開 Riemann 面上の Heins 型定理について
石田久教授の古稀を祝して
正 岡 弘 照
要 旨
F
をGreen
関数をもつ開Riemann
面とし,∆
1をF
のminimal Martin
境界とし,D( ⊂ F )
をD
の相対境界∂D
がコンパクトでなく,相対コンパクトでない正則領域とし,∆
1(D) = { ζ ∈ ∆
1| F \ D
がζ
でminimally thin
である}
とおくとき,D
上の非負値調和 関数で∂D
上では0
をとる任意の2
つの関数の差が各ζ ∈ ∆
1(D)
で同一のminimal fine
極限を もつならば,∆
1(D)
が1
点のみからなることを示す。キーワード
:
開Riemann
面,minimal Martin
境界,minimally thin
,非負値調和関数,minimal fine
極限1 .導入
R
をKer´ekj´ art´ o-Sto¨ılow
の意味のR
の理想境界が1
つであるGreen
関数をもたない開Riemann
面とする。Ker´ekj´ art´ o-Sto¨ılow
の意味のR
のコンパクト化の詳細については,[4]
,[12]
を参照し てほしい。U
をR
の相対コンパクト領域であり,∂U
は有限個の解析曲線からなるものとする。S := R \ U ¯
(ここで,U ¯
はR
におけるU
の閉包である)とおく。Heins[9]
は次を示した。定理
A. ∂U
で0
をとるS
上のすべての有界調和関数がS
の理想境界で極限値をもつならば,R
のminimal Martin
境界は1
点からなる。この論文では,以下の記号を用いることにする。
F
をGreen
関数をもつ開Riemann
面とする。S +
によって,F
上の非負値優調和関数の集合を表 し,HP +
によって,F
上の非負値調和関数の集合を表し,HB +
によって,F
上の有界非負値調和 関数の集合を表すことにする。D( ⊂ F)
をその相対境界∂D
がコンパクトでなく,相対コンパクトで ない正則領域とする。ここで,正則領域とはすべてのD
の相対境界点が(Dirichlet
問題の意味で)正則
(regular)
であることである。H (D)
によって,D
上の調和関数の全体を表す。HP +,0 (D) := {h ∈ H(D) | D
上,h ≥ 0
かつ∂D
上,h = 0}
,HB +,0 (D) := {h ∈ HP +,0 (D) | D
上,h
は有界である}
,HP 0 (D) := { h 1 − h 2 | h j ∈ HP +,0 (D)(j = 1, 2) }
とおく。s ∈ S +
とE ⊂ F
に対して,R ˆ E s
によって,s
のE
上へのbalayage
(掃散)を表すことにする(cf.
[1])
。開集合
U ( ⊂ F )
とその相対境界∂U
上の境界値関数f
に対して,Perron-Wiener-Brelot
の意味のDirichlet
解をH f U
で表すことにする(cf. [4,3
章])
。ここで,f
は,必ずしも∂U
上,連続でなくて もよいことを注意しておく。balayage
とDirichlet
解の関係としては次の補題が知られている。1
開 Riemann 面上の Heins 型定理について
石田久教授の古稀を祝して
正 岡 弘 照
要 旨
補題
B(cf. [4,Satz 4.7
かつSatz 4.8]). s ∈ S +
とし,U ( ⊂ F)
を領域とする。このとき,R ˆ F\U s (x) =
{ H
sU(x) (x ∈ U)
u(x) (x ∈ (F \ U)
◦) .
ここで,(F \ U ) ◦
はF \ U
の内包を表す。この論文の構成は以下のとおりである。
2
節で主要な結果の証明に使用されるMartin
理論を述 べる。3
節で主要な結果を述べ,その証明を与える。付録では,D
の理想境界内に属するMinimal Martin
境界∆ 1 (D)(cf. 2
節)
の点の個数の計算方法を与えた。2 . Martin コンパクト化
F
をGreen
関数をもつ開Riemann
面とする。ζ ∈ F
に対して,g ζ (z)
をζ
で極をもつGreen
関 数とする(cf. [4])
。z 0 ∈ F
を固定しておく。k ζ (z) =
g
z(ζ)
g
z0(ζ) ζ ̸ = z 0
1 z = ζ = z 0 0 ζ = z 0 , z ̸ = z 0
とおく。
F
のコン パクト化X
で,関数族M := { F ∈ ζ �→ k ζ (z) | z ∈ F }
がX \ F
に連続的拡張をもつX \ F
上の 点を分離するような最弱なコンパクト化をMartin
コンパクト化といい,F ∗
と記す。∆ := F ∗ \ F
をMartin
境界という。F ∗
はコンパクト距離空間になることが知られている(cf. [4, Satz 12.1], [10,Theorem 12.8])
。ζ ∈ ∆
に対して,任意の点列{ z n } ∞ n=1 ⊂ F
で,lim
n→∞ z n = ζ
を満たすもの をとると,各n ∈ N
に対して,k z
n(z)
はF \ {z n }
で非負値調和であり,k z
n(z 0 ) = 1
であるので,Harnack
の定理より,あるただ1
つの要素h(z) ∈ HP +
が存在して,h(z) = lim
n→∞ k z
n(z)
がなり たつ。このh
をk ζ
と記す。ζ ∈ F ∗
に対して,k ζ
をζ
に極をもつMartin
関数という。ζ ∈ ∆
がminimal
であるとは,u ∈ HP +
がF
上,u ≤ k ζ
を満たすならば,ある非負の数c
がとれて,F
上,u = ck ζ
がなりたつことである。∆ 1 = { ζ ∈ ∆ | k ζ
はminimal
である}
をF
のminimal Martin
境界という。Martin
コンパクト化の詳細は[3]
,[4]
,[11]
,[10]
,および[13]
を参照してほしい。minimal Martin
境界を導入する意義は次のMartin
表現定理(cf. [4],[10],[13])
にある。Martin
表現定理.
