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在宅高齢者にも,継続した栄養管理を

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Academic year: 2021

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(1)

[論  文]

在宅高齢者にも,継続した栄養管理を

―簡易栄養状態評価(MNA)から見えてきたもの―

三宅妙子

・石井恭子

**,***

・滝口薫里

***

・森本(池田)陽子

***

川崎医療福祉大学,

**

介護老人保健施設若宮老人保健センター,

***

特別養護老人ホーム若宮園)

Suggestions for maintaining nutritional management

in community-dwelling elderly obtained

from the Mini Nutritional Assessment

Taeko Miyake

, Kyouko Ishii

**,***

, Kaori Takiguchi

***

, Youko Ikeda

***

Kawasaki University of Medical Welfare,

288, Matsushima, Kurashiki-shi, Okayama, 701 0193

**

Geriatric health service facility Wakamiya Elderly person health center,

***

Special elderly nursing home Wakamiyaen,

3566 1 , Mishima, Minami-ku, Okayama-shi, Okayama, 701 0206

〒701 0193 岡山県倉敷市松島288

**,***

〒701 0206 岡山県岡山市南区箕島3566 1

 Decreased independence, autonomy and activities of daily living are linked to re-quirements for nursing care and admission to care facilities, regardless of age. The present longitudinal study used the Mini Nutritional Assessment (MNA) to investi-gate the nutritional status of elderly people and provide data for maintaining or pre-venting a decrease in quality of life. Subjects comprised a total of 257 day- or short-term residents of W Nursing Home surveyed in March 2009 (n=89), May 2010 (n=84) and May 2011(n=84). The MNA is composed of 18 items: 6 screening items, A F, and 12 evaluation items, G R, and involves evaluation based on the grad-ed results of interviews and physical measurements. Subjects were dividgrad-ed into groups I VII based on total scores. Groups I III were classified as having favorable nutritional status, groups IV VI as being at risk of undernutrition and group VII as having poor nutritional status. Interviews and measurements were conducted for all assessment items and question items were analyzed after being grouped into dietary, physical and lifestyle aspects.

 The 84 subjects included in the third survey were classified as group I, n=39 (46.4%); group II, n= 6 (7.1%); group III, n= 5 (6.0%); group IV, n=17 (20.2%);

group V, n=13 (15.5%); Group VI, n= 3 (3.6%); and Group VII, n= 1 (1.2%).  Of the 20 subjects followed for the entire study period, MNA scores increased, were maintained and decreased for 12 (60.0 %), 3 (15.0 %) and 5 (25.0 %) sub-jects, respectively.

 Reasons for score increases included relief from psychological stress or acute illness and increased body mass index (BMI), while causes for score decreases included BMI, the administration of 3 or more types of medication per day, number of meals,

(2)

1 .はじめに

 高齢者の健康状態を維持していくためには,栄養状態 だけでなく環境要因の変化をも含めて把握することが必 須となる。なぜなら,高齢者にとって精神的ダメージは, 食欲低下,栄養不良,体重減少などを誘発し,さらに ADLの低下,免疫力の低下,感染症罹患など,栄養不 良への負のスパイラルへと進むからである。  ADL,自立・自律度の低下等は,高齢者にかかわらず, 要介護,施設入所へとつながる。しかし,年齢を重ねて も在宅で生活することは,誰しもの願いであろう。仮に, 高齢者福祉施設を利用するにしても,要介護度は要支援 1 ,2 程度で,通所施設を有効に利用しながら QOL の 維持または低下防止に努め,健康寿命の延長を図りたい ものである。  ところで,高齢者の栄養評価には,簡易栄養状態評価 表(MNA)1 )が汎用されている。筆者らは,在宅高齢者 に MNA を用いて 3 年間にわたって継続調査し,QOL の維持または低下防止,低栄養状態に至らせないための 注意点などの把握を試みたので,ここに結果を報告する。

2 .実施方法

( 1 )対 象 者  表 1 に, 3 年間に調査した対象者の属性を示した。W 高齢者福祉施設の通所または短期入所施設の利用者は, 3 年間で延べ257人となり, 3 年目はデイサービス利用 者39人,通所リハビリテーション利用者23人,ショート ステイ利用者22人,計84人であった。  なお,表 2 に対象者の調査時期の内訳を示した。 ( 2 )調査時期ならびに調査方法  調査時期は,平成21年 3 月,平成22年,同23年 5 月で あった。

 MNA1 )は,1994 年,Nestle Nutrition INSTITUTE が

栄養科学研究から考案した高齢者の低栄養リスク者を簡 便にスクリーニングするために開発した栄養評価法で, 先に欧米で用いられはじめ,その後日本でも採用2 6 ) れるようになった。そして,現在では MNA にさまざま な検討が加えられ,2009年 7 月,IAGG(国際老年医学会) 総会において,最新版の 6 項目(スクリーニング A ∼ F のみ)からなる MNA Short Form,さらに2010年には ふくらはぎの周囲長(CC)を追加した MNA Short Form も開発・発表され1 ),活用7 )されている。

 今回の調査に用いた MNA の評価シート(表 3 )は, 聞き取りと身体計測から構成されており,スクリーニン protein intake, and liquid intake (non-alcoholic drinks such as water, milk and juice).

 While there was an annual turnover in subjects, 61.9 % of subjects participated in all three surveys and there was an increase in repeat day- and short-term residents over the study period. This may have been due to increased use by those requiring care or increased numbers on admission waiting-lists.

