要 Vol
,
ll,
20075 .
痛みやしび れの症状別に用いた療法 とその効果1
)「痛み だ けの者 」が用い た療法 と その効果 「痛み だけの者 」が多 く用い て いた民 間 療 法は,
マ ッ サー
ジ19名 (54.
3%),
温泉 18名 (50,
0%),
電気 治療 14 名 (40.
0%)であり,
実 施 者の 5割 以 上の者が 「効 果 が あっ た 」と 回答 したもの は, マ ッ サー
ジ12
名 (63,
2
%),
温泉 11名 (61.
1%)で あっ た。 医 学 的 治 療で は,
温 湿 布23名 (67.
6
%),
鎮 痛 剤 内服21名 (56.
8%),
冷 湿布 18名 (51,
4%)で あり, 実施 者の 5 割以 上の者が 「効 果があっ た 」 と回答 した もの は,
鎮 痛剤内服14
名 (66.
7%),
抗けい れん剤 6 名 (66.
7%),
温湿 布 12 名 (52.
2%)であっ た。2
)「しび れ だ けの者」が用いた療 法と そ の効果 「し び れ だけの者」が多く用い て いた民 間療法は,
マ ッ サー
ジ104
名 (675
%),
温 泉81
名 (54.
4
%),
電気 治 療 58名 (39.
7%)であっ た。 医 学的治療で は,
温 湿 布69
名 (47.
3D/。),
冷 湿布54名 (37,
2
%), 鎮痛剤 内服51
名 (35,
2%)で あっ た。 し か し,どの療 法に おい て も 「効 果 が あっ た」 と回 答 した者より 「どち らともいえ ない」と回答し た者の方が多かっ た。 3) 「痛 み もし びれ も あ る者 」が用い た療 法とその 効果 「痛 み もし びれ もある者」が多く用い て い た民 間療 法は,
マ ッサー
ジ169名 (70.
4%),
温 泉149名 (62.
1%),
電 気 治療 ll4名 (48.
7%)で あり, 実施 者の 5 割以 上 が 「効 果があ っ た」 と回 答 した もの は温 泉83
名 (55,
7%),
マ ッ サー
ジ91名 (53.
8%)であっ た。 また医 学 的治 療では,
温 湿 布150
名 (64.
4
%),
鎮 痛 剤 内服145
名 (60.
2%), 冷 湿 布 112名 (48.
5%)で あっ た が その 効果にっ い て は,
「ど ち ら ともいえ ない」と回答し た 者が 「効 果 が あっ た」 と回答 した者に比べ て多 かっ た。
マ ッサー
ジ 温泉 電気 治療 鍼 カイロプラクテック 繖 騨 鑼繍 飜瓢 (試 さな かった・
無 回答 は 除 く) 11 騨 1 1 灸醗
甌 互 ] 3 鍍痛剤内 服睡
璽 區 蘯 璽靉霾 璽 一 コ 温 湿布 冷湿布 抗けいれん劑 抗うつ剤内 服 神経 ブロ ック 漢 方 薬 手 術 〔神経破 壊な ど } 52 21 日 効 果 あ り 国どちらともいえない 囗効果なし 2 3 0 5 10 T5 図6 痛みだ けの者 が 用いた療 法 とその効 果 (n=
44) 20 〔人) 25脳 血 管 障 害 後 遺 症 と しての痛み やしび れの 日常 生 活へ の影 響 と対 処 法 33
IV
.考 察
1
,
痛 み や しび れによ る日常生活へ の影 響 脳血管 障害 後の 日常 生活へ の影 響 は,
麻 痺による運 動 障 害な どの動 作 性の不 自 由さか ら当事 者の説 明が な くと も周囲に理解さ れ やすい。 と こ ろ が, 痛み や し び れ は 理解さ れ ない うえに軽ん じ ら れるといっ た 「わ かっ て も らえ ない」 情 動 的苦 悩 を 当 事 者に与えて い る (登 喜ら,2005)。 本 項で は,
