台 湾電子産業 の発 展 と21世 紀 の 中台関係
一
中
.台関係 の政治経済構造研究試論 一
奥 田.孝 ..晴
A Study
on
the
Dynamic
Interplay
of
Politics
and
Economics
between
Taiwan
and
Mainland
China:
Through
the
Perspective
of
the
Development
of
Taiwanese
Electronics
Industries
Takaharu
OKUDA
Abstract
The 'Purpose of this paper is to analyze the contemporary polito-economic relation between Taiwan and mainland China through . the perspective of deepenig economic integrartion and interplay of the two sides of the Taiwan Strait .
From the middle of the 1990's, Taiwanese electronics industries which became the leading ones for its economic development have been shifting their product bases to mainand China. The increased interplay is driving the process of economic integration in the cross-strait and as a result, each society has been more mutually influenced by the other.
Today, we can observe the trend of socio-economic convergence between Taiwan and mainland China regardless of their political conflicts. Taiwan's society is to the direction of more democratic and "national" i.e. Taiwanese-oriented , on the other,mainland China becomes more market-oriented and decentralized in line with its social openization by the economic reformation.
In the early period of the 21st century, Taiwan and mainland China may be able to establish the basis of their reunification by the prevalence of socalled information technological (IT) revolution. China's IT-oriented social transformation will be partly achieved through the infiltration of Taiwanses electronics industries there . In other words, the prosepect of the reunification depends on how rapidly developes the cross-strait's economic interdependence.
は じめに
1998年 の 台 湾 経 済 は 日本 や 他 の ア ジア 諸 国 へ の 輸 出 減 少(前 年 比 マ イ ナ ス9.4%)に 起 因 す る 設 備 投 資 の 不振 か ら成 長 率 が4.8%と 、82年 に3.6%を 記 録 して 以 来 の 低 水 準 の成 長 と な った 。 ま た99年9月 の大 震 災 は 同 国 の 実 質 経 済 成 長 率 を0.2%程 度 押 し下 げ る と も言 わ れ て い る。1)し か し この 数 年 、 他 の ア ジ ア 諸 国 の 多 くが 通 貨 金 融 危 機 の 激 震 に見 舞 わ れ 経 済 成 長 率 の大 幅 な 下 落 を 経 験 した の に比 べ て 、 台 湾 経 済 は 例 え ば97∼98年 の 平 均 失 業 率 が2.7%に 留 ま っ た こ と に 見 る よ う に、 比 較 的 堅 調 な パ フ ォー マ ソ ス を維 持 して きた 。2)香 港 返 還 後 ます ま す 中 国 か ら の統 一 攻 勢 が 予 想 され るな ど、 台 湾 を 取 り巻 く政 治 的 環 境 は 必 ず し も彼 らに と って 有 利 もの と は 言 え ない 。 ア ジ ア通 貨 金 融 危 機 の 、 少 な く と も一 つ の 原 因 に 、 当 該 政 府 の ガ バ ー ナ ビ リテ ィ ー(統 治 責 任 能 力)へ の 不信 が 内 外 投 資 家 の 不 安 心 理 を誘 い、 特 に 外 資 の 忌 避 現 象 を 促 した こ と が あ った こ と を 考 慮 す る と き、 そ う した政 治 的 ハ ソデ ィ を克 服 す る形 で 、 比 較 的 安 定 した 経 済 パ フ ォ ー マ ソ ス が 台 湾 で 堅 持 され て い る とい う事 実 は 、 そ れ 自体 興 味 あ る現 象 で あ る。 そ れ を 説 明す る有 力 な理 由 の 一 つ と して 、 厳 しい 競 争 環 境 で 鍛 え抜 か れ た100万 社 を超 え る企 業 群 の 旺 盛 な 活 動 が挙 げ られ る。 企 業 規 模 の如 何 を 問 わ ず 、 現 在 の 台 湾 企 業 は 「大 競 争 時 代 」 に 耐 え うる べ く経 営 刷 新 を 図 る中 で 、 生 産 拠 点 の海 外 シ フ トを強 め るな ど、 ま す ます グ ロー バ ル 化 の 趨 勢 に あ る。 そ して 、 そ の 主 導 的地 位 を 占 め るの は 電 子 産 業 で あ る。 近 年 の 台 湾 電 子産 業 は 国 際 競争 力 強 化 の た め に海 外 生 産 指 向 を強 め、 また 国 際 市 場 へ の い っそ うの ア ク セ ス を 図 って い る。 台 湾 の 今 後 の 経 済 発 展 の 可 能 性 は 、「電 脳 立 国 」 を 目指 す 関 連 企 業 群 に よ る グ ロ ー バ ル 。マ ー ケ テ ィ ソ グに 多 分 に 依 存 す る こ と に な るだ ろ う。 一 方、 台 湾 で は こ の十 年 来 、 豊 か な 中 間 層 の 台 頭 を背 景 と して 本 省 人 主 導 に よ る民 主 化 が 進 展 し、 元 首 民 選 を 実 現 さ せ る まで に至 って い る。 台 湾 の 統 治 組 織 は 自国 企 業 の グ ロ ー バ ル化 を 支 援 し、 そ の 国 際 競 争 力 に依 拠 す る こ とで 初 め て 国 際政 治 の 舞 台 で の 劣勢 を 埋 め 合 わ せ る経 済 外 交 を 展 開 す る こ とが 出 来 、 自身 の 統 治 正 当 性 を維 持 更新 して い く こと が 可 能 と な るの だ が 、 この 文 脈 に お い て厄 介 な 問 題 が生 じる こ と にな る。 それ は 、 台 湾 経 済 が ま す ます 海 外 との リ ソケ ー ジ を強 め る に つ れ 、 台 湾 企 業 に と って 最 も吸 引 力 の あ る投 資 対 象 地 が他 な らぬ 中 国大 陸 で あ り、 そ こ に は 台 湾 の既 存 統 治 組 織 を認 め な い別 個 の 体 制 が統 治 を して い る 、 とい う問 題 で あ る。 今 日の 台 湾 社 会 に お い て顕 在 化 して きた 、 この 「ビ ジ ネ ス の論 理 」 と 「政 治 の 論 理 」 との 乖 離 は 、 す な わ ち これ まで の 台 湾 と大 陸 と の 錯 綜 した政 治 経 済 的 関係 の 反 映 で もあ る。 周 知 の よ うに 、 この10年 の 間 に 台 湾 と改 革 開放 に 転 じた 中 国大 陸 との 問 に は 、 モ ノ ・カ ネ ・ヒ トの 移 動 を通 じて 経 済 的 交 流 が 急 速 に進 ん で きた。 表 向 きの 政 治 的 対 立 と は う ら は らに 、 中 台 両 岸 は ます ま す社 会 的 緊 密 性 を深 め 、経 済 的"一 衣 帯 水 化"は 今 後 い っそ う進 展 して い くもの と予 想 され て い る。 そ して そ こ か ら生 じる ダ イ ナ ミ ク スは 、 両 岸 社 会 の あ りよ うを も大 き く変 えて い くイ ソ パ ク トを 中 ・台 双 方 に及 ぼ す こ と に な る だ ろ う。 拙 稿 で は 両 岸 経 済 の 統 合 化 プ ロセ スを 概 観 した 上 で 、特 に電 子 産 業 の 発 展 が 牽 引 して きた 台 湾 に お け る経 済 的 構 造 調 整 と両 岸 そ れ ぞ れ の 社 会 的 変 貌 トレ ソ ドを ふ ま え、21世 紀 の 中台 関 係 を 展 望 した い。1.台 湾電子産業の発展要因 と生産拠点シフ ト動 向