 Factors including psychological stress and acute disease should not be overlooked for the continued health management of elderly people. Dietary habits represent the primary cause of changes in BMI but care is also required regarding psychological factors that decrease appetite. The MNA requires only a short completion time and can be administered by anyone involved with elderly people, and nutritional care and management implemented at the stage of risk of undernutrition may be useful for care prevention.

 Lifestyle support should be further promoted in order to facilitate elderly people s ability to continue living at home while using nursing homes on a daily or short-term basis. 表 1  対象者の属性 初めの 2 年間 3 年目 平均年齢(歳) 85.4±6.9 86.6±5.8 男 性 女 性 28人 145人 11人 73人 デイサービス デイサービス(認知型対応) 通所リハビリテーション ショートステイ 112人 4人 34人 23人 39人 0人 23人 22人 合 計 173人 84人 表 2  対象者の調査時期の内訳 2009年 n=89 2010年 n=84 2011年 n=84 3 年間計測 20 20 20 2 年間計測 9 32 1 回のみ  60 (67.4%) 23 (27.4%) 32 (38.1%) 合 計   n=173 n=84

(3)

グ A ∼ F の 6 項目と評価 G ∼ R の12項目,計18項目か ら成り,結果を点数化して評価する様式である。  まず,第 1 段階のスクリーニング A ∼ F で12点以上 得点すれば「栄養状態良好」と判断され,そこで終了と なる。11点以下の場合は「低栄養のおそれあり」に区分 され,第 2 段階の G ∼ R の聞き取りに進む。すべての 項目を聞き取り,23.5∼17点であれば「低栄養のおそれ あり」,17点未満であれば「低栄養」に振り分けられる。  しかし,筆者らは,第 2 段階の G ∼ R の質問項目の 中に食事面に関する多数の項目と上腕ならびにふくらは ぎの周囲長の身体計測値に関心をもったため,毎年,対 象者全員に全項目の聞き取りと測定を実施した。  そして,「栄養状態良好」の対象者と「低栄養のおそ れあり」あるいは「低栄養」の対象者との間には,どの ような違いが生じるのかを上記18の質問項目を食事面, 身体面,生活面に分類して検討した。 ( 3 )統計処理   2 群の平均値の差の検定には Student t 検定を用い, 5 %未満を有意水準とした。

結果および考察

( 1 )総合評価に基づくグループ分け  表 4 に,総合評価の得点を「栄養状態良好」と「低栄 養のおそれあり」,それぞれの得点を細分化し, 7 つの グループに分けて示した。なお, 3 年目の結果は前年ま での結果と異なる傾向を示したので,はじめの 2 年間と 区別して表示した。また,グループⅢはスクリーニング 表 3  MNAの評価シート

(4)

では11点以下で「低栄養のおそれあり」となったが,総 合評価では24点以上を得点したので「栄養状態良好」に 分類した。  なお,昨年から継続,または 3 年間継続の対象者52人 (表 2 )は,「栄養状態良好」に75.0%(39人),「低栄養 のおそれあり」以下に25.0%(13人)属しており,継続 した栄養管理は,対象者の特徴を捉えて低栄養に至らな いように個別対応ができつつあると考えている。 ( 2 )スクリーニング A ~ F の結果  結果は食事面,身体面,生活面に分類して検討したが, 図 1 ∼ 5 にはグループ間に有意差がみられた質問項目の 結果を示した。ここで,グループⅠとⅡは本来ならアセ スメントの必要がない対象者であるため, 1 つのグルー プにまとめて示し,グループⅢ∼Ⅴと比較検討した。な お,グループⅥとⅦは, 3 年目では該当する対象者が減 少したため,集団での比較検討対象からは除外した。  まず,グラフ(図 1 ∼ 5 )には,横軸にグループとそ の人数,縦軸に得点,右端に回答項目と配点を示し,結 果は,左側に過去 2 年間,右側に 3 年目をそれぞれ配置 した。  図 1 の質問A(食事量)では, 3 年目はグループⅤで 低値を示し,グループⅢとの間に有意差(p <0.05)が 得られた。  質問B(体重減少)では有意差は得られなかったが, 図 2 の質問F(BMI)では,グループⅢの 3 年目(n = 5 )の平均点が過去 2 年間(n =27)より0.4点高くなり, スクリーニングで「栄養状態良好」を示したⅠ・Ⅱと「低 栄養のおそれあり」のグループの間にのみ有意差(p < 表 4  総合評価に基づくグループ分け グループ 人 数 スクリー ニング A∼ F 総合 評価 初めの 2 年間 3 年目 栄養状態 良好 Ⅰ 70(40.5%)39(46.7%) 12点以上 24点 以上 Ⅱ 6 (3.5%) 6 (7.1%) 23.5点 以下 Ⅲ 27(15.6%) 5 (6.0%) 11点以下 24点 以上 低栄養の おそれあ り Ⅳ 24(13.9%)17(20.2%) 22∼ 23.5点 Ⅴ 23(13.3%)13(15.5%) 20∼ 21.5点 Ⅵ 17 (9.8%) 3 (3.6%) 17∼ 19.5点 低栄養 Ⅶ 6 (3.5%) 1 (1.2%) 17点 未満 図 1  質問 A 過去 3 か月間で食欲不振,消化器系の問題,    そしゃく・嚥下困難などで食事量が減少しましたか? (76) ( )内は人数を示す。 (45)  2 =食事量の減少なし  1 =中等度の食事量の減少  0 =著しい食事量の減少 *p<0.05 * ( )内は人数を示す。 (27) (24) (23) (5) (17) (13) 1.9 1.9 1.8 1.9 1.9 1.9 1.5 2.0 2.0 1.0 0.0 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 2.0 1.0 0.0 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 図 2  質問 F BMI(kg/㎡):体重(kg)÷身長(㎡)  3 =BMIが23以上  2 =BMIが21以上,23未満  1 =BMIが19以上,21未満  0 =BMIが19未満 *p<0.05 * * (76) ( )内は人数を示す。 (45) ( )内は人数を示す。 (27) (24) (23) (5) (17) (13) 3.0 2.0 1.0 0.0 3.0 2.0 1.0 0.0 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 1.4 1.0 1.3 2.5 1.8 1.2 0.7 2.6