各u ∈ HP +
に対して,∆
上のただ1
つの正値測度µ u
が存在して,µ u (∆ \ ∆ 1 ) = 0
かつu(z) =
∫
∆
1h(z) dµ u (h)
を満たす。上の
µ u
をu
のMartin
の表現測度という。1
のMartin
の表現測度をω z
と表し,z
に関する調和 測度という。特に,z = z 0
のとき,これをχ
と表すことにする。各z ∈ F
に対して,ω z
とχ
は∆
上,互いに絶対連続であることが知られている。さらに,dω z (·) = k · (z)dχ
の関係式が知られている(cf. [4,Satz 13.4])
。ζ ∈ ∆ 1
および開集合U ⊂ F
に対して,U ∪ { ζ }
がζ
のminimal fine
開近傍であるとは,F
上 で,R ˆ F\U k
ζ̸ = k ζ
がなりたつことである。この条件はR ˆ F\U k
ζ がF
上,Green
ポテンシャルであること と同値であることが知られている。また,この条件がなりたつとき,F \ U
はζ
でminimally thin
ともいう。このとき,あるU
の成分U ′
で,U ′ ∪ {ζ}
がζ
のminimal fine
開近傍であることが補題
B(cf. [4,Satz 4.7
かつSatz 4.8]). s ∈ S +
とし,U ( ⊂ F )
を領域とする。このとき,R ˆ F\U s (x) =
{ H
sU(x) (x ∈ U)
u(x) (x ∈ (F \ U)
◦) .
ここで,(F \ U ) ◦
はF \ U
の内包を表す。この論文の構成は以下のとおりである。
2
節で主要な結果の証明に使用されるMartin
理論を述 べる。3
節で主要な結果を述べ,その証明を与える。付録では,D
の理想境界内に属するMinimal Martin
境界∆ 1 (D)(cf. 2
節)
の点の個数の計算方法を与えた。2 . Martin コンパクト化
F
をGreen
関数をもつ開Riemann
面とする。ζ ∈ F
に対して,g ζ (z)
をζ
で極をもつGreen
関 数とする(cf. [4])
。z 0 ∈ F
を固定しておく。k ζ (z) =
g
z(ζ)
g
z0(ζ) ζ ̸ = z 0
1 z = ζ = z 0 0 ζ = z 0 , z ̸ = z 0
とおく。
F
のコン パクト化X
で,関数族M := { F ∈ ζ �→ k ζ (z) | z ∈ F }
がX \ F
に連続的拡張をもつX \ F
上の 点を分離するような最弱なコンパクト化をMartin
コンパクト化といい,F ∗
と記す。∆ := F ∗ \ F
をMartin
境界という。F ∗
はコンパクト距離空間になることが知られている(cf. [4, Satz 12.1], [10,Theorem 12.8])
。ζ ∈ ∆
に対して,任意の点列{ z n } ∞ n=1 ⊂ F
で,lim
n→∞ z n = ζ
を満たすもの をとると,各n ∈ N
に対して,k z
n(z)
はF \ {z n }
で非負値調和であり,k z
n(z 0 ) = 1
であるので,Harnack
の定理より,あるただ1
つの要素h(z) ∈ HP +
が存在して,h(z) = lim
n→∞ k z
n(z)
がなり たつ。このh
をk ζ
と記す。ζ ∈ F ∗
に対して,k ζ
をζ
に極をもつMartin
関数という。ζ ∈ ∆
がminimal
であるとは,u ∈ HP +
がF
上,u ≤ k ζ
を満たすならば,ある非負の数c
がとれて,F
上,u = ck ζ
がなりたつことである。∆ 1 = { ζ ∈ ∆ | k ζ
はminimal
である}
をF
のminimal Martin
境界という。Martin
コンパクト化の詳細は[3]
,[4]
,[11]
,[10]
,および[13]
を参照してほしい。minimal Martin
境界を導入する意義は次のMartin
表現定理(cf. [4],[10],[13])
にある。Martin
表現定理.
