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One Class SVM を用いたベアリング異常音検知システム

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Academic year: 2021

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論 文

産業応用工学会論文誌, Vol. 9, No. 1, pp. 31-37 (Mar. 2021)

The Japanese Journal of the Institute of Industrial Applications Engineers

Online edition: ISSN 2187-5146, Print edition: ISSN 2189-373X, DOI: 10.12792/jjiiae.9.1.31

One Class SVM を用いたベアリング異常音検知システム

江原 史朗

a,*

武藤 義彦

a

Bearing Abnormal Sound Detection System using One Class Support Vector Machine

Fumiaki Ehara

a,*

, Yoshihiko Muto

a

(Received December 4, 2020; revised February 3, 2020; accepted February 10, 2020) Abstract

In order for a machine to operate safely, it is one of the very important factors to quickly and accurately detect an abnormality. A skilled operator can make a diagnosis from the sound produced by the machine. However, constant monitoring by the operator is costly and inefficient. If abnormalities can be detected and maintained at an early stage, it will lead to avoiding serious failures, and cost reduction can be expected by long-term use of the machine. In this study, we proposed a system that uses machine learning to detect abnormalities from the operating sounds of machines. Instead of the conventional judgment method that requires abnormal sounds in advance, a system that judges them only from learning normal sound data is proposed. In order to confirm the effectiveness of the proposed system, we build a machine operation sound generator and conducted experiments by artificially generating abnormal noise of a bearing. We extracted features called Mel-Frequency Cepstrum Coefficient from the sounds, abnormal sounds were detected by using One Class Support Vector Machine. As a result, it was confirmed that the generated abnormal noise was detected, and it was found that the proposed system was effective for abnormality detection.

キーワード:異常音検知,機械学習,外れ値検出

Keywords : Abnormal sound detection, Machine learning, Outlier detection.

1. はじめに 機械を安全に動作させるためには,異常を迅速かつ正 確に検出することは非常に重要な要素の 1 つである。異 常を早期に発見しメンテナンスすることができれば重篤 な故障を避けることに繋がり,機械の長期間使用による コストカットも期待できる。一般に熟練したオペレータ であれば「機械が発する音」から異常・正常の診断が行 うことができる。しかしながら, オペレータによる常時 監視はコストの観点から極めて非効率である 。また音は 人によって聞こえ方が異なるため,音を使った検査は技 術継承の点で難しいと考えられている。 これまで音によって正常・異常を判定するには,正常 音,異常音の周波数スペクトルなどの特徴を用いる手法 が一般的であった。すなわち正常音と異常音のフーリエ 変換後のデータを比較し,正常音に含まれない周波数成 分を異常音成分とし,一定の閾値を設定して判定を行う。 W.A.Smith らはベアリング音の異常検知として測定音の 包絡線,スペクトルやケプストラムを分析する手法を提 案している(1)。しかしながら,この手法の場合事前に対 象となる機器毎に正常音と異常音のデータを入手し,そ の特徴を得ることが必要である。発生する異常の種類は 様々であることや,実験的に異常音を収集する場合,シ ステム導入コストが大きくなるという問題点がある。ま た機器によっては事前に異常音を入手することが困難な ケースも想定される。 一方,近年では機械学習を用いた状態判定が,汎用コ ンピュータにより手軽にできるようになった。本研究で は,機械学習を使用して,機械の動作音から異常を検出 するシステムを検討した。異常判定システムは,汎用性 を高めるために同 一システムで様々な機器の異常を判別 できることが求められる。判定システムに用いる機械学 習の手法として,システムを導入する際にあらかじめ正 常・異常の両方のデータを用意する「教師あり学習」が

* Corresponding author. E-mail: [email protected]

a 宇部工業高等専門学校

〒755-8555 山口県宇部市常盤台 2 丁目 14 番 1 号 National Institute of Technology, Ube College 2-14-1, Tokiwadai, Ube, Yamaguchi, Japan 755-8555