(5)

0.05)が得られた。  ところで,MNA では BMI が21以上に達しないと 2 点(良)は得られない。雨海ら8 )は,BMI <21の BMI 低値群における体組成の変化で最も大きいのは水分と筋 肉であり,ここでの体重減少は脱水と筋肉減少を意味す ると述べている。  しかし,日本の高齢者,特に女性はやせ型でも健康を 維持できている場合もあり,対象者一人ひとりのプロ フィールを把握することは重要と考えている。したがっ て,体調管理のためには,食事量や体重,特に BMI の わずかな変化に注意するとともに,質問F(BMI)が高 得点でも,高度な肥満,腎機能低下あるいは栄養不良, なかでも高度の蛋白合成障害,あるいは異化亢進によっ て内臓蛋白の低下が激しく,下腿を中心に高度な浮腫を 伴うクワシオルコル(KWashiorkor)型たんぱく質・エ ネルギー低栄養(PEM)による浮腫なども視野に入れ た上での判定,そして適切な栄養管理・体調管理を心が けている。  図 3 の質問Q(上腕(利き腕ではない方)の中央周囲 長(cm):MAC)では,今年度のグループⅢの該当者 5 人全員が得点 1 を獲得したため,「栄養状態良好」と「低 栄養のおそれあり」のグループの間に有意差(p < 0.05)が得られた。  ここで,日本栄養アセスメント研究会身体計測基準値 検討委員会発表,日本人の新身体計測基準値(2001)の 上腕周囲長(cm)9 )を示すと,18歳以上の男女5,408人 の値は26.25±3.17,そしてデータから算出した65歳以 上の値は,男性が26.56,女性が25.30であった。したがっ て,MNA における MAC の配点(1.0=22cm 以上,0.5 =21cm 以上22cm 未満,0.0=21cm 未満)は,日本人 の高齢者にも適応していた。  図 4 の質問 R(ふくらはぎの周囲長(cm):CC)では, 今年度のグループⅢの該当者数が 5 人と少ない上に得点 にばらつきが生じたため,スクリーニングで「栄養状態 良好」のⅠ・Ⅱと「低栄養のおそれあり」の間に有意差 (p <0.05)が得られた。  雨海ら8 )は,全骨格筋量と相関の高い部位の周囲長は 上腕と下肢,ついで大腿であるが,高齢者では CC は BMIと有意に高い相関があり,ADL の指標としても利 用できる BMI が小さい高齢者ほど ADL が低く CC も小 さくなると述べている。また,CC は CT 検査による骨 格筋面積や皮下脂肪面積と極めて良好な相関を示し2 ) 歩行速度,歩行距離などの歩行能力の指標8 )にもなり得 るともいわれている。  ここで,日本栄養アセスメント研究会身体計測基準値 検討委員会発表,日本人の新身体計測基準値(2001)の 下腿周囲長(cm)10)を示すと,18歳以上の男女4,111人 の値は33.85±3.81,そしてデータから算出した65歳以 上の値は,男性が33.18,女性が31.18であった。これら の値を MNA における CC の配点( 1 =31cm 以上, 0 図 3  質問 Q 上腕(利き腕ではない方)の中央周囲長(cm):MAC 1.0=22cm以上 0.5=21cm以上,22cm未満 0.0=21cm未満 *p<0.05 * * (76) ( )内は人数を示す。 (45) ( )内は人数を示す。 (27) (24) (23) (5) (17) (13) 1.0 0.5 0.0 1.0 0.5 0.0 0.9 0.9 1.0 0.7 0.5 0.7 0.7 0.6 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ  1 =31cm以上  0 =31cm未満 *p<0.05 * * (76) ( )内は人数を示す。 (45) ( )内は人数を示す。 (27) (24) (23) (5) (17) (13) Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 1.0 0.5 0.0 1.0 0.5 0.0 0.6 0.7 0.3 0.2 0.7 0.6 0.3 0.2 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 図 4  質問 R ふくらはぎの周囲長(cm):CC

