非小細胞肺癌に対するCDDP−etoposide
(経口投与)療法の成績
山梨医科大学第二内科 池田フミ 成宮賢行 西川圭一 小沢克良 田村康二 韮崎市立病院 大島一紀 甲府共立病院 加賀美武 山内節朗 はじめに 平成4年8月より切除不能の非小細胞 肺癌に対して実施しているシスプラチン と経ロエトポシド併用療法について、1 年間の結果をまとめ奏効率と安全性につ いて検討したので報告する。 対象と方法 対象として1)切除不能の進行性肺癌の うち非小細胞肺癌と病理的に診断されて いるもの、2)前治療のないもの、3)評価 可能病変を有するもの、4)PSが0−3 のもの、5)腎、骨髄、肝などに重篤な障 害がないもの、6)80歳未満のもの、とし た。治療効果及び副作用の判定は日本肺 癌学会の判定基準に準じた。プロトコー ルはシスプラチン80mg/m2を第1日目に 点滴静注し、エトポシドは30mg/m2/日を 21日間経口投与し、休薬期間は1週間で 原則として2コース以上施行した(表1)。 26症例が登録され適格例は23症例であり、 症例の内訳は表2に示す。 プロトコール CDDP 80mg/m2 DIV llヨ目 etoposide 30mg/m2/日 経口 1−21日目 休薬期間 1週間 2コース以上実施 症例数 男/女 平均年齢 PS 臨床病期 組織型表1
症例
0 1 2 皿A 皿B IV 扁平上皮癌 腺癌 大細胞癌表2
23 19/4 62.1歳 (43−−77) 13 6 4 3 12 8 7 14 2一28一
完全例(19例) 治療成績 組織型 CR PR MR NC PD 扁平上皮癌 B 癌 蜊ラ胞癌 22 1 37 112 6112 4 1 10 4 19 奏効率 完全例 21.1%(4/19) 適格例 17.4%(4/23) 表3 治療成績 2コース以上施行した19症例について の治療成績は扁平上皮癌で6例中2例が PR、腺癌では11例中2例がPRであり、
大細胞癌は2例ともPDであった。奏効
率は完全例で21.1%、適格例で17.4%で あった(表3)。 Hematologic Toxicity No. of patients No. of courses WBC nadir(×103μD Mean (range) DaY (range) Grade 2/3/4 Platelet nadir (×103μD Mean (range) Grade 2/3/4 Hb nadir (g/dl) Mean (range) Grade 2/3/4 副作用表4
23 42 3.5 (0.3−6.4) 22.6 (13−33) 5/3/3 副作用 血液毒性ではGrade 3以上の白血球減少 を14.3%に認め、白血球数の最低値は平 均3500μ1であり13−33日目に認めた。 Grade 3以上の血小板減少は95%に、貧 血は16.7%に認めた(表4)。なおG−CSF の投与を必要としたのは14コース33%で あり、血液毒性のために3症例で治療を 中断した。その他の副作用としては消化 器症状と脱毛を認めたが、肝腎機能障害 は一過性であり重篤なものはなかった(表 5)。消化器症状のためにエトポシド内 服を中止したのは1症例のみであった。 考 察 エトポシドはトポイソメラーゼllに結合してDNA2本鎖の解裂と再結合を阻
害するため、その効果は濃度、時間依存 性といわれている。有効血中濃度は1μg /ml以上というSlevinらの報告1)があり、わ れわれも経口投与の場合1日1回50mg 投与で有効な血中濃度が得られると報告 190 (11 −381) 0/2/2 9.8 (5.6−13.5) 6/4/3 (症例数23) Grade 2以上 悪心、嘔吐 脱 毛 口内炎 腎機能障害 肝機能障害 発 熱表5
15 12 3 1 2 7 した2)。非小細胞肺癌に対するシスプラ チンと経ロエトポシド併用療法について は、既にいくつかの報告3)4)がある(表6)。 当初われわれも大阪府立羽曳野病院田中 らの報告と同様のプロトコールで治療し ていたが、エトポシド40mg/m2/日では血 液毒性が強かったこと、経口剤であるた め外来治療への移行の可能性を検討する ために30mg/m2/日にエトポシドの投与量 を変更した。しかしながら今回の検討で はCR症例がなく奏効率でも満足する結 果を得られなかったのは、エトポシドの 特性から投与量が30mg/m2/日では少ない こと、投与期間が短いことなどが考えら れた。進行性非小細胞肺癌に対するエト ポシド単剤での長期連日経口投与5)6)やカ ルボプラチン併用療法7)の有効性と安全 性について報告がなされている。今後 QOLおよび在宅期間延長のためには外来一29一
非小細胞肺癌に対するCDDP一経口VP−16療法 報告者 Furuse (1992) Oncoiogy Mlller (1993) JCIin O∩col Tanaka (1993) ASCO Kehevne (1993) ASCO 投与量 症例数 CDDP IOO mg/m2 dl 13 VP−16 40 mg/m2 d1−21 CDDP 100 rn cJ /m2 dl 32 VP−16 50 mg/m2 dl−21 CDDP 80 rng/mコ di 33 VP・16 40 mg/m2 dl−21 奏効率 CR O PR 4 30.8% CR 3 PR 10 41,0% CR O PR 9 273% CDDP 50 mg/m2 dL 8 20 CR 2 VP・16 50 rng/n12 dl−21 PR 3 25.0%