台 湾 電 子 産 業 の 起 源 は1960年 代 初 頭 、 日本 電 気 、 沖 電 気 な ど 日本 電 機 メー カー 数 社 の進 出 に まで遡 る こ と で き る。 これ ら 日本 メ ー カ ー は 現 地 企 業 と の 合 弁 に よ る現 地 市 場 販 売 を 目的 と した も の が 多 く、 トラ ソ ジ ス タ、 白黒 テ レ ビ等 の 家 電 製 品 生 産 が 当 初 の主 流 で あ った 。 一 方 、 幾 つ か の 米 系 企 業 が 米 本 土 へ の 逆 輸 入 を 目的 に100%子 会 社 を 相 次 い で設 立 した影 響 も あ って 、 台 湾 で は 電 気 機 器 の 輸 出産 業 化 が急 速 に進 展 し、1969年 に は テ レ ビ市 場 で 輸 出 台数 が 国 内生 産 向 け を 上 回 る な ど、 輸 出 指 向 が 鮮 明 とな った。 外 資 主導 下 で進 ん だ 電 気 産 業 の 裾野 は70年 代 に 入 って地 元 メー カ ー へ と拡 が り、電 気 機 器 の 生 産 主 体 もま た 大 同 公 司(Tatung)な ど の国 内大 手 メー カ ー に移 っ て い った 。 カ ラ ーTV、 ラ ジ カ セ な ど、 後 年 パ ソ コ ソ部 品 生 産 の底 辺 技 術 要 素 を備 え た 製 品 が輸 出 の 中 心 に躍 り出 るの も この 頃 で あ る。 特 に中 期 頃 よ り海 外 需 要 が急 伸 した電 卓 、 電 子 ク ロ ック、 TVゲ ー ム生 産 は 、 小 資 本 に よ る参 入 容 易 性 も手 伝 っ て 、 台 湾 中 小 企 業 の 参 入 を 誘 発 し、 情 報 機 器 生 産 の基 礎 的 技 術 獲 得 の機 会 を幅 広 く台 湾 製 造 業 に提 供 す る こ とに な っ た。 台 湾 電 子 産 業 の 基 礎 は こ の頃 に 確 立 した。 1980年 に 米 国 の 巨人BMが 本 格 的 に パ ソ コ ソ事 業 に 参 入 し、 部 品 の外 注 主 義 と オ ー プ ソ ・アー キ テ ク チ ュ ア ー 路 線 を採 用 して 、 大 部 分 の ソ フ トウ エ ア ー 情 報 とハ ー ドウ エ ア規 格 を 公 開 した こ と もあ って 、 台 湾 の 電 子 産 業 は 大 き な 飛躍 期 を迎 え る こ と と な っ た。 そ の 賦 存 技 能 労 働 力 の豊 富 さ と廉 価 性 も手 伝 って 、 台湾 に はBM製 品 と の 互 換 性 を もつ パ ソ コ ソ機 器 の 委 託 生 産(Original Equip卑entManufacturing=OEM)が 海 外 か ら舞iい込 ん だ 。 メー カー 間 競 争 に よ っ て促 進 され た パ ソ コ ソ の低 価格 化 と機 能 向上 に よ る汎 用 コ ソ ピ ュ ー タ代 替 化 の 流 れ は 、 台 湾 電 子 産 業 が 発 展 す る うえ で の 重 要 な 外 部 要 因 で あ った 。80年 に は 台 湾 に政 府 主 導 に よ る ス ピ ソオ フ支 援 企 業 で初 の半 導 体 製 造 会 社 で あ る聨 華 電 子 公 司(UMC)が 創 設 され 、 また 台 湾 の ハ イ テ ク立 国 化 を 象 徴 す る新 竹 科 学 工 業 園 区 も 同年 に誕 生 した 。 ま た 半 導 体 受 託 加 工 生産 に特 化 .した台 湾積体 電路 公司 (TSMC・1987年 創 立)が 世 界 初 の フ ァ ソ ド リー ・サ ー ビ ス 会 社 と して 登場 した こ と は 、 台 湾 の 半 導 体 生 産 構 造 を大 い に ユ ニー クな もの と した 。 中 小 企 業 が 多 くを 占 め る台 湾 に あ っ て、 フ ァ ソ ド リー ・サ ー ビ ス企 業 は 膨 大 な設 備 投 資 負 担 か ら彼 らを 解 放 す る と と もに 、 生 産 工 場 施 設 を持 た ず 半 導 体 チ ッ プの 設 計 ・デ ザ イ ソ に特 化 し うる 、 い わ ゆ る フ ァブ レス メー カー を広 汎 に台 頭 せ しめ る産 業 的基 盤 を提 供 した ので あ った 。OEM 生 産 に集 中 した こと も手伝 って 地 場 企 業 の 電 子 電 機 製 品 輸 出 は好 調 に伸 び 、84年 に は 大 同 公 司 が初 め て 同産 業製 品輸 出 首 位 の座 を 外 資 系 企 業(RCA)よ り奪 取 、 ま た 情 報 機 器 のOEM輸 出 は87年 を境 に 外 資 系 企 業 の そ れ を 上 回 る に 至 った 。(図1参 照)こ う した趨 勢 下 で 情 報 機 器 輸 出 メー カ ー は85 年 の1500社 か ら88年 に は4300社 と な っ た。 さ らに 、87年 に は 電 子 電 機 産 業 生 産 額 が全 製 造 業 生 産 額 の1割 を超 え、 そ れ まで の主 力 製 造 業 で あ った 食 料 品 、 紡 織 品 を上 回 り 首 位 の座 を 占 め るに 至 る。 この 間 、 自社 ブ ラ ソ ド生産 も始 ま り、 そ の最 大 手 メ ー カ ー ・ エ イ サ ー社(宏 碁 電 脳 、1976年 設 立)は88 年 に株 式 を 上 場 す る。 ち なみ に 、 この 年 の
台 湾 の パ ソ コ シ 出荷 台 数 は218万 台 と、 世 界 の 約1割 を 占 め る ま で に な った 。3)産 業 構 造 高 度 化 に伴 う電 子 産 業 比 較 優 位 化 は今 後 も進 む もの と予 想 され 、 経 済 部 工 業 局 の 見 通 しに よれ ば 、 製 造 業 生 産 額 に 占 め る技 術 集 約 型 産 業 比 率 は1990年 の31%か ら2000年 に は40%に 達 す る と され て い る。 (表1参 照)ま た表2に 見 る ご と く、90年 代 に入 って 新 規 上 場 企 業 中 に は 電 子 産 業 企 業 も増 加 し て い る。 台 湾 の"ハ イ テ ク ア イ ラ ソ ド"へ の 変 貌 は 極 め て急 ピ ッチ に進 み つ つ あ る こ と が うか が わ れ る。 構 造 調 整 が比 較 的 順 調 に進 ん だ 要 因 の 一 つ に は 、 発 達 した 中 小 企 業 生 産 の 競 合 的 共 存 環 境 が挙 げ られ る。 お お よそ14.8万 社 あ る台 湾 中 小 製 造 業 企 業(1997年 値4))は 、 厳 しい競 争 を 繰 り拡 げ つ つ も しば しば互 い に提 携 し、相 互 外 注 方 式 を採 用 す る こ とで コス ト削 減 や 柔 軟 な経 営 戦 略 を維 持 し、 時 々 の経 済 状 況 に対 応 して 有 機 的 な生 産 体 制 を維 持 す る こ と に俊 敏 性 を 発 揮 して きた 。 『ジ ャ パ ソ ・ア ズ ・ナ ソ バ ー ワ ソ』 の 著 者 と して有 名 なEzra.F.Vogel教 授 は 、 中 小 製 造 業 企 業 を取 り巻 く台 湾 の競 争 的 共 存 環 境 が もた ら した メ リ ッ トに つ い て 、 以 下 の よ うに 要 約 して い る。 「…海 外 か らの注 文 に応 じる た め に 、 多 くの小 企 業 所 有 者 は しば しば連 合 して 、充 分 な数 の 製 品 を製 造 す る こ とが で きた 。 そ の よ うな連 合 の や り方 に は個 別 企 業 の リス クを減 少 させ 、 …(中 略) … 単 一 の大 きな顧 客 に依 存 せ ず と もす む と い う利 点 が あ る。 …(中 略)… 彼 らは 大 量 の資 本 投 下 を必 要 とせ ず に 、 ま た 不 景 気 の 時 に も大 き な損 失 を せ ず に 事 業 を拡 大 した り、 契 約 を す る こ と が で き る とい う柔 軟 性 を も っ た。」5) 短 期 間 で の製 品 リニ ュ ー ア ル を特 徴 とす る電 子 産 業 のOEM生 産(最 近 で は 一 歩 進 ん でODM= OriginalDesignManufacturingも 登 場)に と っ て 、 旺 盛 な 企 業 家 精 神 の 所 在 と生産 構 造 上 の フ レキ シ ビ リテ ィー こそ は 、 海 外 メ ー カ ー か らの受 注 を勝 ち 取 る うえ で ます ま す そ の 重 み を増 しつ つ あ る。 一 方 、台湾 の場 合い ま一 つ特 筆す べ きは、経営資 源 の移転 とハイテ ク技術革新 に果 た した政府 の役 割 で あ ろ う。 台 湾 で は輸 出 指 向工 業 化 を達 成 す る た め に 伝 統 的 に財 政 政 策 的 支 援 に重 点 を お い た産 業政 策 が一 貫 して 続 け られ て き た 。G.Ranis教 授 は 台 湾 経 済 の特 徴 の 一 つ と して 、 政 府 表1.台満葭造業生産類に占める技臘}比 薄重(%》
欝
製
飆
表2,台耋覦 上場企業致の弼(1986∼96年} 年 1991 1992 1993 1994 1995 ig96 1997 1998* 1999* 2000* 31.2 32,2 33.6 34,1 35.7 37.7 38.2 38.8 39.4 40.0 年 繕致 織 電催 黷 年 繕 数 繍 詮鐓 1983 6 1(0) 1990 18 4(2) 1984 4 0(0) 1991 22 7(5) 1985 4 2(0} '1992 35 4(2) 1986 3 0(O) 1993 29 6ω 1987 11 1(1} 1994 28 7(3) 1988 22 7(2} 1995 34 11(4} 1989 18 2(0} 1996 25 11(7) 照)醜 騰{1メ 十 数 *オ(楼祐分「台醜 于立国への40年Fjより(出所}前表資料飛o.562 注:*雌済缸絹 翔 (蹶)葭表難Nα580が 国 内 お よ び海 外 市 場 の機 能 を重 視 しつ つ 採 った プ ラ グマ テ ィ ッ クな 政 策 を 挙 げ 、 経 済 発 展 に果 た した経 済 計 画 が市 場 機 能 と整 合 性 を保 ち つ つ民 間 企 業 群 に イ ソ セ ソ テ ィブ を 与 え続 け た こ と を 評 価 して い る。6)こ の 、 い わ ゆ る 「政 府 の市 場 に 友好 的 な 介 入 論 」 と 同様 の 評 価 は 世 界 銀 行 の 報 告 書 『東 ア ジ ア の奇 跡 』 に 中 で も紹 介 さ れ て い るが 、 世 銀 は さ ら に資 本 蓄 積 、資 源 の 有 効 配 分 、 技 術 的 キ ャ ッ チ ア ップ を 市 場 指 向 か ら政 府 主 導 に わ た る政 策 の 組 み 合 わ せ で 達 成 され た と し、 よ り詳 細 に選 択 的 介 入 に よ る政 策 内 容 を 吟 味 した 「機 能 的 ア プ ロー チ」 の 意 義 を 強 調 して い る。7) い ず れ にせ よ、 台 湾 は 民 間 企 業 の輸 出振 興 を 重 点 的 に 指 向 し、 比 較 優 位 を 不 断 に革 新 す べ く製 造 業 種 の高 度 化 を 図 る こ とを 主 眼 と して 、 そ の 選 択 的 介 入 を 展 開 して き た の で あ っ た。 