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=31cm 未満)と照合すると,日本人の高齢者にも適応 可能と判断できる。しかし,高齢者の各年代( 5 歳刻み) の 実 測 値 を み る と, 男 性 85 歳 以 上 で は 30.18 ± 3.53 (n=43),女性は,75歳∼79歳で30.61±3.19(n=154), 80歳∼84歳で29.23±3.57(n=105),85歳以上28.07± 3.48(n=89)となり,雨海ら8 )も指摘するように,日 本人の高齢者に対してこれらの配点が妥当かは今後の検 討課題であろう。  しかし,同一の対象者に継続調査を実施し変化の有無 をモニタリング指標とすること,ならびに寝たきりの高 齢者で体重計測が難しい場合などには,意義あることと 考えている。  図 5 の質問 D(過去 3 か月間での精神的ストレスや急 性疾患罹患)では,過去 2 年間と同様な有意差(p < 0.05)が得られた。なお,グループⅢでは, 5 人中 4 人 が 0 点であった。配点が 2 点であるため,アセスメント に進んだ大きな要因と推察できる。高齢者の精神的スト レスや急性疾患罹患は,無気力・無関心,ADL の低下, 食欲低下などに関連するため,日ごろからの精神・心理 的な面からのケアも重要である。 ( 3 )アセスメントの結果  アセスメントの項目では,主に食事面に関する項目を 表 5 1 と表 5 2 に示し,それぞれの上段には過去 2 年 間の結果を下段には 3 年目の結果を配置した。  表 5 1 には,質問 J( 1 日に何回食事を摂っていま すか?),質問 N(食事の状況),質問 M(水分(水,ジュー ス,コーヒー,茶,牛乳など)を 1 日どのくらい摂って いますか?),質問 K(どんなたんぱく質を,どのくら い摂っていますか?)を,それぞれの項目の回答を点数 が高いほうから,良好(◎),ほぼ良好(○),至急要改 善(△)で示した。 3 年目の対象者は,総合評価の得点 結果にかかわらず食生活に関心があり,水分とたんぱく 質も積極的に摂取している状況が窺えた。  表 5 2 には,質問 K 1(乳製品(牛乳,チーズ,ヨー グルト)を毎日 1 品以上摂取),質問 K 2 (豆類または 卵を毎週 2 品以上摂取),質問 K 3 (肉類または魚を毎 日摂取),質問 L(果物または野菜を毎日 2 品以上摂っ ていますか?),それぞれの項目の回答を,はい(◎) といいえ(△)で示した。やはり,乳製品摂取に関して は嗜好が優先するようで,総合評価の得点結果との関係 表 5 ― 1  食事面の点数による分類(J,N,M,K) ●初めの 2 年間 グループ 質問項目 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ J  1 日の食事回数 ◎ ◎ ◎ ◎ N 食事介護の有無 ◎ ◎ ◎ ◎ M 水分摂取 ◎ ◎ ○ ○ K たんぱく質摂取 ○ ○ ○ ○ ● 3 年目 グループ 質問項目 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ J  1 日の食事回数 ◎ ◎ ◎ ◎ N 食事介護の有無 ◎ ◎ ◎ ◎ M 水分摂取 ◎ ◎ ◎ ◎ K たんぱく質摂取 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ 良好  ○ ほぼ良好  ▲ 至急,要改善 表 5 ― 2  食事面の点数による分類(K― 1 , 2 , 3 ,L) ●初めの 2 年間 グループ 質問項目 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ K 1  乳製品( 1 品 / 日) ▲ ▲ ◎ ◎ K 2  豆類・卵( 2 品/週) ◎ ◎ ◎ ◎ K 3  肉類・魚(毎日) ◎ ◎ ◎ ◎ L 果物・野菜の摂取 ◎ ◎ ◎ ◎ ● 3 年目 グループ 質問項目 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ K 1  乳製品( 1 品 / 日) ◎ ◎ ▲ ▲ K 2  豆類・卵( 2 品/週) ◎ ◎ ◎ ◎ K 3  肉類・魚(毎日) ◎ ◎ ◎ ◎ L 果物・野菜の摂取 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ はい  ▲ いいえ 図 5  質問 D 過去 3 か月間で精神的ストレスや急性疾患を経験しましたか?  2 =いいえ  0 =はい *p<0.05 * * (76) ( )内は人数を示す。 (45) ( )内は人数を示す。 (27) (24) (23) (5) (17) (13) 2.0 1.0 0.0 2.0 1.0 0.0 Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅰ・Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 1.9 1.3 1.3 1.1 1.9 0.4 1.3 1.2