各u ∈ HP +
に対して,∆
上のただ1
つの正値測度µ u
が存在して,µ u (∆ \ ∆ 1 ) = 0
かつu(z) =
∫
∆
1h(z) dµ u (h)
を満たす。上の
µ u
をu
のMartin
の表現測度という。1
のMartin
の表現測度をω z
と表し,z
に関する調和 測度という。特に,z = z 0
のとき,これをχ
と表すことにする。各z ∈ F
に対して,ω z
とχ
は∆
上,互いに絶対連続であることが知られている。さらに,dω z (·) = k · (z)dχ
の関係式が知られている(cf. [4,Satz 13.4])
。ζ ∈ ∆ 1
および開集合U ⊂ F
に対して,U ∪ { ζ }
がζ
のminimal fine
開近傍であるとは,F
上 で,R ˆ F\U k
ζ̸ = k ζ
がなりたつことである。この条件はR ˆ F k
ζ\U
がF
上,Green
ポテンシャルであること と同値であることが知られている。また,この条件がなりたつとき,F \ U
はζ
でminimally thin
ともいう。このとき,あるU
の成分U ′
で,U ′ ∪ {ζ}
がζ
のminimal fine
開近傍であることが2
知られている
(cf. [4,Hilfssatz 11.2], [14])
。ζ
のF ∗
における通常の位相による開近傍V
に対して,(V ∩ F ) ∪ { ζ }
はζ
のminimal fine
開近傍である(cf. [4.Hilfssatz 13.2])
。f
をF
上の関数とし,ζ ∈ ∆ 1
とするとき,c ∈ R
に対して,もし,任意の正数ε
に対して,ある 開集合U(⊂ F)
がとれて,|f(x) − c| < ε (∀x ∈ U)
がなりたつならば,f
はζ
で,minimal fine
極限値(または極限)c
をもつという。また,もし,任意の正数N
に対して,ある開集合U ( ⊂ F )
が とれて,f (x) > N (< − N ) ( ∀ x ∈ U )
がなりたつならば,f
はζ
で,minimal fine
極限∞ ( −∞ )
をもつという。以下,HP +
およびポテンシャルの境界挙動に関する定理を列挙する。Fatou-Na¨ım-Doob
の定理(cf. [4,Folgesatz 2.1
かつFolgesatz 14.2], [7]). u ∈ HP +
と し, µ u
をMartin
の表現測度とする。µ u
のχ
に関するLesbesgue
分解をdµ u = u ∗ dχ + dν u
(ここ で, dχ
とdν u
とは互いに,直交しており,u ∗ ∈ L 1 (∆, dχ)
)とする。このとき,u
はχ
に関して,ほ とんどすべての点ζ ∈ ∆ 1
で,minimal fine
極限u ∗ (ζ)
をもつ。Doob
の定理(cf. [2, Theorem XVI,12], [5], [6]). u, v ∈ HP +
とし, µ u
をu
のMartin
の表 現測度とする。このとき,v
u
はµ u
に関して,ほとんどすべての点ζ ∈ ∆ 1
で,minimal fine
極限を もつ。Na¨ım
の定理(cf. [2,Theorem XVI,13], [14]). u ∈ HP +
とし,µ u
をu
のMartin
の表現測 度とする。p
をF
上のGreen
ポテンシャルとする。このとき,p
u
はµ u
に関して,ほとんどすべて の点ζ ∈ ∆ 1
で,minimal fine
極限0
をもつ。この定理で,
u = 1
とおくと,次の系を得る。系
C. p
をF
上のGreen
ポテンシャルとする。このとき,p
はχ
に関して,ほとんどすべての点ζ ∈ ∆ 1
で,minimal fine
極限0
をもつ。この節に終えるにあたって,重要な
minimal Martin
関数の境界挙動を述べる。そのため,1
つ命 題を用意する。命題
D(cf. [4, Hillfsatz 13.3]). ζ ∈ ∆ 1
とするとき,χ({ζ}) > 0
であることとk ζ
がF
上,有 界であることとは必要十分である。補題
1. ζ ∈ ∆ 1
とするとき,χ({ζ}) = 0
を仮定する。このとき,k ζ
はζ
でminimal fine
極限∞
をもち,χ
に関して,ほとんどすべての点ξ ∈ ∆ 1
で,minimal fine
極限0
をもつ。証明
. ζ ∈ ∆ 1
とし,δ ζ
をζ
におけるDirac
測度とする。Doob
の定理において,u = k ζ , v = 1
と おくと,1
k ζ
は
δ ζ
に関して,ほとんどすべてのξ ∈ ∆ 1
で,minimal fine
極限c(≥ 0)
をとる。c > 0
と仮定する。ある正定数d(< c)
とあるF
の開部分集合U
がとれて,U ∪ {ζ}
はζ
のminimal fine
開近傍で,U
上,1
k ζ
> d
を満たす。すなわち,U
上,k ζ < 1
d
を満たす。U ∪ { ζ }
はζ
のminimal fine
開近傍であるので,F
上,R ˆ U k
ζ= k ζ . U ¯
をU
の閉包とすると,F
上,k ζ ≥ R ˆ k U ¯
ζ≥ R ˆ U k
ζ= k ζ
で あるので,F
上,R ˆ U k ¯
ζ= k ζ .
3
一方,
H k F\
ζU ¯
をF \ U ¯
の理想境界上での境界値関数を0
とし,∂(F \ U ¯ )
上での境界値関数をk ζ
と するF \ U ¯
に関するPerron-Wiener-Dirichlet
解を表すとき,補題B
より,F \ U ¯
上,R ˆ U k ¯
ζ= H k F\
ζU ¯ .