特 に収 穫 逓 増 産 業 で あ る ハ イ テ ク産 業 の ケ ー ス に お い て は 、 人 的 資 本 蓄 積 の度 合 い とそ れ が持 つ ネ ッ トワー ク外 部 効 果 が生 産 性 上 昇 に 重 要 な影 響 を 及 ぼ し、 そ の貿 易 も ま た 「規 模 の経 済 性 あ るい は 技 術 競 争 上 の 優 位 性 を反 映 した 一 時 的 な 利 益 を 強 く反 映 す る もの 」(Krugman8))と の特 性 を強 く持 つ よ うに な って い る。 した が って 今 日で は 、 民 間 投 資 の 調 整 を促 進 し得 る政 府 の産 業 育 成 政 策 の優 劣 は 、 そ れ 自体 が 一 国 の 競 争 優 位 を も規 定 す る 要 因 と もな り うる の で あ る。9)有 名 な新 竹 科 学 工 業 園 区 は80年 の成 立 以 来 、 台 湾 の ハ イ テ ク ・ア イ ラ ソ ド化 を 象 徴 す る施 設 と して政 府 主 導 下 で 急 速 な 発 展 を遂 げ て きた 。 同 園 区 は98年6月 現 在 で259社(う ち 、211社 が 台 湾 企 業)、7万 余 人 が 勤 務 す る ハ イ テ クセ ソ ター あ り、 営 業 額 は97単 年 度 で約4000億 台 湾 元 に達 した 。(表3参 照)98 年 現 在 の 業 種 別 で は 集 積 回路 生 産 企 業 が約 半 数 、 以 下 コ ソ ピ ュー タ とそ の 周 辺 機 器 、 情 報 通 信 装 置 、 光 フ ァイ バ ー な ど が続 く。 ま た 園 区 内 で 操 業 す る企 業 群 の 生 産 品 目 に つ い て は 、 同 年 生 産 上 位10品 目に見 る よ うに製 造 品 の 高 規 格 化 ・高 付 加 価 値 化 が うか が わ れ る。10)(表4参 照)科 学 工 業 園 区 で は台 湾 工 業 技 術 研 究 院(ITRI)を 中 心 に 民 間 企 業 へ の 技 術 移 転 を推 進 す る と と もに 、 研 究 者 の ス ピ ソオ フ を支 援 して お り、 起 業 家 精 神 の覚 醒 が 促 され る。 今 日で は ネ ッ トワー ク機 器 開 発 で 有 名 な ア ク トソ(智 邦 科 技 公 司)な ど の 有 力 企 業 が 輩 出 して い る 。11)さ らに 、 同 園 区 は ま た 「台 北 か ら新 竹 一 帯 に形 成 され た よ く組 織 化 され た 分 業 体 制 」12)を 備 えた ハ イ テ ク産 業 ク ラ ス タ ー の一 部 を構 成 して お り、 これ が 研 究 者 の ス ピソ オ フに よ る起 業 を再 生産 させ る有 力 な 基 盤 と な って い る。 この 産 業 ク ラ ス タ ー 内 で に働 くラ イ バ ル 間 の 競 争 環 境 は分 業 を通 した 技 術 移 転 を 活 性 化 す る と と も に、 各 企 業 た製 品 の コ ス トダ ウ ソ を 強 い 、 い っ そ う の経 営 合理 化 を迫 る圧 力 を 強 化 す る。 ひ いて はそ れ が台 湾 電 子 産 業 の比 較 優 位 化 、 国際 競 争 力 強 化 を促 す 大 き な要 因 と も な っ て い る。M.Porter教 授 が分 析 した よ うに 、 「有 能 な国 内 ライ バ ル は 競 争 優 位 の 一源 泉 とな り う る」 の で あ る。13) 表3.新槲 学工飄 区の発展趨勢(1983年∼1998年6児) (出所)新満科学]暉襄扇区管理慮r醐&Guidebook'97よ り幟 表4.1998年舗 科学工蹴 品B(電 。台翫 黙 マイナス) 年 企 業 数琳鎹類倦 台嗣 驟 釈λ億・鴿 元)懲 員爼 人) 製 品 名 生 産 額 辭増妣 娯ρ 売 上 蟇 鳶勵 比㈱ 1983 37 20 30 3,583 1 ウ:ロ、一〇闘 65,940,260 3.83 65,687,283 7.07 85 50 41 105 6,670 2 DRAM 48,711,80 ■L51 47,628,198 1.08 87' 78' 106 275 12,201 3 その齷 子編 32,267,128 12.26 31,333,883 20.51 89 107 282 560 19,071 4 ノート型パソコン31,429,079 23,37 28,967,504 23.98 91 137 551 777 23,297 5 鰤IC 24,183,345 12.60 22,477,123 7.67 93 150 669 L290 28,416 6 PCボ ード 19,306,299 59.11 19,287,170 58.25 95 180 1,477 2,992 42,257 7 粭 式スキャナー 18,80α029 ■20,96 18,977,450 5.45 96 203 2,584 3,182 54,806 8 デス外 ヲブPC18,087,60 奮30.21 18,419,523 ■26.51 97 245 3,756 4,002 68,410 9 デジタ廟 絋 用ICll,237,830 16.85 10,830,838 7.95 9趾翔 259 4,211 2,123 70,930 10 集 纏 器 10,758,623 40.24 10,10&049 29.26 臨F、㎜ 夢T蜘r餬 冨占r臨 綴 Ω」【.滝 貌 し ・ 齢 (出房)r交涜』No,594
と こ ろで 、 国 際 競 争 力 を 強化 拡 大 す る唯 一 の手 段 が 国 内産 業 構 造 の さ ら な る 高 度 化 と、 そ の 帰 結 と して の 海 外 生 産 拠 点 シ フ トに あ る こ とは 言 うま で もな い。1952年 か ら98年 ま で の 間 に 、 台 湾 か らの 対 外 直接 投 資 は お よそ186.1億 ドル(中 国 大 陸 除 く)に 達 す る。 うち北 米 ・中 南 米 地 域 に は114.6億 ドル 、 ア ジ ア地 域 へ は61.3億 ドル が 展 開 した 。14)特 に90年 代 に入 って ア ジ ア地 域 へ の 投 資 は 急増(特 に94∼98年 の近5年 間 総 計 で は37.5億 ドル と 、 対 ア ジア 投 資 累 計 の6割 強 を 占 め る)し て お り、 この 時 期 、 台湾 資 本 が先 進 諸 国 市 場 選 好 の一 方 で 廉 価 な 工 業 用 地 、 労 働 力 等 を 求 め て 生 産 拠 点 シ フ トを 推 進 して きた こ と を うか が わ せ る。 台 湾 電 子 産 業 も ま た 、 そ の 例 外 で は な い 。97年 の 台湾 企 業 に よ る情 報 通 信 関 連 機 器 生 産 額 は 国 内 ・海 外 分 を 含 め て302億 ドル と米 国 、 日本 に 次 い で 世 界 第3位 とな った が 、 同 年 の 国 内 生 産 比 率100%機 器 は ノ ー ト型PC、 卓 上 ス キ ャ ナ、 小 型 ス キ ャ ナ に 限 られ て お り、 しか も総 体 と して 前 年 よ り国 内生 産 比 率 が漸 減 す る傾 向 が 見 て 取 れ る。(表5参 照)こ れ は 、 国 際 競 争 力 維 持 の た め に 台 湾 電 子 産 業 が 低 規 格 部 品 や 低 付 加 価 値 製 品 の海 外 生 産 指 向 を強 め て い る こ と を 物 語 る。 企 業 は今 後 も海 外 生 産 拠 点 の拡 散 を よ り熱 心 に 追 求 して い くで あ ろ う。 そ して 皮 肉 な こ と に 、 そ の 最 大 タ ー ゲ ッ トこそ が 台 湾 に と って 最 も "ナ イ ー ブ"な 相手、 中 国 大 陸 な の で あ る。 表義台湾の電子情魏黼 ・国内生飆 〔1996年→97年)(生 産燹:蹙US$,生産量:干ユニ,},国内臘 率およ勘 率:%} 1996年 1997年 品 目 蠍 羅搬 ㈹ 国内生鶴(B) 翻 生齶{C) 国騰(B/帥
蠻
纖 Φ)闘 蝿{E}麟 璧 量{F}国麟(豆/D》 97/96馳 率 モニター※ 79 34,843 17,536 17,307 50.3 79 40,727 18,572 22,155 45.6 16。9 ノート型PC 53 3,781 3,781 o 1GO.0 68 4,610 4,610 0 100.0 21.9 デス外 ガPC 34 5,870 一 一 一 54 8,654 796 7,858 9.2 47.1 マザー兼 ド※ 31 31,320 18,823 12,497 60,1 38 43,554 26,297 !7,257 60.4 39.0 バワ轡 方 イ 11 38,5io 6,470 32,040 16.8 13 50,370 6,750 43,620 13.4 30.8 卓上スキャナー※ 7 2,510 2,510 o .100.O 9 8,593 8,593 o 100.0 242.0 グラフィッ効 一礫 6 1!,500 6,900 4,600 60.0 5 14,519 10,100 4,509 69.6 26.3 CD-RO螂 ライブ 5 6,600 4,500 2,100 68,2 11 17,575 9,i32 8,443 52.0 166.3 キーポー畷 4 42,338 2,964 39,374 7.o 5 50,750 韮,451 49,299 2.9 19.9 サウンドか 隈 2 9,500 8,360 1,14G 88.0 2 11,762 3,862 7,900 32.8 23.8 マウス勘 2 45,093 14,430 30,663 32.0 2 50,560 10,587 39,973 20.9 12.1 幟 キャナ譲 1 1,240 L240 0 100,0 1 849 849 0 100.0 醐.5 ビデ勃 一隈 1 1,027 698 329 68.0 1 1,426 韮,186 240 83。2 38.5 ケー議 9 40,960 14,336 26,624 35.0 H 53,790 15,965 37,826 29.7 31.3纏
5(訐205} 3(計3021 注:簿は97年の生産鶉量が量界1位の品目、■黝 茸年比マイナスを示よ● (跚 驪 聴 蹼 襟 飴TheResesn耄StatロsandTheFutureDe▽elomeRtofElectricalandEle¢tronicsl曲striesin Ta亘wan(1998,Taiei)お よび交流絵r鱒 の電子産剰(1998年)よ り作読2.両
岸経済 関係深化の構造