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は見いだせなかった。  ここで,食事に乳製品を取り入れている対象者の総合 評価を確認すると,「栄養状態良好」に約60%「低栄養 のおそれあり」に約40%属していた。乳製品の摂取は高 齢者にとって習慣性に乏しく,栄養状態を保つために重 要であると理解していても,先入観からの摂取拒否も多 い。しかし,施設での昼食時にデザートとしてプリン, アイスクリーム,ヨーグルトなどを提供した場合,抵抗 なく,あるいは楽しみの一つとして受け入れられる対象 者も多い。さらに,提供する料理に副食材として活用し ても,余程乳製品が苦手でない限り受け入れられている ので,管理栄養士としての創意工夫が求められ,さらに 食事時巡回での体調に気遣いながらの声かけが重要と なっている。 ( 4 ) 3 年間継続調査できた対象者20人の総合評価の経 年変化  表 6 1 ∼ 3 に, 3 年間にわたり継続調査できた対象 者20人(男性 2 人,女性18人)それぞれの総合評価,な らびに得点の変動に関与した項目の結果を示した。これ ら20人の経過は,得点が上昇した12人;85.7±6.5歳(表 6 1 ),維持できた 3 人;88.3±1.5歳(表 6 2 ),下 降した 5 人;90.6±2.9歳(表 6 3 )であった。なお, 得点が下降した 5 人は,年齢差において,得点が上昇し た12人とは有意の差(p <0.05)を示した。  まず,得点が上昇した要因は,L;果物または野菜を 毎日 2 品以上摂っている12人,E;神経・精神的問題が ない,F;BMI(kg/m2)の増加,M;水分(水,ジュース, コーヒー,茶,牛乳など)をコップ 5 杯以上摂っている, それぞれの項目に 5 人が該当した。そして,栄養状態の 自己評価と自分の健康状態に関しては, 4 人が栄養状態 に問題はなく健康状態は同年齢の他人と比べて同じくら いと回答し,さらに 5 人は同年齢の他人と比べて健康状 態は良いと回答した。  次に,得点が下降した要因は,A;過去 3 か月間での 食事量が減少,C;歩行能力の低下,D;過去 3 か月間 での精神的ストレスや急性疾患罹患,F;BMI(kg/m2 の低下,H; 1 日 3 種類以上の処方薬服薬,K; ・乳 製品,・豆類または卵,・肉類または魚類などのたんぱ く質の摂取不足,M;水分(水,ジュース,コーヒー,茶, 牛乳など)の摂取不足,それぞれの項目に 2 人ずつが該 当し,原因が多岐にわたった。さらに,I;身体のどこ かに押して痛いところ,または皮膚潰瘍がある,R;ふ くらはぎの周囲長(cm)の減少に,それぞれ 3 人が該 当した。しかし,栄養状態の自己評価と自分の健康状態 に関しては, 3 人が栄養状態に問題はなく同年齢の他人 と比べて健康状態は良いと回答した。  ところで, 3 年間にわたり継続調査できた対象者20人 の中で, 4 人は,BMI 21未満(MNA の配点では 0 点ま たは 1 点)を維持していた。そして,MNA の得点が下 降した 5 人の中には,BMI 19未満を維持していた 2 人 と BMI が毎年減少して BMI 21未満に達した 1 人(93歳) が含まれた。  しかし, 3 年間を通して食事回数はほぼ安定しており, 水分補給を含めて食事内容にも気を配り,なかでも,質 問項目 L;果物または野菜を毎日 2 品以上摂っています か? の得点は, 3 年目にして初めて20人全員が高得点 に至った。  今後は,平均寿命をはるかに超えていることにも配慮 しながら,摂食量や食事内容,食事回数,食欲低下に陥 らないためのストレス回避などに気をつけるとともに, 対象者一人ひとりにあった食べやすい食事形態が提供で きるように心がけたい。 ( 5 )考  察  高齢者の栄養状態の変動には食事に関する項目が大き く関与するのは当然のことではあるが,水分補給支援も 同様に重要である。水分摂取量の減少,脱水の予測には, 質問A(食事量)の結果,つまり食事とともに摂取され る水分量も関係する。このため,高齢者福祉施設に勤務 する介護福祉士をはじめ,高齢者の生活を常に身近で支 援するスタッフは,脱水症状を起こさせないために,食 事や間食が完食できるように促すとともに定時の水分補 給,さらに,天候や空調,高齢者の個々の体調を観察し ながら細やかな水分補給に努めている。  さらに,精神的ストレスや急性疾患罹患,精神的問題, 認知症やうつ状態の程度も必ず視野に入れて,食欲低下, 食事量の低下,BMI の減少などに陥らせないように配 慮している。  また,咀嚼・嚥下機能の低下による食事量の低下にも, 注意が必要である。一人ひとりの栄養状態や食嗜好を考 慮し,より食べやすく,食欲が増進する食事の工夫は, 高齢者にかかわる管理栄養士の業務に対する熱意如何で あろう。W高齢者福祉施設では,管理栄養士が歯科衛生 士他との多職種協働のもと,口腔機能と対象者の嗜好に 配慮しながら, 5 種の食事形態(ソフト食 2 種,やわら か固形食など)11)により食事を提供して好評を得ている。  今回の調査で対象とした在宅高齢者は,介護保険適用 者に該当し,本人または家族の要望により,高齢者福祉 施設の通所または短期入所施設を利用している。この場 合,施設側には栄養ケア・マネジメントの義務は課せら れていない。しかし,在宅高齢者が継続して通所または 短期入所を利用することは,気分転換やストレスからの 解放だけでなく,施設側の支援があれば食生活全般の チェック,健康管理・維持にもつながる。  今回の調査は,対象者が高齢で入れ替わりがあること も予測できたため,調査開始 1 年目の2009年は,対象者 の食生活環境を全体的な傾向として把握することを目的 とした。しかし,調査開始当初から,他職種が聞き取り や測定風景に関心を寄せ,さらに調査結果を勉強会で報

(8)

表 6 ― 1   3 年間で総合評価(Ⅰ~Ⅶ)が上昇した対象者(12人) [I.O 男性] [S.K 男性] 2011年 80歳 2009 2010 2011 2011年 85歳 2009 2010 2011 A 1 2 2 A 2 2 2 C 2 2 2 C 0 0 0 D 2 2 2 D 2 2 2 E 2 2 2 E 2 2 2 H 0 1 0 H 1 2 0 I 0 1 1 I 1 1 1 K 0.5 0.0 0.0 K 0.5 0.5 0.5 L 0 0 1 L 0 1 1 M 0.5 1.0 1.0 M 0.5 1.0 0.5 O 0 2 2 O 2 1 2 P 0.0 2.0 1.0 P 2.0 2.0 2.0 F BMI(kg/m2 3 3 3 F BMI(kg/m2 2 3 3 R;ふくらはぎの 周囲長(cm):CC 1 1 1 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 1 1 1 総合評価 Ⅱ Ⅰ Ⅰ 総合評価 Ⅲ Ⅰ Ⅰ

[S.Y 女性] [M.I 女性] [H.A 女性]

