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Estimation of gelatinization and retrogradation of starch by an amperometric titration and its application

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澱 粉 工 業学 会 誌 第18巻 第4号(1971)

電流 滴定法 に よるで んぷ ん の糊 化 度 の

測 定 とその応用

檜 作

進*  外 山 忠 男**  二 国 二 郎***

(昭和46年9月13日 受理)

Estimation

of gelatinization

and

retrogradation

of starch

by an amperometric

titration

and its application

Susumu Hizukuri*, Tadao Toyama** and Ziro Nikuni***

* Dept , of Agricultual Chemisty, Faculty of Agriculture, kagoshima University, kagoshima-shi kagoshima-ken

** Research Division , Japan Maize Co., Mishima-shi Shizuoka-ken *** Hayashi-Gakuen Junior Women's College , Konan-shi Aichi-ken

Gelatinization

and retrogradation

of starch

were

estimated

by the iodine binding

values (lab) which

were determined

by the amperometric

titration

with KIO3 of an

acidified

specimen in both solution and suspension

as follows :

•¬

Retrogradation

degree (%) = 100-gelatinization

degree

In the titration

of the suspension,

a specimen

was homogenized

with water in a glass

homogenizer

by hands

and was added KC1, HC1 and KI to the suitable

conditions

for

the titration.

The homogenization

conditions

did not effect on the determination

of Tab

when the suspension

was apparently

homogeneous.

In the titration

of the solution,

the

specimen

was dissolved in 0, 5 N KOH, acidified with HC1 and added KI to be the same

composition

as in the suspension.

Before the determination,

specimens

were dehydrated

well with ethanol,

washed with ether and dried

over CaCl2 in a vacuum

desiccator.

The estimation

method

is specific

basically

for amylose

and, therefore,

it is very

useful for the analysis

of gelatinization

and retrogradation

of starch.

As applications,

the retrogradation

of potato amylose,

amylopection

and starch

was

characterized

by the present

method together

with the glucoamylase

digestion

and

x-ray diffraction

procedures.

 で ん ぷ ん の 糊 化 や 老 化 を 判定 し,評 価 す る方 法 は天 然 で ん ぷ ん(β-で んぷ ん)と 糊 化 で ん ぷ ん(α-で ん ぷ ん) の構 造 や 物 性 の相 違 に基 づ いて 種 々 の方 法 が 採 用 され て い る。 これ らの方 法 は 当面 す る問 題 の理 解 に 任 意 に採 用 *鹿 児 島大 学 農 学 部 鹿 児 島 市 上 荒 田町1946 **日 本 食 品 化 工 株 式 会 社,研 究 所 静 岡 郡 三 島市 徳 倉 十 太 久 保720番 の2 ***林 学 園 女 子 短 期 大 学 愛 知 県 江 南 市 両高 屋字 大上

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電 流 滴 定 法 に よ るで ん ぷ ん の 糊 化 度 の 測 定 とそ の 応 用 17 され た も の も あ っ て,独 立 し て行 わ れ た 実 験 の結 果 を 比 較 し,統 一 的 に理 解 す るの に 役 立 た な い こ とが 多 い 。 ま た,こ れ らは そ れ ぞ れ 糊 化 や 老 化 の 一 面 を取 扱 った もの で,一 つ の 手段 に 依 存 して 複 雑 な糊 化 や 老 化 の 現 象 を 取 扱 うと,大 きな 誤 解 を 招 く恐 れ が あ る。 従 って,こ の 問 題 を 多 角 度 か ら総 合 的 に検 討 し,理 解 を 深 め る為 には 種 々 の面 で 合 理 的 な基 盤 に立 った 方 法 の開 発 が 必 要 で あ る。 我々 は既 に代 表 的 な 手段 と して用 い られ る ア ミ ラー ゼ消 化 法 を検 討 し,グ ル コア ミ ラー ゼ を用 い る合 理 的 な 方 法 を 提 案 した1)。 これ は 種 々の 場合 に適 用 して有 用 で あ り,広 く用 い られ て い るが,糊 化 や 老 化 の現 象 を分 子 の構 造 に結 び つ け て理 解 す るの に不 満 足 で あ った 。 そ こ で分 子 構 造 に選 択 性 の あ る方 法 と して,ヨ ー ドとで んぷ ん の反 応 に基 づ い た ヨー ド結 合 量 を利 用 す る こ と を 試 み,問 題 点 な どを 吟 味 し,合 理 的 で有 効 な 手段 を確 立 し た の で こ こ に発 表 す る。 尚,こ の応 用 と して 馬鈴 薯 で ん ぷ ん の 老 化 を 取 り上 げ,得 られ た 知 見 に つ い て 考 察 し た 。

