[資料紹介] 大阪府立商工経済研究所『府下中小製 造業における事業転換』
その他のタイトル [Material] Business Conversion of Small‑Medium Manufacturing Industries in Osaka Prefecture by Institute of Economic Research, Osaka Prefectural government.
著者 田中 充
雑誌名 關西大學經済論集
巻 22
号 3
ページ 395‑407
発行年 1972‑10‑20
URL http://hdl.handle.net/10112/15000
395
資 料 紹 介
大阪府立商工経済研究所
『府下中小製造業における事業転換』
経研資料 No. 555, 昭和47年4月, pp.99 (B 5判)
田 中
充
は し が き
現在,わが国中小企業がいわゆる産業構造の動態的な構造的変動過程をつうじて今後積 極的に存続•発展して行くための重要な一方策として「事業転換」があるということは周 知のとおり9である。
中小企業における事業転換の問題は,中小企業経営者自身はもちろんのこと,関係ある 為政者,そして,中小企業問題研究にたずさわる学究者等にとっても,たとえば,中小企 業の行動研究という立場から,政策的指針として,あるいはより一層の学問的な課題でさ えあるのである。
しかしながら,このような課題への探究アプローチは,主として現実的に,あるいは実 態に則して行なわれなければならない。そのため,これらに必要とされるところのいわば 現実的資料等は量的にはもちろんのこと,質的にも高度で,より精錬されていることが必 須の条件であるということは今さらここにのべるまでもないであろう。
ところで,いかなる貴重な文献・ 資料といえども,それがいわゆる商業ベースにのせら れていない限り,比較的,一般者の目に触れる機会が少ない場合がありうる。それらが何
らかの形で引用され,あるいは参照文献としてとりあげられてはじめて周知されるにいた るのである。
ここに紹介しようとしている資料は,以上においてのべてきたような中小企業当面の問 題,なかんずくその事業転換の問題に関心を寄せている者にたいしては重要な基礎的参考 資料を提供しているとともに,それ自体においても画期的な実態調査報告書でもある。
そこで本小稿の意図は,このような意味からも本資料をできうる限り,その重要とおも われる個所・章句等をつうじて素描し,広く紹介することにある。
125
396 隅西大學『継清論集」第22巻第 3号
なお.本資料は.本学には専門図書館および経済政治研究所宛に寄贈されているという ことを附記しておこう。
I
さて,本資料は.後にその調査目的の項でもみるが,丸山秀雄所長がはしがきにおいて ものべられているように,現在, 中小企業者は. 「いずれも内外のきびしい経済環境に直 面」(はしがき)しており,「新しい環境への適応を迫っている」(はしがき)が,「すでに 府下の中小工業(約5万7,000)でもかなりの企業が,その長所である『小回り』,『バイタ
リティー」を生かして,事業転換を行ないつつある。
そこで. このような動きの実態を明らかにするために, 『中小工業における事業転換J
をテーマーとして, 46年度に調査を行なった次第であり」(はしがき).一応.その第一義 的な意図は,「関係者各位にとって事業転換を考えるにあたっての足がかり」(はしがき)
をあたえることにおかれている。
そして本調査の実施は,府下の商工会議所,商工会の経営指導員および,調査対象企業 等の協力をえて,阿曽邦雄・杉谷敏夫・上野紘•山下博•松岡信明等の所員五氏が担当さ れている。
そこでまず,本資料の構成を目次にしたがって列記すれば以下のとおりである。
調査概要 I 企業概要
1. 転換形態別・従業員別企業数 2. 転換形態別•業種別企業数
4. 創業年 4. 企業組織 5. 企業形態 6. 資本金規模 7. 従業員平均年令 8. 売上高の推移 1I 事業転換内容
1. 実施年次 2. 業種別転換内容 3. 生産品種の変更内容 126
『府下中小製造業における事業転換』 (田中)
4. 同一品種の変更内容 5. 非製造業への業種転換内容 6. 生産・加工形態の変更 頂 事業転換時の経営者像
1. 事業転換時の年令 2. 経営者の学歴 3. 創業者か否か 4. 団体役員歴 IV 転換実施理由