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考えられるが,前述したように異常音をシステム導入時 に入手することが困難なことから ,教師あり学習による 判定システムは普及には至っていない。本研究では,事 前に異常音を準備することなしに 正常音データの学習の みから異常音の判定を行う,「教師なし学習」と呼ばれる 手法を用いて異常判定を行うシステムを提案する。 教師なし学習を使用した異常検知は,渡辺らによる軸 受の異常診断や,E.Marchi らの双方向 LSTM を組み込ん だ自己符号化器による異常検出など,ニューラルネット ワークを用いた手法が挙げられる(2-5)。本研究では製造現 場にてタブレット等の限られた計算能力を有する機器を 用いた異常検出を指向しており,異常検知に用いるモデ ルは計算負荷が小さい方が望ましく,ディープニューラ ルネットワークによる実装は適さない。また渡辺らは軸 受の構造を考慮した音の特徴を用いて診断を行っている が,対象とする機械の構造的な特徴を用いた判定システ ムは,他の機械へのシステムの応用が困難となる。 提案システムは,測定した動作音から特徴量を抽出す る部分と特徴量から機械学習を用いて正常・異常を判定 する部分に分けられる。特徴抽出では,声道の音響特性 を表す量として音声認識の分野で多く用いられているメ ル周波数ケプストラム係数(以下,MFCC)を採用した。 MFCC は環境音の異常検知などの研究においても音の特 徴量として用いられている(6,7)MFCC は少ない情報量で スペクトルの概形を表すことができ,対象とする機械の 構造的な特徴は用いていないことから,他の機械への応 用も容易となる。機械学習にはOne Class Support Vector Machine(以下,OCSVM)を使用し,異常音検出を行う。 OCSVM は正常データのみから学習を行い,外れ値を検 出することができる手法であり,ディープニューラルネ ットワークを使用する機械学習に比べ計算負荷 が小さく なる(8,9) MFCC を特徴量として OCSVM により検出を行う手法 は音声認識の分野で用いられている手法である(10)が,本 研究では機械動作音の異常検知にその手法を用い 有効性 の検証をおこなっている。機械動作音を発生させる装置 を製作し,人為的にベアリングの異常音を発生させる実 験を2 種類行った。測定した音に対して提案手法による 異常検出を行った結果,動作時間の経過に伴って増加す る異常音発生に対して異常検知率の向上が確認でき,提 案システムが異常検知に有効であることが分かった。 2. 投稿論文の作成方法 提案システムの流れをFig. 1 に示す。提案システムは, 測定した動作音から特徴量を抽出する部分と特徴量から 機械学習を用いて正常・異常を判定する部分に分けられ る。特徴量としてMFCC を,機械学習には OCSVM を用 いる。はじめに正常音から抽出したデータを用いて異常 検知モデルの学習を行う。事前に異常音を準備すること は困難なため,提案システムでは「教師なし学習」と呼 ばれる手法を用いて正常音データの学習のみから異常音 の判定を行う。学習結果を用いて対象となる測定音の正 常・異常の判定を行う。 Fig. 2 は測定音の判定の流れである。1 回の測定で録音 される音声データを短い区間に分割し ,分割された部分 一つ一つに対して判定を実施する。 本研究では 0.2 秒毎 に分割を行った。異常と判定された部分の割合が一定以 上になった場合に測定音を異常と判定する。短い区間に 分割して判定を行う理由として,1 つは大量の学習デー タにより異常検知モデルの精度を向上させることが挙げ られる。また,本手法を用いることで,判定対象となる 音の長さに関する条件を緩和できる。本研究では 30 秒の 長さの音を対象としているが,異なる長さの 音が混在し ているような状態であっても対応可能である。 加えて,異常の警告を行うしきい値を正常・異常の割 合で設定することで,警告を行う度合いを簡単に設定す ることが可能となる。本システムでは,正常・異常の判 定を行う OCSVM は外れ値の検出を行うため,実際には 正常な音であっても異常と判定される可能性がある。こ

Fig. 1. Flow of proposed system.