実験方法

  試 料 で ん ぷ ん 北 海 道 の合 理 化 工 場 の昭 和38年 度 産 の馬 鈴 薯 で んぷ ん の大 粒 子 製 品 を使 用 した 。  ア ミ ロー ス と ア ミ ロペ ク チ ンの調 製 試 料 で んぷ ん か らSchochら の方 法2)に 準 じて 調 製 した。 ア ミ ロー ス 区 分 は ブタ ノー ル 飽 和 水 を 用 い て3回 再 結 晶 して精 製 し た 。 精 製 した ア ミロー スは 多 量 の エ タ ノー ル で十 分 朕水 した 後,エ ー テ ル で 洗滌 し,カ ル シ ウム 乾 燥 器 中 で 減 圧 下 に乾 燥 し,粉 末 化 した 。ア ミロ ー スを 分 離 した 母 液 を24 時 間4℃ に保 存 し,生 じた 沈 で ん 区 分 を 遠 心 分 離 して 除 い た 後,約1/3に 濃 縮 し,ア ミ ロー ス同 様 エ タ ノ ール で脱 水 し,乾 燥 粉 末 化 した 。 老 化 ア ミ ロ ー ス の調 製 ア ミ ロー ス119(乾 物 量) を0.5NKOH275m1に 完全 に溶 解 し,約140m1の1N 酢 酸 を加 え てpH6.0に 中 和 し,水 を加 え て全 量 を1100 m1と した 。 この ア ミロー ス溶 液 を100m1の 三 角 フ ラス コ に100m1宛 分 注 し,そ の上 に トル エ ン1m1を 加 え て 密 栓 し,4-6℃ の定 温 に保 存 して 老 化 させ た 。 適 時 ・ この フ ラ ス コを 取 出 し,3000r.p.m.で20分 間 遠 心 分 離 して沈 で んを 取 り,100m1の 冷 水 に懸 濁 した 後 再 度 遠 心 分離 して沈 で んを 洗 滌 した 。 二 回 の遠 心 分 離 の上 澄 液 は 合 して定 容 と し,ア ンス ロ ン法3)で 全 糖 を測 定 し て可 溶 性 ア ミロー ス の量 を求 め,沈 で ん量 を算 出 した 。 沈 で ん は 多 量 の エ タ ノー ル を 用 い て十 分 に 脱 水 し,エ ー テ ル で 洗 滌 後,減 圧下 に カ ル シ ウム 乾 燥 器 中 で 乾 燥 し,乳 鉢 で粉 末 化 した 後,同 じ 乾 燥 器 中 に保 存 し,適 時 分 析 し た 。  老化 ア ミ ロペ ク チ ンの 調 製 ア ミロ ペ ク チ ン19(乾 物 量)を10m1の 試 験 管 に と り,水4m1を 加 え て十 分 攬 拌 した後,沸 騰水 浴 中 で10分 間 加 熱 糊 化 させ た。 加 熱 中 に 気 泡 が 生ず る の で,加 熱 後 にそ の 試 験 管 を3000r.p.m. で10分 間 遠 心 分 離 して 気 泡 を 除 去 し,表 面 に ト ル エ ン 0.5m1を 加 え て密 栓 し,ア ミ ロー ス 同様 に4-6℃ に一 定 期 間 保 存 して 老 化 させ た 。 老 化 した ア ミ ロペ クチ ンは 全 量 を 多 量 の エ タ ノ ール 中 で急 速 に脱 水 し,エ ー テル で 洗 滌 後,ア ミ ロー ス の場 合 と同様 に 処理 した 。  老化 で ん ぷ ん の調 製 密 栓 フ ラ ス コ中 で20分 間98℃ で 加 熱 攬拌 し て調 製 した2.5%の 馬 鈴 薯 で んぷ ん 糊 液 を100m1宛,100m1の 三 角 フ ラス コ に分 注 し,表 面 に ト ル エ ン1m1を 添 加 して密 栓 し,4-6℃ に保 存 して 老 化 させ た 。 適 当 な 期 間 老 化 させ た で ん ぷ んは 多 量 の エ タ ノ ー ル を 加 え て 全 量 を 脱 水 し,再 度多量 のエタノール に懸 濁 して 十 分 脱 水 した 後,エ ー テ ル で洗 滌 し,ア ミロー ス の場 合 と同 様 に処 理 した 。  試 薬KIO3は メル ク社 製 の 分 析 用 試 薬,他 は 何 れ も和 光 純 薬 の特 級 試 薬 を使 用 した。   X線 粉 末 法 に よ る 老化 の評 価 装 置 は 島 津 自記X線 装 置 型 を使 用 し,操 作 条 件 は 対 陰 極 が 銅 の管 を用 い て, 電 圧35kV,電 流12.5mAと し,発 生X線 はNiフ ィル ター を 用 い てKβ 線 を 除 いた 。 ス リ ッ ト系 に発 散 ス リッ ト3mm,空 気 散 乱 防 止 ス リ ッ ト1mm,発 光 ス リッ ト 0.3mmと した 。 時 定 数 は1.25秒,走 査 速 度 は1。/分,紙 速 度 は10mm/分 と した 。 試 料 は十 分 微 粉 化 した も のを アル ミニ ウ ム製 の枠 に充 填 した 。得 られ たX線 の 回 折 図 か ら定 性 的 に老 化 を 判 定 した 。   酵 素 消 化 法 によ る糊 化 度(又 は 老 化 度)の 測 定 既 報1)の グル コ ア ミ ラー ゼ を 用 い る方 法 で 糊 化 度(α 化 度) を 測 定 した 。 尚,本 報 告 で老 化 度(%)と い う 場 合 は (100-a化 度)を 意 味 す る も ので あ る。  ヨー ド電 流 滴 定 法 に よ る 糊 化 度 の 測定Larsonら4) のdead stop endpoint法 に 準 じて 行 った 。 す な わ ち,

