特異 的 D N A 増幅反 応 法を用 いた ヌ ー ドマ ウ ス に おける
ヒ ト 転移 腫 瘍 細胞 の 定 量 的 検 出
金 沢 大 学が ん研 究所 化学 療 法 部 (主任: 佐々木 琢 磨 教 授)
太 田 安 彦
( 平 成3 年1 2月27 日受付)
ヌ ー ドマ ウスを用いた転移 実験 系をヒ ト腫 瘍の転 移 巣に対 する治 療 実験モデルと し て応 用 する た め に は, 定 量 性と迅速 性を兼ね備え た転 移 腫 瘍の検 出 法を確立する必 要がある. 本 研 究で はよ 転 移ヒ ト腫 瘍 細 胞の特 異 的且つ定 量 的な検 出 方 法と し て, 転 移 腫 瘍に含ま れ るヒ下に特 異 的なβ ‑ グ ロ ビン遺 伝 子 配 列を特 異 的 D N A 増 幅 反 応 (polym e r a s e chain r e a ctio n ,
P C R) 法によ り増 幅し た後, サザ ンプロ ッ ト法に て検 出お よ び解 析 する方法を検 討し た. 実 験 的 転 移 系では, ヒト線 維 肉腫 H T‑1 0 8 0 細 胞 (5×1 06 個) をヌ ー ドマウス (I C R n u/n u) の尾 静脈 内に移植し, 自 然 転 移 系で はマ ウス の右 鼠 径 部 皮 下に移 植し た. 移 植 後, 経 時 的に肺お よ び リン パ節を摘 出し, 抽 出し た D N A(1 FLg) を鋳 型と し てβ‑ グロ ビン遺 伝 子に対 する特 異 的プ ライマ ー を用いて P C R 法によ る増幅 反 応を行い, サザ ンプロ ッ ト故によ り増 幅 D N A 断 片の検 出 ・ 解 析を行った . その結 果, 実 験 的 転 移 糸で は 1 週 目よ りヒ トβ‑ グロ ビン遺伝子の増 幅 断 片 (5 7 6塩 基 対) が検 出され, 肺転 移を確 実に と ら え ること が できた. さ らに , 臓器 あた りの転 移 腫 瘍細 胞 数は経 時 的に増 加 すること が明ら か となっ た. 自 然転 移系で は 5週 目よ り肺,
リン パ節 転 移を検 出できた. ヌ ー ドマウス によ る転 移 実験 系に P C R 法を応 用し た転 移 腫 瘍 検 出法を適 用 すること に よ り, 肉 眼 的観 察で は検 出不 可能な微 小転 移レベ ルでの転 移の定 量 的 検 出が 可能と なっ た. 本 転移 腫 瘍検 出 法を 用い, 肺 転 移 巣に対 す る抗 癌 剤の効 果 判 定 試 験を施 行し た. H T‑1 0 8 0 細 胞を尾 静 脈 内に移 植 後1 週 目に cisplatin(C D D P)2m g/kg ま た は adria mycin
(A D M)8m g/kg を投 与し, 投 与後1 , 3 週目 に肺を摘 出し D N A を抽 出し た. P C R 法によ るβ‑ グロ ビン遺 伝子の増 幅と そ れに引 き 続くサザ ンプロ ッ ト法によ る増 幅 D N A 断片の検 出・ 解 析を行った結 果, 抗 癌 剤 投 与 後1 週目におい て , A D M と C D D P の腫 瘍 増 殖 阻 止 率は そ れぞれ 38.9% ,
‑6 0.1% であり, H T‑1 0 8 0 の肺 転 移 巣ほ A D M に感 受 性が高く, C D D P に感 受 性
が低い こと が明ら か と なった. P C R 法を応 用し た転 移 腫 瘍 検 出 法を適 用 することによ り, ヌ ー ドマウス法がヒ ト腫 瘍の転 移 巣
に対 する治 療 実 験モデルと し て応 用可能であること が 示 さ れ た. 以上の結 果か ら, 本 法はヒト癌の転 移, 浸 潤の機 構 解 明お よ び癌 転 移 巣に対 する治 療 法の開 発に有用な実 験 手 段と な るものと考 える.