よって,すべてのz ∈ F \ U ¯
に対して,k ζ (z) = ˆ R U k ¯
ζ(z) = H k F
ζ\ U ¯ ≤ 1 d . k ζ
のF
における連続性に注意すると,以上より,F
上,k ζ ≤ 1
d
がなりたつ。命題D
を用いると,χ( { ζ } ) > 0
となり,χ( { ζ } ) = 0
に矛盾する。したがって,c = 0
となり,k ζ
はζ
で,minimal fine
極限∞
をとる。ξ ∈ ∆ 1 \ { ζ }
をとる。d( · , · )
をF ∗
の標準的なMartin
距離とする(cf. [4,Satz 12.1])
。n ∈ N
に 対して,U n ∗ := { x ∈ F ∗ | d(ζ, x) < 1
n } , U n := U n ∗ ∩ F
とおく。U n ∪ { ζ }
はζ
のminimal fine
開 近傍である(cf. [4, Hillfsatz 13.2])
。R ˆ F k
ζ\U
nはF
上のGreen
ポテンシャルであるので,系C
より,v = ˆ R k F\U
ζ nとおくと,R ˆ F\U k
ζ nはχ
に関して,ほとんどすべての点ξ ∈ ∆ 1
で,minimal fine
極限0
を とる。E ∗ n := { ξ ∈ ∆ 1 | d(ζ, ξ) > 2 n }
とおく。補題B
より,(F \ U n ) ◦
上,R ˆ F\U k
ζ n= k ζ
がなりたつ。各ξ( ∈ E ∗ n )
に対して,{ x ∈ F | d(x, ξ) < 1
2n } ⊂ (F \ U n ) ◦
に注意すると,{ x ∈ F | d(x, ξ) < 1 2n } ∪ { ξ }
がξ
のminimal fine
開近傍であるので,(F \ U n ) ◦ ∪ { ξ }
はξ
のminimal fine
開近傍である。よっ て,k ζ
はχ
に関して,ほとんどすべての点ξ ∈ E n ∗
で,minimal fine
極限0
をとる。F = ∪ ∞ n=1 (F \ U n ) ◦
および∆ 1 \ {ζ} = ∪ ∞ n=1 E n ∗
がなりたつので,k ζ
は,χ
に関して,ほとんどす べての点ξ ∈ ∆ 1 \ {ζ}
で,minimal fine
極限0
をとる。 よって,求める結果を得る。3 .主結果
この節では,
D( ⊂ F)
をその相対境界∂D
がコンパクトでなく,相対コンパクトでない正則領域で あるとし,∆ 1 (D) := { ζ ∈ ∆ M 1 | k ζ ̸ = ˆ R F k
ζ\D }
とおく。以下で,Heins
の定理に類似した定理をいくつか証明する。定理
1.
任意のh ∈ HB +,0 (D)
が∆ 1 (D)
のすべての点で,同じminimal fine
極限をもつならば,あるただ
1
つのminimal
点ζ 0
が存在して,χ({ζ 0 }) = χ(∆ 1 (D)) > 0
であるか,χ(∆ 1 (D)) = 0
で ある。証明
. χ(∆ 1 (D)) > 0
を仮定する。∆ 1 (D)
のBorel
部分集合E 1
およびE 2
が存在して,χ(E j ) (j = 1, 2)
が正であると仮定する。u(z) = ω z (E 1 ) = ∫
E
1k ζ (z)dχ(ζ) (z ∈ F )
とおく(cf. 2
節)
。各z ∈ F
に対して,χ
とω z
が∆
上,絶対連続であるので,u(z) ∈ HP +
である。Fatou-Na¨ım-Doob
の定 理より,u
はχ
に関して,ほとんどすべてのE 1
の点で,minimal fine
極限1
をもち,ほとんど すべてのE 2
の点で,minimal fine
極限0
をもつ。v = u − H u D
おくと,v ∈ HB +,0 (D)
である。ζ ∈ ∆ 1 (D)
に対して,R ˆ F\D k
ζ はF
上のGreen
ポテンシャルであり,[4, Folgesatz 4.7]
を用いると,R ˆ F u \D = ∫
E
jR ˆ F\D k
ζdχ(ζ)
はF
上のGreen
ポテンシャルである。よって,補題B
とNa¨ım
の定理の 系より,H u D
はχ
に関して,ほとんどすべての∆ 1 (D)
の点で,minimal fine
極限0
をもつ。よっ て,v
はχ
に関して,ほとんどすべてのE 1
の点で,minimal fine
極限1
をもち,ほとんどすべての一方,
H k F\
ζU ¯
をF \ U ¯
の理想境界上での境界値関数を0
とし,∂(F \ U ¯ )
上での境界値関数をk ζ
と するF \ U ¯
に関するPerron-Wiener-Dirichlet
解を表すとき,補題B
より,F \ U ¯
上,R ˆ U k ¯
ζ= H k F\
ζU ¯ .