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のような誤検出の割合は OCSVM の設定(ハイパーパラ メータ)を調整することで少なくすることはできるが, その割合を0 にすることはできない。フェールセーフの 考え方から,異常音を正常と判定することは避ける必要 があるが,行き過ぎた設定をして常に異常のアラートを 出す状態となってしまっては,異常検出システムとして の価値が無くなる。そのため異常と判定される割合を調 節する機能が必要となる。分割された音データのうちの 異常と判定されたものの割合でもって判定を調節できる ようにすることで,提案システムを用いる状況に応じて, 1 つでも異常と判定されたら警告を出すようにもできる し,半分以上が異常となった場合に警告を出すようにも できる。 2.1 メル周波数ケプストラム係数 異常判定システムは,汎用性を高めるために同一シス テムで様々な機器の異常を判別できることが求められる。 提案システムでは測定音の特徴にはメル周波数ケプスト ラム係数(以下,MFCC)を用いる。MFCC は声道の音響 特性を表す量として音声認識の分野で多用される特徴量 である。本提案手法では,同一プログラムで様々な機器 に対応できることと,異常音の特徴データを用いずに正 常音の特徴のみから判定を行うことを目標としており, どのような異常音でも対応できるよう,特定の周波数成 分 の み を 用 い る よ う な 特 徴 抽 出 方 法 は 適 し て い な い 。 MFCC は少ない情報量でスペクトルの概形を表すことが できることから,本手法に適していると考えら れる。ま た,熟練したオペレータであれば「機械が発する音」か ら異常・正常の診断が行えることから,人の音声知覚に 近い情報を有する特徴量であれば,異常検出に必要な情 報を有していると推測し,本研究ではMFCC を特徴量と して採用する。 MFCC 抽出のフローを Fig. 3 に示す。本研究では測定 した音からFig. 4 のようにウィンドウをシフトさせてデ ータを切り抜き,各フレームからMFCC を抽出する。本 研究では,Python の音響解析用パッケージである librosa に含まれる関数を用いてMFCC の計算を行った。ウィン ドウ長は2048 点,各フレームから 19 次元の MFCC を抽 出し,0.2 秒の音データから 380 点の値を抽出し特徴量 として用いた。

2.2 One Class Support Vector Machine

従来の教師あり機械学習を用いた判定システムでは, システムを導入する際にあらかじめ正常・異常の両方の データを用意する必要があった。発生する異常の種類は 様々であることや,事前に用意することが困難な異常音 も存在し,導入は困難であった。本研究では1 クラス SVM と呼ばれる機械学習の手法を用いて判定を行う。Fig. 5 は OCSVM の概念図である。Fig. 5(a)は,元の入力データ のスペースを示している。一部のグループには正常なデ ータ(図の赤い丸)が存在するが,異常なデータ(図の 青い丸)は散在している。Fig. 5(b)に示すように,特定 のマッピング関数を渡すことにより,正常なデータは 1

Fig. 4. Shifting the window function.

(a) Space of the Original Input Data.

(b) Feature Space.

Fig. 5. Conceptual Diagram of OCSVM. Fig. 3. Flow of Mel-frequency cepstrum coefficient