2本 の 白 金電 極 間 に10mVの 電 圧 を 負 荷 し,滴 定 に よ る 電 流 の 変 化 を 電 子 管 式 マ イ ク ロボ ル トメー タ ー(東 亜 電 波 工 業 製AD-7型)を 用 い て電 圧 と して読 み取 り,電 流 に換 算 した(実 用 上 か らは この必 要 は な い)。 試 料溶 液 は外 筒 のつ い た ビー カ ー に入 れ,30℃ に保 ち,下 か ら磁 気 攬拌 機 で 攬拌 しつ つ滴 定 した 。 この 攬 拌 の 強 さが 一 定 で あ る こ とが必 要 で あ る為,磁 気 攬拌 機 の調 節 に注 意 した 。通 常 は使 用電 圧100Vの もの を100V以 下 の 一 定

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澱 粉 工業 学会 誌 第:18巻 第:4号(1971) 電 圧 下 に調 節 して使 用 す る こ と で 目的 が 達 せ られ る。試 料 は 溶 液 とせ ず,ホ モ ゲ ナ イザ ー で均 一 化 した 懸 濁 液 と して 滴 定 し,溶 液 と して 滴 定 した 場 合 と の ヨー ド結 合 量 の 割 合 で 糊 化 度 と した 。 す なわ ち,溶 液 に した場 合 の値 を 糊 化 度100%と した 。

糊化度(%)一響

携 ≒ ド

廴 ×1・

_懸 濁 液 の 滴 定 値 一 一 溶 液 の 滴定 値 一×100 具 体 的 にi操作 を 述 べ る と,試 料 で ん ぷ ん30mg(ア ミ ロー ス では5 .Omg)程 度 を 精 秤 し,ガ ラ ス製 の摺 合 せ の Potter型 のハ ン ドホ モ ゲ ナ イザ ー に と り,水10m1を }て 十 分 分 散 させ る(約20往 復) 。分 散 液 に1NHC110 m1と0.5NKOH10m1の 混 合 液 及 び0 .4NKI5mlと 水 を 加}て100m1に 定 容 した も の を滴 定 用 の ビー カ ー に 移 し,0.005NのKIO3溶 液 を 用 い て 滴 定 す る。0.2ml を 滴定 の 毎 に2分 後 に電 流 を 読 み,滴 定 値 に対 して記 録 し,図1の よ うな滴 定 山 線 を 得,図 中 点 線 で示 した よ う に滴 定 値 を求 め た。  試 料 を 溶 液 に し て滴 定 す る場 合 は 試 料 を10mlの0.5N KOHに 完 全 に溶 解 し,次 い で10m1の1NHC1と5m1の 0.4NKIを 加 え,水 を 加 えて100m1と し,同 様 に滴定 す る。 空 試 験 は 試 料 を 用 いず に 同様 に行 う。