よって,すべてのz ∈ F \ U ¯
に対して,k ζ (z) = ˆ R U k ¯
ζ(z) = H k F
ζ\ U ¯ ≤ 1 d . k ζ
のF
における連続性に注意すると,以上より,F
上,k ζ ≤ 1
d
がなりたつ。命題D
を用いると,χ( { ζ } ) > 0
となり,χ( { ζ } ) = 0
に矛盾する。したがって,c = 0
となり,k ζ
はζ
で,minimal fine
極限∞
をとる。ξ ∈ ∆ 1 \ { ζ }
をとる。d( · , · )
をF ∗
の標準的なMartin
距離とする(cf. [4,Satz 12.1])
。n ∈ N
に 対して,U n ∗ := { x ∈ F ∗ | d(ζ, x) < 1
n } , U n := U n ∗ ∩ F
とおく。U n ∪ { ζ }
はζ
のminimal fine
開 近傍である(cf. [4, Hillfsatz 13.2])
。R ˆ F k
ζ\U
nはF
上のGreen
ポテンシャルであるので,系C
より,v = ˆ R F\U k
ζ nとおくと,R ˆ F\U k
ζ nはχ
に関して,ほとんどすべての点ξ ∈ ∆ 1
で,minimal fine
極限0
を とる。E n ∗ := { ξ ∈ ∆ 1 | d(ζ, ξ) > 2 n }
とおく。補題B
より,(F \ U n ) ◦
上,R ˆ F\U k
ζ n= k ζ
がなりたつ。各ξ( ∈ E n ∗ )
に対して,{ x ∈ F | d(x, ξ) < 1
2n } ⊂ (F \ U n ) ◦
に注意すると,{ x ∈ F | d(x, ξ) < 1 2n } ∪ { ξ }
がξ
のminimal fine
開近傍であるので,(F \ U n ) ◦ ∪ { ξ }
はξ
のminimal fine
開近傍である。よっ て,k ζ
はχ
に関して,ほとんどすべての点ξ ∈ E n ∗
で,minimal fine
極限0
をとる。F = ∪ ∞ n=1 (F \ U n ) ◦
および∆ 1 \ {ζ} = ∪ ∞ n=1 E n ∗
がなりたつので,k ζ
は,χ
に関して,ほとんどす べての点ξ ∈ ∆ 1 \ {ζ}
で,minimal fine
極限0
をとる。 よって,求める結果を得る。3 .主結果
この節では,
D( ⊂ F)
をその相対境界∂D
がコンパクトでなく,相対コンパクトでない正則領域で あるとし,∆ 1 (D) := { ζ ∈ ∆ M 1 | k ζ ̸ = ˆ R F k
ζ\D }
とおく。以下で,Heins
の定理に類似した定理をいくつか証明する。定理
1.
任意のh ∈ HB +,0 (D)
が∆ 1 (D)
のすべての点で,同じminimal fine
極限をもつならば,あるただ
1
つのminimal
点ζ 0
が存在して,χ({ζ 0 }) = χ(∆ 1 (D)) > 0
であるか,χ(∆ 1 (D)) = 0
で ある。証明
. χ(∆ 1 (D)) > 0
を仮定する。∆ 1 (D)
のBorel
部分集合E 1
およびE 2
が存在して,χ(E j ) (j = 1, 2)
が正であると仮定する。u(z) = ω z (E 1 ) = ∫
E
1k ζ (z)dχ(ζ) (z ∈ F)
とおく(cf. 2
節)
。各z ∈ F
に対して,χ
とω z
が∆
上,絶対連続であるので,u(z) ∈ HP +
である。Fatou-Na¨ım-Doob
の定 理より,u
はχ
に関して,ほとんどすべてのE 1
の点で,minimal fine
極限1
をもち,ほとんど すべてのE 2
の点で,minimal fine
極限0
をもつ。v = u − H u D
おくと,v ∈ HB +,0 (D)
である。ζ ∈ ∆ 1 (D)
に対して,R ˆ F\D k
ζ はF
上のGreen
ポテンシャルであり,[4, Folgesatz 4.7]
を用いると,R ˆ F u \D = ∫
E
jR ˆ F\D k
ζdχ(ζ)
はF
上のGreen
ポテンシャルである。よって,補題B
とNa¨ım
の定理の 系より,H u D
はχ
に関して,ほとんどすべての∆ 1 (D)
の点で,minimal fine
極限0
をもつ。よっ て,v
はχ
に関して,ほとんどすべてのE 1
の点で,minimal fine
極限1
をもち,ほとんどすべての4
E 2
の点で,minimal fine
極限0
をもつ。これは仮定に矛盾する。したがって,唯一のζ 0 ∈ ∆ 1 (D)
が存在して,χ( { ζ 0 } ) = χ(∆ 1 (D)) > 0
がなりたつ。よって,求める結果を得る。系
. χ(∆ 1 (D)) > 0
を仮定する。このとき,任意のh ∈ HP +,0 (D)
が∆ 1 (D)
のすべての点で,同 じminimal fine
極限をもつならば,あるただ1
つのminimal
点ζ 0
が存在して,∆ 1 (D) = {ζ 0 }
が なりたつ。証明
. HB + (D) ⊂ HP + (D)
と系の仮定より,定理1
を用いることによって,あるただ1
つのminimal
点ζ 0
が存在して,χ( { ζ 0 } ) = χ(∆ 1 (D)) > 0
がなりたつ。∆ 1 (D) \ { ζ 0 } ̸ = ∅
を仮定する。ζ 1 ∈ ∆ 1 (D) \ { ζ 0 }
をとる。補題1
より,χ( { ζ 0 } ) > 0
に注意すると,k ζ
1はζ 1
で,minimal fine
極限∞
をとり,ζ 0
で,minimal fine
極限0
をとる。v = k ζ
1− R ˆ k
F\Dζ1
とおくと,
v ∈ HP +,0 (D)
である。ζ 1 ∈ ∆ 1 (D)
であるので,R ˆ k F\D
ζ1 は
F
上のGreen
ポテンシャルであり,系C
より,R ˆ F\D k
ζ はχ
に関して,ほとんどすべての∆ 1 (D)
の点で,minimal fine
極限0
をもつ。また,Na¨ım
の定理1で
, u = k ζ
1, p = ˆ R F k
ζ\D
1 とおくと,
R ˆ F k
ζ\D
1
k ζ
1は
δ ζ
1に関して,ほとんどすべてのξ ∈ ∆ 1
で,minimal fine
極限0
をもつ,すなわち,R ˆ F\D k
ζ1
k ζ
1は
ζ 1
で,minimal fine
極限0
をもつ。よって,v
はζ 1
で,minimal fine
極限∞
をとり,ζ 0
で,minimal fine
極限0
をとる。系の仮定にこれは矛盾する。よっ て,∆ 1 (D) = { ζ 0 }
がなりたつ。定理
2.