E ey w o rds m eta sta sis, nude m ou s e, hu m a n fibr o s a rco m a H T ‑10 8 0, pOlym e rase chain re action
癌治療の成 否は癌 転 移お よ び再 発をいか に防くいかにか か って いる. 転移の完 全 抑 制こそ, 癌治療の最 大の課題といえ る. 転 移には癌細 胞の全 身 撒 布が その背景と し てあるので, 転 移 癌の 治療は理 論 的に は化 学 療 法が最 も有 効な治 療 法と な り得る. し か し, 転 移 研 究は転 移 現 象の解 明が大部 分であり, 転 移 癌の化 学療法に関 する基 礎 研 究は極め て少ない. こ の原 田の 一 つはt
良い転移 治 療モデルが無い こと に起 因する. 従 来, 臨 床 検 体の み な らず 培養細 胞 系と し て樹 立さ れ たヒト腫 瘍 株におい て,
ヌ ー ドマ ウスに恒 常 的に自 然 転 移を生じ さ せ ること ほ難しいと されてきた. 最 近, 可移 植 性 腫瘍株の選 択や腫 瘍 移 植 経 路 及び 移 植 方 法 等の工夫に よ り, ヌ ー ドマ ウスにおい てもヒト腫 瘍が 再 現性をもって転 移し, 転移モデルと しての応 用の可 能 性を示 す 報 告が な されているl ト 1 5). 転 移 実 験モデルと し て 1) 確実に
ま た恒 常 性をもっ て転 移が形 成さ れ ること, 2) 簡 便 なモデル 系であること が重 要である が, 治療 実 験 系と して応 用 する場 合 に は加え七3) 定 量 性, 4) 迅 速 性が要求さ れ る. しか し従来
の転 移の検 出ほ, 病 理 組 織学 的 手 法お よ び臓 器の表 面に形 成さ れ た転 移結 節 数を算 定 する という 肉 眼 形 態 学 的 観 察に基づいた 定 量 性に乏しいもの であった. その為, 肉 眼上あきら かに転移 結 節が認め ら れ る ま での時 間 的 制 約をう け, 迅 速 性に も問 題が あり, よ り実 用 的で簡 便なヒ ト癌に対 する転 移 実 験 系の開 発が 望ま れ ていた. 本 研 究で は, ヌ ー ドマ ウス に ヒ ト線 維 肉 腫 H T‑1 0 80 細 胞を移 植 後, 特 異 的D N A 増 幅 反 応 (polym e r a s e
cha,in r e a ctio n , P C R) 法を用いて転移 腫 瘍 細 胞の ヒトβ ‑ グロ
ビン遺 伝 子 (5 7 6塩 基対) に対 する特 異 的増 幅反 応を施 行 する方 法によ り, 従 来の肉 眼 形態学 的観 察で は検 出不可能な微 小 転 移
レ ベ ルでの転 移ヒt腫 瘍 細 胞の迅 速且つ定 量 的な検 出を試み た.