すで に周 知されて い る麻痺に よ る 日常生 活へ の影響に比べ痛み や しびれ だ けの場合や麻痺に痛 み や し び れ が加わ ることで,
日常 生 活に及ぼす影 響は 決 して小さい もので は ない と考え られ たので,
そ れ ら を中心に述べ る。 痛 み や しび れ と麻 痺の有 無で比較すると,
「痛み・
し び れ だ けの者」が 「性生活が減 少し た』『性生活で,
パー
トナー
にひ けめを 感 じ るようになっ た 』 「味 が わ か らな くな っ た』の項 目で 「痛み・
し び れ・
麻痺のあ る者」と 「麻痺だけの者」に比べ高い得 点であっ た。
これ らは, 性や食 とい っ た他者との交流や分かち合い の体験であり,
生 活の質に影 響を及ぼ して いること が 考え られ る。
また,
痛み や しびれ は,
麻痺に比べ見え に く い障害で あ る が ゆ え に,
痛み や し び れによ る性 的 接 触の拒 絶がパー
ト ナー
に理 解されに くいとい う面 も あり (登喜ら,
2005),状況 をより複 雑に して いること も考えられる。 田畑 ら (1986
)は,
性 生 活 を回 復でき な い理 由と して麻痺や痛みの ため と回答し た脳 血管 障 害患者は,
男性 12名中 1名,
女 性12名 中2名で あっ た と報告して いる。 今回の調査で は,
統計的有意 差は な い もの の痛み・
しびれのあること が性 生 活に影 響 を 及 ぼ し,
その ことに 「ひ け め」 を 感じ る な どの患者に 二 重の苦 悩 を 与 えていた といえ る。 ま た,
「痛 み・
しび れ だ けの者」 は, 「麻 痺だ けの者」 に比べ動 作に関す る項目 「長時間 同じ姿勢で座っ て い ら れ なくなっ た』 『足裏の感覚がわか りに く く, 歩 行や走る のが不安 定 で ある』な ど が高い得点であっ た。 麻 痺があることで 外 出が以 前の ように出 来ない こと は,
容 易に理 解で き る が, 痛み や しびれ が あ ること で も, 歩行に代表さ れ る よ う な日常的な動作や活力の低下な どに影響を及ぼ していた。 さ ら に 「麻痺だ けの 者 」に比べ 「痛み ・ し び れ ・麻 痺の ある者 」 は,
生 活の楽し み とい っ た食 事 や会 話に 影響を及ぼ し, 将来の見通 しを不確か な ものとしてい た。 本 来 食 事は,
家 族や友 人との語らい の場で もあり,
食 事 を 共 有 することは,
その生 活 を豊 か な もの にする ことにっ な が る。 しか し,
飲み込みに時 間が か かっ
た り,
食 事 中舌 を 噛 むなどによ り,
食 行 動その ものに集 中し なければな ら ない状態で は,
楽し みで あ る はずの 食 事 がス トレ スを 感 じさせ るもの と なる。 ま して や他 人とペー
スを合わ せ ること や食事を楽 しむ余 裕な ど生 ま れようはず もない。 こ うし たこと が外 食 を避 ける と い っ た状況 を招いている と考え ら れ る。 さ ら に, 楽し み や快適さの減少,
将 来の見 通しの困 難さ が不 安にっ ながり,
痛み やしび れ が 肯 定 的 情 緒 を揺るが している (Asano,2002;宇 高ら, 1991)と考え られ る。34 神 戸市 看護大学 紀 要 Vol
.
11,
20072 .