任意のu ∈ HP 0 (D)
対して,u
が∆ 1 (D)
のすべての点で,同じminimal fine
極限をも つならば,∆ 1 (D)
は1
点のみからなる。証明
. ζ 1 , ζ 2 ∈ ∆ 1 (D)
を任意にとる。f(z) := k ζ
1(z), g(z) := k ζ
2(z)
とおく。まず,ζ 1
で,g(z) f(z)
はminimal fine
極限0
をもつことがわかる。実際,Doob
の定理より,ζ 1
で,g(z)
f (z)
はminimal fine
極限c( ≥ 0)
をもつ。その値をc > 0
と仮定する。V := { z ∈ F | g(z) > c
2 f(z) }
とおく。このとき,V
は開集合で,V ∪ { ζ 1 }
はζ 1
のminimal fine
近傍となり,V
上,g > c
2 f
がなりたつ。 よって,F
上,g ≥ R ˆ V g ≥ c 2 R ˆ V f = c
2 f.
g
はminimal
であるので,ある正数β
が存在して,F
上,g = β c
2 f
がなりたつ。よって,ζ 2
はζ 1
と一致せねばならない。これは矛盾である。よって,
c = 0.
補題
1
と上で示したことより,k ζ
1− k ζ
2= k ζ
1( 1 − k ζ
2k ζ
1)
は
ζ 1
で,minimal fine
極限∞
を もつ。ζ 1
とζ 2
を入れ換えることにより,k ζ
1− k ζ
2 はζ 2
で,minimal fine
極限−∞
をもつ。u = k ζ
1− k ζ
2− R ˆ F k
ζ\D
1
+ ˆ R F k
ζ\D
2 とおくと,
u ∈ HP 0 (D)
となり,定理1
の系の証明と同様の論法に より,u
はζ 1
で,minimal fine
極限∞
をもち,ζ 2
で,minimal fine
極限−∞
をもつ。これは,定 理の仮定に矛盾する。よって,定理の主張を得る。4 .付録
D(⊂ F )
をその相対境界∂D
がコンパクトでなく,相対コンパクトでない正則領域であるとし,5
∆ 1 (D) := {ζ ∈ ∆ M 1 |k ζ ̸= ˆ R F\D k
ζ},
HP + (F, D) = {u ∈ HP + | R ˆ F\D u
はF
上のGreen
ポテンシャルである}
とおく。このとき,次の命題がなりたつ。命題
♯∆ 1 (D) = sup
h∈HP
+(F,D)
sup { n ∈ N|
領域O j ( ⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅ (i ̸ = j)
かつR ˆ F h \O
j̸ = h
がなりたつ}
, ただし,♯∆ 1 (D)
は∆ 1 (D)
の要素の個数を表す。証明
. 1) ♯∆ 1 (D) = ∞
のとき,∆ 1 (D)
の部分集合{ζ j } m j=1
をとるとき,F ∗
は距離空間であり,minimal fine
位相の特性を用いると(2
節参照),D
の部分領域列{D j } m j=1
で,各D j ∪ {ζ j }
はζ j ,
のminimal fine
開近傍で,D i ∩ D j = ∅ (i ̸ = j)
を満たすものがとれる。v =
∑ m j=1
k ζ
j とおくと,R ˆ F k \D
jζj
̸ = k ζ
j(1 ≤ j ≤ m)
であるので,各k ∈ { 1, · · · , m }
に対して,R ˆ F v \D
k= ˆ R ∑ F\D
n0k j=1k
ζj=
n
0∑
j=1
R ˆ F\D k
kζj
̸ =
n
0∑
j=1
k ζ
j= v.
よって,
sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅(i ̸= j)
かつR ˆ F\O h
j̸= h
がなりたつ} ≥ m.
m
が任意であるので,sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅ (i ̸ = j)
かつR ˆ F\O h
j̸ = h
がなりたつ} = ∞ .
よって,♯∆ 1 (D) = sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅(i ̸= j)
かつR ˆ F h \O
j̸= h
がなりたつ}.