結果 と考 察

 上 に述 べ た 電 流 滴 定 の操 作 で滴 定 値 に影 響 を与 え る要 因 と して 考 え られ る も のは ホ モ ゲ ナ イ ザ ー に よる試 料 の 分 散 で あ ろ う。 α化 又 は部 分 的 に老 化 した馬 鈴 薯 で んぷ ん を試 料 と して この影 響 を し らべ た とこ ろ,明 らか に大 き な 塊が あ り,不 均 一 な懸 濁 液 とみ られ る もの は値 が 変 動 す る が,5回 乃 至50回 の手 動 往 復 運 動 に よ っ て一 見 均 一 に分 散 してい れ ば,測 定 値 に変 動 は み られ な か った 。従 って通 常 の操 作 で は10-20回 位 の往 復 運 動 によ って 均 一 化 した 。 ホ モ ゲ ナ イザ ー の摺 り合 せ の度 合 につ い て,き つ い も の,中 位 の も の,可 成 りゆ るい もの を 使 って 試 験 した が,こ れ も有 意 義 な 差 は み られ な か った。 従 って ホ モ ゲ ナ イザ ー につ い て も特 に留 意 す る必要 は な い  懸 濁 液 にお い て もKIO3溶 液 を滴 下 後,1 .5∼2.0分 遍 ぎ る と,電 流 は 安定 化 す るの で2.0分 後 に電 流 値 を読 む こ とに した。 尚,4分 後 に は,2 .0分 後 よ りも電 流 値 は 極 く僅 か に低 下 す るが,実 際 の測 定 値 には 殆 ん ど影 響 は な い こ とが み とめ られ た 。 こ の方 法 を 天 然 の でん ぷ ん粒 に適 用 す る と,図1の うに,滴 定 曲 線 の 勾 配 は 空 試 験 の そ れ よ り も 低 く な る が,明 らか に ヨー ド結 合 量 は0を 与 え,つ ま り100%β-で んぷ ん り100%β-で あ る と判 断 され た。 しか し,で んぷ ん粒 は 明 らか に 内部 ま で青 く染 色 して い る。 し か し,こ の量 は 極 く僅 か で,遊 離 ヨ ー ドの増 加 に比 例 して い る 為 に ヨー ド結 合 量 と し ては 検 出 され な い 。 α化 でん ぷ ん で は, 溶 液 と して 滴 定 した 場 合 と同 じ 滴 定 曲 線 を 与 え,糊 化 度100% の 値 が 得 られ た 。 これ らの 事 実 は この方 法 が糊 化 度(又 は 老 化 度)の 測定 に合 理 的 な 根 拠 を も つ こ とを立 証 して い る 。尚,老 化 で んぷ ん は老 化 が進 む程 ヨー ド 結合 量 の減 少 が み られ た。 ヨー ド結 合 量 は ア ミ ロー ス につ い て は19乃 至20位 の値 を とるが,ア ミ ロペ クチ ンに つ い て は0 .5以 下 で ア ミロー ス に対 して殆 ん ど無 視 出来 る こ とか ら,こ の方 法 は ア ミロー ス に つ い て の特 異 的 な方 法 で あ る こ と が 特 徴 で あ る。 従 っ て全 でん ぷ ん の よ うな 混 合 物 に適 用 し て,ア ミロ ー ス の状 態 変 化 を 特 異 的 に知 る こ とが で き る の で非 常 に利 用 価 値 は 大 きい 。 た だ し,脂 肪 酸 類 の よ うに ヨー ドと拮 抗 して ア ミロー ス と抱 接 化 合 物 を 作 る よ うな 物 質 が 存 在 す る場合 や,そ の他 の ヨー ド反 応 に影 響 を 与え る物 質 が混 在 す る場 合 の適 用 に は注 意 が必 要 で あ 図1糊 化 及 び老 化 した 馬鈴 薯 で ん ぷ ん 懸 濁 液 の電 流 滴 定 曲線 1.空 試験,2.天 然 で ん ぷ ん 粒,3.α 化 で ん ぷ ん(懸 濁 液)と そ の溶 液,4∼8,で んぷ ん糊(4%)を4∼6℃ に保 存 し,老 化 した も の,保 存 期 間 は,4は1日,5は3日,6は5日,7は7日,8 は14日,各 試 料 は30mg滴 定 した.