対 象 および 方 法
Ⅰ. 移 構 腫 瘍 細 胞と培 養
ヒト線 維 肉腫 培 養 株H T‑1 0 8 0 は,1 0% (Ⅴ/v) 非働化ウシ胎 児
A b br e viatio n s : A D M , adria mycin; bp, ba s e pair; C D D P, Cisplatin; C P A, CyClopho spha m ide; E D T A ,
ethylenedia min etetr a a c etic acid; H . E., he m ato xylin a nd eosin;
'
i. p リ intr aperito n eal; i・ V・, intr a v e n o u sly ; M T T , 3‑(4,5‑dim ethy p thiaz ol‑yl)‑2,5‑diphe nyltetr a z oliu m br o mide ; N K , n atu r al killer ; P C R, pOly m e r a s e chain
P C R 法を用いたヒ ト転 移 腫 瘍 細胞の定 量 的 検 出
血清 (G I B C O 社, Gr a nd Isla nd, U S A) と ダル ク ミ ソを含ん だ イ ー グル M E M 培 地 (日本 製 薬 社, 大 阪) 中に おいて C O2 浪 虔 5 % , 3 7 ℃ で培 養した. ト リ プシン ー エチ レンジア ミ ン四酢 酸
ニ ナ トリ ウム塩 (ethyle n edia min etetr a a c etic a cid, E D T A) 緩衝 液を 用いて細 胞を剥 離し た後, 生理的食 塩 水を用いて細 胞 浮遊 液を作製し, 2 7 G の注 射 針を用いて 5 ×1 0¢個 (0.1ml) を移植 し た. 移 植に用いた腫 瘍 細 胞 浮 遊 液ほ, トリバ ンプル ー 色 素 排 除 試験 法に よ り, 9 0% 以上の生細胞があること を確 認し た.
Ⅲ. 実 験 動 物
ヌ ー ドマ ウスは 5 適 齢, 雌の I C R(n u/n u) 系 (日本チャ ー ル ズリ バ ー社, 厚 木) を 用いた. マ ウス は無 病 原 体 飼 育 条 件 下 (spe cific pathoge nfr e e, S P F) で滅 菌飼 料お よ び滅 菌 水 道 水が
自 由に摂 取できる ように し て飼 育し実験に 用いた.
Ⅲ. 転 移の作 製
実 験 的 転 移 糸と してヌ ー ドマウスの尾 静 脈 内に H T‑1 0 8 0 細 胞を 5 ×1 08個 移植し, 移 植 後1 , 2 , 3 , 4 週 日に肺を摘 出し D N A を抽 出し た. 別途に摘 出し た肺の 一部を1 0% ホ ル マ リン
に て固 定 後, へ マ ト キシリ ン ・ エ オ ジ ン (he m ato xylin a nd
e o sin, H.E.) 染 色を施し た標 本を作 製し, 肺 転 移の有 無を病理
組織学 的に追 求した. ま た, 自 然 転 移 系と して H T‑1 0 80 細胞を
ヌ∵‑ ドマ ウスの右 鼠 径 部 皮 下に 5 ×1 06 個 移 植し, 1 〜 6週目 ま で各週 毎に肺お よ び リン パ節を摘 出し D N A を抽 出し た.
Ⅳ. Cyclopho spha mi de ( C P A ) に よ る前 処 理
ヌ ー ドマ ウス の免 疫 担 当 細 胞と して の ナ チ ュ ラ ル キ ラ ー (n atu r al kille r, N K) 細 胞の抑 制を 目的と して, 腫 瘍 細 胞 移植4 日前に C P A 2 0 0m g/kg を腹 腔 内 (intr ape rito n e al,i.p) 投 与. し たヌ ー ドマ ウスを用いて同様の実 験を試み た. 即ち, 5 ×1 08 個の H T‑1 0 8 0 細 胞をマウスの尾 静 脈 内ま た は鼠径 部 皮 下に移 植し, 実 験 的 転 移 系では腫 瘍 細 胞 移 植 後1 , 2 週目における転 移増 殖を C P A 未 処 置 群と比 較し た. ま た, 自 然 転 移 系でほ腫 瘍細 胞 移 植 後3 , 5, 7 週目にお け る転 移 細 胞の増 殖を C P A 末処 置 群と比 較 検 討し た.