台 湾 で は1987年 に 「大 陸 探 親 」 が 打 ち 出 され 大 陸 との 人 的 交 流 が"解 禁"さ れ て 以 来 、 企 業 の 対 大 陸(間 接)投 資 が進 ん だ。 この 資 本 シ フ トは90年 代 に入 って 太 い流 れ と な っ て い った 。93年 に は 「対 大 陸 地 区 投 資 與 技 術 合 作 弁 法 」15)が 公 布 され 「投 資 に厳 し く貿 易 に 寛 大 」 の 方 針 が 打 ち 出 され た もの の 、 表6に 見 る よ うに、 大 陸 へ の投 資 は97年 ま で は 一 貫 して 増 加 を続 け て きた 。 そ の結 果 、 経 済 部 投 資 審 議 会0認 可 発 表 額 分 だ けで も98年 末 時 点 で の対 大 陸 投 資 累 計 額 は お よそ 132億 ドル 、 件 数 に して21,600件 以 上 に 達 して:おり、 計 算 上 で は全 海 外 投 資 中 の概 ね4割 強 が 大 陸 へ 向 か っ た こ と に な る。(な お 、 台 湾 で は法 制 上100万 ドル 未 満 の 小 規 模 大 陸 投 資 の 補 足 が 極 め て 困難 な こ と も あ っ て 、 この 数 字 は 極 め て控 え 目で あ る。 事 実 、 同 表 に掲 げ た 中 国側 発 表 の 実 行表6.台瀬 本の大鰤 移(1990∼98年}(USlOO万$、 カ,コ内瞳 可側 年
鰤鰤
台湾卿 隈翻 獵 対大陸瀰 合 中甌飴簸駄傾驪
油
帽 へ循接獺 に劼 る α9 蠍 く・B) (〃A+B・鐙 発麺 衡 董ベース・C) 飜(新 ベース・D)台嬲(Cル 紛 1990 一 L552.2(315) 一 222.4 3,487 6.4 199重 174,2(237) 1,656.0{364) 9,5 472.4 4,366 10.8 1992 2740(264》 887.3(300} 23.6 1,053,4 ll,007 9.6 1993 3,168.4(9,329) 1,660.9(326} 65.6 3,139.1 27,515 u.4 1994 962。2(934} 1,616.8(324) 37.3 3,39L3 33,767 1α0 1995 1,092.7(490} 1,356.9(339) 44.6 3,165.2 37,521 8.4 1996 L229.2(383) 2,165.4(470) 36.2 3,482.0 41,726 8.3 1997 4,334.3(8,725) 2,893,8(759) 60.0 3,342.3 45,257 7.4 1998 2.034.6(L284》 3,296.3(897) 38.2 一 一 一 注:台黼 繖 欝議委員会認可魏,このうち、1993年の㈱ 同年3月公布『在飆 ・黼 で同法糖行以薜に謬可を得ナ大控に黜 した企業の追爐 可 申諺を義務甘けたた軌 また、驪97年 にも再度出されている。 (田所7台湾軽済超経祷建設委員会Ta三waoStatisticalDataboo鬟 および欄 計局『中目麾轎欄 各年飯よりf鴇ヒ ベ ー ス に よ る 台資 導 入 実 績 とは 大 き な乖 離 が 生 じて い る。 あ る民 間 調 査 機 関 の独 自調 査 に よ れ ば 、 98年8月 末 時 点 で の 台資 の 対 中 投 資 額 は契 約 ベ ー スで 約460億 ドル、 件 数 に して46,000件 に の ぼ っ て い る。16)近 年 で は 台 資 進 出 動 向 と大 陸 経 済 と の 連 動 性 が ま す ま す 強 ま る傾 向 に あ る。 一 例 と して 、98年 の 対 大 陸 投 資 認 可 額 が20.4億 ドル と前 年 の 半 分 以 下 に 留 ま っ た事 実 が 挙 げ られ よ う。 そ れ は 台 湾 内 で の企 業 財 務 危 機 、 信 用 収 縮 の 動 き と と も に、 中 国経 済 の ス ロー ダ ウ ソ に負 う と こ ろ が大 きか っ た の で あ る。 両 岸 経 済 関 係 深 化 の 背 景 を成 す もの が 、 台 湾 企 業 の グ ロー バ リゼ ー シ ョ ソ と共 に、 中 国 大 陸 に お け る対 外 開 放 政 策 の進 展 で あ る こ と は論 を 待 た な い。 台 湾 資 本 の対 大 陸 投 資 は これ ま での 広 東 ・ 福 建 両 省 を 中 心 に行 な わ れ て き た が17)、 中 国 側 の 外 資 誘 導 措 置 が 従 来 の 華 南 重 点 型 か ら全 面 展 開 型 へ と移 行 した こ と も手 伝 っ て 、 近 年 で は 沿 海 部 を 北 上 、 拡 散 の傾 向 に あ る。 特 に市 場 規 模 と 技 能 労 働 力 ア ク セ ス に優 れ 、 高 度 技 術 移 転 を 目指 した 産 業 誘 致 政 策 下 で 大 規 模 な イ ソ フ ラ整 備 が 進 む 長 江 デ ル タ地 域 へ の 投 資 が90年 代 半 ば か らは華 南 地 域 と ほ ぼ拮 抗 す る よ うに な っ た。(表7 参 照)ま た 、 台 資 の大 陸進 出 は これ まで は 主 に廉 価 な 単 純 労 働 力 を 求 め る 中小 労 働 集 約 的 製 造 業 企 業 に よ って 主 導 され て きた と され て き た が 、 近 年 で は こ の傾 向 に も変 化 が生 じて い る。 大 陸 投 資 の 進 展 と並 行 して 、 た と えば 台 湾 国 内 の 実 質 賃 金 上 昇 率 に対 す る労 働 生 産 性 上 昇 率 比 は94年 を 境 に1.0を 超 え 、 後 者 の 上 昇 が 次 第 に 鮮 明 と な って き た 。(表8参 照)こ れ は 、 そ れ ま で の 国 内 賃 金 上 昇 を 有 力 な フ ァ ク ター と した 労 働 集 約 的 製 造 業 企 業 の後 発 諸 国 へ の 生 産 拠 点 シ フ トが 一 段 落 した こ と を間 接 的 な が ら反 映 す る も の と考 え られ 、 大 陸 へ の投 資 内容 も また 、 次 第 に資 本 集 約 ・ 技 術 集 約 産 業 主 導 へ と転 換 しつ つ あ る こ と を 推 測 させ る。 事 実 、 そ れ を 裏 づ け る よ うに投 資 業 種 別 で は 「食 品 ・飲 料 」 や 「紡 織 」 等 に代 わ って 「電 子 電 器 」 が94年 以 来 首 位 を 占 め る に至 って い る し、18)投 資 形 態 に お い て も中 小 企 業 の 単 独 投 資 に代 わ っ て、 最 近 で は 幾 つ か の 企 業 集 団 に よ る投 資 案 件 の 大 型 化 傾 向 も指 摘 され て い る。19)衰7.台黻 塞つく台資の攤(1991∼98年 上半鋤 〔US莇$) 1991 19921993 1994199519961997 1998上 鴇 鞘 履 底 東 省8 橿 建 書躰 73.3 55.9 112、01047.8 29.6473,8 230.9222.7282,81720,9 .、 96,6121.7i10,9472,2 459.0 し 1侃8 缸 デルタ 江鎚 辮 湯江省 24.4 0.2 34.4833.3 .16.8124.8 391.8394.8542,01247.3 62,857.432.8195,3 441.4 41.6 濠臚 趣:魑紳 7.5 22,3194.3 56.883.2132.9233.6 46.9 東 北 塘 区 0.5 15.868、3 1L543,526,262.8 N.ん 中 国 全 体 174.2 274.03168.4 962.21092.71229。24334.3 1205.6 注:台黼 委員会謬噸に基づく。*鼠 深珊等含む拳*厦鳳 餐欝 籠***上 海等含重島‡***北京、天蕁等含む』 断)『 交流IN⑪,574&層o.583 表8,台醐 内襲造業の実質賃金上昇率と労鋤生産性上昇率の比較(1985∼97年) 年 19851986 1987 198819891990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 労驪 縢(A・ 黝 実顫鉦 躰(B・%) 2.277,35 4.479、43 6,70 9,29 5,259.127.53 9.509.989.17 9.58 7,35 3.80 5.76 3.24 4.41 3.72 2.49 6,81 1.90 5,16 1.01 6.31 3.57 鰹 ・頬賃鏃 靴 〔母B) 0,510.78 0.72 0.550.910,82 1.30 0,66 0,73 1,49 3.58 5,11 1,77 *倒魍 庭鰍 与i麟欄 r樺贓 計月轍 資穂 (跚 舗 蹶r台湾踟 獺 よ囎 詫 こ う した 投 資 動 向 の変 化 が 台 湾 本 島 と大 陸 と の 水平 的 分 業 を促 進 し、 産 業 内 貿 易 拡 大 の 素地 と な って い る。 表9は98年 の 両 岸 貿 易 輸 出 入 上 位 品 目を 比 較 した もの で あ る が 、 両 岸 貿 易 が 水 平 的 分 業 体 制 の 形 成 に 対 応 した 、 産 業 内貿 易 の 性 格 を強 く持 って い る こ と を うか が わ せ る。 特 に 、 近 年 で は 電 子 産 業 に お け る付 加 価 値 差 に基 づ く差 別 化 品 目貿 易 が 注 目 きれ る。 両 岸 貿 易 総 額 は91年 の75.3億 ドル か ら、98年 に は225.1億 ドル と ほ ぼ3倍 に増 大 した。 ア ジ ア経 済 危 機 の 影 響 に よ っ て 輸 出 が 減 少 した98年 の貿 易 収 支 の うち 、 両 岸 貿 易 に よ る台 湾 側 の 出 超 は142.9億 ドル に達 して お り、 この 数 字 は 同 年 の 台 湾 当 局 が発 表 した 貿 易収 支 黒 字 額59.4億 ドル を大 幅 に上 回 る。 この数 値 に は 両 岸 貿 易 黒 字 分 こそ計 上 され て い な い もの の 、 香 港 との 貿 易 分 が 含 ま れ て お り、 さ らに 中 台 間 接 貿 易 の 多 くが 香 港 経 由 に よ っ て行 な わ れ て い る こ と を 勘 案 す れ ば 、 も し両 岸 貿 易 が無 け れ ば 、 台 湾 は この 数 年 貿 易 赤 字 に転 落 して い た 可 能 性 が 高 い。(表10参 照)冒 頭 に も触 れ た よ うに、 台 湾 の98年 経 済 成 長 率 の 低 下 が主 と して輸 出 の 減 少 とそ れ に 伴 う民 間 投 資 の 不調 に 起 因 して い た こ と を考 慮 す る と き、 と りわ け 台 湾 に と って 両 岸 貿 易 の 重 要 性 は 、 い っそ う際 立 った もの と な る で あ ろ う。 表9,1998年の再岸貿易額上位品圓比輳 台湾 → 帽 艪 → 合湾 品 目 陰出額(US莇$} 辭購泌}㈱ 品 目 險蹈額(US酊}$) 諍囎 紛 伊の 1自動データ麟 及師嬲 551,0 7,9 スタティ,クコンバーダ 197.7 7,3 2ポリ靴 ビニル黝 鰤雛 444.4 ■23.1 歴 青 炭 176.8 匿10,9 3鬆 醗灘働 醐み立て編 384.7 13.3 砌蠍 ・鉛 鐐の韈品 163.1 13,4 4ハ イブリヲド鰤 鵬 360,1 127,8 餔データ臙 及翻 温 152,8 18.6 5ア クリロニトリル、ブタジエ廰 349,3 3.0 瀦機織 騫翻繍 124,2 188,6 61田S麺 合体 329,1 64,0 亜 鉛 塊 100。5 ■9,7 7巍 モノンリック 295.1 491.7 馴鵬 腸 64,5 ■7.7 8飆 270,5 ■25。1 鉄・非齣 縷品 63.2 籖8。1 9その櫨瀛 262.3 71.8 鍛電非詮 黝 機 品(驪 有量0.25%肚) 62.4 釀20,1 10そ 碗 ブラスチヲク黜 260.3 ■16.4 変騰 容量IKV測 ヌタティックコが 一ター 59,6 ■5.1 以下、ナイロン鎌紘 変圧器,カラーTV陰極鑠管など 以下、インダクター、ダイオード、船 鐓 など 注:寵 マイナス。(露所)『交流』No,594