V 転換実施に伴なう諸問題 1. 情報の入手先 2. 既存設備の活用状況 3. 所用資金額 4. 主要原材料の変更 5. 取引先の変化 6. 資金の使途 7. 資金の調達方法 8. 資金の借入先 9. 直面した問題 VI 転換後の成果
1. 売上げ 2. 収益 3. 従業員数
4. 企業イメージ・信用 5. 勤 労 意 欲 ● 定 着 率 6. 成功ならびに失敗の理由 7. 成功が予想される形態
w 今後の転換計画
II
397
本資料の構成は上記の目次にみられるとおりであるが,以下において逐次紹介するにあ
398 闊西大學『継清論集」第22巻第3号 たり,まずその調査概要からみておこう。
すなわち, 調査目的としては, 「内外のきびしい経済環境とくに国際化や技術革新の進 展さらに需要構造の変化に対応して,中小企業が安定した成長を遂げるためには,時代の 要請に応じたあるいは新しい需要を起こしうるような新製品もしくはより成長度の高い業 種へ事業を転換させていくことがなによりも必要である。現実には,すでに多くの中小企 業がこの道を歩みつつあるし,今後さらにこの道を志す中小企業は一層増加を辿るものと 思われる」 (1ページ)ということから,「府下における中小製造業者について.この際事 業転換の実態をできるかぎり把握し.その形態・実施上の問題点あるいは実施後の成果を 明確にすることにより,事業転換を志す中小企業ならびに商工行政担当者に対する一つの 資料を提供することを目的としている」 (1ページ)。
そして調査対象企業は, 「府下の中小製造業者のうち,原則として昭和3呻辺月以降昭 和46年9月1日までに事業転換を実施したもの」 (1ページ)におかれており, その事業 転換については,「『業種転換』,『生産品種の全面的変更』,『生産品種の部分的変更Jおよ び『同一品種での変更』の4形態」 (1ページ)に分類されている。
なお,これらの4形態について若干の解説がつけ加えられているのでここに引用して列 記しておこう。
すなわち, 「『業種転換」とは日本標準産業分類表による小分類 (3桁)間以上で移動 を行なったもの。
『生産品種の全面的,部分的変更」とは日本標準産業分類表細分類間以下での移動を行 なったもの。
『同一品種内での変更」とは同一商品について,大衆品から高級品へ,内需から輸出へ などの転換を行なったもの」 (1ページ)である。
さて.調査方法は対象企業にたいしてのアンケート方法で行なわれているが.その回収 枚数は251で,そのうち有効回答数は142であるので,有効回答率は56.6彩ということにな る。したがって.「調査結果を理解するための前提」として,「有効回答数が少ないことも あって,この調査結果が直ちに府下中小工業における事業転換の全ぼうを伝えるものでな ぃ」 (2ページ) ということを自認し, 「あくまでも現状の一端なり, 傾向を伝える一資 料」 (2ページ)と謙虚な態度が示されている。 しかしながら. このようなことは実態調 査一般についてみられるところのいわば限界性でもあり,また本調査がいかにその実施に あたり困難性を伴なったものであるかということを如実に物語るものであり.それだけに この種の実態調査としてはやはり画期的なものとして,その意義は高く評価されてしかる
128
『府下中9卜製造業における事業転換
J
(田中) 399 べきであるといえよう。I I I
1 企 業 概 要
さて,調査対象である企業の概要としてまとめられている項目からみていくと,まず,
転換形態別・従業員規模別企業数が表示されているが,そこでは,「企業数合計は142企 業
(うち製造業127企業)で,転換形態別では業種転換 (54企業),生産品種の部分的変更 (55企業)がとくに多く,従業員規模別では20人以下企業がもっとも多い」 (3ページ)
ということが特徴としてあげられている。
1‑1 転換形態別・従業員規模別企業数 業
転 種換
生寮の<産全口品面>種的 生変の<産更部ハ品分>櫨的 内同一の変品種更
卦転へ<環換のホ造業>業種
製造業計
<ィ・ロ・ 合 計
<ィ> <二> ハ・ニ>
20人以下
I
(96閤 (100)1I
(4/ぶI
(7/お (86.1 73) (73.9 23)I
(741.0 66)21 100人
I
(1.ぉ I ゜ I
(25.1 54)I
(17. 63 )I
(13. 32 )I
(14.1 28)I
(14.2 20)101300人
I
(1.ぉ I ゜ I