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電流 滴 定 法 に よ るで ん ぷ ん の糊 化 度 の 測 定 とそ の 応 用

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る 。   次 に この方 法 の適 用 例 と して,馬 鈴 薯 で んぷ ん の老 化 を対 象 として,で ん ぷ ん の老 化 につ い て考 え てみ た い。 ア ミロ ー ス の 老化 図2は1%の 馬鈴 薯 ア ミロー ス 液 を4℃ に保 存 した 時 の状 態 変 化 を し らべ た もの で あ る。 ア ミ ロー ス水 溶 液 は非 常 に不 安 定 で 速 や か に 老 化 沈 で んす る こ とは よ く知 られ た 事 実 で あ る。 この 場 合24時 間 後 で は94%,3日 後 で は97.4%が 老 化 沈 で ん した 。 し か し,そ れ ぞ れ の時 点 で老 化 沈 でん した 部 分 につ い て 酵 素 消化 法 や ヨー ド電 流 滴 定 法 で老 化 度 を求 め る と,100 %老 化 して い るの で は な くて,こ の図 に示 され て い る よ うにほ ぼ50∼60%老 化 し てい る と判 定 され た 。 この 事 実 は老 化沈 で ん した ア ミロ ー スが 水 に 不 溶 性 で あ る点 で は 天 然 の β一でん ぷ ん と同 じで あ るが,そ の状 態 は可 成 り異 った もの で あ る こ とを 示 して い る。老 化沈 で ん した ア ミ ロー スは 熱 水 に も殆 ん ど化 け な い為 に不 溶 性 とい う見 地 か らすれ ば天 然 のβ一で ん ぷ ん 中 の ア ミロー ス よ り も一 層 密 な 構 造 が推 測 さ れ る が,酵 素 消化 法 や ヨー ド電 流滴 定 法 の 測定 値 か らす る と天 然 のβ一で ん ぷ ん よ りも遥 か に粗 な 構 造 であ る。 従 って これ らの こ とを 総 合 す る と,老 化 沈 でん した ア ミロー ス の ミク ロの構 造 は天 然 のβ-でん ぷ ん よ りも不 均 一 な 組 織 に な って い る もの と判 断 され る。 老 化 沈 でん した ア ミロー スをX線 粉 末 法 で し らべ る と, 図3の よ うに β一でん ぷ ん に基 く回 折 線 は殆 ん どみ られ な い 。 α化 試 料(老 化0日)に み られ る二 つ の 大 きな ピー クは ア ミロ ー スが らせ ん 構 造 を とっ て い る こ とを示 す も の で,明 らか に 天 然 の β-でんぷ ん とは 異 る もの で あ り, ア ミロー スを エ タ ノ ール で沈 で ん させ た時 に生 ’じた も の と思 わ れ る。 保 存 日数 が 進 ん で老 化 した も の は20=17° の付 近(図 中 の矢 印)に 微 か に新 しい 回折 線 が 出現 して い る。 これ は 天 然 のB形 の 結 晶 構 造 に基 くも の で あ っ て 非 常 に 徐 々に 結 晶 化 が進 ん で い る こ とを 示 して い る。 し か し,22日 間 保 存 した も の に お い て も極 く僅 か で殆 ん ど 非 晶状 態 で あ る と判 断 され る。 これ ら の こ とか ら,こ の よ うな状 態 で老 化 沈 で ん した ア ミロー スの ミク ロの 組 織 構 造 は,不 均一 な ガ ラス 状 構 造 の も の と考 え て よい で あ ろ う。  酵 素 消 化 法 と ヨー ド電 流 滴 定 法 は 測 定 の基 礎 が 根 本的 に相 違 す る に も拘 らず,図2に み られ る よ うに測 定 値 の 相 違 が小 さい こ とは 興 味 のあ る こ と であ る。1日 老 化 し た 試 料 で は 一 致 した 値 が 得 られ た こ とは 注 目 され る。 酵 素 消 化 法 で は 其 の 後 の 老 化 の進 展 が殆 ん どみ ら れ な い が,ヨ ー ド電 流 滴 定 法 で は 徐 々に進 ん で い る こ とを 示 唆 して い る。 これ は両 者 の測 定 法 の基 礎 の 相 違 に よる もの で,固 体 の状 態 の分 子 の 微 妙 な 状 態 変 化 に 対 して は ヨー 図2馬 鈴 薯 ア ミロー ス(1%溶 液)を4∼6℃ に 保 存 した 時 の老 化 度 沈 で ん した ア ミ ロー ス の酵 素 消 化 法 に よ る測 定 沈 で ん した ア ミ ロー ス の ヨー ド電 流 滴 定 法 に よ る測 定 沈 で ん量 図3老 化 沈 で ん した 馬鈴 薯 ア ミロー スのX線 回折 図 *保 存 日数,試 料 は 図2に 同 じ