表10.再岸貿易と台湾の貿易釈支黒字の搖移(199董∼98年}(US百 万$) 醐 揚顱 鯖の掴へ囎噸 中勘 ら台浄の 鴿頒韻易黝i 舗頒易殿 年 仏=H+C) 雛(*B) 稔顱(C) ① ・B-C> 黒瓢(**E} 1991 7,525.8 6,928.3 597,5 6,330,8 13,3i7。8 1992 10,443,9 9,396.8 747.1 8,949,7 9,463,5 1993 13,743.3 12,727,8 1,015.5 11,712.3 8,030.3 1994 16,511.7 14,653,0 1,858.7 12,794.3 7,699.6 1995 20,989,6 17,898.2 3,091,3 14,806.8 8,108.8 1996 22,208.1 19,148.3 3,059,8 16,088.5 13,572.0 1997 24,433。3 20,518,0 3,915.3 16,602.7 7,656.0 1998 22,510.9 18,400.4 4,110.5 14,289.9 5,938.0 注:台湾驪 計、香港海関統計に拠る。*B=台湾・飜 統計の差の80%+香捲経宙の大陸翰齲+台濤の大鑞 出翻*零Eは香港との貿易分を含む』 (出那)表6掲蓑資料および前表資鞘煎o.549+594よ り餓 3.台 湾 電 子 産 業 の 大 陸 進 出 一 生 産 構 造 の 変 動 と 顕 在 化 す る 〃 矛 盾 〃 と こ ろ で 台 湾 電 子 産 業 に限 っ た場 合 、 そ の 対 大 陸 投 資 動 向 は どの よ うな変 貌 を 遂 げ て い る の で あ ろ うか 。 交 流 協 会 刊 『大 陸 へ の投 資 拡 大 に よ る両 岸 経 済 関 係 へ の 影 響 』(1998年3月)で は 、9 1∼95年 の 主 要 製 造 業 種 ご と のGDP平 均 成 長 率 と 国 内 総 固定 資 本 形 成 に対 す る大 陸 投 資 の 割 合 、 お よび96年 末 累 計 で の 対 大 陸 投 資 額 の 対 世 界 投 資 額 割 合 分 析 か ら、 台 湾 製 造 業 の パ フ ォー マ ソ ス を以 下4つ の グル ー プ に類 型 化 して い る。20)(表11参 照) (1)Aグ ル ー プ…GDP成 長 率 が マ イ ナ ス に も か か わ らず 、 大 陸 投 資/総 固定 資 本 形 成 割 合 お よ び大 陸 投 資/世 界 投 資 割 合 が 比 較 的 高 い 業 種 。 これ は 国 内 設 備 投 資 が 進 ま な い一 方 で 、 大 陸 へ の生 産 拠 点 シ フ トが進 ん でお り、 い わ ゆ る 「空 洞 化 」 が進 む 衰 退 産 業 で あ る。 「プ ラ ス チ ッ ク製 品 」、 「皮 革 製 品」、 「木 竹加 工 業 」 な ど は そ う した例 で あ ろ う。 また 「精 密 機 械 」 に つ い て は 、 大 陸 投 資 が急 激 に進 ん だ結 果 、 国 内投 資 不 足 が 顕 著 と な り、 成 長 もマ イ ナ ス と な って い る。 両 岸 で の 有 効 な分 業 体 制 構 築 が 短 期 間 で 放 棄 さ れ た 「夜 逃 げ型 」 の様 相 を見 せ て い る。 (2)Bグ ル ー プ …GDP成 長 率 が マ イ ナ スで 、 か つ 大 陸 投 資/総 固 定 資 本 形 成 割 合 お よ び 大 陸 投 資/世 界 投 資 割 合 が比 較 的 低 い業 種 。 国 内 設 備 投 資 は 引 き続 き行 な わ れ て は い るが 、 製 品 の 高 付 加 価 値 化 は 困 難 で、 今 後 に 多 くを 期 待 で き な い 。 ま た早 くか ら大 陸 へ の 生 産 拠 点 シ フ ト が進 む一 方 で 、他 の地 域 へ の展 開 も図 られ て き た産 業 と して 、 「製 紙 お よ び 印刷 」、 厂紡 織 業 」 な ど が挙 げ られ る。 (3)Cグ ル ー プ …GDP成 長 率 が プ ラ ス も し くは 製 造 業 平 均(4.82%〉 以 上 。 大 陸 投 資/総 固定 資 本 形 成 割 合 は低 い もの の 、 大 陸 投 資/世 界 投 資 割 合 が 比 較 的 高 い 業 種 。 国 内設 備投 資 が進 む 一 方 で、 海 外 生 産 拠 点 シ フ ト先 が 大 陸 に集 中 す る 傾 向 が あ る こ と を うか が わ せ る。 「食 品 ・ 飲 料 」、 「輸 送 機 械 」、「機 械 」、 「金 属 製 品 」 な どの 業 種 が これ に あた る。 (4)Dグ ル ー プ …GDP成 長 率 が 製 造 業 平 均 を 上 回 り、 しか も大 陸 投 資/総 固 定 資 本 形 成 割 合 お よび 大 陸 投 資/世 界 投資 割 合 が 比 較 的 低 い業 種 。 国 内設 備 投 資 も順 調 に伸 び 、 ま た海 外 投 資 も大 陸 へ の 集 中 を起 こ さず に進 ん で い る。 い わ ゆ る 「根 留 台 湾 ・国 際 展 開 」 の主 導 的 産 業 と 考 え られ る。r化 学 」、 「非 金 属 」、 「電 子 電 器 」 が代 表 例 。
上 記 か らは 、90年 代 半 ば ま で の 台 湾 電 子 産 業 の 国 内 固定 資 本 形 成 に対 す る大 陸 投 資 の割 合 が、 他 業 種 に比 較 して か な り低 率 で あ っ た こ とが 分 か る。 これ は 大 陸 へ の生 産 拠 点 シ フ ト以上 に国 内 投 資 が 活 発 に行 な わ れ て き た こ と の証 左 で あ り、 台 湾 電 子 産 業 が積 極 的 な グ ロー バ リゼ ー シ ョ ソ を 図 りつ つ も・ な お 基 幹 的 部 門 を台 湾 内 に 留 め つ つ構 造 調 整 を果 た して きた こ と を 物 語 る。 1豆 翼 1亘 盈 Aiプラスチック襲贔1業 置320,595.6 幟 品・鰭臻 316.969.7 皮箪襲品工業 霞1229,388,9 i鬮駄蹼 27。9.65.4 木・竹・飆 業 醒1568,668.3 i踟 業 56.983.3 精密癢に[業 ■378。392.1 勸 鑷 ・皺 肛業 64.350.2 Bi襲緬及び口明躍1業 霞13.542,2 璞 候:臻 95.229.8 蠡廉[業 璽28。143,3 i糊 ・搬 513.048.3 i肝 ・鶤臻 118.237.9 騨 マイナス 表11.台湾製造業葉腫滂のGDP震長率(1)と対大陸艮資/目攤 碇資本㈱ 比率(1)(1991∼95年乎均》および舳 陵資/対彦雰授資比率(薑)←1996年末塁評)6の (躪所)交浅鴇会『雉 への轍 大による画岸軽済臠係への擁 と今袋の謂瞳1(韮998年)甘表6、11より作裁 しか し、 前 章 で も触 れ た よ うに 、90年 代 後 期 に入 って の 更 な る生 産 構 造 変 化 と 国 際 的 競 争 環 境 の 激 化 を反 映 して 、 これ まで 産 業 空 洞 化 を 回 避 し 「根 留 台 湾 ・国 際 展 開 」 を 比 較 的 順 調 に維 持 し て きた 台 湾 電 子 産 業 もま た 、 近 年 で は大 陸 投 資 を 活 発 化 さ せ る傾 向 に あ る。 た と え ば 、 台 湾 経 済 部 投 資 審 議 会 の 発 表 値 に よれ ば 、 台資 の 対 大 陸 投 資 中 に 占 め る 「電 子 電 器 」 の 割 合 は92年 の15.1 %か ら98年 上 半 期 に は30.0%へ と上 昇 した。 また 対 外 直 接 投 資 全 体 に 占 め る大 陸 投 資 割 合 も96年 末 累 計 で こそ37.9%と 他 業 種 に比 べ る と低 率 だ った が 、 単 年 度 ベ ー スで 見 る と、95年 以 降 は50∼ 60%台 に 上 昇 して お り、大 陸 へ の 投 資 が90年 代 後 期 以 降 、 急 速 に 増 大 して きた こ と も分 か る。 さ ら に 、 法 制 上 か ら小 規 模 投 資 が 補 足 困 難 な こ とや 数 回 の 追 加 申請 措 置 な ど の影 響 も あ って 正 確 に は 把 握 で きな い まで も、 台 湾 電 子 産 業 企 業 に よ る一 案 件 あ た り投 資 規 模 は95年 に は92年 の2.4倍 、 96年 に は3.8倍 と次 第 に 大 型 化 す る傾 向 も指 摘 で き る。(表12参 照)例 えば 、 国 内 大 手 の パ ソ コ ソ メー カ ー で あ る エ イ サ ー ・グル ー プ(宏 碁 電 脳 集 団)が 上 海 郊 外 や 広 東 省 東 莞 地 区 に 台 湾 の 電 子 産 業 と して 最 大 規 模 の工 場 建 設 を進 め る な ど 、 大 企 業 集 団 の投 資 が 活 発 化 して い る こ とは 、 そ の 一 例 で あ る。21) 表12.台覯 子・電器企業の対大陸撲資の雛移(1992∼98年上半期) 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998上鵜 臙 獺錐に占める 賺 の騰 齢 偵0 15,1 14.0 16,3 19,7 22,5 20.2 30,0 同雑刎 肪たり肝均 嫐(US刊) 1,081 *373 1,061 2,557 4;012 *721 1,867 同黜 轍 催占める 対驫 伊の 22.4 81.0 35.2 52.4 52.4 62.5 62.5 注:経済裁闃霞審讙委員会認可に基づく。なお*93年、零97年の1件あたり投一 によ,て中ホ企業の幟 集中したことによる。 (出旃 表5および表10鶉暇資科より臓