(2/ぉ I ゜ I ゜
(10.1 23)I
(9.1 13 )301人以上
I
0I ゜ I
(3.ぉ I
(5. もl ゜ I
(2. 43 )I
(2,‑3 1)計 (100.5 04) (
I
100. 01 ) (100.5 05)I
(100.1 07 )I
(100.1 05) (1001.2 O7) (I
1001.4 02)注) ( )内は計を100とした構成比 出所: 3ページ。
以下,主として調査結果の集計表を中心として,それぞれの特徴あるいは傾向について のべられている章句を引用しつつ紹介していくことにする。
まず,「転換形態別•産業分類別企業数」 (I-2 表ー 5 ページ)については, 「業種は ほぼ全業種にわたっているが, とくに一般機械, 金属製品, その他製造, 繊維工業が多 ぃ」 (5ページ)ということがその特徴としてあげられている。
また,企業の「創業年」 (I‑3表ー7ページ)においては, 「昭和「21 3哨三』 (39.5 96), 『31 4岬」 (37.9彩)の順で,規模別では規模の大きくなるにつれて創業年も古い」
129
400 闊西大學『継清論集』第22巻第3号 (7ページ)ということが指摘されている。
また,「企業組織」 (1‑4表ー8ページ)では,「株式会社がもっとも多く, 次いでは 個人企業である。しかし,『業種転換」では個人企業が多い」 (8ページ)という結果があ
らわれている。
また,「企業形態」 (1‑5表ー9ページ)については, 「独立企業が50.4彩, 下請企業 が49.6%であるが,『業種転換Jでは下請企業が64.0%になっている。従業員規模別では
『20人以下』に下請企業が多い」 (9ページ)ことが指摘されている。
つぎに,「資本金規模」 (1‑6表ー10ページ)は,「製造業計の62.6彩が500万円以下で あり,『業種転換』では90.3彩とさらに高くなっている」 (10ページ)が, 「従業員平均年 令」 (1‑7表ー11ページ)については,「昭和35年が30.5才, 46年が33.6オで,46年では,
『生産品種の全面的変更』を除いては.『業種転換』の34.0オがもっとも高令である」(11ペ ージ)とされている。
そして,「売上高の推移」 (1‑8表ー12ページ)をみると, 「昭和45年度製造業売上高 の対35年度比は317.2%増で,府下製造業の出荷金額の同比率267.4%増よりかなり高水準 である。転換形態別では『同一品種内の変更』の伸びが目立って高い」 (12ページ)とい
うことが指摘されている。
また. このことは, 「本調査企業の売上高伸び率を府下製造業全体の出荷金額伸び率と 比較してみると, 府下製造業では45年の対3胡三比が267.4彩であることからして.本調査 の製造業計の327.3%はかなり高水準であることを示している。そして1企業当り売上高 も府下平均よりかなり高額でもあることがみられよう」 (1314ページ) とのべられてい る。
すなわち,何らかの形で業種転換に踏み切った企業がその売上高の伸びからみて,一応 成功しているという実証を示しているものとして注目に値するであろう。
直事業転換内容
つぎに,事業転換内容についての調査結果について,まず,「実施年次」(II‑1表ー15ペ ージ)では,「全企業の約80彩が昭和40年以降である」 (15ページ)ことが.その特徴とし て指摘されている。ことに, 「『業種転換』が40年不況を越した42年に20.8彩転換してお り.不況の痛手を経験し, その業種からの脱却を意図した様子もうかがわれる」 (15ペー ジ)ことが強調されている。
「業種別転換内容」 (II‑2‑<1>表)ー16 17ページ)については,「『業種転換』
では金属製品への転換が37.5彩を占めてもっとも多い」 (18ページ) と指摘されている。
130
『府下中小製造業における事業転換』 (田中) 401
そして,「生産品種の変更内容」 (Il‑3表ー21 23ページ)については, 「『生産品種の 部分的変更」では機械および繊維関連業種を中心として生産品種の追加(経営の多角化)
が多い」 (20ページ)とされている。
また.「同一品種における変更内容」 (Il‑4表ー24ページ)では, 「原材料•素材の変 更および大衆品から高級品への転換が多い」 (24ページ)ことが指摘されている。
また.「製造業以外の業種別転換内容」 (Il‑5表ー25ページ)では. 「不動産賃貸業.