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澱 粉工 業 会 誌 第18巻 第4号(1971) ド電 流 滴 定 法 の方 が 酵 素 消 化 法 よ りも感 受 性 が 高 い もの と思 わ れ る。 若 干 の相 違 は あ る に し て も,酵 素 消 化 法 と ヨー ド電 流 滴 定 法 が ほ ぼ近 い 値 を 与 え る こ とは 両 者 の値 を 相 互 に比 較 評 価 す る上 に留 意 され て よい であ ろ う。  ア ミ ロペ ク チ ン の老 化 ア ミロ ペ ク チ ン分 子 は老 化 し難 い の で高 濃 度 と し,4℃ に保 存 した 時 の 状 態 の 変 化 を 酵 素 消 化 法 で し らべ た 。 図4に み られ る よ うに ア ミ ロ ー ス よ りも著 し く濃 度 が 高 い に も拘 らず,老 化 は徐 々 に進 行 して い る。 老 化 の速 度 は初 め の3日 目位 迄 が速 か で以 後 は非 常 に 遅 い 。 同 じ試 料 に つ い てX線 粉 末 法 で検 討 す る と,図5の 結果 が得 られ,明 らか にB形 の結 晶 化 が 進 ん で い る こ とが 示 され た 。 この 結 晶 化 も消 化 法 の 結 果 と調 和 して初 め の3日 目迄 が 速 か で以 後 の 発 達 は 遅 い も の と判 断 され る。 ア ミロー ス の 場 合 に比 較 して,酵 素 消 化 法 に よ る老 化 度 が 低 い に も拘 らず,結 晶 化 はず っ と進 ん で い る こ とが この場 合 の ア ミロペ クチ ン分 子 の 老 化 の 特 徴 で あ る。 ア ミロペ ク チ ン分 子 が 結 晶 化 し易 い とい う 事 実 は,現 在 そ の分 子 構 造 と関 連 して理 解 す る こ とは な お 困 難 で あ り,将 来 の 問 題 で あ る。  で ん ぷ ん の 老 化 馬 鈴 薯 で ん ぷ ん(2.5%)を4∼6℃ に保 存 した 時 の状 態 変 化 を 酵 素 消 化 法 と ヨ ー ド電 流 滴 定 法 で測 定 し,図6の よ うな結 果 が 得 られ た 。 こ こ で特 徴 的 な の は酵 素 消 化 法 と ヨー ド電 流 滴 定 法 との測 定 値 が 可 成 り相 違 し,ヨ ー ド電 流 滴 定 法 の方 が 可 成 り大 きな 値 を 示 す こ とで あ る。 この事 実 は,で ん ぷ ん 中 の ア ミロ ー ス分 子 は ア ミロペ ク チ ン分 子 よ り も老 化 が進 ん で い る こ とを示 唆 して い る。 ア ミ ロー ス の場 合,ヨ ー ド電 流 滴 定 法 と酵 素 消 化法 が比 較 的近 い値 を示 す こ とを考 慮 して, こ こで 大 胆 に両 者 の 値 が 等価 で あ る と仮 定 し,ア ミロー スの 含量 と組 合 わ せ て 計 算:する と,老 化 した ア ミロー ス 図4馬 鈴 薯 ア ミロペ クチ ン(25%)を4∼6℃ に 保 存 した時 の老 化 度 酵 素 消化 法 に よ る測 定 図5老 化 馬 鈴 薯 ア ミロペ ク チ ン のX線 回折 図 *保 存 日数,試 料 は 図4に 同 じ 図6馬 鈴 薯 で んぷ ん(2.5%)を4∼6℃ に保 存 し た 時 の 老 化 度 酵 素 消 化 法 に よ る測 定 ヨー ド電 流 滴 定 法 に よ る測 定 ア ミ ロペ ク チ ン老 化 度 の推 測 値(本 文 参 照)