電 子 産 業 を 主 導 す る台 湾 の 企 業 集 団 に お い て は 、 欧 米 市 場 選 好 を強 め る一 方 で 近 年 で は低 付 加 価 値 製 品 の生 産 拠 点 シ フ トを い っそ う熱 心 に 図 る よ うに な った 。 そ の背 景 に は 国 内 に お け る上 位 メー カー へ の生 産 集 中 化 傾 向 が あ る。 台 湾 の 電 子 産 業 企 業 会 で あ る電 機 電 子 工 業 同 業 公 会 に よれ ば 、1996年 に 台 湾 電 子 産 業 全 体 の 売 り上 げ 総 額 は 国 内外 あ わ せ て お よ そ594 .2億 ドル であ った。 こ れ に 対 して 情 報 機 器 製 造 業 企 業 上 位20社 の 売 り上 げ は 約147 .8億 ドル に達 してお り、約4分 の 一 が 集 中 して い る計 算 と な る 。22)ま た 、98年 の経 済 部 『中 小 企 業 白(皮)書 』 は 大 規 模 設 備 投 資 が必 要 な 半 導 体 製 造 は フ ァ ソ ド リー ・サ ー ビス会 社 に 集 中 さ れ る他 、 高 規 格 の 技 術 水準 が 要 求 され る ノー ト型 パ ソ コ ソ、 液 晶 デ ィ ス プ レイ 装 置 、 カ ラー モ ニ ター 等 の 製 造 に お い て は、 従 業 員 200名 未 満 の 中 小 企 業 参 入 の余 地 は 著 し く制 限 され て い る こ と を指 摘 して い る。23)今 後、 電 子 産 業 の 裾 野 が 後 発 諸 国 に も拡 が り、 製 品 の 低 価 格 化 が 進 行 す る に つれ て 、 国 際 競 争 を 勝 ち抜 く重 点 的 資 質 は従 来 の 「量 的 拡 大=低 価 格 製 品 」 に 代 わ って 「質 的 向 上=高 規 格 製 品 」'へと変 わ っ て い く こ と に な るだ ろ う。 先 に 挙 げ た エ イ サ ー ・グル ー プの 総 帥 、 施 振 栄 氏 は 台 湾 製 品 の マ イ ナ ス イ メー ジ を作 り上 げ た 原 因 と して 、 低 品 質 製 品 を 台 湾 製 と し、 高 品 質 製 品 を 外 国 ブ ラ ソ ドにOEM 供 給 して い る既成 の供 給 シ ス テ ム を 挙 げ 、 自 ら は い ち早 く 自社 ブ ラ ソ ド生 産 に乗 り出す と と も に 、 これ ま で の 台 湾 電 子 産 業 の 主 流 経 営 戦 略 で あ っ た低 価 格 路 線 に 見 切 りを つ け て い る。24)後 発諸 国 の 参 入 が 予 想 さ れ る電 子 情 報 機 器 の 国 際 的 大 競 争 の あ り方 を 想 定 す る 限 り、 従 来 のOEM生 産 と 中小 企 業 間 の ア ウ トー ソー シ ソ グ を特 徴 とす る生 産 分 業 シ ス テ ムで は、 高規 格 商 品 開 発 に は充 分 対 応 で き な い。 そ の 結 果 、 特 に 企 業 集 団 を 中 心 と した 生 産 集 中 が 促 進 さ れ 、 研 究 開 発 と 品 質 ・ 工 程 管 理 の 一 元 化 が進 む こ と に な る。 これ が90年 代 初 頭 まで は高 か った 中 小 企 業 の 生 産 比 率 を低 下 させ る と と もに 、外 注 方 式 を通 じた 企 業 間 で の 工 程 分 業 シ ス テ ム か ら、 全 工 程 を 内 製 化 し、 低 付 加 価 値 品 目 の生 産 工 程 を海 外 シ フ トさせ る こ とで 企 業 内 分 業 に よ る生産 シ ス テ ム へ と構 造 変 革 を 促 し、 した が っ て 、 大 陸 へ の投 資 を 増 大 させ る イ ソ パ ク トと も な って い る と考 え られ る。25) さ らに 、 台 湾 電 子 産 業 の 大 陸 進 出 が 近 年 急 ピ ッチ に進 み つ つ あ る今 一 つ の 理 由 と して 、 大 陸 自 体 の"ネ ッ トワー ク社 会"へ の 移 行 と、 そ れ に伴 う情 報 関 連 機 器 市 場 の拡 大 が あ る。 改 革 開 放 政 策 と の 関連 で 言 え ば、 江 一朱 体 制 が 現在 進 め る 国有 企 業 の 淘 汰 と経 営 改 革 、 い わ ゆ る 「抓 大 放 小 」 政 策 に よ っ て 民 営 移 管 が 不 可 避 な 中小 国 有 企 業 に と って 、 情 報 機 器 は ます ます ビジ ネ ス 上 の 必 需 品 と な り、 特 に イ ソ タ ー ネ ッ トに よ る情 報 ア クセ ス を 可 能 と す るパ ソ コ ソ需 要 の急 増 が見 込 ま れ よ う。 実 際 ・ 中 国 情 報 産 業 省 に よれ ば 中 国 のPC販 売 台 数 は1997年 の320万 台 か ら98年 に は425万 台 に上 った 。 米 国 の 調 査 会 社AFHC社 の 需 要 予 測 に よれ ば 、 こ の数 年 は 年 率 で 約40%の 需 要 増 が 見 込 ま れ て お り、2000年 に は830万 台 に達 す る と言 う。 イ ソ ター ネ ッ トの プ ロバ イ ダー 契 約 も う な ぎ登 りで ・ 現 在210万 の"ネ ッ ト人 口"は2000年 に は 一 挙 に1300万 人 に達 す る と の予 測 も あ る。 26)中 国 は 情 報 機 器 に関 す る世 界 最 大 の 成 長 市 場 と して 急 速 に成 熟 化 し つ つ あ り、21世 紀 初 頭 に は 巨 大 マ ー ケ ッ トが 出 現 す る こ とは 疑 い の な い と こ ろ で あ る。 こ の 巨 大 市 場 を 目指 し、 既 に先 行 して い るの が 米 国 大 手 企 業 の マ ー ケ テ ィ ソ グ活 動 で あ る 。 IBM,Compaq,Hewlett-Packardの 米 系3大 メ ー カ ー は輸 入 関税 を 回 避 す るた め に も い ち 早 く 中 国 へ の 進 出 を果 た し、98年 段 階 で概 ね2割 の 国 内 シ ェ ア を確 保 した。 また 中 国 国産 メー カ ー の 台 頭 も著 し く、 最 大 手 の聨 想 頭 脳 集 団 は97年 に は 米 系3強 を凌 い で シ ェア トップ に躍 進 、98年 上 半 期 で シ ェ ア12%を 確 保 して い る。 さ らに マ イ ク ロ ソ フ ト社 な ど は現 地 の 豊 富 な高 度 技 術 者 群 に 注 目 し、 一 歩 進 ん で ソ フ トウエ ア のR&Dセ ソ タ ー を 中 国 国 内 に設 置 す る動 き も見 せ て お り、 台 湾 電 子 産 業 が 中 国 市 場 へ の 参 入 を た め ら う な らば 、 文 字 通 り時 代 に素 通 り され て しま う危 険 性 さ
え 浮 上 して い る。27)情 報 機 器 特 有 の 厂ネ ッ トワ ー ク規 模 の 経 済 」 効 果28) を も考 慮 す る時 、 中 国市 場 へ の 参 入 は ま さ に 「先 ん ず れ ば人 を 制 す 」 との 属 性 を強 く帯 び る よ うに な って きた の で あ る。 しか し台 湾 の 場 合 、 こ こに大 き な問 題 が 生 じる。 そ れ は主 に 政 治 的 安 全 保 障 の 観 点 か ら、 大 陸 へ の 過 度 の 経 済 的 依 存 を 危惧 す る 国民 党 政 府 が 、 特 に大 企 業 の 巨額 な直 接 投 資 と技 術 移 転 を厳 し く規 制 して い る こ とで 、 しば しば 国 際 競 争 力 強 化 と 中 国 市 場 確 保 を 目指 す 彼 らの 利 益 に相 反 す る こ と で あ る。 と りわ け97年7月 か ら施 行 され た 投 資 制 限 措 置(い わ ゆ る 「戒 急 用 忍 」 政 策)に お い て 、 国 民 党 政 府 は 個 別 案 件 の投 資 上 限 を5000万 ドル に定 め る と と もに 、 企 業 規 模 別 に投 資 上 限 を設 定 し大 企 業 に よ る大 陸 投 資 を抑 制 させ 、 同 時 に製 造 業316品 目(他 に 農 業9品 目、 サ ー ビ ス3品 目)の 投 資 を 禁 止 して ハ イ テ ク及 び そ れ に 関 わ る 業 種 の 大 陸 投 資 を 厳 し く規 制 す る よ う に な った 。29)こ の 「戒 急 用 忍 」 政 策 に 対 して は 台 湾 財 界 の 雄 、 王 永 慶 氏(台 湾 プ ラス チ ッ ク企 業 集 団 総 帥)や 張 榮 發 氏(エ バ ー グ リー ソ企 業 集 団 総 帥) な どが 国際 競 争 力 強 化 に マ イ ナ ス で あ る と公 然 と政 府 を批 判 す る な ど、 政 府 と産 業 界 との 軋 轢 が 表 面 化 して お り、 台 湾 社 会 の 大 き な不 安 定 要 因 とな っ て い る 。30)処 理 を誤 れ ば 国 民 党 統 治 存 続 の 可 否 に も関 わ る危 険 性 を 内 包 す る 問題 だ け に 、 今 後 の成 りゆ きが注 目 さ れ る。 確 か に、 大 陸 進 出 を め ぐ る費 用 対 効 果 を考 慮 す れ ば 、 大 企 業 の投 資 が リス クを 伴 う もの で あ る こ とは 事 実 で あ ろ う。 図2は 生 産 効 率 と資 産 価 値 変 動 の 関係 を ご く簡 単 に概 念 化 して示 した もの で あ る。 収 益 逓 増 産 業 と して 、 技 術 内 生 化 の程 度 とそ の蓄 積 効 果 と と も に 、規 模 の 経 済 性 が 生 産 効 率 向 上 に特 に 大 き な役 割 を 果 たす ハ イ テ ク産 業 で は 、現 地 雇 用 や投 資 規 模 が 大 き くな る ほ ど生 産 効 率 が上 昇 し、 限 界 収 益 が 上 向 きに な る で あ ろ う。 一 方 、 投 資 設 備 の ス ク ラ ップ ・ア ソ ド ・ビ ル トや 累 積 す る維 持 コス トの 大 き さを 考 慮 す れ ば 、 投 資 資 産 価 値 は 一 定 の段 階 で 逓 減 す る こ と が 予 想 さ れ る。 図 中 の 投 資 資 産 価 値 は均 衡 点E以 前 で は 限界 収 益 を上 回 っ て い るた め に 、 大 陸 に進 出 す る台 湾 企 業 は 何 らか の 緊 急 事 態 に 対 して資 産 を売 却 ・撤 収 す る決 断 が容 易 に 出来 るの に対 し て 、E点 以 後 は 限 界 収 益 が投 資 資 産 価 値 を上 回 るた め に 、 台 資 は撤 退 に 関 して 積 極 的 判 断 を下 し に く く な:る可 能 性 が 高 い。 す な わ ち 、 い った ん進 出 した 企 業 に と って は 投資 規 模 が大 き くな る程 、 大 陸 か らの撤 退 は 容 易 で は な くな る。 か く して 、 台 湾 政 府 は 主 と して 政 治 的 観 点 か ら大 陸 投 資 を 規 制 し、産 業 界 、 特 にそ の"標 的"と な る電 子 産 業 の大 企 業 は主 に 国 際 競 争 力 強 化 の観 点 か ら こ れ に 抵 抗 す る こ と と な る。31台 湾 電 子 産 業 は 、 「政 治 の 論 理 」 と 「ビ ジ ネ ス の論 理 」 と の 間 に あ る ジ レ ソマ に辛 吟 して い るの が 実 情 な の で あ る。