建設工事業への転換が多い」 (25ページ)。
なお.「生産形態等の変更」 (Il‑6表ー26ページ)については. 「事業転換によって生 産・加工形態に変更が『あった』とするもの60彩強で.その内容では『部品生産から完成 品生産』への変更がもっとも多い」 (26ページ)ということが傾向的特徴として指摘され ている。
直事業転換時の経堂者像
ここでは,「事業転換時の年令」 (ill‑1表ー28ページ). 「経営者の学歴」 (ill‑2表一 29ページ).「創業者か否か」 (ill‑3表ー30ページ).そして,「団体役員歴」 (ill‑4表一 31ページ)等についての調査結果があげられているが.「皿ー1」では「41 50オがもっ とも多い」 (28ページ)こと.「m‑2」では「50.4%が高校卒J(29ベージ). 「ill‑3」 については,「製造業では73.9彩 (85企業),合計でも73.4彩が創業者である」 (30ページ)
こと.そして.「ill‑4」では.すなわち.「団体役員歴ありとする経営者は30.6%(製造 業で,事業協同組合等の役員がもっとも多い」 (31ページ)とそれぞれの特徴が描かれて いる。
IV転換実施理由
さて.つぎに調査は.「事業転換を実施した理由を経営事情 (8項目),生産事情 (4 項目),市場事情 (7項目)からみている」 (32ページ)が.その結果.次の5つの理由が 上位を占めているということは注目に値するであろう。
「1売上げ高の伸びが鈍化傾向にあったため。 2高い収益をうるため。3需要構造の 変化への対処。 4新製品・新技術の開発による。 5同業者との競争激化」 (32ページ)
V 転換実施に伴なう諸問題
つぎに,企業の転換実施に伴なう諸問題に関して調査がすすめられているが, まず.