Ⅴ. 実 験 的転 移 系を 用いた肺 転 移 巣に対 する治 療 実験
ヌ ー ドマ ウス尾 静 脈 内に H T‑1 0 8 0 細胞を移 植 後, 1 週目に
Cisplatin ( C D D P)2mg/kg ま た ほ adria mycin ( A D M ) 8m g/kg を27G 注 射 針を用い て尾 静 脈 内 投 与し た. 抗 癌 剤 投 与後1 お よ び 3 週目に肺を摘 出し, D N A を抽 出し た.
Ⅵ. D N A の抽 出方 法
摘 出し た肺お よ びリ ン パ節ほ 4 ml の ホ モ ジナイ ズ緩 衝 液 ( 0.1 M 塩 化ナト リ ウム , 0.2 M シ ョ糖, 0.0 1 M E D T A , 0.3 M トリス ヒドロ キシメ チ ル ア ミ ノメ タン一塩 酸pH 8.0) 中で
ホ モジナイ ズ し た. ホ モジ ネ ー ト はフ ァルコ ン2 05 9チュ
ー ブに
入 れ!25 0FLl の1 0% ドデシル硫 酸ナト リ ウム(dode cyトs odiu m‑
S ulfate, S D S) を加え携 拝し, 6 5 ℃の温 浴 中にて3 0分 間加 温し た■ さ らに, 6 0 0/∠1 の8 M 酢 酸ナト リ ウムを加え横 枠 後! 6 0分 間 氷 中に静 置し た. 氷 冷後, 4 ℃, 1 1,0 0 0rpm に おい て2 0分 間 遠心 し, 水 層を新た なチ ュ ー ブに回収し た. クロ・ ロ ホ ル ム 4
ml を加 え据 拝 後, 3,0 0 0rpm において1 0分 間遠心 し,D N A を抽 出し た. 水 層を分 取し, クロ ロホ ル ム4 ml, ト リス E D T A (T E) 緩衝 液 [1 0m M ト リス 一 塩 酸 pH 7 .4, 0.1m M E D T A pH 8・0] 飽 和フェ ノ ー ル4 ml を加 え 据 搾 後, 3,0 0 0rpm におい
1 1
て1 5分 間 遠心 し D N A を抽 出し た. 再度, クロ・ ロ ホ ル ム4ml に おいて抽 出を行った後, 分取し た水層に8 ml の エタノ ー ルを 加え, 3,0 0 0rpm において1 5分 間遠 心し D N A を 沈 澱と して得 た. 沈 澱は 5 mlの8 0% エ タノ ー ルで洗い, 減 圧 乾煉さ せ た後に 2 ml のT E 緩 衝 液に溶 解した. D N A 溶 液にリ ボヌ ク レア ー ゼ A (S igm a 社, St.Lo uis, U S A)1 0 0FLg を加え, 3 7 ℃, 3 0分 間 反 応さ せ た後, 3 M 酢 酸ナ ト リ ウム2 0 0〃1 を加え, T E 緩 衝液 飽和フェ ノ ール ー ク ロロ ホ ル ム(1 : 1) 2ml にて 1 回(3,0 0 0
rpm , 1 5分), クロ ロ ホ ル ム2r nI にて1 回(3,0 0 0rpm ,1 0分) 抽 出を行った. 分取した氷 層に5 ml のエ タノ ー ル を加 え 3,0 0 0
rpm に て1 5分 間遠心 しエ タ ノ ー ル沈 澱を行った. D N A ほ,
8 0% エ タ ノ ール2 ml で洗 浄し, 減 圧 乾 燥さ せ た後, T E 緩 衝 液 に溶 解し た.
Ⅶ. 鋳 型 D N A の調製
T E 緩 衝 液 中に溶解した D N A は, 2 6 0n m における吸 光 度を 測 定し て D N A 濃度を求め た後 (1 0.D.=5 0〃 g/ml), 同緩 衝 液 を用いて 1 0 0〃 g/ml に調 製し た. さらに, 1 0 0 〟 g/ ml の
H T‑1 0 8 0 細 胞の D N A を 1 0 0JLg/ ml の正常ヌ ー ドマ ウス の肺
D N A によ り希 釈し, H T‑1 0 8 0 細 胞の D N A 濃 度が 1 02, 1 0, 1,
1 0‑1,1 0▼2,10 3Jj g/ml の段 階 希 釈 溶 液を調 製し た.