2011年 73歳 2009 2010 2011 2011年 79歳 2009 2010 2011 2011年 84歳 2009 2010 2011 A 2 2 2 A 1 2 2 A 2 2 1 C 0 0 0 C 2 1 2 C 2 2 2 D 2 0 2 D 0 2 2 D 2 0 2 E 1 2 2 E 2 2 2 E 2 2 2 H 0 0 0 H 0 0 0 H 0 0 0 I 0 1 0 I 1 0 0 I 0 1 1 K 1.0 1.0 0.5 K 1.0 1.0 1.0 K 0.5 0.5 0.0 L 0 1 1 L 0 1 1 L 0 1 1 M 0.5 1.0 0.5 M 1.0 1.0 1.0 M 1.0 1.0 1.0 O 1 1 2 O 2 2 2 O 2 2 2 P 0.0 2.0 1.0 P 0.0 2.0 2.0 P 1.0 2.0 2.0 F BMI(kg/m2 3 1 3 F BMI (kg/m2 3 3 3 F BMI(kg/m2 3 2 3 R;ふくらはぎの 周囲長(cm):CC 1 1 1 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 1 1 1 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 0 1 1 総合評価 Ⅵ Ⅴ Ⅱ 総合評価 Ⅳ Ⅰ Ⅰ 総合評価 Ⅰ Ⅳ Ⅰ [K.M 女性] [S.N 女性] [Y.S 女性] 2011年 87歳 2009 2010 2011 2011年 90歳 2009 2010 2011 2011年 90歳 2009 2010 2011 A 2 2 2 A 2 2 2 A 2 2 2 C 2 2 2 C 1 2 2 C 2 2 2 D 2 0 2 D 2 0 0 D 0 0 0 E 2 2 2 E 1 2 2 E 2 2 2 H 0 1 1 H 0 0 1 H 0 0 1 I 1 1 1 I 1 1 0 I 1 0 0 K 0.5 0.0 0.0 K 1.0 0.5 0.5 K 0.5 1.0 1.0 L 0 1 1 L 0 1 1 L 0 1 1 M 0.5 0.5 1.0 M 0.5 1.0 0.5 M 0.5 1.0 0.5 O 0 1 2 O 2 1 1 O 2 2 2 P 2.0 1.0 2.0 P 1.0 1.0 1.0 P 2.0 2.0 2.0 F BMI(kg/m2 2 1 2 F BMI(kg/m2 3 3 3 F BMI(kg/m2 3 3 3 R;ふくらはぎの 周囲長(cm):CC 1 1 1 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 0 0 1 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 1 1 1 総合評価 Ⅱ Ⅳ Ⅰ 総合評価 Ⅱ Ⅱ Ⅰ 総合評価 Ⅳ Ⅰ Ⅰ [H.M 女性] [A.O 女性] 2011年 91歳 2009 2010 2011 2011年 93歳 2009 2010 2011 A 2 2 2 A 2 2 1 C 2 2 2 C 1 2 2 D 2 2 2 D 2 2 2 E 2 2 2 E 1 2 2 H 0 0 0 H 0 0 0 I 0 1 1 I 0 1 1 K 0.5 0.5 1.0 K 0.0 0.5 0.5 L 0 1 1 L 0 1 1 M 0.0 0.5 0.0 M 0.5 0.5 1.0 O 1 2 2 O 2 1 2 P 0.5 1.0 1.0 P 2.0 1.0 0.0 F BMI(kg/m2 3 3 3 F BMI(kg/m2 2 3 3 R;ふくらはぎの 周囲長(cm):CC 0 0 1 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 0 0 1 総合評価 Ⅱ Ⅰ Ⅰ 総合評価 Ⅴ Ⅰ Ⅰ [M.I 女性] やせ型 [I.S 女性] やせ型 2011年 81歳 2009 2010 2011 2011年 95歳 2009 2010 2011 A 1 2 1 A 2 2 2 C 2 1 2 C 1 2 2 D 2 0 2 D 2 2 2 A  過去 3 か月間で食欲不振,消化器系の問題,そしゃく・嚥下困難など で食事量が減少しましたか? C  自力で歩けますか? D  過去 3 か月間で精神的ストレスや急性疾患を経験しましたか? E  神経・精神的問題の有無 H  1 日に 3 種類以上の処方薬を飲んでいる I  身体のどこかに押して痛いところ,または皮膚潰瘍がある K  どんなたんぱく質を,どのくらい摂っていますか? L  果物または野菜を毎日 2 品以上摂っていますか? M  水分(水,ジュース,コーヒー,茶,牛乳など)を 1 日どのくらい摂っ ていますか? O  栄養状態の自己評価 P  同年齢の他人と比べて,自分の健康状態をどう思いますか? E 1 2 2 E 2 1 2 H 0 0 0 H 1 1 1 I 0 1 0 I 1 1 1 K 0.0 0.5 1.0 K 0.0 0.0 0.0 L 0 1 1 L 0 1 1 M 0.5 1.0 1.0 M 0.0 0.5 1.0 O 1 1 1 O 1 2 1 P 0.0 0.5 0.0 P 0.0 2.0 2.0 F BMI(kg/m2 1 1 1 F BMI(kg/m2 1 0 0 R;ふくらはぎの 周囲長(cm):CC 0 0 1 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 0 0 0 総合評価 Ⅵ Ⅵ Ⅴ 総合評価 Ⅵ Ⅳ Ⅳ

(9)