「情報の入手先」 (V‑1表ー36ページ)という調査結果からみていこう。
すなわち.この項に関しては,入手先として,転換先の業界•同様転換の既実施企業・
取引先•転換前の同業者•業界紙・公立試験研究機関•その他等があげられているが,
131
402. 園西大學『継演論集」第22巻第3号
なかんずく,「同じような転換をすでに実施した企業からの情報入手が過半数を占めてい る」 (36ページ)のが, その特徴としてあげられている。そしてまた,「とくに,『同じよ うな転換の既実施企業」が多かったことについては,転換に伴なう各種の情報は企業秘密 に属するし,当該企業としては他企業に提供したくない気持が働くし,事実2, 3の商工 会議所からは調査に協力が得られなかったとの連絡を受けていただけに予想外であった」
(36ページ)こと,「また,第2位の『転換先の業界から』についても,企業間に排他的,
閉鎖的な感情が少ないことを物語るもので, 意外であった」 (3637ページ)とのべられ ているが,このことは,中小企業者,ことにその同業者間における個別的ライバル意識と いうよりはむしろ,自分達自身の同階層における共存共栄のためといういわば前向きの連 帯意識のあらわれとして高く評価しうるとともに,「以上に反して,『業界紙』,『取引先』,
『公立試験研究機関』は4形 (5企業) 0.8% (1企業)と非常に少なかったが, とく に『公立試験研究機関』については,これら機関に対する企業者の認識不足や事業転換の ような危険の大きな相談指導に対するこれら機関の限界を示すものではないかと思われ る」 (37ベージ)ということと対象的であるとして,まさに注目に値する事実の一端とい えよう。
つぎに,「既存設備の活用状況」 (V‑2表ー38ページ)については,「製造業計では『全 面的活用』が32.5%を占めているが,『業種転換』では「廃棄処分』が,『生産品種の部分 的変更』・『同一品種内の変更』・『非製造業への業種転換』では「全面的活用」が一番多く なっている。
また『20人以下」では『廃棄処分』の多いのが目立つ」 (38ページ)と説明されている。
また,「所用資金額」 (V‑3表ー41ページ)では, 「製造業では『100万円以上500万円末 満」 32.8鍬 『100万円末満』 26.9%が多いが,従業員規模の大型化につれて所要資金も増 加している」 (41ページ)ことなどがあげられている。
つぎに,「主要材料の変更」 (V‑4表ー43ページ)については,「転換形態からみても,
当然『業種転換』が59.6形と高くなったが,『同一品種内の変更』が予想外に高く,『非製 造業への業種転換』が予想外に低かった」 (43ページ)ことが示されている。そして,『同 一品種内の変更』に関して,新旧原材料があげられている。
すなわち,「新原材料ー合成繊維綿(旧原材料ースパンレーヨン:以下同じ),フラノ生 布(ビニール),アクリル(ユリヤ), プラスチック(貝), プラスチック (ガラス), 布
(皮),素鋼板(鉄板),鋳物(マレープル)」 (44ページ)等である。
また,「取引先の変化」 (V‑5表ー45ページ)については,「転換形態別では,『業種転 132
IV転換実施理由 経営事情生産事情市場事情 企 ィ'ロノ二ホヘ卜チィ口Iヽ二ィ口Jヽ二ホヘ卜 高い収収益が売上高労{蒻力公害取引先取引先特新製品設備の新・原料特他で(I:国内大外国企需要構同業者発展途特業 益を得悪化しの伸び確保困問題の要求の倒産に新技術旧式化新技術に持品・企業の業の進造の変との競上国のに るためたためが鈍化難なの開発陳腐化が開発な競争品 進出出化への争激化追い上な数が開発 傾向しされたしされた対処げし 業種 5 4 54 転換15 12 27 1
゜
11 2 10 1 1 16 2 2 .0 3 10 〈イ〉(27.8) (22.2) (50.0) (13.0) (I. 9) (I. 9/ (3.8) (18.S) (I. 9) (1. 9) (29.6) (3. 7) (3. 7) (5.6) (18.5) (9.3) (7.4) 生産品種 の全面的1
゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜
1 変更(100.0) 〈口〉 生産品種 の部分的26 7 19 5゜