痛み や しび れへの対処 法 と その効果対象者は
痛
み や し び れに対して 寒 冷 刺激の 回避”
,“
補 助 具の便 貯,
“
ペー
ス の作 り変え”
,
“
薬 剤の使 用”
などの対処 法 を 用い て いた。 症状に よっ て用い る 対処 法の特徴と して 「痛み だ けの者」は 『寒い 日は家 に い る』 『冷 水には気 をつ ける』 『寒い 日には帽 子 を か ぶ る』な どの“
寒冷 刺激の回避’
を代表とする悪化さ せ ないた めの方 策を用い て い た の に対 し,
「し びれだ けの者」は 『家族ら と過 ごす 』 『人 と話を する』など の’1関心 を逸らす”方 策を用い て いた 。 「痛み も し び れ もあ る者 」 は前2者の方 策に加 え 「1人で耐 える』 な どの方策を 用いて いた。 こうした症 状によ る違いは,
「痛み だけの者 」に比べ し びれのある者のVAS 値が高 い こ とや生活へ の 支障を多く感 じて い るこ とが関与し て い る と考え ら れ る。 っ まり,
「痛み だけの者 」は,
自ら編みだし た対 処 法で何と か症 状コ ン トロー
ルが で き て い る が,
「し び れ だ け の者」や 「痛み も しび れ も ある者 」は,
症 状の複 雑 さ ゆ えに関 心 を 逸 ら した り耐 え る とい っ た対応を せ ざ る を得ない状況であ る と考え ら れ る。 こ の こと は,
次の療 法と その効 果におい ても 同様の傾 向がみ ら れた。 症状に対す る療 法は,
「痛み だ けの者」が他の者に 比べ医 学 的 治 療 を 多 く用いてい る傾 向 が ある他は症 状 別に よ る明ら か な特徴は見いだ さ れ な か っ た。 際立っ た相 違は,
そ の効果の知覚で見 られ た。 つ ま り,
「痛 みだ けの者」は, 『マ ッ サー
ジ』『温泉』『鍼』な どの 民 聞療法や 「鎮痛 剤内服 』『温湿 布 』『抗けいれ ん剤内 服 』な どの医学 的 治 療 を用い てお り,
そ の半 数 以 上が 効果が あ る と し て い た。 そ れ に対し,
「し び れ だけの 者 」は,
実施し た療 法に対して C‘
ど ち ら と もいえ ない”
と回答する者が多く,
多くの療 法を用い て はい るが,
その効 果が実 感で きない不 確か な状 況である といえ る。 ま た 「痛みもし び れもあ る者」 にっ いて も“
どちら と もいえ ない”
の回 答が多 くみ ら れ た が,
『温泉 』『マ ッ サー
ジ 』 にっ いて は5 割以 上の者が“
効 果 が あっ た”
と回 答して いたこと か ら,
医 学 的 治 療に比べ,
民 間 療 法に効 果 を感 じて いると考えられる。
慢 性 痛 症 (熊 澤,
2006)の様 相を呈 する脳 血 管 障 害 後の痛みやし び れに“
効 果があっ た”
と された 『マ ッ サー
ジ』『温 泉』『湿 布』な どの療 法は,
身体侵襲が少な く,
心地よ さ を感 じるものであり,
痛み や しび れに よ っ て常に緊 張 状 態 を強い ら れて い る患者の心 身の凝り を ほ ぐすこと にっ な が り,
効果が実感で きたの で は ないか と考え られ る。3 .
看護 実践へ の示唆 研 究 結果 よ り,
脳 血 管 障 害 後の 安 定 期に あ る多 くの 人が痛みやし び れに より生 活の諸 側 面へ の影響を受け て お り, さ まざま な対 処 法や療 法を試み て い るが必 ず し も十分な効果を得て いないという実態が明ら か と なっ た。 こ の ことは,
こ の ような人々 の看 護ニー
ズ が決 し て低くない ことを示唆して いる と思わ れ る。 外 来やク リニ ッ ク で こ の よ うな患者に関わ る看護 師 は, まずは個々 の患者が痛み やしび れに苦しんでいな いか,
生 活へ の影 響は ど う か,
な どにっ いて積極 的に 尋 ね,
関 心 を示 してい くことが 重 要 と考 え る。
周 りの 人にわ か っ て もら え ない とい う孤立感はこれ らの症状 知 覚の閾値を下 げると考えられ,
関 心を示 すこと そ れ 自体が援 助の第一
歩と して効果 的で あると考 えるか ら で ある。 こ の よ う に関わ る なか で,
患 者が行っ て い る対 処 法 や用いて い る療 法にっ い て,
デー
タを蓄積し てい くこ とで,
より効 果 的 な 方 法 や効 果 を 上 げる条 件 等に関 す る患者が自ら編み だ し た実 践 的 知 識も得 られ る可 能 性 がある。 こ のような実 践 的知 識を他の患者に情報提供 することで, 痛み や し びれの渦 中にある人々 の症 状 緩 和にっ な が る と期待さ れ る。4 .
