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その中で、RA 患者が上肢手術に求めるレベルも高くなって いる

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Academic year: 2021

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(様式 6-A)A. 雑誌発表論文による学位申請の場合

大倉 千幸 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨

題 目

The long-term patient reported-outcomes of elbow, wrist, and hand surg ery for rheumatoid arthritis

(関節リウマチの肘、手関節、手における術後長期の患者報告アウトカム)

International Journal of Rheumatic Diseases,in press.

Chisa Okura, Hajime Ishikawa, Asami Abe, Yukio Yonemoto, Koichi Okamura, Takahito Suto, Tomo Oyakawa, Yusuke Miyagawa, Hiroshi Otani, Satoshi Ito, Daisuke Kobayashi, Kiyoshi Nakazono, Akira Murasawa, Kenji Takagishi, Hirotaka Chikuda

論文の要旨及び判定理由

関節リウマチ (RA) の治療は生物学的製剤の登場によりこの 15 年の間に大き く進歩してきており、リウマチ患者の ADL (Activities of daily living)も大 きく改善している。その中で、RA 患者が上肢手術に求めるレベルも高くなって いる。

RA の上肢手術は関節破壊が中等度以上に進行し、関節変形、不安定性、可動 域制限にために身の回り動作(食事・整容・トイレ・更衣・入浴)で不自由を感 じる場合や、腱断裂、絞扼性神経障害がみられる場合、また薬物療法が効果不十 分で、限局された数ヵ所の関節に 6 ヵ月以上有痛性滑膜炎が持続する場合など に行われる。いままでのいくつかの RA 上肢術後の報告があるが、これらで評価 されていたのは、いずれも痛みを除いて手術部位関節の機能スコアや X 線学的 評価、インプラントの生存率などの客観的評価のみであった。最近治療効果の判 定においても、PRO’s (Patient-Reported Outcomes:患者報告型アウトカム) が重要視されてきており、今回我々は

RA の肘関節、手関節、手関節手術の長期的なアウトカムを調査するために、レ トロスペクティブなアンケート調査を行い、RA 上肢術後10年以上経過した患 者さんの、主観的および客観的なアウトカムを調査した。

2002 年 1 月から 2003 年 12 月までの間に、113 人の RA 患者が新潟県立リウマチ センターで RA の肘、手首または手の手術を受けた。手術後 10 年間の結果を評 価するために、手術部位について我々が独自に作成したアンケートを施行して

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患者報告型アウトカムを調査し、また the modified Stanford Health Assessm ent Questionnaire (mHAQ) も使用した。67 人の患者(98 部位)から回答が得 られ、手術後 10 年間で、the disease activity score 28-erythrocyte sedime ntation rate (4) (DAS28-ESR (4))および患者の mHAQ スコアは有意な改善を示 した。患者のほぼ 85%が手術部位での結果に満足していた。

症状改善の理由として最も多かったのは、すべての手術部位において「疼痛緩 和」であった。「外観がよくなった」という報告は手指の手術後に多く、「力が強 くなった」という答えが手関節および母指手術後に多く報告された。肘の手術に 関しては、患者の 30%が動きと力の増加に満足していた。対照的に患者の約 2 0%は、肘と母指手術後に手術部位周辺の力が減少するいう訴えもあった。我々 独自の患者報告型アウトカム評価ツールは、肘と手関節と手の手術が RA 患者に 長期にわたる利益をもたらしたことを明らかにした。手術部位によって有効性 が異なっていたが、痛みの軽減が最も有利な効果であった。また、薬物療法の進 歩も、患者の 10 年後の手術の結果に影響を与えた可能性もある。

上記の知見は、良好に疾患活動性がコントロールされている RA 患者群におい て、RA 上肢術後の改善が長期にわたり維持されている可能性を示唆していると 認められ、博士(医学)の学位に値するものと判定した。

(平成 30 年 6 月 26 日)

審査委員

主査 群馬大学教授(医学系研究科)

病理診断学分野担任 小山 撤也 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

リハビリテーション医学分野担任 和田 直樹 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

腎臓・リウマチ内科学分野担任 廣村 桂樹 印

参考論文 なし

参照

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