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箇所に変換され,異常なデータは正常なデータから離れ た位置に変換される。OCSVM では,このマッピングの 後,最適な中心座標と超球の半径が空間で計算される。 OCSVM は「外れ値」を検出することが可能で,トレー ニングに使用されるデータが通常のデータのみであるこ とが利点である。本研究では,Python の機械学習ライブ ラリである scikit-learn に含まれる関数を用いて OCSVM の計算を行った。 3. 実験 提案システムの有効性を確認するために,実際に機械 の正常音,異常音の測定を行った。機械動作音を発生さ せる装置を製作し,人為的に異常音を発生させた。負荷 の有無などの条件を変えた2 種類の実験を行った。 3.1 機械動作音発生装置 異常音を測定・収集するために,機械動作音発生装置 を製作した。Fig. 6 は,機械動作音発生装置の写真であ る。装置の長さは約2 メートルで,幅は約 1 メートルで ある。機械作動音発生装置は,低圧三層高効率モータ(富 士電機・MLK1085M)の駆動軸からフレキシブルカップ リングを介して動力を伝達し,軸に 2 つのベアリング(軸 受)を取り付けた。インバータを使用してモータの電源 周波数を変更することで,回転数を制御する。2 つのベ アリングに取り付けられた接 触マイク(JRCS・CM05A) からの信号を入力デバイスに接続し,発生するベアリン グ音を同時に測定する。実験装置製作段階では,異常音 が発生するベアリングの設置位置が不明であったため 2 ヶ所にマイクロフォンを設置して測定を行った。これら のマイクロフォンを用いて動作音を測定した結果,2 種 類のベアリング音はほとんど同じ傾向であったため,本 論文ではベアリングへの負荷が大きいと推測される Fig. 6 の“Bearing2”で測定された音を使用する.駆動軸に負荷 をかける機構により,負荷の無い状態に比べて短時間で 異常音を発生させることができる。Fig.7 は,駆動軸に負 荷がかかっている様子の概略図である。駆 動軸に負荷を かけた状態で回転させることで,負荷が無い状態に比べ 短 い 時 間 で 異 常 音 が 発 生 す る 状 態 と な る 。 本 論 文 で は Bearing Unit の位置において,軸の中心から 10 mm ずら す負荷を加えた。実験では 3~10 時間モータを駆動させ ると異常音が発生し始めた。 3.2 動作音の測定 動作音を測定する2 種類の実験を行った。 (a) 実験 I 常に負荷を加えた状態でモータを回転し測定を行った。 サンプリング周波数50 [kHz]で,30 秒間の測定を 2 分毎 に行い,音が変化する様子を測定した。同じ負荷をかけ た状態で 4 日間測定し,4 日目に動作時間が 10 時間を超 えたあたりから異常音が発生し始めた。測定された機械 操作音の各日の時間をTable 1 に示す。正常音(最初の測 定)と異常音(最後の測定)の振幅スペクトルをFig. 8 に 示す。 (b) 実験 II ベアリングを新しいものに交換し,2 回目の実験を行 Fig. 6. Sound generator. Fig. 7. Mechanism to apply load.

Table 1. Conditions for Experiment I a1 a2 a3 a4

Day1 Day2 Day3 Day4 Total Number of

Measurements 45 54 147 83 329 Time [s] 1,350 1,620 4,410 2,490 9,870

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った。初めに負荷がかかっていない状態の動作音を測定 した。30 秒間の測定を 60 回行い学習用データとして用 いる。次に実験 I と同じ負荷を加えた状態でモータを回 転し測定を行った。負荷をかけた直後の音を10 回測定し た。その後,同様の負荷を加えたままモータを 3 時間連 続で回転させると異常音が発生し始めた。異常音発生後 の音を10 回測定した。最後に軸にかかる負荷を無くし, 10 回測定した。負荷が無くなることで,異常音の発生が 無くなっている。 4. 結果 実験I では,1 日目の 1,350 秒のデータをトレーニング データ(通常の音)として使用し,残りの3 日間の 8,520 秒の音をテストデータとして使用した。 提案手法で判定を行った結果がFig. 9 である。横軸に 1 日目から合計した測定回数,縦軸に 1 回の測定のうち に異常と判定された区間が含まれる割合を示す。100 %の 場 合 , 全 て の 区 間 が 異 常 と 判 定 さ れ た こ と を 表 す 。 OCSVM の設定(ハイパーパラメータ)は,4 次の多項式 をカーネル関数とし,外れ値の割合を調整するパラメー タであるν を 0.05 とした。 動作時間の経過に伴って異常音が増加している様子が 確認できる。また,異常音が発生し出した測定回数 300 回を超えた辺り(a4 の部分)から異常と判定される割合 が常に 100 %となっており,提案手法を用いて異常音を 検知できていることが分かる。 実験 II の結果を Fig. 10 に示す。負荷がかかっていな い状態の動作音を学習用データとして用いている。異常 音が発生している b3 の部分で異常と判定される割合が 常に 100 %となっており,提案手法を用いて異常音を検 知できている。 データ数の多い実験I について,Table 3 に示すコンピ ュータを用いてプログラム実行に要した時間の測定を行 った。結果をTable.4 に示す。合計 9,870 秒間のデータか らMFCC による特徴抽出に要した時間は 1,125 秒で,30 秒間の測定 1 回あたりに換算すると 3.42 秒の結果とな った。OCSVM による学習および判定では,1,350 秒のデ ータをトレーニングデータとして使用し,4 日間の全て データに対して判定を行った結果,実行時間は約1.78 秒 となった。OCSVM による学習および判定に要した時間 は10 回の測定により得た時間の平均値である。以上より Table 2. Conditions for Experiment II

Number of Measurements Time [s] b1 No load 60 1,800 b2 Applying a load, No abnormal sound 10 300 b3 Applying a load, and abnormal sound occurs 10 300 b4 No load, after abnormal sound occurs 10 300 Total 90 2,700

Fig. 9. Result of experiment I.