Ⅶ. プライマ ー お よ び プロ ー ブ用オ リゴヌ クレオチドの作 製 P C R 法によ る特 異 的 遺伝 子 配列の増 幅に用いる プ ラ イ マ ー お よ び P C R 増 幅 β‑ グロ ビン遭 伝 子 配列を検 出 する プロ ー ブ と し て, ヒトβ‑ グロビン遺 伝 子 配 列l ¢)よ り Huβ一l 〜1 1 ま で
の2 0塩 基か ら な る11種 類の オリゴヌ ク レオチ ド を合 成し た( 図 1). な お, ちれ らの オ リゴヌ ク レ オ チド ほ D N A 合成 装 置 P C R メイ ト(Ap plied B io syste m 社,C A , U S A) によ り合 成し
た.
Ⅸ. P C R 反 応
調 製し た鋳 型D N A l 杵 g に対し P C R 反 応 緩 衝 液 (1 0m M
ト リス一塩 酸pH 8.3,5 0m M 塩 化カ リウム, 1.5m M 塩化マ グ ネシ ウム), デオキシリボヌ クレオチ ド混 合 液 〔de o xyade n o sin e
5㌧Tripho sphate ( d A T P ), de o xy gu a n o sin e 5‑'Tri p ho sphate (d G T P),de o xycy tid in e 5
‑' Tripho sphate(d C T P),de o xy thymid‑
in e 5‑'Trip ho sp hate(d T T P) 各2 0 0FLM〕, T he rm u s aqu atic us
「Taq) D N A ポリメラ ー ゼ(Pe rk in‑E lm e r Cetu s 社, No r w al k,
C T, U S A ) 2.5単 位, ( +) 鎖お よ び (‑) 鎖プライ マ ー 各1
〃M を加え, 滅 菌 蒸 留 水によ り 全量1 0 0〃= 仁調整し た. 加 熱
によ る反 応 液の蒸 発を防 ぐた め, 1 0 0/Jl の ミネラル オ イ ル
(Sigm a 社) を重 層 し た . 反 応には D N A T he r m al Cycle r
( Pe rkin E lm e r Cetu s) を使 用し, 熱 変 性を 9 4 ℃, 2 分 間, ア
ニ ーリング を5 5 ℃, 2 分 間, D N A の伸 長を 7 2 ℃, 2 分 間と し,
これを 1 サイク ルと し て2 5サイク ル繰り返した. 反 応終 了 後,
上層の ミネラ ルオ イルを除 去し, クロ ロホ ル ム 1 0 0〃l を加 え 振とうし, 上層に増 幅後の D N A 溶 液を得た.
X . 増 幅された D N A の検 出
増 幅 後の D N A 溶 液に 1 0FLl の 3 M 酢 酸ナ トリ ウム (pH 5.2) お よ び 3 0 0/̀1の エタ ノ ー ルを加え,1 5,00 0rpm に て2 0分 間 遠 心し D N A を沈 澱さ せ た. D N A は, 8 0% エタ ノ ー ル 3 0 0
〟1 に て洗 浄した後∴減圧 乾 燥し, 0.0 6% プロ ム フェ ノ ー ルブ ルー
, 0.0 6% キシレン ア ノ ー ルおよび6.7% グ リセロ ー ルを含
r e a ctio n; P P C, pe ak pla s m a con c e ntratio n; S D S,・dode cyl‑S Odiu m ‑S ulfate; S P F, Spe Cific pathoge n fr e e; S S C,
S alin e s odiu rp citr ate; S・ C・, S ubc ut an e O u Sly ; Taq, T herm u s aqua tic us; T E, Tris E D T A