2) ♯∆ 1 (D) < ∞
のとき,n 0 = ♯∆ 1 (D)
とおく。まず,sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅ (i ̸ = j)
かつR ˆ F\O h
j̸ = h
がなりたつ} ≤ n 0 (1)
を示す。h ∈ HP + (F, D)
を任意にとる。このh
に対して,領域O k (⊂ D, k = 1, 2, · · · , n)
で,O k ∩ O l = ∅ (k ̸ = l)
かつR ˆ F\O h
k̸ = h (k = 1, 2, · · · , n)
をみたすものがとれたとする。Martin
の表 現定理より,ある非負値c j (1 ≤ j ≤ n 0 )
が存在して,h =
n
0∑
j=1
c j k ζ
jがなりたつ。よって,R ˆ F\O h
k= ˆ R F ∑ \O
n0k j=1c
jk
ζj=
n
0∑
j=1
c j R ˆ k F\O
kζj
̸ =
n
0∑
j=1
c j k ζ
j= h.
∆ 1 (D) := {ζ ∈ ∆ M 1 |k ζ ̸= ˆ R F\D k
ζ},
HP + (F, D) = {u ∈ HP + | R ˆ F u \D
はF
上のGreen
ポテンシャルである}
とおく。このとき,次の命題がなりたつ。命題
♯∆ 1 (D) = sup
h∈HP
+(F,D)
sup { n ∈ N|
領域O j ( ⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅ (i ̸ = j)
かつR ˆ F h \O
j̸ = h
がなりたつ}
, ただし,♯∆ 1 (D)
は∆ 1 (D)
の要素の個数を表す。証明
. 1) ♯∆ 1 (D) = ∞
のとき,∆ 1 (D)
の部分集合{ζ j } m j=1
をとるとき,F ∗
は距離空間であり,minimal fine
位相の特性を用いると(2
節参照),D
の部分領域列{D j } m j=1
で,各D j ∪ {ζ j }
はζ j ,
のminimal fine
開近傍で,D i ∩ D j = ∅ (i ̸ = j)
を満たすものがとれる。v =
∑ m j=1
k ζ
j とおくと,R ˆ F k \D
jζj
̸ = k ζ
j(1 ≤ j ≤ m)
であるので,各k ∈ { 1, · · · , m }
に対して,R ˆ F v \D
k= ˆ R F\D ∑
n0k j=1k
ζj=
n
0∑
j=1
R ˆ F\D k
kζj
̸ =
n
0∑
j=1
k ζ
j= v.
よって,
sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅(i ̸= j)
かつR ˆ F\O h
j̸= h
がなりたつ} ≥ m.
m
が任意であるので,sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅ (i ̸ = j)
かつR ˆ F h \O
j̸ = h
がなりたつ} = ∞ .
よって,♯∆ 1 (D) = sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅(i ̸= j)
かつR ˆ h F\O
j̸= h
がなりたつ}.
2) ♯∆ 1 (D) < ∞
のとき,n 0 = ♯∆ 1 (D)
とおく。まず,sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅ (i ̸ = j)
かつR ˆ F\O h
j̸ = h
がなりたつ} ≤ n 0 (1)
を示す。h ∈ HP + (F, D)
を任意にとる。このh
に対して,領域O k (⊂ D, k = 1, 2, · · · , n)
で,O k ∩ O l = ∅ (k ̸ = l)
かつR ˆ F\O h
k̸ = h (k = 1, 2, · · · , n)
をみたすものがとれたとする。Martin
の表 現定理より,ある非負値c j (1 ≤ j ≤ n 0 )
が存在して,h =
n
0∑
j=1
c j k ζ
jがなりたつ。よって,R ˆ F\O h
k= ˆ R F\O ∑
n0k j=1c
jk
ζj=
n
0∑
j=1
c j R ˆ F\O k
kζj
̸ =
n
0∑
j=1
c j k ζ
j= h.
6
よって,ある
j 0 ∈ {1, 2, · · · , n 0 }
に対して,c j
0> 0
かつR ˆ F k
ζj\O
k0
̸= k ζ
j0がなりたつ。κ(O k ) := { j ∈ { 1, 2, · · · , n 0 }| R ˆ F k \O
kζj
̸ = k ζ
j}
とおくと,k ̸ = l
のとき,κ(O k ) ∩ κ(O l ) = ∅
である。実際,
k ̸ = l
のとき,κ(O k ) ∩ κ(O l ) ̸ = ∅
と仮定して,j 1 ∈ κ(O k ) ∩ κ(O l )
がとれたとする。この仮 定より,R ˆ F\O k
ζj k1
および
R ˆ F\O k
ζj l1
は
F
上のGreen
ポテンシャルである。よって,R ˆ F k
ζj\O
k1
+ ˆ R F k
ζj\O
l1
は
F
上のGreen
ポテンシャルである。一方,O k ∩ O l = ∅
すなわち,O k ⊂ F \ O l
に注意して,balayage
の基本的な性質(cf. [1, VI
章,
命題1.3])
を用いると,k ζ
j1= ˆ R F k
ζj1
= ˆ R O k
ζjk∪(F\O
k)
1
≤ R ˆ O k
ζjk1
+ ˆ R F k
ζj\O
k1
≤ R ˆ F\O k
ζj l1
+ ˆ R F\O k
ζj k1
.