4.経 済 発 展 と 社 会 変 動 一 「統 合 」 と 「分 解 」 の 狭 間 で この30余 年 の 問 に台 湾 社 会 に実 境 した 「公 平 を伴 う急 速 な 成 長 」(世 界 銀 行32))は 、 高 い消 費 選 好 能 力 と多 様 な消 費 的 価 値 観 を 備 えた 中 間 層 の 広 汎 な 出 現 を促 す 一 方 で 、 ビ ジ ネ ス 界 に お け る 苛 烈 な競 争 環 境 は起 業 家 精 神 の 萌胚 す る経 済 風 土 を ま す ます 強 化 した 。 そ れ と と もに 、 台 湾 に は 冷 戦 構 造 下 の 「反 共 」 を国 是 と した 統 治 権 力 か らの お仕 着 せ で は 無 い 、 富裕 な 社 会 の実 現 を背 景 とす る民 衆 の 自負 に支 え られ た 内 的 共 同 意 識 と して 覚 醒 し、 実 存 す る この社 会 を 一 個 の 独 立 した も の と して 、 しか も明 ら か に大 陸 とは 異 な っ た もの と して 捉 え る意 識 が台 頭 して い る。 そ して そ れ は ま た 、 旧 来 の政 治 シ ス テ ム に ドラス テ ィ ッ クな 変 動 を もた らす"力"を この 島 に生 み 出 して い る。1987年 の 戒 厳 令 解 除 以 降 顕 著 に進 ん だ 本 省 人 主 導 に よ る民 主 化 と政 治 シス テ ム上 の 改 革= 「台 湾 の 台 湾 化 」 は 、 そ の 最 も大 きな成 果 で あ る。 「新 台 湾 主 義 」 と も命 名 す べ き こ の ト レソ ドを 象 徴 す る の は 、 「独 立 」 を綱 領 に掲 げ た野 党 民 主 進 歩 党(DPP)の 着 実 な 党 勢 拡 大 で あ る 。DPPは1986年 の 結 党 以 来 一 貫 して 「台 湾 独 立 」 を 綱 領 に掲 げ 、 国民 党 の 一 党 統 治 に挑 戦 して きた 。 民 主 化 の進 展 と共 に そ の 党 勢 は拡 大 し、97年11月 の 統 一 地 方 選 挙 で は 得 票 率 で 初 め て 与 党 国 民 党 を凌 駕(民 進 党43.3%⇔ 国民 党42 .1%)、 全23県 (台 北 、 高 雄 両 市 除 く)の う ち12県 の首 長 を 確 保 す る に至 り、 そ の支 持 者 は産 業 界 に も浸 透 しつ つ あ る。33)特 筆 す べ きは 、 最 近 の 民 意 が 両 岸 政 策 に 慎 重 な姿 勢 を 鮮 明 に して い る こ と や 米 ・日 両 国 が 台 湾 独 立 に否 定 的 態 度 を取 って い る こ と も あ っ て 、DPPは 「台 湾 独 立 」 を綱 領 に 掲 げ つ つ も、近 年 で は 「政 権 交 代 可 能 な 勢 力 」 へ の 脱 皮 を 目指 して路 線 の 穏 健 中 道 化 が進 ん で い る こ と で あ る。 例 え ば 、98年 末 の選 挙 で 惜 敗 した とは い え、 同 党 の次 期 総 統 選 候 補 ど 目 され る陳 水 扁 氏 (前 台北 市 長)の 台 湾 独 立 に対 す る姿 勢 は、 彼 が 民 進 党 初 の台 北 市 政 を執 った94年 以 来 次 第 に 軟 化 して お り、 今 日で は プ ラ グマ テ ィ ッ ク な 感 覚 を 備 え た 中 道 政 治 家 と して の 評 価 が 高 い 。34) DPPの 党 勢 拡 大 は そ の 大 陸 政 策 に 関 す る 主 張 に で は な く、 む し ろ社 会 保 障 の 充 実 や 国 際 社 会 に お け る発 言 権 確 保 を訴 え る な どの 「台 湾 人 第 一 」 を 前 面 に 出 した 内 治 策 に あ る。98年 末 の い わ ゆ る ト リプ ル選 挙(立 法 院 議 員 、 台 北 ・高 雄 両 市 長 お よび 市 議 会 議 員 の 同時 選 挙)の 際 、DPPは 立 法 院 選 挙 で は 得 票 率 を 漸 減 させ た とは い え 、 「台 湾 人 第 一 」 の 主 張 を 明解 に す る こ と で 、 依 然 と して約3割 の 民 意 を 掌 握 した。 ま た 、 高 雄i市長 選 挙 で は 同 党 候 補 の 謝 長 延 氏 が 国 民 党 の 現 職 を 破 って 市 長 の 座 を射 止 め た が 、 そ れ は 国 民 党 市 政 期 の 生 活 イ ソ フ ラ整 備 の遅 れ を 攻 撃 した こ と が 勝 因 の一 つ と も な っ た の で あ る。35) そ して よ り注 目す べ き点 は 、 こ う した 情 勢 を前 に 与 党 国民 党 も ま た 政 権 維 持 の た め に組 織 的 自 己 革 新 を 図 り、 「新 台 湾 主 義 」 を前 面 に押 し出 さ ざ る を 得 な くな って い る こ と で あ る。98年 末 の 前 記 選 挙 時 に李 登 輝 が初 めて 主 張 した 「新 台 湾 人 」 の ス ロー ガ ソは 、 こ う した 潮 流 の 延長 上 に あ っ た。 今 で は行 政 院 大 陸 委 員 会 や マ ス コ ミに よ って 頻 繁 に行 わ れ る よ うに な っ た世 論 調 査 に よ れ ば 、 台 湾 と大 陸 との 関係 に対 す る民 意 は現 状 維 持 指 向 を鮮 明 に して き た。 例 えば 、98年10月 に行 政 院 大 陸 委 員 会 が実 施 した調 査 結 果 で は、 台 湾 の 地 位 に 関 して 現 状 維 持 が53%と 過 半 を 占 め た他 、 交 渉 の テ ソ ポ は 「現状 で 良 い」 が36%、 自 らの ア イ デ ソ テ ィテ ィー に つ い て は 「中 国 人 で あ り台 湾 人 で あ る」 が45%と そ れ ぞ れ 最 大 とな り、 急 激 な 地 位 の変 更 を 求 め な い 民 意 の 定 着 を 印 象 づ け た 。36)同 委 員 会 副主 任 の 林 中 斌 氏 は この 点 を 、 「98年8月 以 来 、 統 一 指 向 派 は お よ そ16%、 独 立 派 は19%と ほ ぼ拮 抗 す る が 、 過 半 は現 状 維 持 派 で あ り、 この傾 向 は ほ ぼ 定 着 しつ つ あ る」 と分 析 す る。37)(た だ し、 李 登 輝 総 統 の い わ ゆ る 「国 と国 と の特 別 な 関 係 」 発 言 が 中 国 を 刺 激 した99
年7.月9日 以 後 、 最 初 に 行 な わ れ た世 論 調 査 で は李 発 言 へ の 支 持 者 が65.5%に 達 した 他 、 「自 ら は台 湾 人 で あ る」 と答 え た 人 が全 体 の44.8%と 、 一 時 的 に せ よ増 加 を 見 た こ と は バ ラ ソ ス に微 妙 な変 化 を も た らす 可 能 性 も あ る が、 台 湾 政 府 当 局 は こ れ に過 剰 な 反 応 を示 す べ き で な い と、 慎 重 な姿 勢 を 崩 してL・な い。38)) 民 意 の所 在 を 尊 重 す る形 で 、 中 国 が 言 う 「両 岸 統 一 」 に 関 す る台 湾 国民 党 とDPPの 有 力 両 政 党 の 主 張 は 、 次 第 に収 れ ん を 見 せ て い る。96年 に初 め て行 な わ れ た 総 統 民 選 に お い て 、 当 選 した 李 登 輝 が 得 票 過 半 数(54%)を 制 す る一 方 でDPP候 補 だ っ た彭 明敏 氏 が21%の 支 持 票 を集 め た と い う事 実 は 、 少 な くと も中台 関係 に関 して 台 湾 民 衆 の4分 の3が 、 中 国 の 言 う 「一 国 両 制 」 に よ る統 一 方 式 に不 同 意 で あ る こ とを 如 実 に示 す もの で あ っ た。 また 先 の 立 法 院選 挙 に お い て も 「中 台 統 一 」 を 標 榜 す る新 党 は わず か11議 席 と惨 敗 、 ま た 中 国 か らの 完 全 独 立 を 唱 え る建 国 党 も党 勢 を零 落 させ て い る。 急 進 的 統 一 派 と急 進 的 独 立 派 の敗 退 に よ って 、 両 岸 経 済 交 流 の モ デ レー トな 深 化 へ の支 持 と 中 国 が 示 す 「一 国両 制 」 へ の 拒 否 は、 国 民 的 コ ン セ ソサ ス と して定 着 しつ つ あ る 観 が あ る。 こ う した こと か ら、 最 近 話 題 と な る2000年 の次 期 総 統 選 挙 に おい て は 国 民 党(連 戦 氏)、 DPP(陳 水 扁 氏)、 あ るい は 第 三 候 補(宋 楚 瑜 氏)の 内 、 た と え 誰 が 当 選 して も、台 湾の 中道 路 線 は 大 き く変 更 す る こ とは な い と断 言 で き る。21世 紀 の 中 台 関 係 を 見 る うえ で最 も重 要 な 点 は 、 民 主 化 と新 台 湾 主 義 の 台頭 が もた ら した 「民 意 へ の 服 従 」 と い う新 政 治 風 土 の 構 築 な の で あ る 。 