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電流 滴 定 法 に よ るで ん ぷ ん の糊 化 度 の測 定 と そ の応 用

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に よ る酵 素 消 化 法 の値 に対 す る貢 献 度 が 求 め られ る 。 こ の値 を 酵 素 消 化 法 の値 か ら差 引い て ア ミロペ クチ ンの み の老 化 度 を求 め る と,図6の 点 線 で示 した も の が 得 ら れ,ア ミロペ クチ ン分 子 は殆 ん ど老 化 して い な い こ とが 示 唆 され るの であ る。 これ は無 論 大 き な仮 定 の上 に立 っ て の こ と であ るが,大 き く的 を はず した推 測 で は あ る ま い 。 こ の観 点 か らす る と,で ん ぷ ん の 老 化 の 特 異性 は ア ミロ ー ス に求 め な け れ ば な らな い 。今 後,各 種 の で ん ぷ ん につ い て こ の よ うな 分 析 を す る必 要 が あ ろ う。 図7は 同 じ試 料 につ い て のX線 図 で あ る。 ア ミロー スの 場 合 と 同様 に殆 ん どB形 で んぷ ん の結 晶 構 造 の発 達 は み られ な い 。 これ は この実 験 条 件下 で は ア ミロー スが 老 化 し,ア ミロペ クチ ン分 子 が 殆 ん ど老 化 してい な い とい う上 述 の 推 論 を 裏 づ け る もの で あ ろ う。

 こ こ に新 し く老 化 の 測 定 法 と して 採 用 した ヨ ー ド電 流 滴 定 法 は 合 理 的 な 老 化 の尺 度 を 与 え る も の で あ り,且 つ そ の 原 理 か ら ア ミロー ス の分 子 の老 化 を 選 択 的 に評 価 で き る特 徴 が あ る。 従 っ て,従 来 か ら用 い られ て い る酵 素 消 化 法 やX線 回折 法 な どと 異 った 面 か ら老 化 を 評価 す る 方 法 と組 合 せ て用 い る こ とに よっ て,複 雑 な 糊 化 や 老 化 現 象 及 び老 化 で ん ぷ ん の 構 造 の 研 究 が 一 歩 進 む も の と期 待 さ れ る。

 ヨー ド電 流 滴 定 法 に よ る で んぷ ん の糊 化 度又 は老 化 度 を測 定 す る方 法 を提 案 した 。 この方 法 は試 料 を 懸 濁 液 の 状 態 で電 流 滴 定 を行 い ヨー ド結 合 量 を 測 定 し,同 時 に試 料 の溶 液状 態 に お け る ヨー ド結 合 量 を 求 め,こ の 場 合 の 結 合 量 を 糊 化 度100%と し,懸 濁 液 の場 合 の ヨー ド結 合 量 の これ に対 す る相 対 値 で表 わ す 。 試 料 の懸 濁 液 は ガ ラス 摺 合 せ の ハ ン ドホ モ ゲ ナ イ ザ ー を用 い,均 一 な懸 濁液 と して滴 定 す る。 こ の方 法 は原 理 的 に ア ミロー ス に特 異 的 で あ る こ とが特 徴 で あ る 。従 って他 の 手段 と併 用 す る こ とに よ って糊 化 や老 化 の複 雑 な し くみ を解 析 す るの に役 立 つ 。 この方 法 の応 用 と して,馬 鈴 薯 で ん ぷ ん の 老 化 を し らべ,ア ミロー ス,ア ミロペ クチ ン,で ん ぷ ん の 老 化 の 特 徴 を 指 摘 した 。

 著者 の1人(外

山)は 研究 の機会 を与え られた 日本食

品化工株式会社 の関係各位 に謝意 を表す る。

引用 文献

1) 外 山 忠 男,桧 作 進,二 国 二 郎:澱 工 誌,13, 69 (1966)

2)

E. J. Wilson,

Jr.,

T. J. Schoch,

C. S.

Hudson:

J. Am. Chem. Soc., 65, 1380 (1943)

3)

L. D. Ough:

in "Methods in Carbohydrate

Chemistry",

ed. by R. L. Whistler,

vol. 4,

91 (1964)

4)

B. L. Larson,

K. A. Gilles, R. Jenness,

Anal. Chem., 25, 802 (1953)

図7 老 化 馬 鈴 薯 で ん ぷ ん のX線 回折 図 * 保 存 の 日数,試 料 は 図6に 同 じ

参照

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