これは
[4, Folgesatz 4.6]
に矛盾する。よって,k ̸= l
のとき,κ(O k ) ∩ κ(O l ) = ∅
がなりたつ。こ のことから,n ≤
∑ n k=1
♯κ(O k ) ≤ n 0 .
よって,(1)
がなりたつ。次に,
(1)
の逆向きの不等式を示す。v :=
n
0∑
j=1
k ζ
jとおく。各j(= 1, · · · , n 0 )
に対して,領域D j
で,
D j ∪ {ζ j }
がζ j
のminimal fine
開近傍であり,D i ∩ D j = ∅(i ̸= j)
を満たすものがとれる。1)
♯∆ 1 (D) = ∞
のとき,各k ∈ {1, · · · , m}
に対して,R ˆ F\D v
k̸= v
を示したと同様な論法から,各j
に対して,R ˆ F v \D
j̸ = v.
よって,sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅ (i ̸ = j)
かつR ˆ F\O v
j̸ = v
がなりたつ} ≥ n 0 .
よって,sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅ (i ̸ = j)
かつR ˆ F\O h
j̸ = h
がなりたつ} ≥ n 0 (2).
よって,
(1)
および(2)
より,♯∆ 1 (D) = sup
h∈HP
+(F,D) sup{n ∈ N|
領域O j (⊂ D, j = 1, 2, · · · , n)
が存在して,O i ∩ O j = ∅ (i ̸ = j)
かつR ˆ F h \O
j̸ = h
がなりたつ} .
よって,求める結果を得る。7
参考文献
[1] Bliedtner J. and Hansen W., Potential theory, Springer, 1986.
[2] Brelot M., On topologies and boundaries in potential theory, Springer, 33 1971.
[3] Constantinescu, C. and Cornea, A., Potential Theory on Harmonic Spaces, Springer, 1972.
[4] Constantinescu, C. and Cornea, A., Ideale R¨ander Riemanncher Fl¨achen, Springer, 1969.
[5] Doob J.L., Conditional Brownian motion and boundary limits of harmonic functions, Bull.
Soc. Math. France, 85(1957), 431–458.
[6] Doob J.L., A non-probabilistic proof of the relative Fatou, Ann. Inst. Fourier, 9(1959), 293–300.
[7] Gowrisankaran K., Fatou-Na¨ım-Doob limit theorems in the axiomatic system of Brelot, Ann. Inst. Fourier, 16(1966), 455–467.
[8] Gowrisankaran K., Extreme harmonic functions and boundary value problems, Ann. Inst.
Fourier, 13(1963), 307–356.
[9] Heins M., Riemann surfaces of infinite genus, Annals of Math., 33(1952), 296–317.
[10] Helms L.L., Introduction to potential theory, Wiley, 1969.
[11] Herv´e R., Recherches axiomatiques sur la theorie des fonctions surharmoniques et du po- tentiel, Ann. Inst. Fourier, 12(1962), 415–571.
[12] Kusunoki Y., Function theory, Asakura shoten, 1973.
[13] R.S.Martin, Minimal positive harmonic functions, Trans. Am. Math. Soc. 49(1941), 137–
172.
[14] Na¨ım L., Sur le rˆole de la fronti`ere de R. S. Martin dans la th´eorie du potentiel, Ann. Inst.
Fourier, 7 (1957), 183–281.
謝辞
この論文の発刊に際して,著者は査読者の親身な助言に深く感謝したい。
参考文献
[1] Bliedtner J. and Hansen W., Potential theory, Springer, 1986.
[2] Brelot M., On topologies and boundaries in potential theory, Springer, 33 1971.
[3] Constantinescu, C. and Cornea, A., Potential Theory on Harmonic Spaces, Springer, 1972.
[4] Constantinescu, C. and Cornea, A., Ideale R¨ander Riemanncher Fl¨achen, Springer, 1969.
[5] Doob J.L., Conditional Brownian motion and boundary limits of harmonic functions, Bull.
Soc. Math. France, 85(1957), 431–458.
[6] Doob J.L., A non-probabilistic proof of the relative Fatou, Ann. Inst. Fourier, 9(1959), 293–300.
[7] Gowrisankaran K., Fatou-Na¨ım-Doob limit theorems in the axiomatic system of Brelot, Ann. Inst. Fourier, 16(1966), 455–467.
[8] Gowrisankaran K., Extreme harmonic functions and boundary value problems, Ann. Inst.
Fourier, 13(1963), 307–356.
[9] Heins M., Riemann surfaces of infinite genus, Annals of Math., 33(1952), 296–317.
[10] Helms L.L., Introduction to potential theory, Wiley, 1969.
[11] Herv´e R., Recherches axiomatiques sur la theorie des fonctions surharmoniques et du po- tentiel, Ann. Inst. Fourier, 12(1962), 415–571.
[12] Kusunoki Y., Function theory, Asakura shoten, 1973.
[13] R.S.Martin, Minimal positive harmonic functions, Trans. Am. Math. Soc. 49(1941), 137–
172.
[14] Na¨ım L., Sur le rˆole de la fronti`ere de R. S. Martin dans la th´eorie du potentiel, Ann. Inst.
Fourier, 7 (1957), 183–281.
謝辞
この論文の発刊に際して,著者は査読者の親身な助言に深く感謝したい。