一 方、 中 国 に お い て は 開始 か ら約20年 を経 た 改 革 開 放 路 線 が幾 つ か の デ ッ ドロ ッ クに 乗 り上 げ て お り、 「社 会 主 義 市 場 経 済 」 は 解 決 困 難 な 様 々 な 矛 盾 に 直 面 して い る。 拡 が る地 域 間 格 差 、 沿 海 部 諸 省 政 府 の 割 拠 主 義 な ど、 「改 革 開 放 の 加 速 」 と 「先 富 の 調 整 」 を め ぐる中 央 ・地 方 の 対 立 は と り もな お さず 、 今 日の 中 国 が 直 面 す る ジ レ ソマ を 象 徴 す る。 ま た 国 有 企 業 改 革 の成 否 は 地 域 間 格 差 の是 正 と所 得 再 分 配 を進 め 、 社 会 主 義 中 国 の統 合 を維 持 す る上 で 不 可 欠 の 課 題 で あ ろ う。 い わ ゆ る 「採 大 放 小 」 に伴 う大 型 国 有 企 業 集 団 へ の再 編 は、 総 要 素 生 産 性 の 向上 を伴 わ な い 限 り 早 晩 資 本 収 益 の 逓 減 に 直 面 す る だ ろ う し、 経 営 効 率 改 善 の 成 否 は 金 融 機 関 の オ ー バ ー ロー ソに よ る 不 良 債 権 拡 大 と い う危 険 性 に も直 結 す る。 ま た98年 末 で レイ オ フ人 口 を含 む 約1700万 人 の 工 業 労 働 失 業 者 は即 、 社 会 不 安 の 温 床 で あ り、 朱 首 相 が 言 うよ うに 今 後2年 間 に国 有 企 業 改 革 を さ ら に 断 行 して い くと な れ ば 、 こ の数 は 雪 ダ ル マ 式 に膨 らん で い く こ と に な る。39)99年 に 入 って 国 有 企 業 整 理 の タ イ ム ス ケ ジ ュ ー ル が 大 幅 に遅 延 され る40)な ど、 改 革 は既 に い くつ か の抵 抗 に直 面 して お り、 江 一 朱 体 制 の経 済 改 革 の 成 否 は予 断 を許 さな い 。 た だ し、 私 的 経 営 へ の全 面 的 支 援 な く して 、 析 出 す る余 剰 労 働 力 の 吸 収 は ほ と ん ど不 可 能 で あ る。 さ ら に情 報 化 社 会 の到 来 は、 各 人 が 膨 大 な 情 報 を取 捨 選 択 し迅 速 な判 断 を 下 す た め の 主 体 性 や 個 人 の 独 創 性 に 重 き を置 くビ ジ ネ ス 環 境 を 中 国 に もた ら しつ つ あ る。 多様 な 価 値 観 や独 創 性 が 基 礎 とな る 国際 的 な 産 業 競 争 力 の 育 成 要 請 と、 国 家 に よ る情 報 の一 元 的 管 理 とは 極 め て両 立 困 難 な 課 題 で あ ろ う。 また 大 競 争 時 代 の 下 で 海 外 か らの 投 資 を 求 め る国 に 最 も強 く要 求 され る も の が ビ ジ ネ ス に お け る透 明 性 で あ る こ と を も考 慮 す るな ら ば、 中 国 が 今 後 も共 産 党 統 治 下 で の統 制 的 社 会 シ ス テ ム を維 持 す る に は、 極 め て 高 い 社 会 的 コス トを支 払 わ な け れ ば な らな い。 「先 富 の 調 整 」 問 題 を は じめ 、 各 地 で の 社 会 的 不 満 を 解 消 して い く うえ で も、 早 晩 、 中 国 の 改 革 開 放 政 策 は上 部 構 造 の ドラ ス テ ィ ック な変 革 を 迫 られ る こ と に な るの で あ ろ う。 論 点 を整 理 した い 。 企 業 の グ ロ ー バ リゼ ー シ ョソ(特 に 大 陸 へ の 資 本 シ フ ト)を 背 景 と して 、 台 湾 で は これ ま で 開 発 独 裁 体 制 が 保 障 して き た 国民 党 の統 治 正 統 性 が 新 台湾 主 義 と社 会 的 多 元 化 の 流 れ に突 き崩 され 、 今 日 で は 民 意 を無 視 す る政 策 は 、 い か な る意 味 で も実 行 不 可 能 と な りつ つ
あ る。 一 方 、 大 陸 も また 市 場 経 済 化 と(台 湾 資 本 が 重 要 な役 割 を 果 た した)環 太 平 洋 経 済 へ の イ ソ テ グ レー シ ョ ソが進 行 す る に つ れ 、 中 国共 産 党 は 所 得 格 差 の 拡 大 や 地 方 主 義 の 台 頭 と い った 矛 盾 を十 分 に解 消 で きな い で い る。 そ の 解 決 の た め に、 現 在 、 彼 らは 公 的 所 有 制 度 や 一 党 支 配 とい う既 成 の社 会 主 義 原 則 まで も大 き く変 更 す る 必 要 に迫 られ て お り、 一 元 的 な社 会 統 治 が 動 揺 す る 可 能 性 を 多 分 に含 ん で い る6皮 肉 な 言 い方 で は あ る が 、 中 ・台 両 岸 の経 済 的 接 近 は2つ の 社 会 そ れ ぞ れ の変 容 と再 編 成 を 促 しつ つ あ り、 今 や 北 京 ・台 北 の 両 政 権 政 党 は そ の圧 力 に 動揺 しつ つ 、 足 元 に働 く社 会 的 「分 解 力 」 に必 死 に対 峙 し よ うと して い る。 台 湾 に お け る大 陸 投 資 を め ぐ る ビ ジ ネ ス と政 府 の 軋 轢 や 、 中 国 に お け る台 資 誘 導 の 中 央 ・地 方 政 府 間 の 思 惑 の 差 異 な どは そ う した 矛 盾 の顕 在 化 した、 象徴 的 事 例 な の で あ る。 両 岸 関 係 の 現 状 に つ い て 、 大 陸 委 員 会 副 主 任 の 林 氏 は 「中 国 が オ フ ェ ソ シ ブな 立 場 に あ り、 台 湾 は 受 け 身 的 立 場 に あ る 」 と し、 台 湾 側 の 外 交 的"劣 勢"を 間 接 的 な が ら認 め て い る。41)ま だ 海 外 識 者 の 中 に も、 台 湾 が 中 国 に対 して 与 え う る影 響 力 は 限 定 的 だ との 見 方 は 少 な くな い 。42) 確 か に、 現 在 の 軍 事 的 ・外 交 的 バ ラ ソ ス を勘 案 す れ ば 、 こ う した 意 見 は必 ず し も誤 り とは 言 え な い 。 しか し、 た と え ば華 南 地 域 に 展 開 す る台 湾 中 小 企 業 が 合 弁 形 態 を通 じて 余 剰 労 働 力 を 吸 収 す る と と もに企 業 の経 営 体 質 改 善 に 重 要 な イ ソセ ソテ ィブ を 与 え 、 所 有 構 造 の変 革 に も大 き な寄 与 を して い る と の指 摘43)の よ うに 、 台 資 の 対 中投 資 は 政 治 力 ・軍 事 力 と は ま た 別 の 次 元 か ら、 集 権 的 社 会 主 義 体 制 の分 解 に対 して 、 む しろ積 極 的 な モ ー メ ソ トを 付 与 して い る。 改 革 開 放 以 来 進 ん だ 中国 経 済 の 外 向化 は 、 と り もな お さず 環 太 平 洋 経 済 圏 へ の イ ソ テ グ レー シ ョソ を 意 味 して お り、 もは や後 戻 り不 可 能 、 と言 う意 味 で社 会 自体 の 変 容 を 不 可 避 と した。 台 資 の 中 国進 出 は 、 そ う した社 会 的 変 容 を 中 国 に促 す 、 ま さ に 「分 解 作 用 の 触 媒 」 の役 割 を果 た して い る の で あ る。 5.「 東 ア ジ ア 情 報 化 社 会 」 時 代 に お け る 中 台 統 一 の 展 望 一結 び に代 え て 1998年 の 中 国 の 実 質 経 済 成 長 率 は7.8%に 留 ま り、 朱 首 相 が 当 初 掲 げ た 「公 約 」8%は 未 達 成 に 終 わ っ て しま っ た。99年 の そ れ は か ろ う じて7%台 に 留 ま る もの と され るが 、 成 長 率 の1%ダ ウ ソ で お よそ100万 人 の就 職 先 が 失 わ れ る と い う厳 しい 雇 用 情 勢 下 に あ っ て 、 経 済 の 浮 揚 は 江 一 朱 政 権 に と って 必 須 の課 題 と な って い る。 ア ジ ア通 貨 危 機 に よ る東 南 ア ジア市 場 の低 迷 と、 同地 域 諸 国 の通 貨 価 値 下 落 に伴 う輸 出 能 力 の 回復 もあ っ て 、 貿 易 収 支 拡 大 余 力 が相 対 的 に 減 じる 中 、 中 国 が今 後 も成 長 力 を維 持 す るた め に は 、 公 共 投 資 を軸 と した 内 需 主 導 型 経 済 へ と緩 や か に移 行 せ ざ る を得 な い だ ろ う。 た だ し、 そ の た め に も リ ソー ス=バ ラ ソ ス を埋 め合 わ せ る外 部 資 金 の注 入 が 必 要 で あ り、 この 点 か ら も台 湾 資 本 へ の 依 存 は 今 後 も増 大 して い く こ とが 予 想 され る。 一 方、 台 湾 政 府 当 局 の 規 制 措 置 に も関 わ らず 、 国 際 競 争 力 を 維 持 強 化 す べ く台 湾 電 子 産 業 界 の 大 陸 へ の進 出 圧 力 は 、 ます ま す 増 大 して い くだ ろ う。 さ ら に 中 国 の 〃ネ ッ トワー ク社 会 〃へ の移 行 は 予 想 を 超 え て進 展 中 で あ る。 成 熟 しつ つ あ る中 国 巨 大 市 場 の 確 保 に 向 け た ハ イ テ ク産 業 進 出 は 、 今 日、 「先 ん ず れ ば 人 を 制 す 」 の 性格 を い っそ う強 め て お り、 この点 か ら も台 湾 電 子 産 業 は 大 陸 へ の ア ク セ ス を 強 化 せ ざ る を え な い 。 か く して 、 深 ま る両 岸 経 済 の 統 合 は 北 京 ・台 北 間 に 存 在 す る政 治 的 対 立 の 背 後 で 、 両 者 を 「奇 妙 な共 存 」 と い う段 階 に誘 導 す る。 す な わ ち 、 政 治 的 に も経 済 的 に も双 方 ど ち ら か で の 急 激 な混 乱 は 、 両 当 事 者 に と って 必 ず しも好 ま しい もの で は な く、 そ れ ぞ れ の思 惑 の違 い を越 えて 、 両 者 は 対 岸 の変 化 に よ り敏 感 に対 応 しな け れ ば な らな くな っ て い る。 例 え ば 、収 穫 逓 増 産 業 で あ る台