111 1 19 4 4 19 11 1 3 29・ 12 3 6 55 変更(47.3) (12. 7) (34.5) (9. I) (20.0) (1.8) (1.9) (34.5) (7.3) (7.3) (31.S) (20.0) (1.8) (5.5) (52. 7) (21.8) (5.5) (1~9) 〈ハ〉 同一品種 内の変更5 1 5 1
゜
6゜ ゜
5゜
16 1
゜ ゜
5 1 5 2 17 〈二〉(29,4) (5. 9) (29.4) (5. 9) (35.3) (29.4) (5. 9) (35.3) (5. 9) (29.4) (5. 9) (29.4) (11.8) 非製造業 へ転似の業種
,
1 4 6 1 1゜
.1゜
1゜
5゜ ゜ ゜
32
゜
1 15 (60,0) (6. 7) (26, 7) (40.0) (6. 7) (6. 7) (6. 7) (6. 7) (33.3) (20.0) (13.3) (&. 7) 製造業計47 20 51 13
゜
182 3 34 5 6 41 13 3 3 37 23 JS 12 127 (イ・11•1ヽ•二)(37.0) (15. 7) (40.2) (19‑2) (14.2) (1.6) (2.4) (26.8) (3. 9) (4. 7) (立8)(10.2) (2.4) (2.4) (29.1) (18.1) (19.2) (9,4)
^
ロ計56 21 55 19 1 19 2 4 34 6 6 46 13 3 3 40 25 13 13 142 (39.4) (IU) (38. 7) (13.4) (0. 7) (13.4) (1.4) (2.9) (23,9) (4.2) (4.2) (32.9) (9. 2) (2.1) (2.1) (28.2) (17.6) (9.2) (9.2) 注):()内は転換理由について回答のあった形態別企業数に対する比率である。 出所:33‑糾ページ。﹃苺 T廿ヽ l︐幽悔雌竺い 35t}が嶋濾舞曲﹄ ︵田廿︶ 403
404 醐西大學『継清論集』第22巻第3号
換』および『非製造業への業種転換』が,また従業員規模別では規模の小さな企業ほど.
取引先の『変った』率が高い」 (45ページ)こと. 「資金の使途」 (V‑6表ー46ページ)
では, 「設備資金が大半を占め,次いで運転資金である」 (46ページ)こと.「資金の調達 方法」 (V‑7表ー47ページ)としては,「借入金が製造業では53.2%,合計では54.8%を 占めていること」 (47ページ),そして,「資金の借入先」 (V‑8表ー48ページ)は「都銀 (45.0彩), 政府系金融機関 (35.0彩)となっている」 (49ページ)ことなどがそれぞれの 特徴としてあげられており,ことに,「資金の借入先」については,「転換形態と借入先の 関連性では, 『同一品種内の変更」で『政府系金融機関』が高い比重 (54.5彩)を占めて いるのが注目される」 (49ページ)と指摘されている。
さて,「転換に際して直面した問題」 (V‑9表ー50ページ)の調査は重要なものである が,ここでは.「必要な情報の入手」.「既存股備の処理」. 「所用資金の確保」. 「従業員の 教育」.「取引先の確保」.「転換への意思決定」,「その他」などが項目とされている。そし
‑;(,, その回答結果として. 「製造業計では『情報の入手先』が第1にあげられ,ついで,
『所用資金の確保』,『意思決定』,『取引先の確保』の順で多く,転換形態別では『業種転 換』〜「非製造業への業種転換』を通じて『情報の入手』が第1にあげられているもの の,第 2位としては,『業種転換』では『意思決定』. 『生産品種の部分的変更』, 『同一品 種内の変更』, 『非製造業への業種転換』では庁斤用資金の確保があげられている」 (50ペ ージ)。そして,「事業転換に際して直面した諸問題は,……いずれにしろ,各業種,各規 模,各転換形態において,まず転換についての情報をもっと必要としていることも注目し なければならない」 (52ページ)と強調されている。
VI 転換後の成果
企業の転換後の成果については,「経営にどのような結果があらわれているか」 (53ペー ジ)という調査が行なわれており,その結果,「売上げ」(VI‑1表ー53ページ)については,
「企業の約7割 (68.3彩)が売上げの「増加』をみているが, 『業種転換』ではようやく 半数 (51.9彩)が『増加』に止まっている」 (53ページ)こと. 「利益」 (VI‑2表ー55ペ ージ)では,「『増加』は売上げの『増加」より割合は少ないが.『減少」の割合は売上げよ り少なくなっている」。「それでも転換したことによって利益の増加が約60彩の企業でみら れていることはそれなりに評価してよいであろう」 (55ページ)ということ.「従業員数」