告したことで調査協力も得られ, 3 年目を迎えるに至っ た。  そして, 3 年間の対象者数は,調査趣旨を十分理解し た協力的な参加者に恵まれたため,延べ257人に達した。  MNAは短時間で,高齢者にかかわる誰もが活用できる。 大荷は MNA による栄養評価は高齢者の臨床経過や生命 予後のよい指標になる2 ),また平澤らは“低栄養のリス ク群”は“リスクなし群”より RBC,Hb,Ht,Alb な どが有意に低値を示した4 )と報告している。  したがって,MNA で「低栄養のおそれあり」と判定 された段階で栄養ケア・マネジメントを実施すれば,介 護予防にも有用であろう。  ここで,高齢者の健康管理を継続していく上で,見落 としてはならないものは,精神的ストレスや急性疾患罹 患であった。BMI 指数の変動には主に食生活が関与す るが,食欲を低下させる精神・心理的要因にも注意が必 要である。  しかし,高齢者に聞き取りをする場合,特に認識すべ きことは正確さである。本田も指摘しているように,日 常生活の機能,食習慣,社会的な環境,経済状況,人生 観,価値観など個体間差の幅の広がりの大きい高齢者の 特性を鑑み,十分な聴取により,一人ひとりに即した, 継続あるいは持続した対応が肝要となる12)。高齢者福祉 施設には,いつも高齢者に寄り添う介護福祉士をはじめ, 看護師,作業療法士,理学療法士など,管理栄養士以上 に密接にかかわる医療・福祉職種のスタッフが配置され ている。W高齢者福祉施設において,MNA を用いて 3 年連続で調査できた理由の第一は,多職種が連携して高 齢者を支えようとする誠心,次にこの評価方法が多職種 に受け入れられやすかったこと,そして計測を含めて約 表 6 ― 3   3 年間で総合評価(Ⅰ~Ⅶ)が下降した対象者( 5 人) [M.Y 女性] [A.S 女性] [T.M 女性] 2011年 92歳 2009 2010 2011 2011年 93歳 2009 2010 2011 2011年 93歳 2009 2010 2011 A 2 2 2 A 2 2 0 A 2 2 2 C 2 2 0 C 1 0 0 C 1 2 2 D 2 0 0 D 2 0 2 D 2 2 2 E 1 2 2 E 2 2 2 E 2 2 2 H 1 0 0 H 0 0 0 H 1 1 1 I 1 1 1 I 0 1 0 I 1 1 0 K 0.5 0.5 0.0 K 0.5 0.0 1.0 K 1.0 1.0 0.5 L 0 0 1 L 0 1 1 L 0 1 1 M 0.5 0.0 0.5 M 1.0 1.0 0.5 M 0.5 1.0 0.5 O 2 2 2 O 1 2 2 O 2 2 0 P 1.0 2.0 2.0 P 1.0 1.0 2.0 P 2.0 2.0 2.0 F BMI(kg/m2 2 2 2 F BMI(kg/m2 3 3 2 F BMI(kg/m2 3 2 1 R;ふくらはぎの 周囲長(cm):CC 0 1 0 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 1 0 0 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 1 1 0 総合評価 Ⅱ Ⅳ Ⅴ 総合評価 Ⅱ Ⅳ Ⅴ 総合評価 Ⅰ Ⅰ Ⅱ [T.A 女性] やせ型 [S.O 女性] やせ型 2011年 87歳 2009 2010 2011 2011年 88歳 2009 2010 2011 A 2 2 2 A 2 1 1 C 2 2 2 C 1 0 1 D 2 2 0 D 2 2 2 E 2 2 2 E 2 2 2 H 0 0 0 H 1 1 0 I 0 1 0 I 1 1 1 K 1.0 1.0 1.0 K 0.0 0.5 1.0 L 0 1 1 L 0 1 1 M 0.5 0.5 1.0 M 0.5 0.5 0.5 O 2 2 2 O 2 1 1 P 2.0 1.0 2.0 P 0.5 0.0 0.0 F BMI(kg/m2 0 0 0 F BMI(kg/m2 0 0 0 R;ふくらはぎの 周囲長(cm):CC 0 0 0 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 0 0 0 総合評価 Ⅴ Ⅳ Ⅴ 総合評価 Ⅵ Ⅵ Ⅶ *質問項目は表 6 1 に同じ。 表 6 ― 2   3 年間,総合評価が栄養状態良好を維持できた対象者( 3 人) [M.W 女性] [N.Y 女性] [H.K 女性] 2011年 87歳 2009 2010 2011 2011年 88歳 2009 2010 2011 2011年 90歳 2009 2010 2011 A 2 2 2 A 2 2 2 A 2 2 2 C 2 2 2 C 2 2 2 C 1 2 2 D 2 2 2 D 2 2 2 D 2 2 2 E 2 2 2 E 2 2 2 E 2 2 2 H 0 0 0 H 1 0 0 H 0 1 1 I 0 1 0 I 1 1 1 I 1 1 1 K 0.0 1.0 1.0 K 1.0 1.0 1.0 K 1.0 0.5 1.0 L 0 1 1 L 0 1 1 L 0 1 1 M 1.0 0.5 0.5 M 0.5 1.0 0.5 M 0.5 1.0 0.5 O 2 2 2 O 2 2 2 O 2 2 2 P 2.0 1.0 2.0 P 1.0 2.0 1.0 P 2.0 2.0 2.0 F BMI(kg/m2 3 3 2 F BMI(kg/m2 3 3 3 F BMI(kg/m2 3 3 3 R;ふくらはぎの

周囲長(cm):CC 1 1 1 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 1 1 1 周囲長(cm):CCR;ふくらはぎの 1 1 1