研 究の限界と今後の課題 本研究の限 界は,
脳血管 障害後に痛み や しびれ が現 れ た人々を対 象と してい るが,
その程 度につ いては限 定して い ない。 っ ま り本研究で得ら れ た結果は, 脳 血 管 障 害 後の痛みやし びれを有 する多 くの人の実 態で あ り, 日常診療上で そ の対処に苦慮 する中枢性疼痛 (宇 高 ら,
1988) 特 有の実態で は ない。 しか し,
診 療上の 対処に苦慮 すると認識され ない多くの人 が 痛み や しび れを抱え,
日常 生 活に何ら かの影 響を受 けて いるこ と が明らか に なっ た。
ま た,
そ の人々が用い て い る対 処 法と その効果が明ら か に なっ たこと は評価で き る と思 われる。
今 後,
症 状 緩 和に向けての よ り具 体 的な看護方策の 開 発 をす すめ るこ とが課 題で ある。VI.
謝 辞 本 研 究の デー
タ収 集にご協 力いた だ き まし た患者 会 事務局の 皆様,
患 者 会 会 員の皆 様に深 謝いたしま す。
脳 血 管 障 害 後 遺 症と して の痛み や し び れの日常生活へ の影 響と対 処法 な お
,
本研究は平 成14年度〜
15年 度 独 立 行 政 法 人日 本 学 術 振 興 会科学研 究費の助成 を受 けて実施したもの の一
部であ る。 本 研 究の要 旨につ い て は,
第24回 日本 看 護 科 学 学 会 学術集会で 発表した。 引 用・
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Influence
ofdaily
life
ofpain
or numbness onCerebral
Vaseular
Disorder
sequela and coping withit
Kazue
TOKIi',
Yasuko
MAEKAWA2",
Terumi
YAMAI2',
Emiko
WADA2",
Setuko
HOURAIi*,
Yuki
YAMASHITAi',
Sanae
TAKADAi'
i*Kobe
City
College
ofNursing,
Z'OsakaPrefecture
University
Abstract
The purposeof the study was to clarify the influeneeon the dailylifeof, and coping with the painor numbness whieh theCerebralVascularDisordersequela patients were experiencing, and a questionnaire survey was eonducted on members of patient groups intheJapaneseAssociationof stroke patients, The data were analyzed statistically
(descriptive
statistics, Kruskal-Wallistest,ANOVA),Of
1377questionnairesdelivered,745(54,1%)
were reeovered, Of 711(95,4%)
valid responses, 494(69,5%)
claimed toexperience painor nurnbness, and thelattertwo also influencedthe activities, promptness,or
dexterity
of patientsin
daily
lives.In
addition, eomfert and futureprospects,such as enjoying a sex life,eating, and talking were also influeneedby the same. The subjects were rnostly using coping strategies sueh as "avoidingcold stimu]ation", "the
use of an assistant tool",``remaking the
pace'',and "the
use of medicine"
for
thepain or numbness. For those experiencing only pain, "massage'', "hot springs", "taking analgesics'', "taking
anticonvu]sants", and ''poultices", etc, were effective.
For
most of thesubjects experiencing only numbness,and bothpainand nu:nbness, who answered "those
weTe neither or not', "hot
springs", "`massage",
and "het
compr esses", which,are minimally invasiveteehniques, were effeetive for all symptoms.