(VI‑3表‑57ページ)においては,「製造業計では『変わらない」とするものがもっとも 多いが,『生産品種の部分的変更』および「非製造業への業種転換』では『増加」が『変 わらず」を上回り,従業員規模別では20人以下を除くと,『増加」の方が多くなっている」
134
『府下中小製造業における事業転換』 (田中) 405 (57ページ)こと,「企業イメージ・信用」 (VI‑4表ー59ページ)では, 「全体の約6割 が「高まった」としているが,『業種転換』および20人以下企業では50彩を下回っている」
(59ページ)こと,「勤労意欲・定着率」(VI
―
5表ー60ページ)では,「企業の半数が『向上 した」としているが, 20人以下企業では低水準である」 (60ページ)ことなどがそれぞれ 要約的にのべられている。つぎに.「成功ならびに失敗の理由」 (VI‑6表ー62ページ)については. まず,「成功 か失敗かの尺度は個々人の意識によっても異なろうが,一つに先の項目の転換に際して直 面した問題が比較的スムーズに解決され,しかも転換前に比較して売上げあるいは利益が 増加するなどにより,転換理由が解消したら,それで転換が成功したとみてもよいと思わ れる。その意味ではすでにみた転換後の成果で売上げおよび利益が増加したとする企業が 多かったことからみて一応成功したと思われる企業が多いということになろうが,ここで は,こうした状況と合わせてこれまでの諸問題を念頭におきながら.成功あるいは失敗の 状況をみてみよう」 (61ページ)という立場から,以下のような結果をえている。
すなわち,「製造業計で73.2彩の企業で転換が『成功Jしたとみている。成功の理由と しては『製品に対する需要予測が正確だった」が約37%を占めてもっとも多い。しかし,
転換形態によって多少の違いがみられる」 (62ページ)。
業 種 転 換 部 分 的 変 更 生 産 品 種 の
1 I
転 換 前 業 種 と 品 種 衣服その他繊維製品(作業手袋)
木材木製品(シート組立加工)
金 属 製 品 ( ベ ア リ ン グ )
II (ナッ ト) 一 般 機 械 ( 印 刷 機 械 ) 電 気 機 械 ( 配 電 盤 加 工 ) そ の 他 製 造 ( プ ラ ス チ ッ ク 鉛 ) 食 料 品 小 売 ( 牛 乳)
(鮮 魚)
従 来 業 種 と 品 種 電気機械(冷蔵庫部品)と 一 般 機 械 ( 電 槽 部 品 ) 繊 維 工 業 ( 綿 ス フ 織 物 )
出所:64ページ。
転 換 後 業 種 と 品 種 ゴ ム 製 品 ( ゴ ム 製 手 袋 ) 金 属 製 品 ( バ ネ 加 工 )
(建築金物)
( )
般 機 械 ( 各 種 機 械 ) 金 属 製 品 ( プ レ ス 加 工 ) その他製造(プラスチック成形加工)
衣服その他繊維製品(作業服)
一 般 機 械 ( ベ ア リ ン グ ) 追 加 業 種 と 品 種 木 材 木 製 品
(キャビネット部品)
繊 維 工 業 ( 撚 糸)
135
136
VI‑6 成功ならびに失敗の理由 406
.. 成功の理由失敗の理由 成失対 事生
' ! 製資
販競従対事生
I l'i
製資販競従対 前産品金路争業前産品路争業 象のIll! が員象能の開員 象 調能が拓激の調需金拓がの 需が協率が協 企査率要十 ぅし ヵ企査 が
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54 8 4 5, ゜
105 6 35 2
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3 1
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4
゜ ,
偉.8)(16.7) (100.0) (22.9) (11.4) (11.3) (25.9) (28.6) (14.3) (17.1) (22.2) i33.3) (11.1) (44.4) 生産品種の全面1゜
11
゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜
1 的変更〈口〉(100.0) (100.0) (100.0) 生産品種の部分47 2 55 6 6 14 19 1 12 5 12 47 1 1
゜
1゜ ゜ ゜