総合評価 Ⅰ Ⅰ Ⅰ 総合評価 Ⅰ Ⅰ Ⅰ 総合評価 Ⅰ Ⅰ Ⅰ

(10)

10分で実施できたことによる。  毎年,調査対象に入れ替わりはあるが,過去 2 年間の 固定率は61.9%で,通所または短期入所へのリピーター 増加を示した。 3 年間の対象者延べ257人の平均年齢は 85歳を超えており,要支援者の利用増加,ならびに施設 入所待機者の増加と関連するであろう。  W高齢者福祉施設では体重計測は毎月実施しており, 初夏から仲秋にかけては暑さによる食欲低下が影響し, 季節間変動がみられる。したがって,ふくらはぎの周囲 長(CC)が追加された MNA Short Form を使用して, 簡易チェックを試みれば,さらにきめ細かな対応が迅速 にできると考えている。  今後も,高齢者が通所または短期入所を利用しながら 在宅での生活が継続できるように,MNA による定期的 な調査を実施し多職種協働により生活支援の継続に努め たい。

ま と め

 高齢者の栄養状態を把握し,QOL の維持や低下防止 の参考とするために,簡易栄養状態評価表(MNA)を 用いて高齢者の栄養状態を 3 年連続して延べ257人に調 査した。   3 年間継続調査できた対象者20人(男性 2 人,女性18 人)のうち,MNA の得点が上昇した者は12人(60.0%), 維持できた者 3 人(15.0%),下降した者 5 人(25.0%) であった。  また,高齢者の健康管理を継続していく上で見落とし てはならないものは,精神的ストレスや急性疾患罹患で あった。BMI の変動には主に食生活が関与するが,食 欲を低下させる精神・心理的要因にも注意が必要で,個 別対応が求められた。  個別対応を進める上で,情報収集は欠かせない。 MNAは短時間で,高齢者にかかわる誰もが活用できる。 MNAの評価項目には,食事回数,摂食量や食事内容, ストレスの有無などがあるため,総合評価が「低栄養の おそれあり」の段階で栄養ケア・マネジメントを実施す れば,介護予防にも有用であろう。

謝  辞

 本研究の実施にあたり,ご協力頂きました,W高齢者 福祉施設の関係者の方々,ならびに川崎医療福祉大学医 療技術学部臨床栄養学科三宅ゼミ所属,16期生,17期生, 18期生に感謝の意を表します。 文  献

1 ) Nestle Nutrition INSTITUTE: http://www.nestlehealthscience. jp/mna/top.asp (Nestle, 1994, Revision 2006. N67200 12/99 10M)

2 ) 大荷満生:高齢者に対する栄養評価の臨床的意義と問題 点,日本臨床栄養学会雑誌,26( 2 ,3 ),227 234(2005) 3 ) 丸山たみ,木川眞美,三浦麻子,清水進:介護老人福祉 施設における MNA(Mini Nutritional Assessment)による 栄養評価の試み,日本栄養・食糧学会誌,59( 4 ),207 213(2006) 4 ) 平澤玲子,蕪木智子,吉野美香,尾高有希乃,佐藤和人: 地域居宅高齢者を対象とした MNA による栄養評価と低栄 養に関連する要因の検討,日本病態栄養学会誌,12( 2 ), 137 147(2009) 5 ) 三宅妙子:高齢者の栄養食事療法,川崎医療福祉学会誌  増刊号,57 67(2010) 6 ) 百木和,宮田早織,喜多未那子,田中理恵,羽生大記: 介護老人保健施設における MNA による栄養評価と骨密度, 食事量との関連,栄養・評価と治療,28( 1 ),28 31(2011) 7 ) 平山優子,大津智香子,小松有紀子,芳野緑,石井敬基, 間崎武郎,村井一郎:高齢者入院患者栄養評価における Mini-Nutritional Assessment-Short Formの有用性,日大医 学雑誌,70( 4 ),203 207(2011) 8 ) 雨海照祥,吉田貞夫,宮津靖,田村佳奈美:Mini Nutritional Assessment(MNA)―高齢者にとっての栄養アセスメント の意義,臨床栄養 別冊(JCN セレクト 2 ワンステップアッ プ栄養アセスメント基礎編),81 96(2010) 9 ) 日本栄養アセスメント研究会 身体計測基準値検討委員 会:日本人の新身体計測基準値(Japanese Anthropometric Reference Date:JARD 2001); 上腕周囲長(cm) 10) 日本栄養アセスメント研究会,身体計測基準値検討委員 会:日本人の新身体計測基準値(Japanese Anthropometric Reference Date:JARD 2001); 下腿周囲長(cm) 11) 三宅妙子,石井恭子,安達薫里,池田陽子:高齢者福祉 施設における栄養サポート体制の確立に向けて―新しい食 事形態の導入―,日本食生活学会誌,20( 3 ),239 250(2009) 12) 本田佳子;高齢者の医療栄養,防菌防黴,36( 1 ),29 35(2008)

表 6 ― 1   3 年間で総合評価(Ⅰ~Ⅶ)が上昇した対象者(12人) [I.O 男性] [S.K 男性] 2011年 80歳 2009 2010 2011 2011年 85歳 2009 2010 2011 A 1 2 2 A 2 2 2 C 2 2 2 C 0 0 0 D 2 2 2 D 2 2 2 E 2 2 2 E 2 2 2 H 0 1 0 H 1 2 0 I 0 1 1 I 1 1 1 K 0.5 0.0 0.0 K 0.5 0.5 0.5 L 0 0 1 L 0 1 1 M 0.5 1.0

参照

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