Fig. 10. Result of experiment II. Table 3. Calculator Conditions

OS Windows 10 Enterprise 64bit CPU Intel Core i7-8700 3.2 GHz RAM 24 GB

Programming

language Python

Table 4. Execution times Feature extraction by

MFCC of 329 files 1,125 [s] Learning and judgment by

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OCSVM の計算負荷は非常に小さいことが分かる。 5. 考察 実験II において,外れ値の割合を調整するパラメータ であるν を 0.01,0.05,0.1 と変化させて判定を行った結 果をFig. 11 に示す。ν を変化させても異常音が発生して い る 部 分(b3)では異 常と判定 される割 合が 100%となっ ている。異常音が発生していないb2,b4 の部分において, 異常と判定される割合が変化していることが分かる。実 験I においても同様の傾向が見られた。 提案手法では, 検査対象となる音を短い区間に分割し (本研究では0.2 秒毎に分割を行い),分割された部分一 つ一つに対して判定を実施し,その割合で警報を出すこ とを想定しているが,パラメータν によって異常と判定 される割合が変化する。異常検知の割合を調整可能とし ておくことで,システムの柔軟性が向上するものと考え る。すなわち,僅かな異常であっても確実に検出するこ とを希望する場合や,深刻な異常だけ通知を希望する場 合など,ユーザの希望に合わせて警告を発する閾値を調 節可能となる。本システムの商品化にあたっては,ユー ザの多様な希望と,それに対応するパラメータ値の調整 を行っておく必要があることが分かった。 6. 結論 本研究では,OCSVM を使用して機械動作音の異常検 出を行うシステムを提案した。測定した音からMFCC を 抽 出 し , 特 徴 量 と し て 用 い た 。 機 械 学 習 の 一 つ で あ る OCSVM を使用することで,正常音の学習のみで正常・ 異常の判定が行える。提案手法では,対象とする機械の 構造や特定の周波数成分を使った特徴を用いていないこ とから様々な機器に応用することが可能となる。提案シ ステムの有効性を確かめるために,機械動作音発生装置 を製作し,人為的に発生させたベアリングの異常音に対 して判定を行った。その結果,異常音が判定でき,本提 案手法の有効性が示された。しかし,本実験はベアリン グの動作音に対して行われたため,他の機械の実際の動 作音に適応できるかどうかは明らかになっていない。そ のため,実際に使用されている機械の動 作音を収集し, このシステムが適応可能かどうかを調べる必要がある。 また,本研究では熟練したオペレータであれば「機械が 発する音」から異常・正常の診断が行えることから,人 の音声知覚に近い情報を持ったMFCC を特徴量として採 用したが,異常検知を行う特徴量として必要十分な性能 を有しているか検証は行われておらず,特徴量の選択や 音声データの分割数など検討の余地がある と考える。こ れらを最適化し精度を向上させたい。 文 献

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(7)

classification applications”, EURASIP Journal on Advances in Signal Processing, 22 pages,2008 江原 史朗 2002 年 3 月筑波大学大学院工学研究科博士課程 修了。2003 年 4 月宇部工業高等専門学校着任,現 在に至る。音響工学の研究に従事。 武藤 義彦 1993 年 4 月宇部工業高等専門学校着任。2003 年 3 月山口大学大学院理工学研究科システム工学専 攻博士後期課程修了,現在に至る。ソーシャルメデ ィアの分析に関わる研究に従事。

Fig. 2. Flow of diagnosis.
Fig. 3. Flow of Mel-frequency cepstrum coefficient  extraction.
Fig. 8. Spectrum of normal and abnormal sound.
Table 3. Calculator Conditions
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