12 的変更〈ハ〉(85.5) (3.6) (I叩.0)(12.B) (12.8) (29.8) (40.4) (2.1) (25.5) (10.6) (25.5) (50.0) (50.0) (50.0) 儘.0) 同一品種内の10
゜
171 2 2 6 1 3 1 2 10 変更〈二〉(58.8) (100.0) (10.0) (20.0) (20.0) (60.0) (10.0) (30.0) (10.0) (20.0) 非製造業への業12
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152
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3
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7 2
゜
12 種転換〈ホ〉(闘.0)(IOU) (11. 7) (25.0) (58.3) (16.7) 製造業計93. 11 ・21 16 12 24 34 2 25 11 20 98 2 1 4 1 1
゜
41 11 〈イ・ロ・ハ・ニ〉(73.2) (8.7) uoaoJ (17.2) (12.9) (25.8) (36.6) (2.2) (26.9) (11.8) (21.5) (18.2) (9.1) (36.4) (9.0) (9.1) (36.4) (9.1) A ロ計105 11 42 18 12 24 34 2 32 13 21 ・10s 2 1 4 1 1
゜
41 11 (73.9) (7. 7) (100.0) (17.1) (11.4) (22.9) (32.1) (1.9) (30.5) (2.9) (20.0) (18.2) (9.1) 儘.4)(9.0) (9.1) (孤.4)(9.1) 湮固汁将『隙睾酪装」瀕22~ffi3‑fJ・
注):成功の理由の項目の%は成功企業を100とし,失敗の%は失敗企業を100としている。 いずれも回答が2つ以上ある場合があり,合計は100%を超える。成功十失敗が対象企業と合わないのは未記入があるため。 出所:62ページ。
『府下中小製造業における事業転換」 (田中) 407
なお,「失敗したとみる企業」 (64ページ) について, 「もちろん,これら企業および業 種で転換が失敗したからといって,失敗の直接的原因が転換業種にあるということは本調 査でいえることではない」 (65ページ)と一応断り書きがつけられているも, やや具体的
にそれらの業種および品種があげられている。
また,「成功が予想される形態」 (VI‑7表ー65ページ) としては, 「絶対的とはいえな いが, 『生産品種の部分的変更」の形態が転換を成功させるにもっともよい形態であると いう状況があらわれている」 (65ページ)ことが調査結果からのべられている。
頂今後の転換計画
最後に,本調査は,企業の「今後の転換計画」(珊表ー67ページ)について行なわれてお り,その結果として, 「今後さらに事業転換を行なう計画が『ある』 とするものが過半数 を占めているが, 『生産品種の部分的変更』の約80形が『ある」としているのに対して,
『業種転換』では約40%に止まっている」 (67ページ)ことがあげられているが, これら に関しては, 「すでに実施した転換の成否や難易によって, 今後の転換意欲に多少の違い が出てきたものであろう」 (67ページ)とのコメントがつけ加えられている。
そして最後に,「従業員規模別では, 20人以下の製造業で「計画あり』が44.9彩と一番 少なく, 21 100人の94.1彩が一番高くなっている」 (67ページ)こと, また, 「先に「転 換に失敗」とした11企業について計画の有無を調べてみると, 7企業 (63.6%)が『あ り』, 2企業が『なし』,残りは未記入で,製造業計の『あり」 56.2彩を上回っており,引 続き転換への意欲を持ち続けている」 (67ページ) と本調査結果をむすんでいるが,われ われは,この章句から,中小企業者が「業種転換」ということについてかれら自身積極的 な態度を示しているということを切実にうかがい知ることができ,そして,それだけに本 調査がいかに有意義なものであったかということをも容易に知りうるのである。このこと
を強調して筆をおくことにする。
(1972年7月10日)
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